説明

複数成分の粒子を含む超吸収性材料

本発明は、個人の衛生のための吸収性物品の分野に関する。特定的には、本発明は、複雑な流体(例えば、経血のような体液)の改良された吸収性を有する超吸収性材料を提供する。本発明の内容において個人の衛生のために好ましい吸収性物品は、婦人用ケア吸収性物品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の衛生のための吸収性物品の分野に関する。特定的には、本発明は、複雑な流体(例えば、経血のような体液)の改良された吸収性を有する超吸収性材料を提供する。本発明の内容において個人の衛生のために好ましい吸収性物品は、婦人用ケア吸収性物品である。
【背景技術】
【0002】
水性流体を吸収するための超吸収体は、長い間当該技術分野において既知である。特に、およそ架橋ポリアクリレートのような乳幼児用おむつ材料の分野において、幅広く使用される。しかし、これらの材料が尿のような単純な水性流体を吸収するのに非常に適してはいるが、これらの材料は、血液及び経血のようなさらに複雑な水性流体を吸収するのに使用される場合には有用性がほとんどないことがわかっている。経血は、大量の物質を含有し、ポリアクリレートをブロックする傾向がある。このような材料は、金属イオンであり、ポリアクリレートのカルボン酸基と相互作用する。経血における他のこのような物質は、タンパク質、脂肪酸及び細胞片である。
【0003】
吸収性物品における臭気制御のための両方の材料の凝集粒子において吸収性ゲル化材料とキトサン物質とを組み合わせることが、EP−A−1,276,511号から知られている。しかし、このようなアグロメレーション手順のランダムな性質に起因して、このような凝集粒子におけるキトサン及び吸収性ゲル化材料の分布は極めて予想不可能である。この結果、例えば、過剰なキトサンを有する粒子を生じるか、又はその内部にのみキトサンを有する粒子を生じ、その目的とする機能性に明確に不利益を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、経血のような複雑な水性流体を効率よく吸収可能な超吸収性材料を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、酸性超吸収性樹脂とゲル形成多糖類とを組み合わせることによって、経血中に含まれる、超吸収性樹脂をブロックするそれらの周辺の物質(例えば、タンパク質、脂肪酸など)においてゲル化し、固定化し、複数成分の粒子を含む超吸収性材料を提供する。ゲル形成多糖類は、超吸収性樹脂粒子の表面に少なくとも存在するミクロドメインを形成する。このことは、ゲル形成多糖類が経血と相互作用するために最大化された効果的な表面を有することを確実にする。
【0006】
本発明の複数成分の粒子の特に好ましい実施形態では、上記ミクロドメインは、超吸収性樹脂粒子の表面上にのみ存在する。これによって、経血に主にさらされる超吸収性樹脂粒子の一部分のみにゲル形成多糖類が提供されることを確実にする。この構造は、本明細書中に開示される超吸収性材料を製造する場合、多糖類の使用を最適化する。
【0007】
本発明の別の好ましい実施形態では、ゲル形成多糖類は、3〜6のpHを有し、酸性である。
【0008】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、ゲル形成多糖類は、酸性キトサン塩で構築され、好ましくは、キトソニウムピロリドンカルボキシレート及びキトソニウムラクテート又はこれらの混合物から選択される。
【0009】
引用される全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれ、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書で使用するとき、「超吸収性樹脂」とは、その重量の少なくとも10倍の水を吸収できる材料を指す。本発明の超吸収性樹脂の例は、部分的に中和した酸性ポリアクリル酸材料である。本発明の超吸収性樹脂は粒子状材料である。
【0011】
本明細書において、「粒子状物質」又は「粒子」とは、多数の別個の粒子として存在する物質、すなわち、繊維状、フレーク、顆粒、ビーズなどの形態で存在する物質を指す。本発明の好ましい実施形態では、超吸収性樹脂は、30μm〜2mm、好ましくは100μm〜1mmの範囲の平均直径を有する顆粒の形態で存在する。
【0012】
本明細書で使用するとき、「平均直径」とは、1個の材料の最大断面長を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、「酸性」とは、水溶液中で7より小さいpHを確立する物質の性質を指す。
【0014】
本発明の超吸収性材料は、少なくともそれらの表面上に少なくとも1つのゲル形成多糖類のミクロドメインを提供する、酸性超吸収性樹脂粒子で構築される、複数成分の粒子を含む。
【0015】
