説明

視覚確認のための発光式溶存酸素センサ

発光式溶存酸素センサがいつ動作しているかを視覚的に検知する方法と装置を開示する。本発明の一実施形態では、シャッター(216)は不透光性密閉容器の中へと配置される。シャッター(216)が開けられるとき、ユーザは不透光性密閉容器を調べてプローブの動作を確認できる。シャッター(216)が閉じられるとき、外部の光は不透光性密閉容器に入って測定精度に影響することが防がれる。本発明の他の実施形態では、ライトパイプ(526)の一端は不透光性密閉容器の外側に配置され、他端はプローブの光源(504)を見るために置かれる。本発明の他の実施形態では、第2の光源(628)は、不透光性密閉容器の外部にて視認でき、プローブの動作確認に使用される。本発明の他の実施形態では、所定の領域は、センサ窓部の面の上に不透光性且つ透水性材料(814)で開かれた状態で、センサからの光を視認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野、特に、視覚確認のためのシステムと方法とを備えた発光式溶存酸素センサ(luminescent dissolved oxygen sensor)に関する。
【背景技術】
【0002】
水中の酸素の濃度は、ある種のプローブを使って測定することができる。水中の酸素は、プローブの外側の発光物質と相互作用を及ぼし合う。酸素と発光物質との間でこの相互作用が起こる結果、発光の低下という公知の現象が引き起こされる。従って、発光の低下量は、水中の酸素の濃度を示す。
【0003】
動作中において、プローブは、単一の波長を中心とした光源を発光物質(luminescent material)の上に向けさせる。光は発光物質に当たって、異なる波長を中心とする発光光を発生させる。発光の低下は、発光物質が発光を継続する時間量に影響する。従って、仮に光源の信号が正弦波状に変化するなら、発光の低下は励起光と発光光との間の位相の変化に影響する。プローブは、励起光と発光光との間の位相の変化を測定するために光センサを使用して、発光の低下量を評価する。その結果、プローブは、位相の変化を処理して、水中の酸素の濃度を決定する。そのようなプローブに関する例が、2003年2月3日に出願された「発光光のための位相変化測定」と題する米国特許第6,912,050号に開示されている。これを、ここに参照として織り込むこととする。
【0004】
光源に与える信号を正弦波状に変化させれば、光源をパルス状にオン/オフさせることができる。いくつかのプローブでは、光源が視認でき、パルス光を見ることによってプローブがいつ動作しているかをユーザが決定できる。不幸なことに、日光が発光物質や光センサに当たれば、水中の酸素の濃度の測定が不正確となり得る。それゆえに、今や一般的には、発光物質と光センサとは日光から遮蔽される。これは、不透光性密閉容器(light tight container)の中に、光源、光センサ、発光物質を閉じ込めることによってなされるかもしれない。不透光性密閉容器のために、プローブの光源は視界から遮蔽され、プローブがいつ動作しているかをユーザが視覚的に検知することが妨げられる。プローブが動作していることを確かめる視覚的手段がないので、動作を確かめるためにはセンサをコンピュータその他の機器に接続しなければならない。プローブを現場でチェックするときや取り付けるとき、ユーザはコンピュータへのアクセス手段を持たないかもしれない。ユーザがコンピュータへのアクセス手段を持つときでさえ、プローブの動作を確かめるために、プローブをコンピュータに接続することは、単に視覚的な確認よりも多くの時間を要する。
【0005】
それゆえに、発光式溶存酸素センサがいつ動作しているかをユーザが視覚的に検知できるシステムと方法に対する要求がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,912,050号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の概要)
発光式溶存酸素センサがいつ動作しているかを視覚的に検知する方法と装置を開示する。本発明の一実施形態では、シャッターは不透光性密閉容器の中へと配置される。シャッターが開けられるとき、ユーザは不透光性密閉容器を調べてプローブの動作を確認できる。シャッターが閉じられるとき、外部の光は不透光性密閉容器に入って測定精度に影響することが防がれる。本発明の他の実施形態では、ライトパイプの一端は不透光性密閉容器の外部に配置され、他端はプローブの光源を見るために置かれる。本発明の他の実施形態では、第2の光源は、不透光性密閉容器の外部にて視認でき、プローブの動作確認に使用される。本発明の他の実施形態では、所定の領域がセンサ窓部の面の上に不透光性且つ透水性材料で開かれ、センサが適切に動作しているとき、センサからの光をユーザは見ることができる。
