説明

複数電極アレイ・センサを用いた局所腐食度を測定する改良された方法

複数電極アレイ・センサを使用した局所腐食を測定する方法。本方法は、腐食した電極の内部電流の影響をなくし、したがって、より正確な腐食測定を可能にする。一実施形態では、センサの共通ノードの電位は、センサの陰極性の最も大きい電流がゼロに近くなるように調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属内の腐食を検出する方法に関し、より詳細には、電気化学的セルのアレイを有するセンサを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腐食は、金属原子Mが酸化されることを含む自然のプロセスであり、それによって、金属原子Mは、1つまたは複数の電子を失い、バルク金属を残す、M→Mm++me。失われた電子は、バルク金属を通して、別の部位へ伝導し、そこで、電子は、バルク金属と接触する、溶解したガスまたは正に帯電したイオンGなどの還元可能な種(reducible species)を還元する(すなわち、化合する)、N+ne→Nn−およびGm++me→G。
【0003】
腐食用語で、金属原子が電子を失う部位は、陽極と呼ばれ、電子が、還元可能な種に運ばれる部位は、陰極と呼ばれる。これらの部位は、状況に依存して、金属表面上で互いに近くに位置するか、または、遠く離れて位置することができる。陽極性部位と陰極性部位が連続すると、腐食は、表面にわたってほぼ均一である。これらの部位が遠く離れていると、陽極性部位が局所的に腐食する。
【0004】
陽極部位と陰極部位の間に電流の流れが存在するため、腐食経路は、本質的に、電気回路である。電流が流れるために、キルヒホッフの回路法則は、回路が閉じていること、および、駆動用電位(または電圧)が存在することを必要とする。腐食回路の一部は、ベースの金属それ自体であり、回路の残りは、金属と接触していなければならない外部導電性溶液(すなわち、電解液)内に存在する。この電解液は、陽極から酸化された金属イオンを取り去り、陰極に還元種(非金属原子か、金属イオンのいずれか)を供給する。陰極部位と陽極部位は共に、腐食回路が完成するために、電解液内に浸漬される。
【0005】
腐食システムでは、いくつかのメカニズムによって電位勾配が作られる可能性がある。これらは、異なる反応についての、自由エネルギーの差または関連する電気化学的電位の差、および、溶液中の帯電した種の濃度勾配を含む。異なる電位を示す2つの電極が電気的に接続されると、外部回路に電流が流れる。
【0006】
対象の構成要素上のエリアにセンサを直接取り付けることによって、腐食を測定することができる。対象とする構成要素自体を直接試験することが実際的でない時、別個のセンサを同じ環境に設置することができる。これらのセンサは、同じ材料のサンプルを対象とする構成要素として試験し、主要な構成要素構造から取り除かれ、詳細に調べられることができる。こうしたセンサの使用は、有限のセンサ・エリアに対して十分に制御された方法で、腐食損傷の測定を容易にする。
【0007】
腐食を監視するための種々の手法が存在する。電気化学的手法は、腐食損傷を監視するために、上述した電気化学的腐食原理および電位または電流の測定に頼る。
【0008】
腐食を監視する一手法は、電気ノイズ法であり、電気ノイズ法は、電極を使用して、局所腐食による電気化学的ノイズを検出する。この方法は、単一対のほぼ同じ大面積電極(large electrode)を使用し、2つの電極間の電流ノイズを測定して実施されてきた。2つの大面積電極によって、それぞれの電極は、多数の陽極性エリアと多数の陰極性エリアを有してもよく、2つの電極間に電流の流れがゼロの可能性が生じる。一般に、全体としての電流ノイズ法は、金属の特定部位における腐食度を示すのに十分に適さない。
【0009】
「Method and Apparatus for Measuring Localized Corrosion and Other Heterogeneous Electrochemical Processes」という名称の、Tanに対する米国特許第6,132,593号は、複数電極センサの一例を述べており、複数電極センサは、一片の電極(one−piece electrode)をシミュレートするのに使用されてもよい。複数電極センサの別の例は、「Sensor Array for Electrochemical Corrosion Monitoring」という名称の、YangおよびSridharに対する米国特許第6,683,463号に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
