複合材料コンポーネントを作製するためのシステムと方法
複合材料コンポーネントを作製して使用するためのシステムと方法が開示される。複合材料コンポーネントは好ましくはパターンとして構築され、所定のフィラーに必要なパーツの全てが単一のパターン連続体に含まれる。これらの連続パターンを使用することにより、材料を切り出して折り畳むことができ、パーツは、単一のフィラーを形成する個々のパーツが互いに取り外し可能に接続されるように形成することができるので、これらのパーツを効果的且つ効率的に整理することができる。次いで、フィラーパネルは、縁がずれた折り畳みスタックに構成される。好ましくは、折り畳み領域がやや異なる二つの形状が使用される。異なるパターンを使用して、最初の二つのパネルを0度に配置し、次の二つのパネルを45度に配置し、次いでパターン全体に亘って角度位置を互い違いにすることができる。パターンは、折り畳み線を作りやすくするために、好ましくは、連続する各パネル対の間に三角形部分又はタブを含む。次いで、複合材料コンポーネントシステムの一部を形成するこれらのタブは、フィラーパネルが形成された後で廃棄される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2007年1月31日に出願された「system and method for making composite material components」と題する同時継続米国特許出願番号第11/669834号の優先権を主張し、ここで明示したことによりこの米国特許仮出願の内容全体を包含する。
本発明は、概して複合材料の分野に関し、具体的には、複合材料コンポーネント又はアセンブリを作製するためのシステムと方法に関する。本発明は、航空宇宙産業用の複合コンポーネントの作製に使用するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
複合材料のコンポーネントの製造では普通、様々な複合パーツの構築を支持するために必要とされる、様々な種類、大きさ、方向及び厚みの材料からなる多数の個別パーツ又はパネルを使用しなければならない。特に、航空宇宙産業では、単一の航空機を構築するために、フィラー材として使用される多数のパネル(航空宇宙産業においてはプライとも呼ばれ、よって互換可能に使用される)が必要とされる。これらのフィラー材は様々な形状及び大きさを有する多数のパネルを含むが、同じ大きさ及び形状を有する多数のパネルが必要になることもある。例えば、航空機の構築に使用される多数のパネルを互いに締め固めするために、フィラー材からなるほぼ矩形のパネルを段階的な大きさで作製することが必要になることがある。フィラー材からなるこれら個別パネルの各々を得るために、各パネルをファブリックシートから切り出さなければならない。別の開発方法では、一連のパターンに一緒に切り出される同じ大きさのパネルパーツが設計されたが、これらのパネルパーツは、切断装置を用いて後で分離しなければならない。
構築に必要なパネルフィラーの数が大量になると、必要なパネル(又はプライ)の数は増加して約10倍にもなる。このようなパネル数の増加により、時に四辺の全てにベベルを有する積層を用いる必要が生じる。大きさを段階的に変えることによりベベル形状がつくられ、締め固めの後でパーツの仕上げは行われない。必要なフィラー厚に応じて、大きなファブリック片を積層体に締め固めし、次いでAGFM6軸プライカッターなどのプライカッターを用いてパネルフィラーを切り出すという幾つかの試みが行われた。しかしながら、このような実行可能性の低い選択肢を実行するのに適切な工具は常に利用可能でない。
【0003】
各パネルを個々に切断する別の方法には、矩形の材料を特定の大きさの個々のパネルに切断し、次いでこれら矩形材料を締め固めしてフィラーを作成することが含まれる。各パネルは、正味の大きさが異なる特定のオフセットにより段階的な大きさに作製され、第2のパネルの大きさは第1のパネルの正味の大きさとはオフセット分だけ異なる、というように、積層体に必要なパネル(又はプライ)の数に亘ってそのような構成が繰返される。部品量及び必要となるパネルの種類の数を考慮して、このようなパネルの準備方法により、所望のパネルを容易に識別してフィラー形成の締め固め工程に使用するものを選択することができるように、パネルを整理された状態に維持するという課題が提示される。各パネルを分離するには、各パネルを個々にマーキングして追跡することが必要である。さらに、パネルは通常締め固めテーブル上に散らばっているので、後でキットを組み立てるためにテーブルからパネルを回収する必要があり、よって積層体を締め固めテーブルで形成する必要がありうる。これにより、構築工程に用いるためにこれらフィラーを準備する場所及び方法の柔軟性が低下する。この柔軟性は、適切なアセンブリの要件を満たすために部品を順番に積み重ねなければならない場合に特に低下する。
これらフィラーを準備するための他の選択肢には、タブアウトストリンガを使用すること、プライブランケットを作製し、次いでAGFMカッターなどのカッターを使用してパネルを切り出すこと、ガーバーカッターを使用すること、二段フィラーを使用すること(フィラーと切手状部分)、及び一段フィラーとシヤータイシムとを使用することが含まれる。タブアウトストリンガの使用は、大量の材料を無駄にするため、好ましくないことが分かっている。プライブランケットを作製するとき、同時にAGFMナイフを使ってパターンを有する材料を複数の長さに切断しなければならず、これは、AGFMにより実行するには容易な作業ではない。従来のガーバーカッターを使用する場合、やはり各パネルを個別に切断しなければならず、切断後、締め固めテーブルから各ピースを個別に選択しなければならない。さらに、ガーバーカッターは90°に切断することしかできない。よって、この方法を使用することによって時間が節約されることはない。二段階フィラー工程は、レイアップを複雑にし(ハンドレイアップ、自動化問題、位置公差)、アセンブリを複雑にし(シヤータイフット、シミングの可能性)、工具を複雑にし、且つエンジニアリングを複雑にする。同様に、一段階フィラーとシヤータイシムの組み合わせは、レイアップを複雑にし(ハンドレイアップ)、自動化の問題を生じさせ(位置公差)、アセンブリを複雑にし(シヤータイフット、シミングの可能性)、工具を複雑にし、さらにはエンジニアリングを複雑にする。
【0004】
上述したこれら従来の方法では、長時間を掛けて手作業により準備を行い、且つ後でフィラー材に使用されるパネルを整理しなければならない。同じパネル選択が繰り返し何度も行われるとき、これらのパネルが整理されていないか、又は最初に積み重ねられていないことにより、フィラーを準備するたびに適切なパネルを探さなければならないという問題が起こる。必要となる小型パーツの数が増大すると、小型パーツを切り出すステップの数も増大する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、製造工程において一緒に使用される多数のパーツを準備及び整理するためのシステムと方法を目的としている。これらのパーツは、パーツが接続された一つのキットとして形成される折り畳み工程を用いて準備及び整理される。一実施形態は、複合材料コンポーネントの作製方法を目的としており、本方法は、ブランクファブリックシートを供給するステップ、ファブリックシートで第1パネルを形成するステップ、第1パネルに隣接し、且つ第1パネルから取り外し可能に区別された第2パネルを、ファブリックシートで形成し、第1パネル対を形成するステップ、並びに、第1パネル対に隣接し、且つタブにより第1パネル対から取り外し可能に分離された第2パネル対を形成するステップを含む。本方法は、好ましくは、互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブを形成するステップを含むことができる。本発明の方法の一実施形態では、追加的なパネル対を形成することができ、好ましくは、各パネル対はタブによって分離される。さらなる実施形態は、パネル対の一つに隣接し、且つ当該パネル対の一つからタブによって取り外し可能に分離された切手状部分を形成すること、及び/又はファブリックシートの端部に切手状部分を形成することを含む。
さらなる実施形態では、複合材料コンポーネントシステムが開示され、本コンポーネントシステムは、折り畳み線により取り外し可能に接続されてパネル対を形成する少なくとも二つのパネルと、タブによって取り外し可能に接続された複数のパネル対を備えている。タブは、好ましくは、互いに取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有することができる。本システムは、さらに、タブによってパネルから取り外し可能に分離された切手状部分を含むことができる。この切手状部分は、好ましくは、互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブによって、パネルから取り外し可能に分離することができる。これに加えて又はこれに代えて、切手状部分は、ファブリックシートの端部のタブによってパネルから取り外し可能に区別することができる。
【0006】
別の実施形態では、好ましくは本発明で開示される方法によって形成される複合材料コンポーネントは、好ましくは折り畳むことが可能であり、上にマークを有する第1のパネル対の第1パネルを折り畳んで第1パネル対の隣接するパネルの上に重ね、折り畳まれた第1のパネル対の外側のタブを折り畳み、折り畳まれた第1のパネル対の下のタブに隣接する次のパネルを折り畳み、複合材料コンポーネント中の最後のパネルに達するまで、残りのパネルとタブをスタックに折り畳むことにより、個々のコンポーネントパーツが使用可能となる。ここで、タブはパネルのスタックから分離される。
