説明

規則的パターンの画像化方法

規則的パターンを画像化する方法が提供される。多チャネル・イメージングヘッドはスワス境界がパターンの視覚的画像化特徴内に出現しないように所定の規則的パターンの反復に従って構成されている。画像化物品は画像化特徴内のスワス境界の排除により視認可能バンディングが低減した。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイメージングシステムに関し、特にイメージングシステム内で規則的パターンを画像化する方法に関する。
関連出願の相互参照
本出願は米国特許法第119条(e)項(35U.S.C.§119(e))により2004年1月28日に出願された仮出願番号第60/539,338号明細書の利益を主張するものであり、その全体を本明細書に引用して援用する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイおよび半導体電子装置用に一般に採用される作製技術はいくつかの画像化工程を含む。レジストまたは他の感光材料が塗布されたカラーフィルタ基板はフォトツールマスクを介して放射線に露光されてある変化を生じる。本来これらの作製プロセスは多数の個々の工程を含み、各工程は一般に有限の失敗可能性を有するため、全体の歩留まりが低減するとともに完成品のコストが増加する。具体例は液晶ディスプレイとしても既知のフラットパネルディスプレイ用のカラーフィルタの作製である。カラーフィルタ作製は高い材料コストと低い歩留まりのため非常に高価な工程である場合がある。従来のフォトリソグラフィ処理はスピンコーティング、スリットおよびスピンまたはスピンレスコーティングなどの塗布技術を用いてカラーレジスト材料を基板に塗布する工程を含む。そしてその材料をフォトツールマスクを介して露光した後、現像プロセスが続く。
【0003】
ダイレクトイメージングがディスプレイおよび特にカラーフィルタの作製に用いられることが提案されている。デボア(Deboer)らに付与された米国特許公報(特許文献1)は例えばカラーフィルタ要素を作製する転染法を記載している。色素受容要素としても既知のカラーフィルタ基板は色素供与体要素(カラー転写フィルムとしても既知である)に覆われてその後画像加熱されることにより選択的に染料または顔料を供与体から受容体に転写する。画像加熱の好適な方法は複数のレーザ光線を好適に備えるレーザヘッドによるものである。ダイオードレーザはその変調容易性、低コストおよび小型サイズのため特に好適である。なお用語「転染法」はその名前が暗示するように染料の画像転写に限定されることはない。転染法は顔料と同様なタイプの着色剤組成とが塗布された色素供与体の画像転写を含むこともできる。
【0004】
ダイレクトイメージングシステムは通例数百の個々に変調された平行な光線を有するレーザヘッドを用いて画像を完成するのにかかる時間を低減している。光線の各々は画像化工程中に対応するレーザピクセルを作製するように変調される。ブランシェット−フィンシャー(Blanchet−Fincher)らに付与された米国特許公報(特許文献2)は例えばカラーフィルタなどの受容要素上の二重画像の作製を記載している。これらの例で提案されているレーザヘッドは、各々がおよそ90mWの単一モード出力を有する32個の830nmレーザダイオードで構成されている。さらに多くのチャネルまたはレーザピクセルを有するイメージングヘッドは現在一般に入手可能であり、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、バーナビー(Burnaby,British Columbia,Canada)のクレオ・インコーポレーション(Creo Inc.)により製造されたスクエアスポット(登録商標)(SQUAREspot(登録商標))サーマル・イメージングヘッドにより例示される。これらのイメージングヘッドは、各チャネルが100mWを超えるパワーを有する240個の個別イメージングチャネルまで入手可能である。画像は近接当接して連続画像を形成する複数のレーザ光線によって作製される一連のバンドまたはスワスで描かれる。(なお用語「チャネル」および「レーザピクセル」は本明細書において交換可能に用いられる。)
【0005】
多チャネル・イメージングシステムに伴う1つの問題は、すべてのチャネルが確実に同等な画像化特性を有するようにすることが非常に困難なことである。パワー、光線サイズ、光線形状および焦点に対するチャネル毎のばらつきはすべて「バンディング」として既知の共通画像化アーチファクトの生成の原因となる。バンディングは連続画像化されたスワス間のエリアにおいて特に顕著であることが多い。各スワスは開始端線と終了端線とを有する対応画像によって規定される。その結果バンディングは主に、最後に走査されたスワスの終了端線と次に走査されたスワスの開始端線とが通常スワスの両遠位端にあるチャネルによって描かれて異なる画像化特性を有する可能性が高いため発生する。スポットサイズのチャネルからチャネルへの段階的増加はスワス内では視認可能でないこともあるが、あるスワスが他のスワスに当接している場合、スワス境界における不連続性は非常に顕著になる場合がある。これらの顕著なスワス境界不連続性は、転染法によって作製されたカラーフィルタを視認する場合、好ましくない視覚的アーチファクトにつながる恐れがある。
【0006】
バンディングは多チャネル画像化に一般的な問題であるとともに慎重な整列とイメージングヘッドの較正とにより低減し得る。しかし熱的および機械ドリフトはある時間経つとバンディング再出現を生じる恐れがある。従って特にスワス境界においてバンディングの視認性を低減する画像化方法のニーズが依然としてある。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,965,242号明細書
【特許文献2】米国特許第6,146,792号明細書
【特許文献3】米国特許第5,517,359号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2004/0004122A1号明細書
【非特許文献1】エラン・エリズール(Eran Elizur)およびダン・ゲルバート(Dan Gelbart)著、論文「フラットパネルディスプレイ製造のための熱転写(Thermal Transfer for Flat Panel Display Manufacturing)」国際情報ディスプレイ学会誌(Journal of the Society for Information Display)Vol.11、11月1日、p.199−202
