説明

複合膜のための連続被覆方法

ポリマーでePTFEを被覆するための連続方法であって、フルオロポリマー含有液媒体の第1の被膜が移動する細長い基材上に形成され、細長いePTFEが被覆された基材に接触して未完成複合構造体を形成させ、フルオロポリマー含有液媒体の最終被膜が未完成複合構造体上に形成される方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合膜を製造するための発泡ポリテトラフルオロエチレンの連続被覆に関する。
【背景技術】
【0002】
無孔質膜は流れに対するバリアであるが、拡散によって特定の化学種に対して選択的に透過性である。例えば、2種の異なる流体を分離する膜は流体の甚だしい混合または無差別的な混合を妨げるが、流体の1つまたは複数の成分の優先的通過を可能にする場合がある。流束は通過の速度の目安であり、選択性は膜を通り抜けることができる種々の化学種に向けた膜によって示される差別の目安である。幾つかのポリマーは、ガス分離のための膜の中で、および燃料電池および電気分解などの電気化学用途において用いられる。後者の場合、ポリマーはイオノマー、すなわちイオン交換容量を有するポリマーである。
【0003】
膜はポリマーフィルムの形を取ってもよく、その場合、膜は、バリアとして作用するため、および輸送のために適する特性に加えて、引裂きまたは破壊、あるいは膜を横切る差圧によって引き起こされるような過剰の伸張に抵抗するのに十分な強度をもたなければならない。あるいは、ポリマーが強化用基材上に支持される複合膜が用いられる。複合材において、有効なバリア特性および輸送特性のために必要な以上に多くのポリマーを用いる必要はない。改善された強度は強化によって提供される。強化用材料の例は、織布または不織布あるいは発泡ポリテトラフルオロエチレン(例えば、「テトラテックス(Tetratex)」(登録商標)または「ゴアテックス(Goretex)」(登録商標)として市販されているePTFE)である。
【0004】
多くの用途において、複合膜がしばしばマイクロメートルのオーダーで薄いことが望ましい。こうした薄い膜は、ePTFEを被覆することにより製造することが可能である。複数の被膜はしばしばePTFEの両側に被着される場合がある。これは噴霧または浸漬によって行うことが可能であるが、特に薄いePTFE、従って脆いePTFEおよび得られた複合膜のためにePTFEを損なわずに均一な浸透および均一な厚さを保証できるとすれば、連続方法が好ましいであろう。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,953,566号明細書
【特許文献2】米国特許第3,962,153号明細書
【特許文献3】米国特許第5,663,255号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複合膜を製造するためのePTFEの被覆のために改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複合膜を製造する方法であって、
移動している細長いキャスティング基材上にフルオロポリマー含有液媒体の選択された厚さを有する第1の被膜を連続的に形成させる工程と、
前記移動しているキャスティング基材上の前記被膜に細長いePTFEを連続的に接触させて、前記基材上に未完成複合構造体を形成させる工程であって、前記第1の被膜の前記厚さは、前記ePTFEに少なくとも部分的に浸透し、乾燥させると前記基材および前記ePTFE膜に接触しているフルオロポリマーの層を形成させるフルオロポリマー含有液媒体の層を形成させるように選択される工程と、
前記移動している細長いキャスティング基材上の前記未完成複合構造体上にフルオロポリマー含有液媒体の最終被膜を連続的に形成させる工程であって、前記最終被膜は選択された厚さを有し、乾燥させると前記ePTFE上にフルオロポリマーの層を形成させるフルオロポリマー含有液媒体の層を前記未完成複合構造体上に形成させる工程と、
前記未完成複合構造体を乾燥させる工程と、
前記キャスティング基材を除去する工程と
を含むことを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明によって用いるための発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、「テトラテックス(Tetratex)」(登録商標)(米国ミネソタ州ミネアポリスのドナルドソン・カンパニー(Donaldson Co.(Minneapolis,MN,USA)))または「ゴアテックス(Goretex)」(登録商標)(米国メリーランド州エルクトンのW.L.ゴア・アソーシエーツ(W.L.Gore Associates(Elkton,MD,USA)))として市販されている。ePTFEは、台湾、台中のイーミンタイ・ケミカル・インダストリアル・カンパニー(Yeu Ming Tai Chemical Industrial Co.Ltd.(Taichung,Taiwan))から得てもよい。ePTFEは、米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に記載された方法により製造することが可能である。厚さは加工前に約2μm〜200μmの範囲である(初期厚さ)。孔(porosity)(初期孔サイズ)は、好ましくは約0.1μm〜約10μm、より好ましくは約0.2〜約0.5μmである。孔は、代表的な孔の妥当な数、好ましくは約10〜25の直径の平均を取ることによりePTFEの走査電子顕微鏡(SEM)から測定してもよい。