【0007】
上述では、後述する本発明の詳細な説明が理解し易くなるように、本発明の特徴及び技術的利点を大雑把に要約した。請求の範囲の主題となる本発明のさらなる特徴及び利点については後述する。当業者であれば、本発明の概念及び特定の実施形態が、本発明の同じ目的を実行するための改良又は他の構造の設計の基礎として容易に利用できることが分かるであろう。また、当業者であれば、そのような等価な構築物は、請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲を逸脱しないことが分かるであろう。その構成及び操作方法の両面において、本発明の特徴と考えられる新規機能と、さらなる目的及び利点とは、添付図面を参照する後述の説明によりさらに明らかとなる。しかしながら、各図面は、例示及び説明のみを目的としており、本発明の範囲を規定するものではないことを明記する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の理解を助けるため、添付図面を参照して後述の説明を行う。
【図1】本発明の一実施形態による折り畳み体を示す。
【図2】本発明の一実施形態による折り畳み体を示す。
【図3】本発明の一実施形態により折り畳まれた、三角形部分が取り除かれていない折り畳み体の一実施形態を示す。
【図4】当初折り畳み体に含まれていた三角形部分が取り除かれた、本発明の一実施形態を示す。
【図5A】直線の切断部を含む、本発明の一実施形態による折り畳み体の二つのパネルを示す。
【図5B】上下に重なるように折り畳まれた図5Aの二つのパネルを示す。
【図6A】曲線又は斜線の切断部を含む、本発明の一実施形態による折り畳み体の二つのパネルを示す。
【図6B】上下に重なるように折り畳まれた図6Aの二つのパネルを示す。
【図7】曲線の切断部を有する一連のパネルを使用した、本発明による折り畳み体の一実施形態を示す。
【図8】本発明による、様々な形状及び大きさの一連の折り畳み体の一パターンを示す。
【図9】本発明による複合材料コンポーネントシステムの形成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態によれば、所定のフィラーに必要な全てのパーツを単一のパターン連続体に含んだフィラーのパターンを構築することができる。これらの連続パターンを使用して、材料を切断し、折り畳むことができ、個々のパーツが単一のフィラーを形成するようにつくられたパーツは、互いに取り外し可能に接続されるので、後述するように、効果的且つ効率的に整理される。次いでフィラーパネルは縁がずれた折り畳みスタックに構成することができる。好ましくは、各折り畳み領域が若干異なっている二つの形状が使用される。連続体のうちの最初の二つのパネルを0度に配置し、次の二つのパネルを45度に配置した後、パターン全体に亘って角度を互い違いに配置するために、異なるパターンを使用することができる。パターンは、好ましくは、連続体の各パネルセット間に、折り畳み線の形成を助ける三角形部分を含む。切断線は直線でなく、折り畳まれると折り畳みに重複が生じるように、湾曲している。この場合、三角形部分は、可能であれば、フィラーパネルが形成された後で切断するか又は破り取ることにより廃棄される。角度0度というとき、それは90度に等しく、同様に、−45度は45度に等しい。これら繊維の角度の公差は約3−5度である。
図1は、本発明の一実施形態による折り畳み体10を示す。折り畳み体10は、異なる角度に配置された一連のパネル(又は構成要素)から構成され、場合によってはこれらのパネルは様々な形状を有する。パネル101及び103は、折り畳み線111によって分割される。折り畳み線111は、本発明による折り畳み方法が完了したときに、さらなる分離技術(例えば、カッターの使用)を必ずしも必要とせずに、手動で又は他の手段により、パネル101と103を互いから分離できるように、パネル101、103を取り外し可能に接続している。パネル101、103は、これらの隣接するパネルが上下に折り畳まれるとき、パネル101、103が互いに同一平面上に位置するように、ほぼ互いの鏡像となっている。通常は、一方のパネルが他方のパネルの縁からいくらか飛び出す(段階式に)が、本発明の目的又は精神から逸脱しない程度である。
【0010】
パネル103は、三角形部分104によりパネル105から分離されている。三角形部分104は、二つの三角形が合体されて形成されており、パネル101から折り畳み体10の折り畳みが開始されるとき、三角形部分104によって配置角度が変わり、よって次にパネル105と106が折り畳まれるときの折り畳み線を形成するように配置されている。三角形部分104のような要素は、折り畳み体10に含まれる二つで一組のパネルの各組の後に導入されるが、本発明の別の実施形態では、本発明の目的から逸脱することなく、三角形部分104はパネル二つ毎よりやや多く導入されてもよい。
さらに、三角形部分104に続くパネルは、同じ大きさ及び形状を有さなくともよい。一実施例として、パネル107は、パネル112とは大きさ及び形状が異なるが、三角形部分113はパネル112の前に位置する。この場合、パネル107は、大きなサイズのパーツが望ましいときに折り畳み体の一部として導入されており、さらに、パネル107は、折り畳み工程の末尾において折り畳み体10の方向性を変更するという機能を有する。
【0011】
折り畳み体10は切手状要素を含む。これらの切手状要素は、当業界において、所定の位置の厚みが異なる二つのパーツ(例えばストリンガ)の間をフィラーによって接続する面積を均一にするために使用される小さな要素である。図1では三つの切手状部分108、110、114しか示されていないが、一般的な折り畳み体の端部には、五つまでの切手状要素を配置することができる。切手状部分は、様々に異なる実施形態において折り畳み体に導入できることが好ましい。一実施形態では、折り畳み体の最終フィラーパネルが、切手状部分を含むのに十分な長さに亘って延びる。別の実施形態では、切手状要素は最終パネルの外側に折り畳まれる。このようにして切手状部分がフィラーパネル内に折り畳まれることにより、所望のあらゆる形状及び必要な数の切手状部分を使用することができる。切手状部分の導入様式に関係なく、作製されるフィラーのいずれか一つを処理するために、材料片が一つだけ必要になることが好ましい。
パネル101、103は90度の角度で、パネル105、106は45度の角度で配置されている。従って、パネル105、106に続く次のパネル対は、パネル101、103と同様に90度で配置される。パネルの組を配置する角度を交互に変更することにより、本発明による折り畳み方法で折り畳み線の方向を変えることがさらに容易になり、よって折り畳み工程において三角形部分104、109をパネル群から分離することが可能となる。しかしながら、本発明の目的から逸脱することなく、90度及び45度以外の配置角度も使用できることに留意されたい。
【0012】
図2は、本発明の別の実施形態を示す。折り畳み体20は一連のパネルを含み、連続するパネルの組と組の間には三角形部分が挿入されている。パネル201、203は、折り畳み線205によって区別されており、図1に関して前述したものと同様に、折り畳み線205は取り外し可能に201、203を接続しているので、折り畳み工程が完了したとき、パネル201、203は互いから分離することができる。また、図1に示す実施形態と同様にパネル201、203は90度の角度で配置されており、三角形部分204に続くパネルは45度の角度で配置されている。
パネル201に加えられたマーク202について説明する。マーク202の存在理由は複数あるが、一般的には、ユーザに対し、折り畳み体20内の、折り畳み工程を開始するパネルを識別するための表示となる。折り畳み方法は図9に示される。ユーザは、好ましくは、折り畳み体20を手に取り(図9のステップ905)、パネル(又はプライ)201から始めて、このパネル201がパネル203の上に配置されるように、このパネルを折り畳む(図9のステップ906及び907)。全てのパネルを互いに重なるように折り畳み、各三角形部分がパネルに接続した状態でパネルの側方に位置するまで折り畳み工程を行う(図9のステップ908−910)。全てのパネルを折り畳んだとき、パネル201が好ましくはパネルスタックの一番上に来るので、マーク202がパネル201の上に見える(図9のステップ912)。図2に示すマーク202は一連の数字を有するが、このマークは、本発明の目的から逸脱することなく、ユーザが所望するあらゆる文字、番号、記号又はその他の種類のマークを含むことができる。マークに使用される識別の種類に関係無く、マークは、折り畳まれたパネルスタックの識別子となるので、スタック中の各パネルを個別にマークする必要がない。つまり、好ましくは、マーク202は、複数の要素からなるスタック全体を指定する機能を有する。パネルの全てが接続したままでパネルが折り畳まれた後、好ましくは、マーク202を、スタックに正しいパネルが含まれていること、正確な数のパネルが含まれていること、及びパネルは全て接続されているので、スタック中の選択されたパネルの使用時にユーザが適切なパネルを探す必要が無いことを確認するための、ダブルチェックとして使用することができる。
【0013】
