説明

複雑性及び計算不可能性の分野を利用したコピープロテクション

複雑性と計算不可能性とを利用したコピープロテクションのための方法及びシステムが開示される。一実施例によると、コンピュータにより実現される方法は、プロテクション構造をメディアディスクに配置することを含む。プロテクション構造は、複雑性構造と計算不可能性コマンドとを有する。メディアディスク上に格納されるデータの無許可の複製は、プロテクション構造を利用して阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑性及び計算不可能性を利用したコピープロテクションのための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロテクトされたデジタルコンテンツの許可されていない複製は、著作権管理されたメディアにとって共通する問題である。メディアをコピーすることをより困難にするため、メディアディスクは構造に関してより高度化されてきたが、“リッパー(ripper)”プログラムと呼ばれるプログラムもまた、メディアディスク上の何れの構造がコピーされるべきかの解析において高度化されてきている。解析の成功は、メディアファイルの無許可のコピーを生成する。
【0003】
DVD(“Digital Versatile Disc”又は“Digital Video Disc”としても知られる)は、普及している光ディスク記憶媒体のフォーマットである。それの主要な利用は、ビデオ及びデータストレージである。大部分のDVDは、CD(Compact Disc)と同じサイズを有するが、6倍以上のデータを格納する。書き込み可能なDVDがまた、消費者のオーディオ及びビデオレコーディングに現在利用されている。
【0004】
既存のリッパープログラムは、ユーザのコンピュータにインストールされ、既存のローカルDVDドライブと共に動作する。それらは、DVD上のビデオを異なるフォーマットに移し、DVDコンテンツを編集又はバックアップし、メディアプレーヤーやモバイル装置上での再生のためDVDビデオを変換するのに一般に利用されている。一部のDVDリッパープログラムは、DVDの解読、コピー防止の除去並びに無制限及びリージョンフリーにディスクを作成する機能などの付加的な機能を有する。既存のリッパープログラムの具体例として、DVDFab(中国の北京にあるFengtao Software Inc.)及びCloneDVD(米国のUTのKaysvilleにあるDVD X Studios)があげられる。
【発明の概要】
【0005】
複雑性及び計算不可能性を利用したコピープロテクションのための方法及びシステムが開示される。一実施例によると、コンピュータにより実現される方法は、メディアディスクにプロテクション構造を配置する。プロテクション構造は、複雑性構造と計算不可能性コマンドとを有する。メディアディスクに格納されているデータの無許可の複製が、プロテクション構造を用いて阻害される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書の一部として含まれる添付図面は、現在の好適な実施例を示し、上述された概略と以下に与えられる好適な実施例の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明及び教示するのに利用される。
【図1】図1は、DVDに通常存在する構造の一例となる図である。
【図2A】図2Aは、DVDにある一般的な構造の内部に含まれる追加的なサブ構造の一例となる図である。
【図2B】図2Bは、DVDにある一般的な構造の内部に含まれる追加的な言語ユニットサブ構造の一例となる図である。
【図3】図3は、一実施例による複雑性を利用したコピープロテクションのための改良されたDVDタイトル及びポインタ構造の一例となる図である。
【図4】図4は、一実施例による複雑性を利用したコピープロテクションのための改良されたDVDタイトル及びポインタ構造の一例となる図である。
【図5A】図5Aは、一実施例による計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションの処理を示すフロー図である。
【図5B】図5Bは、一実施例による計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションの処理を示すフロー図である。
【図6】図6は、一実施例による計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションの処理を示すフロー図である。
【図7】図7は、一実施例によるコピープロテクションのためにDVDを改良するのに利用される処理のステップを示す処理フロー図である。
【図8】図8は、一実施例によるコピープロテクションのためにDVDを改良し、それをDVD複製サイトにおいて複製するのに利用される処理のステップを示す処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
