説明

複合機、画像出力方法、およびプログラム

【課題】複合機の情報漏えい対策および誤送信対策の利便性を高める。
【解決手段】複合機に、操作者からの指示に基づき画像データを取り込む画像取得手段と、操作者の認証と操作者以外である確認者の認証と共に、複数の認証によって、操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する認証処理手段と、操作者の操作に関する権限と、確認者の他者の操作に対する権限を対応付けて認証情報として記録した認証情報管理手段と、所定の権限を満たした通知を受けて、画像データを出力する出力手段とを設け、画像取得手段で取得した画像データを出力するときに、認証処理手段において複数人を認証し、認証情報管理手段に予め定められている認証した複数人の権限に基づいて、出力手段から操作者の行った画像データの出力操作を実行するか否かを判別させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆電話回線網もしくはデータ通信網を介してファクシミリデータを送信可能である複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、操作者を認証した後に、その操作者の行う動作を実行可能とするユーザ認証機能付き複合機が流通している。認証機能としては、パスワード認証、カード認証、生体認証などが挙げられる。
【0003】
また、上記複合機に関連する技術としては、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、ユーザ認証機能を有すると共に、ファクシミリ送信操作時に、通信回線を介するファクシミリ送信前に、予め設定されている認証者(上司、上長など)の有する端末装置に対して画像データを送信し、送信の承認が得られた画像データのみを実際に通信回線を介して相手ファクシミリ装置に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の様に、企業などにおいて、情報漏えいや誤送信を防止するために、ファクシミリ送信などの操作を実行するに当たり、ユーザ認証と共にネットワークを介して承認者による上記操作の承認が行われている。また、ファクシミリ送信などにおいて、上記承認に変えて、複数人が立ち会って操作することを運用上の規則としている企業なども多数ある。
【0006】
しかしながら、上記承認によるファクシミリ送信や、複数人による立会いの下のファクシミリ送信には、情報漏えい対策や誤送信対策のために、操作者の操作時に、所望のファクシミリ送信を行なえないことが多いことや、労力が多大になることなどの課題がある。
【0007】
例えば、すべての操作と送信相手先に対して、一律で必要な承認処理が定義された場合では、必要以上に操作者および承認者に労力を要する問題がある。
【0008】
同様に、承認者を指定している場合、その承認者が不在であれば、ファクシミリ送信を完了できない問題がある。
【0009】
同様に、承認者は、設定されている端末を介して操作を認証する必要があり、自由度が低い問題がある。
【0010】
同様に、承認者にネットワークを介して承認を依頼しているため、依頼から承認までの時間差が大きく、即座にファクシミリ送信などを行なえ無い問題がある。
【0011】
同様に、複数人による立会いでは、実際にはそのとおりに運用されない問題がある。また、立会った記録が電子的に残らない問題がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、情報漏えい対策および誤送信対策を、利便性を高めて提供する複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る複合機は、操作者からの指示に基づき画像データを取り込む画像取得手段と、前記操作者の認証と前記操作者以外である確認者の認証と共に、前記複数の認証によって、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する認証処理手段と、前記操作者の操作に関する権限と、前記確認者の他者の操作に対する権限を対応付けて認証情報として記録した認証情報管理手段と、所定の権限を満たした通知を受けて、前記画像データを出力する出力手段とを備え、前記画像取得手段で取得した画像データを出力するときに、前記認証処理手段において複数人を認証し、前記認証情報管理手段に予め定められている認証した複数人の権限に基づいて、前記出力手段から前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利便性を高めた情報漏えい対策および誤送信対策を提供する複合機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の一形態の複合機を示すブロック図である。
【図2】認証情報を例示する説明図である。
【図3】複合機における操作受け付け時の処理を示すフローチャートである。
【図4】操作の承認の流れの一例を示す説明図である。
【図5】操作の承認の流れの他の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、実施形態にかかる複合機の構成について説明する。