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によれば、画像化された特徴の視認可能部分内に境界が発生しないように画像化スワス内のチャネル数を設定することによりスワス境界において発生する視認バンディングを低減する、特徴の規則的パターンを画像化する方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば特徴の規則的パターンを画像化する多重チャネル・イメージングヘッドを構成する方法が提供され得る。パターン中の特徴間の反復距離を決定し得る。1つのみまたは複数の完全パターン特徴が、イメージングヘッドの単一の走査で画像化されるように画像化用チャネル数を決定し得る。決定されたチャネル数に従ってイメージングヘッドを構成し得る。本発明の方法を用いて例えばカラーフィルタを作製し得る。
【0010】
一例においてイメージングヘッドを構成する工程が、多数のチャネルのうちの少なくとも1つを無効にすることを含む。他の例において多数のチャネルのうちの少なくとも1つは画像化されず、その多数のチャネルのうちの少なくとも1つが、単一の走査において、画像化された最初のチャネルと画像化された最後のチャネルとの間に位置する。さらに他の例においてイメージングヘッドが、イメージングヘッドの単一の走査で整数の完全パターン特徴と1つの部分パターン特徴とを画像化する十分なチャネルを有する。そのような例においてイメージングヘッドを構成する工程が、整数の完全パターン特徴のみがイメージングヘッドの単一の走査で画像化されるように、少なくとも1つの部分パターン特徴を画像化するチャネルを無効にすることを含む。
【0011】
さらに他の例において規則的パターンが、イメージングヘッドの複数の走査で画像化され、各連続走査が、前回の走査に隣接している。一例において多数のチャネルが規則的に一定距離をおいて配置されているとともに、連続走査で画像化された最初のチャネルが、前回の走査で画像化された最後のチャネルから、一定距離より大きく移動されている。他の例において連続走査で画像化された最初のチャネルが、少なくとも前回の走査で画像化されなかった最後のチャネルに重複する。さらに他の例において前回の走査で画像化された最後のチャネルが少なくとも連続走査で画像化されなかった最初のチャネルに重複する。
【0012】
さらに他の例においてイメージングヘッドを構成する工程が、メモリ要素内に記憶された少なくとも1つのパラメータを変更することを含む。パラメータが、例えば決定されたチャネル数に相当し得る。さらに他の例においてイメージングヘッドを構成する工程が、特徴のパターンを表わす画像データを再フォーマットすることを含む。さらに他の例においてイメージングヘッドを用いて少なくとも2つの異なる規則的パターンを画像化するとともに、構成する工程が異なる規則的パターン毎に行われる。
【0013】
さらに他の例において規則的パターンが、カラーフィルタ特徴のパターンを含み、カラーフィルタ特徴が、例えば複数の異なる有色細長ストライプを含み得る。各色の細長ストライプは別々に画像化され得る。
【0014】
さらに他の例において規則的パターンが、カラーフィルタ特徴のパターンを含み、カラーフィルタ特徴が、例えば複数の異なる有色特徴を含み得る。各色の特徴は別々に画像化され得る。このような例に関連してカラーフィルタ基板を設け得る。基板上にブラック・マトリクスを形成し得る。パターン色毎に有色色素供与体要素を設け得る。基板上に形成されたブラック・マトリクスを各有色色素供与体要素で覆い、供与体色に対応するパターン色特徴を画像化し、さらに画像化された有色色素供与体要素を除去し得る。各色の特徴が例えばイメージングヘッドの複数の走査で画像化され、各連続走査が、前回の走査に隣接している。一例においてブラック・マトリクス上に、それぞれの複数の走査中に、画像化された最初のチャネルおよび画像化された最後のチャネルによって、少なくとも画像化される。他の例において多数のチャネルが規則的に一定距離をおいて配置され得るとともに、連続走査で画像化された最初のチャネルが、前回の走査で画像化された最後のチャネルから、一定距離より大きく移動され得る。さらに他の例において連続走査で画像化された最初のチャネルが、少なくとも前回の走査で画像化されなかった最後のチャネルに重複し得る。さらに他の例において前回の走査で画像化された最後のチャネルが少なくとも連続走査で画像化されなかった最後のチャネルに重複し得る。さらに他の例において連続走査で画像化された最初のチャネルが、少なくとも前回の走査で画像化された最後のチャネルに重複し得る。
【0015】
さらに他の例において多数のチャネルのうちの少なくとも1つは画像化せず(例えばブラック・マトリクス上に)、その多数のチャネルのうちの少なくとも1つが、それぞれの複数の走査中に、画像化された最初のチャネルと画像化された最後のチャネルとの間に位置する。さらに他の例において多数のチャネルのうちの少なくとも1つが2つの隣接配置された色特徴を同時に画像化することができず、2つの隣接配置された色特徴がブラック・マトリクスによって分離されている。
【0016】
さらに他の例において規則的パターンが、1つまたは複数の高分子半導体要素を表わす特徴を含む。さらに他の例において規則的パターンが、ラボチップ・デバイスの要素を表わす特徴を含む。
【0017】
さらに他の例においてカラーフィルタを本明細書に記載された実施形態の方法を含む転染法により作製し得る。さらに他の例において特徴の規則的パターンを画像化する多重チャネル・イメージングヘッドを本明細書に記載された実施形態の方法により構成し得る。多重チャネル・イメージングヘッドは、例えば各々が入射光線に作用して変調光線を生成可能な複数の制御可能要素を有するライトバルブを含み得る。イメージングヘッドは制御可能要素を照明する光源を含み得る。イメージングヘッドは変調光線を画像化媒体上に向けるレンズを含み得る。光源を例えばすべての要素を同時に照明するように構成し得る。ライトバルブは例えば複数の変形可能鏡要素を含み得る。
【0018】
本発明の理解のため添付の図面とともにここで一例として以下の詳細な説明を参照する。
【0019】