本発明の超吸収性樹脂は、好ましくは、高濃度の負に帯電した基から生じる高い中和度を有する。好ましいわずかに中和した超吸収性樹脂のpHは、3.5〜6の範囲である。上記超吸収性材料は、官能基がアニオン性、すなわちスルホン基、サルフェート基、ホスフェート基、又はカルボキシル基である、超吸収特性を有するいかなる材料であってもよい。好ましくは、官能基はカルボン酸基である。本発明において使用するための特に好ましいアニオン性超吸収性樹脂は、合成アニオン性超吸収性樹脂である。
【0016】
一般に、官能基は、わずかに架橋されたアクリルベースポリマーに結合する。例えば、ベースポリマーは、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、ポリビニルスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、及びポリビニルモルホリンであってよい。これらのモノマーのコポリマーも使用することができる。特殊なベースポリマーには、架橋ポリアクリレート類、加水分解アクリロニトリルグラフト化デンプン、デンプンポリアクリレート類、及びイソブチレン無水マレイン酸コポリマー類が挙げられる。
【0017】
このような物質は、水と(例えば、尿、血液などと)接触してヒドロゲルを形成する。ヒドロゲルを形成する超吸収性樹脂のうち特に好ましい一種は、ポリ酸、特にポリアクリル酸系である。この種類のヒドロゲルを形成するポリマー材料は、水又は体液などの流体(すなわち、液体)と接触した際に、このような流体を吸収し、ヒドロゲルを形成するものである。これらの好ましい超吸収性樹脂は、一般的に、実質的に水不溶性の、わずかに架橋した、部分的に中和された、重合可能な不飽和の酸含有モノマーから調製されるヒドロゲル形成ポリマー材料を含む。このような材料において、不飽和の酸含有モノマーから形成されるポリマー成分は、ゲル化剤を全部含むか、又はデンプン若しくはセルロースのような他の種類のポリマー部分にグラフトされてもよい。アクリル酸をグラフトしたデンプン物質がこの後者の種類のものである。このように、好ましい超吸収性樹脂としては、加水分解アクリロニトリルグラフト化デンプン、アクリル酸グラフト化デンプン、ポリアクリレート、無水マレイン酸系コポリマー及びこれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましいアニオン性超吸収性樹脂は、ポリアクリレート及びアクリル酸グラフト化デンプンである。
【0018】
好ましい超吸収性樹脂のポリマー成分の性質が何であっても、このような物質は、わずかに架橋することができる。架橋は、これらの好ましいヒドロゲルを形成する吸収材料を実質的に水不溶性にするのに役立ち、架橋はさらに、ゲルボリュームを部分的に決定し、それらから形成されるヒドロゲルの抽出可能なポリマー特性を部分的に決定する。適切な架橋剤は、当該技術分野において周知であり、例えば、(1)少なくとも2つの重合可能な二重結合を有する化合物;(2)少なくとも1つの重合可能な二重結合、及び酸含有モノマー材料と反応性の少なくとも1つの官能基を有する化合物;(3)酸含有モノマー材料と反応性の少なくとも2つの官能基を有する化合物;並びに(4)イオン架橋を形成可能な多価金属化合物が挙げられる。上述の種類の架橋剤は、米国特許第4,076,663号(マスダ(Masuda)ら、1978年2月28日発行)に非常に詳細に記載されている。好ましい架橋剤は、不飽和モノ−又はポリカルボン酸とポリオールとのジ−又はポリエステル、ビスアクリルアミド及びジ−又はトリアリルアミンである。特に好ましい架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリアリルアミンである。架橋剤は、一般的に、好ましい材料の約0.001モル%〜5モル%含まれる。さらに好ましくは、架橋剤は、本発明で使用されるゲル化材料の約0.01モル%〜3モル%含まれる。
【0019】
本発明において使用される好ましい超吸収性樹脂は、吸収性物品において直面する流体を吸収する比較的高い能力を有し;この能力は、上記超吸収性樹脂の「ゲルボリューム」を参照することによって定量化することができる。ゲルボリュームは、任意の所与の吸収ゲル化剤バッファーによって吸収される合成尿の量の観点から定義することができ、ゲル化剤1グラムあたりの合成尿のグラム数として特定される。
【0020】
合成尿におけるゲルボリューム(ブラント(Brandt)ら、以下を参照)は、合成尿約20部を用いて試験される乾燥超吸収性樹脂約0.1〜0.2部の懸濁液を形成することによって決定できる。この懸濁液は、膨潤平衡が得られるように、約1時間穏やかに攪拌しながら、周囲温度に維持される。次いで、ゲルボリューム(超吸収性樹脂1グラムあたりの合成尿のグラム数)が、懸濁液中のゲル化剤の重量分画及び形成されたヒドロゲルから排出された液体の体積対懸濁液の全量の比率から計算される。本発明において有用な好ましい超吸収性樹脂は、超吸収性樹脂1グラムあたり、合成尿約20〜70グラムのゲルボリュームを有し、より好ましくは約25〜60グラムのゲルボリュームを有する。
【0021】
