説明

複合電子部品

【課題】本発明は、過電圧印加後の急峻な電流のピークの除去を十分に行なう複合電子部品を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明の複合電子部品は、インダクタ部54と、過電圧保護部56を備え、過電圧保護部56は、入出力側放電電極3と、入出力側放電電極3と間隔を空けて配置されたグランド側放電電極10とを有するもので、インダクタ部54を構成するインダクタ導体18の比抵抗をρ1、断面積をS1とし、入出力側放電電極3の比抵抗をρ2、断面積をS2とし、グランド側放電電極10の比抵抗をρ3、断面積をS3としたとき、ρ1/S1>ρ2/S2かつρ1/S1>ρ3/S3の関係にあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ機能と過電圧保護機能を有する複合電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化に伴い、電子部品も小型化がなされ、これにより電子部品の静電気などの過電圧に対する耐性が低下しており、過電圧対策が重要になってきている。過電圧対策の方法としては、通常時は絶縁体として機能し、過電圧が印加された場合に低インピーダンスに低下したり放電することにより電流を流す過電圧保護部品を保護したい電子部品とグランドとの間に接続する方法が知られている。
【0003】
一方、電子機器の高速化等により、電子回路においても高クロック化、あるいは高周波化がなされており、ノイズ対策が重要になってきている。
【0004】
そうした状況下、ノイズ対策機能を有する例えばコモンモードノイズフィルタと、過電圧保護部品とを組み合わせた複合電子部品が提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−294724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような複合電子部品に過電圧が印加された場合には、コモンモードノイズフィルタを構成するインダクタ部はある程度のインピーダンスを有しており、特に静電気のように定常的な過電圧ではなく短時間の間に電流の変化が生じる場合には高インピーダンスを生じるものとなる。一方、過電圧保護部においては、そのインピーダンスが大幅に低下したり、放電が生じることにより過電圧に起因する電流を通過させることができる。これによって、過電圧に起因する電流は過電圧保護部を通過してグランドに流れることとなる。
【0007】
過電圧が静電気の場合の電流波形については、IEC61000−4−2にその典型例が記載されているように、静電気の波形は静電気が印加されて1nsごろまでに急峻な電流値変化をする第1のピークがあり、その後、なだらかに変化する第2のピークが存在する。
【0008】
上記の複合電子部品について詳細に検討すると、第2のピークの電流は良く除去、即ちグランドへ流しているが、第1のピークの電流の除去は不十分であった。即ち、過電圧印加後の急峻な電流のピークの除去が不十分であった。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、過電圧印加後の急峻な電流のピークの除去を十分に行なう複合電子部品を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための、本発明は以下の手段を有している。
【0011】
請求項1に記載の発明は、入力端子と、出力端子と、グランド端子と、前記入力端子と前記出力端子との間に電気的に接続されたインダクタ部と、前記入力端子または前記出力端子の一方とグランド端子との間に接続され、過電圧が印加された際には低インピーダンスになりそれ以外には絶縁体として機能する過電圧保護部を備え、前記過電圧保護部は、前記入力端子または前記出力端子の一方と電気的に接続された入出力側放電電極と、前記グランド端子と電気的に接続され前記入出力側放電電極と間隔を空けて配置されたグランド側放電電極とを有し、前記インダクタ部を構成するインダクタ導体の比抵抗をρ1、断面積をS1とし、前記入出力側放電電極の比抵抗をρ2、断面積をS2とし、前記グランド側放電電極の比抵抗をρ3、断面積をS3としたとき、ρ1/S1>ρ2/S2かつρ1/S1>ρ3/S3の関係にあるものである。
【0012】