【0017】
複合機1は、操作者がファクシミリ送信の操作をおこなう表示操作部11、その一部であり、操作者および承認や立会いを行う確認者の認証および承認の入力を受け付ける認証入力部12、入力された認証と承認の入力を元にそれぞれの認証や承認の処理をおこなう認証処理部13、その一部であり認証情報および付随する設定を記憶する認証情報管理部14、表示操作部11もしくはネットワークを介して認証情報や付随する設定を受け付けて認証情報管理部14に設定する設定部15、公衆電話回線網21およびインターネット22へファクシミリおよびインターネットファクシミリを送信可能な出力部16、送信する原稿をスキャンする原稿読取部17、ファクシミリ送信などの送信履歴と共に承認履歴を記憶管理する履歴管理部18を含み構成される。
【0018】
相手ファクシミリ装置31は、公衆電話回線網21に接続され、複合機1から送出されたファクシミリデータを受信する装置である。インターネットファクシミリ装置32は、インターネット22に接続され、複合機1から送出されたインターネットファクシミリを受信する装置である。
【0019】
表示操作部11は、画面やボタンといったUI(ユーザ インタフェース)であり、操作者がファクシミリおよびインターネットファクシミリの送信操作をおこなうための入力部である。操作者および確認者がおこなうべき操作について、ガイドのための表示をおこなう部分でもある。
【0020】
認証入力部12は、表示操作部11の一部に設けられ、操作者および確認者が、自身が複合機1を操作すること、あるいはその操作に立ち会っていることを示すための認証を受け付けるための認証手段である。認証は、IDとパスワードの入力、ICカードの読取り、生体認証(指紋など)の読取りなどで行なえばよい。
【0021】
認証処理部13は、認証入力部12から入力された認証に用いる情報を、認証情報管理部14に記憶されている情報と照合し、操作者および確認者が適切であるかを確認し、それぞれ認証(ログインさせる)する。また、認証処理部13は、前記認証を受けて、操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する。認証処理部13で行われる認証は、操作者1人に加え、1ないし複数人の確認者を同時的に認証できる。また、認証とは別に、操作自体を表示操作部11若しくはネットワークを介して承認を受けられるように、確認者又は承認者に操作の許可を求められる。
【0022】
認証情報管理部14は、認証処理部13の一部として設けられ、操作者および確認者の認証情報を記憶している記憶部である。認証情報管理部14には、認証情報として、個人毎に、操作者である場合の出力操作に関する権限と、確認者である場合に他の操作者の出力操作に対する権限が対応付けて記録されている。また、必要に応じて、認証情報には、個人毎に、所属属性、操作に関する権限を示す値、操作に対応した操作種別毎および出力種別毎に、立会の必要性、操作を完結させることへの承認の必要性、承認を行える承認者の設定、他者の操作に対する権限を対応付けことによって、利便性を向上させる。
【0023】
設定部15は、表示操作部11経由、あるいは外部からその他の方法によって、認証情報とその認証情報に付随する各種設定を認証情報管理部14に設定する。
【0024】
出力部16は、ファクシミリの送信などの操作者の出力操作に対して、認証処理部13で所定の権限を満たしたと判別された場合に、表示操作部11で操作者が行なった指示に従って、印刷や、公衆電話回線網21へファクシミリ送信、あるいはインターネット22へインターネットファクシミリ送信を行う。
【0025】
原稿読取部17は、コピーや、ファクシミリ、インターネットファクシミリで送信する原稿をスキャンして取り込む。
【0026】
履歴管理部18には、コピーの履歴や、ファクシミリおよびインターネットファクシミリの送信履歴を記録するための記憶部である。また、履歴管理部18は、認証処理部13によって承認された操作者や確認者、承認者が、いつ、どんな相手先に画像データを送信したかなどを記憶して管理する。
【0027】
次に、図2を参照し、認証処理部13が用いる認証情報を例示する。
認証情報は、予め管理者などが設定部15を用いて認証情報管理部14に入力して設定する。
【0028】
図示するように、認証情報には、個人毎に、所属属性と、操作者である場合の権限を値とが、入力されて記録されている。また、個人に対して、操作に対応した操作種別毎および出力種別毎に、立会の必要性や、操作完結への承認の有無、承認者の設定が対応付けられて記録されている。また、操作種別毎および出力種別毎に、他者の操作に対する権限の値が対応付けられて記録されている。なお、電話番号や認証パスワードなども当該認証情報内に含めて管理してもよいし、他のファイルで管理してもよい。他者の操作に対する権限を示す値は、立会人となったとき(操作者と共にログインしたとき)に、操作している操作者の権限に加えられて扱われる値である。
【0029】