【0008】
本発明の1つの特徴は、内部と外部とを有する不透光性密閉容器と、不透光性密閉容器の少なくとも1つのセクションを形成する不透光性且つ透水性材料と、第1の側と第2の側とを有し、第1の側は不透光性且つ透水性材料に接触し、不透光性密閉容器の内側の発光物質と、発光物質の第2の側に接触する水圧防壁と、不透光性密閉容器の内側に配置され、水圧防壁を通して発光物質を照らすように構成された光源と、不透光性密閉容器の中にあって、開かれると不透光性密閉容器から光が出射されるように構成されたシャッターとを有する発光式溶存酸素センサを含むことである。
【0009】
望ましくは、シャッターは、光学シャッターである。
望ましくは、シャッターは、機械式のシャッターである。
望ましくは、シャッターは、開く位置と閉じる位置との間を可動な滑るパネルを更に有する。
望ましくは、シャッターは、開く位置と閉じる位置との間を可動な虹彩(iris)を更に有する。
望ましくは、シャッターは、開く位置と閉じる位置との間を可動な回転するパネルを更に有する。
【0010】
望ましくは、窓部はシャッターの下に取り付けられ、水に対する密閉容器の中にある光源で窓部が水に対する密閉容器の一部を形成する。
【0011】
望ましくは、発光物質は、発光式溶存酸素センサの端にある。
望ましくは、発光物質は、発光式溶存酸素センサの側にある。
【0012】
望ましくは、シャッターは、手動で操作される。
【0013】
本発明の他の特徴は、発光式溶存酸素センサの上のシャッターを開け、その開けられたシャッターを通して光を視認できるときそのセンサは動作していると決定して、シャッターを閉めることを有する。
【0014】
本発明の他の特徴は、内部と外部とを有する不透光性密閉容器と、不透光性密閉容器の少なくとも1つのセクションを形成する不透光性且つ透水性材料と、第1の側と第2の側とを有し、第1の側は不透光性且つ透水性材料に接触し、不透光性密閉容器の内側の発光物質と、発光物質の第2の側に接触する水圧防壁と、不透光性密閉容器の内側に配置され、水圧防壁を通して発光物質を照らすように構成された光源と、第1の端と第2の端とを有し、第1の端は光源に向けられ、第2の端は不透光性密閉容器の外側にて視認できるライトパイプとを有する発光式溶存酸素センサを含むことである。
【0015】
望ましくは、発光物質は、発光式溶存酸素センサの端にある。
【0016】
望ましくは、発光物質は、発光式溶存酸素センサの側面にある。
【0017】
本発明の他の特徴は、内部と外部とを有する不透光性密閉容器と、不透光性密閉容器の少なくとも1つのセクションを形成する不透光性且つ透水性材料と、第1の側と第2の側とを有し、第1の側は不透光性且つ透水性材料に接触し、不透光性密閉容器の内側の発光物質と、発光物質の第2の側に接触する水圧防壁と、不透光性密閉容器の内側に配置され、水圧防壁を通して発光物質を照らすように構成された光源と、不透光性密閉容器の外側にて視認できるように構成された第2の光源とを有する発光式溶存酸素センサを含むことである。
望ましくは、第2の光源は、不透光性密閉容器の開口部に取り付けられる。
【0018】
望ましくは、ライトパイプの第1の端は第2の光源の上に直接取り付けられ、ライトパイプの第2の端は不透光性密閉容器の外にて視認できる。
【0019】
望ましくは、第2の光源からの光は、不透光性密閉容器の内部を照らさない。
【0020】
本発明の他の特徴は、不透光性密閉容器と、不透光性密閉容器の内側の発光物質と、不透光性密閉容器の内側に配置され、発光物質を照らすように構成された光源と、不透光性密閉容器から光が出射されることを切り替え可能に許す手段とを有する発光式溶存酸素センサを含むことである。
【0021】
本発明の他の特徴は、不透光性且つ透水性材料を有する外側の層と、発光物質を有する中間の層と、水圧防壁を有する内側の層の3つの層を有するセンサ窓部と、光が外側の層を透過するように構成された外側の層の中に形成された少なくとも1つの小さな空隙とを有する発光式溶存酸素センサを有することである。
【0022】
望ましくは、少なくとも1つの小さい空隙は、センサ窓部の総領域の5%より小さい。
【0023】
望ましくは、内側の層の小さな柱状部が、内側の層から中間の層と外側の層とを通って延び、外側の層の中に形成された少なくとも1つの小さな空隙を埋める。
【0024】
望ましくは、センサ窓部の上面は、本質的には平坦である。
【0025】
本発明の他の特徴は、水圧防壁の上のセンサ窓部の領域を発光物質で覆い、発光物質を不透光性且つ透水性材料で覆い、不透光性且つ透水性材料の小さな領域をセンサ窓部の領域から除去する。
【0026】