請求項1に記載の発明は、上記構成により、インダクタ部よりも入出力側放電電極およびグランド側放電電極の方が電流を流し易いものであるので、過電圧に起因する電流を円滑にグランド端子へ流すことができ、これにより過電圧印加後の急峻な電流のピークの除去を十分に行なうことができるという作用効果を有する。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明の複合電子部品は、過電圧に起因する電流を円滑にグランド端子へ流すことができ、これにより過電圧時の複合電子部品としての特性の劣化の防止あるいは低減をすることができるという有用な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における一実施の形態の複合電子部品の分解斜視図
【図2】同複合電子部品の電気回路図
【図3】同複合電子部品の外観平面図
【図4】同複合電子部品の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(一実施の形態)
以下、一実施の形態を用いて、本発明について説明する。図1は本発明における一実施の形態の複合電子部品の分解斜視図である。
【0016】
磁性体シート1は磁性体からなるシートである。磁性体としては、Ni系フェライト、Cu系フェライト、Zn系フェライトなどを用いることができる。
【0017】
磁性体シート1の上面にはガラスシート2が配置される。ガラスシート2の主成分としてはSiO2を用いることができる。
【0018】
ガラスシート2上面には第1の入出力側放電電極3、第2の入出力側放電電極4、第3の入出力側放電電極5および第4の入出力側放電電極6が配置される。第1の入出力側放電電極3、第2の入出力側放電電極4、第3の入出力側放電電極5および第4の入出力側放電電極6は、AgまたはAgPdからなり、互いに独立して配置されている。
【0019】
これらの上面にはガラス層7が配置されている。ガラス層7は、ガラスペーストを印刷して得られるものであり、このガラス層7は、第1の放電空間8と第2の放電空間9の二つの開口部を有している。なお、ガラスのシートに2つの開口部を形成する方法によってもガラス層7を得ることができる。
【0020】
第1の放電空間8からは、第1の入出力側放電電極3の先端部と第2の入出力側放電電極4の先端部が覗いている。同様に、第2の放電空間9からは、第3の入出力側放電電極5の先端部と第4の入出力側放電電極6の先端部が覗いている。
【0021】
ガラス層7の上面には第1のグランド側放電電極10が配置され、第1のグランド側放電電極10は第1の放電空間8を介して第1の入出力側放電電極3の先端部、および第2の入出力側放電電極4の先端部と対向している。また、第2の放電空間9を介して第3の入出力側放電電極5の先端部、および第4の入出力側放電電極6の先端部と対向している。
【0022】
第1のグランド側放電電極10の上面には、ガラスシート11が配置される。ガラスシート11はガラスシート2と同様の材質ものを用いることができる。
【0023】
ガラスシート11の上面には磁性体シート1と同様の材質からなる磁性体シート12が配置される。この磁性体シート12の上面には引出電極13および引出電極14が配置される。
【0024】
引出電極13、引出電極14および磁性体シート12の上面にはガラスシート15が配置される。このガラスシート15には、ビア導体16およびビア導体17が形成されている。ビア導体16およびビア導体17の形成方法は、ガラスシート15に貫通孔を形成し、この貫通孔に導体を充填することで得られる。このガラスシート15はガラスシート2と同様の材質ものを用いることができる。
【0025】
ガラスシート15の上面には第1のインダクタ導体18および第2のインダクタ導体19が配置される。第1のインダクタ導体18および第2のインダクタ導体19はそれぞれ渦巻状の導体である。第1のインダクタ導体18はビア導体16を介して引出電極13と電気的に接続している。また、第2のインダクタ導体19はビア導体17を介して引出電極14と電気的に接続している。
【0026】
第1のインダクタ導体18、第2のインダクタ導体19およびガラスシート15の上面にはガラスシート20が配置される。このガラスシート20はガラスシート2と同様の材質ものを用いることができる。
【0027】
ガラスシート20の上面には第3のインダクタ導体21および第4のインダクタ導体22が配置される。第3のインダクタ導体21および第4のインダクタ導体22はそれぞれ渦巻状の導体である。第3のインダクタ導体21と第1のインダクタ導体18とは、共に、外側から内側に向かって時計回りの渦巻き形状である。そして、第3のインダクタ導体21と第1のインダクタ導体18とは、上面から透視した際に、ほぼ重なるように配置されている。
【0028】
また、第4のインダクタ導体22と第2のインダクタ導体19とは、共に、外側から内側に向かって反時計回りの渦巻き形状である。そして、第4のインダクタ導体22と第2のインダクタ導体19とは、上面から透視した際に、ほぼ重なるように配置されている。