背景技術で述べたように、米国特許第6,132,593号および第6,683,463号は、それぞれ、局所腐食を監視するための複数電極アレイ・センサのタイプを述べる。特に、後者のアレイは、冷却水中で、硫酸塩還元細菌を有するシミュレートされた海水中で、塩堆積物下で、濃厚な塩化物溶液中で、および、化学プラントのプロセス流中で、プローブ要素として炭素鋼、ステンレス鋼、およびニッケル・ベース合金を使用して、広く試験されてきた。センサは、局所腐食の場合、環境の腐食性に対して非常に敏感であることが実証されている。
【0011】
局所腐食の浸食度の定性的予測は、最も大きく腐食した電極に関して内部に流れる電流が存在しないという仮定を伴う。この仮定は、環境が、著しく腐食性があり、センサ電極の一部が、猛烈に腐食している場合に、当てはまる場合があり、または、現実のものに近い場合がある。しかし、腐食性が小さい環境の場合、または、腐食の初期の段階の間、すなわち、センサにおいて、どの電極も、他の電極より著しく腐食していない時、この仮定は、有効でない場合があり、したがって、予測結果は、真の腐食浸食度を過小評価する場合がある。
【0012】
以下の説明は、内部電流をなくすか、または、減らすのに使用されてもよい方法を対象とする。結果として、測定された腐食浸食度は、センサ内の陽極性の最も大きい電極上で起こる真の腐食度に近い。
【0013】
複数電極アレイ・センサ
例のために、本明細書で述べる方法は、その種々の実施形態を含む、米国特許第6,683,463号の複数電極センサ・アレイと共に使用することによって述べられる。その特許は、参照により本明細書に組み込まれる。しかし、同じ方法は、腐食監視に使用される他の複数電極アレイ・センサと共に使用されることができる。「複数電極アレイ・センサ」によって、対象の腐食部位において、一片の電極をシミュレートするのに使用されてもよい、複数電極を有する任意の腐食センサが意味される。
【0014】
図1は、結合式複数電極アレイ・センサの作動原理を示す。表面エリアの電気絶縁片は、各陽極性エリアからの、または、各陰極エリア内への、電子の流れを測定することを可能にする。原理において、金属は、絶縁体によって互いから分離された小ブロックのアレイに分割され、外部で一緒に接続される。結果得られるものは、互いに直接接触することを防止されるが、外部で接続されて、大きな金属片がシミュレートされる、同じブロックのアレイである。各ブロックは、その腐食に応じて、陰極性であってもよいし、または、陽極性であってもよい。各ブロックについて、ある期間にわたって、所与の陽極性エリア内に流れる電流I、または、陰極性エリアから流れ出る電流Iの積分値Iは、ブロックの表面における局所腐食の成長の程度に関連する。
【0015】
腐食性の大きい電極(すなわち、陽極性の大きい電極)から、腐食性の小さいか、または、腐食性の無い電極(すなわち、陰極性の電極)へ、外部回路を通って流れる腐食電流を使用して、局所腐食度が測定される。腐食の最も大きな電極に関する総陽極性電流は、センサ上での最高腐食度または最大浸食度に相当する。
【0016】
図2は、複数電極センサ30の代表的な図である。図2のブロックのそれぞれは、対象の金属と同じ材料から作られる電極31で置き換えられる。各電極31は、小さな材料片か、または、ワイヤであり、小さい表面エリアは、ベース33の下部表面において電解液にさらされる。電極31は、電極31間の固形絶縁材料によって、固形アレイとして支持され、固形絶縁材料は、絶縁ベース33を形成する。適した絶縁材料の例はエポキシである。温度および圧力などの環境状況によって決まる、他の絶縁材料が使用されてもよい。
【0017】
絶縁ベース33の上で、各電極31が、電気リード線35に接続される。示すように、ベース33内にカプセル化された各電極31の部分は、耐久性、取扱いの便利さ、または組み立てなどの考慮事項に依存して、ベース33の外側の部分より、肉厚を厚くされてもよく、または、薄くされてもよい。
【0018】
小さな抵抗器32が、各電極31と、共通電気接続部34との間に接続される。各電極内に、または、各電極から流れる電流は、抵抗器32の両端の電圧降下によって測定することができる。各電極出力は、電圧計(図示せず)のチャネル入力に送出され、電圧測定値を使用して、電流が計算される。
【0019】
センサ30を使用した実験の間に、電極31の一部において、エポキシと金属の間に割れ目が、ある程度まで形成する場合があることが観測された。これらの割れ目は、その部位において、望ましくないさらなる腐食を導入する可能性がある。これらの割れ目の形成を最小にするために、エポキシを塗布する前に、電極31の側部表面上に不活性膜を形成するために、スパッタリング法またはパッシベーション法が使用されてもよい。
【0020】
センサ30はまた、固形ベース33が無い状態で実施されることができる。電極31のアレイを支持する種々の代替手段を考案することができる。たとえば、電極31は、絶縁材料の支持ブランチを電極31間に持った状態で、格子に似た様式で互いに取り付けられることができる。
【0021】