本発明の他の特徴は、水圧防壁の上のセンサ窓部の領域を発光物質で覆い、発光物質を不透光性且つ透水性材料で覆い、不透光性且つ透水性材料と発光物質とを通してその水圧防壁の小さな領域を露出させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1乃至図8及び以下の記載は、本発明の最良の形態の作り方と使い方を当業者に教示するための特定の例を記述する。本発明の原則を教示する目的のために、いくつかのありきたりの(conventional)面を簡素化または省略した。当業者は、本発明の範囲の中にあるこれらの例からの変形例を評価するであろう。当業者は、本発明の複数の変形例を形成するために、以下に述べる特徴が種々の方法で結合され得ること評価するであろう。その結果、本発明は、以下に述べる特定の例に限定されるのではなく、特許請求の範囲とその同等物によってだけ限定される。
【0028】
発光型溶存酸素センサ(プローブとも呼ぶ)(luminescent dissolved oxygen sensor)は、多くの異なったレイアウトを使って作られることができる。センサの端に発光物質を配置するセンサもあれば、センサの側面に発光物質を配置するセンサもある。異なるレイアウトを備えたセンサは、一般的には、多くの共通する設計要素がある。図1は、センサの先端に発光物質が配置されたプローブの設計例である。プローブ100は、プローブ本体102と、光源104と、光検出器/センサ106と、保有キャップ(retaining cap)108と、水圧防壁(hydrostatic barrier)110と、発光物質112と、不透光性且つ透水性材料(optically opaque hydrostatically transparent material)114とを有する。発光物質112は、一般的には、ポリスチレン(Polystyrene)と白金・ポルフィニン(Platinum Porphynin)との混合物である。不透光性且つ透水性材料は、流体がその材料に透過するのを許すが、光がその材料を透過するのを遮蔽する。不透光性且つ透水性材料に関する1つの例は、カーボンランプブラック(carbon lamp black)とポリブチル・メタクリレート(Polybutyl Methacrylate)の混合物である。添付図面は尺度に拠っておらず、いくつかの厚さは本発明の説明における明確さのために増やされており、例えば、実際には、不透光性且つ透水性材料は、他の層の上に配置された薄い層(10乃至20ミクロン・メートル)にすぎないかもしれない。
【0029】
本体102は、光源104と光検出器106とを動作させるために使用される電気部品(図示省略)と同様に、光源104と光検出器/センサ106とを含む。光源104と、光センサ106と、電気部品とは、一般的には、乾燥した状態に保たれる必要がある。水圧防壁110は、本体102によって形成される空洞に流体が入るのを防ぐために、本体102に対してシールを形成する。Oリング又はガスケット(図示省略)が、水圧防壁110と本体102との間にシールが形成されるのを助けるのに使用されるかもしれない。水圧防壁110は、光を透過するが水を透過しないいかなる材料、例えば、プラスチック、ガラス、水晶などで作ることができる。発光物質112は、水圧防壁110の先端に配置される。不透光性且つ透水性材料114は、発光物質112の先端に配置される。保有キャップ108は、水圧防壁110と、発光物質112と、不透光性且つ透水性材料114とが、本体102の上に保持されるのに使用される。保有キャップは、光を透過しない材料で作られているか、又は、光を透過しない材料でコーティングされている。本体102と、保有キャップ108と、不透光性且つ透水性材料114とが、光源104と、光検出器106と、発光物質112との周りに不透光性密閉容器(light tight container)を形成する。
【0030】
動作時において、プローブは水に浸される。不透光性且つ透水性材料114は、水を発光物質112に向けて透過させる。水圧防壁110は、本体102によって形成された空洞に水が入るのを防ぐ。濡れた発光物質は、水圧防壁110を通して光源104によって照らされる。発光物質112は、光源104からの光に反応して発光する。反応の持続時間は、水中の酸素の濃度に依存する。光センサ106は、発光物質112から射出された光を検知する。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態におけるプローブ200の断面図である。プローブ200は、プローブ本体202と、光源204と、光検出器/センサ206と、水圧防壁210と、発光物質212と、不透光性且つ透水性材料214と、シャッター216とを有する。
【0032】