本発明のさらなる実施形態と、その本質と、様々な利点とは、添付の図面とともに以下の詳細な説明を考慮すればより明らかになろう。図面において同様な記号は図面全体を通して同様な部分を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の説明は多数の具体的な詳細を含む。このような詳細の包含は単に説明を目的とするものであり、本発明を限定するものと理解すべきではない。さらにまた本発明の主題の複雑化を避けるため当該技術における周知のある特徴は詳細に説明しない。加えて一実施形態の特徴を本発明の他の実施形態の特徴と組み合わせ得ることは理解されよう。
【0021】
いくつかの構成の色要素がLCD表示パネル用のカラーフィルタで用いられている。各色要素は通例70μm〜100μmの範囲の短辺と200μm〜350μmの範囲の長辺とを有する長方形である。図1−Aに示したストライプ構成は赤色、緑色および青色の交互列を有するとともに、対応する色要素を形成するようにブラック・マトリクスにより輪郭が描かれる最も一般的なものである。図1−Bに示したモザイク構成は両方向に交互する色要素を有して改善カラーマトリクスを提供する。互いに三角関係にある赤色、緑色および青色フィルタ要素を有するデルタ構成(図示せず)は最高の色混合を提供する。モザイクおよびデルタ構成カラーフィルタは作製がより困難であり、しかもモザイク構成はより複雑な駆動回路を必要とする。
【0022】
図1−Aはストライプ構成カラーフィルタ10の一部分を示す。カラーフィルタ10は、基板18にわたって交互列に形成された複数の赤色、緑色および青色の色要素12、14および16を備えている。色要素12〜16はブラック・マトリクス層20により縁取られ、ブラック・マトリクス層20は要素を分割するとともに要素間のバックライト漏れを防止する。列は一般に細長ストライプ状に画像化され、その後ブラック・マトリクス20により個々の色要素12〜16に細分化される。関連するLCDパネル(図示せず)上のTFTトランジスタは領域22においてブラック・マトリクスの一部分によりマスキングされる。図1−Bはモザイク構成のカラーフィルタ24を示しており、図1−Aに示したストライプ構成フィルタ10と唯一異なっているのは、列に沿っておよび行にわたり色が交替する色要素12〜16のレイアウトである。
【0023】
通例図1−Aのカラーフィルタ10の製造中、色要素12〜16の各々は、各それぞれの色要素を縁取るブラック・マトリクス20のそれぞれの部分上に部分的にまたは完全に重複することができる。ブラック・マトリクスとの重複は、それぞれの色要素の輪郭を描くブラック・マトリクス20の部分の境界内で正確に各色要素に色を加えようとする場合に遭遇し得る位置合わせ問題を大幅に低減する。さらに転染法を用いて様々な色要素を作製する場合、各連続色素供与体(dye donor)(カラー転写フィルムとしても既知である)がそれぞれの色要素の画像化後に除去される時に、エッジ不連続性およびピンホールなどの様々なアーチファクトが生じ得る。これらのアーチファクトは通例、色素供与体が剥離される時に、エッジに転写された色素材料が色素受容要素への付着を維持するのに十分な接着剤剥離強度を有さない場合があるため発生する。このためブラック・マトリクス20との重複がこのようなエッジ不連続性の隠蔽を可能にするとともに、色要素内の透明領域およびボイド自体が最低限に抑えられるためそれぞれの色要素間に確実に所望のコントラストを達成するのに役立つ。
【0024】
ブラック・マトリクス20の一部分の完全な重複の例が図1−Aに明示されている。この例において色要素12は、各赤色ストライプ内の各赤色要素12の輪郭を描くブラック・マトリクス20の水平部分25に完全に重複し得る赤色ストライプにより作製されている。言うまでもなく各色要素12はブラック・マトリクス20の垂直部分27に部分的にのみ重複して、隣接のストライプの色要素上に重畳しないようになっている。ブラック・マトリクスの部分的重複の要件が図1−Bに図示したモザイク構成にさらに明示されている。この例において任意の所与の色要素をその4辺において、それぞれの色要素とは異なる色で構成された隣接の色要素によって取り囲むこともできる。この例では色要素12はブラック・マトリクス20の水平部分25と垂直部分27とに部分的にのみ重複することも可能であり、隣接の色要素上に不都合に重畳しないようになっている。
【0025】
本発明の実施形態においてカラーフィルタは転染法によって作製される。この方法は複数のレーザ光線を備えるレーザヘッドを用いてカラーフィルタ受容基板と密着して配置された色素供与体要素を直接画像化することを含む。カラーフィルタ受容基板には通例ブラック・マトリクスが形成されている。なおブラック・マトリクス自体を転染法によって作製することができるが通例、必要な精度を提供するとともにブラック・マトリクス自体内のいかなるエッジアーチファクトおよび不連続性も排除することができるフォトリソグラフィ技術によって形成される。染料または着色剤は多チャネルライトバルブによるレーザヘッドを用いて基板に画像転写される。フィルタの赤色、緑色および青色部分は別々の工程で画像化され、毎回色素供与体要素を転写すべき次の色の色素と交換する。言うまでもなくフィルタの赤色、緑色および青色部分の各々をブラック・マトリクスと一致するように受容基板へ転写しなければならない。色素供与体のすべてを別々に画像化した後、カラーフィルタ要素を約200〜300℃の温度で硬化炉内でアニールまたは硬化する。次にオーバーコート層および共通電極を画像化されたカラーフィルタ基板上に続けて形成する。オーバーコート層はカラーフィルタパターンを保護するとともに別々に画像化されたカラーフィルタパターンの表面を平坦化する。共通電極は通例透明な導電材料、例えばインジウムスズ酸化物およびインジウム亜鉛酸化物で作製される。
【0026】
従来技術のライトバルブによるレーザヘッドが図2に示されている。複数の変化可能鏡要素101を備える線形ライトバルブアレイ100がシリコン基板102上に作製されている。レーザ104は円柱(cylindrical)レンズ108および110を備えるアナモルフィックビーム拡大器を用いて照明ライン106を生成する。ゲルバート(Gelbart)に付与された米国特許公報(特許文献3)は例えば照明ライン106を形成する方法を記載している。レンズ112は要素101が非作動状態にあるときのみ、開口絞り116内の開口114を介してレーザ照明の焦点を結ばせる。照明ライン106は複数の要素101にわたって横方向に広がるため要素101の各々が照明ライン106の一部分によって照明される。