最も非常に好ましい超吸収性樹脂の別の特徴は、この材料中に存在する抽出可能なポリマー材料のレベルに関する。抽出可能なポリマーのレベルは、好ましい超吸収性樹脂のサンプルと合成尿溶液とを、抽出平衡に達するのに必要なかなりの時間(例えば、少なくとも16時間)接触させ、次いで形成されたヒドロゲルを上清液からろ過し、最後にろ液のポリマー含量を決定することによって、決定することができる。本発明の好ましい吸収ゲル化剤バッファーの抽出可能なポリマー含量を決定するために使用される特定の手段は、米国特許第4,654,039号(ブラント(Brandt)、ゴールドマン(Goldman)及びイングリン(Inglin)、1987年3月31日発行、再発行32,649)に記載されている。本発明の吸収性物品において特に有用な超吸収性樹脂は、超吸収性樹脂の約17重量%を超えない、好ましくは約10重量%を超えない合成尿において平衡の抽出可能な含量を有するものである。
【0022】
わずかに架橋したヒドロゲル形成性の超吸収性樹脂のうち好ましいものは、一般に部分的に中和した形態で使用される。本明細書に記載の目的では、このような材料は、ポリマー形成に用いられるモノマーの少なくとも25モル%、好ましくは少なくとも50モル%が塩生成カチオンで中和された酸性基含有モノマーであるときに、部分的に中和しているとみなされる。好適な塩生成カチオンには、アルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム及びアミンが挙げられる。この中和された酸性基含有モノマーである、利用される総モノマーの割合は、「中和度」と呼ばれる。通常は、市販のアニオン性超吸収性樹脂の中和度は、およそ25%〜90%である。
【0023】
上に記載された本発明の超吸収性樹脂は、別個の粒子の形態で典型的には使用される。このような超吸収性樹脂は、任意の望ましい形状であることができ、例えば、球状又は半球状、キュービック、棒状の多面体などである。最大寸法/最小寸法比を有する形状(針状及びフレーク状)も、本発明において使用することが考慮される。超吸収性樹脂粒子の凝集体もまた使用されてもよい。
【0024】
超吸収性樹脂粒子のサイズは、広範囲に変動してもよい。産業的な衛生の理由のために、約30μmよりも小さな平均粒子サイズは望ましくない。約2mmよりも大きな最小寸法を有する粒子はさらに、吸収物品においてざらざらする感覚を生じる場合があり、消費者の美観の観点から望ましくない。さらに、流体の吸収速度は、粒子サイズによって影響を受ける場合がある。より大きな粒子は、吸収速度が非常に遅くなる。本発明において使用するために好ましいものは、実質的に全ての粒子が約30μm〜約2mmの粒子サイズを有する超吸収性樹脂粒子である。本明細書で使用するとき、「粒子サイズ」とは、個々の粒子の最少寸法の重量平均を意味する。
【0025】
複数成分の粒子を形成するために、超吸収性樹脂粒子は、少なくともそれらの表面上に少なくとも1つのゲル形成多糖類を伴って提供される。ゲル形成多糖類は、ミクロドメインとして超吸収性樹脂粒子に提供され、超吸収性樹脂粒子の少なくとも表面上に存在する。本明細書で使用するとき、「ミクロドメイン」とは、複数成分の粒子の中又は上の別個の領域を指し、この領域は、ゲル形成多糖類によって構築される。ミクロドメインは、1nm〜200μm、好ましくは20nm〜100μm、より好ましくは30nm〜1μm、最も好ましくは40nm〜800nmの範囲の平均直径を有する。1つの実施形態では、ミクロドメインは、超吸収性樹脂粒子の表面全体がゲル形成多糖類で覆われるように、互いに接触することができる。別の好ましい実施形態では、ミクロドメインは、超吸収性樹脂粒子の全表面の70%を超えて覆うことはない。この実施形態の利点は、経血のような複雑な体液と主に接触するのが超吸収性樹脂粒子の表面積のみであることであり、超吸収性樹脂粒子の表面積のみにゲル形成多糖類が提供され、非常に効果的に多糖類を使用することになることである。さらに好ましい実施形態では、ミクロドメインは、超吸収性樹脂粒子の体積全体の90%以下を構築する。小さいサイズのミクロドメインの利点は、ゲル形成多糖類の活性表面、すなわち経血にさらされる表面が、使用されるゲル形成多糖類の重量に対して非常に大きいことである。
【0026】
本明細書で使用するとき、「ゲル形成多糖類」とは、水性流体をゲル化可能な多糖類材料を意味する。本発明のゲル形成多糖類はさらに特定的には、体液のような電解質を含有する流体に結合可能な多糖類を意味する。本明細書中の定義に従うゲル形成多糖類は、近くの負に荷電した分子に対して静電的に作用し、それらの周囲に保持される。ゲル形成多糖類の正に荷電したカチオン性基(例えば、キトサン中の四級アンモニウム基)は、体液中に存在する負に荷電したアニオン性官能基(例えば、タンパク質又は脂肪酸のカルボン酸基)を有する分子と相互作用する。このことは、キトサン物質とアニオン基を有するこのような分子との間の三次元網状組織の形成を生じる(体液のゲル化)。このゲル化は、体液中に存在する他の分子(脂質、酸など)をさらにトラップする。
【0027】