図2を参照すると、ID:006のCさんがログインした後に、ファクシミリデータを公衆電話回線網21で送信しようとすると、係長以上の同時ログインが必要と設定されている。また、ファクシミリデータの送信には、課長以上の承認者が必要とされている。また、Cさんは、他者が公衆電話回線網21を介するファクシミリデータの送信操作に対して、権限を与えられていない。他方、内線を介するファクシミリデータの送信操作に対して、0.1の権限値が与えられている。
図2に示された例では、Cさんは、少なくとも、係長を含む立会人の下で、操作の完了時に課長の承認を受けないと、複合機1はスキャンしていた原稿をファクシミリ送信することができない。
【0030】
次に、図3と共に図1および図2を参照して、実施形態にかかる複合機1の認証動作の一例について説明する。
【0031】
本動作例では、認証をICカード認証又はパスワード認証で行なうこととする。なお、他の認証方法を用いて、操作者や確認者を認証してもよい。また、承認は、認証と同様にICカード又はパスワードを用いる。また、操作者は、図2に示したCさんが内線経由のファクシミリ送信を行うこととする。
【0032】
複合機1は、操作者が複合機1を操作するためには認証操作が必要であることを表示操作部11上に示ししている。操作者(Cさん)は、その表示に従って、認証入力部12にICカードをかざすか若しくはユーザIDを選択して、自身が複合機1を操作しようとしていることを複合機1に対して示す。
【0033】
その後、複合機1の認証処理部13は、認証情報および付随する各種設定を認証情報管理部14から読み出し、それら情報と認証入力部12から入力された操作者の情報を照合することにより、操作者のログイン処理を行う(ステップS01)。
【0034】
複合機1は、表示操作部11を介して操作者に操作の内容を選択させる(ステップS02)。ここで、操作者によって内線経由のファクシミリ送信が選択される。
【0035】
認証処理部13は、選択された目的の操作(ファクシミリ送信)と認証済みの操作者の有する権限とを、認証情報管理部14に記録されている認証情報を照合することにより、操作者が目的の操作を開始する権限を有しているかどうかを判定する(ステップS03)。なお、本例では図2に例示したように、Cさんが内線経由のファクシミリ送信を行うには、立会人が必要であり、且つ送信について承認値1以上の権限が必要である。
【0036】
権限が不足している場合は、複合機1は、操作者が複合機1の操作を続けるためにはログイン中の操作者以外に、確認者の認証を要することを表示操作部11上に示す(ステップS04)。すなわち、複合機1は、操作者に確認者の立会いを要求する。なお、操作者のログイン後に、続けて確認者のログインを受け付けられるように構成するようにするとなおよい。
上記表示を受けて、立会人たる上司や同僚、部下などが確認者としてログインする。確認者は、表示に従い操作者と同様に、認証入力部12にICカードをかざすなどして、自身が操作者の操作に立ち会っていることを複合機1に示す。複合機1の認証処理部13は、認証情報管理部14に記憶している予め管理者が設定した認証情報と認証入力部12から入力された確認者の情報を照合することにより、確認者のログイン処理を行う(ステップS05)。
【0037】
操作者は、表示操作部11を通じて、ファクシミリ送信の相手先の指定や画質などと原稿読取部17による送信原稿のスキャンを確認しながら行う。複合機1は、スキャンを行うと共に、宛先などの入力を受け付ける(ステップS06)。このとき、立会人である確認者も確認を行う。
【0038】
認証処理部13は、ステップS03と同様に、操作者が行なっている目的の操作(ファクシミリ送信)を完結する上で、認証済みの操作者の有する権限と認証済みの確認者の権限とを、認証情報管理部14に記録されている認証情報を照合することにより識別し、目的の操作を完結する権限に達しているかどうかを判定する(ステップS07)。権限を満たしていれば目的の操作を完結する次ステップに進む。権限が未達の場合には、操作者に権限が不足していることを示すと共に、認証処理部13は、操作者の選択か又は予め定められたルールに従って自動的に、確認者の追加、立会人への承認、ネットワークを介した承認の何れかを提示する。
【0039】
自動的に行なう場合の提示する順序は、立会人への承認依頼を優先することが望ましい。このようにすれば、ファクシミリの送信する際などに、送信者(操作者)の認証と承認者となる確認者を続けて認証していることにより、即座にファクシミリデータを送信できる。また、確認者の追加を容易に行える部署などでは、確認者の追加の順位を上げてもよい。当該順序は、必要な承認処理などに対応させて操作種別ごとに設定できるようにしてもよい。
【0040】
確認者の追加を行う場合は、ステップS05に戻り、追加の確認者のログインを行った後、新たな確認者が必要に応じた送信操作の確認を行って、ステップS06の処理とステップS07の処理を繰り返す。この処理ルーチンによって、立会人を増やし、操作者が行える権限を増加(新たな確認者の権限の加算)させることが可能となり、権限の値が承認値を超えた場合に所望の出力処理が実行可能とされる。
【0041】