【0009】
本発明の方法は、種々のタイプの複合膜を製造するために様々なフルオロポリマーでePTFE膜を被覆するために有用である。クロル−アルカリ電解槽または燃料電池などの電気化学電池のために有用な複合膜は、電気化学技術上知られているフッ素化イオン交換ポリマーであるフルオロポリマーでePTFEを被覆することにより製造することが可能である。スルホン酸基またはカルボン酸基を有するパーフルオロ化イオン交換ポリマーは好ましく、最も好ましくは、「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)という商標で販売されているものなどのスルホン酸基を有するパーフルオロ化イオン交換ポリマーである。分散液の形態を取ったスルホン酸基を有する、適したパーフルオロ化イオン交換樹脂は、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI,USA))および本願特許出願人から「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)溶液として入手できる。適するパーフルオロ化イオン交換樹脂の当量(EW)(水酸化ナトリウム1当量を中和する水素イオン(陽子)形態を取ったポリマーのグラム)は、約800〜1300、好ましくは約850〜1200、より好ましくは約850〜1100、最も好ましくは約850〜950である。
【0010】
本発明の被覆方法において用いられるフルオロポリマー含有液媒体は、好ましくは約1〜約20重量%の固形物含有量を有する。電気化学電池の中で用いるための本発明による複合膜を製造する際に用いるために、イオン交換ポリマーは、溶液の好ましくは約5〜20重量%(固形物含有量、重量%)、より好ましくは約7〜15重量%、最も好ましくは約10〜15重量%である。溶液の粘度は、好ましくは約50〜200mPa・s、より好ましくは約50〜80mPa・sの範囲内である。
【0011】
パーフルオロ化イオン交換ポリマーの溶液は、好ましくは約10重量%未満の水、より好ましくは約5重量%未満の水、なおより好ましくは約4重量%未満の水を含み、最も好ましくは、水は約2.5重量%〜約0.5重量%の範囲内である。約1重量%未満の含水率が望ましく、回転蒸発器での溶媒排除などの熱プロセスによって行われている場合、溶液中の色形成を避けるために約30〜35℃未満の溶液の温度を保つことが好ましい。溶液のアルコール成分は、好ましくは、n−ブタノールの少なくともおよその沸点且つn−オクタノールのおよその沸点以下の沸点を有するべきである。好ましくは、アルコール成分は、ブタノール、ペンタノールおよびヘキサノールとこれらの混合物から選択されるべきであり、その選択は、被覆ライン速度および湿度を含む乾燥条件に対応するように行われる。グリセリンまたはグリコール、好ましくはエチレングリコールは乾燥速度を制御するために添加してもよい。グリコールは全アルコール含有量の約20重量%を超えるべきではなく、好ましくは約15重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、最も好ましくは約5重量%以下である。過剰のグリコールは、基材から分離するのが難しいか、または別段に取り扱うのが難しい粘着性複合材をもたらし得る。すべての重量%は、溶媒とポリマーの組み合わせ重量に基づいている。
【0012】
ガス分離において有用な複合膜を製造するために、選択的に透過性の膜の中で用いるために適するフルオロポリマー、より好ましくは非晶質フルオロポリマー、最も好ましくは環含有非晶質フルオロポリマーが用いられる。好ましくは、ポリマーは溶液形態を取って用いられる。非晶質フルオロポリマーの例は、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)、すなわち50重量%HFPのコポリマーである。このポリマーは、FC−40(実質的にパーフルオロ(トリブチルアミン)であると考えられるスリーエム・インダストリアル・ケミカルズ・ディビジョン(3M Industrial Chemicals Division)(米国ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN,USA))によって販売されている「フルオリナート(Fluorinert)」電子液)、パーフルオロヘキサンまたはパーフルオロオクタンなどの様々な弗化炭化水素溶媒に可溶性である。ポリマーおよびポリマー溶液は、米国特許公報(特許文献3)の実施例53および57で開示されている。環含有非晶質フルオロポリマーの例には、160℃のガラス転移温度(Tg)を有するTFEとパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)のコポリマーのFC−40中の溶液である「テフロン(Teflon)」(登録商標)AF1600S2などの「テフロン(Teflon)」(登録商標)AFポリマー(本願特許出願人)が挙げられる。「テフロン(Teflon)」(登録商標)AF溶液に関する好ましい粘度は約5〜1000mPa・sである。この粘度範囲の溶液は、典型的には固形物約1.5〜12重量%を有する。
