説明

親水性脂肪族ポリウレタンフォーム

本発明は、特定の低モノマープレポリマーおよび親水性ポリイソシアネートの水の存在下での反応により得られる親水性脂肪族ポリウレタンフォームに関する。その吸収性特性により、ポリウレタンフォームは、創傷包帯、化粧品または失禁用製品の製造に特に適当である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の低モノマープレポリマーおよび親水性ポリイソシアネートの水の存在下での反応により得られる親水性脂肪族ポリウレタンフォームに関する。その吸収性特性に起因して、ポリウレタンフォームは、創傷包帯、化粧品または失禁用製品の製造に特に有利である。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第949285号は、ポリイソシアネートと、第1級アミン、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールとの反応を記載する。この反応では、イソシアネート活性物質の大部分が変換されず、親水性フォームから実質的に抽出される可能性が排除されない。
【0003】
英国特許第1571730号は、高蒸気圧ジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)およびビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(HMDI)等とポリオールとの反応を記載する。ここでも、未変換成分が取り残される。さらに、非誘導遊離ジイソシアネートを用いることは、職業衛生学の観点から問題である。同様に、国際公開第2004013215号は、揮発性ジイソシアネートを用いる。
【0004】
国際公開第2003/097727号、米国特許第5065752号および米国特許第5064653号は、プレポリマーの、アクリルアミド−アクリル酸コポリマーの存在下でのフォーム形成性反応を記載する。この生成物は、化学的に結合せず、完全に抽出性であるが、これは望ましくない。
【0005】
米国特許第3903232号および米国特許第388941号では、プレポリマーは、ポリエーテルと反応させる。ここでも、未結合ポリオールが製造される虞がある。同様に、米国特許第5296518号は、3つの異なったポリオールを用いるプレポリマーとポリエーテルとの反応を記載するが、この方法の経済性は疑わしい。さらに、ここに記載の方法は、混合物中に低分子量イソシアネートが残らないことを確保することができないが、これは望ましくない。プレポリマーの製造は、通常、不経済に長い反応時間を必要とする。
【0006】
出願番号08012372.2の未だ未公開の欧州特許出願は、低モノマープレポリマーに基づく親水性脂肪族ポリウレタンフォームを記載する。しかしながら、得られるフォームの親水性は制限される。EP08012372.2は、更なる親水性ポリイソシアネートを含有する任意のポリウレタンフォームを開示しない。
【0007】
既知のポリウレタンフォームは、親水性流体について不適切な吸収能力を有するか、または細胞適合性について問題を有すると分類される必要がある抽出性物質を含有するかのいずれかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第949285号明細書
【特許文献2】英国特許第1571730号明細書
【特許文献3】国際公開第2004013215号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2003/097727号パンフレット
【特許文献5】米国特許第5065752号明細書
【特許文献6】米国特許第5064653号明細書
【特許文献7】米国特許第3903232号明細書
【特許文献8】米国特許第388941号明細書
【特許文献9】米国特許第5296518号明細書
【特許文献10】欧州特許出願第08012372.2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、極めて少量の抽出性成分を含み、細胞適合性であり、多量の親水性流体、例えば生理食塩水または創傷液等を速やかに吸収することが可能であり、および変形可能であり、例えば創傷の形状へ最適に適合することができるポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、本発明に従えば、
A)A1)140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートと、
A2)22.5〜112mgKOH/gのOH価および存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する2〜6官能性、好ましくは3〜6官能性ポリアルキレンオキシド
との反応により得られる、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートの重量分率がプレポリマーを基準に1.0重量%未満であるイソシアネート官能性プレポリマー、
B)必要に応じて、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートのヘテロ環式4環または6環オリゴマー、
C)水、
D)必要に応じて触媒、