【0027】
いずれかの特定要素101が作動されていない時、開口114はその要素からの光を透過する。作動要素からの光は開口絞り116によって阻止される。レンズ118はライトバルブ100を画像化してイメージングスワス120を形成する。イメージングスワス120は複数の個々のレーザ光線を備え、レーザ光線は変調されて対応するレーザピクセルを形成する。レーザピクセルは基板の領域上で走査されて画像を形成する。
【0028】
硬質基板を画像化する際、ディスプレイパネルの作製に一般的であるように、使用するスキャナは通常基板を平坦配向で固定するフラットベッドスキャナである。基板または画像化光線、もしくはその組み合わせを互いに対してずらすことにより走査を行う。ゲルバート(Gelbart)に付与された米国特許公報(特許文献4)はディスプレイパネル画像化に適した高速フラットベッドスキャナの一例を開示している。代替的には可撓性基板をドラムスキャナの外面または内面のどちらかに固定して走査を行ってもよい。ガラスなどの従来硬質であると考えられている基板でも、基板が十分に薄く且つドラムの直径が十分に大きければドラムスキャナ上で走査し得る。
【0029】
従来技術のダイレクトイメージング方法が図3に概略的に示されている。カラーフィルタ基板18の一部分が転写法で複数の赤色ストライプ30〜36でパターン化されている。赤色ストライプの各々の幅は色要素の見える幅の広さである必要がないばかりか、各それぞれのストライプ内で各赤色要素の輪郭を描くブラック・マトリクスの垂直区分(図示せず)に部分的に重複するのに十分な幅でもよい。第1の位置のライトバルブ38(多チャネル・イメージングヘッド)は複数の個々にアドレス可能なチャネル40を有する。図3はライトバルブチャネル40と破線41として転写されたパターンとの間の対応関係を示している。なおライトバルブ38が画像化されたパターンと同一縮尺で図3に示されているが、この概略図は単にライトバルブチャネル40と描かれているパターン30〜36との間の対応関係を示すことを意図するに過ぎず必ずしも物理的な関係を示していないことは理解できよう。特に図2に示すように、基板の平面におけるイメージングスワスの大きさと形状とを再フォーマットし得るレンズ118によって基板上にライトバルブを画像化してもよい。各変調レーザ光線は所望の大きさのイメージングスワスを構成するレーザピクセルを作製する。各レーザピクセルは走査方向に垂直な方向に5μm(すなわち4800dpi解像度)〜20μm(すなわち1200dpi解像度)の範囲の長さを有し得る。各光線の変調時間が走査方向に平行な方向の各レーザピクセルの幅を決定する。この距離は通例3μm〜20μmの範囲である。
【0030】
ライトバルブ38によって生成された光線は描かれるパターンに従って画像変調されつつ主走査方向42に基板上を走査される。ストライプの特徴を形成することが望ましければチャネル群48は作動されて1つまたは複数の画像化光線を生じるが、パターンに対応していない他のチャネルはオフになる。基板は通常大きすぎて単一の走査で画像化できないため、画像化を完了するには基板の多数の走査が必要になる。この場合各走査の後ライトバルブ38が方向44に並進するため、後続走査は概して前回の走査の横に並んで整列することになる。図示の実施形態において主走査方向42の各走査中に走査方向44の移動はなく、走査が完了した後に移動が生じる。代替的にドラムタイプのスキャナの場合、両方向に同時に走査することができるため、画像をらせん状に描くことができる。また前回の走査を後続の走査に整列させるいくつかの選択肢もある。各スワスはレーザヘッド内の第1の動作チャネルに対応する開始端線とレーザヘッドの最後の動作チャネルに対応する終了端線とを備える画像エリアで構成されている。画像化する際に前回の走査の終了端線を1つまたは複数のチャネル幅だけ後続の走査の開始端線に重複させることによりスワスエッジ効果をもたらすことは既知である。代替的には後続走査の第1のイメージングチャネルをライトバルブ上の隣接のチャネル間の空間に対応する距離だけ前回走査の最後のイメージングチャネルから離間することができる。
【0031】
光線は第1の主走査で走査される間に赤色ストライプ30、32およびストライプ34の部分34’が描かれる。第1の主走査が完了すると、ライトバルブ38は副走査方向44に破線で示す新たな位置38’へ移動される。副走査の移動はライトバルブ38上で利用可能なチャネルの数(この場合35チャネル)に相当する。38’の移動されたライトバルブは第1のチャネル46を、位置38のライトバルブ上の最後のチャネル45の前回の位置に隣接して位置決めするため、ストライプ34の部分34”を画像化する。前述したようにストライプ34の部分34’と34”との間の境界に線47として示す視認可能な不連続性の出現を回避することは非常に困難である。この視認可能な不連続性は、ブラック・マトリクス(図示せず)によるストライプ34の輪郭描写によって作製された色要素内にある場合、好ましくない視覚的なアーチファクトにつながる恐れがある。
【0032】
本発明によれば不連続性47は、連続走査中にブラック・マトリクスにより輪郭描写された各色要素内で最終的に視認可能なストライプの画像化エリア内にスワス境界が入らないように画像化を配置することにより回避される。特に2つの隣接走査間の境界が非画像化エリア(注目する特定の色のストライプが画像化されない領域)に収まればよい。本発明のこの実施形態において実質的な間隙は第1の走査の最後の作動チャネルと第2の走査の最初の作動チャネルとの間になる。この間隙は非画像化エリアを超えることになる。代替的にはスワス境界が特定の色要素の輪郭を描くブラック・マトリクス20の一部分内に収まればよい。本発明のこの実施形態において、第1の走査の最後の作動チャネル(終了端線)と第2の走査の最初の作動チャネル(開始端線)との両方が、特定の色要素の輪郭を描く(方向42に沿って)ブラック・マトリクスの一部分にあることになる。本発明のこの実施形態において間隙また重複は、結果的に生じる間隙または重複がブラック・マトリクスの輪郭描写部分の範囲に留まる限り少なくとも隣接走査のそれぞれ最後と最初の作動チャネルとの間に存在することもできる。
