説明

見当調整表示装置

【課題】見当調整に際して操作ミスを少なくできると共に、作業負担、損紙、ロス時間を大幅に軽減できるようにする。
【解決手段】操作パネル17に、各印刷ユニット1a〜1dの見当調整機構を指定するユニットボタン18a〜18dと、各印刷ユニットの逆転裏刷り、表刷り、ターンバー反転裏刷り及びオフセット印刷、凸印刷のような印刷条件を指定する条件指定ボタン19a〜19c,28,29、複数の移動量設定ボタン23と、上記各ユニットボタンにて指定された印刷ユニットの見当調整機構を上記条件指定ボタンによる指定に応じて上記移動量設定ボタンにより設定された移動量にわたって前進移動、後進移動、OS移動、GS移動の各移動を指示する各ボタンを有する移動コマンドボタン22を設けた構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフセット印刷や凸印刷、あるいは表刷り印刷や裏刷り印刷が可能な複数の印刷ユニットを備える印刷機において、各印刷ユニットのインキ色を容易に把握でき、見当調整時の操作ミスが少ない操作パネルを備えた見当調整表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば図1に示すような、複数の印刷ユニットa,a,a,aを直列状に配置してなる多色印刷機にあっては、各印刷ユニットa〜aの各版胴bに天地・左右・ひねりの各方向への見当調整を行う見当調整機構cが設けられている。そしてこの見当調整機構cへの入力は入力手段dと印刷機全体を統合的に制御する演算制御手段eとを有する制御コンソールfにて行われるようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
上記制御コンソールfの表面に設けられる入力手段dには図2に示すように、上記印刷ユニットa〜aに対応するユニット選択ボタンg,g,g,gを有するボタン群gと数値入力ボタン群iとが設けてある。
【0004】
数値入力ボタン群iは、これを押下することにより、上記ユニット選択ボタンg〜gの押下によって選択された印刷ユニットの見当修正が必要とされる位置ずれ量である見当ずれ量が入力されるものであり、図中左側が天地/左右のずれ量を、右側がひねり量を入力するためのもので、ボタンの押下に対応して数値表示がなされて、この入力された数値通りに印刷ユニットの見当調整機構cが作動するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−315228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術における見当調整表示装置にあっては、枚葉紙印刷機で、仕事はシート製品に限定され、片面にK,C,M,Yの印刷等、固定的に使われることが多く、見当調整操作で混乱することはない。例えば、M(マゼンタ)を天地方向に0.05後退、操作側に0.17移動する場合、図2の入力手段dで3番目の印刷ユニットのボタンgを選択し、数値入力ボタン群iにて上記数値0.05/0.17を入力し、指定方向の見当ボタンを押下すればよいことがわかる。
【0007】
しかし、複数の交換胴式フォーム印刷機を用いて連続紙にフォーム印刷を行う場合、図2に示すような入力手段dで直感的に操作するのは難しかった。一例として、8色印刷で、かつ表裏多色刷りを行う場合、用紙反転にはターンバーか逆転走行方式が、印刷にはオフセット印刷(3胴)か凸印刷(2胴)が使用されるが、例えば1〜4色目でK,C,M,Yのオフセット表刷りを順次行い、5色目でターンバーにて反転して裏刷りする場合、この5色目以降においての左右の見当調整方向が、前段の1〜4色の印刷と反対になってしまう。また、5色目で逆転走行方式で凸印刷により裏刷りをする場合は、天地及び左右とも前段と同一になるなど、操作者は紙通しや交換胴の組み合わせが変わるたびに、記憶やメモを頼りに操作していた。さらに、フォーム印刷では、表裏に加え、特色や減感インキが使用され、枚葉印刷機のように色目と使用色の関係が固定されていないため、印刷ユニットに貼り付けた「浅葱色」等のメモを頼りに操作していた。
【0008】
上記したように上記背景技術にて示した従来技術にあっては、紙通し、交換胴及び使用インキが変わるたびに見当調整作業が混乱したり、インキを誤供給したり、さらに「浅葱色」などわかりづらい特色については操作がしにくかった。