【0013】
「溶液」という用語が時には液媒体の中のフルオロポリマーを表現する際に用いられるが、パーフルオロ化イオン交換ポリマーの場合に溶液中のポリマーミセルから溶液中のポリマー分子を区別することが必ずしも可能とは限らないことは認識されている。また、ポリマーが溶液中にあることが本発明による方法のために必須ではない。ポリマーが乾燥条件下で、またはその後の更なる加熱によって合着するフィルムを形成する場合、分散液またはエマルジョンを用いることが可能である。本願において用いられる「フルオロポリマー含有液媒体」は、本方法において用いるためのフルオロポリマー被覆液を意味し、溶液、ミセル、分散液およびエマルジョンを含む。
【0014】
本発明による連続被覆は少なくとも2工程の被覆方法である。以下で記載された本発明の好ましい形態において、本方法は厳密に2つの被覆工程で行われる。3つ以上の被覆工程は以下でこれも付記したように実施することが可能であり、2つの被覆方法に本発明を限定する意図はないが、2つの被覆工程による好ましい方法は、望ましい特性を有する複合膜を高効率により製造することが可能である。少なくとも2つの被覆工程の内、第1の被覆工程および第1の被膜はそのように呼ばれ、最終被覆工程および最終被膜は最終被覆工程および最終被膜と呼ばれる。
【0015】
本方法において、第1の工程は、移動している細長い基材へのフルオロポリマー含有液媒体の第1の被膜の塗布である。基材は、フルオロポリマー含有液媒体を著しく吸収せず、フルオロポリマー含有液媒体が基材上で玉にならず、フルオロポリマー含有液媒体を塗布する幅を著しく超えて広がらないいかなる材料であってもよい。好ましい基材は、「マイラー(Mylar)」(登録商標)という商標でデュポン・テイジン・フィルムズ(DuPont Teijin Films)によって販売されている5ミル(125μm)フィルムなどの平滑表面および約2〜約10ミル(50〜250μm)、好ましくは約4〜約6ミル(100〜150μm)の厚さを有するポリエステルフィルムである。「マイラー(Mylar)」(登録商標)500Aフィルムは好ましいグレードである。複合膜が基材から容易に除去されないことが被覆後に分かる場合、「マイラー(Mylar)」(登録商標)200Dフィルムは、より良好な剥離を伴ったより平滑な表面を有するので、より好ましいグレードである。なおより良好な剥離のために、「マイラー(Mylar)」(登録商標)フィルムはシリコーン表面処理を伴って入手できる。シリコーン処理された基材は、被膜がこうした基材に固着する傾向があるパーフルオロ化イオン交換ポリマーである場合、一般に用いられるべきではない。
【0016】
基材は、計量ポンプによって供給された被覆ダイなどの適するいずれかの手段によってフルオロポリマー含有液媒体で被覆される。基材に被着させるフルオロポリマー含有液媒体の厚さは、ePTFEに被着させるべきポリマーの量によって決定される。例えば、ePTFE出発材料の厚さ×約1.25の複合膜を得るために、フルオロポリマー含有液媒体が約13%固形物、すなわちポリマー含有量である場合、被着させた湿潤層の全厚は、約10×ePTFE出発材料ほどに厚いのがよい。実施例1はこれを示している。
【0017】
ePTFEは、ePTFE巻取材から供給するなどによって湿潤第1の被膜で被覆された基材に接触するようにされ、ePTFEロールは駆動されずに基材上に適切に巻き出される。これは、第1の被覆ステーションから実用的ないずれかの距離、例えば約200cmで実施することが可能である。好ましい方法において、ePTFEはフルオロポリマー含有液媒体の湿潤力によって湿潤基材に引き落とされ、湿潤基材に接着し、未完成複合膜を形成する。方法完了の前に1つまたは複数の被膜を有するePTFEは、いわゆる未完成複合膜と本明細書で呼ばれる。それが未だ完全に仕上がった複合膜ではないからである。
【0018】
ライン速度は、好ましくは1〜50フィート/分(0.3〜15m/分)、より好ましくは2〜25フィート/分(0.6〜7.5m/分)、最も好ましくは5〜10フィート/分(1.5〜3m/分)の範囲内である。
【0019】
第1の被膜の厚さは、前記ePTFEに少なくとも部分的に浸透するとともに、乾燥させると前記基材および前記ePTFEに接触しているフルオロポリマーの層を形成させるフルオロポリマー含有液媒体の層を形成させるように選択される。基材上の湿潤被膜の最大厚さは、基材の端に向けて横に流れ出る被膜の傾向によって限定される。流れる傾向は、フルオロポリマー含有液媒体の粘度の関数であり、より粘性の溶液をより厚く被覆することが可能である。しかし、粘度は、より大きな孔がより粘性の溶液をより迅速に吸収できるというePTFEの孔サイズの関数であるePTFEへのフルオロポリマー含有液媒体の吸収を遅らせるか、または妨げるほどに高くないのがよい。乾燥後に第1の被膜によって提供された基材およびePTFEに接触しているフルオロポリマー層の厚さは、好ましくは約0.5μm〜50μmの範囲内である。好ましくは、この層は連続である。
