説明

複合非侵襲性及び侵襲性バイオパラメータ測定装置

【課題】複合侵襲性及び非侵襲性バイオパラメータ監視デバイスにおいて、侵襲性要素がバイオパラメータを測定し、読み取りを非侵襲性要素に伝送する。
【解決手段】非侵襲性要素は、患者による身体部分の挿入時にバイオパラメータの読み取りを発生する。デジタルプロセッサが、身体部分の時間に対する一連のカラーイメージを処理し、数学的な関数を用いて学習ベクトルに変換される時間に対する信号としてのデジタルイメージを表す。学習行列が生成される。学習ベクトルの係数が推測される。非侵襲性の測定からの新たなベクトルから、同じ大きさ及び構造の新たな行列が生成される。学習ベクトルの係数を用いて、認識行列が試験されて、バイオパラメータを非侵襲的に測定する。学習行列は拡大されることができ、正則が維持される。デバイスが患者個人に対して構成された後、ユニバーサル較正が、インターネット上にデータを送信することから発生され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非侵襲性バイオパラメータ監視のための装置及び方法に関するものであり、より具体的には複合非侵襲性及び侵襲性のバイオパラメータ測定装置及び方法に関するものである。
【0002】
Johnson & Johnsonの子会社であるLifescanの前主任技師であったジョン・スミスにより2006年に書かれた、非特許文献1である表題「The Pursuit of Noninvasive Glucose: Hunting the Deceitful Turkey」(「The Pursuit of Noninvasive Glucose」又は「PNG」)である機能不全の非侵襲性グルコースの監視技術の要約は、なぜ25年にもわたって良好な非侵襲性グルコース監視装置が無かったのかを詳述している。この背景についての議論は、主に非特許文献1に基づいている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】ジョン・スミス著 「The Pursuit of Noninvasive Glucose: Hunting the Deceitful Turkey」 2006年
【0004】
糖尿病は、目の損傷、肝臓の損傷、四肢の感覚の損失、怪我の治癒の遅れ、つま先、足又は脚の切断、及び心疾患を引き起こし得る重大な疾患である。非特許文献1の7ページを参照する。患者が適切な食事、運動、薬の服用、及び血中グルコースの頻繁な測定を厳密に着実に行えば、健康を維持することができ、相対的に普通の生活を過ごすことができる。それゆえ、血中グルコースを測定することは重要である。血中グルコースレベルを正確に測定するために、(尿とは対照的に)その人の血液中のグルコースの量を測定する必要があり、これは、家又は診療所及び研究所で毎日何百万回、非侵襲的に血中グルコースレベルの監視専用の装置により行われる。非特許文献1を参照。このような装置は、不快であり、且つ個人に雑菌混入の危険性をもたらす痛みを伴う侵入を要求する。血液を引き抜くための尖った物の挿入は、特に、何年にもわたって毎日繰り返し行わなければならないため不愉快なものであり、苦痛でもある。
【0005】
加えて、糖尿病を患う人々がグルコースの健康レベルを維持するために、家で患者が行うことができる単純で、正確な試験の必要性が常にある。非特許文献1を参照。単純で、非侵襲性の、安価な、信頼できる試験が利用可能となっていれば、患者は家で自分のグルコースを非侵襲的に、頻繁に測定できる。非特許文献1を参照。
【0006】
非特許文献1によれば、発展した世界の生活水準の増加により高グルコースの傾向のある食事が促進されるため、毎年、何十万もの人々が新しく糖尿病と診断される。莫大な市場の大きさ(2007年現在世界中で70億ドル)及び需要は、非侵襲性血中グルコース監視システムの問題が解決されてきたという、創業間もない企業による絶えず続く声明へと通じた。実際、患者が痛みや外傷を伴うことなく自分のグルコースを非侵襲的に測定することを可能にするための、良好な装置はまだ開発されていなかった。非特許文献1によれば、付着された酸素を有していない量が付着された酸素を有するヘモグロビンの量の比率により、酸素飽和度が測定される。酸素ヘモグロビンは青みがかっている一方、デオキシヘモグロビンは明白に異なる色、即ち明るい赤色である。著しくは、ヘモグロビンは濃い青色又は赤色である、体内にある唯一の化合物であり、ほぼ独占的に、明確に定義された経路における血管内を移動する赤血球の中に存在する。それゆえ、体内の酸素飽和度を非侵襲的に測定するための分光技術を使用することは、相対的に容易である。
【0007】
ヘモグロビンとは対照的に、グルコースは目立たない特徴を有する。すなわち、無色であり、身体部分から別の部分までの濃度において異なり、ヘモグロビンよりも小さな濃度で存在する。非特許文献1の26〜28ページを参照。さらに、複数のヒドロキシル基を有する炭化水素としてのグルコースの化学構造はまた、体内の他の多くの化合物と非常に類似し、実際グルコースは、体内のタンパク質のほとんどに付着される。グルコースを検知するための分光技術は、グルコースに付着され、グルコース分子単独の信号からのグルコースと相互に関係のあるタンパク質分子の信号を区別するという難儀を有していた。例えば、近赤外領域は、複数のヒドロキシル基を有する炭化水素に由来する、多くの弱い、重複する、種々の分光シグナルを有する。
【0008】
さらに、グルコース分子に当たる光から反射した分光シグナルは弱い。従って、データセットと真のグルコース測定との相互関係を見つけようと試みると、データセット内の変動を、観察された変動性の量を減らすために占める一連の曲線形の要素に分ける、数学アルゴリズムを良好に使用することはかなり難しい。
【0009】
加えて、分光技術は頻繁に、最初に真のグルコース濃度を伴う分光効果の変動の間の有望な相互関係を示すが、後に室温と部屋の湿度における変動を確認すると、これら局所的な環境変動が相互関係を占めることが分かる。非特許文献1の66ページを参照。結果として、信頼できる正確な技術が発展することはなかった。
【0010】
さらなる問題は、いかに良くパラメータが良い量のグルコース濃度であるかを測定するために、その手順は、「ほぼ毎回測定される生理的パラメータ(すなわち、中核体温、表面温度、末梢かん流、皮膚の水和反応、電解質平衡、胃運動性、末梢浮腫、酵素レベル、電気皮膚反応、呼吸、尿産生、唾液の分泌)が経口的ブドウ糖負荷試験における曲線と強い相互関係を示すため」、有効ではない50〜100グラムのグルコースを患者に飲ませることである。非特許文献1の60ページを参照
【0011】
「非侵襲性グルコース測定は、非常に多様な技術の範囲により試みられてきた。」非特許文献1の28ページ。最後の25〜30年の間、その測定は成功しなかった。特質とグルコースの間の相互関係は、分光分析を使用して見出されたと主張されてきたが、このような技術を使用する非侵襲性の生産物は、正確且つ確実にグルコースを測定することに関して成功せず、又は有効ではなかったというデータを有している。非特許文献1を参照。これは、主張された相互関係が、環境のパラメータ又は他のパラメータの光において検証されなかったために本当に開始しなかったためである。基準点としての侵襲性測定に基づく、体内の実際のグルコースレベルを予測するための非侵襲性測定からのデータを測定する方法は、信頼できる正確な点に対して成功しなかった。
【0012】
また、本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の磁気センサーは、高透磁率の強磁性材料を有するコアと、コアに巻かれた伝導体からなる。
【0013】
グルコースに加え、特に消費者又は患者が家で使用できる携帯用装置より、正確に且つ確実に監視できるのに役立つ多くの他のバイオパラメータがある。このようなバイオパラメータは、例えば、酸素及び二酸化炭素濃度、尿素窒素、最高及び最低血圧、湿度、乾燥度、塩味、pH、組織飽和(例えば外部の皮膚組織、内部筋肉)、組織の活力(例えば内部の腫瘍組織又は外部の皮膚の黒色腫は、異なる皮膚の活力を表す)、赤血球数(細胞1立方ミリメートルごとの数又は濃度)、1回拍出量の変化(毎回の拍動において心臓から注入する血液の量)及び皮膚血管の変形、コレステロール、カリウム、最高及び最低血圧、1回拍出量、塩化物、ナトリウム、窒素、ヘモグロビン、ビリルビン、コレステロールLDL、HDL及び総コレステロール、CO2のパーセンテージ、O2のパーセンテージ、赤血球、白血球、鉄、ヘマトクリット、血小板などを含む。
【0014】
それゆえ、非侵襲性バイオパラメータ測定装置のための正確で信頼できる装置及び方法に関して、切実な必要性があり、特にここで、グルコースはバイオパラメータであるが、このような場合に限定されない。患者が家で使用できるのに十分携帯可能であり、容易に使用できる装置及び方法に関する更なる必要性がある。
【発明の概要】
【0015】
本発明の1つの態様は、バイオパラメータを監視する方法へと向けられる。バイオパラメータを監視する方法は、(a)バイオパラメータ監視装置の侵襲性要素を使用して、患者のバイオパラメータを侵襲的に測定し、列ベクトル、Yに入力される侵襲性バイオパラメータの読み取りを、該バイオパラメータ監視装置の非侵襲性要素に伝送する工程;(b)工程「(a)」に近接した時間内で、患者の身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させ、各カラーイメージのピクセルで各3色の度合いを感知するための装置の非侵襲性要素において、1以上のカラーイメージセンサーを使用することによって、およびその度合いを一連の電子信号に変換することによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定し、時間に対する該カラーイメージにおける該各3色の分布を反映し、時間に対する信号を発生する工程;(c)(i)該信号をスカラー学習数に変換する数学関数を使用する、および(ii)列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成するために、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(c)(i)」を繰り返す、非侵襲性要素のデジタルプロセッサの工程;(d)複数の学習ベクトルから、デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、工程「(a)」から工程「(c)」を繰り返すことによって、n行n列の学習行列、すなわち、Dを形成する工程;(e)学習行列、Dの逆行列D-1に列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得る工程;(f)(i)身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させるための、及び各カラーイメージのピクセルで各3色の度合いを感知するための該装置の該非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを使用することによって、および時間に対する該カラーイメージにおける該各3色の分布を反映し、時間に対する信号を発生するための、その度合いを一連の電子信号に変換することによって、およびデジタルプロセッサが、該信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、および(ii)必ずしも同じ数学関数を使用することなく、Vnewを形成するために工程「(f)(i)」をn回行うことによって、新しいベクトル、Vnewを得る工程;(g)n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造が学習行列、Dの非零要素の構造と同一である、Vnewの入力を使用する工程;及び(h)非侵襲性バイオパラメータ測定、Rの列ベクトルを作り出すために、Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用し、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見するために、Rの入力とYの入力を比較する工程を含む。
