説明

覆蓋システム

【課題】比較的長いスパンであっても、覆蓋部材間の段差を小さくでき、保守点検時に天板の自重による撓みや積雪による撓みを効果的に抑制できる可動式の覆蓋部材を用いた覆蓋システムを提供する。
【解決手段】水槽11の開口12を跨いで覆う第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cを一対の周縁部13,13に沿って移動可能に設ける。保守点検時に第1覆蓋部材22Aを第2覆蓋部材22Bの内部に、第2覆蓋部材22Bを第3覆蓋部材22Cの内部にそれぞれ収納して、開口12を開放する。第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの天板23a,23bと、第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23cとをオーバーラップさせ、第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23c他側端のオーバーラップ部分28b2,28cに戸車29b,29cを設ける。第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの一側梁板25a1,25b1を厚肉にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理施設に設置される水槽などの上部の開口を覆う可動式の覆蓋部材を使用した覆蓋システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理施設などの水処理施設にあっては、沈砂槽、沈殿槽、生物反応槽などの大型水槽が設置されている。これらの水槽の開口は、安全上、衛生上、或いは、環境上などの観点から覆蓋部材によって覆われている。
【0003】
このような覆蓋部材を用いた覆蓋システムの一例を図9に示す。この図9において、71は水処理施設、72は水槽、7は覆蓋システムである。この覆蓋システム7は、上記水槽72の上方に開口する開口72aに架け渡される複数組の第1〜第3覆蓋部材74A,74B,74Cを備えている。また、上記覆蓋システム7は、上記水槽72の周縁部のうち第1〜第3覆蓋部材74A,74B,74Cが架け渡される方向において互いに対向する周縁部72b,72bに設けられた各一対のレール材73a,73b,73cを備えている。上記開口72aを覆う第1〜第3覆蓋部材74A,74B,74Cは、上記各一対のレール部材73a,73b,73cに沿って移動可能、つまり開口72aを跨ぐ方向に存在する一対の周縁部72b,72bに沿って移動可能となっている。そして、第1覆蓋部材74Aは第2覆蓋部材74Bの内部にオーバーラップした状態で収納可能となっており、第2覆蓋部材74Bは第3覆蓋部材74Cの内部にオーバーラップした状態で収納可能となっている。例えば、水槽72の保守点検などを行う際には、第1覆蓋部材74Aと第2覆蓋部材74Bとを第3覆蓋部材74Cの内部にオーバーラップさせた状態で収納することによって開口72aを開放する。
なお、第1〜第3覆蓋部材74A,74B,74Cは、幅(移動方向の長さ)が約1m、スパン(架け渡し方向の長さ)が約2m程度に設定されており、天板75a,75b,75cの厚さは1cm程度に設定されている。
【0004】
ところで、各覆蓋部材の強度は、保守点検などの際に作業者が当該各覆蓋部材の上に載ることを前提として決められている。その一方で、近年より、浄水場や下水処理場などの水処理施設において、設備の大型化に伴い大型の水槽が設置されるようになり、6m以上のスパンの覆蓋部材が必要となっている。
その場合、各覆蓋部材のスパンが2m以下であれば、厚さ約1cmの天板であっても強度は十分であるが、幅が約1mに対してスパンを2mより長く、例えば、6m程度にすると、厚さ約1cmの天板では強度が不十分となり、天板の中央部に自重による撓みが生じてしまう。しかも、保守点検などの際に各覆蓋部材の上に作業者が載るには強度が不十分であった。
【0005】
かかる点から、各覆蓋部材にスパン方向(長手方向)に沿って延びる補強のための梁板を設けることが考えられる。しかし、被収納部材として機能する覆蓋部材を収納部材として機能する覆蓋部材の内部に収納する際の互いの干渉を回避する上で、収納部材としての覆蓋部材の天板の高さを、被収納部材としての覆蓋部材の天板の高さよりも梁板分だけ高くしなければならない。このため、天板同士の間に大きな段差が生じ、保守点検などで作業者が覆蓋部材上に載って作業をする場合に、足下が悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、図10に示すように、収納部材としての第2及び第3覆蓋部材81B,81Cの移動方向一側(図10では左側)及び他側(図10では右側)にそれぞれスパン方向に沿って延びる梁板82b1,82b2,82c1,82c2を設け、そのうちの被収納部材(第1及び第2覆蓋部材81A,81B)の収納側(オーバーラップ側)となる他側梁板82b2,82c2をヒンジ84b,84cを介して回動可能に支持したものが提案されている(特許文献1参照)。この場合、第3覆蓋部材81Cの内部に第2覆蓋部材81Bを収納する際には上記第3覆蓋部材81Cの他側梁板82c2が天板83cに沿って折り畳まれるように回動し、第2覆蓋部材81Bの内部に第1覆蓋部材81Aを収納する際には上記第2覆蓋部材81Bの他側梁板82b2が天板83bに沿って折り畳まれるように回動する。