説明

複合葬祭施設

【課題】斎場のある葬祭施設において、葬祭施設の敷地内部に生花や食材を供給でき、葬儀終了後に、参列者に同一の物品を配布するという方法ではなく、参列者が自分の好む物品を葬祭施設と提携した店舗にて自由に購入できるような複合葬祭施設を開発する。
【解決手段】斎場のある葬祭施設の区画内に、葬祭施設を中心として葬祭施設側及び葬祭施設の利用者並びに葬祭施設に関係を持たない利用者の3者が利用できる各種店舗を中庭と水路を介して配し、喪主が参列者に香典返しとして渡すプリペイドカードで飲食代や商品代の決済ができる複合葬祭施設を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斎場のある葬祭施設を中心に有し、葬祭施設と同一の区画内において、葬祭施設の周囲に、葬祭施設側及び葬祭施設の利用者並びに葬祭施設に関係を持たない利用者の3者が利用できるような各種店舗を配設したことを特徴とする複合葬祭施設に関するものである。
【0002】
さらに詳しくは、各種店舗が小売店舗や飲食店舗であり、該各種店舗が中庭によって葬祭施設から隔離されており、各種店舗の半数以上が上記中庭に面すると共に区画全体を画している外周の道路にも面していて葬祭施設の側からも外周の道路の側からも利用可能であるように構成されていることを特徴とする上記複合葬祭施設に関するものである。
【0003】
また、斎場のある葬祭施設の周囲と、葬祭施設及び葬祭施設における葬儀の参列者及び区画外からの利用客の3者が利用できるような各種店舗の周囲と、葬祭施設と各種店舗を隔離する中庭に水路が設けられていることを特徴とする上記複合葬祭施設に関するものである。
【0004】
さらに、喪主が葬祭施設から一定金額のプリペイドカードを購入し、葬儀の参列者に、喪主から上記プリペイドカードが配布され、葬儀の参列者は、斎場のある葬祭施設の周辺に配設されている各種店舗にて、上記プリペイドカードを用いて飲食費用や商品の購入費用の決済が可能であるカード決済システムを有することを特徴とする前記複合葬祭施設である。
【背景技術】
【0005】
市街地における従来の葬祭施設は、斎場と葬祭を執り行うのに必要な各種の設備を中心として、これに参列者の控室や会食のできるホール等の施設を1基のビルディングの中にレイアウトするという構成が殆どであった。ビルディングは外周の道路に略接するように建てられていて、外観は、通常のオフィスビルと余り異なるところはないものが多かった。
【0006】
近年は、主に利便性の観点から、自宅や寺院において葬儀を行なうよりも、このような葬祭施設において葬儀を行なう傾向が強く、特に都市部においてはその傾向は顕著である。しかしながら、このような1基のビルディングの中に斎場と葬祭を執り行うのに必要な各種の設備を中心とした各種の施設をレイアウトするという構成に、全く問題点がないというわけではない。
【0007】
まず、一つの問題点は、このような施設はその殆どが市街地にあるために、葬儀やその後の会食に必要な資材で葬祭施設の内部で揃わないものを、葬儀が行なわれる都度に、その時刻に間に合うように車両にて搬入しなければならないという点である。祭壇や机や椅子の類は無論葬祭施設の内部に常備しておけば良いが、祭壇等に飾る花や会食の調理に必要な食材は鮮度の問題から葬祭施設の内部にての貯蔵にも限界があり、その都度生花店や食材店から車両によって搬入しているのが現状である。
【0008】
しかしながら、生花店や食材店から葬祭施設まで距離がある場合には、やはり鮮度が落ちるという問題もある。さらに、交通事情によっては搬入が必要な時刻に間に合わなくなる懼れもあり、車両の手配や搬入係員の手配、さらに葬祭施設の内部における貯蔵等各種の問題が発生する。また、葬祭施設のどこかに車両搬入口を設けねばならないが、葬祭施設にはタクシーや自家用車等常時大量の車両が出入りするので、搬入車両の動線と他の車両の動線が重ならないようにしなければならず、この問題が施設の設計の自由度を引き下げる結果となっている。
【0009】
従って、この問題の解決手段としては、葬祭施設の敷地内部に生花や食材を供給できる施設の設置が望まれるということになるが、従来、葬祭施設の敷地内部に生花や食材を供給できる施設を設けた例は見られなかった。
【0010】
次に、喪主が、葬儀終了後、葬儀の参列者の一人一人に配布する、所謂「香典返し」と称する物品の問題がある。「香典返し」は、以前は葬儀終了後、一定期間が経過してから、喪主が葬儀の参列者の一人一人に適切な物品を持参あるいは宅配便等にて配送していたので、葬祭施設の側にては、喪主に、カタログ等にて適切な物品を斡旋するという形が主流であった。
【0011】
しかるに、近年は、諸事万端スピードアップの風潮にあって「香典返し」もその例外ではなく、葬儀開始前に喪主が葬祭施設等から予め適切な物品を購入するという形で葬儀の会場に参列者の数だけ用意しておき、葬儀の終了後、参列者の一人一人に配布してその場にて参列者に持ち帰ってもらうという方法が普及しつつある。
【0012】
従来、「香典返し」は、物品の選択から持参・配送に至るまで、葬儀終了後、長期間に亘って喪主側に多大な労力と精神的な負担を強いるものであったが、上記のようにその場にて参列者に持ち帰ってもらうという方法の普及により、喪主側の労力と精神的な負担は大幅に軽減されることとなった。すなわち、従来は、葬儀終了後1ヶ月位後に至るまで「香典返し」の負担感が継続したものが、葬儀終了と同時に負担感が除去されるので、喪主側においては積極的にこの方法を取り入れる風潮が盛んになってきている。
【0013】
また、この風潮は、葬祭施設の側においても、ある程度纏まった物品の購入となるので、葬儀費用の見積もりも立てやすく、好都合な方法である。しかし、参列者の側においては問題が生じることとなった。
【0014】
すなわち、これまでは、葬儀に参列しても「香典返し」が届けられるのは葬儀後かなりの時間を経てからであるので、葬儀の会場から帰宅するときは、浄めの塩や挨拶状等を持ち帰るだけで済んだ。しかるに、上記のような方法の場合には、葬儀後手渡された物品を持ち帰らねばならないという負担が生じる。物品が軽くて嵩張らないものであれば問題はないが、思いものや嵩張るものを渡されると、特に公共交通にて葬儀会場に来ている参列者にとってはかなりの負担となる。
【0015】
また、従来のように、葬儀終了後一定期間が経過してから喪主側が「香典返し」を持参あるいは配布する方法の場合には、喪主側にて参列者一人一人の好みを考えながら物品を選択できるので、参列者が自分の好まない物品を受け取るという場合は余り多くなかった。しかるに、上記のように参列者全員に同一の物品を配布するという方法の場合には、どうしても参列者によっては意に沿わない物品を受け取らねばならないというケースが生じてしまう。
【0016】
このような事態を回避するためには、葬儀終了後に、参列者に同一の物品を配布するという方法ではなく、参列者が自分の好む物品を葬祭施設と提携した店舗にて自由に購入できるような方法を考えれば良いことになる。ちなみに、このような方法を「香典返し」の1方法として用いている例は、これまで存在しなかった。
【0017】
過去の特許文献では、上記のように葬祭施設の敷地内部に生花や食材を供給できる施設を設けた例は見られなかった。そこで、さらに検索の範囲を広げて、中心となる施設に関連する施設を複合させた例を探ったところ、下記に掲げる2つの特許文献が見出された。いずれも高齢者用の複合施設であり、下記特許文献1は、同一のエリア内にエリア全体を管理するための診療所を有する管理センターと、高齢者がその家族と一緒に居住するための家族介護住宅と、エリア内の住人を収容して介護するための介護老人施設と、デーサービスセンター等と、エリア内の住人を介護する介護者を管理するための研修センターとを含むものである。また、下記特許文献2は、高齢者が生活するに適した複合施設で、健常者を受け入れる健常棟と要介護者を受け入れる介護棟とを、建物としては互いに独立して存在させると共に、渡り廊下をもって互いに行き来自由に連絡し、健常棟の管理情報を集中管理する健常棟情報センターと介護棟の管理情報を集中管理する介護棟情報センターとを有し、両センターの管理情報が互いに利用可能になるように両センターの管理情報が共有された高齢者用複合施設およびその運用方法である。しかしながら、この2例は、いずれも前述のように高齢者用の複合施設であるため、複合葬祭施設の設計の際の参考にはならなかった。
【特許文献1】特開2002‐276203号公報
【特許文献2】特開2004‐239012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
以上のような状況から、本発明の解決しようとする課題を、以下のように設定した。
<課題1>
斎場のある葬祭施設において、葬祭施設の敷地内部に少なくとも生花や食材を供給できる店舗を有する複合葬祭施設を開発する。
<課題2>
葬儀終了後に、参列者に同一の物品を配布するという方法ではなく、参列者が自分の好む物品を葬祭施設と提携した店舗にて自由に購入できるような方法を考える。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下に述べる解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
斎場のある葬祭施設を中心に有し、葬祭施設と同一の区画内において、葬祭施設の周囲に、葬祭施設側及び葬祭施設の利用者並びに葬祭施設に関係を持たない利用者の3者が利用できるような各種店舗を配設したことを特徴とする複合葬祭施設。
<解決手段2>
各種店舗が小売店舗や飲食店舗や貸会場であり、該各種店舗が中庭によって葬祭施設から隔離されており、各種店舗の半数以上が上記中庭に面すると共に区画全体を画している外周の道路にも面していて葬祭施設の側からも外周の道路の側からも利用可能であるように構成されていることを特徴とする解決手段1に記載の複合葬祭施設。
<解決手段3>
斎場のある葬祭施設の周囲と、各種店舗の周囲と、葬祭施設と各種店舗を隔離する中庭に水路が設けられていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の複合葬祭施設。
<解決手段4>
カード書込み印字手段を有するカード発行手段、
カード読込み書込み手段を有するカード回収手段、
プリペイドカードを読込み、またプリペイドカードに書込み、さらにプリペイドカードに印字することのできる各種店舗のカード読込み書込み印字手段、
プリペイドカードと会計手段から読込まれたデータを演算処理できる演算部及びデータを記憶できる記憶部並びにキーボード、マウス、モニタ等の入出力手段を有する各種店舗のコンピュータ、
会計日、会計時刻、店名コード、商品番号と単価と個数と合計金額から構成される商品テーブル、を各種店舗のコンピュータに転送できる各種店舗の会計手段、
各種店舗のコンピュータ及びカード発行手段並びにカード回収手段から転送されたデータを演算処理できる演算部及びデータを記憶できる記憶部並びにキーボード、マウス、モニタ等の入出力手段を有する葬祭施設のコンピュータ、
カード発行手段と葬祭施設のコンピュータをデータの転送可能に連結する電気通信回線、
カード回収手段と葬祭施設のコンピュータをデータの転送可能に連結する電気通信回線、
葬祭施設のコンピュータと各種店舗のコンピュータをデータの転送可能に連結する電気通信回線、
を備えたカード決済システムにおいて、
カード発行手段にてプリペイドカードを発行する際に、カード書込み印字手段にてカード番号と発行日と有効期限日と決算日と残高と性別とカード番号と有効期限日の印字行と残高の印字行が書込まれたカードファイルをプリペイドカードの磁気記憶部に作成し、プリペイドカードにカード番号と発行日と有効期限日と残高を印字するステップ、
カードファイルを葬祭施設のコンピュータを介して各種店舗の夫々のコンピュータに電気通信回線を通じて転送するステップ、
各種店舗のカード読込み書込み印字手段にてプリペイドカードからカードファイルを読込んで各種店舗のコンピュータに転送し、各種店舗の会計手段から会計日と会計時刻と店名コードを読込んで各種店舗のコンピュータに転送し、各種店舗のコンピュータにてプリペイドカードから転送されたカードファイルのカード番号とカード発行手段から転送されたカードファイルのカード番号とを照合してプリペイドカードから読込まれたカード番号が適正か否かを判断するステップ、