【0033】
パターンが事前に既知であるとともに規則的且つ不変の特徴とを有するため本発明の実施形態は可能である。この概念を図4−Aに関連してさらに説明する。ストライプ30および32は主走査方向42の第1の走査で画像化される。第1の走査でストライプ34の一部分を画像化することも可能であるが、これを特に避ける。第2の主走査では第1のチャネル46がストライプ34の開始で正しく画像化するように位置決めされるようにライトバルブ位置38を新たな位置38”に割り送る。(新たな位置38”におけるライトバルブは、作図内で細部を不明瞭にするのを回避するためにのみ方向42に移動して示されている。)群50内のチャネルは無効にされて、ストライプ34の一部分が第1の主走査中に画像化することもできても、これは特に回避されて得られる色要素内に視認可能になるストライプ内のエリアに出現するスワス境界を防止するようになっている。その結果位置38でライトバルブにより生じる画像化走査の終了端線は最後の動作チャネルに対応するように調整される。第2の主走査またはスワスにおいて、移動された位置38”のライトバルブは第1のチャネル46(画像化走査の開始端線)を用いてストライプ34の開始部分を画像化する。ライトバルブ38が毎回全スワス未満だけ(チャネル50が無効にされているため)副走査方向44に移動されるという事実のため速度に若干不利益がある。図4−Aに示した簡略化事例では、速度の不利益はライトバルブ上の35の総チャネルのうちの52において括弧でくくられた3チャネルまたは8.5%により表される。実際にライトバルブは数百のチャネルを有し得るとともに速度不利益はより少なくなり得る。チャネル50はこの特定の構成においてすべて非動作であるため、位置38のライトバルブがチャネル46をストライプ30の開始部分を画像化するように位置決めする必要がないことも明らかであろう。画像化は生産性に影響することなく多数の選択チャネルのうちのいずれか1つにおいて開始し得る。さらに連続走査のうちのいずれかの画像化は異なるチャネルにおいて、第1の走査で画像化が始動されたチャネルから開始し得る。これらの状況は特定の状況に特有であるが、ライトバルブが最適数のチャネルで特別に作製されている場合にはそのような適応性は可能ではないこともある。
【0034】
図4−Bは本発明によるモザイク構成カラーフィルタの画像化方法を示す。本発明はこの場合図4−Aに示すようなイメージングストライプの代わりに複数の色要素60が基板18上に別々に画像化される以外は同等に適用可能である。チャネル66は今回ならびに色要素62および64を画像化する際は無効にされ、ライトバルブは要素全体が単一の走査で画像化されて不連続性が出現しないように再度位置38”に割り送られる。本発明のこの実施形態ではストライプは画像化されないため連続した非画像化エリアはない。スワス境界ひいては各走査の開始および終了端線はそのため色要素の各々の輪郭を描くブラック・マトリクス(図示せず)の垂直部分上に発生しなければならない。そのためスワス境界は隣接の色要素63から分離する色要素62および64の輪郭を描くブラック・マトリクスの垂直部分上に発生することになる。本発明のこの実施形態において第1の走査の最後の作動チャネル(終了端線)と第2の走査の最初の作動チャネル(開始端線)との両方が、その特定の色要素の輪郭を描く(方向42に沿って)ブラック・マトリクスの垂直部分上にあることになる。本発明のこの実施形態において間隙または重複は、結果的に生じる間隙または重複がブラック・マトリクスの輪郭描写部分の範囲に留まる限り少なくとも隣接走査のそれぞれ最後と最初の作動チャネルとの間に存在することもできる。換言すれば間隙または重複はブラック・マトリクスの輪郭描写部分より幅が小さい。
【0035】
同様にデルタ構成カラーフィルタも、規則的離間特徴のパターンの要件がこの構成にもあるため本発明の方法を用いて画像化し得る。
【0036】
図4−Cはストライプ構成が画像化された本発明の他の実施形態を示す。しかし本発明のこの実施形態において各走査は方向44に画像化されるとともに、後続の走査が方向42に割り送られる。ストライプ特徴30、32および34は、位置70によって表わされるブラック・マトリクス(図示せず)の交差点を図示するような中断方式で描かれている。前述したように位置70によって表わされるブラック・マトリクスの部分は1つには、ブラック・マトリクスのそれぞれの部分に隣接する各色要素の位置合わせおよびコントラスト問題を最小限に抑えるように画像化するだけでよい。そのためライトバルブは、所与のスワス境界内に収まるブラック・マトリクスの任意の部分上に部分的にまたは完全に画像化することができる。本発明のこの実施形態においてチャネル68はストライプ内で色要素74を完全に画像化するには不十分な数であるため無効にされる。そのためライトバルブは、色要素74が単一の走査で完全に画像化され不連続性が出現しないように位置38”に割り送られる。本発明のこの実施形態は図4−Bに示した実施形態と同様であり、ブラック・マトリクスの一部分のみがストライプ特徴30、32および34を中断している。換言すれば異なる色の要素を画像化する必要により主走査方向に沿って連続画像化間隙は作製されない。そのためすべてのスワス境界はブラック・マトリクスの一部分上に発生する。第1の走査の最後の動作チャネル(すなわち第1の走査の終了端線)がブラック・マトリクスの一部分上に画像化される。後続の且つ隣接する最初の動作チャネル(すなわち開始端線)がブラック・マトリクスの一部分上に画像化される。そのブラック・マトリクスの両部分は1つであり且つスワス境界がブラック・マトリクスの単一部分上にあることが必要な場合と同様でよい。代替的にはブラック・マトリクスの両部分は、他の色が画像化される少なくとも1つの非画像化エリアによって分離されたブラック・マトリクスの2つの部分により例証されるように、互いに異なっていてもよい。
【0037】
前述したように後続の走査は前回の走査に重複または当接してもよい。規則的パターンを画像化する場合に利用可能な選択肢がさらにあることは明白である。図4−Aを再度参照するとライトバルブ38の最後のチャネル52が図示するように特徴34内に収まる場合、チャネル50は無効にされ得るとともに後続走査は特徴34の開始と整列し得る。代替的にはライトバルブの最後のチャネルが特徴32と34との間に収まるとすれば、後続走査はなお特徴34の開始と整列して、連続走査またはスワス間にかなりの間隙を残し得る。このように規則的特徴の特定の反復に応じて後続の走査は重複してもしなくてもよい。
