説明

複数の面を備える洗浄用具

ハンドル(50)に取り外し可能に取り付けられる、2つの面を備えるダスター(10)である。ダスター(10)は、2つの構成部分(15)を含み、それぞれ、積層構成体を形成するために互いに接合される、内側に面する表面を備え得る。構成部分(15)は、長手方向(L−L)にオフセットされてもよい。この構成は、内側に面する表面と連繋する取り付け機構を、ユーザーにとって可視にし、それによってハンドル(50)は、取り付け機構において、ダスター(10)に容易に、かつ取り外し可能に取り付けられ得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な洗浄物品が、ダスティング、及び軽い洗浄のためにつくられてきた。例えば、乾燥した状態で、又は研磨及び洗浄組成物によって濡れた状態で使用される、布、及びペーパータオルが、比較的平坦な表面で使用されてきた。しかしながら、布及びペーパータオルは、衛生状態(洗浄中に、ユーザーの手が、化学薬品、汚れ、又は表面に触れることがある)、届く範囲(ユーザーの手を布、又はペーパータオルと共に、届き難い場所に入れることが困難である場合がある)、及び不便さ(間隔の狭い物品の間を洗浄することは、典型的に、物品の移動を必要とする)などの理由のために、問題がある。
【0002】
布、及びペーパータオルの使用に伴う、これらの問題を克服するために、1906年に、ヘイデン(Hayden)に発行された、米国特許第823,725号によって例示されるように、羽毛、子羊のウール、及び合成繊維ブラシを有する様々な集塵装置が、1世紀を超える期間にわたって利用されてきた。このような集塵装置は、製造に費用がかかることがあり、そのため、洗浄、及び再利用されるように設計される。再利用可能な集塵装置に伴う1つの問題は、このような集塵装置が、ホコリを良好に把持、又は捕捉しない場合があることである。そのため、集塵装置によって捕捉された汚れは、使用中にホコリを再び堆積させる傾向があり、これは、洗浄プロセスの反復を必要とすることがある。
【0003】
更に、汚れた再利用可能な装置は、典型的に、振盪により、又は他の機械的攪拌によって、洗浄される。このプロセスは、洗浄プロセス中(多くの場合中断する)、又はその後に、追加の工程を必要とするために、完全に満足のできるものではない。更に、装置の意図された復元が良好でなく、これに回収されたホコリを更に再堆積させる場合がある。
【0004】
再利用可能な集塵装置によって経験される問題に対処するため、限定的な再利用性を有する、使い捨て集塵装置が、開発されてきた。これらの使い捨て集塵装置は、不織シート(不織布)に取り付けられる、合成繊維の束で作製されるブラシ部分を含み得る。このような装置は、例えば、米国特許第6,813,801(B2)号、米国特許出願公開第2005/0097695(A1)号、及び/又は欧州特許第1,299,026(B1)号によって作製されてもよい。
【0005】
これらの参考文献は、再利用可能なハンドルに取り付け可能であり、これから取り外し可能である、使い捨て洗浄物品を開示する。物品は、長手方向軸に沿って細長く、平坦であってよく、及び/又はこれらの厚さを増すために、「毛羽立たせ」られていてもよい。このような物品は面を備えてもよく、選択的な洗浄面を有し、これは、典型的に、目標の表面と接触してそこからほこりを除去するために使用される、面である。洗浄面の反対側は、第2面であり得、取り付け面として使用可能である。取り付け面は、ダスターをハンドルに取り付けるために使用可能である。
【0006】
ハンドルは、洗浄中にユーザーによって把持される把持部、及びハンドルを使い捨てダスターに取り外し可能に取り付けるための、1つ以上の手段を有してもよい。ハンドルをダスターに取り外し可能に取り付けるための、一般的な手段は、1つ以上の細長い歯を含む。1つ以上の歯は、ダスター上に配置される、1つ以上の補完的なスリーブの中に、挿入され得る。一般的な形状は、ハンドル上の、2つの長手方向に平行な、細長い歯を含み、これは、ダスターの取り付け面上に配置される、補完的な、長手方向に平行な細長いスリーブ内に挿入される。
【0007】
しかしながら、単一の選択的洗浄面を有するダスターは、間隔の狭い物品の隙間、又は対向する表面を洗浄するために、2つの工程を必要とすることがある−隙間の一面/一表面を洗浄する工程、及び反対側の面/表面を洗浄する第2の工程。これは、洗浄プロセスの時間を増す(ユーザーが、更に忘れずに第2工程のためにダスターを裏返すことを想定する)。
【0008】