本体202は、光源と光検出器206とを動作させるために使用される電気部品(図示省略)と同様に、光源204と光検出器/センサ206とを含む。光源204と、光センサ106と、電気部品とは、一般的には、乾燥した状態に保たれる必要がある。水圧防壁210は、本体202によって形成された空洞に流体が入るのを防ぐために、本体202に対してシールを形成する。Oリング又はガスケット(図示省略)が、水圧防壁210と本体202との間にシールが形成されるのを助けるのに使用されるかもしれない。水圧防壁210は、光を透過するが水を透過しないいかなる材料、例えば、プラスチック、ガラス、水晶などで作ることができる。水圧防壁は、本体202に螺合されるキャップとして形成される。発光物質212は、水圧防壁210の上面に配置される。不透光性且つ透水性材料214は、発光物質212の上面に配置されて、水圧防壁210を囲む。本体202と不透光性且つ透水性材料214とは、光源204と、光検出器206と、発光物質212との周りに、不透光性密閉容器を形成する。シャッター216は、発光物質212の上面に配置される。シャッターは、開けられるか、閉じられることができる。閉じられると、シャッターは光を透過しない。開かれると、シャッターは光を透過し、発光物質212又は光源204からの光は、不透光性密閉容器を出てユーザに視認され、プローブ200の動作が視覚によって確かめられる。本発明の一実施形態では、ユーザは、シャッターを開けて、目視によりプローブが動作していることを確かめるであろう。プローブが動作していることをいったんユーザが目視により確かめると、ユーザはシャッターを閉じるであろう。シャッター216は、光学シャッター、例えば、液晶シャッター、機械式のシャッターなどがあり得る。
【0033】
機械式のシャッターは、本技術分野で周知である。シャッター216としてどのようなタイプの機械式のシャッターも使用できる。可能な実施形態のいくつかは、滑るタイプ又は回転するタイプのドア、回転する管(vain)、折り畳み可能な柔軟性を有する材料(例えば、ベネチアンタイプのブラインド(Venetian blinds))、虹彩(iris)等を有している。シャッター216は、手動で操作されたり、例えば、電磁力を使って、動力駆動され得る。シャッター216は、発光物質212の上に位置する必要はない。シャッター216は、シャッターが開いているとき不透光性密閉容器から光が出ることができるように、不透光性密閉容器の周辺のどこにでも配置できる。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態における側面プローブ300の平面断面図である。側面プローブは、プローブの先端を通してではなく、プローブの側面を通して状態を感知する。側面プローブ300は、プローブ本体302と、プリント配線(以下、PCとする)基板320と、光源304と、光センサ306と、水圧防壁310と、発光物質312と、不透光性且つ透水性材料314と、Oリングシール324と、機械式のシャッター316と、窓部322とを有する。プローブ本体302は、円として示されているが、どのような形を取ってもよい。PC基板320は、プローブ本体302の中に取り付けられる。光源304と光センサ306とはPC基板320に取り付けられ、プローブ本体302の中の開口部に面する。水圧防壁310は、プローブ本体302の開口部に取り付けられる。Oリング324は、プローブ本体302と水圧防壁310との間にシールを形成するのを助ける。発光物質312は、水圧防壁310の外部に取り付けられる。不透光性且つ透水性材料314は、発光物質312の外部に取り付けられ、プローブ本体302と共に不透光性密閉容器を形成する。窓部322は、プローブ本体302に取り付けられる。機械式のシャッター316は閉じられているとき(図3に示すように)、窓部322を蔽い、光が窓部322を通して透過されることを妨げる。機械式のシャッター316は、開かれているとき(詳細AAに示すように)、窓部322を蔽うことなく、光が窓部322を通して透過されることを許す。機械式のシャッター316はクリップ328によって保持され、停止部326を含む。機械式のシャッター316は、開く位置又は閉じる位置でシャッターを保持する掛け金又は特徴(図示省略)を有する。機械式のシャッター316、又は、機械式のシャッター316と窓部322との組み合わせは、光学式のシャッターに取り替えられ得る。機械式のシャッター316は、滑りドア式の機械式のシャッターとして示されている。しかし、上記したように、どのようなタイプの機械式シャッターも使用できる。操作において、プローブ300が動作していることの視覚による確認を許すために、機械式のシャッター316は開かれる。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態における、プローブ操作の視覚確認にライトパイプを使用するセンサ基板400の等角図である。センサ基板は、PC基板420と、光学センサ406と、光源406と、ライトパイプ420とを有する。光学センサ406と光源404とは、PC基板420の上へ取り付けられる。ライトパイプ420は、一般的には光ファイバから作られる。光ファイバは、被覆されているかもしれないし、被覆されないかもしれない。光ファイバの端は、ファイバの出口瞳(exit pupil)を増減するために取りつけられたレンズを有する。