複雑性及び計算不可能性を利用したコピープロテクションのための方法及びシステムが開示される。一実施例によると、コンピュータにより実現される方法は、メディアディスクにプロテクション構造を配置することからなる。プロテクション構造は、複雑性構造と計算不可能性コマンドとを有する。メディアディスクに格納されているデータの無許可の複製は、プロテクション構造を利用して防がれる。
【0008】
以下の説明では、説明のため、ここに開示される各種の発明コンセプトの完全な理解を提供するために具体的な用語が提供される。しかしながら、これらの具体的詳細はここに開示される各種の発明コンセプトを実践するため必要でないことが当業者に明らかであろう。
【0009】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する処理のアルゴリズム及び記号的表現に関して提供される。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理分野の当業者が他の当業者に自らの研究の本質を最も効率的に伝えるのに用いられる手段である。ここでは、また一般に、方法とは、所望の結果を導く自己完結した処理であると想定される。当該処理は、物理量の物理的操作を伴う。通常、必要ではないが、これらの量は格納、転送、合成、比較及び操作可能な電気又は磁気信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、数などと呼ぶことが、主として通常の利用の理由のためにときには便利であることがわかっている。
【0010】
しかしながら、上記及び同様の用語のすべてが適切な物理量に関連付けされ、これらの量に付される単なる便宜上のラベルにすぎないことが留意されるべきである。以下の説明から明示的に言及されない場合、明細書を通じて、“処理”、“計算”、“算出”、“決定”、“表示”などの用語を用いた説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、他の情報ストレージ、送信装置又は表示装置内の物理量として同様に表現される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算装置のアクション及び処理を表すことが理解される。
【0011】
本発明はまた、ここでの処理を実行する装置に関する。本装置は、求められる目的のために特別に構成されてもよいし、又はコンピュータに格納されるコンピュータプログラムにより選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータから構成されてもよい。このようなコンピュータプログラムは、限定することなく、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カードを含む何れかのタイプのディスク、又は電子命令を格納するのに適した何れかのタイプのメディアなどのそれぞれがコンピュータシステムバスに接続されるコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0012】
ここで提供されるアルゴリズム及び表示は、本来的には何れか特定のコンピュータ又は他の装置に関連するものでない。各種汎用システムは、ここでの教示に従ってプログラムと共に利用されてもよいし、又は要求される方法のステップを実行するのにより特化した装置を構成することが便利であると判明するかもしれない。これらの各種システムについて求められる構成は、以下の説明から明らかになるであろう。さらに、本発明は、特定のプログラミング言語を参照して説明されない。各種プログラミング言語がここに開示される本発明の教示を実現するのに利用可能であることが理解されるであろう。
【0013】
図1は、DVD上に通常ある構造の一例となる図である。DVD101は、ビデオ情報102とインデックス情報103(又は“情報”ファイルを略してIFOファイル103)との双方を含む。IFOファイル103は、すべてを完全に又は順次閲覧する必要なく何がDVD101にあるか決定するのに利用される複数のテーブル104を有する。
【0014】
図2Aは、DVD上にある通常の構造の内部に含まれる追加的なサブ構造の一例となる図である。DVDビデオセクション201は複数のプログラムチェーン202を有し、プログラムチェーン202は複数のプログラム203を有し、プログラム203は複数のセル204を有する。IFOファイル205は、プログラムチェーンテーブル207を有し、プログラムチェーン202を指し示す複数のポインタ206が、プログラムチェーンテーブル207に含まれる。プログラムチェーン202は、DVDビデオセクション201に含まれる。
【0015】
図2Bは、DVD上にある通常の構造の内部に含まれる追加的な言語ユニットサブ構造の一例となる図である。DVDビデオセクション212は複数のプログラムチェーン214を有し、プログラムチェーン214は複数のプログラム213を有し、プログラム213は複数のセル215を有する。メニュープログラムチェーン情報ユニットテーブル208は、複数の言語ユニットサーチポインタ209を有し、言語ユニットサーチポインタ209は、言語ユニット210を参照する。言語ユニット210は、DVDビデオセクション212内に含まれるプログラムチェーン214を参照する複数のプログラムチェーンサーチポインタ211を有する。
