説明

複数検体同時熱分析方法及び装置

【課題】多数の検体の融点測定などの熱分析を同時にかつ非接触で行うことができる簡単な方法、装置を提供する。
【解決手段】複数の検体1を載せた容器2をホットプレート3上で昇温させながら、赤外カメラ4で赤外像を観測する。検体1が固体の間はホットプレート3よりも温度上昇が遅れるが、溶解するとその熱伝導性が急に上昇するため、赤外像から観測される検体1の表面温度も急上昇する。これより、検体1が多数存在しても、それぞれの融点を同時に求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーモグラフィを用いて複数個の検体の融点測定などの熱分析を同時に実行する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医薬品開発においては、結晶多形探索のため、96ウェルを用いたハイスループットスクリーニングを行う。従って、粉末X線解析やHPLCなどの様々な分析機器が96ウェル測定に対応しているが、唯一対応できていないのが熱分析である。従来技術において熱分析を行う場合には、全てのウェルについてまとめて熱分析を行うのではなく、各ウェルから検体を回収して個別に熱分析を行う必要があったため、これが検体評価の律速段階となっていた。
【0003】
熱分析の一方法として、測定すべき試料に温度変化を与えながら、当該試料の熱特性分布を、そこからの赤外線を観測することによって行うことが、例えば特許文献1に提案されている。しかし、特許文献1の方法は単一の試料の熱特性分布を測定するのみであり、96ウェルを用いて行うような複数の検体の同時測定は想定されていない。
【0004】
検体の融点を赤外線で測定する簡便な方法としては、例えば特許文献2のような食肉中の脂肪の融点を測定する方法が提案されている。しかしながら、特許文献2に提案されている方法においても、複数の測定対象の同時測定は全く考慮されていない。また、融点を測定する方法自体も、食肉を表面から昇温させているため、別途散乱光を検出して判断する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消し、複数の検体に対する熱分析を同時に行う簡単な方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願発明においては、複数の検体のサーモグラフィ像を観測しながらこれら検体に伝熱媒体を介して同時に温度変化を与えていく。この過程では溶融前の検体の表面温度は伝熱媒体の温度変化に遅れて変化する。しかし、検体の温度が融点に達して検体が液化すると検体の熱伝導率が急上昇するため、検体の温度も融点において急激に変化する。この現象を利用し、サーモグラフィ像から検体の温度を求めることにより、複数の検体の熱分析を同時に行うことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多数の検体の融点測定などの熱分析を同時にかつ非接触で行うことができる簡単な方法及び装置が提供されるため、医薬品開発のみならず、多数の検体に対して多くの項目の測定を効率的に行うことが必要な場合の上述した隘路を解消するという大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の熱分析装置の構成例を示す概念図。
【図2】図1に概略を示す熱分析装置を使用した融点測定過程の赤外サーモグラフィ画像の例を示す図。
【図3】図1に概略を示す熱分析装置を使用して測定された標準検体であるインドメタシン及びグリセオフルビンの温度変化を示すグラフ。
【図4】温度変化のグラフから融点を決定する方法を説明する図。
【図5】図3の場合と同様にして測定された測定対象の検体であるマンニトール及びカルバマゼピンの温度変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。添付図面や説明はあくまでも本発明をわかりやすく説明するための例示であり、当然ながら本発明をこれらに具体的に記載されたものに限定する意図もまたその用に解釈すべき必然性も全くない。
【0010】
図1は本発明の装置の一構成例を概念的に説明するための図である。同図において、熱分析(ここでは融点測定)の対象となる複数の検体1を複数検体用容器2に収容して、温度制御を行うためのホットプレート3上に載せる。個々の検体の量は好適には0.1〜10mg、更に好適には0.5〜5mgである。検体量が少なすぎるとホットプレートなどの伝熱媒体との温度差が鮮明とならず測定が困難になる。逆に検体の量が多すぎた場合には融解に時間がかかり、融点を実際よりも高く評価してしまう可能性が高くなる。
【0011】
この状態を赤外カメラ4で撮影し、情報処理装置5で赤外像の観測や像中の複数の所要箇所の温度測定を行う。赤外カメラ4と検体1との距離はカメラの性能に依存するが、通常は5〜100cmが望ましい。
【0012】
赤外カメラ4で撮影した赤外像の観測やそのような赤外像から温度を測定することはサーモグラフィとして当業者に良く知られている技術であるため、その具体的な方法やそのような装置の構成についてはこれ以上の説明を省略する。
【0013】