E)必要に応じて、C〜C22モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩、またはC12〜C44ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩、
F)必要に応じて界面活性剤、および
G)必要に応じて一価または多価アルコール、
H)H1)140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートおよび/またはそれから得られる2〜6のイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートと、
H2)10〜250のOH価および存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する単官能性ポリアルキレンオキシド
との反応により得られる親水性ポリイソシアネート
を含む組成物を供給し、発泡しおよび硬化する、親水性脂肪族ポリウレタンフォームの製造方法により達成される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
用いるプレポリマーA)は、好ましくは、プレポリマーを基準に0.5重量%未満の残存モノマー含有量を有する。この含有量は、ジイソシアネートA1)およびポリアルキレンオキシドA2)の適切に選択される使用量により得られる。しかしながら、過剰にジイソシアネートA1)を用い、次いで好ましくは蒸留により、未変換モノマーを除去することが好ましい。
【0012】
イソシアネート官能性プレポリマーA)は、典型的には、ポリアルキレンオキシドA2)と低分子量脂肪族ジイソシアネートA1)の比を、ポリアルキレンオキシドA2)のOH基の1モル当たり2〜20モル、好ましくは2〜10モル、より好ましくは5〜10モルの低分子量脂肪族ジイソシアネートA1)のNCO基となるように調節することにより製造する。
【0013】
反応は、ウレタン化触媒、例えば錫化合物、亜鉛化合物、アミン、グアニジンまたはアミジン等の存在下で、またはアロファネート化触媒、例えば亜鉛化合物等の存在下で行うことができる。
【0014】
反応温度は、典型的には25〜140℃の範囲、好ましくは60〜100℃の範囲である。
【0015】
過剰のイソシアネートを用いる場合には、好ましくは、過剰の低分子量脂肪族ジイソシアネートを薄膜蒸留により続いて除去する。
【0016】
反応前、反応の間、反応後または過剰ジイソシアネートの蒸留除去前、蒸留除去の間および蒸留除去後に、酸性またはアルキル化安定剤、例えば塩化ベンゾイル、塩化イソフタロイル、トシル酸メチル、クロロプロピオン酸、HClまたは抗酸化剤、例えばジ−tert−ブチルクレゾールまたはトコフェロール等を添加することができる。
【0017】
イソシアネート官能性プレポリマーA)のNCO含有量は、好ましくは1.5重量%〜4.5重量%の範囲、より好ましくは1.5重量%〜3.5重量%の範囲およびさらに好ましくは1.5重量%〜3.0重量%の範囲である。
【0018】
成分A1)の低分子量脂肪族ジイソシアネートの例は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ブチレンジイソシアネート(BDI)、ビスイソシアナトシクロヘキシルメタン(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ビスイソシアナトメチルトリシクロデカン、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートまたはジイソシアナトデカンであり、これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ブチレンジイソシアネート(BDI)およびビスイソシアナトシクロヘキシルメタン(HMDI)が好ましい。BDI、HDI、IPDIは特に好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートは、極めて特に好ましい。
【0019】
成分A2)のポリアルキレンオキシドは、存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%、好ましくは60〜85モル%のエチレンオキシド含有量を有するエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマーであり、ポリオールまたはアミンより開始される。この種の適当なスターターは、グリセロール、トリメチロールプロパン(TMP)、ソルビトール、ペンタエリトリトール、トリエタノールアミン、アンモニアまたはエチレンジアミンである。
【0020】
成分A2)のポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、典型的には1000〜15000g/モルの範囲、好ましくは3000〜8500g/モルの範囲である。
【0021】
更に、成分A2)のポリアルキレンオキシドは、2〜6、好ましくは3〜6、より好ましくは3〜4のOH官能価を有する。
【0022】
成分B)の任意化合物は、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートのヘテロ環式4環または6環オリゴマー、例えば上記低分子量脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート、イミノオキサジアジンジオンまたはウレットジオン等である。ウレットジオンのようなヘテロ環式4環オリゴマーが好ましい。
