説明

親局設備、同報無線システムおよび同報無線通信方法

【課題】
本発明は、最適な送信対象の子局設備を容易かつ速やかに抽出することができ、災害発生後、速やかに所望の報知情報を報知することができる親局設備、同報無線システムおよび同報無線通信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の親局設備20は、複数の子局設備ごとに識別情報および位置情報を保持する記憶手段21と、ユーザから基準位置および距離条件が入力された場合、入力した基準位置に対して距離条件を満足する指定エリアを設定して出力する設定手段22と、設定された指定エリアを受け取った場合、記憶手段21を参照して、指定エリア内に位置情報が含まれる子局設備に紐付けされている識別情報を抽出して出力する抽出手段23と、出力された識別情報を無線送信する送信手段24と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に避難警告等を放送する同報無線通信システムに関する。特に、災害発生時に親局から指示されることによって子局から避難警告等を放送する同報無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時に、同報無線通信システムを用いて避難警告等を放送する技術が開発されている。該同報無線通信システムの技術は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
特許文献1の同報無線システムは、操作者が呼出相手を一覧表示させて同報宛先として複数の呼出相手を選択することにより、親局設備が選択された呼出相手の呼出IDおよび位置情報を抽出し、該呼出IDおよび位置情報を呼出信号に付加して同報無線電波として子局設備へ送出する。そして、親局設備から呼出信号を受信した子局設備は、該呼出信号に含まれている呼出IDや位置情報に基づいて自機宛の呼出信号か否か判定し、自機宛の呼出信号と判定した場合は、放送音声情報および放送テキスト情報を受信して放送する。
【0004】
また、特許文献2の同報無線システムは、送信する防災情報および音声データを予め設定されているエリア毎に分別してエリアIDを付与し、該付与したエリアIDを用いて送信すべき下位中継局を抽出し、分別済みの防災情報及び音声データを送信する。そして、エリア毎に分別された防災情報及び音声データを受信した下位中継局の小局は、自局宛てに送信されたと判定した場合、受信した防災情報および音声データを周囲へ報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−219986号公報
【特許文献2】特開2009−224953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の同報無線システムは、ユーザが呼出相手の一覧表示の中から同報宛先とする複数の呼出相手を選択する必要がある。災害発生時に同報宛先を個別に選択して設定する場合、災害発生から報知まで時間がかかる。
【0007】
また、特許文献2の同報無線システムは、予め設定されているエリアに基づいて、防災情報および音声データを送信する下位中継局を抽出している。しかし、予め設定されているエリアに基づいて下位中継局を抽出する場合、災害発生現場は毎回異なることから、最適な下位中継局を毎回抽出することは困難である。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、最適な送信対象の子局設備を容易かつ速やかに抽出することができ、災害発生後、速やかに所望の報知情報を報知することができる親局設備、同報無線システムおよび同報無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明に係る親局設備は、複数の子局設備ごとに識別情報および位置情報を保持する記憶手段と、ユーザから基準位置および距離条件が入力された場合、入力した基準位置に対して距離条件を満足する指定エリアを設定して出力する設定手段と、設定された指定エリアを受け取った場合、記憶手段を参照して、指定エリア内に位置情報が含まれる子局設備に紐付けされている識別情報を抽出して出力する抽出手段と、出力された識別情報を無線送信する送信手段と、を備える。
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る同報無線システムは、ユーザから基準位置および距離条件が入力された場合、指定エリアを設定し、設定した指定エリア内に設置されている子局設備の識別情報を抽出し、抽出した識別情報を外部へ無線送信する上記の親局設備と、識別情報を受信した場合、報知が可能な状態に移行する子局設備と、を備える。
【0011】