この問題を克服するため、複数の面、通常360°まで使用可能な周囲を有するダスターが提案されてきた。しかしながら、このようなダスターは複雑であり、そのため製造するのに費用がかかる場合がある。
【0009】
製造の複雑さを克服し、これによって費用を削減するための、1つの試みは、複数の面を備えるダスターを製造することであり得る。このようなダスターは、取り付け面が中央に面し、選択的な洗浄面が外側に面するようにして、2つ以上のダスターを背中合わせの関係で配置することによって製造され得る。この構成は、2つ(又はそれ以上)の同一のダスターを使用して単一の洗浄装置を作製することを可能にするための、単純さをもたらす。
【0010】
しかしながら、第2面が内側に配置される、即ち、装置の中央に面する場合、ユーザーが、ハンドルを取り付けるために、取り付け装置を利用する(又は更に直接触れる)ことが困難であり得る。例えば、一般的な二重スリーブ(dual sleeve)構成が利用される場合、スリーブは更にユーザーの目に見えない場合がある。これは、ユーザーが、ダスターへの取り付けのために、ハンドルを適切に揃えることを、困難にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第823,725号
【特許文献2】米国特許第6,813,801(B2)号
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0097695(A1)号
【特許文献4】欧州特許第1,299,026(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
集塵装置の洗浄特性を改善するための試みがなされてきた一方で、ダスターの問題点及び非効率性を軽減するための研究が、特に目標の表面を洗浄するための、複数の面を備えるダスターに関連して、依然として継続している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、表面からくずを取り除くための、ダスターを含む。ダスターは、向かい合う関係で接合される、少なくとも2つの構成部分であって、各構成部分は、目標の表面と接触するための、外側に面する表面を有する、構成部分と、ダスターをハンドルに、取り外し可能に取り付けるための、取り付け装置とを有する。取り付け装置は、この取り付け装置部分がハンドルによってアクセス可能であるように層の外側に配置される第1部分、及びこの層の間に配置される第2部分を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ダスター、及び取り外し可能に取り付けられるハンドルの斜視図。
【図2】明確さのために、隣り合うストリップ間の分離が、省略されている、図1の、線分2−2に沿ってとられた概略分解組立て垂直断面図。
【図3】左側が図1のダスターであり、右側が、異なる長さであり、同一延長の長手方向端部を有さない、2つの構成部分を有する別の実施形態である、部分的に切り取られて示されるダスターの、破断された平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で使用するとき「限定的な再利用性」とは、ダスター10が、一度の作業(約6〜12平方メートルの表面)に使用されて直ちに廃棄されるか、又は復元されて更に約1〜約5回の作業のために再利用された後に廃棄され得ることを意味する。羽毛ダスター、布、ストリングモップ、ストリップモップなどを含む、従来的なダスターは、本発明の目的のために、使い捨てではない。
【0016】
親水性とは、水及び/又は水溶液に対して高い親和性を有する、繊維又は他の材料を指す。親水性繊維としては、セルロースなどの木質繊維、並びに綿、大麻、黄麻、アバカ、ケナフ、サバイ草(sabai grass)、亜麻、エスパルト草、藁、バガス、トウワタ真綿繊維類及びパイナップル葉繊維類などの非木質繊維が挙げられるがこれらに限定されない。親水性繊維には、レーヨン、ビスコース、リヨセル、アセテート、トリアセテートなどの化学処理された繊維もまた挙げられる。本明細書で使用するとき、「親水性不織布層」又は「親水性不織布」とは、親水性不織布繊維を含む層若しくは多層、又は親水性になるように処理されたシート材料を指す。
【0017】
疎水性とは、水及び水溶液に対して低い親和性を有し、かつ合成及び/又は熱可塑性であり得る、繊維又は他の材料を指す。生来疎水性である繊維/材料としては、相同ポリマーランダムコポリマー又はブロックコポリマーのいずれかのようなエチレン、プロピレン、スチレン、アミド及びエステルに由来するポリマーが挙げられる。