本発明のゲル形成多糖類の例は、アラビアゴム、イナゴマメゴム、寒天、アルギネート、ジェランガム、カラギナン、ペクチン、キサンタンガム、グルコマンナン、ラミナリン、デキストラン、キチン又はグアーガムである。好ましいゲル形成多糖類は、キトサン物質であり、3〜6の範囲のpHを有する酸性キトサン物質が特に好ましい。特に好ましいゲル形成多糖類は、酸性キトサン塩であり、特にキトソニウムピロリドンカルボキシレート及びキトソニウムラクテートである。後者の材料は、超吸収性樹脂をブロックする経血中の材料をゲル化する観点において例外的に効果的であることがわかった。特定の実施形態では、水溶性を減らし、ゲル強度を高めるために、ゲル形成多糖類を架橋することが有益である。
【0028】
本発明の超吸収性材料の複数成分の粒子は以下の2つの特徴的な機構を組み合わせたため、経血のような複雑な流体の吸収の観点から従来技術よりも優れている:1つは、酸性超吸収性樹脂が高い水吸収能を有すること、もう1つは、ゲル形成多糖類が超吸収性樹脂をブロックする複雑な流体の成分をゲル化によって結合する能力を有することである。このことによって、超吸収性樹脂が実質的にブロックされないままであり、最適な程度まで水性流体を吸収する能力を満たすことができることが容易に理解される。上に概説したように、好ましい実施形態では、本発明のミクロドメインは、複数成分の粒子の表面のみに存在する。このことは、最適化されたゲル形成多糖類を利用する利点を提供する。というのは、この材料は、複数成分の粒子と例えば経血との接触領域においてのみ存在するからである。一方、上に十分に述べられたように、水性流体が吸収されるために超吸収性樹脂に近づくのを困難にしないために、ゲル形成多糖類によって複数成分の粒子の表面全体が覆われないことが有益である。さらに、ミクロドメインが小さいほど、活性表面は大きくなる。このように、非常に小さなミクロドメインが使用される場合、特にナノメーター範囲の平均直径を有するミクロドメインが使用される場合、同じ有益な効果が、さらに大量のより大きなミクロドメインと比較して少量のゲル形成多糖類を用いて達成することができる。
【0029】
本明細書において、「キトサン物質」とは、キトサン類、修飾キトサン類、架橋キトサン類、キトサン塩類、又はこれらの混合物をも意味する。キトサンは、天然多糖類であるキチンを部分的又は完全に脱アセチル化したものである。実に、キトサンは、通常はキチン(ポリ−β(1,4)−N−アセチル−D−グルコサミン)を脱アセチル化することによって調製されるアミノ多糖類である。
【0030】
キトサンは、単一で明確な化学存在物ではないが、製造条件によって組成が変動する。キトサンは、十分に脱アセチル化され溶解性のアミン塩を形成するキチンとして等価に定義されてもよい。キトサンは、D−グルコサミオンのβ(1,4)−多糖類であり、セルロースにおけるC−2ヒドロキシル基が、キトサンにおける一級アミン基と置換されたことを除いて、構造的にセルロースと類似している。大量の遊離アミン基は、キトサンを高分子弱塩基にする。キトサンの溶液は、一般的に非常に粘稠であり、天然ゴム類の溶液と似ている。
【0031】
本明細書で使用されるキトサンは、好適には比較的純度の高いものである。純キトサンの製造方法は、周知である。一般的には、キチンは粉末に粉砕されて、酢酸など、有機酸で非鉱物化される。次に、水酸化ナトリウムなどで塩基処理してタンパク質及び脂質を除去した後、40%水酸化ナトリウムなどの濃縮塩基で処理してキチンを脱アセチル化する。形成されたキトサンを、望ましいpHに達するまで水で洗浄する。
【0032】
キトサンの特性は、その高分子電解質及びポリマー炭水化物の特質と関連している。故に、キトサンは、水に、約7を超えるpHのアルカリ溶液に、又は疎水性有機溶媒にほぼ不溶性である。一般に、ギ酸、酢酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、及びクエン酸などの有機酸の希釈水溶液には容易に溶解し、例えば硫酸は除き、鉱酸の希釈水溶液にも容易に溶解する。一般にキトサンを溶解するのに要する酸の量は、アミノ基の量と化学量論的におよそ比例する。キトサン中に存在するアミノ基のpKaは6.0〜7.0であるため、極めて低濃度の酸又はほとんど中性に近い溶液中でプロトン化することができ、このバイオポリマーはカチオン性の性質を有するようになる。このカチオン性の性質は、キトサンの利点の多くの基本である。実際に、キトサン物質は、タンパク質のような負に荷電した表面と相互作用可能な(例えば、微生物のタンパク質性壁構築物と干渉し、抗菌剤として作用することによって、及び/又は体液(例えば経血)中に存在するタンパク質と反応し、このような流体のゲル化剤として作用することによって)高い電荷密度を有する直鎖高分子電解質としてみなすことができる。
【0033】
理論によって制限されることを望まないが、キトサン物質は、電解質を含有する流体(体液のような)を複数の機構によって保持すると考えられる。
【0034】
1つの機構は、構造内に水双極子分子を取りこむことによる従来の吸収である。正に荷電している四級アンモニウム基の場合、互いに反発し、分子間に空間が存在し、ここに水分子が浸透することができる。水のような双極子分子の浸透によって、これらの空間は、膨潤によって広げられ、さらなる水分子のためのさらなる空間が作製され得る。この機構は、分子伸張の限界に達するまで継続可能である。