【0020】
本発明の方法の好ましい形態において、第1の被膜を有する基材+未完成複合構造体は、3ゾーンホットエアー対流炉を通過する。この炉は、各ゾーン内のフィルムのための約1〜3分の滞留時間を可能にするのに十分に長い。特に極性および少なくともある程度より高い沸点の溶媒を有するイオン交換ポリマーのために、第2のゾーンが第1のゾーンより高い温度であり、第3のゾーンが第2のゾーンより高い温度であることが良好な品質の被膜のために好ましい。パーフルオロヘキサンのような溶媒中の「テフロン(Teflon)」(登録商標)AFなどの非晶質非イオノマーフルオロポリマーのために、フッ素化イオン交換ポリマーと合わせて用いられる温度と比べて比較的低い(例えば30℃〜60℃)単一温度を用いてもよい。温度の選択は、フルオロポリマー含有液媒体中の溶媒に応じて異なる。温度は基材に影響を及ぼすほどに高くないのがよい。例えば、「マイラー(Mylar)」(登録商標)500Aは、約100℃より高く加熱されるべきではない。最小の乾燥は、本発明の方法の後続工程のために適する状態に未完成複合構造体をもっていくのに十分であるのがよい。それは、「完全乾燥」または「最適乾燥」(すなわち、本発明の複合膜が意図した用途において役立つために必要な状態に乾燥する)である必要はない。こうした完全乾燥または最適乾燥は、すべての被覆工程が終了するまで延期してもよい。
【0021】
水性アルコール媒体中のパーフルオロ化イオン交換ポリマーのために、好ましい温度が、第1のゾーン約40℃、第2のゾーン約60℃、第3のゾーン約90℃であることが分かる。炉中の気流は、排出ガス中の有機蒸気が蒸気に関する爆発下限より低いことを確実にするのに十分である。
【0022】
乾燥後、未完成複合構造体は、好ましくは未完成複合構造体のロールを製造するためにコア上に巻き取られる。好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)の間紙を用いてもよいが、一般には必須ではない。
【0023】
その後、フルオロポリマー含有液媒体の最終被膜であってもよい第2の被膜は、未完成複合構造体に被着される。未完成複合構造体のロールは巻き出され、フルオロポリマー含有液媒体は未完成複合構造体の露出面上に被覆ダイを通して計量供給されて、乾燥させるとePTFE上にフルオロポリマーの層を形成させるフルオロポリマー含有液媒体の層を形成させる。ePTFEが第1の被膜によって完全には浸透されなかった場合、第2の被膜も好ましくはePTFEに浸透する。
【0024】
ePTFEの2層以上の層を含む複合膜が望ましい場合、この場合に最終被膜でない第2の被膜を被着させる時、ePTFEのもう1つの層を第2の被膜に接触させることが可能であり、よって構造体に付加される。ePTFEの層間のフルオロポリマー層の厚さは、通常、ePTFE層を接着させるために必要な以上により厚い必要はない。すなわち、フルオロポリマー層は接着剤層である。ePTFE層の所望数がこの工程を繰り返すことによって付加された後、フルオロポリマー含有液媒体の最終被膜が本明細書に記載されたように被着される。
【0025】
最終被膜(およびあらゆる中間被膜)は、当量(イオノマーの場合)または溶媒あるいは化学組成において第1の被膜と同じである必要はない。
【0026】
最終被膜の厚さの選択は、複合膜のために意図された用途によって決定される。別段に理由が存在しない際に、ePTFEがePTFEの表面上のポリマーの非強化層の間でおよその中心に置かれることが好ましい。すなわち、第1の被膜によって形成されたePTFEおよび基材に接触しているフルオロポリマー層の厚さは最終被膜によって形成されたePTFE上のフルオロポリマー層の厚さとは大幅には異ならない。好ましくは、第1の被膜の厚さおよび最終被膜の前記厚さは、ePTFEに接触しているフルオロポリマーの層を形成するように選択され、それらの厚さは約20:80〜80:20、より好ましくは約25:75〜75:25、最もより好ましくは約35:65〜65:35、最も好ましくは約40:60〜60:40の比内である。
【0027】
複合膜が2つ以上のePTFE成分を含む時、ePTFE成分が複合膜中で対称的に配置されることが好ましい。
【0028】
好ましくは、最終被膜によって形成されたフルオロポリマー層の厚さは約0.5μmおよび約50μmである。ePTFEがおよその中心に置かれて、水分が吸着されるか、または脱着されるにつれて複合膜または特にフッ素化イオン交換ポリマー被膜が温度変化によりカールする傾向はより少ない。未完成複合構造体上に計量供給されたフルオロポリマー含有液媒体の最終被膜の厚さが第1の被覆工程で上に計量供給されたフルオロポリマー含有液媒体の厚さの約25%〜約150%であることが好ましい。より好ましくは、最終被膜の厚さは、第1の被膜の厚さの約35〜約100%、最も好ましくは約50〜約75%である。
【0029】
ePTFEの表面孔を含む孔がフルオロポリマーで実質的にすべて充填される時、ePTFEは、「完全に浸透された」または「完全に封入された」と言われる。
【0030】