このものによれば、折り畳み可能な他側梁板82b2,82c2によって、天板83a,83b,83c同士の間に生じる大きな段差が抑えられ、作業者が覆蓋部材81A,81B,81C上に載って作業をする際に足下が良好に保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−74424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記提案のものでは、水槽の保守点検を行う際に、被収納部材(第1及び第2覆蓋部材81A,81B)を収納するに当たって収納部材(第2及び第3覆蓋部材81B,81C)の他側梁板82b2,82c2を折り畳むと、上記収納部材は、天板83b,83cの他側において他側梁板82b2,82c2による支えを失ってしまう。これでは、天板83b、83cの荷重強度が低下し、当該天板83b,83cの中央部に自重による撓みが生じるおそれがある。しかも、寒冷地において天板83b,83c上に積雪があると、他側梁板82b2,82c2による支えを失った際に当該天板83b,83cに撓みが生じるおそれが大きくなってしまう。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的長いスパンであっても、各覆蓋部材の天板同士の間での段差を小さくすることができ、かつ保守点検時に天板の十分な荷重強度を効果的に確保して自重による撓みや積雪による撓みの発生を抑制することができる可動式の覆蓋部材を用いた覆蓋システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明では、略矩形状の開口を跨いで覆う少なくとも2つ以上の覆蓋部材が上記開口を跨ぐ方向に存在する一対の周縁部に沿って移動可能に設けられ、上記各覆蓋部材のうちの収納部材として機能する一方の覆蓋部材と、残る覆蓋部材のうちの上記一方の覆蓋部材に対し収納される被収納部材として機能する他方の覆蓋部材とを互いに相対方向に移動させることにより上記開口を開閉する覆蓋システムを前提とする。そして、上記各覆蓋部材に、上記開口を覆う天板と該天板から下方に延びる一対の脚板とを少なくとも設け、上記被収納部材として機能する他方の覆蓋部材の天板と上記収納部材として機能する一方の覆蓋部材の天板とに、その両天板の少なくとも一部分同士が互いに重なり合うようにオーバーラップするオーバーラップ部分を設ける。更に、上記一方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分に、上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分に対し接触した状態で転動する転動部材を設けることを特徴としている。
【0011】
また、上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分に、当該天板のオーバーラップ部分に上記転動部材を介して作用する上記一方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分からの荷重を支えるための梁板を設けることが好ましい。
更に、上記各覆蓋部材の天板の下面に補強部材を設け、この補強部材が、上記一方のオーバーラップ部分に対して設けられる上記転動部材の設置部位または上記他方のオーバーラップ部分に対して転動する上記転動部材の転動部位を上記各覆蓋部材の移動方向に沿って延びるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る覆蓋システムは、少なくとも2つ以上の覆蓋部材のうちの収納部材として機能する一方の覆蓋部材と残る覆蓋部材のうちの上記一方の覆蓋部材に対し収納される被収納部材として機能する他方の覆蓋部材とに、その両天板の少なくとも一部分同士が互いに重なり合うようにオーバーラップするオーバーラップ部分を設ける。そして、上記一方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分に、上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分に対し転動する転動部材を設けている。
したがって、上記一方の覆蓋部材の天板他側におけるオーバーラップ部分の荷重が、上記転動部材を介して上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分で支えられる。これにより、比較的長いスパンであっても、上記一方の覆蓋部材の天板の荷重強度が効果的に確保され、当該天板の中央部での自重による撓みや積雪による撓みの発生を抑制することができる。