【0038】
間隙は連続スワス間に発生するだけではない。スワス内間隙も任意の所与のスワス内に発生し得る。スワス内間隙51は図4−Aに示したストライプ構成により規定された非画像化エリアに対応する。さらにスワス内間隙を他のカラーフィルタ色に対応する後続のストライプまたは色要素が画像化される特定のエリアに限定する必要はない。またスワス内間隙は任意の所与のスワスによって画像化された色要素の輪郭を描くブラック・マトリクスの水平および垂直部分の両方内に発生可能である。ブラック・マトリクスのそれぞれの部分上への完全な画像化重複が望ましくない場合、ブラック・マトリクスの一部分の境界内に発生するスワス内間隙が実現可能である。図4−Cはライトバルブ位置38のチャネル72が作動されていない本発明の実施形態を示す。チャネル72の位置はブラック・マトリクスの部分70内の画像化エリアに対応している。そのためチャネル72に隣接するチャネルはブラック・マトリクスの一部分70の残りの部分上に画像化するため、部分70内にスワス内間隙が生じる。その結果ブラック・マトリクスの各部分はそれぞれのブラック・マトリクス要素の幅より小さくなる。このようにブラック・マトリクスの一部分上にスワス内間隙が発生しようとまたはスワス間間隙が発生しようと、ライトバルブは、隣接の色要素に悪影響を与えることなくブラック・マトリクスの一部分上に部分的に重複するために十分な解像度または粒度を有する画像化光線を提供可能なチャネルを有さなければならない。
【0039】
多チャネル・イメージングヘッドの構成は多数の方法で行い得る。基本的に特徴の規則的パターンを分析するとともに特徴間の反復距離を決定する。特徴がブラック・マトリクス上に重複して位置合わせ問題を低減することが望ましい特定なカラーフィルタの場合、反復距離はブラック・マトリクス上で開始するとともに終端する。イメージングヘッドのチャネルは決定された反復距離の倍数に従って完全な特徴を画像化するように構成されている。その結果この反復距離は各走査の開始端線と終了端線との間の距離または寸法に等しい。終了端線間のこの寸法は、必要な反復距離を生じる、レーザピクセルの長さとレーザヘッドで活性された変調光線により生成されたレーザピクセル数との積に相当する。レーザピクセルのいくつかが動作して他のレーザピクセルが不動作の例において、終端線間の寸法は各レーザピクセルの長さと動作レーザピクセル数の積により決定される。不動作レーザピクセルをすべてレーザヘッドの所定の部分内に配置し得る。例えば不動作レーザピクセルをレーザヘッドの一端に向かって配置し得る(例えば図4−Aのチャネル50、図4−Bのチャネル66、および図4−Cのチャネル68)。
【0040】
反復走査の各々によって規定される終端線間の寸法は、N×B+(N−1)×CとN×(B+C)との間にあり得るが、ここでNは整数、Cは走査方向に垂直な方向のブラック・マトリクスの幅、およびBは走査方向に垂直な方向のブラック・マトリクス内に規定されるカラーフィルタパターン領域の長さである。代替的には反復走査の各1回によって規定される終端線間の寸法は、N×B+(N−1)×CとN×B+(N−0.5)×Cとの間にあり得るが、ここでNは整数、Cは走査方向に垂直な方向のブラック・マトリクスの幅、およびBは走査方向に垂直な方向のブラック・マトリクス内に規定されるカラーフィルタパターン領域の長さである。
【0041】
イメージングまたはレーザヘッドが不変パターンを画像化する必要がある場合には、ヘッドを特定数のチャネル用に製造またはハードウェア構成し得る。パターンが時により変化する可能性がある場合には、構成手段をハードウェアまたはソフトウェアスイッチの形状で設け得ることは有利である。電子ハードウェアの構成用にデュアル・インライン・パッケージ(DIP)スイッチを用いることは周知である。マイクロプロセッサハードウェアを多数のイメージング製品内に含むことにより、この構成はハードウェアへのソフトウェアインタフェースにより同等に良好に行い得る。ソフトウェアパラメータによる制御によりイメージングヘッドの自動的オンザフライ(on−the−fly)構成が可能になり、これはパターンに比較的頻繁な変更があることがある場合に望ましい。
【0042】
代替的にはこの構成は、無効にすべきチャネルがチャネルに画像化させる画像データを受信しないように、画像化されるパターンを表わす画像化データを再フォーマットすることを含み得る。しかし画像化光線が各走査後に横断される量を調整してすべての特徴が確実に正しく描かれるようにすることも必要であることに留意すべきである。
【実施例】
【0043】
(実施例)
11×13インチの3色画像を224個の利用可能チャネルを有する1200dpiイメージングヘッド用に準備した。各画像化色要素ストライプの目標幅は、イメージングヘッド上の4チャネルに相当する84.6μmであった。異なる色の隣接ストライプ間の空間は1チャネル、または21.167μmであった。使用したイメージングヘッドは、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、バーナビー(Burnaby,British Columbia,Canada)のクレオ・インコーポレーション(Creo Inc.)により製造されたスクエアスポット(登録商標)(SQUAREspot(登録商標))サーマル・イメージングヘッドであった。このヘッドを(非特許文献1)に記載のフラットベッドスキャナに搭載した。
【0044】
イメージングヘッド・インターフェースは8群内のみのイメージングチャネル数の設定を可能にする。4チャネル・オンおよび1チャネル・オフの選択パターン反復がさらにチャネル数を40(5×8=40チャネル)の倍数に制約する。この特定のイメージングヘッド上で用い得る最大チャネル数は200である。このようにイメージングヘッドを200チャネルを作動し残りの24チャネルを無効にするように構成した。
【0045】
1つのティフ(Tiff)形式イメージファイルを単一色分解(すなわち317.5μm離間した84.6μmストライプ)用のパターンで準備した。このファイルを青色、赤色および緑色供与体毎に順に別々に画像化した。赤色供与体の場合画像開始位置を105.8μmずらした。緑色供与体の場合、画像開始位置をさらに105.8μmずらして交互カラーストライプの完全パターンを作製した(例えば図1−A参照)。構成されているように色要素エリアにはスワス境界は出現していない。画像化後各連続カラー供与体を除去して、次の画像化すべきカラー供与体と交換した。