マーク202は、一番上のパネルに数字を含み、これら数字は、厚み(つまり、スタックに含まれるパネルの数)及び/又はパネルのスタックに関係しうる他の識別子の中からパネルが適用される特定のパーツ番号を示すことができる。スタックは、マーク202が見えて、それが適切な方向に向いているとき配置のガイドとして使用できるように配置される。マーク202は、折り畳み工程を開始するため、及びスタックを形成する個々のパネルを整理するための補助として使用することができる。そうでない場合、各パネルにラベルを付与しなければならない。従って、マーク付けに掛かる時間が平均で90%も削減される。マーク202は、フィラーの一部に何枚のパネルが含まれているかを知るためのチェックにも使用される。
図2の折り畳み体20は、切手状要素を含まないという点で図1の折り畳み体10とはパターンが少し異なっている。例えば特定のフィラーの準備に切手状要素が必要で無いことがあり、よってそのような切手状要素を含まない折り畳み体20のパターンが作製される。しかしながら、折り畳み体20には、パネル201、203とはやや形状の異なるパネル207、208が含まれていることに注意されたい。折り畳み体20を形成するパネルの全てが本発明による工程に従って折り畳まれると、好ましくは、パネルは階段状に上下に積み重なる。
【0014】
図1及び2に示す折り畳み体のパターンは、好ましくは、ポイントを手動で周縁部に集めるコンピュータモデリングソフトウェアを用いて生成される。このとき、これらのポイントは、ファイルを生成するための実行可能なプログラムにローディングされ、モデル化される固形物の角にポイントが寄せ集められる。ポイントは折り畳み体のフォーマットに分散され、折り畳み体の表面と境界のポイントがファイルに編集されて、好ましくはAutocadなどのソフトウェアプログラムにローディングされる。デザインがさらにユニークな一部のフィラーの場合、Autocadなどのソフトウェアプログラムにプライの形状を抽出する前に、まずユーザが手動で追加パネルのオフセットを行わなければならない。次いで、好ましくは、プライカッターを用いて切断される材料の上にパターンを投影する。パターンの切断に使用されるプライカッターの種類は、本発明において重要ではなく、折り畳み体のパターンを生成するためにガーバープライカッター及びAGFMを含めて様々なプライカッターが使用されている。しかしながら、一部のプライカッターは、操作に時間を要するためにあまり望ましくない。
ブランクファブリックシートに所望のパターンをデザインし(図9のステップ901)、このデザインを所望のフィラー材料の上に配置する(図9のステップ902−904)ことにより、図1及び2に示すような折り畳み体は、特定のフィラーに必要なパネル(プライ)の種類と適切な厚さに折り畳まれる。次いで、所望のフィラー材料から切断パターンを除去する。マーク(図2、マーク202)を含むパネルを保持し(図9のステップ905)、マークされたパネルに隣接するパネルを下に折り畳む(図9のステップ906−907)。折り畳まれたパネルの外側の三角形部分を折り畳むことにより、折り畳む方向を変更する(図9のステップ908)。三角形部分に隣接する次のパネルを下に折り畳み(図9のステップ909)、パネルを重ね合わせ、且つパネルから分離された三角形部分を折り畳む工程を、最終パネルに到達するまで続ける(図9のステップ910)。全てのパネルを一つのスタックに折り畳んだ後(図3参照)、三角形部分をパネルのスタックから分離する(図4及び図9のステップ911参照)。次いで、このスタックは、スタックを識別するマークが見えるように、マークを含むパネルが一番上になるように置く(図9のステップ912)。このようなマークの方向決めは、締め固めを行った後でもパネルスタックを識別できるようにするという点で重要である。
【0015】
パネルを切断するため(例えば材料の幅半インチのストリップ状に)、各端部に概ね0.050を残して切断することにより、ストリップを接続したままにする。この点で、巻き上げたパネルの全ては接続されたままであり、容易に取り扱うことができるように巻き上げることができる。こうして、スタックを個々のパネルに分離するときが訪れたら、切断されていないタブを切り裂くか、又はちぎり取ることにより、パネルを分離することができる。同様に、切手状要素については、複数の切手状要素を一つのパターンにまとめて切断することができる(図1参照)。二つ以上の切手状要素が必要であるとき、それらを連続体の形態で準備してから、折り畳むことができる。これらの切手状要素を、45度で切断されたものと互いに編みこむことにより、折り畳む方向を必要に応じて維持することができる(つまり、図1に示すように、0及び45度の方向のプライを交互に配置する)。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態を示し、パネルの折り畳みが終わっているが、三角形部分の分離がまだ行われていない折り畳み体20の好ましい外見が示されている。図では、マーク304はパネルスタック30の一番上のパネル305に設けられており、よってスタックに含まれるパネルの種類と数が分かるようにユーザが目視可能である。三角形部分301はパネルスタック30の一部として示されてはいないが、それでも、角302、307のところでパネルのスタックに取り外し可能に取り付けられている。パネルスタック30を使用する準備を行うとき、ユーザは、三角形部分301をスタック30の角302、307のところで引っ張るか、又はちぎり取ることにより、スタック30から三角形部分301を分離する。また、図3に示すように、スタック30は一番上のパネル305に加えて様々なパネルを含み、これらのパネルが折り畳まれてスタック30が形成されている。パネルは全て同じ大きさではないので、それらの幾つかは、一番上のパネル305の下からはみ出しており、パネル303、306は階段状のパターンを形成している。スタックの硬化が行われた後は、階段状のパターンは無くなり、縁は滑らかになる。
図4には、パネルのスタックから三角形部分が取り外された状態の、折り畳み体20(図2)の外見が示されている。図3に示したものと同様に、スタック40に含まれる一番上のパネル405は、スタック40に含まれるパネルの数と種類を確認するためのマーク404を有する。最初は折り畳みスタック40の一部であった三角形部分に接続していた角402、406は、スタック40の一部として残っており、この時点ではスタック40を構成するパネルを互いに対して取り外し可能に接続している。図4でも、スタック40を構成するパネル401、403は階段状のパターンを有している。
【0017】
図5A及び5Bは、直線状の折り畳み線が用いられたパネルの対の、折り畳み前と折り畳み後をそれぞれ示している。図5Aに示すパネル対50のパネル501、502は、折り畳まれていない。折り畳み線503は直線の切断線であり、また、図5Aに示す突出部504は、パネル501、502が完全な左右対称でないことにより、上下に折り畳まれたときに階段状に重なることを示している。図5Bは、パネル501、502が折り畳まれた状態の対50を示している。折り畳み線503を直線状の切断線とすることにより、パネルの縁が互いに直接重なり合うことになる。パネル502がパネル501の下からややはみ出すが、パネルの縁505、506は互いに直接上下に重なっている。
図5A及び5Bに示す接続するパネル対には直線状の切断線が用いられているが、本発明の目的及び理念から逸脱することなく他の切断線を用いることができる。図6A及び6Bに示す別の実施形態では、湾曲した切断線が用いられている。図5Aと同様に、図6Aは、パネル601、602が折り畳まれる前のパネル対60を示す。折り畳み線603は、湾曲した切断線であり、また、図6Aに示す突出部604は、パネル601、602が完全に左右対称でないことにより、折り畳まれると階段状の構成となることを示している。図6Bは、パネル601、602が上下に折り畳まれた状態の対60を示している。折り畳み線603を湾曲した切断線とすることで、後続のパネルの縁がずれる。従って、図6Bに示すように、パネル602の縁606はパネル601からずれてはみ出している。しかしながら、縁602と605は基本的に整列している。
【0018】
図7に示す、本発明による折り畳み体の一実施形態では、折り畳み体70は、両側の縁が湾曲している一連のパネル701、702、705を用いて形成されている。図7に示されるような円弧パターンは、材料を有効利用する無駄の無いパターンに構成するために使用するのに興味深いパターンであり、湾曲した縁はやはり本発明に従って折り畳むことができる。このような湾曲した縁は、好ましくは、パネルが、パネルを分離する三角形部分を有する代わりに、これらの曲線又は湾曲により接続されることを意味する。一実施例として、湾曲704は、パネルの接続部の遠端に三角形部分を有するパネル702、705を分離する。従って、パネル702、705は、図1及び2に示すようなに角を用いて接続される場合と異なり、パネルの長さの中間点で接続される。しかしながら、パネル701、702は、湾曲703によって分離されているが、端部のポイントで接続されている。しかしその分離部分は三角形というよりは円形に近い。