しかも、上記一方の覆蓋部材の天板他側におけるオーバーラップ部分からの荷重が上記転動部材を介して上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分で支えられることから、その一方の覆蓋部材の天板他側におけるオーバーラップ部分に、高さ方向に長い梁板を設ける必要がない。これにより、各覆蓋部材の天板同士の間での段差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る覆蓋システムの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る覆蓋システムを覆蓋部材の移動方向と直行する側方から見た各覆蓋部材の閉塞状態での断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る覆蓋システムを側方から見た第2覆蓋部材のみを収納した状態での断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る覆蓋システムを側方から見た第1及び第2覆蓋部材を収納した状態での断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る各覆蓋部材を一方の周縁部において示す移動方向から見た断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る第3覆蓋部材を示し、(a)は第3覆蓋部材を上方から見た平面図、(b)は第3覆蓋部材を移動方向から見た正面図、(c)は(b)のX−X線における断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る第2覆蓋部材を示し、(a)は第2覆蓋部材を上方から見た平面図、(b)は第2覆蓋部材を移動方向から見た正面図、(c)は(b)のY−Y線における断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る第1覆蓋部材を示し、(a)は第1覆蓋部材を上方から見た平面図、(b)は第1覆蓋部材を移動方向から見た正面図、(c)は(b)のZ−Z線における断面図である。
【図9】従来例に係る覆蓋システムの斜視図である。
【図10】その他の従来例に係る覆蓋システムの各覆蓋部材を収納した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0015】
図1〜図4において、1は水処理施設、11は上方に開口する略矩形状の開口12を有する水槽である。
そして、本実施の形態に係る覆蓋システム2は、上記水槽11の開口12を覆うように架け渡される複数組の覆蓋装置22と、上記水槽11の周縁部のうち各覆蓋装置22が架け渡される方向で対向する周縁部13,13に設けられた各一対のレール部材21a,21b,21cとによって構成されている。上記各覆蓋装置22は、第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cを備えている。
【0016】
上記各一対の第1〜第3レール部材21a,21b,21cのうち、一対の第1レール部材21a,21aは、上記開口12を挟んで両側に敷設されている。そして、図5に示すように、上記一対の第2レール部材21b,21bは上記各第1レール部材21a,21aの両外側に敷設され、更に、上記一対の第3レール部材21c,21cは上記第2レール部材21b,21bの両外側に敷設されている。上記第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cは、各一対の第1〜第3レール部材21a,21b,21cに沿って移動可能、つまり開口12を跨ぐ方向に存在する一対の周縁部13,13に沿って移動可能となっている。
【0017】
図3に示すように、上記第3覆蓋部材22Cは上記第2覆蓋部材22Bを収納する収納部材として機能するようになっており、上記第2覆蓋部材22Bは上記第3覆蓋部材22Cに収納される被収納部材として機能する。一方で、図4に示すように、上記第2覆蓋部材22Bは上記第1覆蓋部材22Aを収納する収納部材として機能するようになっており、上記第1覆蓋部材22Aは上記第2覆蓋部材22Bに収納される被収納部材として機能するようになっている。そして、上記覆蓋システム2では、これらの覆蓋部材22A,22B,22Cをそれぞれ相対方向(図2〜図4では左右方向)へ移動させることにより、上記開口12を開閉するようになっている。
【0018】
図6の(a)〜(c)に示すように、覆蓋部材として機能する第3覆蓋部材22Cは、天板23cと、一対の脚板24c,24cと、一対の梁板25c1,25c2と、3本の角材26c,26c,26cとを有しており、これらはいずれもFFUによって形成されている。FFU(Fiber reinforced Foamed Urethane)とは繊維強化発泡ウレタンのことであり、本実施の形態のFFU製板材では、繊維にガラス長繊維を用いている。
FFUは、束ねたガラス長繊維をほぐしながらウレタン樹脂を含浸させて発泡させた樹脂素材であり、木材と同程度の比重に成形可能であり、剛性が高く、薬品などに対する耐浸食性に優れている。FFUは、エポキシ系接着剤との親和性がよく、更に、スクリュウ釘や木ネジなどによる接合が可能であり、穴開け加工や切断がドリルやノコギリなどによって容易に行うことができる。
【0019】
上記第3覆蓋部材22Cは、水槽11の上側から見た際に、全体として架け渡し方向に伸びる略筐体形状を呈している。また、天板23cは平面視形状が略長方形状を呈しており、一対の脚板24c,24cも側面視形状が略長方形状を呈している。一対の脚板24c,24cは、天板23cの長手方向両端部に接合されており、それぞれ天板23cの下面側に向かって立設されている。
【0020】
