説明

視野内に存在しない衛星に対するGPSアルマナック・データを更新する方法

全地球測位システムのアルマナック・データを更新する方法は、無線装置に関連する通信インフラのサーバにおいて、衛星群に対する現在の衛星アルマナックを取得する工程(102)と、現在の衛星アルマナックに登録された全衛星数より少数の衛星のみに対する衛星アルマナック・データを含む現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバに作成する工程(104)と、現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバから無線装置へ送信する工程(106)とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全地球測位衛星(Global Positioning Satellite)(GPS)システム等、衛星航法システムに関する。より詳細には、以下に限定されるものではないが、本発明は、衛星測位データを基地局からリモートGPS受信機へ送信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、全地球測位システム(GPS)の受信機には、GPS群(constellation)の各衛星に対する衛星アルマナック(almanac)データが不揮発性メモリに記憶されている。衛星アルマナック・データには、GPS群の各GPS衛星に対する低精度軌道パラメータが含まれる。このパラメータは、エフェメリス(ephemeris)情報が利用可能となる前に、自律的フィックス、即ち、補助なしの位置計算を試行する場合、又は補助ありの位置計算を試行する場合、いずれの衛星がGPS受信機の視野内に存在するかを決定するため、及び視野内に存在する衛星に対する近似ドップラー・データを計算するためのパラメータである。エフェメリス・データには、通常、視野内に存在するGPS群のGPS衛星のみに対する、高精度軌道パラメータが含まれる。エフェメリス・データは急速に古くなる。時間の経過を通じて、緩やかに衛星アルマナック・データが無効(stale)となり、更新された情報が必要となる。また、新たな衛星が稼働し、古い衛星が非稼働となることに従い、GPS群が変化する場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
全地球測位システム(GPS)衛星及びGPS受信機は、衛星航法システムを構成する。以下の本発明の説明において、用語「全地球測位システム」及びその頭字語「GPS」には、全ての衛星航法システムが含まれるものとする。各衛星は、内蔵の10.23MHz原子周波数標準器により決定される1.023メガビット/秒のレートにて、1023ビット長のユニークな擬似ランダム符号を用いてスペクトラム拡散信号を送信する。各疑似ランダム符号ビットは、ほぼマイクロ秒毎の時間マーカを表しており、約300メートルの距離に相当する。疑似ランダム符号シーケンス全体はミリ秒毎に1度反復されるが、これは300キロメートルの距離に相当し、C/A(粗捕捉)符号と呼ばれる。C/A符号は、20サイクル毎又は1/50秒毎に位相を変化させることが可能であり、50ビット/秒でデータ・メッセージを符号化し、6000kmの距離マーカを生成するために用いられる。この50ビット/秒のデータは、1500ビット長のメッセージを符号化するために用いられる。この1500ビット長のメッセージには、現在のGPS日/時及びGPS−UTC補正、衛星を位置特定するための高精度エフェメリス情報、原子時計の現在のオフセット及びレート誤差に関する情報、他の全てのGPS衛星に対する低精度衛星アルマナック・データ、及び太陽フラックスに基づく電離層遅延補正に関する未処理の推定値が含まれる。
【0004】
GPS群全体に対する完全な衛星アルマナックが各衛星から放送されるが、衛星から直接的に衛星アルマナックを更新するには、GPS受信機が少なくとも1つの衛星の明瞭な視野内に存在する必要がある。また、GPS群全体に対する現在の衛星アルマナック・データをダウンロードするには、少なくとも12.5分間、GPS受信機が動作される必要がある。
【0005】
通常、GPS衛星アルマナック・データには、GPS群の全ての衛星に関する近似位置対時間の記述が含まれる。GPS衛星アルマナック・データに一般に含まれるパラメータ
の一部は、アルマナックの基準週、離心率、傾斜角に対する補正、基準時における平均近点角、近地点引数、赤経変化率、基準時における赤経、軌道長半径の平方根、クロック補正項1、クロック補正項2、基準時アルマナック、軌道長半径、補正済み平均運動、及び傾斜角である。
【0006】
衛星アルマナック・データを用いて、視野内の衛星に対する近似ドップラー情報が導出される場合もある。ドップラー情報を推定し、ドップラー探査時間を減少させることにより、総処理時間が実質的に減少される。
【0007】