【0035】
体液のような電解質を含有する流体をキトサン物質により結合する第2の機構は、ゲル化である。キトサン物質は、近くの負に荷電した分子に対して静電的に作用し、その周囲に分子を保持する。キトサン物質の正に荷電したカチオン性基(例えば、四級アンモニウム基)は、体液中に存在する負に荷電したアニオン性官能基(例えば、タンパク質のカルボン酸基)を有する分子と相互作用する。このことは、キトサン物質とアニオン基を有するこのような分子との間の三次元網状組織の形成を生じる(体液のゲル化)。このゲル化は、体液中に存在する他の分子(脂質、酸など)をさらにトラップする。電解質を含有する流体に対するキトサン物質のゲル化性に起因して、キトサン物質がこのような流体に濡れることによって液体の障壁が作製される。
【0036】
本明細書に用いるのに好ましいキトサン物質は、70%を超える、好ましくは80〜約100%の平均脱アセチル化度(D.A.)を有する。この脱アセチル化度は、脱アセチル化されたアミン基の割合を指す。この特質は、このバイオポリマー中に存在する水素結合に直接関係し、その構造、溶解度、及び最終的にはその反応性に影響を及ぼす。脱アセチル化度は、滴定、色素吸着法、UV/vis、IR、及びNMR分光法によって測定することができる。脱アセチル化度は、キトサンのカチオン性に影響を与える。脱アセチル化度を増すことによって、キトサン物質のカチオン性が増大し、そのゲル化能も増加する。
【0037】
本明細書に用いるのに好適なキトサン物質には、実質的に水溶性のキトサンが含まれる。本明細書で使用するとき、物質が大量の水にほぼ溶解して透明かつ安定した溶液を形成し、それによって元来の粒子状形態を失い、本質的に水溶液全体にわたって分子分散するようになるときに、その物質が水溶性であるとみなされる。本明細書に用いるのに好ましいキトサン物質は、水溶性であり、すなわち、25℃、1気圧において、水100gに少なくとも1g、好ましくは少なくとも3gのキトサン物質が溶解する。本明細書では、所与の化合物の「溶解度」とは、25℃、1気圧において、脱イオン水に沈殿を生じずに溶解した前記化合物の量と理解すべきである。一般的に、架橋によってキトサン物質が非水溶性になるので、水溶性キトサン物質はさらに高い架橋度を含まない。
【0038】
キトサン物質は、一般的に、広範囲の分子量を有する。幅広い分子量を有するキトサン物質が、本発明に使用するのに好適である。典型的には、本発明において使用するためのキトサン物質の分子量は、1,000〜10,000,000g/gmであり、より好ましくは2,000〜1,000,000g/gmである。分子量とは、平均分子量を意味する。キトサン物質の平均分子量を測定する方法は、当業者には既知である。典型的な方法には、例えば、光散乱法、固有粘度、及びゲル濾過クロマトグラフィーが挙げられる。一般に、キトサン物質の分子量は、ブルックフィールド粘度計を用い、25℃で1.0重量パーセント水溶液におけるその粘度で表すことが最も好都合である。キトサン物質の粘度は、1.0重量%の酢酸水溶液を使用するなどして、対応するキトサン塩の粘度を測定することにより、間接的に測定するのが一般的である。本発明において使用するのに好適なキトサン物質は、25℃で、1.0重量%の水溶液における粘度が、好適には約10mPa・s(10センチポアズ)〜約100,000mPa・s(100,000センチポアズ)、より好適には約30mPa・s(30センチポアズ)〜約10,000mPa・s(10,000センチポアズ)、なおより好適には7000mPa・s(7000センチポアズ)である。
【0039】
キトサン物質のpHはその調製法によって決まる。本発明において使用するのに好ましいキトサン物質は酸性pHを有し、典型的には3〜7の範囲、好ましくは約5である。本明細書において、キトサン物質のpHとは、1%キトサン物質溶液(蒸留水100gにキトサン物質1gを溶解)をpH計で測定したpHを意味する。さらに酸性pHを用いることによって、キトサン物質のカチオン性は増加し、そのゲル化能も増大する。但し、酸性度が高すぎると、皮膚の安全性に有害である。したがって、本明細書では、pHが約5であり、それによって一方での流体取扱特性と他方での皮膚との適合性との間の最良のバランスをもたらすキトサン物質を使用することが極めて好ましい。
【0040】
本明細書に用いるのに特に好適なキトサン物質は、キトサン塩、とりわけ水溶性キトサン塩である。キトサン塩類の生成には、様々な酸を使用することができる。使用に好適な酸は、水溶性であるか部分的に水溶性であり、キトサンのアンモニウム塩を生成するのに十分に酸性であるが、キトサンの加水分解を引き起こすほど酸性ではなく、キトサンの反応部位をプロトン化させるのに十分な量が存在する。
【0041】
好ましい酸は、次式によって表すことができる:
R−(COOH)