上記一対の梁板25c1,25c2は、それぞれ天板23cの長手方向に沿って延びてなり、天板23cの短手方向一側端に接合された一側梁板25c1と、天板23cの短手方向他側端に接合された他側梁板25c2とからなる。この一側梁板25c1及び他側梁板25c2は、共に天板23cの下面側に向かって立設されている。そして、上記一対の脚板24cの長手方向両側端と、上記一側梁板25c1及び他側梁板25c2の長手方向両端とは、上記天板23cの角部において接合されている。
【0021】
上記各角材26cは、上記天板23cの下面側における長手方向中央部及び両端部に配置され、それぞれ天板23cの下面に接合されている。また、上記各角材26cの両側端は上記一側梁板25c1及び他側梁板25c2の内側面に接合されている。なお、他側梁板25c2は、一側梁板25c1の立設方向(上下方向)の長さよりも短く、各角材26cの高さ方向の長さとほぼ同一の長さに設定されている。
【0022】
上記各脚板24cの下端部の長手方向両端付近には、一対の車輪27c,27cがそれぞれ取り付けられている。各車輪27cは周方向に溝が設けられたプーリー様の形状を呈しており、上記第3レール部材21cの上に車輪27cが載った際に、車輪27cが第3レール部材21cの上端部から脱落しないようになっている。
【0023】
図7の(a)〜(c)に示すように、上記第3覆蓋部材22Cの被収納部材として機能する第2覆蓋部材22Bは、天板23bと、一対の脚板24b,24bと、一対の梁板25b1,25b2と、3本の角材26b,26b,26bとを有しており、これらも第3覆蓋部材22Cと同様のFFUによって形成されている。上記天板23bは平面視形状が略長方形状を呈しており、一対の脚板24b,24bも側面視形状が略長方形状を呈している。上記一対の脚板24b,24bは、天板23bの長手方向両端部に接合されており、それぞれ天板23bの下面側に向かって立設されている。
【0024】
上記一対の梁板25b1,25b2は、それぞれ天板23bの長手方向に沿って延びてなり、天板23bの短手方向一側端に接合された一側梁板25b1と、天板23bの短手方向他側端に接合された他側梁板25b2とからなる。この一側梁板25b1及び他側梁板25b2は、共に天板23bの下面側に向かって立設されている。そして、上記一対の脚板24bの長手方向両側端と、上記一側梁板25b1及び他側梁板25b2の長手方向両端とは、上記天板23bの角部において接合されている。
【0025】
上記各角材26bは、上記天板23bの下面側における長手方向中央部及び両端部に配置され、それぞれ天板23bの下面に接合されている。また、上記各角材26bの両側端は上記一側梁板25b1及び他側梁板25b2の内側面に接合されている。そして、図5に示すように、第2覆蓋部材22Bの各角材26b同士の間隔は、第3覆蓋部材22Cの各角材26c同士の間隔と同じであり、後述する第1覆蓋部材22Aの各角材26a同士の間隔も同じ間隔に設定されている。なお、他側梁板25b2は、一側梁板25b1の立設方向(上下方向)の長さよりも短く、各角材26bの上下方向の長さとほぼ同一の長さに設定されている。
【0026】
上記各脚板24bの下端部の長手方向両端付近には、一対の車輪27b,27bがそれぞれ取り付けられている。上記各車輪27bも周方向に溝が設けられたプーリー様の形状を呈しており、第2レール部材21bの上に車輪27bが載った際に、車輪27bが第2レール部材21bの上端部から脱落しないようになっている。
【0027】
そして、上記第2覆蓋部材22Bは、その一側(図2〜図4では左側)より上記第3覆蓋部材22Cに収納されるようになっている。この第2覆蓋部材22Bの天板23bと第3覆蓋部材22Cの天板23cとには、その天板23bの一側端と天板23cの他側端とが互いに重なり合うようにオーバーラップするオーバーラップ部分28b1,28cが存在している。この第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23cのオーバーラップ部分28b1,28cは、上記開口12を閉塞する閉塞状態(図2に示す状態)となるように第2及び第3覆蓋部材22B,22Cを互いに離反方向へ移動させても存在している。また、上記第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23cのオーバーラップ部分28b1,28cは、上記開口12を開放する開放状態(図3に示す状態)にするように第2覆蓋部材22Bを第3覆蓋部材22Cの内部に収納する方向へ移動させると、移動方向に増大し、天板23bと天板23cとの移動方向での重なり合いが増す。
【0028】
また、上記第3覆蓋部材22Cの天板23cの他側端には、上記第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b1に対し常時摺接した状態で転動する3つの戸車29c,29c,29c(転動部材の一例)が設けられている。この各戸車29cは、上記第3覆蓋部材22Cのオーバーラップ部分28cに対応する上記各角材26cの他側端に取り付けられ、上記第2覆蓋部材22Bの各角材26bの上側にそれぞれ対応する天板23bの上面を転動する。上記各角材26bは、上記天板23bのオーバーラップ部分28b1における上記各戸車29cの転動部位を第2覆蓋部材22Bの移動方向に沿って延び、上記各戸車29cの転動部位を補強するための補強部材としての機能を有する。また、上記各角材26cは、上記天板23cのオーバーラップ部分28cにおける上記各戸車29cの取付部位を第3覆蓋部材22Cの移動方向に沿って延び、上記各戸車29cの取付部位を補強するための補強部材としての機能を有する。