立会人への承認を求める場合は、操作者が目的の操作を完結してよいことを確認者の中から任意若しくは自動的に選択された必要に応じた人数の立会人が承認したことを示すため、ステップS04と同様の承認操作を行なうよう通知し、承認を受ける(図2のステップS08、S09)。当該処理は、例えば承認権限を与えられている課長などの権限が高い人間がログインしている場合には、その課長が選択されこととする。また、予め操作者毎に定められた直属の担当者を選択するようにしてもよい。このとき、現在の立会人では承認権限が不足する場合には、当該項目を選択できなくするか、又はS07に戻るルーチンを準備する。また、複数人の立会人の権限を加えて承認に必要な権限値を越える場合には、立会人に順番に承認を求めるようにするとよい。
【0042】
ネットワークを介した承認を求める場合、操作者が目的の操作を完結してよいことをネットワークを介して予め定められた承認者に対して通知し、承認を受ける(ステップS10、S11)。ネットワークを介した承認機能を設ける場合、複合機に音声通話機能(ハンドセットや、マイク、スピーカ)を設け、リアルタイム性を求める為に、承認者の認証情報などから電話番号を取得し、承認者に電話を発呼できるようにするとよい。また、その発呼には、操作者の認証情報から発呼者を特定できる情報を付すとなおよい。また、発呼に応答が無い場合には、他の電話番号の選択や、他の承認者の選択、確認者の追加のルーチンに戻れるようにすることが望ましい。
【0043】
上記何れかの動作によって、操作者の権限が所定の権限を満たした場合に、複合機1は、出力部16を通じて、目的の操作(ファクシミリ送信)を実行し、内線網を経由して相手ファクシミリ装置へファクシミリデータを送信する(ステップS12)。選択された操作が、外線経由のファクシミリ送信であれば、公衆電話回線網21を経由して、相手ファクシミリ装置31へファクシミリデータを送信する。インターネットファクシミリ送信や、コピー、プリントアウトなども同様である。
【0044】
その後、複合機1は、適時若しくはログアウト処理時などに、履歴管理部18に、操作をおこなった操作者、確認者、承認者、ファクシミリ送信先、送信時刻などの情報を履歴として記録する(ステップS13)。なお、上記操作者や確認者の認証(ログイン)、承認者の承認は、所定時間や、所定の操作回数、操作種別毎に適時複合機1から確認することで、毎回の認証などを省略するように構成するようにしてもよい。
【0045】
上記の様に複合機1を動作させることによって、複数の人間による操作の確認を行わせることが可能とでき、情報漏えいや誤送信の可能性を減少させることができる。加えて、操作者の操作時に、ほぼリアルタイムに所望の操作を完了できると共に、その履歴を適切に取得保存できる。
【0046】
図4及び図5では、ファクシミリデータを送信する場合を例示し、送出操作の承認を取る複数の流れの選択肢を示している。図4は課長が在席している場合であり、図5は課長が休暇の場合である。
図4の例では、社員Bが操作者となり、画像データの取り込み等を行い、送出操作に承認が必要であると、社員Bは、自らの選択で何れかを選ぶ。一つは、課長Aと同時ログイン(認証)の下、課長Aの承認に基づいて、ファクシミリデータを送信する。別の選択では、社員Bは、社員Dと同時ログインの下、課長Aに求めたネットワークを介した承認に基づいて、ファクシミリデータを送信する。さらに別の選択では、社員Bは、社員Cと社員Dと同時ログインの下、社員Cと社員Dの承認値を加算して用いて承認を取得し、その承認に基づいて、ファクシミリデータを送信する。例えば、ファクシミリデータの送信が承認値1以上に設定されているとして、社員Cと社員Dがそれぞれ承認値を0.6ずつ設定されていた場合、社員Cと社員Dとの承認値を合わせて1.2とし、承認を行う。なお、承認値に、社員Bの承認値を加えるようにしてもよい。
【0047】
図4の例では、社員B(操作者)は、画像のデータの取り込み等を行い、送出操作に承認が必要であると、社員Bは、自らの選択で何れかを選ぶ。一つは、係長Eと同時ログイン(認証)の下、係長Eの承認に基づいて、ファクシミリデータを送信する。別の選択では、社員Bは、社員Cと社員Dと同時ログインの下、社員Cと社員Dの承認値を加算して用いて承認を取得し、その承認に基づいて、ファクシミリデータを送信する。さらに別の選択では、社員Bは、社員Dと同時ログインの下、部長Fにネットワークを介した承認に基づいて、ファクシミリデータを送信する。
【0048】
また、上記承認の選択は、複合機側で、例えば、図4および5の左から右の順に自動的に選択されるように、設定できるようにしてもよい。このようにすれば、社内規則などに則するように設定することが可能となる。このような設定は、例えば、認証情報管理部14に認証情報と共に、付随する設定として記憶すればよい。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、複合機に、利便性を高めた情報漏えい対策および誤送信対策を提供できる。
【0050】