【0009】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、紙通し、版胴交換によるオフセット印刷と凸印刷の変更、使用インキの変更等の各印刷ユニットの印刷条件の変更の際における見当調整作業を操作パネル上において直感的にスムーズに行うことができるようにした見当調整表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る見当調整表示装置は、逆転裏刷り、表刷り、ターンバー反転裏刷り及びオフセット印刷、凸印刷のように印刷条件が異なり、かつそれぞれに見当調整機構を備えた複数の印刷ユニットのそれぞれの見当調整を1つの操作パネルにて行うようにした見当調整表示装置において、操作パネルに、各印刷ユニットの見当調整機構を指定するユニットボタンと、各印刷ユニットの印刷条件を指定する条件指定ボタンと、複数の移動量設定ボタンと、上記各ユニットボタンにて指定された印刷ユニットの見当調整機構を上記条件指定ボタンによる指定に応じて上記移動量設定ボタンにより設定された移動量にわたって前進移動、後進移動、OS移動、GS移動の各移動を指示する各ボタンを有する移動コマンドボタンを設けた構成になっている。
【0011】
上記見当調整表示装置において、ユニットボタンを変色可能にすると共に、指定されたユニットボタンの色を選定する色選定手段を操作パネルに設け、そしてこの色選定手段がカラーコードであり、カラーコードを各印刷ユニットにて用いられる各色の濃淡にわたる色見本ボタンとし、あるいはこの色選定手段をインキのラインアップ表示とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、各印刷ユニットの印刷条件、すなわち逆転裏刷り、表刷り、ターンバー反転裏刷り及びオフセット印刷、凸印刷の印刷条件を操作パネルにて指定できることにより、各印刷ユニットの印刷条件の変更に応じて行われる紙通し、版胴交換によるオフセット印刷と凸印刷の変更の際における見当調整作業を操作パネルにおいて直感的にスムーズに行うことができ、見当調整に際して操作ミスを少なくできると共に、作業負担、損紙、ロス時間を大幅に軽減することができる。
【0013】
請求項2の構成によれば、指定されたユニットボタンの色を、操作パネルに設けられた色選定手段を操作することにより、このユニットボタンに対応する印刷ユニットで使用するインキと同色にすることができて各色の見当調整の際に、ユニットボタンの選択ミスをなくすことができる。またこれにより操作パネルにユニットボタンの色によって、このユニットボタンにて指定する印刷ユニットの使用インキの関係が常時表示することができ、印刷ユニットにおけるインキの誤供給の恐れを少なくすることができる。
【0014】
そして上記カラーコードが各色の濃淡にわたる色見本ボタンにし、あるいはインキのラインアップ表示にしたことにより、ユニットボタンの色を浅葱色(浅いあい色)等のようにわかりづらい特色でも容易に指定することができる。しかもこの色指定が色見本ボタンを押すことによって行うことができ、操作が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図3以下に基づいて説明する。
【0016】
図3は、本発明に係る見当調整表示装置を備えた交換胴式フォーム印刷機を示すもので、4色印刷可能にするために、4台の印刷ユニット1a,1b,1c,1dが給紙機2からの連続紙3の走行方向に直列状に配置されている。そしてこの印刷ユニットの下流側にファイルパンチ加工機4、縦ミシン目加工機5、横ミシン目加工機6、折り畳み機7等からなる加工部8が配置されており、この加工部8の端部に制御装置9が設置されている。
【0017】
上記4台の印刷ユニット1a〜1dにおいて、第1の印刷ユニット1aはオフセット印刷機(3胴)、第2の印刷ユニット1bは凸印刷機(2胴)、第3の印刷ユニット1cはオフセット印刷機、第4の印刷ユニット1dは凸印刷機が用いられている。そして第1の印刷ユニット1aは連続紙3を逆転走行させて裏刷り印刷されるようになっている。第2・第3の印刷ユニット1b,1cは、上記第1の印刷ユニット1aを通過した連続紙3は再び反転されて通過して表刷り印刷されるようになっている。また第4印刷ユニット1dは、ターンバー装置10にて反転された連続紙3が通過して裏刷り印刷されるようになっている。そして例えば、第1の印刷ユニット1aでは浅葱色が、第2の印刷ユニット1bでは青(シアン)色が、第3の印刷ユニット1cでは赤(マゼンタ)が、さらに第4の印刷ユニット1dでは黒(ブラック)がそれぞれ印刷されるようになっている。