動作において、PC基板は、光源と光学センサとが発光物質に面した状態でプローブ内に取り付けられる。ライトパイプ430の第1の端は、光源404に向けられる。ライトパイプ430の第1の端は、固定されるか、保持されるか、適所に接着される。ライトパイプ430の第1の端の光軸は、光学センサ406から離れる方向でPC基板に向かう方向の状態で、光源に向けられる。この方向付けで、ライトパイプの第1の端から出るどのような光も、光学センサから離れ、発光物質から離れる方向に向けられる。本発明の一実施形態では、ライトパイプの光軸は、光源と光学センサとの間を走る線に対して垂直である。センサ基板400がプローブに取り付けられるとき、ライトパイプの第2の端が不透光性密閉容器の外側で見られるように、ライトパイプの第2の端は取り付けられる。このことにより、ユーザはライトパイプの第2の端を見てプローブの光源がいつ機能しているかを判断できる。光源の波長に対応する帯域通過フィルタ(図示せず)は、ライトパイプのどちらかの端に任意に取り付けられる。帯域通過フィルタは、光源の波長に対応しないどのような光も、ライトパイプを通って出射されることを妨げる。これによって、ライトパイプを通ってプローブに入る外部の光の量は制限される。
【0036】
図5は、本発明の一実施形態のライトパイプを使うプローブの断面図である。プローブ500は、プローブ本体502と、光源504と、光検出器/センサ506と、水圧防壁510と、発光物質512と、不透光性且つ透水性材料514と、ライトパイプ226とを有する。
【0037】
本体502は、光源504と光検出器/センサ506とを含み、光源504と光学センサ506とを駆動させるのに使われる電子回路(図示せず)も含む。水圧防壁は、本体502の上に螺合されるキャップとして形成される。発光物質512は、水圧防壁510の上に配置される。不透光性且つ透水性材料514は、発光物質512の上に配置され、水圧防壁510を囲む。本体502と不透光性且つ透水性材料514とは、光源504と、光学センサ506と、発光物質512とのまわりに、不透光性密閉容器を形成する。ライトパイプ526の第1の端は、光源504に向けられる。ライトパイプ526の第2の端は、不透光性密閉容器の外側から見えるように取り付けられる。
【0038】
本発明の他の実施形態では、プローブは2つの光源を有する。第1の光源は発光物質を照らすのに使われ、第2の光源はプローブが動作していることをユーザに対して信号で伝えるのに使われる。第2の光源は、不透光性密閉容器に外部の光が入ることを防ぐと共に、第2の光源からの光が不透光性密閉容器の外側から視認できるように取り付けられる。本発明の一実施形態では、第2の光源628は、プローブの本体の開口部に嵌まる(図6参照)。窓部622は、第2の光源628の上に水に対する密閉(water tight seal)を形成するのを助けるために使われる。また、第2の光源628は、開口部の内側で密閉され、水に対する密閉を形成している。第2の光源は、第1の光源と同じPC基板から電力の供給を受けるか、或いは、他の電源から電力の供給を受ける。第2の光源は、プローブが動作しているときにパルス状の光をオン/オフさせて出射するか、或いは、プローブが動作しているときに一定の照明光を出射する。第2の光源628は、フレキシブルケーブル、ワイヤー630等を備えたPC基板620に結合するか、或いは、PC基板620の表面上に取り付けられる。本発明の他の実施形態では、ライトパイプの一方の端は第2の光源の先端に直接に取り付けられ、ライトパイプの第2の端はプローブの外側にて見つけられるように取り付けられる。ライトパイプは第2の光源の上方に直接に取り付けられて、ライトパイプに入る迷光(stray light)が、発光物質や光センサに届くのを防ぐ。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態におけるセンサキャップの等角図である。センサキャップは、平坦なセンサ面740と、面取り面748と、側面742とを有する。平坦なセンサ面740の下には3つの層がある。最上の層は、不透光性且つ透水性材料である。中央の層は、発光物質である。そして、最下層は水圧防壁である。発光物質は、一般的に平坦なセンサ面740を覆うだけである。過去には、不透光性且つ透水性材料は、平坦な面740に置かれた発光物質を覆うだけであった。側面と面取り面とは、不透光性且つ透水性材料によって覆いがない状態にされていた。覆いのない側面742と面取り面748とは、あまりに多量の光がセンサへと透過するのを許した。現在の実際では、平坦なセンサ面と、面取り面と、側面742とを不透光性且つ透水性材料で覆うことになっている。これによって外部光がセンサの中へと透過するのを防ぐが、また、センサの動作を確認するユーザによってセンサからの光が見られるのを妨げる。