図8は、20個のパネルパターンからなる組80を示し、これを構成する個々のパネルパターンは参照番号801−820で示されている。図8に含まれるパネルパターンには、四つの異なる変形例を有するパターン、即ち、(1)切手状要素を含まない、0度に配置されたパターン、(2)切手状要素を含む、0度に配置されたパターン、(3)切手状要素を含まない、45度に配置されたパターン、(4)切手状要素を含む、45度に配置されたパターンが含まれる。パターンの組80に含まれるパターンの大きさは、パネル2〜16個分に亘っている。パターンの組80を使用して、異なるパネルパターンのすべてを同じ材料片上に含めることにより、これらパネルを作製する際に材料が最大限に使用されるように各パネルパターンを設計することができる。本発明の目的から逸脱することなく、使用される切断装置と材料の寸法に応じて、同じ材料片に含まれるパターンの数を増減させることができる。図8では、すべてが0度に配置されるパターン(804、805、820、801、802、803、819)と、0度と45度の配置の両方を含むパターンがある。
【0019】
本発明により開示されるパーツの準備及び整理方法の実施形態は、殆どの形状及び大きさのパネル及び切手状部分に有用であるが、一部のフィラーパーツはユニークで、本発明の方法を用いて容易に準備できないことに留意されたい。
本発明による折り畳み体は柔軟な材料から準備されるので折り畳むことが可能であるが、好ましくは、材料は、折り畳み工程の間の早期分裂の可能性を低減するためにある程度の剛性を有する。材料の別の特徴は、三角形部分を折り畳み体から取り除くとき、切断装置を用いる必要なくこれら三角形部分を手で除去することができることである。本発明の実施形態による折り畳み体の準備に使用される好ましい材料には、ファイバーグラス、複合炭素、ケブラー、グラファイト、及びその他炭素繊維織布が含まれる。これらの材料は、樹脂(例えば、エポキシ)でコーティングすることにより、航空宇宙産業において一般的な商業的工程を用いてプリプレグを作製することができる。プリプレグは、一般に、一塊の繊維を樹脂槽に浸漬した後で材料を絞ることにより準備される。プリプレグは通常、汚染から当該プリプレグを保護するための、保護カバーシート又は裏打ち材と共に包装される。切断工程は、裏打ち材と共に又は裏打ち材無しで行うことができるが、裏打ち材は、プリプレグに材料が付着することを防止する。使用される材料が屈曲及び圧縮可能である限り、本発明の方法に使用することができる。
【0020】
本発明による方法は、好ましくは、所与のフィラーのために製造することが必要な、個々のパーツの半分以上を排除する。必要なパーツの容積は製造及び取り付け可能であるが、個別のパーツとしてではなく、一つのキットに接続された状態で製造され、取り付けられる。本発明による方法の使用はさらに、本方法が全てのパーツを個々に識別し、複数回に亘って取り扱い、そして複数回に亘って保存する必要を排除するという点で、フィラーを形成する個々のパーツを製造するのに必要な時間を短縮し、また、個々の要素の紛失又は損傷の危険を低減する。個々のパネルの各々を切り出す必要がないことが望ましいので、これは時間の節約という改善をもたらし、よって、場合によっては、パネルを形成するために使用される材料が増大する可能性があるものの、必要とされるたびに各パネルを個別に準備する及び/又は見つける必要がないという点で、好ましくは、材料費を凌駕する。
本発明及びその利点について詳細に説明したが、請求の範囲に規定される本発明の理念及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換及び修正を加えることができる。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載の工程、機械、製造、組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に制限されるものではない。当業者であれば、本発明の開示内容から、既存しているか、又は未来に開発されるかに関わらず、ここに開示した実施形態に相当するものと、実質的に同じ機能を有するか、又は実質的に同じ結果を達成する工程、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップが、本発明により利用できることが分かるであろう。従って、請求の範囲内には、そのような工程、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップが含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2007年1月31日に出願された「system and method for making composite material components」と題する同時継続米国特許出願番号第11/669834号の優先権を主張し、ここで明示したことによりこの米国特許仮出願の内容全体を包含する。
本発明は、概して複合材料の分野に関し、具体的には、複合材料コンポーネント又はアセンブリを作製するためのシステムと方法に関する。本発明は、航空宇宙産業用の複合コンポーネントの作製に使用するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
複合材料のコンポーネントの製造では普通、様々な複合パーツの構築を支持するために必要とされる、様々な種類、大きさ、方向及び厚みの材料からなる多数の個別パーツ又はパネルを使用しなければならない。特に、航空宇宙産業では、単一の航空機を構築するために、フィラー材として使用される多数のパネル(航空宇宙産業においてはプライとも呼ばれ、よって互換可能に使用される)が必要とされる。これらのフィラー材は様々な形状及び大きさを有する多数のパネルを含むが、同じ大きさ及び形状を有する多数のパネルが必要になることもある。例えば、航空機の構築に使用される多数のパネルを互いに締め固めするために、フィラー材からなるほぼ矩形のパネルを段階的な大きさで作製することが必要になることがある。フィラー材からなるこれら個別パネルの各々を得るために、各パネルをファブリックシートから切り出さなければならない。別の開発方法では、一連のパターンに一緒に切り出される同じ大きさのパネルパーツが設計されたが、これらのパネルパーツは、切断装置を用いて後で分離しなければならない。
構築に必要なパネルフィラーの数が大量になると、必要なパネル(又はプライ)の数は増加して約10倍にもなる。このようなパネル数の増加により、時に四辺の全てにベベルを有する積層を用いる必要が生じる。大きさを段階的に変えることによりベベル形状がつくられ、締め固めの後でパーツの仕上げは行われない。必要なフィラー厚に応じて、大きなファブリック片を積層体に締め固めし、次いでAGFM6軸プライカッターなどのプライカッターを用いてパネルフィラーを切り出すという幾つかの試みが行われた。しかしながら、このような実行可能性の低い選択肢を実行するのに適切な工具は常に利用可能でない。
【0003】
各パネルを個々に切断する別の方法には、矩形の材料を特定の大きさの個々のパネルに切断し、次いでこれら矩形材料を締め固めしてフィラーを作成することが含まれる。各パネルは、正味の大きさが異なる特定のオフセットにより段階的な大きさに作製され、第2のパネルの大きさは第1のパネルの正味の大きさとはオフセット分だけ異なる、というように、積層体に必要なパネル(又はプライ)の数に亘ってそのような構成が繰返される。部品量及び必要となるパネルの種類の数を考慮して、このようなパネルの準備方法により、所望のパネルを容易に識別してフィラー形成の締め固め工程に使用するものを選択することができるように、パネルを整理された状態に維持するという課題が提示される。各パネルを分離するには、各パネルを個々にマーキングして追跡することが必要である。さらに、パネルは通常締め固めテーブル上に散らばっているので、後でキットを組み立てるためにテーブルからパネルを回収する必要があり、よって積層体を締め固めテーブルで形成する必要がありうる。これにより、構築工程に用いるためにこれらフィラーを準備する場所及び方法の柔軟性が低下する。この柔軟性は、適切なアセンブリの要件を満たすために部品を順番に積み重ねなければならない場合に特に低下する。
これらフィラーを準備するための他の選択肢には、タブアウトストリンガを使用すること、プライブランケットを作製し、次いでAGFMカッターなどのカッターを使用してパネルを切り出すこと、ガーバーカッターを使用すること、二段フィラーを使用すること(フィラーと切手状部分)、及び一段フィラーとシヤータイシムとを使用することが含まれる。タブアウトストリンガの使用は、大量の材料を無駄にするため、好ましくないことが分かっている。プライブランケットを作製するとき、同時にAGFMナイフを使ってパターンを有する材料を複数の長さに切断しなければならず、これは、AGFMにより実行するには容易な作業ではない。従来のガーバーカッターを使用する場合、やはり各パネルを個別に切断しなければならず、切断後、締め固めテーブルから各ピースを個別に選択しなければならない。さらに、ガーバーカッターは90°に切断することしかできない。よって、この方法を使用することによって時間が節約されることはない。二段階フィラー工程は、レイアップを複雑にし(ハンドレイアップ、自動化問題、位置公差)、アセンブリを複雑にし(シヤータイフット、シミングの可能性)、工具を複雑にし、且つエンジニアリングを複雑にする。同様に、一段階フィラーとシヤータイシムの組み合わせは、レイアップを複雑にし(ハンドレイアップ)、自動化の問題を生じさせ(位置公差)、アセンブリを複雑にし(シヤータイフット、シミングの可能性)、工具を複雑にし、さらにはエンジニアリングを複雑にする。
【0004】