【0018】
したがって、この交換胴式フォーム印刷機では、連続紙3の裏面に第1・第4の印刷ユニット1a,1dにて浅葱色と黒色の2色の、また表面に第2・第3の印刷ユニット1b、1cにて青色と赤色の2色のそれぞれの絵柄が印刷されるようになっている。
【0019】
なお、上記第4の印刷ユニット1dの上流側に設けたターンバー装置10は、通常の反転作用をするものが用いられるが、その一例を図4に示す。この構成は、入口ローラ11を通過した連続紙3は45度傾斜した第1ターンバー12、垂直に設けられた第1中間ローラ13、上記第1ターンバー12と逆方向に45度傾斜した第2ターンバー14、水平に設けられた第2中間バー15、上記入口ローラ11と平行に配置される出口ローラ16を通過する間に反転されるようになっている。
【0020】
上記各印刷ユニット1a〜1dのそれぞれは、見当調整表示装置にて各絵柄の前進・後進(天地)方向、OS・GS(手前側・奥側)方向の各見当調整を各印刷ユニットごとに行うことができるようになっている。なお、これらの見当調整は上記した特許文献1に示されているように公知の見当調整機構にて行われるようになっている。
【0021】
上記前進・後進方向とOS・GS方向の見当合わせは、印刷ユニットの見当モータを正転、逆転することにより行われる。
【0022】
このときにおいて、図5の見当モータ動作方向テーブルに示したように、印刷ユニットの使用条件によって前進と後進の方向、及びOSとGSの方向が異なる。
【0023】
すなわち、表印刷の場合で3胴式であるオフセット印刷ではTに示すように、前進方向に見当をずらせるには連続紙の走行側へ版胴の位相をずらせる方向にモータを駆動し、また後方向に見当をずらせるには連続紙の走行方向と逆側へ版胴の位相をずらせる。それが2胴式である凸印刷の場合にはTに示すようにそれぞれが逆方向になるようにモータを駆動する。
【0024】
そして、裏印刷の場合でターンバー装置10を用いて反転する場合のオフセット印刷と凸印刷はT,Tに示すようになり、上記表印刷の前進と後進と同一になる。また、逆転走行により反転する場合のオフセット印刷と凸印刷はT,Tに示すように上記ターンバー装置10を用いた場合と逆になる。
【0025】
一方、表印刷でオフセット印刷と凸印刷の双方ともT,Tにて示すように、OS方向への見当合わせは手前(OS)側へ、GS方向への見当合わせは奥側(GS)側へそれぞれ見当がずれるようにモータを駆動する。また、裏印刷でターンバー装置10を用いてのオフセット印刷と凸印刷ではT,Tに示すように、上記表印刷におけるオフセット印刷と凸印刷の場合と逆となり、また逆転走行により反転する場合にはT,Tに示すように上記表印刷におけるオフセット印刷と凸印刷の場合と同一になる。
【0026】
上記各印刷ユニット1a〜1dのそれぞれの見当調整を行う見当調整機構は、制御装置9に設けられた見当調整表示装置の操作パネル17にて操作するようになっている。
【0027】
図6は上記操作パネル17を示すもので、図中18は各印刷ユニット1a〜1dに対応する第1・第2…のユニットボタン18a,18b,18c…を備えた印刷ユニット選択ボタンで、この実施の態様では10台の印刷ユニットに対応することができるようになっている。そしてこの各印刷ユニット選択ボタン18でのユニットボタンを押すことにより、それに対応する印刷ユニットが見当調整対象として設定されるようになっている。
【0028】
19a,19b,19cは各ユニットボタン18a,18b…に付属して設けられていて,19aは押さなければオフセット印刷に指定され、押すことにより凸印刷に指定されるオフ/凸選択ボタン、19bは押すことによって指定される表印刷指定ボタン、19cは押すことによって指定される裏印刷指定ボタンであり、これらはこれらを付属させているユニットボタンにて設定される印刷ユニットの印刷条件に応じて操作するようになっている。また、各ユニットボタン18a,18b…の両側にOS,GS方向への見当調整が限界まで行われたときに点灯する限界ランプ20a,20bが設けられている。
【0029】