【0029】
第3のインダクタ導体21、第4のインダクタ導体22およびガラスシート20の上面にはガラスシート23が配置される。ガラスシート23には、ガラスシート15と同様にビア導体24およびビア導体25が形成されている。また、このガラスシート23はガラスシート2と同様の材質ものを用いることができる。
【0030】
ガラスシート23の上面には引出電極26および引出電極27が配置される。引出電極26は、ビア導体24を介して第3のインダクタ導体21と電気的に接続している。同様に、引出電極27は、ビア導体25を介して第4のインダクタ導体22と電気的に接続している。
【0031】
引出電極26、引出電極27およびガラスシート23の上面には磁性体シート1と同様の材質からなる磁性体シート28が配置される。
【0032】
磁性体シート28の上面にはガラスシート2と同様の材質からなるガラスシート29が配置される。
【0033】
ガラスシート29の上面には第5の入出力側放電電極30、第6の入出力側放電電極31、第7の入出力側放電電極32および第8の入出力側放電電極33が配置される。これらの電極は、互いに独立して配置される。
【0034】
第5の入出力側放電電極30、第6の入出力側放電電極31、第7の入出力側放電電極32、第8の入出力側放電電極33およびガラスシート29の上面にはガラス層34が配置される。このガラス層34はガラス層7と同様に、第3の放電空間35と第4の放電空間36の二つの開口部を有している。ガラス層34の形成方法は、ガラス層7と同様の方法で得られる。
【0035】
第3の放電空間35からは第5の入出力側放電電極30の先端部および第6の入出力側放電電極31の先端部が覗いており、第4の放電空間36からは第7の入出力側放電電極32の先端部および第8の入出力側放電電極33が覗いている。ガラス層34の上面に第3の放電空間35および第4の放電空間36を塞ぐようにして第2のグランド側放電電極37が配置される。第2のグランド側放電電極37は、第3の放電空間35を介して第5の入出力側放電電極30の先端部および第6の入出力側放電電極31の先端部と対向している。さらに第2のグランド側放電電極37は、第4の放電空間36を介して第7の入出力側放電電極32の先端部および第8の入出力側放電電極33の先端部と対向している。
【0036】
第2のグランド側放電電極37の上面およびガラス層34の上面にガラスシート2と同様の材質からなるガラスシート38が配置される。
【0037】
ガラスシート38の上面には、磁性体シート1と同様の材質からなる磁性体シート39が配置される。
【0038】
なお、本実施の形態の複合電子部品は以上のような各構成要素を積層して得られるものであるが、図1においては、複合電子部品の表面に形成される端子を省略している。また、実際には、上記の各構成要素を積層した後に焼成を行い、この焼成によって、幾つかの構成要素は一体的に構成されるが、図1においては、最終的に一体的な構成要素となるものについても、最初の構成要素ごとに示している。
【0039】
図2は本発明の一実施の形態における複合電子部品の電気回路図であり、図3は同複合電子部品の外観平面図である。
【0040】
グランド端子51とグランド端子52とは電気的に接続されており、第1のグランド側放電電極10および第2のグランド側放電電極37と接続されている。
【0041】
第1の入力端子53は第1の入出力側放電電極3および第1のインダクタ導体18のと接続している。また、第1のインダクタ部54は図1の第1のインダクタ導体18に相当するものであり、第1の出力端子55は図1の第2の入出力側放電電極4および引出電極13と接続している。
【0042】
第1の過電圧保護部56は、第1の入出力側放電電極3、第1の放電空間8および第1のグランド側放電電極10から構成されるものである。
【0043】
第2の過電圧保護部57は、第2の入出力側放電電極4、第1の放電空間8および第1のグランド側放電電極10から構成されるものである。
【0044】
第2の入力端子58は第5の入出力側放電電極30および第3のインダクタ導体21と接続している。また、第2のインダクタ部59は図1の第3のインダクタ導体21に相当するものであり、第2の出力端子60は図1の第6の入出力側放電電極31および引出電極26と接続している。
【0045】
第3の過電圧保護部61は、第5の入出力側放電電極30、第3の放電空間35および第2のグランド側放電電極37から構成されるものである。
【0046】
第4の過電圧保護部62は、第6の入出力側放電電極31、第3の放電空間35および第2のグランド側放電電極37から構成されるものである。