動作時、その電極31が、対象の構造と同じ材料から作られるセンサ30は、対象の構造と同じ環境に置かれてもよい。その後、センサ30を使用して、電極31の腐食が監視されてもよく、それによって、対象の構造の腐食を示す。たとえば、パイプライン内の腐食を監視するために、電極31は、パイプラインの内部表面と同じ材料から作られ、センサ30は、プローブとしてパイプライン内に挿入される。
【0022】
多数の電極31が使用される時、電極31の一部は、他の電極と比べて、陽極性が高いか、または、陰極性が高い特性を示す場合がある。これらの電極の電気化学的反応の差は、環境の腐食性に依存して異なることになる。たとえば、局所腐食を生じる食塩水では、金属内のある含有物の存在が、著しい陽極性の振舞いを生じることになる。しかし、これらの同じ含有物は、別の良性の(benign)溶液内では、こうした陽極性の反応を生じないであろう。
【0023】
センサ30の特徴は、電極対の間で電流を測定するのではなく、同じ材料の、各電極31と、全ての他の電極32との間で、電流が測定されることである。センサ30が腐食環境内に置かれると、これは、金属の異なる部位において起こる局所腐食プロセスをシミュレートする。
【0024】
長方形または円形格子にある各電極31を、電気的手段によって、連続してアドレス指定し、そのロケーションを突き止めることによって、局所腐食の空間的変動を突き止めることができる。これによって、単一電極の場合に必要とされる機械式走査デバイスの必要性がなくなる。
【0025】
各腐食電極31に入る陽極性電流は、その部位における腐食度に正比例する。これは、以下の通りに表現されてもよい。
腐食度=腐食面積係数×変換係数×陽極性電流密度
点食タイプ(pitting type)の腐食の場合、腐食面積係数は、全点食面積と全電極表面積との比から推定されてもよい。
【0026】
センサ30は、特定の腐食部位内に流れる平均DC電流を測定する。そのため、金属の特定部位における腐食度を検出することが可能である。多数の電極31の結合は、腐食環境において、金属の腐食部位を表す一部の電極31が常に存在することを保証する。
【0027】
実験では、センサ30は、5×5のアレイの、25個の電極31で実施された。電極31は、ステンレス鋼304のワイヤから作られた。センサ30は、脱イオン水の中に置かれ、25個の電極31の電流および溶液の化学的性質の変化に対する電流信号の応答についての分析が行われた。25個の電極の間で、5パーセンタイル陽極性電流または標準偏差などの簡単なパラメータが、有効な局所腐食インジケータとして有益であった。
【0028】
電流の変動に基づく腐食度の導出は、局所腐食度を表すのに、単一パラメータ(標準偏差またはn次パーセンタイル陽極性電流)の使用を可能にする。これは、方法を大幅に簡略化し、その結果、限られた腐食の知識のみを有するプラント・オペレータまたは現場オペレータが、センサからの信号を容易に理解できる。
【0029】
腐食を測定する改良された方法
センサ30などの、複数電極センサを使用する改良された方法は、センサの電極内における電子の内部の流れを認識することに基づく。実際には、方法は、この内部の流れの効果を取り除く。
【0030】
図3Aおよび図3Bは、結合式複数電極センサにおける、陽極性部位から、内部陰極性部位(自身の電極)と外部陰極性部位(他の電極)の両方への電子の流れパターンを示す。図3Aは、腐食性の大きい電極の流れパターンを示し、一方、図3Bは、腐食性の小さい電極の流れパターンを示す。
【0031】
図3Aと図3Bに示すように、全陽極性電流Iは、外部陽極性電流Iexと、電極内の陰極性部位から流れる内部陽極性電流Iinの和、すなわち、
【0032】
【数1】

【0033】
である。式(1)に従って腐食度を推定するために、結合式複数電極センサは、外部陽極性電流の測定に頼る。Iinは測定可能でないため、腐食電流はまた、
【0034】
【数2】

【0035】
と表現されてもよく、ここで、εは、0〜1の範囲にあり、外部回路を通って他の電極に流れる電子の割合を表す電流分布係数である。電極が、センサの他の電極のほとんどより腐食が大きい場合、その腐食電子のほとんどは、外部回路を通って他の電極に流れるはずであり、そのεは、1に近くなるはずである。一方、電極が、腐食が小さい場合、その腐食電子のほとんど、または、全てが、局所陰極性部位に流れるはずであり、そのεは、ゼロに近いか、または、ゼロに等しいはずである。
【0036】
ほとんどの腐食した電極について、内部電流が存在する理由は、陽極性の最も大きい電極上で利用可能な陰極性部位が存在するためである。すなわち、陰極性部位の電位は、電位を、分離し、測定することができる場合、最も大きく腐食した電極の有効電位より大きい。最も大きく腐食した電極の電位が、腐食した電極を他の電極に結合することによって、平均した開回路電位から既に上昇していても、陰極性部位の電位は、最も大きく腐食した電極の有効電位より大きい。