21は印刷ユニット一括選択ボタンで、各印刷ユニットが裏印刷である場合には裏印刷ボタン21aを、逆に表印刷である場合には表印刷ボタン21bを選択する。
【0030】
22は移動コマンドボタンで、22a,22bは見当を前後方向に移動するための後退ボタン、前進ボタンであり,22c,22dはOS、GS方向へ見当を移動するためのOSボタン、GSボタンである。
【0031】
23は上記移動コマンドボタン22にて指定された方向における移動量を設定する移動量設定ボタンであり、0.05mmから10mmの範囲の移動量が設定されている。
【0032】
24は色選定ボタンで、この色選定ボタン24を押すことによりカラーコード表示25がパネル面に表示されるようになっている。カラーコード表示25には色指定ボタン26とカラーコード27とを有しており、色指定ボタン26には左側から横方向に黒ボタン26a、黄(Y)ボタン26b、緑(G)ボタン26c、ブルー(C)ボタン26d、赤(M)ボタン26e、グレーボタン26fが配置されている。カラーコード27は上記各色指定ボタン26a〜26fに対応する複数の色見本コードが縦方向に列状に設けてあり、各色見本コードは上から下側へ順に淡色から濃色に徐々に変化されている。そして上記色指定ボタン26のうちのこれに対応する色見本コードを選択してこれを押すことにより、このときに押されている1つのユニットボタンの色が色見本コードの色になるようになっている。
【0033】
28は一括オフ/凸選択ボタンで、印刷ユニット選択ボタン18の複数のユニットボタンがONになっているときに、この各ユニットボタンにて指定された複数の印刷ユニットを一括してオフセット印刷あるいは凸印刷に指定することができるようにしている。なお、このボタンは押せば凸、押さなければオフセット印刷に指定されるものである。
【0034】
29はターンバー/逆転ボタンで、印刷ユニット選択ボタン18のユニットボタン18a,18b…にて指定された印刷ユニットがターンバー装置10の下流側にある場合(印刷ユニットd)にはTBボタンを、ローラーにて逆転走行させるようにした印刷ユニットの場合(印刷ユニット1a)には逆転ボタンをそれぞれ押す。
【0035】
この操作パネル17における各ボタンは、わずかな押し力にて反応するタッチパネルが用いられている。
【0036】
次に上記構成の見当調整装置の操作パネル17による操作を説明する。
【0037】
図3に示した各印刷ユニット1a,1b,1c,1dは上記したように、第1の印刷ユニット1aはオフセット印刷であり、逆転走行による裏刷り印刷で、かつ浅葱色を、第2の印刷ユニット1bは凸印刷であり、表刷り印刷で、かつ青色を、第3の印刷ユニット1cはオフセット印刷であり、表刷り印刷で、かつ赤色を、第4の印刷ユニット1dは凸印刷であり、ターンバー装置10により反転された裏刷り印刷で、かつ黒色をそれぞれ印刷するものとする。
【0038】
(1)印刷ユニット1a〜1dに対応するユニットボタン18a〜18dの色を各印刷ユニットにおける使用インキと同色にする操作を行う。
【0039】
(1−a)まず、いずれか1つのユニットボタンに例えば第1の印刷ユニット1aに対応する第1のユニットボタン18aを押す。
【0040】
(1−b)次に色選択ボタン24を押してカラーコード表示25を操作パネル17に表示させて、第1の印刷ユニット1aに印刷しようとする色である浅葱色を色見本コードから選択し、これを押下する。これにより、第1のユニットボタン18aの色が、この色見本コードにて選択された浅葱色になり、ユニットボタンの色と印刷ユニットにより印刷される色と同色になる。
【0041】
(1−c)以下同様に各ユニットボタン18b,18c,18dを押すと共に、それぞれの印刷ユニットの色の色見本コードを押すことにより、それぞれのユニットボタンが上記印刷ユニットにて使用される色に合わせた色に設定される。
【0042】
(2)各ユニットボタン18a〜18dの条件(表/裏、オフ/凸、ターンバー/逆転)を設定する。
【0043】
(2−a)第1の印刷ユニット1aはオフセット印刷であると共に、逆転で裏刷り印刷であるから、ユニットボタン18aに付属しているオフ/凸選択ボタン19aを押さない状態にしてこれをオフセット印刷に設定すると共に、裏印刷指定ボタン19cを押して裏刷り印刷に設定し、さらにターンバー/逆転ボタン29の逆転ボタンを押して逆転に設定する。これにより、図5に示した見当モータ動作方向テーブルの裏刷り印刷・逆転オフセット印刷Tに設定される。