【0029】
そして、上記第2覆蓋部材22Bの一側梁板25b1は、他側梁板25b2よりも当該第2覆蓋部材22Bの移動方向に厚肉(他側梁板25b2の2倍程度の厚さ)に形成されている。これは、第2覆蓋部材22Bの一側に作用する荷重を支えるためである。つまり、第2覆蓋部材22Bの一側梁板25b1は、第2覆蓋部材22B自身の一側の荷重と、各戸車29cを介して第2覆蓋部材22Bの天板23b一側のオーバーラップ部分28b1に作用する第3覆蓋部材22Cの天板23cのオーバーラップ部分28cからの荷重とを支えるための梁板としての機能を有する。
【0030】
更に、上記第2覆蓋部材22Bのオーバーラップ部分28b1の一側端における長手方向中央部及び両端部には、その天板23b上を転動する第3覆蓋部材22Cの各戸車29cを当該天板23bの一側端においてそれぞれ停止させるストッパ30b,30b,30bが設けられている。この各ストッパ30bは、上記第2覆蓋部材22Bの天板23bの一側端において上端が上方へ突出する略矩形状の合成樹脂材よりなる。そして、上記各ストッパ30bは、第2覆蓋部材22Bが第3覆蓋部材22Cから引き出される方向へ移動した際に各戸車29bに当接して当該各戸車29bを輪止めし、上記天板23bの一側端と上記天板23cの他側端との互いのオーバーラップ部分28b1,28c同士によるオーバーラップを保証している。また、各ストッパ30bは、第3覆蓋部材22Cに第2覆蓋部材22Bが収納された際に一側梁板25c1との当接を緩和するクッション材としての機能も有する。なお、第3覆蓋部材22Cの他側梁板25c2及び第2覆蓋部材22Bの他側梁板25b2は、第3覆蓋部材22Cの一側梁板25c1とほぼ同じ移動方向の厚さに設定されている。
【0031】
図8の(a)〜(c)に示すように、上記第2覆蓋部材22Bの被収納部材として機能する第1覆蓋部材22Aは、天板23aと、一対の脚板24a,24aと、一対の梁板25a1,25a2と、3本の角材26a,26a,26aとを有しており、これらはいずれも第3覆蓋部材22Cと同様のFFUによって形成されている。上記天板23aは平面視形状が略長方形状を呈しており、一対の脚板24a,24aも側面視形状が略長方形状を呈している。一対の脚板24a,24aは、天板23aの長手方向両端部に接合されており、それぞれ天板23aの下面側に向かって立設されている。
【0032】
上記一対の梁板25a1,25a2は、それぞれ天板23aの長手方向に沿って延びてなり、天板23aの短手方向一側端に接合された一側梁板25a1と、天板23aの短手方向他側端に接合された他側梁板25a2とからなる。この一側梁板25a1及び他側梁板25a2は、共に天板23aの下面側に向かって立設されている。そして、上記一対の脚板24aの長手方向両側端と、上記一側梁板25a1及び他側梁板25a2の長手方向両端とは、上記天板23aの角部において接合されている。
【0033】
上記各角材26aは、上記天板23aの下面側における長手方向中央部及び両端部に配置され、それぞれ天板23aの下面に接合されている。また、上記各角材26aの両端は上記一側梁板25a1及び他側梁板25a2の内側面に接合されている。そして、一側梁板25a1と他側梁板25a2とは、各脚板24aの上下方向の長さとほぼ同一の長さに設定されている。
【0034】
上記各脚板24aの下端部の長手方向両端付近には、一対の車輪27a,27aがそれぞれ取り付けられている。上記各車輪27aも周方向に溝が設けられたプーリー様の形状を呈しており、第1レール部材21aの上に車輪27aが載った際に、車輪27aが第1レール部材21aの上端部から脱落しないようになっている。
【0035】
そして、上記第1覆蓋部材22Aは、その一側(図2〜図4では左側)より上記第2覆蓋部材22Bに収納されるようになっている。この第1覆蓋部材22Aの天板23aと第2覆蓋部材22Bの天板23bとには、その天板23aの一側端と天板23bの他側端とが互いに重なり合うようにオーバーラップするオーバーラップ部分28a,28b2が存在している。この第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの天板23a,23bのオーバーラップ部分28a,28b2は、上記開口12を閉塞する閉塞状態(図3に示す状態)となるように第1及び第2覆蓋部材22A,22Bを互いに離反方向へ移動させても存在している。また、上記第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの天板23a,23bのオーバーラップ部分28a,28b2は、上記開口12を開放する開放状態(図4に示す状態)にするように第1覆蓋部材22Aを第2覆蓋部材22Bの内部に収納する方向へ移動させると、移動方向に増大し、天板23aと天板23bとの移動方向での重なり合いが増す。
【0036】