カード番号が適正でない場合にはプリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
会計日が有効期限日を過ぎていないかどうかを判断するステップ、
会計日が有効期限日を過ぎている場合にはプリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
残高がゼロより大であるか否かを判断するステップ、
残高がゼロより大でない場合にはプリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
各種店舗の会計手段から、商品番号、単価、個数、合計金額からなる商品テーブルを読込んだ後、各種店舗のコンピュータに転送するステップ、
商品テーブルに情報があるか否かを判断し、商品テーブルに情報がない場合にはバックマージンの演算のステップに移行し、商品テーブルに情報がある場合には、商品テーブルのデータに基づいて新たな残高を演算するステップ、
新たな残高が0より大か否かを判断し、新たな残高が0より大であれば新たな総合計金額を演算し、新たな残高と新たな総合計金額を売上げファイルに転送して商品テーブルに1を足して次の商品テーブルを読込むステップ、
新たな残高が0より大でなければ不足金額を演算して売上げファイルに転送し、新たな残高と総合計金額の和としての新たな総合計金額を演算して売上げファイルに転送し、売上げファイルの残高に0を転送するステップ、
総合計金額に一定のバックマージン率を乗じてバックマージンを演算し、総合計金額からバックマージンを減じて入金金額を演算し、入金金額と総合計金額を売上げファイルに転送するステップ、
売上げファイルに転送されているすべてのデータを売上げファイルに書込んだ後、売上げファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ、
カード番号と発行日と会計日と有効期限日と決算日と店名コードと総合計金額と不足金額と入金金額とバックマージンを決算用ファイルに転送し書込んだ後、決算用ファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ
残高をカードファイルに転送し書込むステップ、
残高をプリペイドカードの裏面の印字領域に印字するステップ、
カードファイルの残高の印字行に1を足すステップ、
カードファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ、
プリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
各種店舗のコンピュータにおいて、決算日を入力することにより決算日が一致する決算用ファイルのみを順次読込み、各決算用ファイルの入金金額を合計して請求金額とするステップ、
決算日と店名コードと請求金額とを請求用ファイルに転送し書き込み、請求用ファイルを作成するステップ、
該請求用ファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ、
カード回収手段にてプリペイドカードを回収する際に、カード読込み書込み手段によりカードファイルを読込んで電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送した後、カードファイルのカード番号の記憶領域に、予め定められた廃棄カードを意味するデータを書込むステップ、
を含むカード決済システムを有することを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載の複合葬祭施設。
<解決手段5>
カードファイルの性別の記憶領域に男性を意味する記号が書込まれたカードとカードファイルの性別の記憶領域に女性を意味する記号が書込まれたカードが、カードの表面の色彩あるいは絵柄あるいは文字により明確に区別可能であるように構成されているカード決済システムを有することを特徴とする解決手段4に記載の複合葬祭施設。
<解決手段6>
カード発行手段が葬祭施設の斎場の入口近傍に設置され、カード回収手段が水路の各所に設けられた手洗所に添接して設置されているカード決済システムを有することを特徴とする解決手段4あるいは解決手段5に記載の複合葬祭施設。
【発明の効果】
【0020】
本発明の解決手段1の発明によれば、葬祭施設の側においては、葬儀の執行や葬儀後の会食に必要な物品を葬祭施設の周囲にある店舗から調達できる。例えば、店舗の1例として生花店があれば、祭壇等に飾る生花を常に新鮮な状態で必要なときに即時に調達可能である。また、店舗の1例として食材店があれば、葬儀後の会食の調理のために必要な食材を常に新鮮な状態で必要なときに即時に調達可能である。さらに、店舗の1例として飲食店や貸会場があれば、葬儀後の会食の執行にあたって葬祭施設内の未使用ホールがなくなった場合に、飲食店や貸会場を借りて葬儀後の会食を執行することが可能である。
【0021】
また、生花や食材が敷地内の店舗から調達できるようになっていれば、生花や食材を敷地外からトラックで搬入する必要がなく、そのため、葬祭施設の搬入口の規模を縮小できる。葬祭施設において最も頻繁に搬入が必要な資材は生花と食材であるので、これらを敷地内にて調達できるようにすることにより、搬入口に出入りする搬入用車両の数も相当に減らすことができるので、葬祭施設の設計の際の車両動線のレイアウトに自由度が増す。
【0022】
また、葬祭施設の利用者である喪主や参列者の側においては、葬祭施設の周囲に飲食店があれば、葬儀の開始時刻より早めに葬祭施設に到着した場合に待機場所として用いたり、葬儀終了後に飲食や交流に利用することができる。また、コンビニエンスストアがあれば、香典袋や数珠等を忘れた場合にもすぐに調達できて便利であるし、飲料や軽食を調達することもできる。さらに、各種店舗は葬祭施設の内部ではなく周囲に配設されているので、葬祭施設に関係を持たない利用者、即ち、葬祭施設側でもなく葬祭施設を利用する喪主や参列者でもないごく一般の利用者も抵抗感を持つことなく利用することが可能である。
【0023】
本発明の解決手段2の発明によれば、各種店舗の大部分を、葬祭施設側や葬祭施設の利用者が利用することもでき、かつ該葬祭施設とは全く関係を持たない外周の道路の通行人もごく普通の店舗を利用するのと全く同一の感覚にて抵抗感を持たずに利用することが可能である。
【0024】
また、各種店舗が中庭によって隔離されているので、葬祭施設として必要な荘厳さや静粛性が確保され、且つ葬儀の参列者が中庭を休息施設や散策路、あるいは参列者相互の交流空間として活用することが可能である。
【0025】
本発明の解決手段3の発明によれば、水路が葬祭施設及び各種店舗及び中庭を結びつけ、これにより葬儀の参列者に全体としての統一感を与えることができる。また、水路のそこここに池を造ることにより、葬儀の参列者の気分を和らげ、視覚的にも和らいだ雰囲気を醸成できるものである。
【0026】
水路と池は、葬祭施設や各種店舗の外構部分だけではなく、建物内部にも設けることにより、さらに全体の統一感を増すことができる。また、建物内部においても、葬儀の参列者や各種店舗の利用者に落ち着きや安らぎを与えることができる。
【0027】
本発明の解決手段4の発明によれば、喪主は、葬儀に参列した参列者にプリペイドカードを配布するのみで所謂「香典返し」のプロセスが終了するので、非常に簡便で、「香典返し」の負担感を解消することができる。
【0028】
また、葬儀の参列者側においても、葬儀後、従来の「香典返し」のように嵩張る物品を渡されないので非常に楽であり、特に公共交通にて葬儀に参列した参列者においては帰路の負担感が大幅に解消される。このため、葬儀後に、葬儀の参列者間にての相互交流がより自由に行なえるようになるものである。
【0029】
また、従来の「香典返し」のように葬儀の参列者が全員同一の物品を手渡されるのではなく、葬祭施設の周囲の各種店舗にて参列者各自がプリペイドカードを自由に使用することができるので、結果として葬儀の参列者の一人一人の好みに沿った「香典返し」が可能となる。
【0030】
例えば、葬祭施設の周囲の店舗に生花店があれば、花の好きな参列者は該生花店にて自分の好きな花を買うことができる。また、ノベルティ雑貨店があれば、参列者は自分の好みに合った雑貨品を買うことができる。さらに食材店があれば、参列者は好きな食材を買うことができる。また、物品の購入だけではなく、周囲の店舗にレストランや喫茶店があれば受領したプリペイドカードにて飲食を行なうこともできるし、貸会場があれば、気の合った参列者同士で会場を借りて故人を偲ぶ交流会を行なうこともできる。さらに、葬祭施設の駐車場料金の支払いに用いることも可能であるし、葬祭施設が提携するタクシー会社のタクシー料金の支払いに当てることも可能である。
【0031】
また同じく本発明の解決手段4の発明によれば、上記プリペイドカードを用いたカード決済システムをハードウェアとソフトウェアを用いて実行することができ、しかも、葬祭施設のコンピュータにも各種店舗のコンピュータにも同一のファイルが残されるので、葬祭施設の側からも各種店舗の側からもカードの使用状況を完全に追跡・確認することができる。
【0032】
さらに、上記プリペイドカードを用いたカード決済システムにおいて、プリペイドカードの磁気記憶部にカード番号、発行日、有効期限日、決算日、残高、性別、カード番号と発行日と有効期限日の印字行、残高の印字行が記憶されたカードファイルを有し、裏面の印字領域にカード番号と発行日と有効期限日及び残高が印字され、男性用と女性用に区別されたプリペイドカードをカード発行機から発行し、かつ、発行されたプリペイドカードのカードファイルを、電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送し、かつ電気通信回線を通じ葬祭施設のコンピュータを介して各種店舗のコンピュータにも転送することができる。
【0033】
さらに、プリペイドカードを各種店舗のカード読込み書込み印字手段にて読込むことにより、プリペイドカードのカード番号が適正か否か、あるいは有効期限日を過ぎていないかどうか、あるいは残高がゼロより大であるか否かを判断することができる。また、プリペイドカードのカードファイルのデータと各種店舗の会計手段のデータからプリペイドカードの残高を更新し、少なくともカード番号と発行日と会計日と有効期限日と決算日と残高と店名コードと商品テーブルと総合計金額と不足金額と性別が書込まれた売上げファイルを各種店舗のコンピュータ内に作成することができる。
【0034】
さらに、総合計金額に一定のバックマージン率を乗じてバックマージンの演算を行い、総合計金額からバックマージンを減じて入金金額の演算を行い、少なくともカード番号と発行日と会計日と有効期限日と決算日と残高と店名コードと商品テーブルと総合計金額と不足金額と性別とバックマージンと入金金額が書込まれた売上げファイルを各種店舗のコンピュータ内に作成することができ、かつ、該売上げファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送することもできる。
【0035】
すなわち、葬祭施設の側に顧客の紹介料として支払われるバックマージンの額が、プリペイドカードが使用される度に明確に計算され、その金額を各種店舗の側と葬祭施設の側が同時に把握することができる。また、決算日に各種店舗の側から葬祭施設の側に請求される金額の一部となる入金金額も、プリペイドカードが使用される度に明確に計算され、その金額を各種店舗の側と葬祭施設の側が同時に把握することができる。
【0036】
さらに、少なくともカード番号と発行日と会計日と有効期限日と決算日と店名コードと総合計金額と不足金額とバックマージンと入金金額が記載された決算用ファイルを各種店舗のコンピュータ内に作成することができ、該決算用ファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送することもできる。決算用ファイルは各種店舗のコンピュータ内の記憶部及び葬祭施設のコンピュータ内の記憶部に記憶される。
【0037】
決算用ファイルは、決算日に各種店舗が葬祭施設に対して発行する請求書の原資料となるものであるが、該決算用ファイルが、プリペイドカードが使用される度に各種店舗のコンピュータ内にも葬祭施設のコンピュータ内にも作成されるので、決算日における請求書の作成を簡単に行うことができ、かつ、各種店舗の側においても葬祭施設の側においても、決算用ファイルを請求明細あるいは内訳として詳細に確認することが可能である。