【0046】
その結果得られたサンプルをバンディングに関して主観的に特徴付けたところ、イメージングヘッド上で利用可能な全224チャネルで準備したサンプルより視認されにくいバンディングを示すことがわかった。
【0047】
当業者には前例においてパターンおよびイメージングヘッドの選択が利用可能なイメージングヘッド構成の制約下で行われたことは容易に理解されよう。24個の無効チャネルは生産性がおよそ11%低減する影響を有する。任意の所与のパターンサイズおよび反復の場合、イメージングヘッドを特にスループットの損失を回避するように製造且つ構成し得る。例えば240チャネルの露光ヘッドにより実施例で詳述したパターンの画像化を最大生産性で進行し得る。
【0048】
本発明をディスプレイおよび電子装置製作に関連して説明したが、本明細書に記載した方法は任意の規則的パターンの画像化にそのまま適用可能である。例えば本発明の方法をラボ・オン・チップ(LOC:Lab−on−a−chip)製作用生物医学画像化分野で適用可能である。LOC技術は計測および医療産業で急速に成長している研究主題である。原理は単一のマイクロチップの範囲で行われるサンプル準備、流体取り扱い、分析および検出工程を可能にする自動、微小規模実験室を作製することである。LOCチップはいくつかの反復パターン特徴を有してもよい。
【0049】
加えて多チャネル・イメージングヘッドの具体的な実施形態を図2に関連して説明したが、図2のイメージングヘッドは単に例示である。本発明の方法により使用される多数の他の適当なタイプの多チャネル・イメージングヘッドがある。
【0050】
以上の開示の対象である当業者には明らかであるように、本発明の要旨または範囲から逸脱することなく本発明を実行する上で多くの変更例および変形例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1−A】従来技術のカラーフィルタ構成の一部分の平面図である。
【図1−B】他の従来技術のカラーフィルタの一部分の平面図である。
【図2】従来技術のイメージングヘッドの光学系の斜視図である。
【図3】画像化基板に関連して示されたライトバルブおよび従来技術の画像化方法を説明する概略図である。
【図4−A】本発明による画像化方法を説明する、基板に関連して示されたライトバルブの概略図である。
【図4−B】本発明の画像化方法の代替実施形態を説明する、基板に関連して示されたライトバルブの概略図である。
【図4−C】本発明の画像化方法のさらに他の代替実施形態を説明する、基板に関連して示されたライトバルブの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特徴の規則的パターンを画像化する、多重チャネル・イメージングヘッド(multiple channel imaging head)を構成する方法であって、
パターン中の該特徴間の反復距離を決定する工程と、
1つのみまたは複数の完全パターン特徴が、イメージングヘッドの単一の走査で画像化されるように、画像化用チャネル数を決定する工程と、
前記決定されたチャネル数に従って前記イメージングヘッドを構成する工程と、
を含むことを特徴とする、多重チャネル・イメージングヘッドを構成する方法。
【請求項2】
前記イメージングヘッドを構成する工程が、前記多重チャネルのうちの少なくとも1つを無効にすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多重チャネルのうちの少なくとも1つは画像化されず、前記多重チャネルのうちの前記少なくとも1つが、前記単一の走査において、画像化された最初のチャネルと画像化された最後のチャネルとの間に位置することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イメージングヘッドが、前記イメージングヘッドの単一の走査で、整数の完全パターン特徴と1つの部分パターン特徴とを画像化する十分なチャネルを有するとともに、
前記イメージングヘッドを構成する工程が、前記整数の完全パターン特徴のみが、前記イメージングヘッドの単一の走査で画像化されるように、少なくとも前記1つの部分パターン特徴を画像化するチャネルを無効にすることを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記規則的パターンが、前記イメージングヘッドの複数の走査で画像化され、各連続走査が、前回の走査に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多重チャネルが、規則的に一定距離をおいて配置されているとともに、前記連続走査において画像化された前記最初のチャネルが、前回の走査において画像化された最後のチャネルから、前記一定距離より大きく移動されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記連続走査において画像化された最初のチャネルが、少なくとも前回の走査において画像化されなかった最後のチャネルに重複することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前回の走査で画像化された最後のチャネルが、少なくとも後続走査で画像化されなかった最初のチャネルに重複することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記イメージングヘッドを構成する工程が、メモリ要素内に記憶された少なくとも1つのパラメータを変更することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記パラメータが、前記決定されたチャネル数に相当することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記イメージングヘッドを構成する工程が、前記特徴のパターンを表わす画像データを再フォーマットすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記イメージングヘッドを用いて少なくとも2つの異なる規則的パターンを画像化するとともに、前記構成する工程が異なる規則的パターン毎に行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記規則的パターンが、カラーフィルタ特徴のパターンを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記カラーフィルタ特徴が、複数の異なる有色細長ストライプを備えるとともに、各色の前記細長ストライプが、別々に画像化されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記カラーフィルタ特徴のパターンが、複数の異なる有色特徴を備えるとともに、各色の前記特徴が、別々に画像化されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