上述したこれら従来の方法では、長時間を掛けて手作業により準備を行い、且つ後でフィラー材に使用されるパネルを整理しなければならない。同じパネル選択が繰り返し何度も行われるとき、これらのパネルが整理されていないか、又は最初に積み重ねられていないことにより、フィラーを準備するたびに適切なパネルを探さなければならないという問題が起こる。必要となる小型パーツの数が増大すると、小型パーツを切り出すステップの数も増大する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、製造工程において一緒に使用される多数のパーツを準備及び整理するためのシステムと方法を目的としている。これらのパーツは、パーツが接続された一つのキットとして形成される折り畳み工程を用いて準備及び整理される。一実施形態は、複合材料コンポーネントの作製方法を目的としており、本方法は、ブランクファブリックシートを供給するステップ、ファブリックシートで第1パネルを形成するステップ、第1パネルに隣接し、且つ第1パネルから取り外し可能に区別された第2パネルを、ファブリックシートで形成し、第1パネル対を形成するステップ、並びに、第1パネル対に隣接し、且つタブにより第1パネル対から取り外し可能に分離された第2パネル対を形成するステップを含む。本方法は、好ましくは、互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブを形成するステップを含むことができる。本発明の方法の一実施形態では、追加的なパネル対を形成することができ、好ましくは、各パネル対はタブによって分離される。さらなる実施形態は、パネル対の一つに隣接し、且つ当該パネル対の一つからタブによって取り外し可能に分離された切手状部分を形成すること、及び/又はファブリックシートの端部に切手状部分を形成することを含む。
さらなる実施形態では、複合材料コンポーネントシステムが開示され、本コンポーネントシステムは、折り畳み線により取り外し可能に接続されてパネル対を形成する少なくとも二つのパネルと、タブによって取り外し可能に接続された複数のパネル対を備えている。タブは、好ましくは、互いに取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有することができる。本システムは、さらに、タブによってパネルから取り外し可能に分離された切手状部分を含むことができる。この切手状部分は、好ましくは、互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブによって、パネルから取り外し可能に分離することができる。これに加えて又はこれに代えて、切手状部分は、ファブリックシートの端部のタブによってパネルから取り外し可能に区別することができる。
【0006】
別の実施形態では、好ましくは本発明で開示される方法によって形成される複合材料コンポーネントは、好ましくは折り畳むことが可能であり、上にマークを有する第1のパネル対の第1パネルを折り畳んで第1パネル対の隣接するパネルの上に重ね、折り畳まれた第1のパネル対の外側のタブを折り畳み、折り畳まれた第1のパネル対の下のタブに隣接する次のパネルを折り畳み、複合材料コンポーネント中の最後のパネルに達するまで、残りのパネルとタブをスタックに折り畳むことにより、個々のコンポーネントパーツが使用可能となる。ここで、タブはパネルのスタックから分離される。
【0007】
上述では、後述する本発明の詳細な説明が理解し易くなるように、本発明の特徴及び技術的利点を大雑把に要約した。請求の範囲の主題となる本発明のさらなる特徴及び利点については後述する。当業者であれば、本発明の概念及び特定の実施形態が、本発明の同じ目的を実行するための改良又は他の構造の設計の基礎として容易に利用できることが分かるであろう。また、当業者であれば、そのような等価な構築物は、請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲を逸脱しないことが分かるであろう。その構成及び操作方法の両面において、本発明の特徴と考えられる新規機能と、さらなる目的及び利点とは、添付図面を参照する後述の説明によりさらに明らかとなる。しかしながら、各図面は、例示及び説明のみを目的としており、本発明の範囲を規定するものではないことを明記する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の理解を助けるため、添付図面を参照して後述の説明を行う。
【図1】本発明の一実施形態による折り畳み体を示す。
【図2】本発明の一実施形態による折り畳み体を示す。
【図3】本発明の一実施形態により折り畳まれた、三角形部分が取り除かれていない折り畳み体の一実施形態を示す。
【図4】当初折り畳み体に含まれていた三角形部分が取り除かれた、本発明の一実施形態を示す。
【図5A】直線の切断部を含む、本発明の一実施形態による折り畳み体の二つのパネルを示す。
【図5B】上下に重なるように折り畳まれた図5Aの二つのパネルを示す。
【図6A】曲線又は斜線の切断部を含む、本発明の一実施形態による折り畳み体の二つのパネルを示す。
【図6B】上下に重なるように折り畳まれた図6Aの二つのパネルを示す。
【図7】曲線の切断部を有する一連のパネルを使用した、本発明による折り畳み体の一実施形態を示す。
【図8】本発明による、様々な形状及び大きさの一連の折り畳み体の一パターンを示す。
【図9】本発明による複合材料コンポーネントシステムの形成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態によれば、所定のフィラーに必要な全てのパーツを単一のパターン連続体に含んだフィラーのパターンを構築することができる。これらの連続パターンを使用して、材料を切断し、折り畳むことができ、個々のパーツが単一のフィラーを形成するようにつくられたパーツは、互いに取り外し可能に接続されるので、後述するように、効果的且つ効率的に整理される。次いでフィラーパネルは縁がずれた折り畳みスタックに構成することができる。好ましくは、各折り畳み領域が若干異なっている二つの形状が使用される。連続体のうちの最初の二つのパネルを0度に配置し、次の二つのパネルを45度に配置した後、パターン全体に亘って角度を互い違いに配置するために、異なるパターンを使用することができる。パターンは、好ましくは、連続体の各パネルセット間に、折り畳み線の形成を助ける三角形部分を含む。切断線は直線でなく、折り畳まれると折り畳みに重複が生じるように、湾曲している。この場合、三角形部分は、可能であれば、フィラーパネルが形成された後で切断するか又は破り取ることにより廃棄される。角度0度というとき、それは90度に等しく、同様に、−45度は45度に等しい。これら繊維の角度の公差は約3−5度である。
図1は、本発明の一実施形態による折り畳み体10を示す。折り畳み体10は、異なる角度に配置された一連のパネル(又は構成要素)から構成され、場合によってはこれらのパネルは様々な形状を有する。パネル101及び103は、折り畳み線111によって分割される。折り畳み線111は、本発明による折り畳み方法が完了したときに、さらなる分離技術(例えば、カッターの使用)を必ずしも必要とせずに、手動で又は他の手段により、パネル101と103を互いから分離できるように、パネル101、103を取り外し可能に接続している。パネル101、103は、これらの隣接するパネルが上下に折り畳まれるとき、パネル101、103が互いに同一平面上に位置するように、ほぼ互いの鏡像となっている。通常は、一方のパネルが他方のパネルの縁からいくらか飛び出す(段階式に)が、本発明の目的又は精神から逸脱しない程度である。
【0010】
パネル103は、三角形部分104によりパネル105から分離されている。三角形部分104は、二つの三角形が合体されて形成されており、パネル101から折り畳み体10の折り畳みが開始されるとき、三角形部分104によって配置角度が変わり、よって次にパネル105と106が折り畳まれるときの折り畳み線を形成するように配置されている。三角形部分104のような要素は、折り畳み体10に含まれる二つで一組のパネルの各組の後に導入されるが、本発明の別の実施形態では、本発明の目的から逸脱することなく、三角形部分104はパネル二つ毎よりやや多く導入されてもよい。
さらに、三角形部分104に続くパネルは、同じ大きさ及び形状を有さなくともよい。一実施例として、パネル107は、パネル112とは大きさ及び形状が異なるが、三角形部分113はパネル112の前に位置する。この場合、パネル107は、大きなサイズのパーツが望ましいときに折り畳み体の一部として導入されており、さらに、パネル107は、折り畳み工程の末尾において折り畳み体10の方向性を変更するという機能を有する。
【0011】
折り畳み体10は切手状要素を含む。これらの切手状要素は、当業界において、所定の位置の厚みが異なる二つのパーツ(例えばストリンガ)の間をフィラーによって接続する面積を均一にするために使用される小さな要素である。図1では三つの切手状部分108、110、114しか示されていないが、一般的な折り畳み体の端部には、五つまでの切手状要素を配置することができる。切手状部分は、様々に異なる実施形態において折り畳み体に導入できることが好ましい。一実施形態では、折り畳み体の最終フィラーパネルが、切手状部分を含むのに十分な長さに亘って延びる。別の実施形態では、切手状要素は最終パネルの外側に折り畳まれる。このようにして切手状部分がフィラーパネル内に折り畳まれることにより、所望のあらゆる形状及び必要な数の切手状部分を使用することができる。切手状部分の導入様式に関係なく、作製されるフィラーのいずれか一つを処理するために、材料片が一つだけ必要になることが好ましい。