【0016】
本発明の更なる態様は、患者が使用できる携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置に向けられる。該装置は、前記非侵襲性要素への患者による身体部分の挿入で、患者の組織の非侵襲性バイオパラメータの読み取りを発生させることができる、非侵襲性要素を含み、該非侵襲性要素は、該組織の一連のカラーイメージを発生させ、各カラーイメージのピクセルで各3色の度合いを感知するための、少なくとも1つのカラーイメージセンサーを含み、時間に対する該各3色の分布を反映し、時間に対する該一連のカラーイメージを信号へと処理するための第1デジタルプロセッサを含み;該装置はさらに、患者の血液から侵襲性バイオパラメータの読み取りを得るための侵襲性要素を含み、該侵襲性要素はまた、該侵襲性バイオパラメータの読み取りを該非侵襲性要素の該第1デジタルプロセッサに自動的に伝送するための、第2デジタルプロセッサを含み、該侵襲性バイオパラメータの読み取りは、列ベクトル、Yにおける入力を形成し、非侵襲性要素は、(a)(i)該信号をスカラー学習数に変換させる数学関数を使用し、(ii)列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成するために、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(a)(i)」を繰り返し;(b)該第1デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルでバイオパラメータの非侵襲性バイオパラメータの読み取りに基づいて、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、非侵襲性読み取りおよび侵襲性読み取りへの工程「(a)」を繰り返すことによる、n行n列の学習行列、すなわち、Dを形成し;(c)行列、Dの逆行列D-1に該列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得;(d)ユーザーが、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させるための該デバイスの該非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを使用して、および該デジタルプロセッサが、該信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせ、Vnewを形成するためにそれをn回行うことによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定するとき、新しいベクトル、Vnewを発生させ;(e)Vnewの該入力を使用して、n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造は学習行列、Dと同一であり、及び(f)Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用して、非侵襲性バイオパラメータ測定、Rのベクトルを作り出し、Rの入力とYの入力を比較することで、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見する、ようにプログラムされる。
【0017】
本発明のまた更なる態様は、患者にオーダーメードされた携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置を製造する方法に関する。その方法は、(a)(i)前記非侵襲性要素への患者による身体部分の挿入で、患者のバイオパラメータの非侵襲性バイオパラメータの読み取りを発生させることができる、非侵襲性要素を有し、該非侵襲性要素は、身体部分のデジタルカラーイメージを処理し、該デジタルイメージを、時間に対する離散的信号として表すための第1デジタルプロセッサを含み、及び(ii)患者の血液からバイオパラメータを測定し、患者のために侵襲性バイオパラメータの読み取りを得るための侵襲性要素を有し、該侵襲性要素はまた、該侵襲性バイオパラメータの読み取りを該非侵襲性要素の該第1デジタルプロセッサに伝送するための第2デジタルプロセッサを含み、及び(iii)該非侵襲性要素に動作可能に係合された該侵襲性要素を維持し、該侵襲性要素から該非侵襲性要素への侵襲性バイオパラメータの読み取りの伝送を可能にするための結合要素を有し、該第1デジタルプロセッサは、患者のための該非侵襲性バイオパラメータの読み取りが、近似値の既定義の標準のもと、所与のバイオパラメータに対する患者のための該侵襲性バイオパラメータの読み取りに近似するように、該非侵襲性要素を較正するためのものである、医療装置を患者に直接的にまたは間接的に提供する工程;及び(b)(i)該侵襲性要素を使用して患者のバイオパラメータを侵襲的に測定すること、(ii)該侵襲性バイオパラメータの読み取りを該非侵襲性要素に伝送すること、及び(iii)数学関数を使用して侵襲性測定に近接した時間内に患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定し、該第1デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、サブ工程(i)、(ii)、および(iii)を十分な時間実行することによって、患者のために該非侵襲性要素を較正する工程、を含む。
【0018】
本発明のまた更なる態様は、バイオパラメータを監視する方法に向けられる。その方法は、(a)バイオパラメータ監視デバイスの侵襲性要素を使用して、患者のバイオパラメータを侵襲的に測定し、列ベクトル、Yに入力される前記侵襲性バイオパラメータの読み取りを、該バイオパラメータ監視デバイスの非侵襲性要素に伝送する工程;(b)工程「(a)」に近接した時間内で、患者の身体部分の組織の1以上の変数の度合いを表す一連のデータを発生させる該デバイスの該非侵襲性要素において1以上の変数センサーを使用することによって、および時間に対する各1以上の変数の分布を反映し、時間に対する信号を発生するために、その度合いを一連の電子信号に変換することによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定する工程;(c)(i)該信号をスカラー学習数に変換する数学関数を使用する、及び(ii)列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成するために、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(c)(i)」を繰り返す、該非侵襲性要素のデジタルプロセッサの工程;(d)複数の学習ベクトルから、デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、工程「(a)」から「(c)」を繰り返すことによって、n行n列の学習行列、すなわち、Dを形成する、デジタルプロセッサの工程;(e)学習行列、Dの逆行列D-1に該列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得る、デジタルプロセッサの工程;(f)(i)患者の身体部分の組織の1以上の変数の度合いを表す一連のデータを発生させる該デバイスの該非侵襲性要素の1以上の変数センサーを使用することによって、および時間に対する各変数の分布を反映し、時間に対する信号を発生するための、その度合いを一連の電子信号に変換することによって、およびデジタルプロセッサが、該信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定することにより、及び(ii)必ずしも同じ数学関数を使用することなく、Vnewを形成するために工程「(f)(i)」をn回繰り返すことによって、新しいベクトル、Vnewを得る、デジタルプロセッサの工程;(g)n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造が学習行列、Dの非零要素の構造と同一である、Vnewの入力を使用する工程;及び(h)非侵襲性バイオパラメータ測定、Rの列ベクトルを作り出すために、Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用し、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見するために、Rの入力とYの入力を比較する工程を含む。
【0019】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、利点は、以下の図面、記述及び請求項を参照するのに、より良い理解となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
様々な実施形態が本明細書において記載されており、ほんの一例として、添付の図面を参照する。
【0021】
【図1】本発明の1つの実施形態に従った、複合侵襲性及び非侵襲性バイオパラメータ監視装置の左側の正面及び側部を示す斜視図である。
【図2】本発明の1つの実施形態に従った、図1の装置の右側の正面及び側部を示す斜視図である。