現在、米国のGPS群は28の衛星からなるが、充分な群に必要な衛星は24のみである。所与の時に地球上の所与の点からの視野内には4〜12の衛星が存在し得るが、GPS群の残りの衛星は所与の時に地球上の所与の点からの視野内に存在しない。各衛星に対する衛星アルマナック・データは、残りの衛星アルマナック・データから独立であるため、視野内に存在しない1つ以上の衛星に対する衛星アルマナック・データのサブセットが更新サイクル中にダウンロードされる場合がある。更新される衛星アルマナック・データは、漸次に構築され得る。即ち、1つの衛星アルマナック更新サイクル中に必ずしも全ての衛星アルマナック・データがダウンロードされる必要はない。例えば、iDEN(登録商標)(統合ディジタル高度ネットワーク)(Integrated Digital Enhanced Network)等の高度位置サービス(Location Enhanced Services)を提供するための無線ネットワークにおいては、衛星アルマナック更新は移動体位置センター(Mobile Location Center)から個々の加入者に関連する無線装置へ送信され得る。iDEN(登録商標)のインフラ(infrastructure)にて、双方向ディジタル無線、ディジタル無線電話、英数字メッセージング、データ/ファクス機能、及び小型の(pocket−sized)ディジタル電話機においてインターネット接続技術を利用する他の無線サービスが組み合わせられる。
【0008】
本発明の方法の実施形態と共に用いられ得る衛星アルマナックをダウンロードするための通信リンクを有するGPS受信機は、例えば、2000年5月16日発行の、クラスナー(Krasner)による米国特許第6,064,336号明細書、「通信リンクを利用するGPS受信機(GPS RECEIVER UTILIZING A COMMUNICATION LINK)」に記載されている。当該記載を引用により本明細書に援用する。
【0009】
本発明の一態様においては、全地球測位システムのアルマナック・データを更新する方法は、無線装置に関連する通信インフラのサーバにおいて、衛星群に対する現在の衛星アルマナックを取得する工程と、現在の衛星アルマナックに登録された全衛星数より少数の衛星のみに対する衛星アルマナック・データを含む現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバに作成する工程と、現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバから無線装置へ送信する工程とからなる。
【0010】
図面における要素は平易かつ明瞭に示されており、必ずしも縮尺に応じて示されていない。例えば、図面における要素のうちの一部の寸法は、以下の例示の実施形態の説明の理解を向上させるため、他の要素に比較して拡大されている場合がある。
【0011】
図1には、本発明の一実施形態による無線装置の衛星アルマナック・データを更新する方法のフローチャート100を示す。
工程102はフローチャート100の開始点である。
【0012】
工程104にて、衛星群に対する現在の衛星アルマナックが、例えば、無線装置に関連
する通信インフラのサーバから取得される。例えば、iDEN(登録商標)インフラにおいては、サーバは移動体位置センターであり、無線装置は、移動体位置センターを介して調整される種々の機能を実行するための小型のiDEN(登録商標)ディジタル電話機であり、GPS受信機を含む。移動体位置センターは、例えば、直接的にGPS受信機から若しくはインターネットに接続されているGPS受信機から、又は、例えば、ウェブサイト[http://www.navcen.uscg.gov/ftp/GPS/almanacs]等、インターネット情報源から、現在の衛星アルマナックを取得することが可能である。
【0013】
工程106にて、現在の衛星アルマナックのサブセットがサーバにより作成される。このサブセットには、現在の衛星アルマナックに登録されている全衛星数より少数の衛星に対するデータが含まれる。例えば、現在の衛星アルマナックのサブセットには、無線装置の視野内に存在しない衛星のみに対するアルマナック・データが組み込まれる。
【0014】
工程108にて、現在の衛星アルマナックのサブセットが、通信チャネルを介してサーバから無線装置へ送信される。
工程110はフローチャート100の終了点である。
【0015】
無線装置は通信チャネルを介してサーバから現在の衛星アルマナックのサブセットを受信し、無線装置に記憶されている現在の衛星アルマナックを更新する。現在の衛星アルマナックのサブセットは現在の衛星アルマナック全体より少ないデータしか含まないため、無線装置の現在の衛星アルマナックを更新するために必要な最大メッセージ・トラフィックは有利に減少される。さらに、衛星アルマナックをサブセットとして記憶することにより、通信インフラに必要な最大メッセージ・トラフィック容量も同様に減少される。
【0016】
図2には、本発明の一実施形態による視野内に存在しない衛星に対する無線装置の衛星アルマナック・データを更新する方法を示すフローチャート200を示す。
工程202はフローチャート200の開始点である。
【0017】
工程204にて、無線装置の近似位置が決定される。例えば、セルラー加入者は、以前のGPSフィクスから、又はセル・サイトより放送されたセルの緯度/経度から、無線装置の近似位置を送信する。これに代えて、サーバが通信インフラにおける位置、即ち、無線装置と接続されるセル、位置エリア、又はグリッド・エリア等、を決定してもよい。続いて、その位置の緯度及び経度が、セルラー加入者の位置に関連付けられる。