上記目的を達成するために本発明に係る同報無線通信方法は、複数の子局設備ごとに識別情報および位置情報を保持した親局設備を用いた同報無線通信方法であって、ユーザから前記基準位置および距離条件が入力された場合、前記入力した基準位置に対して前記距離条件を満足する指定エリアを設定し、前記設定した指定エリア内に位置情報が含まれる前記子局設備を抽出し、前記抽出した子局設備に紐付けされている前記識別情報を出力し、前記出力された識別情報を送信する。
【発明の効果】
【0012】
上記構成とすることにより、本発明に係る親局設備、同報無線システムおよび同報無線通信方法は、最適な送信対象の子局設備を容易かつ速やかに抽出することができ、災害発生後、速やかに所望の報知情報を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る同報無線システム10のシステム構成図の一例である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る親局設備20のブロック構成図の一例である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る同報無線システム100のシステム構成図の一例である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る同報無線システム100の動作フロー図の一例である。
【図5】本発明の第3の実施形態において、表示部211へ表示された画面の一例である。
【図6】本発明の第4の実施形態において、表示部211へ表示された画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る同報無線システムについて説明する。図1に、本実施形態に係る同報無線システム10のシステム構成図の一例を示す。図1において、同報無線システム10は、親局設備20および複数の子局設備30a、30b、、、を備える。
【0015】
親局設備20は、ユーザが基準位置および距離条件を入力した時、入力された基準位置に対して距離条件を満足する指定エリアを設定し、設定した指定エリア内に設置されている子局設備の識別情報を抽出し、抽出した識別情報を外部へ無線送信する。また、ユーザが報知したい音源や音声等の報知情報を入力した時、報知情報を外部へ無線送信する。
【0016】
子局設備30a、30b、、、はそれぞれ、親局設備20から識別情報を受信した場合、報知動作が可能な状態に移行する。子局設備30a、30b、、、はその後、報知情報を受信した場合、受信した報知情報を音声出力等することによって、周囲に報知する。
【0017】
本実施形態に係る親局設備20について詳細に説明する。本実施形態に係る親局設備20のブロック構成図の一例を図2に示す。図2において、親局設備20は、記憶手段21、設定手段22、抽出手段23および送信手段24を備える。
【0018】
記憶手段21は、複数の子局設備30a、30b、、、ごとに、識別情報および位置情報を保持している。
【0019】
設定手段22は、ユーザが基準位置および距離条件を入力した時、入力された基準位置に対して距離条件を満足するエリアを設定して指定エリアとして抽出手段23へ出力する。
【0020】
抽出手段23は、記憶手段21を参照することにより、設定手段22から受け取った指定エリア内に位置情報が含まれる子局設備を送信対象として抽出し、該抽出した子局設備に紐付けされている識別情報を送信手段24へ出力する。
【0021】
送信手段24は、抽出手段23から識別情報が入力した場合、識別情報を外部へ無線送信する。また、ユーザが報知情報を入力した場合、該入力した報知情報を外部へ無線送信する。
【0022】
子局設備30は、親局設備20から識別情報を無線により受信した場合、報知動作が可能な状態に移行する。子局設備30はその後、報知情報を受信した場合、受信した報知情報を音声出力することによって、周囲に報知する。
【0023】
本実施形態に係る同報無線システム10において、親局設備20が地図情報を保持していることから、ユーザが基準位置と距離条件とを入力するだけで、親局設備20は容易に指定エリアを設定することができる。さらに、親局設備20は、子局設備30a、30b、、、ごとに識別情報および位置情報を保持していることから、設定した指定エリア内に設置されている子局設備を速やかに抽出し、該抽出した子局設備の識別情報を無線送信する。
【0024】
この場合、親局設備20から識別情報を受信した子局設備30は、報知動作が可能な状態に移行し、親局設備20からさらに報知情報を受信した場合に該受信した報知情報を速やかに音声出力することができる。
【0025】
従って、本実施形態に係る同報無線システム10は、最適な送信対象の子局設備を容易かつ速やかに抽出し、抽出した子局設備の識別情報を無線出力することにより、災害発生後、速やかに報知情報を子局設備から周囲に報知することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る同報無線システムのシステム構成図の一例を図3に示す。図3に示すように、本実施形態に係る同報無線システム100は、親局設備200および子局設備300を備える。