【図3】本発明の1つの実施形態に従った、図1の装置の非侵襲性要素の正面左側の斜視図である。
【図4】本発明の1つの実施形態に従った、図1の装置の侵襲性要素の斜視図である。
【図5】本発明の1つの実施形態に従った、図1の装置の前面図である。
【図6A】本発明の1つの実施形態に従った、方法を示すフローチャート図である。
【図6B】本発明の1つの実施形態に従った、方法を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の1つの実施形態に従った、更なる方法を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の1つの実施形態に従った、図1の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明は、本発明を実行するのに現在最良に熟慮される形態である。この説明は、制限的な要旨に含まれるべきものではないが、本発明の範囲が添付の請求項により最も良く定義されるため、単に本発明の一般的な原理を説明する目的のために行われる。
【0023】
本発明は一般的に、例えば、信頼できる正確な非侵襲性グルコース監視装置として使用される、複合非侵襲性及び侵襲性バイオパラメータ監視装置及び方法を提供する。この装置は、非侵襲性要素及び侵襲性要素を繋げる結合装置と同様に、これら2つの要素を含む。 非侵襲性要素は、少なくとも1つの非侵襲性要素及び侵襲性要素に独立型装置として操作させることを許容するため、侵襲性要素又は結合要素から分離される。1つの例において、ユーザーは、指を刺して血液を得て、その後侵襲性要素を使用して、血液中のグルコース又は他のバイオパラメータを測定する。その後定義された近接した時間内に、ユーザーは、カラーイメージセンサーが一連のカラーイメージにおける赤、緑及び青のピクセルの度合いの分布に基づき、時間に対する信号を発生する、非侵襲性要素に指を挿入する。非侵襲性要素のデジタルプロセッサは、信号をスカラー数に変換する数学関数を使用する。これは、特定の大きさを有し、その非零要素が特定の構造を有する学習行列への入力として、追加のスカラー数を作るために繰り返される。更なる非侵襲性読み取りは、学習行列が新たなベクトルから作られるように、同じ度合いであり同じ構造である新たなベクトル及び新たな規則的な行列を作るために使用される。その後、学習ベクトルの係数を使用して、認識行列は、バイオパラメータを測定するために非侵襲的に試験される。学習行列は拡張され、患者のバイオパラメータに関する正確で信頼できる較正値を作るための正則行列として保たれる。各々の医療装置はそれゆえ、装置を購入及び使用するユーザーに合わせられている。バイオパラメータがグルコースである場合、各々のユーザーは侵襲性読み取りとしてA1C読み取りを使用し、更に較正を照合し、必要であれば装置を再調整する。集団からデータを得て入力することにより、ユニバーサル較正又はクラスター較正が達成される。
【0024】
バイオパラメータを間接的に測定する非侵襲性の方法である先行技術とは対照的に、本発明の方法及び装置は、非侵襲性バイオパラメータ読み取りを表示するベクトルを得て、n行n列の大きさのnの正則行列Dnewを形成するため、その非零要素の構造が学習行列Dの非零要素と同一である、その入力を使用することにより、及び患者のため検査されたバイオパラメータ値を表す候補バイオパラメータ値を作るため以前に得られた学習ベクトルCの係数を使用するデジタルプロセッサを使用することにより、n行n列の正則学習行列を利用する。先行技術と更に対照的に、本発明の方法の学習行列は、正則行列として拡張された学習行列Dexpを維持し、その後侵襲性読み取りとの比較によりその正確度を試験するため、新たな非侵襲性バイオメーター測定を学習行列Dに組み込むことにより拡張される。 患者又は験体のバイオパラメータを間接的に測定又は監視するための先行技術の非侵襲性方法及び装置とは対照的に、非侵襲性測定/監視に関する本発明の方法及び装置は、直接的な測定とは異なるグルコース及び他のバイオパラメータに関して正確で信頼できる。非侵襲性又は侵襲性である先行技術の測定装置とは更に対照的に、先行技術の方法及び装置は、非侵襲性と侵襲性要素を組み合わせる。先行技術の非侵襲性バイオパラメータ装置とは対照的に、本発明の装置は、個人に合わせられるため、各々の患者によって調整される。先行技術とまた更に対照的に、本発明の方法及び装置は、青、赤及び緑(又は黄色、シアン、マゼンダなどの他のカラーベース)に関する別々の行列に基づき、色の分布における変化から徐々に発生された信号の数それぞれを変換し、及びバイオパラメータに関する信頼できる値に到達するため、学習ベクトルの係数及び更にバイオパラメータの非侵襲性測定を使用するために数学関数を使用することにより、患者に関するバイオパラメータの閾値非侵襲性値を近似の侵襲性値まで調整する。先行技術とまた更に対照的に、患者のバイオパラメータ値からのデータは、クラスター較正及びユニバーサル較正を形成するために収集される。
【0025】
本発明に従った複合非侵襲性及び侵襲性バイオパラメータ監視医療装置のための装置及び方法の原理並びに操作は、図面及び添付の説明を参照してより良い理解となる。
【0026】
本発明の方法又はシステムにより測定される「バイオパラメータ」は、任意のバイオパラメータ、例えば、グルコース、酸素及び二酸化炭素濃度、尿素窒素、最高及び最低血圧、湿度、乾燥度、塩味、pH、組織飽和(例えば、外部の皮膚組織、内部筋肉)、組織の活力(例えば、内部の腫瘍組織又は外部の皮膚の黒色腫は異なる皮膚の活力を表す)、赤血球数(細胞1立方ミリメートル当たりの数又は濃度)、1回拍出量の変化(毎回の拍動における心臓から注入する血液の量)及び皮膚血管の変形、コレステロール、カリウム、最高及び最低血圧、1回拍出量、塩化物、ナトリウム、窒素、ヘモグロビン、ビリルビン、コレステロールLDL、HDL及び総コレステロール、CO2のパーセンテージ、O2のパーセンテージ、赤血球、白血球、鉄、ヘマトクリット、血小板等を含む。
【0027】
図1は、非侵襲性要素(20)、侵襲性要素(30)及び結合要素(40)を含む、患者によって使用可能な携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置(10)を示す。非侵襲性要素(20)は、患者が指又は身体部分を挿入する、定義された領域(21)又はくぼみを含む。用語「患者」は、「験体」と同義語であると理解されるべきであり、病気を患う人に限定するよう意図されていない。図8の概略図で示されるように、非侵襲性要素(20)はまた、その例が様々な波長(連続又は離散のどちらか)でのLED又は半導体レーザー或いは他の光源である光伝送要素(23)を含み、及び光を、検討中の組織の色の分布を表す電気信号に変換する光ダイオードのような光検知器を含む。図8を更に参照すると、光伝送要素(23)は、験体の指(18)又は他の身体部分を通じて光(23A)を送り、身体部分から出る光からデジタルカラーイメージを発生する。例えば、赤色の光、緑色の光、及び青色の光を感知するための単一のカラーイメージセンサー(24)が使用され、異なる光のために(例えばフィルターを使用して)調整され、又は複数のカラーイメージセンサーが3色(赤、青、緑)の各々の1つに使用される。
【0028】
本発明はまた、センサーがカラーイメージセンサー以上のものを広く含み、イメージセンサー以上のものまでも広く含むことを熟慮する。一般的に、センサー(24)(時に「変数」と称す)は、色以外の変数を感知するために使用される。例えば、センサー(24)または変数センサー(24)は、光学センサー、メカニカルセンサー、電気センサー、化学センサー、又は他のセンサーであり、色に加えて、験体の組織の特定の部分の温度、験体の組織の特定の部分の電気伝導性、匂い、湿度、磁場又は験体の身体部分に関連する他の変数などの他の変数を感知するために使用され、その験体のバイオパラメータと相互に関連する。従って、「カラーイメージ」センサーを使用する以下の議論は、他の変数センサーを利用することも熟慮するために理解されるべきである。その点、センサーから得られる用語「カラーイメージ」は、「イメージ」に置き換えられ、ここで「イメージ」は、視覚的に又は別の方法で任意に感知された変数を意味するため広く取り入れられる。更に、用語「ピクセル」は、イメージの「部分」に置き換えられる。変数センサーにより感知された変数は、1つの実施形態において、温度、伝導及び匂いからなるグループから選択される。
【0029】
非侵襲性要素(20)は、患者による指又は身体の一部の非侵襲性要素への挿入の際に患者のバイオパラメータの非侵襲性のバイオパラメータの読み取りを発生することができる。例えば、非侵襲性要素(20)は指又は身体の一部を介して光を伝送する光伝送要素を含むことができ、指又は他の身体の一部を抜け出る光からデジタルカラーイメージを発生することができる。
【0030】
非侵襲性要素(20)は、光に晒された指又は他の身体の一部のイメージを処理するため、及び時間に対して離散した信号としてデジタルイメージを表すためにこれを達成することができる。例えば、デバイス(10)の非侵襲要素(20)におけるカラーイメージセンサー(24)は患者の指の一部の一連のカラーイメージを発生し、各カラーイメージの各ピクセルにおける3色のおのおのの度合いを感知し、当該度合いを一連の電子信号に変換して、時間に対するカラーイメージにおける3色のおのおのの分布を反映している時間に対する信号を生成する。それゆえ、離散したデジタル信号は、指のデジタルイメージのピクセルにおける赤色光の度合いを表す赤行列、当該ピクセルにおける緑色光の度合いを表す緑行列、及び当該ピクセルにおける青色光の度合いを表す青行列を取り込むことができる。
【0031】
図1及び図2から分かるように、複合医療デバイス(10)は、また侵襲性要素(30)を含み得る。図4はスタンドアロンの侵襲性要素の一実施形態を図示している。侵襲性要素(30)は、患者の血液(又は他のケースでは患者の他の流体若しくは組織)から、例えばグルコースといったバイオパラメータを侵襲的に測定するため、および患者のためにバイオパラメータの読み取り得るために使用することができる。例えば、患者は自らを突き刺し、血液を得て、当該技術において知られているように、侵襲性要素(30)内への挿入用のテストストリップ(39)(図5参照)上に当該血液を塗布する。侵襲性要素(30)は、また第2デジタルプロセッサ(36)を含んでもよく、当該第2デジタルプロセッサ(36)はバイオパラメータの侵襲性の読み取りを格納することができ、当該侵襲性のバイオパラメータの読み取り非侵襲性要素に、例えば非侵襲性要素(20)の第1デジタルプロセッサ(26)に伝送することができる。
【0032】