【0040】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの小さな領域が、不透光性且つ透水性材料によって覆いがされないままに残されている。覆いがされず露出された領域は、平坦なセンサ面、例えば小さな領域744の上にあり得る。覆いがされず露出された領域は、面取り面、例えば小さな領域750の上にあり得る。覆いがされず露出された領域は、側面、例えば小さな領域746の上にあり得る。本発明の一実施形態では、センサキャップの上の異なる場所に配布された複数の覆いがされず露出された領域がある。覆いがされず露出された領域をセンサの総面積の小さな部分に制限することによって、ユーザにセンサが適切に動作していることをユーザが視覚にて確認できるようにする一方で、センサの精度への影響を最小にすることができる。本発明の一実施形態では、覆いがされず露出された領域は、全体のセンサ領域の5%未満である。ここで、全体のセンサ領域は発光物質によって覆われる領域である。覆いのない領域の位置又は配置によっては、その領域の大きさを増やすことができる。覆いのない領域が光学センサから極力離れた場所に配置されるとき、その覆いのない領域の大きさを増やすことができる。覆いのない領域は、不透光性且つ透水性材料を除去することによって形成されることができるし、或いは、不透光性且つ透水性材料をセンサキャップに適用する間、小さな領域を覆い隠すことによって形成されることができる。
【0041】
図8は、本発明の一実施形態におけるセンサ窓部の断面図である。センサ窓部は、不透光性且つ透水性材料814と、発光物質812と、水圧防壁810と、小さな露出された領域844とを有する。小さな露出された領域は、発光物質812と不透光性且つ透水性材料814とを通して突き出る水圧防壁の柱状部又は突起部によって形成される。この方法を使用することによって、小さな覆いがされず露出された領域は、センサ窓部の上面と同一平面となる。1つの小さな領域または複数のより小さな領域は、このように形成される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】発光物質がセンサの先端に配置された従来のプローブの設計例である。
【図2】本発明の一実施形態におけるプローブ200の断面図である。
【図3】本発明の一形態における側面プローブ300の横断面の平面図である。
【図4】本発明の一実施形態における、プローブ操作の視覚確認にライトパイプを使用するセンサ基板400の等角図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるライトパイプによるプローブの断面図である。
【図6】本発明の一実施形態における第2の光源によるプローブの詳細図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるセンサキャップの等角図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるセンサ窓部の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部と外部とを有する不透光性密閉容器と、
前記不透光性密閉容器の少なくとも1つのセクションを形成する不透光性且つ透水性材料(214)と、
第1の側と第2の側とを有し、当該第1の側は不透光性且つ透水性材料(214)に接触し、前記不透光性密閉容器の内側の発光物質(212)と、
前記発光物質(212)の前記第2の側に接触する水圧防壁(210)と、
前記不透光性密閉容器の内側に配置され、前記水圧防壁(210)を通して前記発光物質(212)を照らすように構成された光源(204)と
を有する発光式溶存酸素センサにおいて、