【0027】
親局設備200は、ユーザが基準位置および距離条件を入力することにより、指定エリアを設定し、該設定した指定エリア内に設置されている子局設備の識別情報を外部へ無線送信し、ユーザが報知したい音源や音声等の報知情報を無線送信する。
【0028】
一方、親局設備200から識別情報を受信した子局設備300は、音声出力可能な状態に移行し、受信した報知情報を地域住民に音声出力にて報知する。
【0029】
各要素について詳細に説明する。図3において、親局設備200は、操作卓210および無線送受信装置220を備え、さらに、操作卓210は、表示部211、操作部212、記憶部213および制御部214を備える。
【0030】
操作卓210の表示部211には、操作卓210を操作するユーザが参照する各種情報が表示される。操作部212は、ユーザからの各種入力を受け付ける。本実施形態において、操作卓210は、ユーザから基準位置や報知情報の入力を受け付ける。
【0031】
記憶部213には、予め、子局設備300ごとに子局名称301、子局ID302および位置情報303が登録されている。本実施形態において、記憶部213には、位置情報303として、子局設備300が設置されている各位置の緯度および経度が登録されている。
【0032】
制御部214は、ユーザから受け付けた基準位置に対して距離条件を満足するエリアを指定エリアとして設定し、さらに、設定した指定エリア内に設置されている子局設備300の子局ID302を抽出する。そして、制御部214は、抽出した子局ID302を無線送受信装置220へ出力する。なお、制御部214が、請求項の設定手段と抽出手段の機能を備える。
【0033】
無線送受信装置220は、子局設備300との間で各種情報を無線によって送受信する。本実施形態において、無線送受信装置220は、操作卓210から入力された子局ID302や報知情報を外部へ無線送信する。
【0034】
子局設備300は、複数の屋外拡声装置310a、310b、、、および複数の戸別受信機320a、320b、、、を備える。屋外拡声装置310は、屋外に設置され、親局設備200から子局IDを受信した場合、音声出力可能な状態に移行する。屋外拡声装置310はその後、報知情報を受信した場合、受信した報知情報を拡声器等によって周囲に音声出力する。
【0035】
戸別受信機320a、320b、、、は、屋内に設置され、親局設備200から子局IDを受信した場合、音声出力可能な状態に移行する。戸別受信機320はその後、報知情報を受信した場合、受信した報知情報をスピーカ等によって音声出力する。
【0036】
本実施形態に係る同報無線システム100の動作について説明する。本実施形態に係る同報無線システム100が、所望の報知情報を所望エリアの周囲住民に報知する場合の動作フローの一例を図4に示す。
【0037】
図4において、先ず、操作卓210のユーザ(以下、操作者と記載する。)は、記憶部213に登録されている地域の地図情報を表示部211に表示し、表示された地図上の所望の位置を、操作部212を用いて指定する。この時、操作卓210の制御部214は、指定された位置を基準位置として設定する(ステップS101)。本実施形態において、操作者は、地図上のポイントXを指定する。なお、操作者は、ポイント(点)を指定する以外に、例えば、所定の線分A−B(直線でなくても良い。)等を指定することもできる。操作者が所定の線分A−Bを指定した場合、制御部214は、線状の基準位置(基準線)を設定する。
【0038】
続いて操作者が距離条件を入力すると、制御部214は、基準位置に対して距離条件を満足するエリアを指定エリアとして設定する(ステップS102)。本実施形態において、操作者が距離条件として「距離Ykm以内」を指定することにより、制御部214は、指定エリアとして「ポイントXから半径Ykm以内」の円形の指定エリアを設定する。なお、指定エリアは円形に限らず、例えば、線分A−Bから等距離にあるエリアを指定エリアとして設定することもできる。
【0039】
次に、制御部214は、記憶部213に登録されている子局設備300の位置情報を参照し、設定した指定エリア内に設置されている子局設備300を送信対象として抽出し、抽出した子局設備300(送信対象)の子局ID302を無線送受信装置220へ出力する(ステップS103)。
【0040】
無線送受信装置220は、操作卓210から受け取った子局ID302を外部へ無線送信する(ステップS104)。無線送受信装置220はさらに、操作卓210にて操作者が音源や音声等の報知情報を入力した場合、該入力した音源や音声等の報知情報を外部へ無線送信する(ステップS105)。
【0041】
屋外拡声装置310は、親局設備200から子局ID302を受信した場合(ステップS106)、音声出力可能な状態に移行する(ステップS107)。屋外拡声装置310はさらに、親局設備200から報知情報を受信した場合(ステップS107)、受信した報知情報を拡声器等によって周囲に音声出力する(ステップS108)。