式中、nは1〜3の値であり、Rは、炭素と、水素と、任意で酸素、窒素、及び硫黄のうちの少なくとも1つとから成る、一価若しくは二価の有機ラジカルを表しており、又はRは単純に水素原子である。好ましい酸は、炭素、水素、酸素、及び窒素から成るモノ−及びジ−カルボン酸(以後、アミノ酸とも呼ぶ)である。このような酸は、人体に接触させて又は人体の近傍での使用が生物学的に許容可能であるので、本明細書に極めて望ましい。酸の例としては、前述したものに加えて、特に、クエン酸、ギ酸、酢酸、N−アセチルグリシン、アセチルサリチル酸、フマル酸、グリコール酸、イミノ二酢酸、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、ニコチン酸、2−ピロリドン−5−カルボン(carboylic)酸、サリチル酸、スクシンアミド酸、コハク酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタル酸、マロン酸、ピルビン酸、スルホニル二酢酸、安息香酸、エポキシコハク酸、アジピン酸、チオ二酢酸、及びチオグリコール酸が挙げられる。キトサンとこれらの酸との反応によって生成されるいかなるキトサン塩も、本明細書に用いるのに好適である。
【0042】
無機酸によって生成されるキトサン塩の例には、キトサン塩酸塩、キトサン臭化水素酸塩、キトサンリン酸塩、キトサンスルホン酸塩、キトサンクロロスルホン酸塩、キトサンクロロ酢酸塩、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有機酸によって生成されるキトサン塩の例には、キトサンギ酸塩、キトサン酢酸塩、キトサン乳酸塩、キトサングリコール酸塩、キトサンマロン酸塩、キトサンエポキシコハク酸塩、キトサン安息香酸塩、キトサンアジピン酸塩、キトサンクエン酸塩、キトサンサリチル酸塩、キトサンプロピオン酸塩、キトサンニトリロ三酢酸塩、キトサンイタコン酸塩、キトサンヒドロキシ酢酸塩、キトサン酪酸塩、キトサンイソブチル酸塩、キトサンアクリル酸塩、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例えば無機酸と有機酸の両方を含む酸の混合物を用いて、キトサン塩を生成するのも好適である。
【0043】
本明細書に用いるのに極めて好ましいキトサン塩は、キトサンとアミノ酸との反応によって生成されるものである。アミノ酸は、酸性基とアミノ官能基の両方を含有する分子である。アミノ酸を使用することは、それらのキトサンアミノ酸塩がより高い皮膚適合性を有するので、極めて好ましい。実に、アミノ酸のほとんどが、皮膚に自然に存在している。ピロリドンカルボン酸のキトサン塩は、有効な保湿剤であり、皮膚に対する刺激がない。本明細書に用いるアミノ酸には、直鎖及び/又はシクロアミノ酸の両方が含まれる。本明細書に用いるアミノ酸の例には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンフェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン(istydine)、ヒドロキシプロリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な環状アミノ酸の例は、次式によるピロリジン−2−オンのカルボン酸であるピロリドンカルボン酸である:
【化1】

【0044】
本発明において使用するのに適切な他のキトサン物質としては、架橋度が低い架橋キトサン及び修飾キトサンが挙げられる。本発明において使用するための好適な架橋剤は、キトサン物質上にある活性基と反応できる、少なくとも2つの官能基又は官能性を有する有機化合物である。このような活性基の例には、カルボン酸基(−COOH)、アミノ基(−NH)、又はヒドロキシル基(−OH)が挙げられるが、これらに限定されない。このような好適な架橋剤の例には、ジアミン類、ポリアミン類、ジオール類、ポリオール類、ジカルボン酸類、ポリカルボン酸類、アミノカルボン酸類、アミノポリカルボン酸類、ポリオキシド類などが挙げられるが、これらに限定されない。キトサン物質溶液に架橋剤を導入する方法の1つは、溶液の調製時に架橋剤とキトサンとを混合することである。別の好適な架橋剤には、2より多い正電荷を有する金属イオン、例えば、Ca2+、Al3+、Fe3+、Ce3+、Ce4+、Ti4+、Zr4+及びCr3+が含まれる。キトサンのカチオンが抗菌特性を有するので、本明細書では、代わりになる利用可能な架橋剤がない場合を除き、カチオンと反応する架橋剤を使用しないことが好ましい。
【0045】
適切なキトサン物質は多くの業者から市販されている。市販のキトサン物質の代表的なものは、例えばヴァンソン社(Vanson Company)から入手可能なものである。本明細書に用いるのに好ましいキトサン塩は、脱アセチル化度が85%を超え、水への溶解度が1%(25℃、1気圧において蒸留水100gに1g溶解可能)、pHが約5のキトサンピロリドンカルボン酸塩(キトソニウムピロリドンカルボキシレートとも呼ばれる)である。キトソニウムピロリドンカルボキシレートは、アマコール社(Amerchol Corporation)からキタマー(Kytamer)(登録商標)PCという名称で市販されている。本発明において使用するために好ましい別のキトサン塩は、キトサンラクテート(乳酸のキトサン塩)であり、ヴァンソン社(Vanson Company)(アメリカ合衆国、ワシントン州、レッドモンド)から市販されている。