デバイス(10)は、また、非侵襲性要素(20)に動作可能に係合された侵襲性要素(30)を維持するため、及び侵襲性のバイオパラメータの読み取りの侵襲性要素(30)から非侵襲性要素(20)への伝送を可能にするために、結合要素(40)を含み得る。図8に示されるように、結合要素(40)は侵襲性要素(30)と非侵襲性要素(20)との間に配され、かつ非侵襲性要素(20)を侵襲性要素(30)と接続するコネクタを含み得る。当該コネクタは非侵襲性要素(20)と侵襲性要素(30)との間のUSBポートを接続するワイヤ、又はUARTチップを用いてシリアルポートを接続するワイヤ、若しくはパラレルポートを用いるワイヤを含み得る。代替的に、当該コネクタは、無線通信に有用な無線受信器又は送信機であってもよい。それゆえ、結合要素(40)は非侵襲性要素(20)と侵襲性要素(30)とを互いに電気的並びに機械的に結合する。図8に拘らず、結合要素(40)は、非侵襲性要素(20)内若しくはポートとしての侵襲性要素(30)内に一体化され得る。
【0033】
いくつかのケースにおいて、デバイス(10)は結合モード内で動作することができ、そこで結合要素(40)は非侵襲性要素(20)に動作可能に係合された侵襲性要素(30)を維持することができ、それによって侵襲性のバイオパラメータの読み取りの侵襲性要素(30)から非侵襲性要素(20)への伝送を可能にしている。結合要素(40)が分離モード(de−coupling mode)にあるとき、非侵襲性要素(20)と侵襲性要素(30)は互いに分離され得る。
【0034】
ある状況において、バイオパラメータのための非侵襲性測定若しくは較正値は非侵襲性要素(20)から侵襲性要素(30)に伝送され得る。ひとたび非侵襲性要素(20)が較正され、バイオパラメータを維持するために信頼できるようにされると、非侵襲性要素による非侵襲性測定の信頼性は、また侵襲的に取られた測定値を較正するために使用され得る。侵襲性要素(30)は、この状況でのバイオパラメータの侵襲的な測定値を較正するために、バイオパラメータの較正された非侵襲性を使用することができる。
【0035】
第1デジタルプロセッサ(26)と第2デジタルプロセッサ(36)は当該プロセッサのタスクを達成するために適切なソフトウエアと関連付けて使用され得ることは理解されるべきである。当該ソフトウエアはコンピュータ読み取り可能な媒体上に埋め込まれ得る。
【0036】
図6A及び図6Bに示されるように、本発明はバイオパラメータを監視する方法(100)として記載することができ、非侵襲性要素及び侵襲性要素は、方法(100)の工程を実行若しくは実行を支援するためにプログラムされ得る。方法(100)は、(デバイス(10)に関して記載された侵襲性要素(30)などの)バイオパラメータ監視装置の侵襲性要素を用いて患者のバイオパラメータを侵襲的に測定し、侵襲性のバイオパラメータの読み取りの結果を(デバイス(10)の非侵襲性要素(20)などの)バイオパラメータ監視装置に伝送する第1工程(110)を含み得る。侵襲性のバイオパラメータの読み取りは、列ベクトルYの展開中の入力としてエンターされ得るのであり、これは、読み取りが侵襲性要素(30)から非侵襲性要素(20)に伝送される得るときに非侵襲性要素(20)によって実行され得るか、或いはいくつかの状況において侵襲性要素(30)により実行され得る。例えば、バイオパラメータがグルコースである場合、患者は自らに突き刺し、侵襲性要素のテストストリップ上に血液を置き、ついでテストストストリップを複合デバイス(10)の侵襲性要素に挿入する。デバイス(10)は侵襲性のバイオパラメータの結果を当該デバイスの非侵襲性部に送信する。
【0037】
方法(100)は、工程(110)に近接した時間内で、患者の身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生し、そして各カラーイメージのピクセルで3色のおのおのの度合いを感知するために、デバイスの非侵襲性要素内の1又は2以上のカラーイメージセンサーを使用することによって、及び当該度合いを一連の電気的信号に変換するによって、患者のバイオパラメーを非侵襲的に測定する工程を含み、これによって時間に対するカラーイメージ中の3色のおのおのの分布を反映している時間に対する信号を発生する。当該近接した時間は、バイオパラメータ及び当該バイオパラメータについて知られた科学的情報に依存して、数秒又は15秒又は30秒又は1分若しくはもっと長い時間であり得、当該デバイスに依存して、バイオパラメータが患者の前記部分で著しく変化しない充分短い時間内でなければならない。
【0038】
例えば、血液サンプルを採取すると同時に又は近い時間内に、患者は自分の指(18)(図8)を非侵襲性チャンバー(20)の指定された領域(21)に挿入することができ、これによって光は指の組織を介して送り出されることができ、光センサーに突き当てるために指を出し得る。これは例えば10秒であり得る時間間隔中にわたって起こる。この指は、侵襲性測定がなされる指と同一であってもよく、或いはいくつかの状況において異なる指若しくは身体部分であってもよい。
【0039】
純粋に一例として、1秒あたり60イメージが10秒間に亘って取られうる。600もの連続イメージの組が各イメージの各ピクセルにおける3色のおのおのについてのデータを生成し、当該イメージはS(x1,x2,x3,t)に等しい関数Sとして表され得る。また関数Sは、x4などの他の変数を含むことができ、例えば該x4は患者の身体部分の特定の測定位置における匂いの量、温度、導電率及び/又は湿度であり得る。いくつかの変形例において、関数Sは当該変数のうちの一つとしての色を含まなくてもよく、イメージセンサー以外のセンサーによって測定された温度、湿度、導電率、匂いなどのみを含んでもよい。第1デジタルプロセッサー(26)は非侵襲性要素(20)を較正することができ、これによって患者の非侵襲性バイオパラメータの読み取りは、産業上使用される所定の基準などの近似の所定の基準の下で、所与のバイオパラメータに対する侵襲性バイオパラメータの読み取りを近似する。
【0040】
いくつかの変形例において、工程(110)に先立ち、患者は結合要素を用いて非侵襲性要素を侵襲性要素と接続することができ、当該結合要素は侵襲性要素及び非侵襲性要素を結合し得る。時間近似は産業上の科学的な基準によって規定され得るのであり、例えば、10秒、15秒、30秒、45秒、60秒、2分、3分などであり得る。
【0041】
方法(100)のさらなる工程(130)において、非侵襲性要素のデジタルプロセッサは、(i)信号をスカラー学習数に変換するために数学的な関数を使用することができ、(ii)同一の数学的な関数を必ずしも使用することなく工程(130)の部分「(i)」を繰り返し、学習ベクトルを形成する。当該学習ベクトルは列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取り入力に相当する。信号を信号のスカラー数表現に変換するための数学的な関数はそのようなさまざまの関数のうちの任意のものであり得るのであり、これは方法(100)のすべての工程に適用する。一つの単純な例は、組み合わされた色のすべてのための時間に対する入力のすべての平均の度合いを取る数学的な関数である。他の例は組み合わされた色のすべてのための時間に対する入力のすべての平均の偏差をとる関数である。そのような関数の他の例は、偏微分解法、ウェーブレット変換、統計計算、フーリエ変換、スペクトル分析、ニューラルネットワーク計算、及び線形並びに非線形方程式を通じて導かれる。学習ベクトルの大きさは、選択される複数の学習ベクトルから形成された学習行列Dにおいて有する非零要素の構造に依存する。
【0042】
それゆえ、方法(100)はさらなる工程(140)を有することができ、当該工程(140)は、デジタルプロセッサが非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りとの間の充分な相関を持つことができる、閾値容認性の所定のレベルでの非侵襲性バイオパラメータの読み取りを用いて工程(110)から工程(130)を充分な回数を繰り返すことによって、複数の学習ベクトルから、正則行列であるn行n列の学習行列Dを形成するデジタルプロセッサを含むことができる。閾値容認性の所定のレベルは、例えば、試験された侵襲性測定又は他の任意の適切な工業的に受け入れられる数学的若しくは他の基準から5%、10%、20%などの偏差であり得る。繰り返しは、非侵襲性要素のデジタルプロセッサが非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りとの間の充分な相関性を構築し、非侵襲性バイオパラメータの読み取りに基づくさらなる侵襲性バイオパラメータの読み取りを閾値レベルで予測できるようにするまで継続する。非侵襲性測定の工程(120)を実行することの繰り返しは、同一の患者の同一の身体部分を含む。例えば、患者は同一の指を同一の非侵襲性要素に挿入し得る。さらに他の状況において、以下に完全に説明されるように他の患者の身体部分は非侵襲性の測定に使用することができ、非侵襲性の測定は普遍的な較正を受ける。
【0043】
患者のバイオパラメータの非侵襲性の測定は、おのおのの場合に、例えば、6月15日に非侵襲性要素(20)の規定された領域(21)の患者による挿入の間15秒に亘ってなされ得る。例えば、光センサーによる第2期間にわたって取られる500又は600のイメージがある。正則行列Dの第2行は例えば6月16日の10秒間に亘るバイオパラメータの非侵襲性の読み取りを表しうる。正則行列Dの第3行は例えば6月17日の10秒間に亘るバイオパラメータの非侵襲性の読み取りを表しうる。
【0044】
それゆえ、学習行列Dは非零要素の特異的な構造を有しうる。一例は侵襲性バイオパラメータに近似して発生した各連続学習ベクトルを取り、それを学習ベクトルDの新たな行にすることである。侵襲性の読み取りが列ベクトルYを徐々に形成する一方で、学習ベクトルは徐々に正則行列Dを形成する。学習行列Dの非零入力の構造は、三角形をなし、その結果、連続する各行における入力の度合いは整数だけ増加する。例えば、そのような整数は「1」であり得る。
【0045】
例えば、第1学習ベクトルは学習行列の第1行を形成する一つの入力でよい。すなわち、第1日または第1の場合に、一つだけの数学的な関数が適用され、時間に対して非侵襲的に得られた信号から一つのスカラー数を生成する。ついで、第2日に非侵襲性の測定が取られ(再び、侵襲性の読み取りに対する近似)、および新しい信号が生成されると、二つの数学的な関数が当該信号から二つの異なるスカラーを生成するために用いられ得るのであり、これら二つのスカラー数が二つの学習ベクトルを生成することができ、その入力が学習行列の第2行に取り込まれる。非侵襲性の読み取りが取られたときに近接する第3日又は第3の場合に、第3学習ベクトルが生成され得るのであり、当該第3学習ベクトルは異なる数学的な関数の3つの適用3つの入力を有している。これは、新たなベクトルに変換された新しい光電信号からバイオパラメータを見つけ出す現実の可能性を有する大きさのn行n列の正則行列を有するまで行う。上記例において、行列の非零入力の構造は三角形である。例えば、10日間の非侵襲性の測定の10の場合の後、デバイスは10の侵襲性の読み取りと、指の組織のカラー行列の関数を表す10の信号を有している。