また、上記第2覆蓋部材22Bの天板23bの他側端には、上記第1覆蓋部材22Aの天板23aのオーバーラップ部分28aに対し常時接触した状態で転動する3つの戸車29b,29b,29b(転動部材の一例)が設けられている。この各戸車29bは、上記第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b2における上記各角材26bの他側端に取り付けられ、上記第1覆蓋部材22Aの各角材26aの上側に対応する天板23aの上面を転動する。上記各角材26aは、上記天板23aのオーバーラップ部分28aにおける上記各戸車29bの転動部位を第1覆蓋部材22Aの移動方向に沿って延び、上記各戸車29bの転動部位を補強するための補強部材としての機能を有する。また、上記第2覆蓋部材22Bの各角材26bは、上記各戸車29bの取付部位を補強するための補強部材としての機能も有する。
【0037】
そして、上記第1覆蓋部材22Aの一側梁板25a1は、他側梁板25a2よりも当該第1覆蓋部材22Aの移動方向に厚肉(他側梁板25a2の2倍程度の厚さ)に形成されている。これは、第1覆蓋部材22Aの一側に作用する荷重を支えるためである。つまり、第1覆蓋部材22Aの一側梁板25a1は、第1覆蓋部材22A自身の一側の荷重と、各戸車29bを介して第1覆蓋部材22Aの天板23a一側のオーバーラップ部分28aに作用する第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b2からの荷重とを支えるための梁板としての機能を有する。なお、第1覆蓋部材22Aの他側梁板25a2も、第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの他側梁材22b2,22c2とほぼ同じ各覆蓋部材22A〜22Cの移動方向の厚さに設定されている。
【0038】
更に、上記第1覆蓋部材22Aのオーバーラップ部分28aの一側端における長手方向中央部及び両端部には、その天板23a上を転動する第2覆蓋部材22Bの各戸車29bを当該天板23aの一側端においてそれぞれ停止させるストッパ30a,30a,30aが設けられている。この各ストッパ30aは、上記第1覆蓋部材22Aの天板23aの一側端において上端が上方へ突出する略矩形状のFFUよりなる。そして、上記各ストッパ30aは、第2覆蓋部材22Bと第1覆蓋部材22Aとが互いに離反方向へ相対移動した際に各戸車29bに当接することで、上記天板23aの一側端と上記天板23bの他側端との互いのオーバーラップ部分28a,28b2同士によるオーバーラップを保証している。また、各ストッパ30aは、第2覆蓋部材22Bに第1覆蓋部材22Aが収納された際に一側梁板25b1との当接を緩和するクッション材としての機能も有する。
【0039】
上記第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cは、高さと開口12を跨ぐ方向の長さとがそれぞれ異なっており、各覆蓋部材22A,22B,22Cをレール部材21a,21b,21c上で移動させる際に高さ方向や長さ方向には互いに干渉しないように設定されている。なお、第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cは、幅(移動方向の長さ)が約1m、スパン(架け渡し方向の長さ)が約6m程度に設定され、天板23a,23b,23cの厚さが1cm程度に設定されている。
【0040】
次に、第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cを開放させて水槽11の保守点検を行う場合の作業の流れについて説明する。
通常は、水槽11の開口12が複数組の第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cによって覆われた状態になっているが、水槽11の保守点検などの際には、何組かの第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cを移動させて、開口12を開放して保守点検作業を行なう。
【0041】
ここでは、複数組の第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cのうち、例えば、1組の第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cについて、第1覆蓋部材22Aと第2覆蓋部材22Bとを第3覆蓋部材22Cの内部に収納する場合について説明する。
【0042】
まず、図3に示すように、第2覆蓋部材22Bを第3覆蓋部材22Cに向けて移動させ、第3覆蓋部材22Cの各戸車29cを第2覆蓋部材22Bの天板23bの上面で転動させて第3覆蓋部材22Cの内部に第2覆蓋部材22Bを収納すると、この第2覆蓋部材22Bの移動に伴って第1覆蓋部材22Aも第3覆蓋部材22Cに向かって移動する。これは、第1覆蓋部材22Aの各ストッパ30aと第2覆蓋部材22Bの各戸車29bとの当接により、第1覆蓋部材22Aの天板23aの一側端と第2覆蓋部材22Bの天板23bの他側端との互いのオーバーラップ部分28a,28b2同士によるオーバーラップが保証されているからである。
【0043】
次いで、図4に示すように、第1覆蓋部材22Aを、第3覆蓋部材22Cの内部に収納した第2覆蓋部材22Bに向けて移動させ、第2覆蓋部材22Bの各戸車29bを第1覆蓋部材22Aの天板23aの上面で転動させて、第2覆蓋部材22Bの内部に第1覆蓋部材22Aを収納する。
このようにして、第1覆蓋部材22Aと第2覆蓋部材22Bとを第3覆蓋部材22Cの内部に収納する。
【0044】