【0018】
ダスター10のz方向は、ハンドル50に最も近接した不織布層と垂直の方向であり、ダスター10のx−y平面は、ハンドル50に最も近接した不織布層により画定される平面として定義される。ダスター10、スリーブ20などの長さは、長手方向でとられる。ダスター10の幅は、長さに垂直な方向と一致し、取り付け層の面の内部に配置される。厚さは、z方向の寸法として定義される。長手方向は、ダスター10、ハンドル50、又はこれらの構成要素の、主要方向である。本明細書で使用するとき、長手方向のオフセットとは、2つ以上の構成要素又は1つ以上の構成要素上の点の、このような点又は構成要素を含む平面内において長手方向軸L−Lから広がり、これに垂直に延びる共通の線上に位置しない、配置を指す。
【0019】
図1を参照すると、ダスター10は、一般的に細長く、図示されるような、長手方向軸L−Lを有し得るが、他の形状が実行可能である。図示されるように、ダスター10は、ハンドル50に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0020】
ダスター10は、1つ以上の構成部分15を含んでもよい。構成部分15は、互いに積層されてもよい。各構成部分15は、第1の外側に面する選択的な洗浄面19、及びこれと反対側の、第2の内側に面する取り付け面を有し得る。個々の構成部分15は、当該技術分野において既知の、面を備えるダスター10として使用可能であり得る。面を備えるダスター10は、本発明のダスター10を形成する方法として、背中合わせの関係で利用されてもよい。
【0021】
図2〜3を参照すると、ダスター10は、1〜8つ又はそれ以上の層を含んでもよく、3〜6つの層が好適であることが見出されている。製造を容易にするため、ダスター10は、積層体を形成するように向かい合わせの関係で互いに接合される第1及び第2の構成部分15を含み得る。第1及び第2構成部分15は、ほぼ同様、又は同一であってもよく、背中合わせで接合され、それによって、各構成部分15が、ダスター10の内部で、他方の構成部分15の内側に面する表面に接合されるか、及び/又は接触する、内側に面する表面を有する。同様に、各構成部分15は、洗浄に好適な、外側に面する表面19を有してもよい。各構成部分15の、外側に面する表面19は、ほぼ180°離れた方向を向いていてもよい。別の実施形態では、ダスター10は、互いに120°離れた3つの構成部分15、互いに90°離れた4つの構成部分15を含んでもよく、同等でない角度で配置されるなどしてもよい。構成部分15は、互いに同一であり、製造における標準化及び利便性をもたらしてもよい。あるいは、複数の構成部分15は異なり、ハンドル50の形状にカスタマイズされてもよい。
【0022】
図2を参照すると、各構成部分15は、洗浄される目標の表面と、選択的に接触するための、任意の第1層11を含んでもよい。目標の表面は、例えば棚、若しくはカウンタートップなど、剛性であってもよく、又は、布、若しくは革など、柔軟であってもよい。
【0023】
第1層11は、不織布シートを含んでもよい。圧縮可能、及び/又は変形可能な第2層12が、第1層11に隣接してもよい。第2相12は、トウ繊維を含んでもよい。第2相12は、任意の第1層11が除かれる、又は妨げられる場合に、目標の表面に接触するために好適であり得る。第3層13が、第2相12に隣接してもよい。第3層13は、取り付け装置を備えるか、その上に取り付け装置を配置されているか、又は取り付け装置と並置されてもよい。第3層13は、不織布シートを含んでもよい。
【0024】
3つ以上の層11、12、13は、互いに接合されて、一体型構成部分15を形成してもよい。接合は、接着剤結合、ヒートシール、自溶結合など、当該技術分野において既知の、任意の手段を使用して達成されてもよい。結合は、ハンドル50を取り外し可能に取り付けるための、取り付け装置を提供する、パターンでなされてもよい。
【0025】
図1を参照すると、ハンドル50は細長く、ハンドル取り付け部を有してもよい。ハンドル取り付け部は、ダスター10の取り付け装置に取り外し可能に取り付けられ、これから取り付け可能に取り外されてもよい。ハンドル取り付け部、及びダスター10取り付け装置は、これらが、これらの構成要素いずれかの、破壊又は過度の変形を伴うことなく、このような取り外し可能な取り付けを可能にする場合、補完的であるとみなされ、ハンドル50は、複数の用途を意図され、ダスター10は単一の洗浄作業を意図されるものと認識される。