厚さ50μmより厚い表面フルオロポリマー層を未完成複合構造体中の基材とePTFEの間で望む場合、これは、フルオロポリマー含有液媒体の被膜を最初に基材に被着させ、上述したように被膜を乾燥させ、その後、この既に被覆された基材にもう1つの被膜を被着させ、その後、被覆された基材にePTFEを接触させ、よって上述したものに似た未完成複合構造体を形成させることにより行うことが可能である。
【0031】
ePTFE上でより厚い、すなわち約50μmより厚い表面層を望む場合、上述した最終被膜を被着させるための工程を繰り返すことにより複数の被膜を被着させてもよい。
【0032】
本発明により製造された膜の有用な厚さは、好ましくは約0.1μm以上、より好ましくは約0.3μm以上、なおより好ましくは約1μm以上、且つ好ましくは約250μm以下、より好ましくは約150μm以下、なお好ましくは約100μm以下、最も好ましくは約40μm以下である。複合膜を用いようとする用途は好ましい厚さに影響を及ぼす。通常、電解槽のための膜は、ガス分離のための膜より厳しい環境を経験し、従って、より厚くてもよいか、またはより厚いePTFE層を含んでもよい。
【0033】
本発明による被覆および浸透の過程で、ePTFEが被覆前より薄くなることが観察される。この厚さの減少または収縮は、ePTFE上に圧縮力を加えるポリマー被膜の乾燥に付随する体積の減少によって引き起こされることが考えられる。薄化度はePTFEの孔によって影響を受ける。より多孔質でより低い密度のePTFEは、より収縮(薄化)する傾向がある。典型的には、ePTFEは、複合膜の形成の過程でその厚さの約25〜75%を失う。複合膜の中のePTFEの好ましい厚さは約0.3μm〜40μmである。
【0034】
最後の被覆工程後の乾燥のためのライン速度は初期被覆工程とほぼ同じから約50%より長いに至るまでである。乾燥炉温度はほぼ同じである。未完成複合構造体(更なる乾燥を行うべき場合)または複合膜(乾燥が完了している場合)を乾燥後に巻き取る時、間紙、厚さ約1ミルの好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)を用いるべきである。間紙は、フルオロポリマーが低いガラス転移温度(Tg)を有するか、あるいは別段に粘着性または「グラビー」であるか、または長い時間にわたって貯蔵されている場合、粘着、すなわち、複合材のそれ自体への層間粘着を妨げる。ePTFEに被着されたパーフルオロ化イオン交換樹脂は、被覆後に粘着性である傾向がある複合材を与える。非イオノマー非晶質フルオロポリマーなどの非粘着性ポリマーのために、間紙は使用前の貯蔵および取扱いにおいて複合材をきれいに保つために有用である。
【0035】
非晶質フルオロポリマーにより製造されたものなどの本発明による幾つかの複合膜のために、膜を巻き取り、キャスティング基材に接触させて貯蔵し、上述したように必要ならば間紙を用いることが望ましい。使用の直前または別の好都合な時間に、基材を複合膜から分離する。
【0036】
本発明によりePTFEに被着させたパーフルオロ化イオン交換樹脂は、複合材の中に残る2〜20重量%の溶媒を一般に有する。複合材が厚ければ厚いほど、残留溶媒の量は多い。溶媒残査は主としてより高級のアルコールおよびグリコールである。この段階で複合材を乾かし過ぎないのは好ましい。過乾燥は皺およびひだを引き起こし得る。残留溶媒を除去するために、基材上の複合膜は、好ましくは水の槽を通過する。水を通り抜ける時、複合膜は基材をもちあげ、よって基材を容易に除去することを可能にする。複合材は、水槽の中で残留溶媒を実質的に含まないように洗浄される。「実質的に含まない」は、洗浄後に約1重量%以下、好ましくは約0.5重量%以下、より好ましくは約0.2重量%以下、最も好ましくは約0.1重量%以下の残留溶媒が複合膜中に残ることを意味する。槽から現れて、複合材は、「ソンタラ(Sontara)」(登録商標)スパンボンドポリエステル布地などの吸着剤材料の間紙と合わせて巻き取られる。複合材を放置して「ソンタラ(Sontara)」(登録商標)間紙と合わせて周囲温度で乾燥させる。それは、乾燥中の寸法変化を見込んでおり、複合膜の平面性を維持する。普通には、乾燥のために1日は十分である。複合膜は、それを用いるまで「ソンタラ(Sontara)」(登録商標)間紙と合わせてロール上に貯蔵される。
【実施例】
【0037】
商用ePTFEは2つの供給業者から得られる。
(1)「テトラテックス(Tetratex)」(登録商標)3109としてドナルドソン・カンパニー(Donaldson Company)(米国ペンシルバニア州アイビーランド(Ivyland,PA,USA))
ePTFEを押し潰さないように注意して断面の走査電子顕微鏡(SEM)からおよびマイクロメータによって使用前に決定される厚さは8μmである。
(2)「スタイル(Style)」2101としてYMT(台湾、台中のイーミンタイ・ケミカル・インダストリアル・カンパニー(Yeu Ming Tai Chemical Industrial Co.Ltd.(Taichung,Taiwan))
YMT「スタイル(Style)」2101のロールの間で多少の変動があるので、本明細書で用いられるロールの各々から採取したePTFEのサンプルを測定した。
【0038】
【表1】

【0039】