【0038】
さらに、使用後の残高がカードファイルに書込まれ、使用後の残高が裏面の印字領域に印字されたプリペイドカードを使用者に返却することができ、さらに更新されたカードファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送できる。すなわち、葬祭施設の側にては、発行された総てのプリペイドカードの使用状況を逐一オンラインにて把握することができる。
【0039】
さらに、各種店舗において各種店舗のコンピュータに決算日を入力するだけで各種店舗のコンピュータの記憶部から決算用ファイルが読込まれ、各決算用ファイルの入金金額が合計されて請求金額が演算され、決算日と店名コードと請求金額とが記載された請求用ファイルが作成され、該請求用ファイルが電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送される。すなわち、決算日を入力するだけで請求書に当たる請求用ファイルの作成と発行が自動的に行われるものである。
【0040】
さらに、プリペイドカードの使用時にカードファイルと売上げファイルと決算用ファイルが各種店舗のコンピュータと葬祭施設のコンピュータに同時に作成され、かつ、決算時に請求用ファイルが各種店舗のコンピュータと葬祭施設のコンピュータに同時に作成される。すなわち、各種店舗の側にては、これらのファイルによって店舗の商品販売状況や施設の利用状況が簡単に確認でき、将来的に商品の品揃えや各種の企画の立案にデータとして活かしていくことができる。また、葬祭施設の側においても全く同一のファイルを持てるので、これらのファイルによって、葬儀の参列者のカード使用状況を詳細に検討することができ、それにより各種店舗に対して商品構成や売り場のレイアウトや各種企画の開催等に関するさまざまなアドバイスが可能となる。また、将来建設を予定する同様の複合葬祭施設の設計やテナント募集に関して重要な資料を得ることができる。
【0041】
特に、プリペイドカードが男性用と女性用に区別されているので、これにより、葬儀後の参列者の男女別の各種店舗の利用傾向を把握することができ、これら男女別のデータは、商品構成や各種の企画の立案に大いに役立てることができるものである。
【0042】
さらに、カード回収手段に回収されたプリペイドカードのカード番号が電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送されるので、葬祭施設の側では回収されたプリペイドカードを特定することができる。したがって、葬祭施設の側では、回収されたプリペイドカードに関しては、その発行から回収までの全履歴を把握することが可能である。また、回収されたプリペイドカードのカードファイルのカード番号の記憶領域には、葬祭施設が予め定めた廃棄カードを意味するデータが書込まれるので、回収されたプリペイドカードが再利用される惧れがなくなる。
【0043】
本発明の解決手段5の発明によれば、プリペイドカードが外観からも男性用であるか女性用であるかを明確に区別することができるので、カードの発行時に、男性には男性用のプリペイドカードを、女性には女性用のプリペイドカードを間違いなく手渡すことができるものである。
【0044】
本発明の解決手段6の発明によれば、カード発行手段が葬祭施設の斎場の入口近傍に設置されているので、斎場から退出する参列者にプリペイドカードを手渡すのに非常に便利であり、かつ「香典返し」としての意味も参列者に円滑に伝わるものである。また、カード回収手段が水路の各所に設けられた手洗所に添接して設置されているので、複合葬祭施設を立ち去る前に手を洗い口を漱ぐという参列者の行動パターンを利用してプリペイドカードの回収率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例1は、請求項1〜7に記載の発明の1実施例である。
【実施例1】
【0046】
図1は、本発明の実施例1の複合葬祭施設1の1階部分の概略の平面図、図2は2階部分の概略の平面図、図3は3階部分の概略の平面図、図4は4階部分の概略の平面図、図5は南側から見た概略の立面図、図6は北側から見た概略の立面図、図7は西側から見た概略の立面図である。なお、図1〜図4にては図面上方が北であり、矢印Nは北を表す。
【0047】
なお、11は複合葬祭施設1の敷地である。敷地11は略長方形状で、北を外周道路R1に画され、西を外周道路R2に画され、南を外周道路R3に画され、東を隣接区画Rに画されている。図1にて、2は斎場のある葬祭施設であり、敷地11の東に寄せられて建てられた地上7階建て(地下部分駐車場)のビルディングである。E1は葬祭施設2の正面玄関、EVはエレベータであり、葬祭施設2の正面玄関E1とその近傍は2階分の吹き抜け構造となっている。
【0048】
また、図3、図4にて、SH1〜SH3は斎場、BSは控室、RBはロビー、WCはトイレ、QTは給湯室、MCは機械室である。実施例1の葬祭施設2は地上7階建てであるが、葬祭施設2の内部構造詳細は本発明の要旨には余り関係がないので、5階以上の図面は省略する。なお、図3、図4において、斎場SH1〜SH3の前に設置されているCSは、後述のプリペイドカードPP1、PP2(図9a、図9b参照)を発行するカード発行機であり、カード発行機CSは、斎場SH1〜SH3で執り行なわれる葬儀における受付が設けられる位置に設置されているものである。カード発行機CSは、5階以上の各斎場(図示せず)の前にも設置されている。
【0049】
3は葬祭施設2の周囲に配設された各種店舗である。葬祭施設2の北側には2階建てのレストラン31が配され、葬祭施設2の西側には2階建ての多目的ホール32、平屋の生花店33、平屋のノベルティ雑貨店34、2階建ての食料品店35、2階建ての喫茶店36が配され、葬祭施設2の南側には平屋のコンビニエンスストア37が配されている。これらのうち、多目的ホール32は店舗というよりは施設と呼ぶべきであるという見方もあり得るかもしれないが、利用料金を徴収して空間を提供するという点から、ここでは店舗の一種と看做すものである。
【0050】
各種店舗3は、レストラン31を除いて、葬祭施設2から中庭41〜43を隔てて配されている。すなわち、多目的ホール32は北側の中庭41を隔てて配され、生花店33とノベルティ雑貨店34と食料品店35は西側の中庭42を隔てて配され、喫茶店36とコンビニエンスストア37は南側の中庭43を隔てて配されている。また、レストラン31の一部も中庭41を隔てて配されている。但し、南側の中庭43は上部に何もなく、天空に解放されているが、北側の中庭41と西側の中庭42は3階分の吹き抜け構造となっていて、上部には葬祭施設2の4階以上の部分が位置する。したがって、北側の中庭41と西側の中庭42は、葬祭施設2の3階以下の部分が接していない部分においても、全体が透明ガラス構造の外壁に覆われており、外観的には葬祭施設2の建物構造の一部のように目視される(図5、図6、図7参照)。
【0051】
したがって、図1にては、多目的ホール32、生花店33、ノベルティ雑貨店34、食料品店35は、葬祭施設2から中庭41、42を隔てて配されているように見えるが、外観的には葬祭施設2の建物構造に接しているように見える(図5、図6、図7参照)。なお、喫茶店36とコンビニエンスストア37は外観的にも葬祭施設2から隔離されている。
【0052】
レストラン31の北側と多目的ホール32の北側は前庭44に面し、前庭44は北側の外周道路R1に接している。多目的ホール32の西側と生花店33の西側とノベルティ雑貨店34の西側と食料品店35の西側と喫茶店36の西側は前庭45に面し、前庭45は西側の外周道路R2に接している。喫茶店36の南側とコンビニエンスストア37の南側は前庭46に面し、前庭46は南側の外周道路R3に接している。
【0053】
前庭44には、レストラン31と多目的ホール32の搬入用トラックヤード44aが設けられている。また、前庭45には、多目的ホール32と生花店33とノベルティ雑貨店34の搬入用トラックヤード45a、食料品店35と喫茶店36の搬入用トラックヤード45bが設けられている。さらに、前庭46にはコンビニエンスストアの駐車場兼搬入用トラックヤード46aが設けられている。また、46bは駐輪場である。
【0054】
このように、外周道路R1、R2、R3から直接出入り可能なトラックヤード44a、45a、45b、と駐車場兼搬入用トラックヤード46aを有しているため、各種店舗3への資材の搬入が、極めて楽に行なえるものである。なお、必要が生じれば各種店舗3への資材の搬入は、葬祭施設2の地下駐車場(図示せず)からエレベータEVを経由して行なうことも可能である。また、搬入用トラックヤード44a、45a、45bと駐車場兼搬入用トラックヤード46aには舗石を敷設しておけば、搬入のない時には歩行者用通路として利用できる。
【0055】
47aは中庭41と前庭44を連絡する通路であり、47bは中庭42と前庭45を連絡する通路であり、47cは中庭43と前庭46を連絡する通路である。通路47aは多目的ホール32の2階部分が天井となっているが、通路47bと通路47cには天井はない。通路47a、47b、47cは歩行者のみの使用を前提としている。
【0056】
敷地11の南東端には植え込み51が設けられていて、植え込み51の西側に外周道路53に面して車両入口52が設けられ、東側に同じく外周道路53に面して車両出口53が設けられている。車両入口52、車両出口53の北側は車寄せ57となっていて、車寄せ57の北に葬祭施設2の正面玄関E1が設けられている。
【0057】
車両入口52の西側には、外周道路53に面して地下駐車場入口54と地下駐車場出口55が設けられていて、葬祭施設2の地下部分の地下駐車場(図示せず)に入る車両は地下駐車場入口54より進入し、地下駐車場から出る車両は地下駐車場出口55から外周道路R3に出る。また、地下駐車場入口54と地下駐車場出口55の北側には客待ちのタクシーのためのタクシーヤード56が設けられている。なお、実施例1にては、葬祭施設2の駐車場は地下に設けたが、葬祭施設2の地上部分のいずれかに設けても良いし、独立した駐車場ビルとして設けても良い。
【0058】
中庭41、42、43、前庭44、45、46、通路47a、47b、47c、さらに葬祭施設2の1階部分とレストラン31の1階部分には、相互に連結されて一体となった浅い(水深10cm程度)水路6が設けられている。また、水路6の葬祭施設2の1階部分には泉F1のある池61が、水路6の中庭41の部分には泉F2のある池62が、水路6の中庭42の部分には池63が、水路6の中庭43の部分には池64が、水路6のレストラン31の1階部分には池65が、水路6の前庭44と前庭45が接合する部分には池66が、水路6の前庭45の部分には池67が、水路6の前庭46の部分には池68が、夫々設けられている。
【0059】
水路6は中庭41、42、43、前庭44、45、46、通路47a、47b、47c、さらに葬祭施設2の1階部分とレストラン31の1階部分を水により連絡することによって、複合葬祭施設1全体の一体感を利用者に印象付ける役割を果たすと共に、景観構成上の重要な要素ともなるものである。また、池61〜68も景観構成上の重要な要素であり、特に池64、66は建築物が池面に映りこむ景観構成上の効果を有するものである。なお、池61、62、63、64、66、67、68の傍らに設置されているWHは手洗所で、葬儀の参列者は、葬儀終了後手洗所WHにて手を洗い、口を漱ぐことができる。また、手洗所WHの傍らに設置されているCEは、後述のプリペイドカードPP1、PP2(図9a、図9b参照)を回収するカード回収機である。
【0060】
葬祭施設2には前述の正面玄関E1の他に、北側に中庭41と連絡する出入口E2が設けられており、さらに葬祭施設2の1階部分とレストラン31の1階部分を連絡する出入口E3が設けられている。したがって、葬祭施設2には、正面から正面玄関E1を通じて出入りできる他、中庭41からも自由に出入りでき、レストラン31からも自由に出入りできる。
【0061】