【0026】
取り付け装置は、ダスター10の、任意の好適なハンドル50への取り外し可能な取り付けを提供し得る。ダスター10取り付け装置、及び補完的なハンドル取り付け部は、接着剤結合、粘着剤結合、機械的係合などを含んでもよい。取り付け装置は、構成部分15の内部にあるか、又は構成部分15を形成するために利用される層のいずれかの上に配置されてもよい。例えば、取り付け装置は、第3層13の上に配置されてもよい。
【0027】
図2〜3を参照し、ダスター10の構成要素をより詳細に観察すると、ダスター10は、少なくとも1つの、親水性不織布繊維の第1層11を含み得る。第1層11は、ハイドロフォーミングされた、及び/又は非平坦な、不織布であり得る。好適な不織布は、同一出願人による米国特許第6,797,357号、同第6,936,330号、同第D489,537号、及び/又は同第D499,887号によって作製され得る。
【0028】
第1層11は、この層11の残部とは独立して可動である、少なくとも1つの自由端を有し得る。一実施形態では、1つ以上の自由端は、不織布繊維の少なくとも一層を、第2層12に対して、部分的に結合することによって達成され得る。別の実施形態では、より多い量の自由端が、親水性不織布繊維を含む層を、複数のストリップ17に切断することによって、つくられ得る。
【0029】
ストリップ17は、長手方向に対して傾いていてもよく、これに直交してもよく、及び/又はXY平面内に配置されてもよい。ストリップ17は、互いに独立して動くことができ、ダスター10が比較的小さな空間に入ることを可能にする。動く自由端を備えた、少なくとも1つの層を有することにより、ダスター10の表面積が増して、より良好な洗浄を提供することがある。ストリップ17は、図3の左側に例示されるように、同等の長さ及び幅であり、鋸歯状の縁などによって画定される側部を有してもよく、又は、図3の右手に例示されるように、同等でない長さ及び幅であり、異なる側部を備えてもよい。
【0030】
第1層11の数に制限はなく、親水性又は疎水性であり、本発明と共に使用可能である。一実施形態では、それぞれ、約5〜約500g/m2の範囲に及ぶ、親水性不織布シートの、約2〜約20の層が、第1層11中で利用され得る。第1、第2、及び第3層11、12、及び13のいずれかが、吸収される汚れの保持を向上するために、ワックス及び/又はオイルでコーティングされてもよい。
【0031】
ダスター10の任意の第2層12は、トウ繊維などの、束繊維層を含んでもよい。2つの繊維は合成繊維であってもよい。第2層12は、第1及び第3層11、13と、任意の様式で並置されてもよい。本明細書で使用するとき、「束繊維」及び/又は「トウ」は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びセルロースアセテートを含むセルロース材料、並びにこれらの組み合わせを含む、合成ポリマーを含む、製造される繊維であって、個々の繊維が比較的長いストランドであり、束で製造される。束繊維は、区別可能な開始点及び終点を有し、少なくとも約1cmの長さである、任意の繊維として定義され得る。
【0032】
本発明のダスター10は、親水性不織布の吸収性よりも高い吸収性を有する吸収性コア(図示されない)を、任意に含み得る。コアは、第2層12と並置され、そのいずれかの面上に配置され得る。吸収性コアは、エアレイドされている、及び/又は吸収性ゲル材料を含んでいてもよい。吸収性コアは、ダスター10に剛性を提供し得る。吸収性コアは、ハンドル50に隣接して配置されるか、又は第1層11に並置されてもよい。ダスター10は、目標の表面に、より高い圧力を適用することを可能にする、専用の硬化層を、任意に含んでもよい。好適な硬化材料の非限定的な例としては、厚紙、PVAフォーム、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエステルフィルム、及びこれらの組み合わせ、硬質フォーム、ゴム、木材などが挙げられる。
【0033】
本明細書で使用するとき、吸収性コアは、70ksmの制限圧力下で、少なくとも約0.4mm厚さのキャリパーを有する親水性不織布材料を含んでもよく、これは、基材1グラム当たり少なくとも約7グラムの脱イオン水の、吸収性を追加的に有し得る。コアは、少なくとも約70g/m2、又は少なくとも約75g/m2、及び約500g/m2未満、又は約300g/m2未満の坪量を有し、約0.15未満、又は約0.10g/cm3未満の密度を備え、流体収容能力及び容量を最大化してもよい。吸収性コアは、洗浄流体の保持のための、リザーバとして機能し得る。