カラーフィルタ基板を設ける工程と、
前記基板上にブラック・マトリクスを形成する工程と、
パターン色毎に有色色素供与体要素を設ける工程と、
順に、前記基板上に形成された前記ブラック・マトリクスを、各有色色素供与体要素で覆い、前記供与体色に対応する前記パターン色特徴を画像化し、さらに前記画像化された有色色素供与体要素を除去する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各色の前記特徴が、前記イメージングヘッドの複数の走査で画像化され、各連続走査が前記前回の走査に隣接していることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ブラック・マトリクス上に、前記それぞれの複数の走査中に、前記画像化された最初のチャネルおよび前記画像化された最後のチャネルによって、少なくとも画像化されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記多重チャネルが、規則的に一定距離をおいて配置されているとともに、前記連続走査で画像化された前記最初のチャネルが、前回の走査で画像化された前記最後のチャネルから、前記一定距離より大きく移動されていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記連続走査で画像化された最初のチャネルが、少なくとも前記前回の走査で画像化されなかった最後のチャネルに重複することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記前回の走査で画像化された最後のチャネルが、少なくとも後続走査で画像化されなかった最後のチャネルに重複することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記連続走査で画像化された最初のチャネルが、少なくとも前記前回の走査で画像化された最後のチャネルに重複することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記多重チャネルのうちの少なくとも1つは画像化せず、前記多重チャネルのうちの前記少なくとも1つが、前記それぞれの複数の走査中に、画像化された最初のチャネルと画像化された最後のチャネルとの間に位置することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記多重チャネルのうちの前記少なくとも1つが、前記ブラック・マトリクス上に画像化しないことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記多重チャネルのうちの少なくとも1つが、2つの隣接配置された色特徴を同時に画像化することができず、前記2つの隣接配置された色特徴が前記ブラック・マトリクスによって分離されていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記パターンが、1つまたは複数の高分子半導体要素を表わす特徴を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記パターンが、ラボチップ・デバイス(lab−on−a−chip device)の要素を表わす特徴を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法を含む転染法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項29】
請求項1に記載の方法により構成された特徴の規則的パターンを画像化することを特徴とする多重チャネル・イメージングヘッド。
【請求項30】
各々が入射光線に作用して変調光線を生成可能な、複数の制御可能要素を有するライトバルブ(light valve)と、
前記制御可能要素を照明する光源と、
前記変調光線を画像化媒体上に向けるレンズとを備えることを特徴とする請求項29に記載の多重チャネル・イメージングヘッド。
【請求項31】
前記光源がすべての要素を同時に照明するように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の多重チャネル・イメージングヘッド。
【請求項32】
前記ライトバルブが、複数の変形可能鏡要素を備えることを特徴とする請求項30に記載の多重チャネル・イメージングヘッド。


【図1−A】
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【図1−B】
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【図2】
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【図3】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【公表番号】特表2007−523367(P2007−523367A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551505(P2006−551505)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/002742
【国際公開番号】WO2005/073764
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】