尚、複合機の認証処理部は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実現すればよい。ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた形態では、RAMに認証処理用プログラムを展開させ、プログラムに基づいて制御部(CPUやマイコン)等のハードウェアを動作させ、各部を認証処理手段として機能させる。換言すれば、当該プログラムは、操作者と確認者の認証とを同時的に行なえるように作成され、2人以上の認証によって、操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別を複合機にさせる。
【0051】
また、本発明の具体的な構成は前述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。
【0052】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうる。尚、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
操作者からの指示に基づき画像データを取り込む画像取得手段と、
前記操作者の認証と前記操作者以外である確認者の認証と共に、前記複数の認証によって、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する認証処理手段と、
前記操作者の操作に関する権限と、前記確認者の他者の操作に対する権限を対応付けて認証情報として記録した認証情報管理手段と、
所定の権限を満たした通知を受けて、前記画像データを出力する出力手段と
を備え、
前記画像取得手段で取得した画像データを出力するときに、前記認証処理手段において複数人を認証し、前記認証情報管理手段に予め定められている認証した複数人の権限に基づいて、前記出力手段から前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別する
ことを特徴とする複合機。
【0053】
[付記2]
上記付記記載の複合機であって、
前記出力手段は、インターネット回線もしくは公衆電話回線網の何れかを介して前記画像データをファクシミリデータとして送出する
ことを特徴とする複合機。
【0054】
[付記3]
上記付記記載の複合機であって、
前記出力手段は、電子メール形式でネットワークを介して前記画像データを送出する
ことを特徴とする複合機。
【0055】
[付記4]
上記付記記載の複合機であって、
前記出力手段は、前記画像取得手段から取得した画像データを印刷する
ことを特徴とする複合機。
【0056】
[付記5]
上記付記記載の複合機であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作に関する権限を示す値に、加算する権限を示す値である
ことを特徴とする複合機。
【0057】
[付記6]
上記付記記載の複合機であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、予め定められている前記確認者の属性よって、前記操作者と同一属性である場合に有効とする
ことを特徴とする複合機。
【0058】
[付記7]
上記付記記載の複合機であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作を完結させることを承認する権限である
ことを特徴とする複合機。
【0059】
[付記8]
上記付記記載の複合機であって、
前記認証情報には、前記個人毎に、所属属性、操作に関する権限を示す値、操作に対応した操作種別毎および前記出力手段の種別毎に、立会の必要性、操作を完結させることへの承認の必要性、前記承認を行える承認者の設定、他者の操作に対する権限が対応付けられて管理され、
前記認証処理手段は、操作者と確認者の認証に、前記それぞれの認証情報を参照することによって、複数の認証を行ない、当該複数の認証から定まる権限に基づいて前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別して、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する
ことを特徴とする複合機。
【0060】
[付記9]
操作者からの指示に基づき画像データを取り込み、
認証入力部からの認証に用いる入力を受けつけて、前記操作者の認証と共に、前記操作者以外である確認者の認証を行ない、
前記操作者の操作に関する権限と 前記確認者の他者の操作に対する権限とが対応付けられて記録された認証情報を参照して、前記複数の認証から定まる権限に基づいて前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別し、
前記操作者の出力操作について所定の権限を満たした場合に、前記画像データを出力する
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0061】
[付記10]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
画像の出力は、インターネット回線もしくは公衆電話回線網の何れかを介して前記画像データをファクシミリデータとして送出する
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0062】
[付記11]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