「ガーレーナンバー」としても知られているG#は、5インチ(1.25kPa)水柱の差圧でePTFEの1平方インチ(645平方mm)を通して100ccの空気が流れるための時間である。米国ニューヨーク州トロイのガーレー・プレシジョン・インストルメンツ(Gurley Precision Instruments(Troy,NY,USA))から入手できる「ガーレー(Gurley)」(登録商標)デンソメータ、モデル No.4110Nを用いて測定を行った。
【0040】
固形物約10%、水:アルコール溶液約9:1の商用「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液SE−10072を用いる。SE−10072中のパーフルオロ化イオン交換ポリマーの当量は990である。回転蒸発器を用いて、水性アルコール溶媒をn−ブタノールおよびエチレングリコールに置き換えて、1.3重量%の残留水を有する90:10ブタノール:グリコールの10.8重量%固形物溶液を製造する。粘度は41cp(41mPa・s)である。
【0041】
「テフロン(Teflon)」(登録商標)AF1601は、160℃のガラス転移温度(Tg)を有する市販(本願特許出願人)の非晶質フルオロポリマーであり、固体ポリマーとして、または弗化炭化水素溶媒中の溶液として入手できる。実施例において、AFはパーフルオロオクタン(組成:85%パーフルオロオクタン、10%パーフルオロヘキシルエチレン、5%パーフルオロオクチルエチレン)に溶解させて、3重量%溶液と6重量%溶液を製造した。
【0042】
(実施例1)
基材は幅13インチ(33cm)の「マイラー(Mylar)」(登録商標)500Aである。13インチ(33cm)幅の被膜を提供するようにダイを設定する。上述したのに似ているが、13%固形物を有する「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液を被覆する。ライン速度は7フィート/分(213cm/分)である。乾燥炉中の3ゾーンをそれぞれ40℃、60℃および90℃に設定する。ePTFEは上述した「テトラテックス(Tetratex)」(登録商標)3109である。
【0043】
固形物13%の溶液を本発明による方法により厚さ30μmのePTFEに2パスで被着させる。ギヤポンプは、2.92cc/回転の速度で溶液を供給する。第1のパスにおいて、ポンプは40rpm(40rpm×2.92cc/回転=117cc/分)で運転する。第2のパス(最終被膜)において、ポンプは30rpm(30rpm×2.92cc/回転=87.6cc/分)で運転する。合計で204cc/分をePTFEに被着させた。
【0044】
基材は幅13インチ(33cm)であり、7ft/分(213cm/分)で前進する。従って、被覆された面積は33cm×213cm/分=7040cm2/分である。これから、被着された組み合わせ層の湿潤厚さが204cc/分÷7040cm2/分=0.029cm(290μm)であると決定される。
【0045】
乾燥させたePTFE複合材を測定し、37μmの全乾燥厚さを有することが分かる。従って、複合材厚さはePTFE出発材料(30μm)より約25%厚い。これは、出発ePTFEの厚さ(30μm)×約10の湿潤厚さである固形物13%の溶液の290μmの全湿潤被膜厚さを被着させることにより達成した。異なる被膜厚さのePTFE出発材料および異なる固形物含有量のフルオロポリマー含有液媒体のための被膜厚さを推定する方法は当業者に対して明らかであろう。
【0046】
(実施例2)
基材は幅13インチ(0.33m)の「マイラー(Mylar)」(登録商標)500Aである。12インチ(0.30m)の被膜を提供するようにダイを設定する。上述した「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)分散液SE−10072を被覆する。ライン速度は5フィート/分(1.5m/分)である。乾燥炉中の3ゾーンをそれぞれ40℃、60℃および90℃に設定する。ePTFEは上述した「テトラテックス(Tetratex)」(登録商標)3109である。分散液の138μm湿潤被膜を移動する「マイラー(Mylar)」(登録商標)基材にダイから被着させる。ePTFEを湿潤基材に被着させ、得られた第1の被膜/ePTFEを乾燥させ、基材上の乾燥させた第1の被膜/ePTFEをコア上に巻き取る。その後、これはコータの巻き出しステーションに移動させ、基材上の乾燥させた第1の被膜/ePTFEをコータ上で開始させることを可能にするのに十分に巻き出す。74μm湿潤分散液の第2の(最終)被膜を移動する(5フィート/分(1.5m/分))第1の被膜/ePTFE膜上に被覆する。その後、それは上で開示された温度で3ゾーン乾燥機を通過する。基材上の得られた複合膜が炉から現れるにつれて、且つ数分にわたり冷却後、複合膜を基材から分離し、1ミルのLDPE間紙と合わせて巻き取る。測定は、ePTFEが複合膜中で中心に置かれ、複合膜の全厚が25μmであることを示している。
【0047】
(実施例3)
基材から複合膜を分離する代わりに、基材上の複合膜を水の容器に通すことを除き、実施例2を繰り返す。複合膜は基材から分離する。分離され、洗浄された複合膜をエアーナイフで乾燥させ、「ソンタラ(Sontara)」(登録商標)の間紙と合わせて巻き取る。
【0048】
(実施例4)