【0042】
同様に、親局設備200から子局ID302を受信した戸別受信機320は(ステップS106)、音声出力可能な状態に移行し(ステップS107)、その後、報知情報を受信することにより(ステップS108)、受信した報知情報をスピーカ等によって周囲に音声出力する(ステップS109)。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る同報無線システム100は、地図情報および各子局設備300の位置情報303を予め登録しておき、災害発生現場などの基準位置から距離条件に合致する指定エリア内に設置されている子局設備300のみを抽出することにより、最適な送信対象の子局設備300を容易かつ速やかに抽出することができる。
【0044】
また、基準位置からの距離条件に合致する指定エリア内に設置されている全ての子局設備300が自動的に抽出されるため、幾つかの子局設備300が送信対象から漏れてしまうことがなく、指定エリア内に確実に所望の報知を行うことが出来る。
【0045】
ここで、新たに子局設備300(屋外拡声装置310または戸別受信機320)を新設した場合、ユーザは、操作卓210の操作部212を用いて新設された子局設備300の子局名称301、子局ID302および位置情報303を直接入力して記憶部213に登録することができる。また、子局設備300にGPS機能を付加し、新設された子局設備300と親局設備200とが無線送受信装置220を介して通信することにより、新設された子局設備300から子局名称301、子局ID302、および、GPS機能によって取得した位置情報303を受信して記憶部213に登録することもできる。
【0046】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態で説明した同報無線システム100を用いて、火災発生現場より半径1km以内のエリアにいる地域住民に対して避難警告を伝達する場合について説明する。なお、防災担当者が閲覧している、操作卓210の表示部211に表示されている画面の一例を図5に示す。
【0047】
防災担当者は、火災発生現場を含むエリアの地図情報と報知情報リスト一覧とを表示部211に表示する。さらに、防災担当者が、図5において、基準位置として火災発生現場を指定し(図5の×印)、距離条件として「半径1km以内」を指定する。これにより、制御部214は、基準位置(火災発生現場)より半径1km以内(図5の○で囲まれたエリア)を指定エリアとして設定し、該指定エリア内に設置されている子局設備300を第1の送信対象として抽出し、抽出した第1の送信対象の子局ID302を無線送受信装置220へ出力する。
【0048】
続いて、防災担当者が図示しない放送開始ボタンを押下し、無線送受信装置220は、送信対象の子局IDを無線送信する。
【0049】
親局設備200から子局IDを受信した子局設備300に対し、放送可となる。
【0050】
放送可となった後、防災担当者は、操作卓210より、火災発生に関する避難警告を伝える内容の音声を入力すると、音声を報知情報として無線送受信装置220へ出力する。また、報知情報として予め作成された音源を入力したい場合は、表示部221のリストの中から「避難警告」を選択することにより、操作卓210の制御部214が「避難警告」を報知情報として無線送受信装置220へ出力する。
【0051】
親局設備200から報知情報を受信した子局設備300は、報知情報を周囲へ音声出力する。
【0052】
すなわち、火災発生現場から半径1km以内に設置されている屋外拡声装置310および戸別受信機320は、拡声器やスピーカ等を用いて、地域住民に火災発生に関する避難警告を報知(音声出力)する。
【0053】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態で説明した同報無線システム100を用いて、火災発生現場より半径1km以上2km以内のエリアにいる地域住民に対して注意喚起を行う場合について説明する。なお、防災担当者が閲覧している、操作卓210の表示部211に表示されている画面の一例を図6に示す。
【0054】
防災担当者は、火災発生現場を含むエリアの地図情報と報知情報リスト一覧とを表示部211に表示する。さらに、防災担当者が、基準位置(図6の×印)および、距離条件「半径1km以上2km以内」を指定する。これにより、制御部214は、基準位置より半径1km以上2km以内(図6の二つ○で挟まれたエリア)を指定エリアとして設定し、該指定エリア内に設置されている子局設備300を第2の送信対象として抽出し、抽出した第2の送信対象の子局ID302を無線送受信装置220へ出力する。
【0055】
続いて、防災担当者が図示しない放送開始ボタンを押下し、無線送受信装置220は、送信対象の子局IDを無線送信する。