【0037】
最も大きく腐食した電極の電位が、電極上の陰極性の最も大きい部位の電位に等しいか、または、その電位よりわずかに正である特別な値Esに上がり、維持される場合、内部電流は、なくなるはずである。問題は、どうのようにしてこのEsを決定するかである。
【0038】
内部電流をなくす一手法は、Esを、陰極性の最も大きい電極(はずされていると、最も高い開回路電位を有する電極)の電位に等しくすることである。これは、結合式複数電極アレイ・センサ内の各電極が、電極の集合体について、陽極性部位か、陰極性部位のいずれかをシミュレートするためである。換言すれば、全ての電極は、金属の1片として振舞うように接続される。そのため、陰極性の最も大きい電極は、金属上の陰極性の最も大きい部位をシミュレートする。
【0039】
実際には、センサの陰極性の最も大きい電流がゼロに近くなるように、結合式複数電極アレイ・センサの共通接合部の電位を調整することによって、これが達成される。この電位がEsである。電流が陰極性でない場合、全ての電極の開回路電位は、結合用接合部の電位より小さい。これは、内部陰極性電流が、最も大きく腐食した電極上に存在しない場合に等しい。したがって、電流分布係数ε=1であり、かつ、
【0040】
【数3】

【0041】
である。
【0042】
電位は、Esからあまりかけ離れるべきではないことが述べられるべきである。電位が低過ぎる場合、内部電流をなくすことができない。電位が高過ぎる場合、センサは、逆に分極する。
【0043】
図4は、室温の0.5 M NaCl内における、タイプ302ステンレス鋼に関するアーリ・サイクリック・ボルタンメトリ実験(early cyclic voltammetry experiment)からの部分的な結果を示す。より具体的には、図4は、サイクリック動電位分極(cyclic potentiodynamic polarization)のセグメント中のセンサ電流を示す。Icorr,1は、開回路電位における最大陽極性外部電流であり、先の方法において腐食電流を推定するのに使用される。Icorr,2は、電位がEsとして制御される時の、最大陽極性外部電流である。Icorr,2は、この状況下で、内部電流がゼロであるため、腐食電流に等しくあるべきである。
【0044】
図4の実験は、保護されるべきセンサまたはシステムが、分極下にある時に、複数電極アレイ・センサが、陰極の保護の有効性を監視する、すなわち、局所腐食を監視するのに使用されてもよいことを実証する。センサが、開回路電位(平均電流がゼロである電位)にあった時、電流の一部は、陽極性(図では負)であり、電流の一部は陰極性(正)であった。これは、自然の腐食状況下の環境における金属片の振舞いをシミュレートした。
【0045】
結合電位が、Es、すなわち、最後の検出可能な陰極性電流が消え始め、かつ、全ての電流が陽極性になった電位、になった時に、プロセスは、金属内の内部電流が存在せず、腐食電流が最大外部陽極性電流(式3)に等しい場合をシミュレートした。Esにおいて測定された腐食電流は、開回路電位において測定された外部電流の約2倍であり、前に実施された測定法が、腐食電流を約50%だけ過小評価する可能性があることを示す。
【0046】
先の試験は、連続した大規模サイクリック電位掃引方法(large−scale cyclic potential sweeping manner)で行われたことが述べられるべきであり、電流測定値は、動力学効果(kinetic effect)のために、多少歪んでいる場合がある。擬似動的状況下で、さらなる測定を行うことができる。すなわち、概念をさらに立証するために、電位は、Es値の近くで動的に制御されることができる。
【0047】
他の実施形態
本発明が、詳細に述べられたが、添付特許請求項に規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対して、種々の変更、置換え、および修正を行うことができることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】結合式複数電極アレイ・センサの原理を示す図である。
【図2】本発明の方法をそれと共に実施することができる、結合式複数電極センサの代表的な図である。
【図3A】陽極性電極内の電子の流れパターンを示す図である。
【図3B】陰極性電極内の電子の流れパターンを示す図である。
【図4】本発明の方法を使用した実験結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の部位において、腐食または他の不均質な電気化学的プロセスを測定するために、複数電極アレイ・センサを使用する方法であって、
前記センサを前記対象の部位における前記プロセスにさらすことを含み、
前記センサは、各電極が、前記プロセスにさらされるように動作可能な表面エリアを有するように、かつ、各電極が、他の電極から電気絶縁されるように配列された、実質的に同じ金属電極のアレイを有し、