パネル101、103は90度の角度で、パネル105、106は45度の角度で配置されている。従って、パネル105、106に続く次のパネル対は、パネル101、103と同様に90度で配置される。パネルの組を配置する角度を交互に変更することにより、本発明による折り畳み方法で折り畳み線の方向を変えることがさらに容易になり、よって折り畳み工程において三角形部分104、109をパネル群から分離することが可能となる。しかしながら、本発明の目的から逸脱することなく、90度及び45度以外の配置角度も使用できることに留意されたい。
【0012】
図2は、本発明の別の実施形態を示す。折り畳み体20は一連のパネルを含み、連続するパネルの組と組の間には三角形部分が挿入されている。パネル201、203は、折り畳み線205によって区別されており、図1に関して前述したものと同様に、折り畳み線205は取り外し可能に201、203を接続しているので、折り畳み工程が完了したとき、パネル201、203は互いから分離することができる。また、図1に示す実施形態と同様にパネル201、203は90度の角度で配置されており、三角形部分204に続くパネルは45度の角度で配置されている。
パネル201に加えられたマーク202について説明する。マーク202の存在理由は複数あるが、一般的には、ユーザに対し、折り畳み体20内の、折り畳み工程を開始するパネルを識別するための表示となる。折り畳み方法は図9に示される。ユーザは、好ましくは、折り畳み体20を手に取り(図9のステップ905)、パネル(又はプライ)201から始めて、このパネル201がパネル203の上に配置されるように、このパネルを折り畳む(図9のステップ906及び907)。全てのパネルを互いに重なるように折り畳み、各三角形部分がパネルに接続した状態でパネルの側方に位置するまで折り畳み工程を行う(図9のステップ908−910)。全てのパネルを折り畳んだとき、パネル201が好ましくはパネルスタックの一番上に来るので、マーク202がパネル201の上に見える(図9のステップ912)。図2に示すマーク202は一連の数字を有するが、このマークは、本発明の目的から逸脱することなく、ユーザが所望するあらゆる文字、番号、記号又はその他の種類のマークを含むことができる。マークに使用される識別の種類に関係無く、マークは、折り畳まれたパネルスタックの識別子となるので、スタック中の各パネルを個別にマークする必要がない。つまり、好ましくは、マーク202は、複数の要素からなるスタック全体を指定する機能を有する。パネルの全てが接続したままでパネルが折り畳まれた後、好ましくは、マーク202を、スタックに正しいパネルが含まれていること、正確な数のパネルが含まれていること、及びパネルは全て接続されているので、スタック中の選択されたパネルの使用時にユーザが適切なパネルを探す必要が無いことを確認するための、ダブルチェックとして使用することができる。
【0013】
マーク202は、一番上のパネルに数字を含み、これら数字は、厚み(つまり、スタックに含まれるパネルの数)及び/又はパネルのスタックに関係しうる他の識別子の中からパネルが適用される特定のパーツ番号を示すことができる。スタックは、マーク202が見えて、それが適切な方向に向いているとき配置のガイドとして使用できるように配置される。マーク202は、折り畳み工程を開始するため、及びスタックを形成する個々のパネルを整理するための補助として使用することができる。そうでない場合、各パネルにラベルを付与しなければならない。従って、マーク付けに掛かる時間が平均で90%も削減される。マーク202は、フィラーの一部に何枚のパネルが含まれているかを知るためのチェックにも使用される。
図2の折り畳み体20は、切手状要素を含まないという点で図1の折り畳み体10とはパターンが少し異なっている。例えば特定のフィラーの準備に切手状要素が必要で無いことがあり、よってそのような切手状要素を含まない折り畳み体20のパターンが作製される。しかしながら、折り畳み体20には、パネル201、203とはやや形状の異なるパネル207、208が含まれていることに注意されたい。折り畳み体20を形成するパネルの全てが本発明による工程に従って折り畳まれると、好ましくは、パネルは階段状に上下に積み重なる。
【0014】
図1及び2に示す折り畳み体のパターンは、好ましくは、ポイントを手動で周縁部に集めるコンピュータモデリングソフトウェアを用いて生成される。このとき、これらのポイントは、ファイルを生成するための実行可能なプログラムにローディングされ、モデル化される固形物の角にポイントが寄せ集められる。ポイントは折り畳み体のフォーマットに分散され、折り畳み体の表面と境界のポイントがファイルに編集されて、好ましくはAutocadなどのソフトウェアプログラムにローディングされる。デザインがさらにユニークな一部のフィラーの場合、Autocadなどのソフトウェアプログラムにプライの形状を抽出する前に、まずユーザが手動で追加パネルのオフセットを行わなければならない。次いで、好ましくは、プライカッターを用いて切断される材料の上にパターンを投影する。パターンの切断に使用されるプライカッターの種類は、本発明において重要ではなく、折り畳み体のパターンを生成するためにガーバープライカッター及びAGFMを含めて様々なプライカッターが使用されている。しかしながら、一部のプライカッターは、操作に時間を要するためにあまり望ましくない。
ブランクファブリックシートに所望のパターンをデザインし(図9のステップ901)、このデザインを所望のフィラー材料の上に配置する(図9のステップ902−904)ことにより、図1及び2に示すような折り畳み体は、特定のフィラーに必要なパネル(プライ)の種類と適切な厚さに折り畳まれる。次いで、所望のフィラー材料から切断パターンを除去する。マーク(図2、マーク202)を含むパネルを保持し(図9のステップ905)、マークされたパネルに隣接するパネルを下に折り畳む(図9のステップ906−907)。折り畳まれたパネルの外側の三角形部分を折り畳むことにより、折り畳む方向を変更する(図9のステップ908)。三角形部分に隣接する次のパネルを下に折り畳み(図9のステップ909)、パネルを重ね合わせ、且つパネルから分離された三角形部分を折り畳む工程を、最終パネルに到達するまで続ける(図9のステップ910)。全てのパネルを一つのスタックに折り畳んだ後(図3参照)、三角形部分をパネルのスタックから分離する(図4及び図9のステップ911参照)。次いで、このスタックは、スタックを識別するマークが見えるように、マークを含むパネルが一番上になるように置く(図9のステップ912)。このようなマークの方向決めは、締め固めを行った後でもパネルスタックを識別できるようにするという点で重要である。
【0015】
パネルを切断するため(例えば材料の幅半インチのストリップ状に)、各端部に概ね0.050を残して切断することにより、ストリップを接続したままにする。この点で、巻き上げたパネルの全ては接続されたままであり、容易に取り扱うことができるように巻き上げることができる。こうして、スタックを個々のパネルに分離するときが訪れたら、切断されていないタブを切り裂くか、又はちぎり取ることにより、パネルを分離することができる。同様に、切手状要素については、複数の切手状要素を一つのパターンにまとめて切断することができる(図1参照)。二つ以上の切手状要素が必要であるとき、それらを連続体の形態で準備してから、折り畳むことができる。これらの切手状要素を、45度で切断されたものと互いに編みこむことにより、折り畳む方向を必要に応じて維持することができる(つまり、図1に示すように、0及び45度の方向のプライを交互に配置する)。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態を示し、パネルの折り畳みが終わっているが、三角形部分の分離がまだ行われていない折り畳み体20の好ましい外見が示されている。図では、マーク304はパネルスタック30の一番上のパネル305に設けられており、よってスタックに含まれるパネルの種類と数が分かるようにユーザが目視可能である。三角形部分301はパネルスタック30の一部として示されてはいないが、それでも、角302、307のところでパネルのスタックに取り外し可能に取り付けられている。パネルスタック30を使用する準備を行うとき、ユーザは、三角形部分301をスタック30の角302、307のところで引っ張るか、又はちぎり取ることにより、スタック30から三角形部分301を分離する。また、図3に示すように、スタック30は一番上のパネル305に加えて様々なパネルを含み、これらのパネルが折り畳まれてスタック30が形成されている。パネルは全て同じ大きさではないので、それらの幾つかは、一番上のパネル305の下からはみ出しており、パネル303、306は階段状のパターンを形成している。スタックの硬化が行われた後は、階段状のパターンは無くなり、縁は滑らかになる。
図4には、パネルのスタックから三角形部分が取り外された状態の、折り畳み体20(図2)の外見が示されている。図3に示したものと同様に、スタック40に含まれる一番上のパネル405は、スタック40に含まれるパネルの数と種類を確認するためのマーク404を有する。最初は折り畳みスタック40の一部であった三角形部分に接続していた角402、406は、スタック40の一部として残っており、この時点ではスタック40を構成するパネルを互いに対して取り外し可能に接続している。図4でも、スタック40を構成するパネル401、403は階段状のパターンを有している。