【0046】
10番目のサンプルの後、デバイスの表示装置は、もう侵襲性の測定は必要とされない。なぜならカラー行列と侵襲性のバイオパラメータの読み取りとの間の相関性から侵襲性の結果が11番目の((n+1)番目)読み取りでどうなるかの正確性についてのいくつかの閾値レベルを予測する現実の可能性もつために充分であるからである。図5に示されるように、医療装置(10)の表示スクリーン(29)は、方法(100)の工程(140)の後、医療装置(10)のユーザーに、さらなる侵襲性の測定は必要とされない旨のメッセージ(図示されず)を表示し得る。例えばメッセージは、デバイスは較正されている、測定は完了した、或いは最早自らを突き刺す必要がないと述べてもよい。表示スクリーン(29)は非侵襲性要素によって展開された信号Sのグラフを表示するために使用され得る。他のアクチュエータ(28)の種々のボタンはデバイス(10)と相互作用させるために使用され得る。
【0047】
一方、ベクトルYの入力はベクトルの各「列」に対する1つの入力を含み、ベクトルYはn列の長さであり得る。行列DはベクトルYに沿ってセットされうる。その結果、例えば行列Dの第2列におけるnの入力がベクトルYの第2列において入力された侵襲性の読み取りと相関し得る。学習行列の各入力は考慮の下で組織のカラー分布の特定の計算を表しうる。時間に対して連続的になされた測定の場合において、行列D及び行列Dに関連する学習ベクトルCの係数は、連続的な非侵襲性の読み取りに基づく。
【0048】
三角形の学習行列Dの例において、行列Dの各学習ベクトル又は列は、少なくとも上記例において非侵襲性の測定がなされた特定の場合から発生したものであり、連続した行が行列において重すぎて余裕がないようであるが、直感に反した方法で、プロセッサ又は脳がすでに処理した情報が多くなると、新たな情報を学習する時間がそれだけ長くなり、より多くの追加情報がおのおのの新たな験体において必要とされる。人が新しい験体を教えられたときが若ければ若いほど、それを学習するのが容易であり、ニューラル活動性における関連性が少ない。その一方で、脳のすべてのニューロンが血液の供給における低下なしに機能することを考慮に入れて、年をとればとるほど、ますます複雑な関連性が必要とされる。これを言うと、この理論を含む任意の理論による任意の方法で結び付けられることを意図していない。
【0049】
今に至るまで、方法(100)は学習モードにあり、これによって情報が非侵襲性及び侵襲性要素を含むデバイスに提供され、当該情報は知られたグルコースレベル(侵襲性要素から知られた)を患者の身体部の組織の時間に対するカラー分布を表す光電信号の(ベクトル形式での)数学的表現と相関させ得る。侵襲性の読み取りが取られる各場合に、読み取りは非侵襲性要素に伝送されている。いま非侵襲性要素は、侵襲性の読み取りが何であったのかを言われる前に、非侵襲性の読み取りのためにバイオパラメータが何であるかを導き出すことを準備する。患者は、さらなる侵襲性の読み取りがもはや必要でない、あるいはいくつかの類似したメッセージを述べてデバイスの表示装置によってこれが知らされる。つぎの工程は、一般的に認識部分と言われる。
【0050】
方法(100)は、学習行列Dの逆行列D−1に列ベクトルCを乗じることによって学習ベクトルCの係数を得るさらなる工程(150)を含み得る。これは、正則行列D掛ける列ベクトルCが行ベクトルYに等しいという知られた方程式に基づく。数学的には、係数ベクトルCは方程式の組への解を表す。
【0051】
方法(100)は、また、非侵襲性要素(20)の第1デジタルプロセッサ(26)の第1デジタルプロセッサ(26)などのデジタルプロセッサを用いる工程(150)を含み、(i)(例えば、以前に使用された同じデバイスの非侵襲性要素を用いて)デバイスの非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを使用して患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定することによって新たなベクトルVnewを得て、患者の身体部分(又は他の身体部分)の組織の一連のカラーイメージを発生し、各カラーイメージの各ピクセルで3色のおのおのの度合いを感知し、及び当該度合いを一連の電気信号に変換することによって、時間に対するカラーイメージにおける3色の分布を反映している時間に対する信号を生成し、およびデジタルプロセッサに数学的関数を用いて当該信号をスカラー数に変換し、および(ii)工程(160)のサブ工程「(i)」をn回繰り返すことによって、必ずしも同じ数学的な関数を使うことなくベクトルVnewを形成する。例えば、学習行列Dが三角形であり、入力として上部三角形の零を有する9行9列の次元の行列である場合に、新たなベクトルVnewは、新たな次元10行10列の新たな行列Dnewを発生させるために行列Dに挿入され、追加的な関数がVnewにおける10番目の入力を発生させるために追加される。
【0052】
工程(160)において、「一連のカラーイメージを発生するためにデバイスの非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを用いることにより」と述べるとき、工程(160)で使用される「1以上のカラーイメージセンサー」を、学習ベクトルを発生するために工程(120)で使用される「1以上のカラーイメージセンサー」と同一にさせることが必要であり得る。そうでないならば、工程(160)の1以上のセンサーは、同一の結果を生成するように少なくとも工程(120)の1以上のセンサーと同じ技術的仕様を有する必要がある。変数センサーがカラーイメージセンサーではないが、他の変数のセンサーである場合に同じことが当てはまる。同じ理由で、工程(120)のように工程(160)においても同じであることはカラーイメージセンサー又は変数センサーの数のために有用である。
【0053】
デバイス(10)(又は一般にデバイス(10))の非侵襲性要素(20)は次の方法で新たなベクトルVnewの入力を処理することができる。たとえ、つぎの計算が工程(100)〜(150)に対して前述されていなくても、それは学習行列が小さすぎるため、デバイスが今まで充分な情報を有しておらず患者のためにバイオパラメータ値を導き出していないからである。
【0054】
方法(100)は正則行列Dnewを形成するために、Vnewの入力を使用するデジタルプロセッサを利用する工程をさらに含み得るのであり、その非零要素の構造は学習行列Dの非零要素の構造と同じである。これは多くの異なる方法で達成されうる。これを達成するもっぱら説明のための方法はつぎのとおりである。元の学習行列Dが非零の三角形構造を有すると仮定する。ついで、n行n列の大きさのDnewの非零要素の三角形構造が、Vnewの第1入力行い、それをDnewに挿入することによって導き出されるのである。Dnewの第2行は、この第2行の第1入力においてVnewの第1入力を繰り返し、ついでDnewの第2行の第2入力として、Vnewの第2入力を用いることによって導き出される。類似的に、Dnewの第3行は、Vnewの第1入力、Vnewの第2入力及びVnewの第3入力を含み得る。類似的に、Dnewの第4行、第5行、第6行、第7行、第8行及び第9行が導き出される(この例において、行列の大きさは9行9列である)。方法(100)は、学習ベクトルCの係数によってDnewの行列ベクトル乗算を実行し、非侵襲性のパラメータ測定Rの列ベクトルを生成するために、デジタルプロセッサを用いる工程(180)をさらに含み得る。列ベクトルRは患者のための潜在的に真のバイオパラメータ値を表す。なぜなら、学習行列と列ベクトルYの侵襲性の読み取りとの間で以前計算された学習ベクトルCの係数を用いて導き出されるからである。工程(180)は、また患者の較正されたバイオパラメータ値を表すRの一つの入力を見出すためにYの入力とRの入力とを比較する工程を含む。例えば、入力iの固有の場合(一つ)を見出すために、人は列ベクトルYの入力と列ベクトルRの入力とを比較することができ、その結果ベクトルRのi番目の入力とベクトルYのi番目の入力が数学的な近接の所定の基準を用いて度合いにおいて充分に近接する(例えば20%のずれ)。もし2以上のそのような充分近い入力が存在するなら、そのような入力は一つではない。付随して、もしRベクトルの入力が、Yベクトルにおける対応する入力の20%だけ誤差の所定の数学的な領域内にない場合、両方の場合にデバイスは「再び試みろ」というメッセージ(決定はなされ得ないことを表示)表示しうる。そのようなメッセージが例えば3回繰り返されるなら、ベクトルVnewは新たに拡大された較正行列Dexpとその係数ベクトルCを発生する行列Dに含まれる。しかし、たとえデバイスが所定の分散内でYのi番目の入力と適合するRのi番目の特有の入力を見出すことができても学習行列Dは拡大されうることは注意されるべきである。デバイスをより良くするために人は単純に学習行列を拡大することを望む。
【0055】
それゆえ、方法(100)のいくつかの変形例において、さらなる工程が拡大された学習行列であり得る。最初に、拡大された学習行列Dexpは、(n+1)行(n+1)列の大きさで、Vnewを学習行列Dに取り込むことによって生成され、デジタルプロセッサに数学的関数を用いて工程「(f)」の信号を(n+1)番目のスカラー数に変換し、Vnewに沿って(n+1)番目のスカラー数を追加して正則行列としての拡大された学習行列Dexpを維持する。学習行列を拡大する際に、学習行列Dexpが、当初9行9列の大きさである例に戻ると、ベクトルVnewの10番目の行を形成し、9個の入力を持ち得る。行列を正則に維持するために、さらなる非零入力が、Vnewに使用された非侵襲の測定から起こる同一の信号上で数学的な関数を用いて発生し得る。加えて、本発明の方法及びシステムのための正則行列を発生する上述の方法が特有のものではなく、この正則行列を発生する他の多くの方法があることは理解されるべきである。本発明は自己較正のプロセスを広く開示している。
【0056】