【0023】
成分B)の使用により増加したイソシアネート基含有量は、より多くのCOがイソシアネート水反応中に形成されるので、良好な発泡性を供する。
【0024】
成分C)として用いる水は、水自体、塩の結晶化の水として、両性非プロトン性溶媒における溶液として、またはエマルションとして用いることができる。好ましくは、水を、水自体または両性非プロトン性溶媒中において用いる。水自体を用いることが極めて特に好ましい。
【0025】
ウレタン形成を加速するために、成分D)は、触媒を用い得る。当該触媒は、当業者にポリウレタン技術からよく知られている典型的な化合物である。本発明では、好ましくは、触媒活性金属、アミン、アミジンおよびグアニジンからなる群からの化合物である。特定の例は、ジブチル錫ジラウレート(DBTL)、酢酸錫、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[3.3.0]ウンデセン−7(DBO)、N−エチルモルホリン(NEM)、トリエチレンジアミン(DABCO)、ペンタメチレングアニジン(PMG)、テトラメチルグアニジン(TMG)、シクロテトラメチルグアニジン(TMGC)、n−デシルテトラメチルグアニジン(TMGD)、n−ドデシルテトラメチルグアニジン(TMGDO)、ジメチルアミノエチルテトラメチルグアニジン(TMGN)、1,1,4,4,5,5−ヘキサメチルイソビグアニジン(HMIB)、フェニルテトラメチルグアニジン(TMGP)およびヘキサメチレンオクタメチルビグアニジン(HOBG)である。
【0026】
好ましいのは、アミン、アミジン、グアニジンまたはこれらの混合物の、成分D)の触媒としての使用である。好ましいのは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)の使用である。
【0027】
本発明の特に好ましい実施態様では、触媒を完全に分配する。
【0028】
成分E)は、必要に応じて、C〜C22モノカルボキシレートまたはその遊離カルボン酸またはC12〜C44ジカルボキシレートまたはその遊離ジカルボン酸のアンモニウムおよびアルカリ金属塩、好ましくはC〜C22モノカルボキシレートまたはC12〜C44ジカルボキシレートのカリウムまたはナトリウム塩、より好ましくはC〜C22モノカルボキシレートのナトリウム塩を用い得る。
【0029】
成分E)の適当な化合物の例は、エチルヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オクタデカン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカトリエン酸、イソステアリン酸、エルカ酸、アビエチン酸およびこれらの水素化生成物の、アンモニウム、ナトリウム、リチウムまたはカリウム塩である。C12〜C44ジカルボン酸とこれから誘導されるアンモニウムおよびアルカリ金属塩の例は、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、C36およびC44ダイマー脂肪酸およびこれらの水素化生成物、およびこれらのジカルボン酸の対応するアンモニウム、ナトリウム、リチウムまたはカリウム塩である。
【0030】
成分F)の化合物を用いて、フォーム形成、フォーム安定性または得られるポリウレタンフォームの特性を改良することができるが、この場合、このような添加剤は、原則として任意の既知のアニオン性、カチオン性、両性および非イオン性界面活性剤ならびにこれらの混合物であってよい。好ましいのは、アルキルポリグリコシド、EO−POブロックコポリマー、アルキルまたはアリールアルコキシレート、シロキサンアルコキシレート、スルホコハク酸のエステルおよび/またはアルカリまたはアルカリ土類金属アルカノエートを用いることである。特に好ましいのは、EO−POブロックコポリマーを用いることである。好ましくは、EO−POブロックコポリマーのみを成分F)として用いる。
【0031】
さらに、成分G)の化合物を用いて、得られるポリウレタンフォームのフォーム特性を改良することができる。これらの化合物は、原則として、それ自体が当業者に既知の任意の一価アルコールおよび多価アルコールおよびこれらの混合物を含む。これらは、一価または多価アルコールまたはポリオール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、デカノール、トリデカノール、ヘキサデカノール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、単官能性のポリエーテルアルコールおよびポリエステルアルコール、ポリエーテルジオールおよびポリエステルジオール等である。
【0032】
親水性ポリイソシアネートH)は、典型的には、単官能性ポリアルキレンオキシドH2)と低分子量脂肪族ジイソシアネートH1)との比を、単官能性ポリアルキレンオキシドのOH基の1モル当たり1.25〜15モル、好ましくは2〜10モル、より好ましくは2〜6モルの低分子量脂肪族ジイソシアネートH1)のNCO基となるように調節することにより製造する。次いで、アロファネート化/ビウレット化および/またはイソシアヌレート形成/ウレットジオン形成を行う。ポリアルキレンオキシドH2)を、ウレタン基により脂肪族ジイソシアネートH1)へ結合させる場合には、続いて行うアロファネート化が好ましい。イソシアヌレート構造単位が形成されることが更に好ましい。