【0017】
図5A及び5Bは、直線状の折り畳み線が用いられたパネルの対の、折り畳み前と折り畳み後をそれぞれ示している。図5Aに示すパネル対50のパネル501、502は、折り畳まれていない。折り畳み線503は直線の切断線であり、また、図5Aに示す突出部504は、パネル501、502が完全な左右対称でないことにより、上下に折り畳まれたときに階段状に重なることを示している。図5Bは、パネル501、502が折り畳まれた状態の対50を示している。折り畳み線503を直線状の切断線とすることにより、パネルの縁が互いに直接重なり合うことになる。パネル502がパネル501の下からややはみ出すが、パネルの縁505、506は互いに直接上下に重なっている。
図5A及び5Bに示す接続するパネル対には直線状の切断線が用いられているが、本発明の目的及び理念から逸脱することなく他の切断線を用いることができる。図6A及び6Bに示す別の実施形態では、湾曲した切断線が用いられている。図5Aと同様に、図6Aは、パネル601、602が折り畳まれる前のパネル対60を示す。折り畳み線603は、湾曲した切断線であり、また、図6Aに示す突出部604は、パネル601、602が完全に左右対称でないことにより、折り畳まれると階段状の構成となることを示している。図6Bは、パネル601、602が上下に折り畳まれた状態の対60を示している。折り畳み線603を湾曲した切断線とすることで、後続のパネルの縁がずれる。従って、図6Bに示すように、パネル602の縁606はパネル601からずれてはみ出している。しかしながら、縁602と605は基本的に整列している。
【0018】
図7に示す、本発明による折り畳み体の一実施形態では、折り畳み体70は、両側の縁が湾曲している一連のパネル701、702、705を用いて形成されている。図7に示されるような円弧パターンは、材料を有効利用する無駄の無いパターンに構成するために使用するのに興味深いパターンであり、湾曲した縁はやはり本発明に従って折り畳むことができる。このような湾曲した縁は、好ましくは、パネルが、パネルを分離する三角形部分を有する代わりに、これらの曲線又は湾曲により接続されることを意味する。一実施例として、湾曲704は、パネルの接続部の遠端に三角形部分を有するパネル702、705を分離する。従って、パネル702、705は、図1及び2に示すようなに角を用いて接続される場合と異なり、パネルの長さの中間点で接続される。しかしながら、パネル701、702は、湾曲703によって分離されているが、端部のポイントで接続されている。しかしその分離部分は三角形というよりは円形に近い。
図8は、20個のパネルパターンからなる組80を示し、これを構成する個々のパネルパターンは参照番号801−820で示されている。図8に含まれるパネルパターンには、四つの異なる変形例を有するパターン、即ち、(1)切手状要素を含まない、0度に配置されたパターン、(2)切手状要素を含む、0度に配置されたパターン、(3)切手状要素を含まない、45度に配置されたパターン、(4)切手状要素を含む、45度に配置されたパターンが含まれる。パターンの組80に含まれるパターンの大きさは、パネル2〜16個分に亘っている。パターンの組80を使用して、異なるパネルパターンのすべてを同じ材料片上に含めることにより、これらパネルを作製する際に材料が最大限に使用されるように各パネルパターンを設計することができる。本発明の目的から逸脱することなく、使用される切断装置と材料の寸法に応じて、同じ材料片に含まれるパターンの数を増減させることができる。図8では、すべてが0度に配置されるパターン(804、805、820、801、802、803、819)と、0度と45度の配置の両方を含むパターンがある。
【0019】
本発明により開示されるパーツの準備及び整理方法の実施形態は、殆どの形状及び大きさのパネル及び切手状部分に有用であるが、一部のフィラーパーツはユニークで、本発明の方法を用いて容易に準備できないことに留意されたい。
本発明による折り畳み体は柔軟な材料から準備されるので折り畳むことが可能であるが、好ましくは、材料は、折り畳み工程の間の早期分裂の可能性を低減するためにある程度の剛性を有する。材料の別の特徴は、三角形部分を折り畳み体から取り除くとき、切断装置を用いる必要なくこれら三角形部分を手で除去することができることである。本発明の実施形態による折り畳み体の準備に使用される好ましい材料には、ファイバーグラス、複合炭素、ケブラー、グラファイト、及びその他炭素繊維織布が含まれる。これらの材料は、樹脂(例えば、エポキシ)でコーティングすることにより、航空宇宙産業において一般的な商業的工程を用いてプリプレグを作製することができる。プリプレグは、一般に、一塊の繊維を樹脂槽に浸漬した後で材料を絞ることにより準備される。プリプレグは通常、汚染から当該プリプレグを保護するための、保護カバーシート又は裏打ち材と共に包装される。切断工程は、裏打ち材と共に又は裏打ち材無しで行うことができるが、裏打ち材は、プリプレグに材料が付着することを防止する。使用される材料が屈曲及び圧縮可能である限り、本発明の方法に使用することができる。
【0020】
本発明による方法は、好ましくは、所与のフィラーのために製造することが必要な、個々のパーツの半分以上を排除する。必要なパーツの容積は製造及び取り付け可能であるが、個別のパーツとしてではなく、一つのキットに接続された状態で製造され、取り付けられる。本発明による方法の使用はさらに、本方法が全てのパーツを個々に識別し、複数回に亘って取り扱い、そして複数回に亘って保存する必要を排除するという点で、フィラーを形成する個々のパーツを製造するのに必要な時間を短縮し、また、個々の要素の紛失又は損傷の危険を低減する。個々のパネルの各々を切り出す必要がないことが望ましいので、これは時間の節約という改善をもたらし、よって、場合によっては、パネルを形成するために使用される材料が増大する可能性があるものの、必要とされるたびに各パネルを個別に準備する及び/又は見つける必要がないという点で、好ましくは、材料費を凌駕する。
本発明及びその利点について詳細に説明したが、請求の範囲に規定される本発明の理念及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換及び修正を加えることができる。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載の工程、機械、製造、組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に制限されるものではない。当業者であれば、本発明の開示内容から、既存しているか、又は未来に開発されるかに関わらず、ここに開示した実施形態に相当するものと、実質的に同じ機能を有するか、又は実質的に同じ結果を達成する工程、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップが、本発明により利用できることが分かるであろう。従って、請求の範囲内には、そのような工程、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップが含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料コンポーネントの作製方法であって、
ブランクファブリックシートを供給するステップ、
ファブリックシートで第1パネルを形成するステップ、
第1パネルに隣接し、且つ第1パネルから取り外し可能に区別される第2パネルをファブリックシートで形成し、第1パネル対を形成するステップ、及び
第1パネル対に隣接し、且つタブによって第1パネル対から取り外し可能に分離される第2パネル対を形成するステップ
を含む方法。
【請求項2】
互いから取り外し可能に区別される二つの隣接する三角形部分を有するタブを形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各々がタブによって分離される追加のパネル対を形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1パネル対に対して45度の角度に方向付けられるように第2パネル対を形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パネル対の一つに隣接し、且つタブによって当該パネル対の一つから取り外し可能に分離される切手状部分を形成するステップ
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ファブリックシートの端部に切手状部分を形成するステップ
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
折り畳み線によって取り外し可能に接続されて一つのパネル対を形成する少なくとも二つのパネルと、タブによって取り外し可能に接続された複数のパネル対とを備える、複合材料コンポーネントシステム。
【請求項8】
互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブをさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項9】
タブによってパネルから取り外し可能に分離される切手状部分をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項10】