【0034】
第3層13は、残りの層11、12のためのシャーシを提供する、任意のシートを含み得る。第1層11は、例えばポリオレフィンフィルムなどのフィルム、不織布、又は、ほぼ平面であり、表面の洗浄に好適であるか、若しくは表面の洗浄に使用され得る他の材料を取り付けるために好適であるかのいずれかである、他の好適な可撓性材料であり得る。
【0035】
合成繊維不織布を含む第3の層13が好適であることが見出されている。合成繊維不織布は、溶融性であり、接着剤又は追加の材料を使用することなく、他の層の結合を可能にすることがある。2つ以上のプライの不織布、フィルムなどが、互いに結合されて、積層第3層13を形成してもよい。2つのプライは、所望により、同一、又は異なる大きさ、材料などであってもよい。
【0036】
2つ以上のプライが、熱接着、自溶結合、接着剤、又は当該分野において既知の他の手段によって、互いに接合されて、1つ以上の第3層13をつくってもよい。2つのプライの接着接合は、ハンドル50の歯52と補完的であり、これを受容することができる、スリーブ20を提供するパターンで提供されてもよい。結合は、歯52が、隣接する結合部の間につくられる、ポケット又はスリーブ20の中に挿入され得るように、ほぼ長手方向に向いた、パターンで提供されてもよい。図3に例示される、非限定的な、代表的な結合パターンは、連続的なものとして例示される中央軸部42を有するが、不連続的な中央軸部42の結合パターンもまた利用され得る。
【0037】
層11、12、13は、所定の結合パターンを使用して、互いに接合されてもよい。1つの好適な結合パターンは、中央長手方向結合部を含み、これはダスター10の構成部分15に軸部42を形成し、層を互いに接合する。この軸部42は、連続的な結合部であってもよい。二次結合部44は、軸部42の外側に配置されてよく、また、長手方向に向けられてよい。二次結合部44は、軸部42の反対側に対称に配置され、その間に長手方向に向けられるスリーブ20を画定してもよい。二次結合部44は、非連続的であってよい。
【0038】
中央軸部42結合部の外側では、パターンは、やはりほぼ長手方向に向けられた、連続的又は非連続的な結合部の、他のパターンであり得る。中央軸部42結合部と、中央軸部42の横方向すぐ外側に配置される外側結合部44との間の空間は、ハンドル50の歯52を受容するためのポケット又はスリーブ20をつくり得る。外側結合部44が、非連続的である場合、このような結合部は、ほぼ長手方向に向けられた、1つ以上の外側直線に提供されてもよく、単純化した場合(in a degenerate case)、長手方向軸L−Lに平行である。所望により、2つの外側直線が利用されてもよい。2つの第1直線は、中央軸部42に平行であり、かつこれの反対側でほぼ対称を成してもよい。
【0039】
所望により、追加的な結合部が、外側直線又は結合部の直線と並置されてもよい。このような追加的な結合部は、1つ以上の第3直線で提供され、ほぼ長手方向に向けられ、また、単純化した場合、長手方向軸L−Lと平行であってもよい。結合部の中央軸部42、及び結合部の第2直線44は共に、連続的、又は別個であり得る。結合部の第2直線44が双方とも不連続的である場合、ダスター10は、多くの場合において洗浄のために望ましいより厚い構成へと、より容易に形成され得ることが見出された。
【0040】
結合部42の第1直線、及び結合部の第2直線44は、非連続的である場合、任意の好適な形状であり得る。結合部の第1直線、及び結合部の第2直線44は、互いに長手方向にオフセットする個別の結合部を有し、ダスター10が、比較的厚い形状をとる傾向を増してもよい。更に、結合部42、44は、第1、第2、及び第3層、11、12、13を、一体型の構成部分15に接合するために使用されてもよい。同様に、結合部の単一のセットは、単一の構成部分15の層、及び複数の構成部分15を、接合して、一体型ダスター10を形成するために使用され得る。
【0041】
一方の構成部分15が、他方の上に配置されてもよく、それによって各構成部分15は、他方の構成部分15の各第1端部32、各第2端部34に対応する、第1端部32、及び第2端部34を有する。第1及び第2端部32、34は、長手方向に離間していてもよい。
【0042】