【0046】
(吸収性構造体及びこれを含有する吸収性物品)
用語「吸収性構造体」は、吸収性物品において使用するのに適切な吸収ウェブを記載するために本明細書で使用される。吸収性部材は、実質的に互いに対向するように整列された2つの表面を含む。第1表面及び第2表面は、吸収性部材の厚みによって互いに空間を空けられている。吸収性部材は、本発明の超吸収性材料を含む。本発明による吸収性部材は、吸収性物品中の吸収性コア又はいわゆる第2のトップシート又は第2のバックシートとして使用することができる。吸収性部材は、典型的に、孔、穴、開口、繊維間の格子状の空間などの形態で顕著な内部空隙を有する。本発明において使用するための吸収性部材の例は、繊維ウェブ、例えば、天然若しくは合成繊維若しくはこれらの組み合わせを含む不織布又は布地、又は有孔ポリマー皮膜若しくは発泡体材料である。実際に、本発明による吸収性部材は、ブレンド又は混合物を含む種々の繊維のいずれかから作製することができる。繊維は、セルロース、変性されたセルロース、又は親水性の合成物であることも可能で、また木材パルプ、レーヨン、木綿、セルロース系アセテート、ポリエステル、ナイロンなどの繊維を包含する。吸収性部材は、当該技術分野のこの目的のために既知の任意の適切な方法にしたがって作製することができる。本発明による繊維性吸収性部材は、乾燥レイイング、特にエアレイイング、メルトブローイング又はスパンボンディングなどの適切なプロセスによって作製することができる。本発明による皮膜状又は泡状吸収性部材は、このような目的に適切なプロセスによって作製される。本発明において使用するために特に非常に好ましい吸収性部材は、親水性繊維ウェブである。本明細書で使用するとき、「親水性」とは、90°未満の空気中での水の接触角を有する材料を指し、一方、「疎水性」とは、本明細書で、90°以上の空気中での水の接触角を有する材料を指す。親水性繊維(例えば、木材パルプ繊維のようなセルロース繊維)を含む吸収性部材は、親水性繊維が液体吸収性であり、それ故に吸収性部材の全体的な吸収性を高めるため、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、又は拭き取り用品としてこのような製品において特に有用である。好ましくは、本発明において使用するための吸収性部材は、セルロース繊維及び親水性合成繊維のブレンドから作製することができ、典型的には、約65重量%〜95重量%のセルロース繊維を含み、より好ましくは、約20重量%までの親水性合成繊維を含む。ステープル長を含む任意の長さで提供可能な親水性合成繊維は、吸収性部材の強度を高めることができる。疎水性繊維又は皮膜(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンから作製される繊維)はさらに、本発明の吸収性部材において使用されてもよいが、但し、それらは、好ましい吸収性部材の吸収能力を減少させないために、例えば、その表面が親水性になるように処理される。
【0047】
他の実施形態では、吸収性構造体は、発泡体材料から主に作製され、その中に超吸収性材料が配置される。
【0048】
本発明のなおさらなる実施形態では、吸収性構造体は、接着剤、好ましくはホットメルト接着剤から主に作製され、その中に超吸収性材料が配置される。
【0049】
本発明の吸収性構造体は、1つの層のみで構成することができる。あるいは、本発明の吸収性構造体は、複数の層で構成することができる。
【0050】
1つの実施形態では、超吸収性材料は、吸収性構造体全体に比較的均一に配置される。本発明の別の実施形態では、本発明の超吸収性材料は、層の中に濃縮され、吸収性構造体の表面に対して実質的に平行に広がり、これらの表面の間に配置される。
【0051】
好ましい実施形態では、本発明による吸収性構造体は、吸収性物品の吸収性コアにおいて使用される。
【0052】
本明細書において、用語「吸収性物品」とは、流体及び/又は滲出物、とりわけ体液/身体滲出物を受けること及び/又は吸収すること及び/又は収容すること及び/又は保持することのできる、任意の物品を含む非常に広い意味で用いられる。本発明で称される吸収性物品は、典型的には、流体透過性トップシートと、好ましくは水蒸気及び/又は気体透過性である流体不透過性バックシートと、それらの間に含まれる吸収性コアとを含む。本発明の状況で特に好ましい吸収性物品は、使い捨て吸収性物品である。本発明による典型的な使い捨て吸収性物品は、おむつ、外科用及び創傷包帯、及び発汗パッド、失禁パッド、好ましくは、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間装置などのような婦人衛生用吸収性物品である。