赤外カメラ4でサーモグラフィ像を獲得しながらホットプレート3を昇温させる。昇温速度については、速度が遅いほど融点などの温度分解能が向上するが、当然ながら測定速度は低下する。本発明は、測定対象の複数の検体として医薬品の候補物質の結晶多形スクリーニング、すなわち多数の結晶化条件の下で作成された候補物質結晶の物理的性質を測定することでその物質が何種類の結晶多形を持つかを調べること、に好適に使用することができるが、通常行われるスクリーニングに使用する場合には、分解能と測定スループットの両者を勘案すれば、0.1〜30℃/minが好適であり、2〜20℃/minが更に好適である。
【0014】
また、昇温速度は一定である必要はない。予想される融点付近では昇温速度を低下させて融点測定の温度分解能を上げ、それ以外の温度範囲では昇温速度を大きくして測定時間の短縮を図るなど、昇温速度を柔軟に変化させて測定を行うことができる。
【0015】
ホットプレート3による昇温過程では、粉末状、粒子状などの検体1の温度は、その周囲にあるところの検体1が載っていないホットプレート3あるいは複数検体用容器2の温度よりも低い。しかし、検体1の温度が融点に到達すると検体1が融解し始めるため、その熱伝導性が突然上昇し、検体1の表面温度も急上昇する。この温度変化を観測することにより、たとえば温度変化率が不連続になる温度を検体1の融点であるとするなどの方法により、融点を判別することができる。そのような温度の具体的な求め方の例は実施例の項で説明する。
【0016】
赤外カメラ4は1つの点ではなく本質的にある広がりを持った面の赤外像を獲得するため、複数箇所、つまり複数の検体1の温度を同時にまた連続して観測することができる。
【0017】
もちろん、温度制御は昇温に限られるものではなく、高温から低温へ温度を降下させるなど、測定対象の検体の性質や目的、その他の測定環境に応じて適切な制御を行うことができる。
【0018】
また、図1は本装置を概念的に示しているが、実用的な装置では図1に示す個別の要素を一体のものとした構成としてもよい。また測定環境は、窒素環境などの特定のガス、減圧下などの通常の環境とは異なる雰囲気として空気による妨害を軽減することが必要、あるいは好ましい場合もあるが、通常の空気環境でも検体の十分な評価を行うことができる場合が多い。通常の空気環境以外の環境を必要とする場合には、検体、検体とホットプレート、あるいは更に赤外カメラまでを収容する容器、及びそのような特定の雰囲気を提供するための装置を上記装置に追加することができる。
【0019】
また、複数検体用容器を使用せずに、ホットプレートなどの伝熱媒体の上に検体を直接載せて測定を行うこともできる。
【0020】
また、本発明で熱分析を行う対象は医薬品化合物に限定されるものではなく、融点測定などの熱分析を行いたいという需要のあるものであれば分野は問わない。
【0021】
測定温度範囲は通常の熱分析の温度範囲がそのまま適用されるため、通常は室温〜1500℃の範囲であるが、医薬品粉体が測定対象の場合には室温〜400℃で十分である。
【0022】
なお、測定温度が非常に高い場合には検体や伝熱媒体は可視光も発するようになるので、カメラとしては赤外域ではなく(あるいは赤外域に加えて)可視光を検知する撮像素子を使用したものであってもよい。
【0023】
検体を載せるホットプレートなどの伝熱媒体、あるいは伝熱媒体の上に載せる複数検体用容器の種類には特に制限はない。しかし、光の反射は測定誤差の原因となるため、黒色またはそれに近い反射率の少ない色が好適である。また、これらは熱伝導性の高い材料で作成することが好ましい。
【0024】
また、熱分析は融点測定に限定されるものではなく、温度変化から解析、測定できる項目であればよい。カメラの性能向上や測定条件の綿密な最適化などにより、検体自身の僅かな温度変化を読み取ることをできるようにした場合には、結晶多形転移、脱水、ガラス転移、エンタルピー緩和なと、通常の熱分析で検出できる現象を全て検出可能となる。
【0025】
また、このような温度変化の観測に当たっては、測定対象である検体自体の温度だけを観測してもよいし、あるいはそのような検体自体の温度に加えて、基準となるような他のものの温度も観測することができる。そのような基準点となりえるものとしては、上述したような対象の検体近傍の伝熱媒体や標準検体などがある。検体自身の温度変化の勾配の変化点そのものを検出しようという場合には検定の温度を観測するだけで十分だが、検体の熱伝導度の変化に基づく検体と加熱媒体と間の温度差を観測した方が測定しやすい、あるいは測定精度が出やすいという場合には、基準点の温度もあわせて観測するのがよい。例えば、下の実施例の項で図2を参照しながら説明している融点の判別法では、検体の像が周囲と同じ色あるいは輝度になってその輪郭が見えなくなったことを以って検体が融解したと判断しているのであるから、結局検体の温度=サーモグラフィ像上での検体の色あるいは輝度をその基準点である周囲の温度=像の上での周囲の色あるいは輝度と比較しているのである。
【実施例】
【0026】
以下では本発明による具体的な融点測定の実施例を説明する。
【0027】
ホットプレート上で医薬品粉体を15℃/min程度で昇温させながら赤外線サーモグラフィ観察を行った。このようにして得られたサーモグラフィ像を図2の(a)〜(c)に示す。
【0028】