前記不透光性密閉容器の中のシャッター(216)は、当該シャッター(216)が開かれるとき、当該不透光性密閉容器から光が出射されるように構成されたことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記シャッター(216)は、光学式のシャッターであることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記シャッター(216)は、機械式のシャッターであることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記シャッター(216)は、開く位置と閉じる位置との間を可動な滑るパネル(316)を更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項5】
請求項3に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記シャッター(216)は、開く位置と閉じる位置との間を可動な虹彩を更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項6】
請求項3に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記シャッター(216)は、開く位置と閉じる位置との間を可動な回転するパネルを更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項7】
請求項3に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
水に対する密閉容器の中にある前記光源(304)で窓部が当該水に対する密閉容器の一部を形成する、前記シャッターの下に取り付けられた当該窓部(322)によって更に特徴付けられた発光式溶存酸素センサ。
【請求項8】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記発光物質(212)が当該発光式溶存酸素センサの端にあることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項9】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記発光物質(312)が当該発光式溶存酸素センサの側にあることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項10】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記シャッター(216)が手動にて操作されることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項11】
発光式溶存酸素センサ(200)の上のシャッター(216)を開け、
前記開けられたシャッター(216)を通して光を視認できるとき、前記センサは動作していると決定し、
前記シャッター(216)を閉めることによって特徴付けられた方法。
【請求項12】
内部と外部とを有する不透光性密閉容器と、
前記不透光性密閉容器の少なくとも1つのセクションを形成する不透光性且つ透水性材料(514)と、
第1の側と第2の側とを有し、当該第1の側は不透光性且つ透水性材料(514)に接触し、前記不透光性密閉容器の内側の発光物質(512)と、
前記発光物質(512)の前記第2の側に接触する水圧防壁(510)と、
前記不透光性密閉容器の内側に配置され、前記水圧防壁(510)を通して前記発光物質(512)を照らすように構成された光源(504)と
を有する発光式溶存酸素センサにおいて、
第1の端と第2の端とを有し、当該第1の端は前記光源(504)に向けられ、当該第2の端は前記不透光性密閉容器の外側にて視認できるライトパイプ(526)を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項13】
請求項12に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記発光物質(512)は、当該発光式溶存酸素センサの端にあることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項14】
請求項12に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記発光物質(512)は、当該発光式溶存酸素センサの側にあることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項15】
内部と外部とを有する不透光性密閉容器と、
前記不透光性密閉容器の少なくとも1つのセクションを形成する不透光性且つ透水性材料(314)と、
第1の側と第2の側とを有し、当該第1の側は前記不透光性且つ透水性材料(314)に接触し、前記不透光性密閉容器の内側の発光物質(312)と、
前記発光物質(312)の前記第2の側に接触する水圧防壁(310)と、