【0016】
図3は、一実施例によるコピープロテクションのための改良されたDVDタイトル及びポインタ構造の一例となる図である。ビデオタイトルセット301(VTS)は、言語ユニットサーチポインタ(VTSM_LU_SRP)303を含むメニュープログラムチェーン情報ユニットテーブル302(VTSM_PGCI_UT)を参照する。典型的なDVDは複数の言語オプションを有し、例えば、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語などを含むものであってもよい。
【0017】
一実施例によると、リッパープログラムに対するコピープロテクションのために複雑性をDVD構造に追加するため、1000個の言語ユニットサーチポインタ303が存在しうる。1000個の言語ユニットサーチポインタ303のそれぞれは、同一の言語ユニット304(VTSM_LU)を指示する。他の実施例では、ポインタ303は、複数の異なる言語ユニット304を指示する。言語ユニット304は、プログラムチェーン情報サーチポインタ(VTSM_PGCI_SRP)305への参照を含む。図示された実施例では、プログラムチェーンサーチポインタの個数は1000である。
【0018】
各プログラムチェーンサーチポインタ305は、同一のプログラムチェーン(PGC)306を指し示す。他の実施例では、プログラムチェーンサーチポインタ305は、同一のプログラムチェーン306を指し示さない。プログラムチェーン306は、複数のプログラム307を指し示す。プログラム307はセル308を有する。セル308はコマンド309を有する。図示された実施例によると、99個のプログラム307と、255個のセル308と、128個のコマンド309とがある。提供されるオブジェクトの実際の個数は、1+1+1000+1+1000+1+99+255+128であり、トータルで2486となる。見かけ上のオブジェクトの個数(リッパープログラムにより観察されるもの)は、1+1+1000*(1+1000*(1+99+255+128))であり、トータルで483,001,002となる。これらの数は、例えば、本システム及び方法のポインタ構造によって導入される複雑性を示す。
【0019】
リッパープログラムは、何れの要素をコピーすべきか決定するため、すべての構造を解析しようとする。見かけ上のオブジェクトの個数を増やすことによって、リッパープログラムの成功確率は有意に低下する。典型的には、オブジェクトの個数が多いことはリッパープログラムにリソースの枯渇を生じさせ、又は解析に膨大な時間がかかることになる。
【0020】
DVDプレーヤーは、次に再生する要素を決定するため、現在のナビゲーションパスを解析する。従って、プレーヤーは、プレーヤーから外れてプロテクション構造が配置される場合、プロテクション構造による影響を受けない。一実施例では、プロテクション構造は、実際には再生されないビデオタイトルセットに配置される。大部分のケースでは、プレーヤーは、再生されないビデオタイトルセットを無視し、関連するIFOファイルをロード及び解釈しようとしない。
【0021】
図4は、一実施例によるコピープロテクションのための改良されたDVDタイトル及びポインタ構造の一例となる図である。ビデオタイトルセット401(VTS)は、プログラムチェーン情報テーブル402(VTS_PGCIT)を参照する。プログラムチェーン情報テーブル402は、プログラムチェーンサーチポインタ(VTS_PGCI_SRP)403を有する。図示される実施例では、プログラムチェーンサーチポインタの個数は5000である。各プログラムチェーンサーチポインタ403は、同一のプログラムチェーン(PGC)404を指し示す。他の実施例では、プログラムチェーンサーチポインタ403は、同一のプログラムチェーン404を指し示さない。プログラムチェーン404は、複数のプログラム405を指し示す。プログラム405はセル406を有する。セル406はコマンド407を有する。図示された実施例によると、99個のプログラム307と、255個のセル308と、128個のコマンド309とがある。提供されるオブジェクトの見かけ上の個数は、1+1+5000+1+99+255+128であり、トータルで5485となる。見かけ上のオブジェクト(リッパープログラムにより観察されるもの)の個数は、1+1+5000*(1+99+255+128)であり、トータルで2415002となる。これらの数は、例えば、本システム及び方法のポインタ構造により導入される複雑性を示す。
【0022】