また、レストラン31には、先述の出入口E3の他、中庭41と連絡する出入口E4、前庭44と連絡する出入口E5、さらにレストラン31の2階部分と多目的ホールの2階部分を連絡する出入口E6(図2参照)が設けられている。したがってレストラン31には、中庭41からも外周道路R1に接した前庭44からも自由に出入りできるので、葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。また、多目的ホール32の利用者が2階部分を通じて自由に利用することも可能である。
【0062】
多目的ホール32には、先述の出入口E6の他、中庭41と連絡する出入口E7、前庭45と連絡する出入口E8が設けられている。したがって多目的ホール32には、中庭41からも外周道路R2に接した前庭45からも自由に出入りできるので、喪主や葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。また、レストラン31の利用者が2階部分を通じて自由に利用することも可能である。
【0063】
生花店33には、中庭41と連絡する出入口E9、前庭45と連絡する出入口E10が設けられている。したがって生花店33には、中庭41からも外周道路R2に接した前庭45からも自由に出入りできるので、葬祭施設2の職員や喪主や葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。
【0064】
ノベルティ雑貨店34には、中庭42と連絡する出入口E11、前庭45と連絡する出入口E12が設けられている。したがってノベルティ雑貨店34には、中庭42からも外周道路R2に接した前庭45からも自由に出入りできるので、喪主や葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。
【0065】
食料品店35には、中庭42と連絡する出入口E13、前庭45と連絡する出入口E14、さらに、食料品店35の1階部分には喫茶店36の1階部分と連絡する出入口E15が設けられている。したがって食料品店35には、中庭42からも外周道路R2に接した前庭45からも自由に出入りできるので、葬祭施設2の職員や喪主や葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。また、喫茶店36の利用者も自由に利用できる。
【0066】
喫茶店36には、先述の食料品店35と連絡する出入口E15の他、中庭43と連絡する出入口E16、前庭46と連絡する出入口E17が設けられている。したがって喫茶店36には、中庭43からも外周道路R3に接した前庭45からも自由に出入りできるので、葬祭施設2の職員や喪主や葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。また、食料品店35の利用者も自由に利用できる。
【0067】
コンビニエンスストア37には、中庭43と連絡する出入口E18、外周道路R3と直接連絡する出入口E19が設けられている。したがってコンビニエンスストア37には、中庭43からも外周道路R3からも自由に出入りできるので、葬祭施設2の職員や喪主や葬儀の参列者以外に、葬祭施設2に関係を持たない敷地11外からの一般の利用者も、複合葬祭施設1の一部であることを全く意識することなく利用できる。
【0068】
次に、葬儀の参列者が各種店舗において使用できるプリペイドカードシステム、即ち、解決手段4〜6にいうカード決済システムについて詳細に説明する。図8にて、CP2は葬祭施設2のコンピュータ、M2はコンピュータCP2に結線されたモニタである。CS、CS、…は斎場SH1〜SH3(図3、図4参照)の前に設置されたカード発行機CSであり、電気通信回線nを通じてコンピュータCP2に結ばれている。なお、前述のように、5階以上にある各斎場(図示せず)の前にもカード発行機CSが設置されており、これらのカード発行機CSも電気通信回線nを通じてコンピュータCP2に結ばれている。また、CE、CE、…は手洗所WH(図1参照)に添接して設置されたカード回収機であり、電気通信回線nを通じてコンピュータCP2に結ばれている。
【0069】
カード発行機CSの詳細を図10aに示す。カード発行機CSは、角柱状の本体CS1の前面に、男性用のプリペイドカードPP1(図9a参照)を発行する発行口CS2と、女性用のプリペイドカードPP2(図9b参照)を発行する発行口CS3が設けられていて、発行口CS2、CS3の内部には印字機能を有するカードライタSCWが設けられている。カードライタSCWを有するカード発行機CSは解決手段4における「カード書込み印字手段を有するカード発行手段」の1例である。
【0070】
発行口CS2の上にはボタンCS4があり、発行口CS3の上にはボタンCS5がある。ボタンCS4を1回押すごとに男性用のプリペイドカードPP1が発行口CS2から1枚発行され、ボタンCS5を1回押すごとに女性用のプリペイドカードPP2が発行口CS3から1枚発行されるが、この際、プリペイドカードPP1、PP2の裏面の磁気記憶部M(図9c参照)には後述のカードファイルFC(図11a参照)が書込まれ、プリペイドカードPP1、PP2の裏面の印字領域PR1、PR2(図9c参照)には後述のようにカード番号CN、発行日D1、有効期限D3、残額MZが印字される。なお、図10aにおいては、電源コードや電気通信回線用のコード、プリペイドカードPP1、PP2の備蓄分の図示は省略している。また、プリペイドカードPP1、PP2の物理的な発行機構も公知技術であるので省略している。
【0071】
図10bはカード回収機CEで、カード回収機CEは、角柱状の本体CE1の前面に、カード挿入口CE2が設けられており、使用済みのプリペイドカードPP1、PP2がこのカード挿入口CE2に挿入され、本体CE1の内部に蓄積されるという構成になっている。本体CE1の背面には図示しない扉(鍵つき)が設けられていて、本体CE1の内部にある程度プリペイドカードPP1、PP2が蓄積されると、この扉を開いて回収する。また、CE3はカード挿入口CE2を雨水や塵芥から保護する庇である。
【0072】
カード挿入口CE2の内部にはカードリーダライタECRが設けられていて、カード挿入口CE2に挿入されたプリペイドカードのカード番号CNを電気通信回線n(図8参照)を通じて葬祭施設2のコンピュータCP2に転送した後、カード番号CNの記憶領域に葬祭施設2が予め定めた廃棄カードを意味するデータ(一例として任意の数字とアルファベットの組み合わせ)を書込む。なお、図10bにおいては、電源コードや電気通信回線用のコード等は省略している。また、カードリーダライタECRを有するカード回収機CEは、解決手段4における「カード読込み書込み手段を有するカード回収手段」の1例である。
【0073】
再び図8に戻って、CP31はレストラン31のコンピュータ、M31はコンピュータCP31に結線されたモニタ、RG31はレストラン31のレジスタ、CR31はレストラン31のカードリーダライタであり、レジスタRG31とカードリーダライタCR31は、コンピュータCP31に結線されている。CP32は多目的ホール32のコンピュータ、M32はコンピュータCP32に結線されたモニタ、RG32は多目的ホール32のレジスタ、CR32は多目的ホール32のカードリーダライタであり、レジスタRG32とカードリーダライタCR32は、コンピュータCP32に結線されている。
【0074】
CP33は生花店33のコンピュータ、M33はコンピュータCP33に結線されたモニタ、RG33は生花店33のレジスタ、CR33は生花店33のカードリーダライタであり、レジスタRG33とカードリーダライタCR33は、コンピュータCP33に結線されている。CP34はノベルティ雑貨店34のコンピュータ、M34はコンピュータCP34に結線されたモニタ、RG34はノベルティ雑貨店34のレジスタ、CR34はノベルティ雑貨店34のカードリーダライタであり、レジスタRG34とカードリーダライタCR34は、コンピュータCP34に結線されている。
【0075】
CP35は食料品店35のコンピュータ、M35はコンピュータCP35に結線されたモニタ、RG35は食料品店35のレジスタ、CR35は食料品店35のカードリーダライタであり、レジスタRG35とカードリーダライタCR35は、コンピュータCP35に結線されている。CP36は喫茶店36のコンピュータ、M36はコンピュータCP36に結線されたモニタ、RG36は喫茶店36のレジスタ、CR36は喫茶店36のカードリーダライタであり、レジスタRG36とカードリーダライタCR36は、コンピュータCP36に結線されている。
【0076】
CP37はコンビニエンスストア37のコンピュータ、M37はコンピュータCP37に結線されたモニタ、RG37はコンビニエンスストア37のレジスタ、CR37はコンビニエンスストア37のカードリーダライタであり、レジスタRG37とカードリーダライタCR37は、コンピュータCP37に結線されている。なお、上記レジスタRG31〜37は解決手段4における「会計日、会計時刻、店名コード、商品番号と単価と個数と合計金額から構成される商品テーブル、を各種店舗のコンピュータに転送できる各種店舗の会計手段」の1例であり、上記カードリーダライタCR31〜37は解決手段4における「プリペイドカードを読込み、またプリペイドカードに書込み、さらにプリペイドカードに印字することのできる各種店舗のカード読込み書込み印字手段」の1例である。また、コンピュータ2は、解決手段4における「各種店舗のコンピュータ及びカード発行手段並びにカード回収手段から転送されたデータを演算処理できる演算部及びデータを記憶できる記憶部並びにキーボード、マウス、モニタ等の入出力手段を有する葬祭施設のコンピュータ」の1例であり、コンピュータCP31〜37は、解決手段4における「プリペイドカードと会計手段から読込まれたデータを演算処理できる演算部及びデータを記憶できる記憶部並びにキーボード、マウス、モニタ等の入出力手段を有する各種店舗のコンピュータ」の1例である。
【0077】
なお、コンピュータCP31〜CP37は夫々が、電気通信回線nを用いて葬祭施設2のコンピュータCP2に結ばれている。電気通信回線nは、専用回線でもインターネット回線でも良いが、葬祭施設2と各種店舗3の距離が極めて近いことを考えると、セキュリティの面や通信速度の面から、専用回線で結ぶのが望ましい。中でも、複合葬祭施設1全体の建築時に、専用回線を敷設しておくのがさらに望ましい。また、図8にては、キーボードやマウス等の極一般的な入力装置の図示は省略しているが、コンピュータ2、コンピュータ31〜37は当然そのような入力装置を有するものである。
【0078】
次に、プリペイドカードPP1、PP2の構成につて詳細に説明する。以下に説明するプリペイドカードPP1、PP2は、請求項4〜6に記載の「プリペイドカード」の1例である。図9aに示すプリペイドカードPP1は喪主が葬儀の参列者のうち男性に手渡すプリペイドカードであり、図9bに示すプリペイドカードPP2は喪主が葬儀の参列者のうち女性に手渡すプリペイドカードである。プリペイドカードPP1とPP2は、額面金額K1とK2は同一金額であるが、色面CL1と色面CL2の色が一見してわかる程度に変えてある。色面CL1の色は1例として濃い青色とし、色面CL2の色は1例として淡い紫色とすることができる。なお、NNは葬祭施設2の名称である。
【0079】
図9cはプリペイドカードPP1の裏面を示す。プリペイドカードPP1の裏面には、上部に帯状の磁気記憶部Mが設けられ、磁気記憶部Mの下部に印字領域PR1、PR2が設けられている。印字領域PR1にはプリペイドカードPP1に固有のカード番号CN、プリペイドカードPP1の発行日D1、プリペイドカードPP1の有効期限日D3が印字された状態を示している。また、印字領域PR2には複数の印字行が設けられていて、プリペイドカードPP1が使用されるごとにその残額MZが順次印字される。図9cのプリペイドカードPP1では、発行後1回使用されて残額MZが当初の3000円から2600円に更新された状態を示している。プリペイドカードPP2の裏面は示さないが、プリペイドカードPP1の裏面と同様に構成されているものである。
【0080】
磁気記憶部Mには、図11aに示すようにカードファイルFCが設けられている。カードファイルFCには、プリペイドカードPP1のカード番号CN、発行日D1、有効期限日D3、決算日D4、残高MZ、性別GE、カード番号CNと発行日D1と有効期限日D3の印字行PL1、残高の印字行PL2の各記憶領域が設けられている。このカードファイルFCは、プリペイドカードPP1がカード発行機CS(図10a参照)から発行される際に、カード発行機CS内部にてカード番号CN、発行日D1、有効期限日D3、決算日D4、残高MZ、性別GE、印字行PL1、PL2があらかじめ書込まれる(このステップは図示せず)。