【0044】
(2−b)以下同様に、第2のユニットボタン18bは、これによって設定される第2の印刷ユニット1bが青色印刷であることから、色見本コードのこれと同色の青色を押して、このユニットボタン18bの色を印刷色と同色にする。また、第2の印刷ユニット1bが凸印刷、表刷り印刷であることにより、ユニットボタン18bに付属するオフ/凸選択ボタン19aを押して凸印刷を選択すると共に、表印刷指定ボタン19bを押してこの第2のユニットボタン18bを凸印刷、表刷り印刷に設定する。これにより見当モータ動作方向テーブルの表刷り印刷・凸印刷Tに設定される。
【0045】
(2−c)第3のユニットボタン18cは、これによって設定される第3の印刷ユニット1cが赤色印刷であることから、色見本コードのこれを同色の赤色を押して、このユニットボタン18cの色を印刷色と同色にする。また、第3の印刷ユニット1cがオフセット印刷、表刷り印刷であることにより、ユニットボタン18cに付属するオフ/凸選択ボタン19aを押さない状態にしてオフセット印刷に設定し、表印刷指定ボタン19bを押して表刷り印刷に設定する。これにより見当モータ動作方向テーブルの表刷り印刷・オフセット印刷Tに設定される。
【0046】
(2−d)第4のユニットボタン18dは、これによって設定される第4の印刷ユニット1dが黒色印刷であることから、色見本コードのこれを同色の黒色を押して、このユニットボタン18dの色を印刷と同色にする。また、第4の印刷ユニット1dが凸印刷でターンバー装置10による反転による裏刷り印刷であることにより、ユニットボタン18dに付属するオフ/凸選択ボタン19aを押して凸印刷に設定すると共に、裏印刷指定ボタン19cを押して裏刷り印刷に設定し、さらにターンバー/逆転ボタン29のターンバーボタンを押してターンバー反転に設定する。これにより見当モータ動作方向テーブルの裏刷り印刷・ターンバー反転・凸印刷Tに設定される。
【0047】
また、第2と第4の印刷ユニット1b,1dが凸印刷であることにより、第2と第4のユニットボタン18b,18dを押した状態でこれらに付属するボタンによることなく、一括オフ/凸選択ボタン28を押して両ユニットボタン18b,18dを凸印刷に一括して設定することができる。
【0048】
上記した操作により各ユニットボタン18a〜18dの設定が完了する。そしてこの状態で制御装置9の操作に従って交換胴式フォーム印刷機が運転されて連続紙3にはこれの表面に第2と第3の印刷ユニット1b、1cにて青色と赤色の2色印刷され、裏面に第1と第4の印刷ユニット1a,1dにて浅葱色と黒色の2色印刷される。
【0049】
このときにおいて、表面に印刷される赤色(マゼンタ)の絵柄の見当が天地方向後方に0.15mmずれていた場合の見当調整を以下に説明する。
【0050】
上記赤色の絵柄は第3の印刷ユニット3cにて印刷されるのであるから、これに対応する第3のユニットボタン18cを押す。このとき第3のユニットボタン18cは、これに対応する第3の印刷ユニット1cにて印刷される色である赤色に設定してあることにより、視覚的にも第3のユニットボタン18cを選択でき、ユニットボタンの誤操作の恐れがない。
【0051】
ついで移動量設定ボタン23の0.15のボタンを押してから移動コマンド22の前進ボタン22bを押す。これにより第3の印刷ユニット1cの見当モータは、図5に示した動作方向テーブルの表刷り印刷・オフセット印刷Tにて動作し、天地方向の見当が0.15mm前進されて上記のずれ量が見当合わせされる。
【0052】
また、上記連続紙3に印刷された絵柄の黒色の絵柄が天地方向に0.3mm後方に、及びOS側に2mmずれていた場合で、この見当合わせをするには、まずこの絵柄を印刷したのが第4の印刷ユニット1dであるから第4のユニットボタン18dを押す。このとき、この第4のユニットボタン18dは上記絵柄と同色の黒色になっているので、直感的にこのユニットボタン18dを押すことができ誤動作の恐れがない。
【0053】
この状態で移動量設定ボタン23の0.3のボタンを押してから移動コマンド22の前進ボタン22bを押し、ついで移動量設定ボタン23の2のボタンを押してから移動コマンド22のGSボタン22dを押す。これにより第4の印刷ユニット1dの見当モータは、図5に示した動作方向テーブルのターンバー・凸印刷Tにて動作し、天地方向の見当が0.3mm前進され、また前後方向の見当が2mmGS側に移動して上記ずれ量が見当合わせされる。