図5Aは、一実施例による計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションのための処理を示すフロー図である。計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションのための処理500によると、DVDプレーヤーは、ステップ501において、DVDの再生を開始する。DVDプレーヤーは、ステップ502において、0〜99の乱数を生成し、数17がステップ503において生成されるまでループする。ステップ503におけるテストは、生成された数が17に等しくない場合にはステップ504に到達しないことを保障する。ステップ504において、著作権警告が表示され、当該警告は最も商業的にリリースされているDVD上にある短いビデオクリップである。ステップ505において再び乱数がテストされ、正しい値(ここでは、17)が検出されない場合、ステップ507において、フェイクムービーが再生され、ステップ508においてプログラムが停止される。そうでない場合、ステップ506において、真のムービーが再生される。
【0023】
ステップ503以降からわかるように、乱数の値は17であるべきである。しかしながら、コンピュータプログラムがこれを自動認識することは困難である。これは、停止問題として一般に知られるコンピュータサイエンスの理論における周知の結果である。図5Aに示されるように、DVDは、真のムービーが再生される場合には停止せず、フェイクムービーが再生される場合には停止する。DVDとそれのプレーヤーは、小さな計算エンジンの必須の構成、すなわち、それらを処理するためのパラメータレジスタとコマンドとを有する。停止問題によると、コンピュータプログラムが入力信号シーケンスが提供されるときに汎用的なDVDが停止するか決定するためのコンピュータプログラムを書くことは不可能であり、この結果、何れのムービーが再生されるか決定することは不可能である。従って、リッパープログラムは、DVDコンテンツを適切に解析し、コピーするための適切な構造を検出することができない。入力信号は、メニュー選択ボタンなどのDVDプレーヤーのコントロールを操作する視聴者から生成されてもよいし、又は本例と同様に、入力信号はプレーヤーに埋め込まれた乱数生成手段によって生成される。他の実施例では、フェイクムービーの終了時の停止は利用されない。例えば、ステップ508は、他のコマンドシーケンスによって削除及び/又は置換されてもよい。停止は、停止問題が適用されることを示すため選択され、リッパーが何れのムービーが真のものであるか決定することが困難である。他の実施例では、著作権警告がメニューによって省略又は置換される。
【0024】
図5Bは、一実施例による計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションのための処理550を示すフロー図である。計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションのための処理550によると、DVDプレーヤーは、ステップ509において、DVDの再生を開始し、ステップ510において、パラメータを1に設定する。その後、ステップ511において、ランダムプログラムチェーンが表示される。ランダムプログラムチェーンは、セルとコマンドとを有するプログラムを有する。また、ステップ511において、ランダムプログラムチェーンのリピートカウントが2に設定され、これにより、プログラムの1つがランダムに選択及び表示される。プログラムの終了時、パラメータは、例えば、何れのプログラムが選択されたかに依存して、2、3又は5と乗算される。その後に再び、プログラムチェーンは、2つのプログラムが表示されるまで、ランダムプログラムを選択及び表示する。本例では、プログラムチェーンが表示された後のパラメータの値は、何れの2つのプログラムが選択されたかに依存して、4,6,9,10,15又は25であるべきである。ステップ513において、パラメータがテストされ、その値が25である場合、プレーヤーはステップ502に戻る。そうでない場合、ステップ514において、著作権警告が表示され、ステップ515において、パラメータがテストされる。ステップ515において、パラメータの値が4,6,9,10又は15である場合、ステップ516において、真のムービーが再生される。そうでない場合、ステップ517において、フェイクムービーが再生される。図5A及び5Bに示される実施例では、停止問題が適用される。図5Bでは、入力信号は、プレーヤーのコントロールを操作する視聴者によって一般に提供される。この結果、リッパープログラムは、DVDコンテンツを適切に解析し、コピーするための適切なファイル構造を検出することができない。また、他の実施例では、著作権通知及び/又は停止が削除又は置換される。
【0025】
他の実施例では、シャッフルプログラムチェーンがランダムプログラムチェーンの代わりに利用される。シャッフルプログラムチェーンは、同一プログラムを2回選択することなく、ランダムに選択されたプログラムを選択及び表示する。本例では、パラメータの可能な値は6,10又は15である。ステップ513におけるテストは、好ましくは、パラメータが15に等しいかテストするよう変更され、ステップ515におけるテストは、パラメータが13未満であるかテストするよう変更される。
【0026】