【0081】
すなわち、カード番号CNは複数桁の数字とアルファベットの組み合わせとして書込まれ、プリペイドカードPP1の固有の番号となる。発行日D1にはプリペイドカードPP1が発行された日が6桁の数字で書込まれ、有効期限日D3はプリペイドカードPP1の有効期限日が6桁の数字で書込まれ、決算日D4は各種店舗3のコンピュータCP31〜37においてプリペイドカードによる売上げの決算が行われる日が6桁の数字で書込まれている。また、残高MZには発行時には額面金額K1が書込まれ、性別GEには、プリペイドカードPP1の場合は男性を表すMが、プリペイドカードPP2の場合は女性を表すFが、夫々書込まれている。
【0082】
また、印字行PL1には印字領域PR1(図9c)へカード番号CNと発行日D1と有効期限日D3を印字する指示が書込まれ、印字行PL2には印字領域PR2(図9c)の1行目へ残高ZA(発行時には額面金額K1と同一)を印字する指示が書込まれている。プリペイドカードPP1は、印字行PL1、PL2の指示によりカード発行機CS内のカードライタSCW(図10a参照)のプリンタ(図示せず)により予めカード番号CNと発行日D1と有効期限日D3及び残高ZA(額面金額K1と同一)が印字された状態にて発行される。また、カード発行機CS、CS、…はコンピュータ2と電気通信回線nで結ばれており、コンピュータ2と各種店舗3に設置されたコンピュータCP31〜37も電気通信回線nで結ばれているので、プリペイドカードPP1が発行されると同時に、プリペイドカードPP1のカードファイルFCは、電気通信回線nを経由して葬祭施設2のコンピュータCP2と各種店舗3に設置されたコンピュータCP31〜37に転送される(このステップも図示せず)。
【0083】
また、各種店舗3に設置されたコンピュータCP31〜37の記憶部内には、図10b〜図10cに示す各種のファイルが予め設けられている。図10bは売上げファイルFSで、カード番号CN、発行日D1、会計日D2、有効期限日D3、決算日D4、残高MZ、会計時刻TM、店名コードSC、商品テーブルIT、総合計金額MT、不足金額MM、入金金額MI、バックマージンBM、性別GEの各記憶領域が設けられている。商品テーブルITは複数個設けられており(図10bにては10個)、各商品テーブルIT内には商品番号In、単価Id、個数Is、合計金額Imの各記憶領域が設けられている。この売上げファイルFSは、初期状態では各記憶領域とも空白となっている。即ち、各記憶領域に書込みのない基本フォーマットの状態で保存されている。
【0084】
図10cは、各種店舗3のコンピュータCP31〜37が決算日に決算を行うために用いる決算用ファイルFT1、FT2、……で、カード番号CN、発行日D1、会計日D2、有効期限日D3、決算日D4、店名コードSC、総合計金額MT、不足金額MM、入金金額MI、バックマージンBMの各記憶領域が設けられている。さらに、図10dは、各種店舗3が葬祭施設2に対して請求書を発行する際に用いる請求用ファイルFBで、決算日D4、店名コードSC、請求金額BA、件数DNの各記憶領域が設けられている。この決算用ファイルFT、請求用ファイルFBも、初期状態では各記憶領域とも空白となっている。即ち、各記憶領域に書込みのない基本フォーマットの状態で保存されている。
【0085】
次に、本発明におけるカード決済システムのプログラムの構成について図面を参照しながら説明する。このプログラムは、ステップ1〜ステップ6(S1〜S6)の各ステップが順次実行される流れ図として構成されるが、この流れがほぼそのまま本発明におけるカード決済システムの作用の流れにもなっている。まず、斎場SH1(図3参照)にて葬儀が執り行なわれる場合、葬儀の会葬者はロビーRBのカード発行機CS近傍に設けられた受付(図示せず)にて香典を手渡し、斎場SH1内に入って拝礼し、退席する。退席時に、会葬者が男性の場合には受付の係員がカード発行機CSのボタンCS4(図10a)を押してプリペイドカードPP1(図9a)を発行し、会葬者に手渡す。また、会葬者が女性の場合には受付の係員がカード発行機CSのボタンCS5(図10a)を押してプリペイドカードPP2(図9b)を発行し、会葬者に手渡す。プリペイドカードPP1、PP2には発行時に、磁気記憶部MにカードファイルFC(図11a)が書込まれ、さらに印字領域PR1にカード番号CN、発行日D1、有効期限日D3が印字され、印字領域PR2に残高ZA(発行時は額面金額K1、K2と同じ額)が印字された状態(図9c参照)であることは前述の通りである。
【0086】
この際に、受付の係員から、このプリペイドカードPP1、PP2は、裏面に印字された有効期限日D3内であるなら、額面金額K1、K2の範囲内で、葬祭施設2の周囲の各種店舗3にて、現金と同様に使用できるものであることが説明される。図9cにては、発行日D1と有効期限日D3を同一とした例を示しているが、無論、有効期限日D3が発行日D1の後にくるならば、発行日D1と有効期限日D3をどのように設定しても良い。ただ、プリペイドカードPP1、PP2が所謂「香典返し」の代用となるものであること、及び、多くの会葬者が、別の日に複合葬祭施設1の周辺を訪れる機会はさほど多くないと思われることから、発行日D1と有効期限日D3を同一日とするのは極めて現実的な方法であるといえる。すなわち、この場合には、プリペイドカードPP1、PP2は発行日当日限り有効のカードとなる。
【0087】
斎場SH1にて行われる葬儀の会葬者全員にプリペイドカードPP1、PP2が配布された段階で、葬祭施設2のコンピュータPC2には既にプリペイドカードPP1、PP2の総発行枚数が記録されているので、葬祭施設2側は額面金額K1(K2)に総発行枚数を乗じた金額を、葬儀の主催者に対する葬儀費用の請求書の1項目として計上する。
【0088】
プリペイドカードPP1、PP2を手渡された会葬者は、額面金額K1(K2)と裏面に印字された発行日D1、有効期限日D3、残額MZを確認して、これを、各種店舗3にて決済(会計)に使用する。たとえば、会葬者のうちの一人の男性が、プリペイドカードPP1をレストラン31(図1参照)にて使用すると仮定して、以下の説明を行う。
【0089】
使用者(上記男性)は、レストラン31にて飲食を行った後、レストラン31のレジにて会計をする。この際、レジ担当者は、まずレジスタRG31(図8参照)を操作して飲食代金を計算し、使用者に告知する。告知を受けた使用者は、プリペイドカードPP1を取り出し、該カードにての飲食代金の決済をレジ担当者に申し出る。レジ担当者はプリペイドカードPP1をカードリーダライタCR31に挿入して、ステップ1(S1、図12参照)が開始される。
【0090】
プリペイドカードPP1の磁気記憶部Mに記憶されているカードファイルFC(図11a)がカードリーダライタCR31にて読込まれると(ステップS101)、カードファイルFCのデータの大部分、即ち、カード番号CN、発行日D1、有効期限日D3、決算日D4、残高MZ、性別GEは、カードリーダライタCR31からコンピュータPC31内の売上げファイルFSに転送される(ステップS102)。
【0091】
売上げファイルFSは前述のように図11bに示す各記憶領域を有しているファイルで、コンピュータPC31内の記憶部に予め記憶されているが、初期状態にては、どの記憶領域も空白となっている。この、記憶部の売上げファイルFSが読み込まれて、そのカード番号CN、発行日D1、有効期限日D3、決算日D4、残高MZの各記憶領域に、カードファイルFCのカード番号CN、発行日D1、有効期限日D3、決算日D4、残高MZの各記憶領域に書込まれたデータが転送されるものである。さらに、レジスタ31より、会計日D2、会計時刻TM、店名コードSCが、コンピュータCP31の売上げファイルFSに転送される(ステップS103)。
【0092】
次に、カードリーダライタCR31から読込んだカードファイルFCのカード番号CNを、プリペイドカードPP1の発行時に発行機CSからコンピュータCP2を介してコンピュータCP31に転送済みの複数のカードファイルFCのカード番号CNと照合し(ステップS104)、同一のカード番号CNが見つかれば、プリペイドカードPP1のカード番号CNは適正であると判断して次のステップ(ステップS106)に移る。もし、同一のカード番号CNが見つからない場合には、プリペイドカードPP1のカード番号CNは適正ではないと判断し、コンピュータCP31からカードリーダライタCR31にカード返却の命令が送られ、カードリーダライタCR31はプリペイドカードPP1を排出して(ステップS105)、プリペイドカードPP1は使用者に返却される。
【0093】
プリペイドカードPP1が適正であると判断されれば、次に、レジスタRG31から読込んだカードファイルFCの会計日D2を、同じくカードファイルFCの有効期限日D3と照合し(ステップS106)、会計日D2が有効期限日D3と一致するか、あるいは会計日D2が有効期限日D3より以前であれば、プリペイドカードPP1は有効であるとして次のステップ(ステップS108)に進む。もし、会計日D2が有効期限日D3を過ぎていれば、プリペイドカードPP1は無効であるとして、コンピュータCP31からカードリーダライタCR31にカード返却の命令が送られ、カードリーダライタCR31はプリペイドカードPP1を排出して(ステップS107)、プリペイドカードPP1は使用者に返却される。
【0094】
次に、カードリーダライタCR31から読込んだカードファイルFCの残高MZが0より大きいか否かを判断する(ステップS108)。残高MZが0より大きい場合には、プリペイドカードPP1が使用可能であると判断して次のステップ2(S2)に移る。もし、残高MZが0の場合には、プリペイドカードPP1は使用不可能であると判断し、コンピュータCP31からカードリーダライタCR31にカード返却の命令が送られ、カードリーダライタCR31はプリペイドカードPP1を排出して(ステップS109)、プリペイドカードPP1は使用者に返却される。
【0095】
上記のようにして、プリペイドカードPP1が適正なものであり(カード番号CNの一致)、かつ有効(有効期限日D3を過ぎていない)であり、かつ使用可能(残高MZが0より大きい)であることが判断されれば、図13に示すステップ2(S2)に進む。ステップ2(S2)においては、まず、レジスタRG31より商品テーブルIT(n)が、コンピュータCP31内の売上げファイルFSに読込まれる。なお、この際に、コンピュータCP31内の売上げファイルFSはコンピュータCP31の演算部に予め読込まれていることは当然である。商品テーブルIT(n)は、図11bに見るように、商品番号In、単価Id、個数Is、合計金額Imの4つの記憶領域を有しており、nは1から始まり、1ずつ大となる整数である。このような構成の商品テーブルITが複数(図11bにてはn=1〜10の10個)設けられている。
【0096】
商品番号Inは、各種店舗3の夫々において、自店の商品を特定するために用いられるコードで、独自のものを作成しても良いし、既存のバーコードシステムを流用しても良い。また、単価Id、個数Is、合計金額Imは夫々が複数桁の数字列となる。例えば、使用者がレストラン31にて単価400円のコーヒーを一杯飲んで、プリペイドカードPP1にて決済(会計)をする場合には、レジスタRG31に商品番号Inとしてコーヒーの商品番号が記憶され、単価Idとして400、個数Isとして1、合計金額Imとして400が記憶され、これらのデータがそのままコンピュータCP31内の売上げファイルFSの商品テーブルIT(n=1)の各記憶領域に転送される。このステップがS201である。
【0097】
次に、商品テーブルIT(n)にデータがあるか否かが判断されるが(ステップS202)、上記の場合(n=1)には、商品番号In、単価Id、個数Is、合計金額Imの夫々にデータがあるので、次のステップ(S203)に進む。ステップS203にては、残高MZから合計金額Imを差し引いた金額が新たな残高MZとして求められ、さらにステップS204にてこの新たな残高MZが0より大か否かが判断され、0より大、即ち、残高MZが正の数となった場合には合計金額Imと総合計金額MTの和としての新たな総合計金額MTが演算される(ステップS205)。すなわち、商品テーブルIT(1)の合計金額Imが総合計金額MTに足されて新たな総合計金額MTが求められる。このようにして求められた新たな総合計金額MTは売上げファイルFSの総合計金額MTの記憶領域に転送され(ステップS206)、総合計金額MTは新たな総合計金額MTに書き換えられる。