スリーブ20は、したがって、同等の大きさを有し、ダスター10の長手方向中心線に関し、対称に配置され得る。この構成は、ハンドル50の複数の歯52を同一にさせ、ハンドル50の製造の単純さを提供する。あるいは、スリーブ20は、異なる大きさであってもよく、又は構成部分15において、異なる位置を有してもよい。この構成は、ハンドル50及びダスター10が組み合わされ、適切な、専用の様式においてのみ組み立てられ得るという、利益をもたらす。
【0043】
同様に、歯52を受容するための、補完的な、少なくとも1つのスリーブ20は、ほぼ真っ直ぐであり、一定の、又は変化する断面図(テーパ形状など)を有してもよく、弾性の、若しくは非弾性の材料から作製されるか、又は、歯に係合するために、これに付加される弾性ストランドを有するなどしてもよい。スリーブ20の数は、補完的な歯の数よりも少ないか、これと等しいか、又はより多くてもよい。
【0044】
図1を参照し、ハンドル50をより詳細に観察すると、ハンドル50は、ダスター50取り付け機構への取り付けのための、1つ以上のハンドル取り付け部、及びユーザーによって把持される把持部54を有し得る。ハンドル50は、届く範囲と操作性を促進し、洗浄を改善するための目標の表面への圧力、及び目標の表面とユーザーの手の間隔を提供し得る。例えば、2001年10月25日に出願された、国際公開第02/34101(A1)号に例示されるように、ダスター10に取り外し可能に取り付けることができる、任意のハンドル50が想到される。ハンドル50は、ダスター10に、直接的に、取り外し可能に取り付けられてもよく、又は、機械的及び化学的手段を含む、任意の動作可能な接続部を使用した別の部材によって、間接的に接続されてもよい。非限定的な例として、フック・ループ式ファスナー、接着剤、粘着剤取り付け、又は機械的係合が、ハンドル50とダスター10を取り外し可能に取り付けるために使用され得る。機械的係合が選択された場合、ダスター10は、ダスター10の1つ以上の歯52と補完的であり、これを受容するための、スリーブ20を有し得る。ハンドル50の歯52は、ほぼ平坦かつ平面的であり、一定又は変化する断面を有してもよく、歯52の平面又はこれに垂直な平面において、曲線状であってもよく、同じ又は異なる大きさ及び形状であってもよい。
【0045】
歯52は、把持部54から、一端のみが突出していてもよい。歯52及び把持部54は、一体型/不可分であってもよく、又は互いに接合可能な2つ以上の部分を含んでもよい。歯52は、互いに対してほぼ平行であるか、又は傾いていてもよく、長手方向軸L−Lにほぼ平行に向いていてもよい。2つの歯52が図示されるが、ハンドル50は、単一の歯52、又は2つ以上の歯を含み得る。以下に記載されるように、歯52が、ダスター10に係合し、これを保持することを可能にする任意の構成が、好適である。把持部54はまた、ほぼ長手方向に向けられ、1つ以上の歯と平行で、一直線になるか又はこれからオフセットされていてもよい。ハンドル50は、テレスコープ式であるか、ないしは別の方法で、延伸可能/格納可能、及び/又は関節式であり得る。
【0046】
再び図2〜3を参照すると、スリーブ20、又は他の取り付け装置は、構成部分15の間、より具体的には、構成部分15の外側に面する層の間に配置される第1部分22を有してもよい。これは、スリーブ20の第1部分22が、審美的に心地の良いものである必要がなく、更に第1部分22が、使用中、又は更に包装及び輸送中に阻害されることから保護するという、利益をもたらす。
【0047】
スリーブ20、又は他の取り付け装置は、構成部分15の外側に配置される、第2部分24を更に有し得る。これは、第2部分24が、使用部位で可視であり、ハンドル50にとって、より具体的には、長手方向に向けられた取り付け部を有するハンドル50の歯52にとって、容易にアクセス可能であるという、利益をもたらす。第2部分24は、ハンドル50の任意の取り付け部の近位にあり得、ダスター10に取り付けられる際に、ハンドル50と最初に接触するスリーブ20の部分であり得る。構成部分15の間に配置される、スリーブ20の部分22は、スリーブ20の近位端が係合した後に、歯52によって一般的に係合される。
【0048】
少なくとも1つのスリーブ20の、第2又は外側部分24は、構成部分15のいずれか一方、又は両方の、1つ以上の第3層13と並置されるか、又はその上に配置されてもよい。例えば、スリーブ20は、2つの、ないしは互いに接合された、第3層13の間の開口部として形成されてもよい。あるいは、スリーブ20は、単一の第3層13上に配置されてもよい。スリーブ20は、結合部42、44によって画定される、周辺部を有し得る。結合部42、44は、ヒートシール、接着剤、弾性又は非弾性ストランドなどを含み得る。結合部42、44は、所望により、連続的、又は非連続的であってよい。