前記不透光性密閉容器の内側に配置され、前記水圧防壁(310)を通して前記発光物質(312)を照らすように構成された光源(304)と
を有する発光式溶存酸素センサにおいて、
前記不透光性密閉容器の外側にて視認できるように構成された第2の光源(628)を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項16】
請求項15に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記第2の光源(628)は、前記不透光性密閉容器の開口部に取り付けられることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項17】
請求項15に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、ライトパイプの第1の端は前記第2の光源の上に直接取り付けられ、当該ライトパイプの第2の端は前記不透光性密閉容器の外にて視認できることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項18】
請求項15に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記第2の光源からの光は、前記不透光性密閉容器の内部を照らさないことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項19】
不透光性密閉容器と、
前記不透光性密閉容器の内側の発光物質(212)と、
前記不透光性密閉容器の内側に配置され、前記発光物質を照らすように構成されたの光源(204)と
を有する発光式溶存酸素センサにおいて、
前記不透光性密閉容器から光が出射されることを切り替え可能に許す手段を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項20】
不透光性且つ透水性材料(814)を有する外側の層と、発光物質(812)を有する中間の層と、水圧防壁(810)を有する内側の層の3つの層を有するセンサ窓部を有する発光式溶存酸素センサにおいて、
光が透過するように構成された前記外側の層の中に少なくとも1つの小さな空隙が形成されたことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項21】
請求項20に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記少なくとも1つの小さな空隙は、前記センサ窓部の総領域の5%より小さいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項22】
請求項20に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記内側の層の小さな柱状部(844)が、当該内側の層から前記中間の層と前記外側の層とを通って延び、当該外側の層の中に形成された前記少なくとも1つの小さな空隙を埋めることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項23】
請求項22に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記センサ窓部の上面は本質的には平坦であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項24】
水圧防壁(810)の上のセンサ窓部の領域を発光物質(812)で覆い、
前記発光物質(812)を不透光性且つ透水性材料(814)で覆う方法において、
前記不透光性且つ透水性材料の小さな領域を前記センサ窓部の領域から除去することを特徴とする方法。
【請求項25】
水圧防壁(810)の上のセンサ窓部の領域を発光物質(812)で覆い、
前記発光物質(812)を不透光性且つ透水性材料(814)で覆う方法において、
前記不透光性且つ透水性材料と前記発光物質とを通して前記水圧防壁の小さな領域を露出させることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−520986(P2009−520986A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547320(P2008−547320)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/047581
【国際公開番号】WO2007/075341
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(505106575)ハック・カンパニー (12)
【Fターム(参考)】