ここでは、粉体は検体ごとに夫々2〜10mgずつ使用した。昇温過程では粉体の表面温度上昇はホットプレート表面の温度上昇よりも遅れるのでホットプレートよりも低温になっている。したがって、サーモグラフィ像では粉体上の検体はその輪郭が鮮明に観測される。昇温を続けることによりホットプレート温度が粉体の融点に到達すると粉体は融解する。融解後はこの検体の熱伝導度が大きく上昇するため、画像上で観測される検体温度はその融点近くで急激に上昇し、ホットプレートの表面温度にほぼ一致する。したがって、このときの温度を読み取ることにより、検体の融点を決定することができる。
【0029】
サーモグラフィ画像から温度を決定するためには、測定対象の放射率設定が重要である。この放射率は標準検体を測定して簡易的に決定することができる。本実施例ではインドメタシン(融点173℃)とグリセオフルビン(融点221℃)を用いて放射率を決定し、それらの平均値を用いてマンニトール(融点176℃)とカルバマゼピン(融点190℃)とサルファメラジン(融点234℃)の測定を行った。結晶多形スクリーニングの場合は、全検体が同じ化合物であるため、結晶形が既知の原薬を標準検体として用いることができる。ただし、医薬品固体は白色〜黄白色の有機粉体であることがほとんどであり、必ずしも毎回放射率を決定しなくとも、実用上の大きな問題はない。
【0030】
図2は、標準検体であるインドメタシンとグリセオフルビン、並びに測定対象であるマンニトールとカルバマゼピンとサルファメラジンの検体をホットプレート上に設定した格子点上に配置して昇温して行ったときの3枚のサーモグラフィ像を時間の経過に沿って(つまり温度順に)並べたものである。すなわち図2(a)がもっとも温度が低いときの像、図2(b)がその次、図2(c)が更に温度を上げたときの像である。
【0031】
これらの図においては検体を縦方向に3行、横方向に5列に配置している。図中で最左列から最右列へ向かって夫々インドメタシン、マンニトール、カルバマゼピン、グリセオフルビン、サルファメラジンの検体を配置した。同じ列中の3つの検体としては同じ物質を配置した。
【0032】
図2(a)ではまだ低温であるためいずれの検体も溶解しておらず、そのためホットプレートよりも温度が低くなっている。そのため、これらの検体はサーモグラフィ像上では周囲からはっきり区別できる像として現れている。
【0033】
図2(b)では左側の2列、すなわちインドメタシンとマンニトールは完全にあるいはほとんど溶解している。したがって、これら2列上の検体の像は周囲に完全に溶け込んでいるかあるいはごく僅かに輪郭が見えるだけである。
【0034】
図2(c)では更に温度が上がっている。図から右端のサルファメラジン以外は溶解していることがわかる。
【0035】
したがって、ホットプレートを昇温させていって、サーモグラフィ像上で検体がその周囲に溶け込んで見えなくなった、あるいはほとんど見えなくなりかけたとき、サーモグラフィ画像から読み取ることのできた当該検体の温度、あるいはその近傍のホットプレートの温度が融点である。図2では同じ物質の検体を3個測定したので、夫々から求めた融点を平均すれば、より高い精度で当該物質の融点を求めることができる。
【0036】
図3は、ここで使用した標準検体であるインドメタシンとグリセオフルビンの、サーモグラフィ像温度の時間変化を示すグラフである。夫々のグラフで測定結果のカーブが3本プロットされているのは、図2からわかるように、標準検体も3個の検体を準備して夫々測定を行ったからである。
【0037】
夫々のカーブで勾配が急峻になっている時刻に対応する検体の温度が融点に達している。更に詳細に説明すれば、粉体状態の間はホットプレートよりも温度が低いが、それが急上昇してホットプレートの温度とほぼ同じになり、それ以降はホットプレートと同じ勾配であるところのより緩やかな勾配で温度が上昇していくように変化する。この、急峻な勾配からその後のより緩やかな勾配へ変化した時点の温度が融点である。融点を求める方法を時間対温度のグラフ上で図形的に表現すれば、図4に示すように、測定結果のカーブ上で傾きが急峻になっている区間の延長線とその区間を過ぎてまたグラフの勾配が緩やかになった区間の延長線を引き、これら2本の延長線が交わる点の温度を融点とする。つまりこれら2種類の温度変化を外挿することでこれらの変化の交点として、この検体の融解点を求める。
【0038】
このようにして検体の融点を求めることができるが、標準検体については融点がすでにわかっている。例えば図4ではインドメタシンの測定結果のカーブに上の方法を適用しているので、このようにして求められた温度は既知の融点である173℃になるはずである。従って、逆に、上のようにして求められた温度が既知の融点の温度になる放射率が、当該標準検体の放射率である。図3と図4の縦軸の温度目盛はこのようにして較正されたものであり、また図3の各グラフ上端に記載した放射率は、サーモグラフィから求められる各標準検体の物質の融点が既知の値を与えるような放射率である。また、ここで測定対象とした検体、つまりマンニトールとカルバマゼピンとサルファメラジンの放射率としては、標準検体であるインドメタシンの0.78とグリセオフルビンの0.83の中間の値である0.81を採用する。このようにして測定対象の検体の放射率を推定することにより、測定対象の検体についてのサーモグラフィ結果から求められる温度を較正した。図5の(a)と(b)には、夫々このようにして放射率を与えることにより温度軸を較正したグラフ上にプロットしたマンニトールとカルバマゼピンの時間対温度のカーブを示した。これらのカーブに、図4を使って説明した方法を適用することにより、夫々の融点を求めた。このようにして求められた融点はそれぞれ175℃と185℃となり、これらの物質について文献上で報告されている融点である176℃と190℃に夫々ほぼ一致した。