【0049】
構成部分15は、同一であり、長手方向にオフセットされるパターンで組み立てられてもよい。この構成は、第3層13の一部、及び同様に、この上に配置されるスリーブ20の部分24が暴露されることを可能にする。暴露される、スリーブ20の部分24、及び第3層13は、このとき使用部位が可視であり、ハンドル50にとってアクセス可能であり得る。加えて、係合した際、歯52と遠位にあるダスター10の部分は、これが、剛性をもたらす構成部分15を1つのみ有するために、より可撓性であり得る。この構成は、ダスター10の先端が、特殊な、又は特定の狭い形状の隙間などに届き得るという、利益をもたらす。
【0050】
構成部分15は、同等でない長手方向の長さ、及び同等若しくは同等でない、幅若しくは厚さであってもよい。その場合、より短い構成部分15が、より長い構成部分15上に、又はこれに関して配置されてもよく、それによって、それぞれの端部32は、長手方向にオフセットされる。この構成は、スリーブ20の第1端部32を暴露し、更に操作することなく、これを、ユーザーにとって可視、及びアクセス可能にする。
【0051】
図3の左手の部分を参照すると、異なる長さを有する構成部分15のそれぞれの第2端部34が、共有点で配置され、これによって同一延長の長手方向端部34を有してもよい。この構成は、スリーブ20のより多くの部分が暴露され、これを使用部位で容易にアクセス可能にし得る、という利益をもたらす。
【0052】
スリーブ20は、少なくとも5mmの長手方向寸法を有する、暴露される第2部分24を有し得る。この長さは、ほとんどのユーザーにとって、ハンドル50を操作し、これに取り付けるために十分である。
【0053】
あるいは、図3の右手の部分を参照すると、異なる長さを有する構成部分15のそれぞれの第2端部34が、より短い構成部分15の第1及び第2端部32、34の両方が、より長い構成部分15のそれぞれの第1及び第2端部32、24の、長手方向内側に配置されるように、配置されてもよい。この構成は、スリーブ20の2つの暴露される部分を有する形状を提供し得る。これは、ハンドル50の歯52が、スリーブ20に、長手方向のいずれからも挿入され得るという、利益をもたらす。
【0054】
必要であれば、スリーブ20、又はダスター10の他の取り付け装置は、ユーザーが、スリーブ20、又は他の取り付け装置を見出し、これを歯52、又はハンドル50の他の取り付け装置に、取り外し可能に取り付けることを補助するための、1つ以上のしるしを備えてもよい。例えば、スリーブ20は、ダスター10の残部の色と対比される色を有してもよい。加えて、又は別の方法として、矢印、又は他の視覚的信号が、ダスター10に、印刷されるか、ないしは別の方法で配置されてもよい。矢印、又は他の視覚的信号は、スリーブ20の長手方向及び/又は近位端を指定するために位置付けられてもよい。
【0055】
必要であれば、このようなしるしは、結合部42、44のパターン、又は個々の結合部42、44の形状によって提供されてもよい。例えば、第3層13が、比較的明るい色であり、下部の第2層12がより暗い色である場合、これらの層13、12を接合する結合部42、44は、暴露される層13よりも暗く見える。このより暗い色は、ユーザーが、ハンドル50及びダスター20を取り付ける/取り除くことを補助する、しるしを形成し得る、色の対比をもたらす。
【0056】
必要であれば、ダスター10は、任意により、洗浄溶液、又は外観のための表面の処理、若しくは消毒剤など、他の目的のために使用可能な他の溶液と共に使用されてもよい。洗浄溶液は、ダスター10に予め適用されて、予め湿らせたダスター10をつくってもよく、又はダスター10、及び/又は目標の表面に適用するために、別個のリザーバの内部に収容されてもよい。洗浄溶液は、大部分を占める水、又は少なくとも約60%、70%、80%、若しくは90%の水を含んでもよい。本発明と共に使用可能な洗浄溶液は、少なくとも約0.5、2、5、又は10重量%の固体を含んでもよい。別の実施形態では、洗浄溶液は、少なくとも約30重量%、又は少なくとも約50重量%の水性溶媒若しくは水、又はこれらの混合物を含む。本発明のダスター10は、同様に、非水性溶媒と共に使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面からくずを取り除くためのダスター(10)であって、前記ダスター(10)は、