【0018】
工程206にて、現在の衛星アルマナックが、無線装置に関連する通信インフラのサーバにより取得される。例えば、iDEN(登録商標)インフラにおいては、現在の衛星アルマナックが移動体位置センターにより取得される。しかしながら、添付の特許請求の範囲の内に含まれる種々の実施形態においては、本発明を実施するために他のサーバ及び他の通信インフラが用いられてよい。移動体位置センターは現在の衛星アルマナックを、例えば、直接的にGPS受信機から取得することが可能であり、又は、ウェブサイト[http://www.navcen.uscg.gov/ftp/GPS/almanacs]等、ウェブ情報源から取得することが可能である。
【0019】
工程208にて、周知の手法に従い現在の無線アルマナックを用いて、移動体位置センターは、無線装置の近似位置からGPS群のいずれの衛星が地平を越えた側に存在するかを決定する。地平を越えた側に存在する衛星を視野内に存在しない衛星と定義し、地平を越えた側に存在しない衛星を視野内に存在する衛星と定義する。しかしながら、視野内に存在する衛星から無線装置への送信が、地形又は建造物により妨害される場合もある。
【0020】
工程210にて、移動体位置センターがGPS衛星アルマナックのサブセットを作成する。このGPS衛星アルマナックのサブセットには、現在の衛星アルマナックに登録されている全衛星数より少数の衛星のみに対するデータが含まれる。例えば、GPS衛星アルマナック・データのサブセットは、無線装置の視野内に存在しない1つ以上の衛星に対するアルマナック・データからなる。本発明の一部の実施形態においては、視野内に存在しない1つ以上の衛星に対する衛星アルマナック・データが、視野内に存在する1つ以上の衛星に対するエフェメリス・データと共にダウンロードされる。
【0021】
工程212にて、移動体位置センターは、例えば、セルラー電話通信チャネル等、通信チャネルを介し、衛星アルマナック・データのサブセットを無線装置へ送信する。各更新と共にアルマナック・データのサブセットのみが送信されるため、現在の衛星アルマナック全体を更新するために必要な時間より短い時間にて、無線装置に記憶されている現在の衛星アルマナックが更新され、通信帯域を有利に節約し得る。
【0022】
工程214にて、無線装置は移動体位置センターから衛星アルマナック・データのサブセットを受信し、無線装置に記憶されている現在の衛星アルマナックを更新する。これに代えて、無線装置の現在の衛星アルマナックの別個のコピーに対し更新が実行されてもよい。1つ以上の更新が完了した後、コピーがやり取りされ(ping−ponged)、即ち、交換されて、無線装置の現在の衛星アルマナックを置換してもよい。
【0023】
工程216はフローチャート200の終了点である。
無線装置は、周知の手法に従い航法フィクスを実行するために適切な時に、無線装置に記憶されている更新された現在の衛星アルマナックから、ドップラー・データを計算してよい。
【0024】
上述のフローチャートに示した本発明の方法においては、特定の順序にて実行される特定の工程を参照して説明及び図示したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、それらの工程が結合、分割、又は順序変更されてもよい。本明細書において特別に記載のない限り、工程の順序及び集合は本発明を限定するものではない。
【0025】
所望の場合、もはや稼働中でない衛星を衛星アルマナックから削除するための機能が追加されてもよい。例えば、移動体位置センターは、もはや稼働中でない衛星の一覧を無線装置へ送信する。また、無線装置の視野内に存在しない全ての衛星に対する衛星アルマナック・データと、視野内に存在する全ての衛星に対するエフェメリス・データとが更新に含まれる場合、無線装置に記憶されている現在の衛星アルマナックに登録されている衛星が、更新情報に含まれる衛星と比較される。衛星群の各衛星に対する情報がアルマナック・データ(視野内に存在しない衛星に対する)又はエフェメリス・データ(視野内に存在する衛星に対する)に含まれる場合、無線装置に記憶されている衛星アルマナックに情報が存在する任意の他の衛星は、衛星群から除去されていると仮定される。衛星群から衛星が除去されているため、対応する衛星情報は、無線装置に記憶されている衛星アルマナックから削除される。
【0026】
図3には、図1,2に示した方法を実施するために適切な通信インフラ300のブロック図を示す。図3には、移動体位置センター302、無線装置304、衛星306、通信ネットワーク308、及び全地球測位システム受信機310を示す。移動体位置センター302は、例えば、無線通信用のサーバにより実装される。用語「サーバ」には、移動体位置センター302の機能を実行するために適切な通信インフラ300内の任意の装置が含まれるものとする。無線装置304は、例えば、以下に限定されるものではないが、双方向無線、ディジタル無線電話、英数字メッセージング、データ/ファクス、電話案内、ボイスメール、電子メール、無線モデム、及び音声記録を含む、1つ以上の機能を実行す
るためのiDEN(登録商標)ディジタル電話機である。無線装置304は、無線装置304の位置を決定するためのGPS受信機も含む。
【0027】