【0047】
第3の入力端子63は第3の入出力側放電電極5および第2のインダクタ導体19と接続している。また、第3のインダクタ部64は図1の第2のインダクタ導体19に相当するものであり、第3の出力端子65は図1の第4の入出力側放電電極6および引出電極14と接続している。
【0048】
第5の過電圧保護部66は、第3の入出力側放電電極5、第2の放電空間9および第1のグランド側放電電極10から構成されるものである。
【0049】
第6の過電圧保護部67は、第4の入出力側放電電極6、第2の放電空間9および第1のグランド側放電電極10から構成されるものである。
【0050】
第4の入力端子68は第7の入出力側放電電極32および第4のインダクタ導体22と接続している。また、第4のインダクタ部69は図1の第4のインダクタ導体22に相当するものであり、第4の出力端子70は図1の第8の入出力側放電電極33および引出電極27と接続している。
【0051】
第7の過電圧保護部71は、第7の入出力側放電電極32、第4の放電空間36および第2のグランド側放電電極37から構成されるものである。
【0052】
第8の過電圧保護部72は、第8の入出力側放電電極33、第4の放電空間36および第2のグランド側放電電極37から構成されるものである。
【0053】
素体73は略直方体の形状をしている。
【0054】
なお、第1の入力端子53、第1の出力端子55、第2の入力端子58、第2の出力端子60、第3の入力端子63、第3の出力端子65、第4の入力端子68および第4の出力端子70において、その名称に「入力」あるいは「出力」という単語をつけているが、これは便宜上つけただけで、例えば第1の入力端子53が実際には出力側の端子として使用されても構わない。
【0055】
以上の構成において、第1のインダクタ部54と第2のインダクタ部59とは磁気結合を行なうように配置され、コモンモードノイズフィルタの機能を有する。同様に、第3のインダクタ部64と第4のインダクタ部69も磁気結合を行なうように配置され、コモンモードノイズフィルタの機能を有する。
【0056】
また、第1の過電圧保護部56、第2の過電圧保護部57、第7の過電圧保護部71および第8の過電圧保護部72は、通常は絶縁体として機能し、過電圧が印加された際には電気を通しグランド端子51またはグランド端子52に過電圧による電流を流すので、電子部品等を過電圧から保護することができる。
【0057】
図4は、本発明における一実施の形態の複合電子部品の断面図である。図4においては、図1の構成要素を焼成した後に、一体的な構成要素になるものは、そのように表している。
【0058】
磁性層81、磁性層83、磁性層85および磁性層87はそれぞれ磁性体シート1、磁性体シート12、磁性体シート28および磁性体シート39を焼成したものである。
【0059】
ガラス層82はガラスシート2、ガラス層7およびガラスシート11が焼成されることにより一体となったものであり、同様にガラス層84はガラスシート15、ガラスシート20およびガラスシート23が、またガラス層86はガラスシート29、ガラス層34およびガラスシート38が焼成されることにより一体となったものである。
【0060】
ここで、第1のインダクタ導体18の断面積をS1、第1の入出力側放電電極3の断面積をS2、第1のグランド側放電電極10の断面積をS3とすると、
1<S2かつS1<S3
となるようにしている。
【0061】
電流は、他の条件が同じであれば断面積が広い方が流れ易いので、第1の入力端子53から過電圧に起因する電流が流れて来た際には第1のインダクタ導体18よりも、第1の入出力側放電電極3の方に流れ易く、過電圧に起因する電流を円滑にグランド端子51およびグランド端子52へ流すことが可能となる。
【0062】
なお、実際には比抵抗も関係しており、第1のインダクタ導体18の比抵抗をρ1、第1の入出力側放電電極3の比抵抗をρ2、第1のグランド側放電電極10の比抵抗をρ3とすると、
ρ1/S1>ρ2/S2かつρ1/S1>ρ3/S3
が成り立つようにしている。第1のインダクタ導体18、第1の入出力側放電電極3および第1のグランド側放電電極10の材質が異なる場合には、この比抵抗を断面積で除した値の関係で考えればよく、材質が同じであれば、比抵抗も同じなので断面積の関係で考えればよい。
【0063】
この比抵抗を、電流が流れる方向に対する直角方向の断面の断面積で除した値は、単位長さ当りの抵抗値、即ち電流の流れ難さを示すものである。従って、上記の関係が成立するようにすることで、過電圧に起因する電流を円滑にグランド端子51またはグランド端子52へ流すことが可能となる。
【0064】