画像の出力は、電子メール形式でネットワークを介して前記画像データを送出する
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0063】
[付記12]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
画像の出力は、取り込んだ画像データを印刷手段で印刷出力又は通信インタフェースを介して受けた画像データを印刷手段で印刷出力する
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0064】
[付記13]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作に関する権限を示す値に、加算する権限を示す値である
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0065】
[付記14]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、予め定められている前記確認者の属性よって、前記操作者と同一属性である場合に有効とする
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0066】
[付記15]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作を完結させることを承認する権限である
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0067】
[付記16]
上記付記記載の複合機からの画像出力方法であって、
前記認証情報には、前記個人毎に、所属属性、操作に関する権限を示す値、操作に対応した操作種別毎および前記出力手段の種別毎に、立会の必要性、操作を完結させることへの承認の必要性、前記承認を行える承認者の設定、他者の操作に対する権限が対応付けられて管理され、
操作者と確認者の認証に、前記それぞれの認証情報を参照することによって、複数の認証を行ない、当該複数の認証から定まる権限に基づいて前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別して、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【0068】
[付記17]
複合機を、
操作者の認証と 前記操作者以外である確認者の認証と共に、前記複数の認証によって、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する認証処理手段として機能させ、
前記操作者からの操作に基づき画像取得手段で取得した画像データを出力するときに、前記認証処理手段において複数人を認証し、前記操作者の操作に関する権限と、前記確認者として認証した1又は複数人の権限に基づいて、出力手段から前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別させる
ことを特徴とするプログラム。
【0069】
[付記18]
上記付記記載のプログラムであって、
インターネット回線もしくは公衆電話回線網の何れかを介して前記画像データをファクシミリデータとして送出することを、前記出力手段に許可する
ことを特徴とするプログラム。
【0070】
[付記19]
上記付記記載のプログラムであって、
電子メール形式でネットワークを介して前記画像データを送出することを、前記出力手段に許可する
ことを特徴とするプログラム。
【0071】
[付記20]
上記付記記載のプログラムであって、
前記画像取得手段から取得した画像データを印刷することを、前記出力手段に許可する
ことを特徴とするプログラム。
【0072】
[付記21]
上記付記記載のプログラムであって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作に関する権限を示す値に、加算する権限を示す値を用いる
ことを特徴とするプログラム。
【0073】
[付記22]
上記付記記載のプログラムであって、
前記確認者の他者の操作に対する権限が、予め定められている前記確認者の属性よって、前記操作者と同一属性である場合に有効とする
ことを特徴とするプログラム。
【0074】
[付記23]
上記付記記載のプログラムであって、
前記確認者の他者の操作に対する権限を、前記操作者の操作を完結させることを承認する権限とする
ことを特徴とするプログラム。
【0075】
[付記24]
上記付記記載のプログラムであって、
前記認証情報として、前記個人毎に、所属属性、操作に関する権限を示す値、操作に対応した操作種別毎および前記出力手段の種別毎に、立会の必要性、操作を完結させることへの承認の必要性、前記承認を行える承認者の設定、他者の操作に対する権限が対応付けられて管理された情報を用いて、
操作者と確認者の認証に、前記それぞれの認証情報を参照することによって、複数の認証を行ない、当該複数の認証から定まる権限に基づいて前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別して、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0076】