そして、水槽11の保守点検が終了したら、開口12を再び第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cによって閉塞する。このとき、第1覆蓋部材22Aを第2覆蓋部材22Bの内部から引き出すと、第1覆蓋部材22Aの各ストッパ30aに第2覆蓋部材22Bの各戸車29bが当接するまで、第1覆蓋部材22Aのみが引き出される。
【0045】
その後、第1覆蓋部材22Aの各ストッパ30aに第2覆蓋部材22Bの各戸車29bが当接すると、第1覆蓋部材22Aの各ストッパ30aと第2覆蓋部材22Bの各戸車29bとの当接により、第2覆蓋部材22Bが第3覆蓋部材22Cの内部から引き出される。しかる後、第2覆蓋部材22Bの各ストッパ30bに第3覆蓋部材22Cの各戸車29cが当接すると、第2覆蓋部材22Bの引き出し方向への移動が規制され、第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cによる開口12の閉塞を完了する。
【0046】
したがって、上記実施の形態では、第2覆蓋部材22Bの天板23bの一側端と第3覆蓋部材22Cの天板23cの他側端とが互いに重なり合うようにオーバーラップしており、その第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b1に対し摺接した状態で転動する戸車29c,29c,29cを第3覆蓋部材22Cの天板23cのオーバーラップ部分28cの他側端に設けている。このため、第3覆蓋部材22Cの天板23cのオーバーラップ部分28cの荷重が、各戸車29cを介して第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b1で支えられる。このとき、上記第2覆蓋部材22Bの一側梁板25b1が他側梁板25b2よりも当該第2覆蓋部材22Bの移動方向に厚肉に形成されているので、この厚肉な一側梁板25b1によって、第2覆蓋部材22Bの天板23bの一側の荷重が支えられるのはもちろんのこと、この天板22bの一側に作用する各戸車29cを介した第3覆蓋部材22Cの天板23cのオーバーラップ部分28cからの荷重が効果的に支えられる。
また、第1覆蓋部材22Aの天板23aの一側端と第2覆蓋部材22Bの天板23bの他側端とが同様に互いに重なり合うようにオーバーラップしており、その第1覆蓋部材22Aの天板23aのオーバーラップ部分28aに対し摺接した状態で転動する戸車29b,29b,29bを第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b2の他側端に設けている。このため、第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b2の荷重が、各戸車29bを介して第1覆蓋部材22Aの天板23aのオーバーラップ部分28aで支えられる。このとき、上記第1覆蓋部材22Aの一側梁板25a1が他側梁板25a2よりも当該第1覆蓋部材22Aの移動方向に厚肉に形成されているので、この厚肉な一側梁板25a1によって、第1覆蓋部材22Aの天板23aの一側の荷重が支えられるのはもちろんのこと、この天板22aの一側に作用する各戸車29bを介した第2覆蓋部材22Bの天板23bのオーバーラップ部分28b2からの荷重が効果的に支えられる。
このため、第1覆蓋部材22Aを第2覆蓋部材22Bの内部に、第2覆蓋部材22Bを第3覆蓋部材22Cの内部にそれぞれ収納して、水槽11の保守点検を行う場合に、第1及び第2覆蓋部材22A,22Bを第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの内部に収納し始めた際に第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの他側が支えを失うことがない。これにより、各覆蓋部材22A〜22Cが比較的長いスパンであっても、第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23cの荷重強度が効果的に確保され、当該天板23b,23cの中央部における自重による撓みや寒冷地での積雪による撓みの発生を抑制することができる。
【0047】
しかも、上記各戸車29b,29cは、その取付部位を補強するための補強部材としての機能を有する各角材26b,26cの他側端に取り付けられている上、各角材26a,26bによって補強された天板23a,23bの転動部位においてのみ転動するので、各戸車29b,29cを介した第2及び第3覆蓋部材22B,22Cからの荷重が第1及び第2覆蓋部材22A,22Bに効率よく作用する。これにより、第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23cの荷重強度をより一層高めることができ、当該天板23b,23cの中央部での自重による撓みや積雪による撓みの発生を抑制する上で非常に有利なものとなる。
【0048】
更に、上記第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの天板23a,23bの一側梁板25a1,25b1が各戸車29b,29cを介して天板23a,23bの一側に作用する第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの他側からの荷重を支えるための補強梁としての機能を有していることにより、天板23b,23c他側端の他側梁板25b2,25c2を高さ方向に長くする必要がない。これにより、各覆蓋部材22A,22B,22Cの天板23a,23b,23c同士の間に生じる段差を小さくすることができ、作業者が各覆蓋部材22A,22B,22C上に載って作業をする際に足下を良好に保つことができる。