このさらなる工程は、工程(110)におけるとおりのさらなる侵襲性の測定を行うことで列ベクトルYを(n+1)要素に拡大し、このさらなる侵襲性のバイオパラメータをベクトルYにとり込まれるべき非侵襲性要素に伝送することによって較正されたバイオパラメータの値を検査する工程を含み、その結果ベクトルY(これは「Yexp」と呼ばれる)は拡大された学習行列Dexpと同じ長さである。いくつかの状況で、工程(110)におけるとおりにさらなる侵襲性バイオパラメータの測定を行い、列ベクトルYを(n+1)要素に拡大し、及びこのさらなる侵襲性バイオパラメータの測定を非侵襲性要素に伝送するサブ工程が、たとえ行列Dが拡大されるべきでなくても、自動的に起こる。言い換えれば、さらなる侵襲性のバイオパラメータの測定を伝送することは、非侵襲性要素によってベクトルYに測定が組み込まれない方法でなされ得るが、むしろ行列Dを拡大するために決定がなされるまで侵襲性のバイオパラメータの測定を格納するのであり、決定がなされた場合に、このデータだけがベクトルYに組み込まれる。
【0057】
学習行列Dexpのこの拡大は(n+m)行(n+m)列の大きさまで継続され、ここに、mは1より大きい。数学的計算を含む本発明の方法の任意の工程は、非侵襲性要素(20)に存在し得る1以上のデジタルプロセッサと関連するソフトウエアを用いて実行し得るか、或いはデバイス(10)のいくつかの部分にアクセスし得るのである。
【0058】
ひとたび行列が拡大されると、人はバイオパラメータを測定するために、非侵襲性要素(20)の能力を検査することを欲する。これは、行列Dexpの逆行列Dexp−1に拡大された列ベクトルYnewを乗じて、学習ベクトルCnewのあらたな係数を得ることによって、及び工程(160)、(170)及び(180)を繰り返すことによってなされる。ただし、工程(160)、(170)及び(180)を繰り返す際に、(n+1)又はそのような工程におけるnに対して現在の学習行列の任意の大きさと置換し得る。
【0059】
バイオパラメータがグルコースである場合、糖尿病をもつ患者は3カ月毎に研究室に行き、A1C試験と呼ばれる非侵襲性のグルコース試験をうける。この試験は、信頼できる侵襲性のグルコース試験であると考えられており、較正を照合するために、さらなる基準点として使用され得る。それゆえ、また当該方法は、もし行列Dのための侵襲性基準が血液A1Cである場合、血液A1Cを試験するために使用され得る。直接的なグルコース基準の場合、A1Cは、3カ月毎の期間の間で較正照合の照合のために使用され得る。それゆえ、方法(100)はA1C結果を周期的に挿入する工程と、当該結果を照合手順のための近似的なグルコース読み取りに変換する工程とをさらに含み得る。例えば、もし、グルコースが50mg/dl〜300mg/dlの間で較正され、最近の有効A1Cが400mg/dlの平均を反映しているならば、300mg/dlと400mg/dlとの間の範囲をカバーするために追加の較正が必要とされ得る。
【0060】
新規な較正手順は行列Dを利用しており、展開の任意の段階は正則、すなわち逆行列である。その目的を達成するための多くの方法がある。例えば、第1デジタルプロセッサ(26)は正則行列Dを生成し得るのであり、当該行列Dに加えられた各新たなベクトルは、最後の列における一つの追加の零をもつすべての以前の行を増加し、新たな追加されたベクトル行は、(n+1)非零要素を有している。この場合において、行列Dは、上部三角に零要素、下部三角に非零要素をもつ三角形状を有し得る。そのような行列は正則である。言い換えれば、行列Dの各行は非侵襲性の読み取りのリストであり、当該リストの要素の数は、行の数であり得る。例えば、当該行列の第1行は一つの入力、第2行、第二入力、第3行、第三入力などである。これは、単に生成された行列が正則行列であることを保証する一つの方法にすぎない。代替的に、当該行列は、独立した行及び列のために埋められた入力によって、「n行n列」などの正方形であり得る。
【0061】
[ユニバーサル較正]
今まで、本発明の方法は、同一の験体を利用することであり、これによって特定の験体/患者に合わせるまで、デバイス(10)を生成又は改良している。今まで記載してきたデバイス(10)はそれゆえ、個人較正デバイス(10)と呼ばれる。また、本発明の方法及び装置は、多くの験体からデータを採取するために用いられ、これによって方法(100)の工程(140)の読み取りにおける患者を使用する。例えば、患者はデバイス(10)をコンピュータに接続し、インターネット又は無線通信ネットワークを介して自分のバイオパラメータデータをアップロードし、バイオパラメータ値を発生する。当該バイオパラメータ値は、一群の個人に対応し得る。それゆえ、バイオパラメータのために集められたすべての個人の測定は、個人の行列Dの代わりに、ユニバーサル行列Duniversalを生成するために使用され得る。ちょうど正則行列Dのように、行列Duniversalも正則行列であり得る。
【0062】
クラスターは、年齢、民族性、性別、地理などの特定の人口学的特性を共有する個々の集団である。従って、もし、バイオパラメータの読み取りを提供するすべての集められた個人がクラスターからのものであれば、患者のクラスターのためのクラスター行列Dclusterとして言及され得る正則行列を作り出すために、測定が使用され得る。
【0063】
さらに、多くのクラスターからデータを集めることによって、またはクラスターの共有される特性から独立してデータを集めることによって、同じことが人口の分野に関しても行われ得る。この場合において、方法(100)の工程(140)は、全人口のためのバイオパラメータの普遍的な行列、Duniversalを作り出すために、互いに異なる、および方法(100)の工程(110)の患者とは異なる患者を含み得る。幾つかのシナリオにおいて、これらの工程(140)は、共通の特性を有する異なる患者を使用して、複数の学習ベクトルを得る工程、および通信ネットワークを通して非侵襲性および侵襲性測定のデータを集める工程を含み得、それによって、患者のクラスターのバイオパラメータを代表する、学習行列、Dclusterを作り出す。加えて、方法(100)の工程は、共通の特性を有する異なる患者を使用して、工程(140)において複数の学習ベクトルを得る工程、および通信ネットワークを通して非侵襲性および侵襲性測定のデータを集める工程を含み得、それによって、全人口のバイオパラメータを代表する、学習行列、Duniversalを作り出す。
【0064】
従って、デバイス(10)は、特定の個人のために較正されたデバイス(10)とは対照的に、普遍的に較正されたデバイスであり得る。個人の較正データを集め、処理することによって、デバイス(10)の製造者は、普遍的に較正されてきたデバイス(10)を、消費者に提供することが可能になり得る。いくつかの実施形態において、普遍的‐個人的な較正デバイス(10)が作り出され得る。この場合において、普遍的な較正デバイス(10)は、「個人的な較正デバイス」(10)に関して記載される方法およびデバイスに従って、デバイスを購入する個人によってさらに較正される能力を有し得る。購入者がそれを行うと、デバイス(10)は、普遍的‐個人的な較正デバイス(10)として言及され得る。
【0065】
本発明は、患者にオーダーメードされた携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置を生産する方法(200)としても記載され得る。そのような場合において、方法(200)は、上述されるような医療装置(10)を患者に直接的または間接的に提供する工程(210)を含み得、該装置は、(i)非侵襲性要素への患者による身体部分の挿入で、患者のバイオパラメータの非侵襲性バイオパラメータの読み取りを発生させることができる、非侵襲性要素を有し、該非侵襲性要素は、身体部分の一部のデジタルカラーイメージを処理するための第1デジタルプロセッサを含み、(ii)例えば患者の血液からバイオパラメータを侵襲的に測定し、患者のために侵襲性バイオパラメータの読み取りを得るための侵襲性要素を有し、該侵襲性要素はまた、侵襲性バイオパラメータの読み取りを非侵襲性要素の第1デジタルプロセッサに伝送するための第2デジタルプロセッサを含む。
【0066】
方法(200)はまた、患者のために非侵襲性要素を較正することによって、デバイスを験体に合わせてオーダーメードする工程(220)を有する。これは、(i)侵襲性要素を使用して患者のバイオパラメータを侵襲的に測定すること、(ii)侵襲性バイオパラメータの読み取りを非侵襲性要素に伝送すること、および(iii)方法(100)に関係して記載される手順を使用して、正則行列としての非侵襲性測定から得た信号を示す数学関数を使用することによって侵襲性測定に近接した時間内に患者のバイオパラメータを非侵襲性に測定すること、によって達成され得る。サブ工程(i)、(ii)、および(iii)は、デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間実行され得る。
【0067】
一般に、デバイス(10)、例えば非侵襲性要素(20)(または適切ならば幾つかの場合において、侵襲性要素(30))は、以下のことを含む、幾つかの機能を実行するようにプログラムされ得る:
(a)(i)信号をスカラー学習数に変換させる数学関数を使用し、(ii)必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(a)(i)」を繰り返し、列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成し;
(b)デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りに基づいて、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、非侵襲性読み取りおよび侵襲性読み取りへの工程「(a)」を繰り返すことによる、n行n列の学習行列、すなわち、正則行列を形成し;
(c)行列、Dの逆行列D-1に列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得;
(d)ユーザーが、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させるためのデバイスの非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを使用して、およびデジタルプロセッサが、信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせ、Vnewを形成するためにそれをn回行うことによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定するとき、新しいベクトル、Vnewを発生させ;
(e)Vnewの入力を使用して、n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造は学習行列、Dと同一であり;