1 複合機
11 表示操作部
12 認証入力部
13 認証処理部
14 認証情報管理部
15 設定部
16 出力部
17 原稿読取部
18 履歴管理部
21 公衆電話回線網
22 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者からの指示に基づき画像データを取り込む画像取得手段と、
前記操作者の認証と前記操作者以外である確認者の認証と共に、前記複数の認証によって、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する認証処理手段と、
前記操作者の操作に関する権限と、前記確認者の他者の操作に対する権限を対応付けて認証情報として記録した認証情報管理手段と、
所定の権限を満たした通知を受けて、前記画像データを出力する出力手段と
を備え、
前記画像取得手段で取得した画像データを出力するときに、前記認証処理手段において複数人を認証し、前記認証情報管理手段に予め定められている認証した複数人の権限に基づいて、前記出力手段から前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別する
ことを特徴とする複合機。
【請求項2】
請求項1記載の複合機であって、
前記出力手段は、インターネット回線もしくは公衆電話回線網の何れかを介して前記画像データをファクシミリデータとして送出する
ことを特徴とする複合機。
【請求項3】
請求項1記載の複合機であって、
前記出力手段は、電子メール形式でネットワークを介して前記画像データを送出する
ことを特徴とする複合機。
【請求項4】
請求項1記載の複合機であって、
前記出力手段は、前記画像取得手段から取得した画像データを印刷する
ことを特徴とする複合機。
【請求項5】
請求項2ないし4の何れか一項に記載の複合機であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作に関する権限を示す値に、加算する権限を示す値である
ことを特徴とする複合機。
【請求項6】
請求項5記載の複合機であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、予め定められている前記確認者の属性よって、前記操作者と同一属性である場合に有効とする
ことを特徴とする複合機。
【請求項7】
請求項2ないし4の何れか一項に記載の複合機であって、
前記確認者の他者の操作に対する権限は、前記操作者の操作を完結させることを承認する権限である
ことを特徴とする複合機。
【請求項8】
請求項2ないし4の何れか一項に記載の複合機であって、
前記認証情報には、前記個人毎に、所属属性、操作に関する権限を示す値、操作に対応した操作種別毎および前記出力手段の種別毎に、立会の必要性、操作を完結させることへの承認の必要性、前記承認を行える承認者の設定、他者の操作に対する権限が対応付けられて管理され、
前記認証処理手段は、操作者と確認者の認証に、前記それぞれの認証情報を参照することによって、複数の認証を行ない、当該複数の認証から定まる権限に基づいて前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別して、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する
ことを特徴とする複合機。
【請求項9】
操作者からの指示に基づき画像データを取り込み、
認証入力部からの認証に用いる入力を受けつけて、前記操作者の認証と共に、前記操作者以外である確認者の認証を行ない、
前記操作者の操作に関する権限と前記確認者の他者の操作に対する権限とが対応付けられて記録された認証情報を参照して、前記複数の認証から定まる権限に基づいて前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別し、
前記操作者の出力操作について所定の権限を満たした場合に、前記画像データを出力する
ことを特徴とする複合機からの画像出力方法。
【請求項10】
複合機を、
操作者の認証と前記操作者以外である確認者の認証と共に、前記複数の認証によって、前記操作者の出力操作について所定の権限を満たしたか判別する認証処理手段として機能させ、
前記操作者からの操作に基づき画像取得手段で取得した画像データを出力するときに、前記認証処理手段において複数人を認証し、前記操作者の操作に関する権限と、前記確認者として認証した1又は複数人の権限に基づいて、出力手段から前記操作者の行った前記画像データの出力操作を実行するか否かを判別させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−74935(P2012−74935A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218298(P2010−218298)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】