通信ネットワーク308は、例えば、インターネットである。しかしながら、周知の手法に従って本発明の種々の実施形態を用いるために、他の種類の通信ネットワークが用いられてよい。GPS受信機310は全地球測位システム衛星306から衛星アルマナック・データを受信し、例えば、GPSウェブサイトから、移動体位置センター302へ衛星アルマナック・データを送信する。
【0028】
全地球測位システム衛星の軌道周期は、ほぼ11時間58分である。全地球測位システム衛星の各々は6つの軌道平面のうちの1つに位置し、ほぼ1日に1°の割合で地球に対して西の方向へ移動する。これに加えて、地球が24時間に一度、軸の回りを回転する。
【0029】
全地球測位システム衛星が視野内に入る時、衛星が極めて短い期間しか視野内に留まらない場合もあり、6時間を超えて視認可能である場合もある。視野内に存在しない衛星に対する更新の送信をスケジュール化し、稼働中の衛星の全てに対するアルマナック・データが必要に応じて更新され、要求される精度を維持することを保証するための、一般的な規則が所望される。一実施形態においては、更新されたアルマナック・データが必要な衛星の一覧は、加入者の近似位置情報を含め、各加入者に対してサーバに記憶される。この一覧に記憶された情報から、サーバが、更新されたアルマナック・データが必要な衛星が視野内に存在しない時を計算することが可能である。続いて、現在の衛星アルマナックのサブセットに含まれる衛星が視野内に存在しない時、更新された現在の衛星アルマナックのサブセットが組み立てられ、無線装置へ送信されるようにスケジュール化される。
【0030】
これに代えて、発見的な規則が用いられてもよい。例えば、現在の衛星アルマナックの第1のサブセットが送信された後、7〜12時間の後に送信される現在の衛星アルマナックの第2のサブセットには、第1のサブセットに含まれていなかった稼働中の衛星の全てが含まれ得る。即ち、第1のサブセットが送信された時に視野内に存在する衛星の全ては、第2のサブセットが送信される時には視野の外に存在し得る。
【0031】
無線装置に記憶されている現在の衛星アルマナックは無効であると加入者が決定した時、加入者により、現在の衛星アルマナックのサブセット、即ち、更新が要求されてもよく、これに代えて、定期的に加入者により更新が要求されてもよい。無線装置に記憶されている現在の衛星アルマナックを更新するこのモードを、「プル(pull)」と称する。
【0032】
また、サーバが、規則的なスケジュール、更新の履歴、及びサーバにより決定されるセルラー・イベント・トリガに基づき、特定の加入者に関連する無線装置へ更新を「プッシュ(push)」してもよい。この規則的なスケジュールは、(a)現在の衛星アルマナックが無効であると考えられる時間枠、(b)視野内に存在する衛星が視野の外に存在し得る時間枠、即ち、ほぼ7時間、及び(c)視野内に存在する衛星が視野の外に存在すると計算される時間枠により決定されてよい。特定の加入者に対する更新がされないままである衛星の一覧と共に、更新の履歴が用いられてもよい。
【0033】
セルラー・イベント・トリガには、例えば、「位置更新」、「ハンドオーバ」、「再接続」、「再選択」、又は移動体がセルからセルへ移動する時に生じる他の操作等、無線リンク制御手続が含まれる。セルは複数の「位置エリア」に地理的に分類されている。通常、通信インフラは、移動体の位置を特定の「位置エリア」まで追跡するのみである。移動体が新たなセルに進入する時、通信インフラは進入したセルの「位置エリア」が、退出したセルの「位置エリア」と同じであるか否かを検査する。「位置エリア」が変化していない場合、処置は不要である。位置エリアが変化した場合、移動体は「位置更新」手続を開
始し、現在の「位置エリア」を通信インフラに対し通知する。「ハンドオーバ」は、移動体の呼が接続中である時、セルを変更するために用いられる手続である。「再接続」は、ディスパッチ呼又はパケット・データ・セッション中に移動体が接続中である時、セルを変更するために用いられる手続である。「再選択」は、移動体が接続中でない(idle)時、セルを変更するために用いられる手続である。
【0034】
上述の本発明の方法においてはGPS衛星に関して言及しているが、本発明の教示は、スードライト(Pseudolite)を利用する測位システム、又は衛星及びスードライトの組合せを利用する測位システムに対し適用することも可能である。スードライトとは、通常、地上に設置された送信機として実装されGPS信号に類似の疑似ランダム符号を放送する、疑似衛星である。疑似ランダム符号は一般にGPS時と同期されるL帯搬送信号を変調する。リモート受信機による識別を可能にするために、ユニークな疑似ランダム符号が各送信機に割り当てられる場合もある。スードライトは、トンネル内、鉱山内、建造物内、又は他の包囲されたエリア内等、周回衛星からのGPS信号が利用可能でない場合に有利である。本明細書にて用いられる用語「衛星」には、スードライト及びその均等物を含むものとする。さらに、添付の特許請求の範囲の内において本発明を実施するために、Glonassシステムを含む、他の衛星測位システムが用いられてよい。GlonassシステムがGPSシステムと主に異なるのは、異なる疑似ランダム符号に代えて、各衛星に対して僅かに異なる搬送周波数を用いることにより、異なる衛星からの放射が相互に区別される点である。