【0098】
次に、商品テーブルIT(n)のnに1が足される(ステップS207)。この場合には、n=1から始まったのでnは1を足されて2となり、ループでステップS201に戻って、レジスタRG31の商品テーブルIT(2)がコンピュータPC31内の売上げファイルFSに読込まれる。次に、商品テーブルIT(1)の場合と同様に、商品テーブルIT(2)にデータがあるか否かが判断されるが(ステップS202)、商品テーブルIT(2)にデータがない場合、即ち、商品テーブルIT(n)のnが1の場合にしかデータがなければ、次のステップ3(S3)に進む。
【0099】
もし、商品テーブルIT(2)にデータがある場合、例えば、プリペイドカードPP1の使用者がコーヒーだけでなくケーキも注文していた場合には、ケーキの商品番号In、単価Id、個数Is、合計金額Imが読込まれて、先のコーヒーの場合同様に、残高MZ−合計金額Im=新たな残高MZが演算され(ステップS203)、その結果が0より大か否かが判断され(ステップS204)、0より大の場合には新たな総合計金額MTが演算されて(ステップS205)、新たな総合計金額MTと新たな残高MZが売上げファイルFSに転送される(ステップS206)。このようにして、商品テーブルIT(n)にデータがなくなるまで上記一連のステップが繰り返される。
【0100】
その途中で、ステップS204にてもし残高MZから合計金額Imを差し引いた新たな残高MZが0か0より小であると判断された場合には、ループをはずれてステップS208に進み、残高MZから合計金額Imを差し引いた金額(負の数)を、符号を反転させて不足金額MM(正の数)として演算し、次に、ステップS209にてこの不足金額MMを売上げファイルFSに転送する。次にステップS210にて残高MZと総合計金額MTの和として新たな総合計金額MTを求め、次のステップS211にてこの新たな総合計金額MTを売上げファイルFSに転送する。この新たな総合計金額MTは、プリペイドカードPP1が発行されたときの残高MZ(即ち額面金額K1)と一致する。そして最後に売上げファイルFSの残高MZに0を転送して(ステップS212)、次のステップ3(S3、図14参照)に進む。なお、不足金額MMが0でない場合には、使用者は、不足金額MMを現金で支払うように求められる。
【0101】
次のステップ3(S3)にては、各種店舗3が葬祭施設2に支払うバックマージンBMが計算される。まず、総合計金額MTにバックマージン率αが掛けられて、バックマージンBMが演算される(ステップS301)。この場合、小数点以下は四捨五入として、バックマージンBMが必ず整数となるようにする。また、バックマージン率αは、各種店舗3と葬祭施設2の間で予め契約により定められた数字で、具体的には数%〜十数%程度となるのが普通であると思われる。また、このバックマージン率αは、各種店舗3のすべてにおいて同じ数字であっても良いし、各種店舗3毎に異なった数字でも良い。
【0102】
契約上の解釈としては、このバックマージン率αは、各種店舗3が葬祭施設2から顧客を紹介してもらう紹介料に当たる。すなわち、各種店舗3は図1に見るように、外周の道路R1、R2、R3に面していて、道路R1、R2、R3からの一般客の需要もあるが、これら一般客は葬祭施設2とは全く関係なく各種店舗3の独自の顧客となるので、紹介料に当たるバックマージンBMは発生しない。しかるに、プリペイドカードPP1、PP2を会計に使用する客は、必ず葬祭施設2にて行われる葬儀に参列した客であるので、これらの客は、各種店舗3が葬祭施設2から紹介された客ということになる。したがって、この場合に、紹介料に当たるバックマージンBMを、葬祭施設2は紹介の代償として各種店舗3から受け取るということである。
【0103】
具体的には、プリペイドカードPP1、PP2の代金は喪主が葬祭施設2側に支払うので、各種店舗3は使用者がプリペイドカードPP1、PP2にて支払った分の金額を予め定められた決算日D4にまとめて葬祭施設2に請求することになるが、この際、紹介料にあたるバックマージンBMを予め差し引いた額を請求する。そのためのバックマージンBMを計算するのがステップ3(S3)である。
【0104】
ステップS301にてバックマージンBMが計算されると、次のステップS302において、総合計金額MTからバックマージンBMを引いた金額が演算され、これが、各種店舗3に実際に入金される入金金額MIとなる。この入金金額MIとバックマージンBMは売上げファイルFSに転送される(ステップS303)。しかるのち、売上げファイルFSに転送されているすべてのデータを売上げファイルFSに書込む(ステップS304)。これで、売上げファイルFSが確定するので、売上げファイルFSはコンピュータCP31の記憶部に記憶され(このステップは図示せず)、葬祭施設2のコンピュータであるコンピュータCP2に転送される(ステップS305)。
【0105】
次のステップ4(S4)は、各種店舗3から葬祭施設2への請求のための決算用ファイルFT(n)(nは正の整数)を作成するステップである。まず、ステップ401において、カード番号CN、発効日D1、会計日D2、有効期限日D3、決算日D4、店名コードSC、総合計金額MT、不足金額MM、入金金額MI、バックマージンBMが決算用ファイルFT(n)に転送される。決算用ファイルFT(n)がはじめて作成される決算用ファイルである場合には、n=1となって決算用ファイルFT(1)となる。
【0106】
次に、ステップS402において、先に転送された全てのデータ、すなわち、カード番号CN、発効日D1、会計日D2、有効期限日D3、決算日D4、店名コードSC、総合計金額MT、不足金額MM、入金金額MI、バックマージンBMが決算用ファイルFT(n)に書込まれる。これにて決算用ファイルFT(n)が確定するので、決算用ファイルFT(n)はコンピュータCP31の記憶部に記憶され(このステップは図示せず)、葬祭施設2のコンピュータ2に転送される(ステップS403)。
【0107】
次のステップ5(S5)は、プリペイドカードPP1のカードファイルFCに使用後の更新されたデータを書込み、印字領域PR2に使用後のデータを印字して使用者に返却するステップである。まず、ステップS501にて残高MZをカードファイルFCに転送し、次のステップS502にて残高MZをカードファイルFCに書込む。この書込みは、コンピュータPC31の指令によって、カードリーダライタCR31が行う。次に、カードリーダライタCR31のプリンタ(図示せず)が残高MZをプリペイドカードPP1の印字領域PR2に印字する(ステップS503)。さらに、次回印字の準備として、カードファイルFCの印事行PL2に1を足す(ステップS504)。
【0108】
カードファイルFCのデータは、残高MZと印事行PL2以外は使用しても不変であるので、この時点でカードファイルFCは確定する。これにより、カードファイルFCの全データが、コンピュータPC31の記憶部に記憶され(このステップは図示せず)、葬祭施設2のコンピュータPC2に転送される(ステップS505)。これによりプリペイドカードPP1の役割は終了するので、プリペイドカードPP1の排出指令がコンピュータPP1からカードリーダライタCR31に送られ、プリペイドカードPP1はカードリーダライタCR31から排出されて(ステップS506)使用者に返却される。これにて、プリペイドカードPP1を用いる全ステップ(S1〜S5)は終了する。
【0109】
次に、図15に示すステップ6にては、コンピュータCP31の内部にて複数の決算用ファイルFT(n)から請求用ファイルFBが自動的に作成されるプログラムを説明する。決算日D4にて、営業が終了した時点で、まず、オペレータがコンピュータCP31のキーボード(図示せず)から、6桁の数字で表される決算日D4、即ち決算日D4=YY/MM/DDを打ち込む(ステップS601)。この際、YYは年をあらわす2桁の数字(例えば2005年であれば05)、MMは月をあらわす2桁の数字(例えば8月であれば08)、DDは日をあらわす2桁の数字(例えば31日であれば31)である。すると、コンピュータCP31の記憶部(図示せず)から請求用ファイルFB(ステップS602)と最初の決算用ファイルFT(1)(ステップS603)が読込まれる。なお、決算用ファイルFT(n)は、プリペイドカードPP1の使用者がプリペイドカードPP1を使用する度に1つずつ作成されるので、コンピュータCP31の記憶領域には、複数の決算用ファイルFT(n)が作成されているが、決算用ファイルFT(1)はその第1番目のファイルである。
【0110】
次に、ステップS604にて決算用ファイルFT(1)にデータがあるか否かが判断される。決算用ファイルFT(1)にデータがない場合には、ステップは後述のステップS610に飛ぶ。決算用ファイルFT(1)にデータがあった場合には、次のS605のステップにて、決算用ファイルFT(1)にある決算日D4が決算日YY/MM/DDと一致するか否かが判断される。すなわち、決算日D4=決算日YY/MM/DDの決算用ファイルFT(n)だけを使用して請求用ファイルFBを作成したいので、この判断が行われる。一致しない場合には、ステップS610に飛ぶ。
【0111】
決算用ファイルFT(1)にある決算日D4が決算日YY/MM/DDと一致した場合には処理すべきファイルとみなして、次のステップS606にて請求用ファイルFBの件数DNに1を加算する。件数DNの初期数値が例えば000(3桁の数字)であれば、決算用ファイルFT(1)は最初のファイルであり、件数DNの数値は001となる。
【0112】
次に、次のステップS607にて決算用ファイルFT(1)にある入金金額MIを請求用ファイルFBの請求金額BAに加算する。請求金額BAの初期数値が例えば0000000(7桁の数字)で、決算用ファイルFT(1)にある入金金額MIが400(円)であるとすれば、請求金額BAの欄は0000400(円)となる。
【0113】
以上の様にして決算用ファイルFT(1)の処理が終了すると、次に決算用ファイルFT(2)を読込む(ステップS608)。決算用ファイルFT(2)の場合も、まずデータがあるか否かが判断され(ステップS609)以下の流れは決算用ファイルFT(1)の場合にならう。このようにして、次々と決算日D4が決算日YY/MM/DDと一致するファイルが読込まれ、各ファイルの入金金額MIが請求用ファイルFBの請求金額BAに加算されていく。なお、この場合、前のステップ3(S3)にて明らかなように、各決算用ファイル(n)の入金金額MIは既にバックマージンBMが差し引かれた額であるので、請求金額BAは各種店舗3が純粋に葬祭施設2に対して請求を行う金額となる。
【0114】
決算用ファイルFT(n)が次々と読込まれて、処理されていくうちに、決算日D4が決算日YY/MM/DDと一致しないファイルが現れると、ループが中断されてステップS610に移る。即ち、決算日D4が決算日YY/MM/DDより小のファイルが現れた場合には、そのファイルは既に前回の決算日に決算済みのファイルであるとみなす(決算済みファイルの誤混入の予防)。また、決算日D4が決算日YY/MM/DDより大のファイルが現れた場合には、そのファイルは次回の決算日に決算予定のファイルであるとみなす。
【0115】
決算日D4当日に決算日YY/MM/DDが入力された場合には決算日D4が決算日YY/MM/DDより大のファイルは現れないが、例えばオペレータが決算日D4の翌日以降に決算日YY/MM/DDを入力した場合には、決算日YY/MM/DDより大のファイルが現れる可能性があるので、それらのファイルは次回の決算に回すものとしてステップS605において処理のループから外される。
【0116】