【0056】
親局設備200から子局IDを受信した子局設備300は、放送可となる。
【0057】
放送可となった後、防災担当者は、操作卓210より、火災発生に関する注意喚起を伝える内容の音声を入力すると、音声を報知情報として無線送受信装置220へ出力する。また、報知情報として予め作成された音源を入力したい場合は、表示部221のリストの中から「注意喚起」を選択することにより、操作卓210の制御部214が「注意喚起」を報知情報として無線送受信装置220へ出力する。
【0058】
親局設備200から報知情報を受信した子局設備300は、報知情報を周囲へ音声出力する。
【0059】
すなわち、火災発生現場から半径1km以上2km以内に設置されている屋外拡声装置310および戸別受信機320は、拡声器やスピーカ等を用いて、地域住民に火災発生に関する注意喚起を報知(音声出力)する。
【0060】
ここで、本実施形態では、火災発生現場から同心円上に設置されている子局設備300を抽出したが、所定の線分A−Bから等距離に設置されている子局設備300を抽出することもできる。例えば、海岸線に沿って線分A−Bを設定し、該線分A−Bから陸側1km以内に設置されている子局設備300を抽出して津波警報を出力させたり、川に沿って線分A−Bを設定し、該線分A−Bの両側500m以内に設置されている子局設備300を抽出して避難指示を出力させたりすることもできる。
【符号の説明】
【0061】
10 同報無線システム
20 親局設備
21 記憶手段
22 設定手段
23 抽出手段
24 送信手段
30 子局設備
100 同報無線システム
200 親局設備
210 操作卓
211 表示部
212 操作部
213 記憶部
214 制御部
220 無線送受信装置
300 子局設備
301 子局名称
302 子局ID
303 位置情報
310 屋外拡声装置
320 戸別受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の子局設備ごとに識別情報および位置情報を保持する記憶手段と、
ユーザから基準位置および距離条件が入力された場合、前記入力した基準位置に対して前記距離条件を満足する指定エリアを設定して出力する設定手段と、
前記設定された指定エリアを受け取った場合、前記記憶手段を参照して、前記指定エリア内に位置情報が含まれる前記子局設備に紐付けされている識別情報を抽出して出力する抽出手段と、
前記出力された識別情報を無線送信する送信手段と、
を備える親局設備。
【請求項2】
前記設定手段は、前記基準位置を原点とし、前記距離条件を半径とする領域を、前記指定エリアとして設定する、請求項1記載の親局設備。
【請求項3】
前記設定手段は、前記基準位置を基準線とし、該基準線から前記距離条件だけ離れた領域を、前記指定エリアとして設定する、請求項1記載の親局設備。
【請求項4】
前記送信手段は、ユーザから報知情報が入力された場合、入力された報知情報を外部へ無線送信する、請求項1乃至3のいずれか1項記載の親局設備。
【請求項5】
前記報知情報は防災情報である、請求項4記載の親局設備。
【請求項6】
前記位置情報は、前記子局設備が設置されている場所の緯度・経度である、請求項1乃至5のいずれか1項記載の親局設備。
【請求項7】
ユーザから基準位置および距離条件が入力された場合、指定エリアを設定し、設定した指定エリア内に設置されている子局設備の識別情報を抽出し、抽出した識別情報を外部へ無線送信する請求項1乃至5のいずれか1項記載の親局設備と、
前記識別情報を受信した場合、報知が可能な状態に移行する子局設備と、
を備える同報無線システム。
【請求項8】
前記親局設備は、ユーザから報知情報が入力された場合、入力された報知情報を外部へ無線送信し、
前記子局設備は、報知が可能な状態に移行した後に前記報知情報を受信した場合、該受信した報知情報を報知する、
請求項7記載の同報無線システム。
【請求項9】
前記子局設備は、屋外拡声装置または戸別受信機である、請求項7または8に記載の同報無線システム。
【請求項10】
複数の子局設備ごとに識別情報および位置情報を保持した親局設備を用いた同報無線通信方法であって、
ユーザから前記基準位置および距離条件が入力された場合、
前記入力した基準位置に対して前記距離条件を満足する指定エリアを設定し、
前記設定した指定エリア内に位置情報が含まれる前記子局設備を抽出し、
前記抽出した子局設備に紐付けされている前記識別情報を出力し、
前記出力された識別情報を送信する、
同報無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−38567(P2013−38567A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172519(P2011−172519)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】