および(f)Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用して、非侵襲性バイオパラメータ測定、Rのベクトルを作り出し、Rの入力とYの入力を比較することで、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見する。
【0068】
非侵襲性要素が、閾値レベルで予測することができる非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の相関性を、非侵襲性バイオパラメータの読み取りに基づいて、さらに侵襲性バイオパラメータの読み取りにするために、第1デジタルプロセッサ(26)は、業界標準を使用し、非侵襲性読み取りと侵襲性読み取りの間の閾値の相関性を定義し得る。これは、例えばR2=0.9、またはR2=0.85となり得、ここでR2は、2つの変数の間の相関性の直線性を測定する。
【0069】
デバイス(10)、例えば非侵襲性要素(20)(または適切ならば、侵襲性要素(30))はまた、(i)Vnewを学習行列Dに組み込むことによって、および第1デジタルプロセッサが、(f)の信号を(n+1)番目のスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、正則行列として、拡張した学習行列を維持するために、Vnewと一緒に(n+1)番目のスカラー数を足すことによって、および列ベクトルYを(n+1)要素に拡張し、さらなる侵襲性バイオパラメータ測定を非侵襲性要素に伝送するための、さらなる侵襲性バイオパラメータ測定を組み込むことによって、(n+1)行(n+1)列の大きさの拡張した学習行列Dexpを作り出すようにプログラムされ得る。同様に、非侵襲性要素(20)(または適切ならば、侵襲性要素(30))は、方法(100)に記載されるように学習行列をさらに拡張するようにプログラムされ得る。
【0070】
用語「デジタルプロセッサ(digital processor)」はヒトの脳を含まず、マイクロプロセッサを含む、大小のプロセッサを含むことを理解されたい。「デジタルプロセッサ」が機能または役割を実行する本発明の方法またはシステムのどこにおいても、または「デジタルプロセッサ」がさらなる役割または機能を実行すると明記する方法またはシステムの後のどこにおいても、2つのデジタルプロセッサが同じデジタルプロセッサである必要がない一方で、それらは同じデジタルプロセッサであることが好ましく、なぜなら、もしそれらが異なるデジタルプロセッサであると、本発明は、2つのデジタルプロセッサが同じ同一出力を生むようなことを必要とし得るからである。それらが同じ出力を生むようにさせるのに必要とされ得ることは、2つのデジタルプロセッサが、例えば、同一の仕様を有することである。これが意味し得るのは、例えば、同じ速度を有すること、同じ数のビットを使用することなどである。加えて、用語「光学光源(optical light source)」はヒトの眼を含まない。用語「患者(patient)」は、病状を有する患者に限らず、医療装置のユーザーを単に示す。埋め込み型センサー、被覆線、酵素が被覆された皮膚穿刺デバイス、水疱形成、および体液漏出を引き起こす擦過傷は、非侵襲性とは見なされないが、「低(minimally)」侵襲性のカテゴリーに入る。
【0071】
本発明は、限られた数の実施形態に関係して記載されているが、当然のことながら、本発明の多くの変更、修正および他の適用がなされ得るであろう。それ故、後に続く請求項に挙げられるような主張される発明は、本発明に記載される実施形態に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)バイオパラメータ監視デバイスの侵襲性要素を使用して、患者のバイオパラメータを侵襲的に測定し、列ベクトル、Yに入力される侵襲性バイオパラメータの読み取りを、該バイオパラメータ監視デバイスの非侵襲性要素に伝送する工程、
(b)工程「(a)」に近接した時間内で、患者の身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させ、各カラーイメージのピクセルで各3色の度合いを感知するためのデバイスの非侵襲性要素において、1以上のカラーイメージセンサーを使用することによって、およびその度合いを一連の電子信号に変換することによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定し、時間に対する該カラーイメージにおける該各3色の分布を反映し、時間に対する信号を生成する工程、
(c)(i)該信号をスカラー学習数に変換する数学関数を使用する、および(ii)列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成するために、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(c)(i)」を繰り返す、非侵襲性要素のデジタルプロセッサの工程、
(d)複数の学習ベクトルから、デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、工程「(a)」から工程「(c)」を繰り返すことによって、n行n列の学習行列、すなわち、正則行列を形成する、デジタルプロセッサの工程、
(e)学習行列、Dの逆行列D-1に列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得る、デジタルプロセッサの工程、
(f)(i)身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させ、各カラーイメージのピクセルで各3色の度合いを感知するための該デバイスの該非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを使用することによって、および時間に対する該カラーイメージにおける該各3色の分布を反映し、時間に対する信号を生成するための、その度合いを一連の電子信号に変換することによって、およびデジタルプロセッサが、該信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、および(ii)必ずしも同じ数学関数を使用することなく、Vnewを形成するために工程「(f)(i)」をn回行うことによって、新しいベクトル、Vnewを得る、デジタルプロセッサの工程、
(g)n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造が学習行列、Dと同一である、Vnewの入力を使用する工程、
および(h)非侵襲性バイオパラメータ測定、Rの列ベクトルを作り出すために、Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用し、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見するために、Rの入力とYの入力を比較する工程、を含むことを特徴とする、バイオパラメータを監視する方法。
【請求項2】
(i)Vnewを学習行列Dに組み込むことによって、およびデジタルプロセッサが、「(f)」の信号を(n+1)番目のスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、および正則行列として、拡張した学習行列を維持するために、Vnewと一緒に(n+1)番目のスカラー数を足すことによって、および(ii)列ベクトルYを(n+1)要素に拡張するために、工程「(a)」におけるようなさらなる侵襲性バイオパラメータ測定を行い、および該侵襲性バイオパラメータ測定を該非侵襲性要素に伝送することによって、拡張したバイオパラメータ値の正確性を試験することによって、(n+1)行(n+1)列の大きさの拡張した学習行列Dexpを作り出す工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
学習行列Dexpを、mが1より大きい(n+m)行(n+m)列の大きさに拡張し続ける工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
行列、Dexpの逆行列Dexp-1に前記拡張した列ベクトル、Yを掛けることによって、学習ベクトル、Cnewの新しい係数を得ることによって、および患者のための改善した較正バイオパラメータを得るために、(n+1)を工程「(f)」、「(g)」および「(h)」におけるnに代えることを除いて、工程「(f)」、「(g)」および「(h)」を繰り返すことによって、バイオパラメータを測定する前記非侵襲性要素の能力をさらに試験する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
学習行列、Dの非零入力の構造が、引き続く列における入力の度合いが整数だけ増大するような、三角形であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記整数が1であり、学習行列、Dの第1列が1つの入力を有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
数学関数の既定義の標準を使用して、Rのi番目の入力およびYのi番目の入力が度合いという点で十分似通っているような入力、iの特有の零を発見するために、列ベクトルRの入力を列ベクトルYの入力と比較する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程「(d)」の後、医療装置のユーザーに、さらなる侵襲性測定を必要としないという旨のメッセージを表示する、医療装置をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
バイオパラメータがグルコースであり、方法が、前記学習行列Dを拡張し、以前に得られた最後の有効なA1C結果と最大または最小の較正バイオパラメータ値の間の範囲において、前記非侵襲性要素を較正するために、A1C結果に近い非侵襲性測定を段階的に行い、該A1C結果を前記侵襲性要素に伝送する侵襲性測定として使用する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
数学関数が、信号を代表するスカラー値を生むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
共通の特性を有する異なる患者を使用する工程「(d)」において、複数の学習ベクトルを得、通信ネットワークを介して、前記非侵襲性および前記侵襲性測定のデータを収集し、それによって、患者のクラスターのバイオパラメータを代表する学習行列、Dclusterを作り出す工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