ステップS610にて、他に決算用ファイルFT(n)があれば、ループでステップS608に戻って残りのファイルを順次読込んでいく。他に決算用ファイルFT(n)がなくなれば、決算用ファイルFT(n)の処理は終了したものとみなし、ステップS611にて決算日YY/MM/DDを請求用ファイルFBの決算日D4に転送する。次に、ステップS612にて、店名コードSC、請求金額BA、件数DNを請求用ファイルFBの各記憶領域に転送し、ステップS613にて、決算日YY/MM/DD、店名コードSC、請求金額BA、件数DNを請求用ファイルFBの各記憶領域に書込む。これで、請求用ファイルFBが確定するので、請求用ファイルFBはコンピュータCP31の記憶部に記憶され(このステップは図示せず)、ステップS614にて葬祭施設2のコンピュータCP2に転送される。これが、即ち、レストラン31から葬祭施設2に対する請求書の発行となる。
【0117】
このように、各種店舗3から葬祭施設2に対する請求書は、請求用ファイルFBの転送という形で電子的に発行されるが、事務処理手続き上、印鑑のある請求書が必要な場合には、とりあえず請求用ファイルFBを電子的に転送しておいて、改めて請求用ファイルFBを請求書として紙に出力して提出しても良い。この点は、各種店舗3と葬祭施設2の間の契約によって定めることができる。
【0118】
請求用ファイルFBにおける請求金額BAは、前述のように既にバックマージンBM分が差し引かれた金額となっているので、葬祭施設2は請求金額BAを各種店舗3の銀行口座に振り込む。これにて、全ての決済は完了される。なお、図15にて、ステップS604にて最初の決算用ファイルFT(1)にデータが存在しない場合には、流れはS610に行き、以後の流れは上述のとおりとなる。もし、最初の決算用ファイルFT(1)にデータが存在せず、他に決算用ファイルFT(n)が存在しない場合には、請求金額BAは0、件数DNも0のままの請求用ファイルFBが葬祭施設2のコンピュータCP2に転送される。即ち、決算日D4における請求金額0の請求書が発行されたことになるものである。
【0119】
なお、請求用ファイルFBには、請求書の項目別明細に当たる部分が欠けているが、この点は、図14のステップ3〜5(S3〜S5)において明らかなように、プリペイドカードPP1あるいはPP2が使用される度に、売上げファイルFS、決算用ファイルFT(n)、カードファイルFCが各種店舗3のコンピュータCP31〜37より葬祭施設2のコンピュータCP2に転送されているので、これらの売上げファイルFS、決算用ファイルFT(n)、カードファイルFCが項目別明細あるいは納品書の代用となっている。したがって、葬祭施設2の側においても、コンピュータCP2において決算用ファイルFT(n)を用いて図15に示すステップ6(S6)と同じ処理を行うことにより、請求用ファイルFBを作成することができるので、各種店舗3から転送されてきた請求用ファイルFBとコンピュータCP2において作成した請求用ファイルFBを照合することにより、簡単に各種店舗3から転送されてきた請求用ファイルFBの精査を行うことができるものである。
【0120】
また、各種店舗3から転送されてくる売上げファイルFS、決算用ファイルFT(n)、カードファイルFCにより、葬祭施設2の側においても、各種店舗3における各商品毎の販売実績を明快に把握することができる。この点は、各種店舗3の側においては、今後の商品構成やイベント開催等のヒントとして大きく役立つものであるが、葬祭施設2側にとっても、どの葬儀の参列者がどのような店でどのような物をどのくらい買ったか、そして、発行したプリペイドカードPP1、PP2がどのように使用されたかが明快に把握できるので、将来的な店舗の構成、各店舗の適切な平米数の検討、そして配置方法の検討等、施設全体の構成のさまざまな検討に大いに役立てうるものである。特に、プリペイドカードPP1は男性用、プリペイドカードPP2は女性用として発行できるので、男女の違いによる買い物行動の差をデータとして蓄積できる点が、一般的なプリペイドカードとは異なるユニークな特徴である。
【0121】
すなわち、一般的なプリペイドカードでは、男性用と女性用を別々に発行するということは、男女平等の観点等のさまざまな制約があって困難であるが、本発明の複合葬祭施設1において用いられるプリペイドカードPP1、PP2は、葬儀参列者用の香典返しとして受付にて参列者の帰宅時に手渡すという特殊事情によって、参列者に不快感を抱かせることなく男性用のプリペイドカードPP1と女性用のプリペイドカードPP2を手渡すことが可能である。この場合、参列者はプリペイドカードPP1、PP2を自ら買うのではなく無料でもらうという事情、及び、男性用と女性用があるということも、一寸した葬儀の際の演出と受け取られることが可能なので、上記のように男女別々のカードを発行するということが可能となるのである。
【0122】
プリペイドカードPP1、PP2の使用者が、プリペイドカードPP1、PP2を使用し終えたときには、使用者は、図1、図10bに示すカード回収機CEのカード挿入口CE2に使用済みのプリペイドカードPP1、PP2を挿入する。すると、カード回収機CEのカード挿入口CE2に設けられたカードリーダライタECRがカード挿入口CE2に挿入されたプリペイドカードPP1、PP2のカード番号CNを電気通信回線n(図8参照)を通じて葬祭施設2のコンピュータCP2に転送した後、カード番号CNの記憶領域に葬祭施設2が予め定めた廃棄カードを意味するデータを書込む。廃棄カードを意味するデータは任意に定めることができるが、一例として任意に組み合わせた数字とアルファベットの列等を用いることができる。
【0123】
なお、上にいう、プリペイドカードPP1、PP2の使用者がプリペイドカードPP1、PP2を使用し終えたときとは、残額MZが0となったとき、あるいは使用日が有効期限日D3を過ぎたとき、あるいは使用者がプリペイドカードPP1、PP2を使用する意思を放棄したときである。すなわち、残額MZが0でなく、使用日が有効期限日D3以前であっても、使用者が複合葬祭施設1を離れなければならない時間が迫っており、しかも有効期限日D3以前に再度複合葬祭施設1を訪れる機会がないものと判断したときには、使用者はプリペイドカードPP1、PP2の使用を断念する場合がある。
【0124】
カード回収機CEにてプリペイドカードPP1、PP2を回収することにより、葬祭施設2の側では、回収されたプリペイドカードPP1、PP2に関しては、その発行から回収までの全履歴を把握することが可能となる。また、カード挿入口CE2を通過したプリペイドカードPP1、PP2のカードファイルFCのカード番号CNの記憶領域には、葬祭施設2が予め定めた廃棄カードを意味する上記データが書込まれるので、回収されたプリペイドカードPP1、PP2が再利用される惧れがなくなる。
【0125】
現実には、発行されたプリペイドカードPP1、PP2の総てがカード回収機CEに回収されるとは限らず、使用者が持ち帰ったり、あるいは別の場所に廃棄されるプリペイドカードPP1、PP2も相当程度発生することが予想される。したがって、カード回収機CEを、図1に見るように、手洗所WHに添接させて設けることとしたものである。
【0126】
葬儀の参列者は、複合葬祭施設1を離れるにあたって、最寄に手洗所WHがあれば心理的にそこで手を洗い、口を漱いで身を清めたくなるのが自然である。したがって、手洗所WHにて手を洗い、口を漱ぐ動作をするうちに傍らにあるカード回収機CEに気づき、使用済みで価値の無くなったプリペイドカードPP1、PP2を持ち帰るよりもこの場でカード回収機CEに投入せんとするのもまた自然な心の動きである。このように、葬儀の参列者の心理状態を契機としてプリペイドカードPP1、PP2の回収率を高めんとするために、カード回収機CEを手洗所WHに添接させて設置するものである。
【0127】
このように、本発明においては、一見関連のなさそうな水路6、池61〜68、手洗所WHの設置とプリペイドカードPP1、PP2の回収を受け持つカード回収機CEの配置が葬儀参列者の心理の動きにあわせて関連付けられており、また、水路6と中庭41〜43が葬祭施設2と各種店舗3を適当な距離を隔てながらも結びつける役割を果たしている。プリペイドカードを用いるカード決済システムは、このような複合葬祭施設1の物理的空間構成に支えられて、プリペイドカードの発行から回収まで、さらにはプリペイドカードの機能全体が支えられているものであり、複合葬祭施設におけるカード決済システムとしての独自の作用効果を有するものである。
【産業上の利用可能性】
【0128】
叙上のように、本発明の複合葬祭施設は、中心をなす葬祭施設と周辺の各種店舗が、同一敷地内にあって中庭を挟んで水路にて結ばれているという物理的、空間的な結びつきと、両者がプリペイドカードシステムによって結ばれているという電子的な結びつきの双方が相俟って特有の効果、すなわち、葬祭施設にとっては物品の調達に便利で紹介料としてのバックマージンが入り、各種店舗にとっては葬祭施設の参列者と一般客の2系統の客筋を有することができ、また喪主にとっては後日の香典返しの件にて頭を悩ませることがなくなり、さらに参列者にとっては、香典返しの品物を自分の好みの物品やサービスで受け取れるという、葬祭施設、各種店舗、喪主、参列者の総てにおいて大きなメリットを有する発明であり、これからの葬祭施設の新しいあり方として、社会的に大きな意義を有するものであると確信するものである。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の複合葬祭施設の実施例1の1階部分を簡略化して示す平面図である。
【図2】本発明の複合葬祭施設の実施例1の2階部分を簡略化して示す平面図である。
【図3】本発明の複合葬祭施設の実施例1の3階部分を簡略化して示す平面図である。
【図4】本発明の複合葬祭施設の実施例1の4階部分を簡略化して示す平面図である。
【図5】本発明の複合葬祭施設の実施例1を1方向から見た状態を簡略化して示す立面図である。
【図6】本発明の複合葬祭施設の実施例1を別の方向から見た状態を簡略化して示す立面図である。
【図7】本発明の複合葬祭施設の実施例1をさらに別の方向から見た状態を簡略化して示す立面図である。
【図8】本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムの代表的なハードウェア資源の構成を説明するブロック図である。
【図9】(a)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムにおいて用いられるプリペイドカードの表面の1例の説明図である。(b)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムにおいて用いられるプリペイドカードの表面の別の例を説明する説明図である。(c)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムにおいて用いられるプリペイドカードの裏面の1例の説明図である。
【図10】(a)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムにおいて用いられるカード発行機の外観斜視図である。 (b)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムにおいて用いられるカード回収機の外観斜視図である。
【図11】(a)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのファイルの構成を説明する説明図である。 (b)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのファイルの構成を説明する説明図である。 (c)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのファイルの構成を説明する説明図である。 (d)本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのファイルの構成を説明する説明図である。
【図12】本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのプログラムの一部の構成を説明する流れ図である。
【図13】本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのプログラムの一部の構成を説明する流れ図である。
【図14】本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのプログラムの一部の構成を説明する流れ図である。