第1のインダクタ導体18、第2の入出力側放電電極4および第1のグランド側放電電極10の関係も同様にしている。
【0065】
第3のインダクタ導体21、第5の入出力側放電電極30および第2のグランド側放電電極37の関係、第3のインダクタ導体21、第6の入出力側放電電極31および第2のグランド側放電電極37の関係、第2のインダクタ導体19、第3の入出力側放電電極5および第1のグランド側放電電極10の関係、第2のインダクタ導体19、第4の入出力側放電電極6および第1のグランド側放電電極10の関係、第4のインダクタ導体22、第7の入出力側放電電極32および第2のグランド側放電電極37の関係、並びに第4のインダクタ導体22、第8の入出力側放電電極33および第2のグランド側放電電極37の関係も同様にしている。
【0066】
なお本実施の形態において、インダクタ部は渦巻状のインダクタ導体からなるものとしたが、螺旋状のインダクタ導体からなるものであってもよい。
【0067】
また、2個のインダクタ部を磁気結合させてコモンモードノイズフィルタとしたが、ノーマルモードノイズフィルタであっても良く、またインダクタ部は単体であってもよい。
【0068】
また、2個のコモンモードノイズフィルタが存在する所謂アレイタイプとしたが、コモンモードノイズフィルタが1個だけのものや、3個以上のものに対しても適用できる。
【0069】
また、インダクタ部の入力側と出力側の両方に過電圧保護部を設けた所謂π型の構成にしているが、いずれか一方のみに過電圧保護部を設ける場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明にかかる複合電子部品は、電子部品や電子回路をノイズフィルタと過電圧保護機能を有するもので、産業上有用なものである。
【符号の説明】
【0071】
1 磁性体シート
2 ガラスシート
3 第1の入出力側放電電極
4 第2の入出力側放電電極
5 第3の入出力側放電電極
6 第4の入出力側放電電極
7 ガラス層
8 第1の放電空間
9 第2の放電空間
10 第1のグランド側放電電極
11 ガラスシート
12 磁性体シート
13 引出電極
14 引出電極
15 ガラスシート
16 ビア導体
17 ビア導体
18 第1のインダクタ導体
19 第2のインダクタ導体
20 ガラスシート
21 第3のインダクタ導体
22 第4のインダクタ導体
23 ガラスシート
24 ビア導体
25 ビア導体
26 引出電極
27 引出電極
28 磁性体シート
29 ガラスシート
30 第5の入出力側放電電極
31 第6の入出力側放電電極
32 第7の入出力側放電電極
33 第8の入出力側放電電極
34 ガラス層
35 第3の放電空間
36 第4の放電空間
37 第2のグランド側放電電極
38 ガラスシート
39 磁性体シート
51 グランド端子
52 グランド端子
53 第1の入力端子
54 第1のインダクタ部
55 第1の出力端子
56 第1の過電圧保護部
57 第2の過電圧保護部
58 第2の入力端子
59 第2のインダクタ部
60 第2の出力端子
61 第3の過電圧保護部
62 第4の過電圧保護部
63 第3の入力端子
64 第3のインダクタ部
65 第3の出力端子
66 第5の過電圧保護部
67 第6の過電圧保護部
68 第4の入力端子
69 第4のインダクタ部
70 第4の出力端子
71 第7の過電圧保護部
72 第8の過電圧保護部
73 素体
81 磁性層
82 ガラス層
83 磁性層
84 ガラス層
85 磁性層
86 ガラス層
87 磁性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、
出力端子と、
グランド端子と、
前記入力端子と前記出力端子との間に電気的に接続されたインダクタ部と、
前記入力端子または前記出力端子の一方とグランド端子との間に接続され、過電圧が印加された際には低インピーダンスになりそれ以外には絶縁体として機能する過電圧保護部を備え、
前記過電圧保護部は、前記入力端子または前記出力端子の一方と電気的に接続された入出力側放電電極と、前記グランド端子と電気的に接続され前記入出力側放電電極と間隔を空けて配置されたグランド側放電電極とを有し、
前記インダクタ部を構成するインダクタ導体の比抵抗をρ1、断面積をS1とし、
前記入出力側放電電極の比抵抗をρ2、断面積をS2とし、
前記グランド側放電電極の比抵抗をρ3、断面積をS3としたとき、
ρ1/S1>ρ2/S2
かつρ1/S1>ρ3/S3
の関係にある複合電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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