【0039】
なお、上述の実施例ではホットプレート(あるいは複数検体用容器)上に格子状に検体を配置する際に、各列に同一の検体を配置したが、実際には夫々の位置に別の性質を持っている(あるいは持っているかもしれない)検体を配置することができる。例えば、結晶多形スクリーニングにおいては、96ウェルを使用すれば、ウェル毎に異なる結晶化条件の下で作成された結晶を配置して上述の測定を行うことで、一度に96通りの結晶化条件についてのスクリーニングを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は多数の検体の熱分析を同時に行うことができるため、結晶多形スクリーニングのスループット向上などへ大きな貢献を提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 検体
2 複数検体用容器
3 ホットプレート
4 赤外カメラ
5 情報処理装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2004−325141
【特許文献2】特開2007−139682

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)から(c)のステップを設けた複数検体同時熱分析方法。
(a)分析対象の複数の検体に伝熱媒体により同時に温度変化を与える。
(b)前記複数の媒体からの電磁波を撮影してサーモグラフィ像を得る。
(c)前記サーモグラフィ像から得られた前記複数の検体の各々の温度変化に基づいて前記複数の検体の各々の熱分析を同時に行う。
【請求項2】
前記伝熱媒体はホットプレートである請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記伝熱媒体はホットプレート及び前記複数の検体を載せるとともに前記ホットプレートに熱的に接触する複数検体用容器を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記電磁波は赤外線である、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記温度変化は昇温であり、
前記サーモグラフィ像から前記複数の検体の各々の温度変化の急変に基づいて前記複数の検体の各々の融点を求める
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記温度変化は昇温であり、
前記サーモグラフィ像中の前記複数の検体の像が当該検体の周囲と実質的に区別できなくなることに基づいて前記複数の検体の各々の融点を求める
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記温度の急変と前記急変の後の温度変化の2つの温度変化を外挿することにより、前記複数の検体の各々の融点を求める、請求項5記載の方法。
【請求項8】
分析すべき事項の値が既知である物質を標準検体として熱分析を行うことにより当該熱分析結果に基づいて前記標準検体の放射率を求め、
前記標準検体の放射率に基づいて分析対象の検体の放射率を推定し、
前記推定された放射率に基づいて前記ステップ(c)の熱分析を行う
請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記標準検体と前記分析対象の検体に同時に温度変化を与える、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の複数検体同時熱分析方法を使用し、前記複数の検体として異なる結晶化条件の下で作成された複数の結晶を与えて熱分析を行う結晶多形スクリーニング方法。
【請求項11】
複数の検体を載せて前記複数の媒体に同時に温度変化を与えることができる伝熱媒体と、前記複数の検体からの電磁波を撮影してサーモグラフィ像を得る撮影装置とを設け、
前記サーモグラフィ像から得られた前記複数の検体の各々の温度変化に基づいて前記複数の検体の各々の熱分析を同時に行う複数検体同時熱分析装置。
【請求項12】
前記伝熱媒体はホットプレートである請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記伝熱媒体はホットプレート及び前記複数の検体を載せるとともに前記ホットプレートに熱的に接触する複数検体用容器を含む、請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記電磁波は赤外線である、請求項11から請求項13のいずれか一つに記載の装置。
【請求項15】
請求項11から請求項14のいずれかに記載の複数検体同時熱分析装置を使用し、前記複数の検体として異なる結晶化条件の下で作成された複数の結晶を与えて熱分析を行う結晶多形スクリーニング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−69652(P2011−69652A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219189(P2009−219189)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】