液媒体中のフルオロポリマーとしてFC−40の中の固形物3重量%の「テフロン(Teflon)」(登録商標)AF1600溶液を用いて実施例2を繰り返す。乾燥炉の3ゾーンはすべて40℃である。ePTFEは、10μmの全厚を有する得られた複合膜中で中心に置かれていることが分かる。
【0049】
(実施例5)
ロールBからのYMT「スタイル(Style)」2101を実施例2の一般手順により被覆する。得られた複合膜を横に切り、走査電子顕微鏡(SEM)によってその断面を分析する。加速電圧は15.0kVである。図1は断面のSEMを示している。その組織および明暗歪みの相違によって目に見えるePTFE層が膜断面のほぼ中心に置かれていることが明らかである。
【0050】
図1上の目盛りから、膜厚さを37μmであると決定する。パーフルオロ化イオン交換ポリマーの上方層は厚さ12μmであり、中間層は浸透されたePTFEであり、厚さ17μmであり、下方層は厚さ8μmのパーフルオロ化イオン交換ポリマーである。厚さ12μmの上方ポリマー層および厚さ8μmの下方ポリマー層は、厚さ12:8(60:40)の比である。
【0051】
(実施例6)
ロールDからのYMT「スタイル(Style)」2101を実施例2の一般手順により被覆する。得られた複合膜を横に切り、走査電子顕微鏡(SEM)によってその断面を分析する。加速電圧は15.0kVである。図2は断面のSEMを示している。ePTFEが膜中でほぼ中心に置かれていることが分かる。
【0052】
図2上の目盛りから、膜厚さを43μmであると決定する。パーフルオロ化イオン交換ポリマーの上方層は厚さ18μmであり、中間層は浸透されたePTFEであり、厚さ11μmであり、下方層は厚さ14μmのパーフルオロ化イオン交換ポリマーである。厚さ18μmの上方ポリマー層および厚さ11μmの下方ポリマー層は、厚さ18:11(62:38)の比である。
【0053】
(実施例7)
第2の被膜を被着させる時、ePTFEのもう1つの層(ロールD)を第2の被膜に接触させることを除き、ロールII−BからのYMT「スタイル(Style)」2101を実施例2の一般手順により被覆する。その後、この構造体を第3のパスにおいて再び被覆(最終被膜)して、ePTFEの2層を含む膜を与える。得られた複合膜を横に切り、走査電子顕微鏡(SEM)によってその断面を分析する。加速電圧は15.0kVである。図3は断面のSEMを示している。ePTFE層が膜中でほぼ対称に位置するのが見られる。目的がePTFE層を互いに接着させることであった場合、ePTFE層間のポリマー層(中間層)が必要な以上により厚い。しかし、こうした薄い接着剤層はSEM断面においてより容易に見られないであろう。実証の目的のために、この実施例において、より厚い中間層を用いている。
【0054】
図3上の目盛りから、膜厚さを58μmであると決定する。パーフルオロ化イオン交換ポリマーの上方層は厚さ14μmであり、浸透されたePTFEの上方層は厚さ12μmであり、パーフルオロ化イオン交換ポリマーの中心層は厚さ12μmであり、浸透されたePTFE層の下方層は厚さ11μmであり、パーフルオロ化イオン交換ポリマーの下方層は厚さ11μmである。厚さ14μmの上方ポリマー層と厚さ11μmの下方ポリマー層は、厚さ14:11(56:44)の比である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明により製造された複合膜の断面の走査電子顕微鏡(SEM)によって得られた写真である。
【図2】本発明により製造された第2の複合膜の断面のSEMによって得られた写真である。
【図3】ePTFEの2層を用いている本発明により製造された複合膜の断面のSEMによって得られた写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合膜を製造する方法であって、
移動している細長いキャスティング基材上にフルオロポリマー含有液媒体の選択された厚さを有する第1の被膜を連続的に形成させる工程と、
前記移動しているキャスティング基材上の前記被膜に細長いePTFEを連続的に接触させて、前記基材上に未完成複合構造体を形成させる工程であって、前記第1の被膜の前記厚さは、前記ePTFEに少なくとも部分的に浸透し、乾燥させると前記基材および前記ePTFEに接触しているフルオロポリマーの層を形成させるフルオロポリマー含有液媒体の層を形成させるように選択される工程と、
前記移動している細長いキャスティング基材上の前記未完成複合構造体上にフルオロポリマー含有液媒体の最終被膜を連続的に形成させる工程であって、前記最終被膜は選択された厚さを有し、乾燥させると前記ePTFE上にフルオロポリマーの層を形成させるフルオロポリマー含有液媒体の層を前記未完成複合構造体上に形成させる工程と、
前記未完成複合構造体を乾燥させる工程と、