【0053】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数成分の粒子を含む超吸収性材料であって、前記複数成分の粒子は、それらの表面に少なくとも1つのミクロドメインを有する水膨潤性の酸性超吸収性樹脂粒子から構築され、前記少なくとも1つのミクロドメインが、少なくとも1つのゲル形成多糖類によって構築され、前記少なくとも1つのミクロドメインが、1nm〜200μmの範囲の平均直径を有することを特徴とする、超吸収性材料。
【請求項2】
前記ゲル形成多糖類が酸性であり、3〜6のpHを有する、請求項1に記載の超吸収性材料。
【請求項3】
前記ゲル形成多糖類が、キトソニウムピロリドンカルボキシレート、キトソニウムラクテートのリストから選択される酸性キトサン塩である、請求項1又は2に記載の超吸収性材料。
【請求項4】
前記ゲル形成多糖類が架橋されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の超吸収性材料。
【請求項5】
前記超吸収性樹脂の粒子が、部分的に中和されたポリアクリル酸、ポリ乳酸、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(ビニル硫酸)からなる群から選択される超吸収性樹脂で製造される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の超吸収性樹脂。
【請求項6】
前記酸性超吸収性樹脂粒子が、3.5〜6のpHを有する超吸収性樹脂で製造される、請求項5に記載の超吸収性樹脂。
【請求項7】
前記酸性超吸収性樹脂粒子が、架橋された超吸収性樹脂から製造される、請求項5又は6に記載の超吸収性樹脂。
【請求項8】
前記超吸収性樹脂対前記ゲル形成多糖類の重量比が90:10〜10:90の範囲である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の超吸収性樹脂。
【請求項9】
前記酸性超吸収性樹脂粒子が、30μm〜2mmの範囲の平均直径を有する顆粒として存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の超吸収性材料。
【請求項10】
前記少なくとも1つのミクロドメインが、20nm〜100μm、好ましくは30nm〜1μm、より好ましくは40nm〜800nmの範囲の平均直径を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の超吸収性材料。
【請求項11】
さらなるミクロドメインが、前記複数成分の粒子の内部に存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の超吸収性材料。
【請求項12】
前記複数成分の粒子の内部には前記ミクロドメインが含まれない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の超吸収性材料。
【請求項13】
前記ミクロドメインが、前記複数成分の粒子の表面上に少なくとも互いに接触する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の超吸収性材料。
【請求項14】
前記複数成分の粒子の前記表面が、前記ミクロドメインによって完全に覆われている、請求項12に記載の超吸収性材料。
【請求項15】
個人の衛生のための吸収性物品において使用するための吸収性構造体であって、キャリア材料及び超吸収性材料を含み、前記超吸収性材料が、請求項1〜14のいずれか一項に記載の超吸収性材料であることを特徴とする、吸収性構造体。
【請求項16】
前記キャリア材料が、親水性繊維、疎水性繊維又はこれらの組み合わせから選択される繊維材料である、請求項15に記載の吸収性構造体。
【請求項17】
前記キャリア材料が、発泡体材料である、請求項15に記載の吸収性構造体。
【請求項18】
前記キャリア材料が、接着剤であり、好ましくはホットメルト接着剤である、請求項15に記載の吸収性構造体。
【請求項19】
前記吸収性構造体が、1個のみの連続層を含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の吸収性構造体。
【請求項20】
前記吸収性構造体が、1個より多い層を含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の吸収性構造体。
【請求項21】
個人の衛生のための使い捨て吸収性物品であって、前記物品が請求項15〜20のいずれか一項に記載の吸収性構造体を含む、使い捨て吸収性物品。

【公表番号】特表2007−514051(P2007−514051A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545609(P2006−545609)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/043325
【国際公開番号】WO2005/063310
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】