【0035】
本明細書に開示の本発明を特定の実施形態及びその用途により説明したが、当業者には、特許請求の範囲に述べた本発明の範囲から逸脱することなく、多数の修正及び変形がなされ得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態による無線装置の衛星アルマナック・データを更新する方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の一実施形態による視野内に存在しない衛星に対する無線装置の衛星アルマナック・データを更新する方法を示すフローチャート。
【図3】図1,2に示した方法を実施するために適切な通信インフラを示すブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球測位システムのアルマナック・データを更新する方法であって、
無線装置に関連する通信インフラのサーバにおいて、衛星群に対する現在の衛星アルマナックを取得する衛星アルマナック取得工程と、
現在の衛星アルマナックに登録された全衛星数より少数の衛星のみに対する衛星アルマナック・データを含む現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバに作成するサブセット作成工程と、
現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバから無線装置へ送信するサブセット送信工程とからなる方法。
【請求項2】
現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバから受信するサブセット受信工程と、
無線装置に記憶された衛星アルマナックを現在の衛星アルマナックのサブセットを用いて更新する衛星アルマナック更新工程とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
衛星アルマナック更新工程は、
現在の衛星アルマナックのコピーを無線装置に作成する工程と、
現在の衛星アルマナックのサブセットを用いてコピーを更新する工程と、
無線装置に記憶された現在の衛星アルマナックをコピーを用いて置換する工程とを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
衛星アルマナック取得工程は現在の衛星アルマナックをインターネットからサーバへダウンロードする工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
サブセット作成工程は無線装置の視野内に存在しない1つ以上の衛星に対する衛星アルマナック・データを組み込む工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
サブセット作成工程は無線装置の視野内に存在する1つ以上の衛星に対するエフェメリス・データを組み込む工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
全地球測位システムのアルマナック・データを更新する方法であって、
無線装置の近似位置を決定する近似位置決定工程と、
無線装置に関連する通信インフラのサーバにおいて、衛星群に対する現在の衛星アルマナックを取得する衛星アルマナック取得工程と、
いずれの衛星が無線装置の視野内に存在しないかを決定する視野内衛星決定工程と、
無線装置の視野内に存在しない1つ以上の衛星のみに対するデータを含む現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバに作成するサブセット作成工程と、
現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバから無線装置へ送信するサブセット送信工程と、
無線装置において現在の衛星アルマナックのサブセットをサーバから受信するサブセット受信工程と、
無線装置に記憶された衛星アルマナックを現在の衛星アルマナックのサブセットを用いて更新する衛星アルマナック更新工程とからなる方法。
【請求項8】
無線装置においてドップラー・データを計算するドップラー・データ計算工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
もはや稼働中でない衛星に対する衛星を無線装置に記憶された衛星アルマナックから削除する衛星削除工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
もはや稼働中でない衛星の一覧をサーバから無線装置へ送信する衛星一覧送信工程を含む請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−531867(P2007−531867A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520319(P2006−520319)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/022684
【国際公開番号】WO2005/010548
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】