共通の特性を有する異なる患者を使用する工程「(d)」において、複数の学習ベクトルを得、通信ネットワークを介して、前記非侵襲性および前記侵襲性測定のデータを収集し、それによって、患者のクラスターのバイオパラメータを代表する学習行列、Duniversalを作り出す工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
患者によって使用可能な、携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置であって、
該装置は、前記非侵襲性要素への患者による身体部分の挿入で、患者の組織の非侵襲性バイオパラメータの読み取りを発生させることができる、非侵襲性要素を含み、該非侵襲性要素は、該組織の一連のカラーイメージを発生させ、各カラーイメージのピクセルで各3色の度合いを感知するための、少なくとも1つのカラーイメージセンサーを含み、時間に対する該各3色の分布を反映し、時間に対する該一連のカラーイメージを信号へと処理するための第1デジタルプロセッサを含み;
該装置はさらに、患者の血液から侵襲性バイオパラメータの読み取りを得るための侵襲性要素を含み、該侵襲性要素はまた、該侵襲性バイオパラメータの読み取りを該非侵襲性要素の該第1デジタルプロセッサに自動的に伝送するための、第2デジタルプロセッサを含み、該侵襲性バイオパラメータの読み取りは、列ベクトル、Yにおける入力を形成し;
非侵襲性要素は、
(a)(i)該信号をスカラー学習数に変換させる数学関数を使用し、(ii)列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成するために、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(a)(i)」を繰り返し;
(b)該第1デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルでバイオパラメータの非侵襲性バイオパラメータの読み取りに基づいて、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、非侵襲性読み取りおよび侵襲性読み取りへの工程「(a)」を繰り返すことによる、n行n列の学習行列、すなわち、正則行列を形成し;
(c)行列、Dの逆行列D-1に該列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得;
(d)ユーザーが、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、身体部分の組織の一連のカラーイメージを発生させるための該デバイスの該非侵襲性要素における1以上のカラーイメージセンサーを使用して、および該デジタルプロセッサが、該信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせ、Vnewを形成するためにそれをn回行うことによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定するとき、新しいベクトル、Vnewを発生させ;
(e)Vnewの該入力を使用して、n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造は学習行列、Dと同一であり;
および(f)Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用して、非侵襲性バイオパラメータ測定、Rのベクトルを作り出し、Rの入力とYの入力を比較することで、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置。
【請求項14】
前記非侵襲性要素は、指を通して光を伝送し、指を抜け出る光からデジタルカラーイメージを発生させ、光伝送要素を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
離散的デジタル信号は、前記指のデジタルイメージのピクセルで赤色光の度合いを表す赤色行列、該ピクセルで緑色光の度合いを表す緑色行列、および該ピクセルで青色光の度合いを表す青色行列を組み込むことを特徴とする、請求項13に記載の医療装置。
【請求項16】
前記非侵襲性要素に動作可能に係合された前記侵襲性要素を維持し、前記侵襲性要素から前記非侵襲性要素への侵襲性バイオパラメータの読み取りの伝送を可能にするための結合要素をさらに含み、該結合要素はまた、互いの前記侵襲性および前記非侵襲性要素の分離を可能にすることを特徴とする、請求項13に記載の医療装置。
【請求項17】
前記非侵襲性要素は、
(i)Vnewを学習行列Dに組み込むことによって、および前記第1デジタルプロセッサが、「(f)」の前記信号を(n+1)番目のスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、および正則行列として、拡張した学習行列Dexpを維持するために、Vnewと一緒に該(n+1)番目のスカラー数を足すことによって、および列ベクトルYを(n+1)要素に拡張するために、およびさらなる侵襲性バイオパラメータ測定を該非侵襲性要素に伝送するために、さらなる侵襲性バイオパラメータ測定を組み込むことによって、(n+1)行(n+1)列の大きさの拡張した学習行列Dexpを作り出すように、さらにプログラムされることを特徴とする、請求項13に記載の医療装置。
【請求項18】
患者にオーダーメードされた携帯可能なバイオパラメータ監視医療装置を生産する方法であって、該方法は、
(a)(i)前記非侵襲性要素への患者による身体部分の挿入で、患者のバイオパラメータの非侵襲性バイオパラメータの読み取りを発生させることができる、非侵襲性要素を有し、該非侵襲性要素は、身体部分のデジタルカラーイメージを処理し、該デジタルイメージを、時間に対する離散的信号として表すための第1デジタルプロセッサを含み、(ii)患者の血液からバイオパラメータを測定し、患者のために侵襲性バイオパラメータの読み取りを得るための侵襲性要素を有し、該侵襲性要素はまた、該侵襲性バイオパラメータの読み取りを該非侵襲性要素の該第1デジタルプロセッサに伝送するための第2デジタルプロセッサを含み、および(iii)該非侵襲性要素に動作可能に係合された該侵襲性要素を維持し、該侵襲性要素から該非侵襲性要素への侵襲性バイオパラメータの読み取りの伝送を可能にするための結合要素を有し、該第1デジタルプロセッサは、患者のための該非侵襲性バイオパラメータの読み取りが、近似値の既定義の標準のもと、所与のバイオパラメータに対する患者のための該侵襲性バイオパラメータの読み取りに近似するように、該非侵襲性要素を較正するためのものである、医療装置を患者に直接的にまたは間接的に提供する工程;
および(b)(i)該侵襲性要素を使用して患者のバイオパラメータを侵襲的に測定すること、(ii)該侵襲性バイオパラメータの読み取りを該非侵襲性要素に伝送すること、および(iii)数学関数を使用して侵襲性測定に近接した時間内に患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定し、該第1デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、サブ工程(i)、(ii)、および(iii)を十分な時間実行することによって、患者のために該非侵襲性要素を較正する工程、を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
(a)バイオパラメータ監視デバイスの侵襲性要素を使用して、患者のバイオパラメータを侵襲的に測定し、列ベクトル、Yに入力される前記侵襲性バイオパラメータの読み取りを、該バイオパラメータ監視デバイスの非侵襲性要素に伝送する工程、
(b)工程「(a)」に近接した時間内で、患者の身体部分の組織の1以上の変数の度合いを表す一連のデータを発生させる該デバイスの該非侵襲性要素において、1以上の変数センサーを使用することによって、および時間に対する各1以上の変数の分布を反映し、時間に対する信号を生成するために、その度合いを一連の電子信号に変換することによって、患者のバイオパラメータを非侵襲的に測定する工程、
(c)(i)該信号をスカラー学習数に変換する数学関数を使用する、および(ii)列ベクトルYのスカラー侵襲性バイオパラメータの読み取りの入力に対応する学習ベクトルを形成するために、必ずしも同じ数学関数を使用することなく、工程「(c)(i)」を繰り返す、該非侵襲性要素のデジタルプロセッサの工程、
(d)複数の学習ベクトルから、デジタルプロセッサが、閾値容認性の既定義のレベルで非侵襲性バイオパラメータの読み取りを使用して、バイオパラメータを測定することができる、非侵襲性バイオパラメータの読み取りと侵襲性バイオパラメータの読み取りの間の十分な相関性を有して、十分な時間、工程「(a)」から「(c)」を繰り返すことによって、n行n列の学習行列、すなわち、正則行列を形成する、デジタルプロセッサの工程、
(e)学習行列、Dの逆行列D-1に該列ベクトルYを掛けることによって、学習ベクトルCの係数を得る、デジタルプロセッサの工程、
(f)(i)患者の身体部分の組織の1以上の変数の度合いを表す一連のデータを発生させる該デバイスの該非侵襲性要素の1以上の変数センサーを使用することによって、および時間に対する各変数の分布を反映し、時間に対する信号を生成するための、その度合いを一連の電子信号に変換することによって、およびデジタルプロセッサが、該信号をスカラー数に変換させる数学関数を使用するようにさせることによって、および(ii)必ずしも同じ数学関数を使用することなく、Vnewを形成するために工程「(f)(i)」をn回繰り返すことによって、新しいベクトル、Vnewを得る、デジタルプロセッサの工程、
(g)n行n列の大きさの正則行列、Dnewを形成し、非零要素のその構造が学習行列、Dの非零要素の構造と同一である、Vnewの入力を使用する工程、
および(h)非侵襲性バイオパラメータ測定、Rの列ベクトルを作り出すために、Dnewに学習ベクトル、Cの係数を掛ける、行列ベクトル乗算を実行するデジタルプロセッサを使用し、患者のための較正されたバイオパラメータ値を表すRの1つの入力を発見するために、Rの入力とYの入力を比較する工程、を含むことを特徴とする、バイオパラメータを監視する方法。
【請求項20】
前記変数センサーによって感知される前記変数は、温度、導電率および匂いから成るグループから選択されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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