図6は、一実施例による計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションのための処理を示すフロー図である。計算不可能性を利用したDVDコピープロテクションのための処理600によると、DVDプレーヤーは、ステップ601において、DVDの再生を開始する。DVDプレーヤーは、ステップ602において、パラメータを0に初期化し、ステップ603において、2つのボタンを有するメニューを表示する。ボタンAが押下された場合、ステップ604において、パラメータはインクリメントされ、ステップ603におけるメニューが再び表示される。ボタンBが押下された場合、又は所定時間内にボタンが押下されなかった場合、プレーヤーはステップ605に続き、著作権警告が表示される。ステップ606におけるテストは、ボタンAがちょうど53回押下された場合に限って、ステップ608のフェイクムービーが表示されることを保障する。視聴者がこうする確率は低く、ステップ607において、真のムービーをほぼ確実に視聴する。
【0027】
図5A及び5Bに示される実施例に示されるように、停止問題は適用される。図6の例では、入力信号がプレーヤーのコントロールを操作する視聴者によって提供される。この結果、リッパープログラムは、DVDコンテンツを適切に解析し、コピーするための適切なファイル構造を検出することができない。また、図5A及び5Bに関して上述されたように、他の実施例では、著作権通知及び/又は停止が削除又は置換される。
【0028】
図7は、一実施例によるコピープロテクションのためにDVDを変更するのに利用される処理におけるステップを示すフロー図である。コピープロテクションのためにDVDを変更するのに利用される処理700によると、ステップ701において、カスタマが供給者との合意を入力する。供給者は、ステップ702において、複雑性及び/又は計算不可能性を利用したコピープロテクションを含むようにDVDを変更するコピープロテクションアプリケーションへのアクセスを認める。コピープロテクションアプリケーションは、ステップ703において、認証サイト又は複製サイトにおいて利用される。複製が完了すると、ステップ704において、DVDは、通常の視聴のためカスタマに送られる。
【0029】
図8は、一実施例によるコピープロテクションのためにDVDを変更し、DVD複製サイトにおいてそれを複製するのに利用される処理のステップを示すフロー図である。この図に示されるような処理800によると、認証手段は、ステップ801において、プロテクトされていないDVD画像を記述したコンピュータデータを準備する。その後、ステップ802において、コピープロテクションアプリケーションは、DVD画像を処理し、ステップ803において、複雑性及び/又は計算不可能性を利用したコピープロテクションを可能にするため呼び出される。いくつかの実施例では、双方のタイプのコピープロテクションが同一のDVD上で利用される。ステップ804における複雑性のオプションについて、DVD上のIFOファイル内に構造が生成及び配置され、ポインタが適切に更新される。ステップ805における計算不可能性のオプションについて、追加的なコマンドが生成され、DVDフローがこれに従って変更される。複製手段は、ステップ807において、プロテクトされている画像データからDVDを製造し、その後にステップ808において、DVDが完成し、カスタマに送られる。
【0030】
ここに提供された方法は、DVD上で実現されるものとして開示されたが、本方法は同様の性質を有する何れかのメディアに適用可能である。
【0031】
複雑性及び計算不可能性を利用したコピープロテクションのための方法及びシステムが開示される。ここに開示される実施例は説明のためのものであり、本実施例の主題を限定するものとして解釈されるべきでないことが理解される。本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく各種変更、利用、置換、再合成、改良、製造方法が当業者に明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複雑性構造を有するプロテクション構造をメディアディスク上に配置するステップと、
前記プロテクション構造を利用して前記メディアディスク上に格納されているデータの無許可の複製を阻止するステップと、
を有するコンピュータにより実現される方法。
【請求項2】
前記複雑性構造は、情報ファイル内に配置され、言語ユニット、言語ユニットサーチポインタ、プログラムチェーンサーチポインタ、プログラム、プログラムチェーン及びセルの1以上を有する、請求項2記載の方法。
【請求項3】
前記プロテクション構造は、認証サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記プロテクション構造は、複製サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
計算不可能性コマンドを有するプロテクション構造をメディアディスク上に配置するステップと、
前記プロテクション構造を利用して前記メディアディスク上に格納されているデータの無許可の複製を阻止するステップと、