前記キャスティング基材を除去する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の被膜の前記厚さおよび前記最終被膜の前記厚さが、フルオロポリマーを前記ePTFEに完全に浸透させるように選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の被膜の前記厚さおよび前記最終被膜の前記厚さが、前記ePTFEおよび前記基材に接触しているフルオロポリマーの層と前記ePTFE上のフルオロポリマーの層とを形成させるように選択され、前記層は約20:80〜約80:20の比であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の被膜の前記厚さおよび前記最終被膜の前記厚さが、前記ePTFEおよび前記基材に接触しているフルオロポリマーの層と前記ePTFE上のフルオロポリマーの層とを形成させるように選択され、前記層は約25:75〜約75:25の比であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の被膜の前記厚さおよび前記最終被膜の前記厚さが、前記ePTFEおよび前記基材に接触しているフルオロポリマーの層と前記ePTFE上のフルオロポリマーの層とを形成させるように選択され、前記層は約35:65〜約65:35の比であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の被膜および前記最終被膜の前記フルオロポリマー含有液媒体が、約1〜約20重量%の固形物含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の被膜の前記フルオロポリマー含有液媒体の固形物含有量と前記最終被膜の前記フルオロポリマー含有液媒体の固形物含有量が実質的に等しく、前記最終被膜の厚さが前記第1の被膜の厚さの約25%〜約150%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の被膜の前記フルオロポリマー含有液媒体の固形物含有量と前記最終被膜の前記フルオロポリマー含有液媒体の固形物含有量が実質的に等しく、前記最終被膜の厚さが前記第1の被膜の厚さの約35%〜約100%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ePTFEおよび前記基材に接触しているフルオロポリマーの前記層の厚さが約0.5〜約50μmであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ePTFE膜が約2〜約200μmの初期厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ePTFE膜が約0.1〜約10μmの初期孔を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複合膜の中の前記ePTFE膜が約0.3〜約40μmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記フルオロポリマーを合着させるために前記乾燥後に前記未完成複合構造体を加熱する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記未完成複合構造体の前記乾燥が第1の乾燥段階を含み、前記段階において前記フルオロポリマー含有液媒体の前記最終被膜を形成させる前に前記未完成複合構造体を乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の乾燥段階後に前記未完成複合構造体を巻き取る工程を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記未完成複合構造体の前記乾燥が、フルオロポリマー含有液媒体の前記最終被膜の前記形成後に第2の乾燥段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記フルオロポリマーがフッ素化イオン交換ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記イオン交換ポリマーがパーフルオロ化されていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記イオン交換ポリマーがスルホン酸基を有するパーフルオロ化イオン交換ポリマーであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フルオロポリマーが非晶質フルオロポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記フルオロポリマーが環含有非晶質フルオロポリマーを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フルオロポリマーがテトラフルオロエチレンとパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールのコポリマーを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−535686(P2008−535686A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503173(P2008−503173)
【出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/010529
【国際公開番号】WO2006/102490
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】