各電極は、その電極における腐食の程度に応じて陽極または陰極として動作可能であり、
各電極は、前記センサが、一片の電極表面をシミュレートするように、共通ノードに電気接続され、
前記共通ノードの電圧を、前記電極の内部電流の影響を実質的になくす値に、調整すること、
前記電極の1つまたは複数の電極にわたる電圧を測定すること、および、
測定するステップの結果に基づいて腐食値を決定することを含む方法。
【請求項2】
前記電極は、それぞれ、抵抗器を通して前記共通ノードに接続される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
調整するステップは、陰極性の最も大きい電極に関連する電流が、実質的にゼロになるように、前記共通ノードの電圧を調整することによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
対象の部位において、腐食または他の不均質な電気化学的プロセスを測定するために、複数電極アレイ腐食センサを使用する方法であって、
前記センサを前記対象の部位における腐食にさらすことを含み、
前記センサは、各電極が、前記対象の部位における腐食にさらされるように動作可能な表面エリアを有するように、かつ、各電極が、他の電極から電気絶縁されるように配列された、実質的に同じ金属電極のアレイを有し、
各電極は、その電極における腐食の程度に応じて陽極または陰極として動作可能であり、
各電極は、前記センサが、一片の電極表面をシミュレートするように、共通ノードに電気接続され、
実質的に最も腐食した電極である電極を識別すること、
前記先行するステップにおいて識別された電極上の、陰極性の最も大きい部位に関連する電圧を決定し、その値に前記電極を入れること、
1つまたは複数の電極にわたる電圧を測定すること、および、
測定するステップの結果に基づいて腐食値を決定することを含む方法。
【請求項5】
前記電極は、それぞれ、抵抗器を通して前記共通ノードに接続される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
局所腐食または他の不均質な電気化学的プロセスを測定する方法であって、
一体化した複数センサ・ワイヤ・ビーム電極センサを形成することであって、前記センサの作動表面は、電気化学的振舞いにおいて、一片の金属電極表面をシミュレートする、形成すること、
前記ワイヤ・ビーム電極の前記作動表面を、前記局所腐食または他の不均質電気化学的プロセスにさらすこと、
各ワイヤ・ビームに電気接続された共通ノードの電圧を、前記電極の内部電流の影響を実質的になくす値に、調整すること、
前記ワイヤ・ビーム電極表面の局所エリアから、前記局所エリアに位置するワイヤによって、局所電気化学的パラメータを測定すること、および、
測定するステップの結果に基づいて、局所腐食または他の不均質プロセスの局所電気化学的動力学を計算することを含む方法。
【請求項7】
調整するステップは、実質的に陰極性の最も大きい端子である端子を識別し、前記陰極性の最も大きい端子に関連する電流が、実質的にゼロになるように、前記共通ノードの電圧を調整することによって行われる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
測定するステップは、前記電極の1つまたは複数の電極にわたる電圧を測定することによって行われる請求項6に記載の方法。
【請求項9】
測定するステップは、前記選択されたワイヤに、または、前記選択されたワイヤから流れる結合電流を測定するために、ワイヤ・ビーム電極のそれぞれの選択されたワイヤ端子と、全ての他の結合したワイヤ端子との間にゼロ抵抗電流計を挿入すること、基準電極に対して、それぞれの一時的にはずされたワイヤの電気化学的電位を測定するために、高インピーダンス電圧計を使用すること、および、それぞれの一時的にはずされたワイヤの分極抵抗を測定するために、分極抵抗測定装置を使用することによって行われる請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−532887(P2007−532887A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507559(P2007−507559)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/012155
【国際公開番号】WO2005/100969
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(500553730)サウスウエスト リサーチ インスティテュート (9)
【住所又は居所原語表記】6220 CULEBRA ROAD SAN ANT ONIO,TEXAS 78238 USA
【Fターム(参考)】