【図15】本発明の複合葬祭施設の実施例1におけるカード決済システムのプログラムの一部の構成を説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0130】
1 複合葬祭施設
11 敷地
2 葬祭施設
3 各種店舗
31 レストラン
32 多目的ホール
33 生花店
34 ノベルティ雑貨店
35 食料品店
36 喫茶店
37 コンビニエンスストア
4 中庭
41 中庭
42 中庭
43 中庭
44 前庭
44a 搬入用トラックヤード
45 前庭
45a 搬入用トラックヤード
46 前庭
46a 駐車場兼搬入用トラックヤード
47a 通路
47b 通路
47c 通路
51 植え込み
52 車両入口
53 車両出口
54 地下駐車場入口
55 地下駐車場出口
56 タクシーヤード
57 車寄せ
6 水路
61 池
62 池
63 池
64 池
65 池
66 池
67 池
68 池
BA 請求金額
BM バックマージン
BS 控室
CE カード回収機
CE1 本体
CE2 カード挿入口
CE3 庇
CL1 色面
CL2 色面
CN カード番号
CP2 コンピュータ
CP31 コンピュータ
CP32 コンピュータ
CP33 コンピュータ
CP34 コンピュータ
CP35 コンピュータ
CP36 コンピュータ
CP37 コンピュータ
CR31 カードリーダライタ
CR32 カードリーダライタ
CR33 カードリーダライタ
CR34 カードリーダライタ
CR35 カードリーダライタ
CR36 カードリーダライタ
CR37 カードリーダライタ
CS カード発行機
CS1 本体
CS2 発行口
CS3 発行口
CS4 ボタン
CS5 ボタン
D1 発行日
D2 会計日
D3 有効期限日
D4 決算日
DN 件数
E1 正面玄関
E2 出入口
E3 出入口
E4 出入口
E5 出入口
E6 出入口
E7 出入口
E8 出入口
E9 出入口
E10 出入口
E11 出入口
E12 出入口
E13 出入口
E14 出入口
E15 出入口
E16 出入口
E17 出入口
E18 出入口
E19 出入口
ECR カードリーダライタ
EV エレベータ
F1 泉
F2 泉
FB 請求用ファイル
FC カードファイル
FS 売上げファイル
FT1 決算用ファイル
FT2 決算用ファイル
GE 性別
IT 商品テーブル
Id 単価
Im 合計金額
In 商品番号
Is 個数
K1 額面金額
K2 額面金額
M 磁気記憶部
M2 モニタ
M31 モニタ
M32 モニタ
M33 モニタ
M34 モニタ
M35 モニタ
M36 モニタ
M37 モニタ
MC 機械室
MI 入金金額
MM 不足金額
MT 総合計金額
MZ 残額
NN 名称
PL1 印字行
PL2 印字行
PP1 プリペイドカード
PP2 プリペイドカード
PR1 印字領域
PR2 印字領域
QT 給湯室
R 隣接区画
R1 外周道路
R2 外周道路
R3 外周道路
RB ロビー
RG31 レジスタ
RG32 レジスタ
RG33 レジスタ
RG34 レジスタ
RG35 レジスタ
RG36 レジスタ
RG37 レジスタ
S1 ステップ
S101 ステップ
S102 ステップ
S103 ステップ
S104 ステップ
S105 ステップ
S106 ステップ
S107 ステップ
S108 ステップ
S109 ステップ
S2 ステップ
S201 ステップ
S202 ステップ
S203 ステップ
S204 ステップ
S205 ステップ
S206 ステップ
S207 ステップ
S208 ステップ
S209 ステップ
S210 ステップ
S211 ステップ
S212 ステップ
S3 ステップ
S301 ステップ
S302 ステップ
S303 ステップ
S304 ステップ
S305 ステップ
S4 ステップ
S401 ステップ
S402 ステップ
S403 ステップ
S5 ステップ
S501 ステップ
S502 ステップ
S503 ステップ
S504 ステップ
S505 ステップ
S506 ステップ
S6 ステップ
S601 ステップ
S602 ステップ
S603 ステップ
S604 ステップ
S605 ステップ
S606 ステップ
S607 ステップ
S608 ステップ
S609 ステップ
S610 ステップ
S611 ステップ
S612 ステップ
S613 ステップ
S614 ステップ
SC 店名コード
SCW カードライタ
SH1 斎場
SH2 斎場
SH3 斎場
TM 会計時刻
WC トイレ
WH 手洗所
n 電気通信回線
α バックマージン率




































【特許請求の範囲】
【請求項1】
斎場のある葬祭施設を中心に有し、葬祭施設と同一の区画内において、葬祭施設の周囲に、葬祭施設側及び葬祭施設の利用者並びに葬祭施設に関係を持たない利用者の3者が利用できるような各種店舗を配設したことを特徴とする複合葬祭施設。
【請求項2】
各種店舗が小売店舗や飲食店舗や貸会場であり、該各種店舗が中庭によって葬祭施設から隔離されており、各種店舗の半数以上が上記中庭に面すると共に区画全体を画している外周の道路にも面していて葬祭施設の側からも外周の道路の側からも利用可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合葬祭施設。
【請求項3】
斎場のある葬祭施設の周囲と、各種店舗の周囲と、葬祭施設と各種店舗を隔離する中庭に水路が設けられていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の複合葬祭施設。
【請求項4】
カード書込み印字手段を有するカード発行手段、
カード読込み書込み手段を有するカード回収手段、
プリペイドカードを読込み、またプリペイドカードに書込み、さらにプリペイドカードに印字することのできる各種店舗のカード読込み書込み印字手段、
プリペイドカードと会計手段から読込まれたデータを演算処理できる演算部及びデータを記憶できる記憶部並びにキーボード、マウス、モニタ等の入出力手段を有する各種店舗のコンピュータ、
会計日、会計時刻、店名コード、商品番号と単価と個数と合計金額から構成される商品テーブル、を各種店舗のコンピュータに転送できる各種店舗の会計手段、
各種店舗のコンピュータ及びカード発行手段並びにカード回収手段から転送されたデータを演算処理できる演算部及びデータを記憶できる記憶部並びにキーボード、マウス、モニタ等の入出力手段を有する葬祭施設のコンピュータ、
カード発行手段と葬祭施設のコンピュータをデータの転送可能に連結する電気通信回線、
カード回収手段と葬祭施設のコンピュータをデータの転送可能に連結する電気通信回線、
葬祭施設のコンピュータと各種店舗のコンピュータをデータの転送可能に連結する電気通信回線、
を備えたカード決済システムにおいて、
カード発行手段にてプリペイドカードを発行する際に、カード書込み印字手段にてカード番号と発行日と有効期限日と決算日と残高と性別とカード番号と有効期限日の印字行と残高の印字行が書込まれたカードファイルをプリペイドカードの磁気記憶部に作成し、プリペイドカードにカード番号と発行日と有効期限日と残高を印字するステップ、
カードファイルを葬祭施設のコンピュータを介して各種店舗の夫々のコンピュータに電気通信回線を通じて転送するステップ、
各種店舗のカード読込み書込み印字手段にてプリペイドカードからカードファイルを読込んで各種店舗のコンピュータに転送し、各種店舗の会計手段から会計日と会計時刻と店名コードを読込んで各種店舗のコンピュータに転送し、各種店舗のコンピュータにてプリペイドカードから転送されたカードファイルのカード番号とカード発行手段から転送されたカードファイルのカード番号とを照合してプリペイドカードから読込まれたカード番号が適正か否かを判断するステップ、
カード番号が適正でない場合にはプリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
会計日が有効期限日を過ぎていないかどうかを判断するステップ、
会計日が有効期限日を過ぎている場合にはプリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
残高がゼロより大であるか否かを判断するステップ、
残高がゼロより大でない場合にはプリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
各種店舗の会計手段から、商品番号、単価、個数、合計金額からなる商品テーブルを読込んだ後、各種店舗のコンピュータに転送するステップ、
商品テーブルに情報があるか否かを判断し、商品テーブルに情報がない場合にはバックマージンの演算のステップに移行し、商品テーブルに情報がある場合には、商品テーブルのデータに基づいて新たな残高を演算するステップ、
新たな残高が0より大か否かを判断し、新たな残高が0より大であれば新たな総合計金額を演算し、新たな残高と新たな総合計金額を売上げファイルに転送して商品テーブルに1を足して次の商品テーブルを読込むステップ、
新たな残高が0より大でなければ不足金額を演算して売上げファイルに転送し、新たな残高と総合計金額の和としての新たな総合計金額を演算して売上げファイルに転送し、売上げファイルの残高に0を転送するステップ、
総合計金額に一定のバックマージン率を乗じてバックマージンを演算し、総合計金額からバックマージンを減じて入金金額を演算し、入金金額と総合計金額を売上げファイルに転送するステップ、
売上げファイルに転送されているすべてのデータを売上げファイルに書込んだ後、売上げファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ、
カード番号と発行日と会計日と有効期限日と決算日と店名コードと総合計金額と不足金額と入金金額とバックマージンを決算用ファイルに転送し書込んだ後、決算用ファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ
残高をカードファイルに転送し書込むステップ、
残高をプリペイドカードの裏面の印字領域に印字するステップ、
カードファイルの残高の印字行に1を足すステップ、
カードファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ、
プリペイドカードをカード読込み書込み印字手段から排出するステップ、
各種店舗のコンピュータにおいて、決算日を入力することにより決算日が一致する決算用ファイルのみを順次読込み、各決算用ファイルの入金金額を合計して請求金額とするステップ、
決算日と店名コードと請求金額とを請求用ファイルに転送し書き込み、請求用ファイルを作成するステップ、
該請求用ファイルを電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送するステップ、
カード回収手段にてプリペイドカードを回収する際に、カード読込み書込み手段によりカードファイルを読込んで電気通信回線を通じて葬祭施設のコンピュータに転送した後、カードファイルのカード番号の記憶領域に、予め定められた廃棄カードを意味するデータを書込むステップ、
を含むカード決済システムを有することを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3に記載の複合葬祭施設。
【請求項5】
カードファイルの性別の記憶領域に男性を意味する記号が書込まれたカードとカードファイルの性別の記憶領域に女性を意味する記号が書込まれたカードが、カードの表面の色彩あるいは絵柄あるいは文字により明確に区別可能であるように構成されているカード決済システムを有することを特徴とする請求項4に記載の複合葬祭施設。
【請求項6】
カード発行手段が葬祭施設の斎場の入口近傍に設置され、カード回収手段が水路の各所に設けられた手洗所に添接して設置されているカード決済システムを有することを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の複合葬祭施設。









【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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