を有するコンピュータにより実現される方法。
【請求項6】
前記計算不可能性コマンドは、乱数生成コマンド、ランダムプログラムチェーン、シャフルプログラムチェーン及びユーザによるプレーヤーのコントロールの動作により生成されるコマンドの1以上を有する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記プロテクション構造は、認証サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記プロテクション構造は、複製サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項5記載の方法。
【請求項9】
複数の命令を格納したコンピュータ可読媒体であって、
前記複数の命令は、
複雑性構造を有するプロテクション構造をメディアディスク上に配置するステップと、
前記プロテクション構造を利用して前記メディアディスク上に格納されているデータの無許可の複製を阻止するステップと、
をコンピュータに実行させるコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記複雑性構造は、情報ファイル内に配置され、言語ユニット、言語ユニットサーチポインタ、プログラムチェーンサーチポインタ、プログラム、プログラムチェーン及びセルの1以上を有する、請求項9記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
複数の命令を格納したコンピュータ可読媒体であって、
前記複数の命令は、
計算不可能性コマンドを有するプロテクション構造をメディアディスク上に配置するステップと、
前記プロテクション構造を利用して前記メディアディスク上に格納されているデータの無許可の複製を阻止するステップと、
をコンピュータに実行させるコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記計算不可能性コマンドは、乱数生成コマンド、ランダムプログラムチェーン、シャフルプログラムチェーン及びユーザによるプレーヤーのコントロールの動作により生成されるコマンドの1以上を有する、請求項11記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
メディアディスクと、
複雑性構造を有するプロテクション構造と、
前記プロテクション構造を前記メディアディスク上に配置する手段と、
前記プロテクション構造を利用して前記メディアディスク上に格納されているデータの無許可の複製を阻止する手段と、
を有するシステム。
【請求項14】
前記複雑性構造は、情報ファイル内に配置され、言語ユニット、言語ユニットサーチポインタ、プログラムチェーンサーチポインタ、プログラム、プログラムチェーン及びセルの1以上を有する、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記プロテクション構造は、認証サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項13記載のシステム。
【請求項16】
前記プロテクション構造は、複製サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項13記載のシステム。
【請求項17】
メディアディスクと、
計算不可能性コマンドを有するプロテクション構造と、
前記プロテクション構造を前記メディアディスク上に配置する手段と、
前記プロテクション構造を利用して前記メディアディスク上に格納されているデータの無許可の複製を阻止する手段と、
を有するシステム。
【請求項18】
前記計算不可能性コマンドは、乱数生成コマンド、ランダムプログラムチェーン、シャフルプログラムチェーン及びユーザによるプレーヤーのコントロールの動作により生成されるコマンドの1以上を有する、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記プロテクション構造は、認証サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記プロテクション構造は、複製サイトにおいて前記メディアディスク上に配置される、請求項17記載のシステム。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−518868(P2012−518868A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552086(P2011−552086)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/025118
【国際公開番号】WO2010/099129
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(597095197)ロヴィ・ソリューションズ・コーポレーション (53)
【Fターム(参考)】