互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブにより、パネルから取り外し可能に分離される切手状部分をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項11】
前記複合材料コンポーネントシステムの端部においてタブによりパネルから取り外し可能に分離される切手状部分をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項12】
各々がタブにより分離される追加のパネル対をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項13】
第2パネル対が第1パネル対に対して45度の角度に方向付けられている、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項14】
複合材料コンポーネントの折り畳み方法であって、
マークを有する第1パネル対の第1パネルを識別するステップ、
前記マークされた第1パネルの下に前記第1パネル対の第2パネルを折り畳むステップ、
前記折り畳まれた第1パネル対の外側の、前記折り畳まれた第1パネル対に隣接するタブを折り畳むステップ、及び
前記タブに隣接する追加のパネルを、前記折り畳まれた第1パネル対の下に折り畳むステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記複合材料コンポーネントが追加のパネルとタブとを備えており、
前記複合材料コンポーネント中の最後のパネルに到達するまで、前記追加のパネルとタブとをスタックに折り畳むステップ
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パネルのスタックから前記タブを分離するステップ
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パネルのスタックを、マークを有する前記第1パネル対の第1パネルが見えるように配置するステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも二つのパネルを折り畳み線によって取り外し可能に接続することにより、一つのパネル対を形成すること、及び
複数のパネル対をタブにより取り外し可能に接続すること
を含むステップにより形成される複合材料コンポーネントシステム。
【請求項19】
互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブにより、前記パネル対のうちの一つのパネルから取り外し可能に分離された切手状部分を含めること
をさらに含む請求項18に記載のステップにより形成される、複合材料コンポーネントシステム。
【請求項20】
前記複合材料コンポーネントシステムの端部において、タブにより一のパネルに切手状部分を取り外し可能に接続すること
をさらに含む請求項18に記載のステップにより形成される、複合材料コンポーネントシステム。
【請求項1】
複合材料コンポーネントの作製方法であって、
ブランクファブリックシートを供給するステップ、
ファブリックシートで第1パネルを形成するステップ、
第1パネルに隣接し、且つ第1パネルから取り外し可能に区別される第2パネルをファブリックシートで形成し、第1パネル対を形成するステップ、及び
第1パネル対に隣接し、且つタブによって第1パネル対から取り外し可能に分離される第2パネル対を形成するステップ
を含む方法。
【請求項2】
互いから取り外し可能に区別される二つの隣接する三角形部分を有するタブを形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各々がタブによって分離される追加のパネル対を形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1パネル対に対して45度の角度に方向付けられるように第2パネル対を形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パネル対の一つに隣接し、且つタブによって当該パネル対の一つから取り外し可能に分離される切手状部分を形成するステップ
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ファブリックシートの端部に切手状部分を形成するステップ
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
折り畳み線によって取り外し可能に接続されて一つのパネル対を形成する少なくとも二つのパネルと、タブによって取り外し可能に接続された複数のパネル対とを備える、複合材料コンポーネントシステム。
【請求項8】
互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブをさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項9】
タブによってパネルから取り外し可能に分離される切手状部分をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項10】
互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブにより、パネルから取り外し可能に分離される切手状部分をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項11】
前記複合材料コンポーネントシステムの端部においてタブによりパネルから取り外し可能に分離される切手状部分をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項12】
各々がタブにより分離される追加のパネル対をさらに備える、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項13】
第2パネル対が第1パネル対に対して45度の角度に方向付けられている、請求項7に記載の複合材料コンポーネントシステム。
【請求項14】
複合材料コンポーネントの折り畳み方法であって、
マークを有する第1パネル対の第1パネルを識別するステップ、
前記マークされた第1パネルの下に前記第1パネル対の第2パネルを折り畳むステップ、
前記折り畳まれた第1パネル対の外側の、前記折り畳まれた第1パネル対に隣接するタブを折り畳むステップ、及び
前記タブに隣接する追加のパネルを、前記折り畳まれた第1パネル対の下に折り畳むステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記複合材料コンポーネントが追加のパネルとタブとを備えており、
前記複合材料コンポーネント中の最後のパネルに到達するまで、前記追加のパネルとタブとをスタックに折り畳むステップ
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パネルのスタックから前記タブを分離するステップ
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パネルのスタックを、マークを有する前記第1パネル対の第1パネルが見えるように配置するステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも二つのパネルを折り畳み線によって取り外し可能に接続することにより、一つのパネル対を形成すること、及び
複数のパネル対をタブにより取り外し可能に接続すること
を含むステップにより形成される複合材料コンポーネントシステム。
【請求項19】
互いから取り外し可能に区別された隣接する二つの三角形部分を有するタブにより、前記パネル対のうちの一つのパネルから取り外し可能に分離された切手状部分を含めること
をさらに含む請求項18に記載のステップにより形成される、複合材料コンポーネントシステム。
【請求項20】
前記複合材料コンポーネントシステムの端部において、タブにより一のパネルに切手状部分を取り外し可能に接続すること
をさらに含む請求項18に記載のステップにより形成される、複合材料コンポーネントシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−516525(P2010−516525A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548354(P2009−548354)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/050875
【国際公開番号】WO2008/094743
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509217345)ヴォート エアクラフト インダストリーズ, インク. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/050875
【国際公開番号】WO2008/094743
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509217345)ヴォート エアクラフト インダストリーズ, インク. (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]