【0054】
第1・第2の印刷ユニット1a,1bの場合も上記第3・第4の印刷ユニット1c,1dの場合と同じに、それぞれのユニットボタン18a,18bを押してから見当合わせに応じて移動量設定ボタン23を押してから移動コマンド22を押すことにより所定量及び所定方向の見当合わせが行われる。
【0055】
図6に示したカラーコード表示25に代えて図7に示したインキのラインアップ表示30を用いてもよい。この場合、各表示色を直接的に文字で表示し、右側の上下ボタン31a、あるいは31bを該当するインキ色が出るまで押下し、例えば「グリーン3」が表示されたらそのボタンを押すことにより、このときに押されているユニットボタンが「グリーン3」と称する色に変色される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】見当調整機構を備えた従来の印刷機を示す説明図である。
【図2】従来の操作パネルを示す正面図である。
【図3】本発明を適用する交換胴式フォーム印刷機を示す正面図である。
【図4】ターンバー装置の一例を示す説明図である。
【図5】見当モータ動作方向テーブルを示す説明図である。
【図6】本発明に係る見当調整表示装置の操作パネルを示す正面図である。
【図7】インキのラインアップ表示を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1a,1b,1c,1d…印刷ユニット、2…給紙機、3…連続紙、4…ファイルパンチ加工機、5…縦ミシン目加工機、6…横ミシン目加工機、7…折り畳み機、8…加工部、9…制御装置、10…ターンバー装置、11…入口ローラ、12,14…ターンバー、13,15…中間バー、16…出口ローラ、17…操作パネル、18…印刷ユニット選択ボタン、18a,18b,18c,18d…ユニットボタン、19a…オフ/凸選択ボタン、19b…表印刷指定ボタン、19c…裏印刷指定ボタン、20a,20b…限界ランプ、21…印刷ユニット一括選択ボタン、21a…裏印刷ボタン、21b…表印刷ボタン、22…移動コマンドボタン、22a…後退ボタン、22b…前進ボタン、22c…OSボタン、22d…GSボタン、23…移動量設定ボタン、24…色選定ボタン、25…カラーコード表示、26…色指定ボタン、27…カラーコード、28…一括オフ/凸選択ボタン、29…ターンバー/逆転ボタン、30…インキのラインアップ表示、31a,31b…上・下ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆転裏刷り、表刷り、ターンバー反転裏刷り及びオフセット印刷、凸印刷のように印刷条件が異なり、かつそれぞれに見当調整機構を備えた複数の印刷ユニットのそれぞれの見当調整を1つの操作パネルにて行うようにした見当調整表示装置において、
操作パネルに、
各印刷ユニットの見当調整機構を指定するユニットボタンと、
各印刷ユニットの印刷条件を指定する条件指定ボタンと、
複数の移動量設定ボタンと、
上記各ユニットボタンにて指定された印刷ユニットの見当調整機構を上記条件指定ボタンによる指定に応じて上記移動量設定ボタンにより設定された移動量にわたって前進移動、後進移動、OS移動、GS移動の各移動を指示する各ボタンを有する移動コマンドボタンを設けた
ことを特徴とする見当調整表示装置。
【請求項2】
ユニットボタンを変色可能にすると共に、指定されたユニットボタンの色を選定する色選定手段を操作パネルに設けたことを特徴とする請求項1記載の見当調整表示装置。
【請求項3】
色選定手段がカラーコードであり、カラーコードを各印刷ユニットにて用いられる各色の濃淡にわたる色見本ボタンとしたことを特徴とする請求項2記載の見当調整表示装置。
【請求項4】
色選定手段がインキのラインアップ表示であることを特徴とする請求項2記載の見当調整表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−90590(P2009−90590A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265090(P2007−265090)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】