向かい合わせの関係で接合された、少なくとも2つの構成部分(15)であって、前記構成部分(15)はそれぞれ、少なくとも1つの層を含み、目標の表面に接触するための、外側に面する表面(19)を有し、前記構成部分(15)はそれぞれ、前記目標の表面に適合するための、少なくとも1つの可撓性層を含む、構成部分(15)、並びに
前記ダスター(10)をハンドル(50)に、取り外し可能に取り付けるための取り付け装置であって、前記取り付け装置が、前記層の外側に配置される第1部分(24)であって、これにより前記取り付け装置の前記第1部分(24)がハンドル(50)によってアクセス可能であるように前記層の外側に配置される前記第1部分(24)、及び、前記構成部分(15)の前記外側に面する表面(19)の間に配置される第2部分(22)を含むことを特徴とする、取り付け装置を含む、ダスター(10)。
【請求項2】
前記取り付け装置が、ハンドルからの歯を受容するための細長いスリーブ(20)を含み、前記細長いスリーブ(20)が、前記層の少なくとも1つの外側に配置される近位端、及びここから長手方向に離れた遠位端を有し、前記遠位端は、前記層の間に配置される、請求項1に記載のダスター(10)。
【請求項3】
長手方向中心線を有し、前記ダスター(10)が、2つの細長いスリーブ(20)を含み、前記スリーブ(20)が、前記長手方向中心線に関して、相対して対称に配置される、請求項2に記載のダスター(10)。
【請求項4】
向かい合わせの関係で接合されて積層体を形成する、少なくとも2つの同一の構成部分(15)を含み、前記構成部分(15)の一方が、他方の構成部分(15)に対して長手方向にオフセットされている、請求項1〜3に記載のダスター(10)。
【請求項5】
向かい合わせの関係で接合されて積層体を形成する、少なくとも2つの構成部分(15)を含み、前記構成部分(15)の一方が、他方の構成部分(15)より大きな長手方向の寸法を有する、請求項1〜3に記載のダスター(10)。
【請求項6】
前記少なくとも2つの構成部分(15)が、向かい合う関係で接合され、前記構成部分のそれぞれが、長手方向軸に沿って細長く、目標の表面に接触するための外側に面する層(11)を有し、前記構成部分(15)はそれぞれ、前記目標の表面に適合するために、可撓性であり、前記取り付け装置は、前記ハンドルから歯を受容するために好適な細長いスリーブ(20)を含み、前記細長いスリーブ(20)は、前記層(11)の少なくとも1つの外側に配置される近位端、及びここから長手方向に離れた遠位端を有し、前記遠位端は、前記層(11)の間に配置される、請求項1に記載のダスター(10)。
【請求項7】
前記スリーブ(20)の前記外側に配置される部分が、前記層(11)の間に配置される、前記スリーブの前記部分よりも、小さい長手方向寸法を有する、請求項6に記載のダスター(10)。
【請求項8】
互いに接合されて、積層体を形成する、複数の層を含み、前記積層体が、2つの長手方向に細長い、外側に面する層(11)を含み、前記外側に面する層(11)はそれぞれ、トウ繊維、不織布シート、又はこれらの組み合わせを含み、前記外側に面する層(11)はそれぞれ、各第1端部、及びこれから長手方向に離間した各第2端部を有し、前記2つの外側に面する層(11)の前記第1端部は、長手方向に離間し、少なくとも1つの中央層(13)が、前記外側に面する層(11)の間に配置され、前記取り付け装置が、前記少なくとも1つ中央層(13)上に配置される、請求項1に記載のダスター(10)。
【請求項9】
前記スリーブ(20)が、長手方向に向けられ、かつ、その間に開口部を画定する複数の結合部によって形成される側部を有する、請求項8に記載のダスター(10)。
【請求項10】
前記スリーブ(20)が、ハンドル(50)を取り外し可能に受容する近位端を有し、前記スリーブ(20)の前記近位端を指定する視覚的しるしを更に含む、請求項2〜9のいずれか一項に記載のダスター(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−531194(P2010−531194A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514231(P2010−514231)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052648
【国際公開番号】WO2009/004579
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】