【0049】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施の形態では、水槽11の開口12を各覆蓋装置22により開閉する覆蓋システム2について述べたが、建屋の天井に設けられた開口を各覆蓋装置(各覆蓋部材)により開閉する覆蓋システムであってもよい。また、上記実施の形態では、各覆蓋装置22を3つの第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cにより構成したが、2つまたは4つ以上の覆蓋部材により各覆蓋装置が構成されていてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの一側梁板25a1,25b1を第1及び第2覆蓋部材22A,22Bの移動方向に厚肉に形成したが、第1及び第2覆蓋部材のオーバーラップ部分に、その第1及び第2覆蓋部材の移動方向に複数の一側梁板を設け、この各一側梁板によって、当該第1及び第2覆蓋部材のオーバーラップ部分に各戸車を介して作用する第2及び第3覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分からの荷重をそれぞれ支えるための梁板が構成されていてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、第2及び第3覆蓋部材22B,22Cの天板23b,23cのオーバーラップ部分28b2,28cの他側端に戸車29b,29cを設けたが、戸車29b,29cに代えて、ころなどの転動部材であってもよい。
【0052】
また、上記実施の形態では、第1及び第2覆蓋部材22A,22Bのオーバーラップ部分28a,28b1の一側端にストッパ30a,30bを設けたが、第2及び第3覆蓋部材のオーバーラップ部分の他側端にストッパが設けられていてもよい。
【0053】
更に、上記実施の形態では、第1〜第3覆蓋部材22A,22B,22Cの材料にFFUを用いたが、材料の素材はFFUに限らない。例えば、他の樹脂素材や、木材、アルミニウム板であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
12 開口
13 周縁部
2 覆蓋システム
22A 第1覆蓋部材
22B 第2覆蓋部材
22C 第3覆蓋部材
23a,23b,23c 天板
24a,24b,24c 脚板
25b1,25a1 一側梁板(梁板)
26a,26b,26c 角材(補強部材)
28a,28b1,28b2,28c オーバーラップ部分
29b,29c 戸車(転動部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の開口を跨いで覆う少なくとも2つ以上の覆蓋部材が上記開口を跨ぐ方向に存在する一対の周縁部に沿って移動可能に設けられ、
上記各覆蓋部材のうちの収納部材として機能する一方の覆蓋部材と、残る覆蓋部材のうちの上記一方の覆蓋部材に対し収納される被収納部材として機能する他方の覆蓋部材とを互いに相対方向に移動させることにより上記開口を開閉する覆蓋システムであって、
上記各覆蓋部材には、上記開口を覆う天板と該天板から下方に延びる一対の脚板とが少なくとも設けられ、
上記被収納部材として機能する他方の覆蓋部材の天板と上記収納部材として機能する一方の覆蓋部材の天板とには、その両天板の少なくとも一部分同士が互いに重なり合うようにオーバーラップするオーバーラップ部分が設けられており、
上記一方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分には、上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分に対し接触した状態で転動する転動部材が設けられていることを特徴とする覆蓋システム。
【請求項2】
上記他方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分には、当該天板のオーバーラップ部分に上記転動部材を介して作用する上記一方の覆蓋部材の天板のオーバーラップ部分からの荷重を支えるための梁板が設けられている請求項1に記載の覆蓋システム。
【請求項3】
上記各覆蓋部材の天板の下面には補強部材が設けられ、この補強部材が、上記一方のオーバーラップ部分に対して設けられる上記転動部材の設置部位または上記他方のオーバーラップ部分に対して転動する上記転動部材の転動部位を上記各覆蓋部材の移動方向に沿って延びるものである請求項1または請求項2に記載の覆蓋システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−73720(P2011−73720A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226560(P2009−226560)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】