【0033】
親水性ポリイソシアネートH)を製造する別法は、典型的には、単官能性ポリアルキレンオキシドH2)のOH基の1モルと低分子量脂肪族ジイソシアネートH1)との比を、単官能性ポリアルキレンオキシドのOH基の1モルと、2〜6のイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートH1)のNCO基の1.25〜15モル、好ましくは2〜10モル、より好ましくは2〜6モルとを反応させることを含む。このようなポリイソシアネートH1)の例は、ビウレット構造、脂肪族ジイソシアネートに基づくイソシアヌレート/ウレットジオンである。ポリイソシアネートH1)とポリアルキレンオキシドH2)とを、好ましくはウレタン基またはウレア基により結合するが、とりわけ、ウレタン基による結合が好ましい。
【0034】
反応は、ウレタン化触媒、例えば錫化合物、亜鉛化合物、アミン、グアニジンまたはアミジンの存在下、またはアロファネート化触媒、例えば亜鉛化合物の存在下で行うことができる。
【0035】
反応温度は、典型的には25〜140℃の範囲、好ましくは60〜100℃の範囲である。
【0036】
過剰の低分子量ジイソシアネートを用いる場合には、続いて、過剰の低分子量脂肪族ジイソシアネートを、好ましくは薄膜蒸留により除去する。
【0037】
反応前、反応中および反応後または過剰のジイソシアネートの蒸留除去前、蒸留除去中および蒸留除去後に、酸性またはアルキル化安定剤、例えば塩化ベンゾイル、塩化イソフタロイル、トシル酸メチル、クロロプロピオン酸、HClまたは抗酸化剤、例えばジ−tert−ブチルクレゾールまたはトコフェロール等を添加することができる。
【0038】
親水性ポリイソシアネートH)のNCO含有量は、好ましくは0.3重量%〜20重量%の範囲、より好ましくは2重量%〜10重量%の範囲、さらに好ましくは3重量%〜6重量%の範囲である。
【0039】
成分H1)の低分子量脂肪族ジイソシアネートの例は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ブチレンジイソシアネート(BDI)、ビスイソシアナトシクロヘキシルメタン(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ビスイソシアナトメチルトリシクロデカン、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートまたはジイソシアナトドデカンであり、これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ブチレンジイソシアネート(BDI)およびビス(イソシアナトシクロへキシル)メタン(HMDI)が好ましい。BDI、HDIおよびIPDIが更に好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートが極めて好ましい。
【0040】
比較的高分子量のポリイソシアネートH2)の例は、前節に記載の脂肪族および/または脂環式ジイソシアネートに基づくイソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジントリオン、オキサジアジントリオンおよび/またはウレットジオン基を有する2〜6のイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートである。
【0041】
成分H2)として用いるのに好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくビウレット、イミノオキサジアジントリオン、イソシアヌレートおよび/またはウレットジオン基を有する比較的高い分子量の化合物である。
【0042】
単官能性ポリアルキレンオキシドH2)は、15〜250、好ましくは28〜112のOH価、および存在するオキシアルキレン基の全量を基準として50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する。
【0043】
本発明のための単官能性ポリアルキレンオキシドは、単に1個のイソシアネート反応性基、すなわちNCO基と反応することができる基を有する化合物である。
【0044】
ポリアルキレンオキシドH2)を、適当なスターター分子をアルコキシル化することにより製造することは、文献から知られている(例えばUllmanns Encyclopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、Verlag Chemie、ワインハイム、第31〜38頁)。適当なスターター分子は、特に飽和モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよび芳香族アルコール、例えばフェノールまたはモノアミン、例えばジエチルアミン等である。好ましいスターター分子は、上記種類の飽和モノアルコールである。スターター分子としてジエチレングリコールモノブチルエーテルまたはn−ブタノールを用いることは特に好ましい。
【0045】
単官能性ポリアルキレンオキシドH2)の数平均分子量は、典型的には220〜3700g/モルの範囲、好ましくは500〜2800g/モルの範囲である。
【0046】
単官能性ポリアルキレンオキシドH2)は、好ましくはイソシアネート反応性基としてOH基を有する。
【0047】
成分A)〜H)は、典型的には以下の量で用いる:
100重量部のイソシアネート官能性プレポリマーA)、
0〜30重量部のヘテロ環式オリゴマーB)、
0.1〜200重量部の水C)、
0〜1重量部の触媒D)、
0〜5重量部のC〜C12−モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩またはC12〜C44−ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩E)
0〜10重量部の界面活性剤F)、
0〜20重量部のアルコールG)、
5〜250重量部の親水性ポリイソシアネート成分H)
【0048】
成分A)〜H)は、好ましくは以下の量で用いる:
100重量部のイソシアネート官能性プレポリマーA)、
1〜30重量部のヘテロ環式オリゴマーB)、
0.1〜100重量部の水C)、
0〜1重量部の触媒D)、
0.01〜5重量部のC〜C12−モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩またはC12〜C44−ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩E)
0〜5重量部の界面活性剤F)、
0〜10重量部のアルコールG)、
10〜100重量部の親水性ポリイソシアネート成分H)
【0049】
成分A)〜H)は、より好ましくは以下の量で用いる:
100重量部のイソシアネート官能性プレポリマーA)、
5〜15重量部のヘテロ環式オリゴマーB)、
1〜60重量部の水C)、
0〜0.5重量部の触媒D)、
0.1〜1重量部のC〜C12−モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩またはC12〜C44−ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩E)
0重量部の界面活性剤F)、
0重量部のアルコールG)、
20〜80重量部の親水性ポリイソシアネート成分H)
【0050】
本発明による親水性脂肪族ポリウレタンフォームは、成分A)、C)、H)、および必要に応じてB)、D)、E)、F)、G)を任意の順序で混合し、混合物を発泡させ、好ましくは化学架橋により硬化させることにより製造する。成分A)、B)およびH)は、好ましくは互いに予備混合する。必要に応じて用いるカルボキシレートE)、および用いるのであれば、界面活性剤(F)は、水溶液の形態で反応混合物に好ましく添加する。
【0051】
原則として、イソシアネート基と水との反応の過程で形成される二酸化炭素により発泡を行うことができるが、さらに発泡剤を用いることもできる。したがって、原則として、炭化水素、例えばC〜Cアルカン(例えば、ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサンなど)、またはハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、クロロジフルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジクロロ−2−フルオロエタン)、特に、塩素を含まないハイドロフルオロカーボン(例えば、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、テトラフルオロエタン(R134またはR134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R256)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(R365mfc)、ヘプタフルオロプロパン)または六フッ化硫黄のクラスからの発泡剤を用いることもできる。これらの発泡剤の混合物を使用することもできる。
【0052】
引き続きの硬化は、典型的には室温にて行う。
【0053】
本発明は、本発明による組成物および該組成物から得られる親水性脂肪族ポリウレタンフォームを更に提供する。
【0054】
さらに、本発明は、本発明の方法により製造されるポリウレタンフォーム、および親水性脂肪族ポリウレタンフォームの、創傷包帯、化粧品または失禁用製品の構成物質としての使用も提供する。
【0055】
ポリウレタンフォームは、多孔質の、少なくとも部分的に連続気泡を有する連続気泡構造を有する。ポリウレタンフォームの密度は、典型的には0.01〜0.5g/cm3の範囲である(DIN53420に従って決定)。
【0056】
ポリウレタンフォームの生理食塩水吸収は、典型的には、5mm厚フォームの場合に100cm当たり25〜150gである(DINEN13726−1Part3.2に従って決定)。
【0057】
他の親水性フォームと比較して、本発明によるポリウレタンフォームは、超吸収性ポリマーを用いなくても、極めて高い生理食塩水吸収度を供する。しかしながら、超吸収剤は、本発明によるポリウレタンフォームと共に組み込むことも当然可能である。
【0058】
ポリウレタンフォームは、良好な機械的強度と高い弾力性を有する。引っ張り強さは、典型的には、40kPaより大きく、破断伸びは30%より大きく、反発弾性は60%より大きい(DIN53504、DIN53455、DIN EN ISO3386−1に従って決定)。
【0059】
これらを製造した後、ポリウレタンフォームは、従来法によりシート状物質とし、次いで、例えば創傷包帯、化粧品または失禁用製品の構成物質として用いることができる。この目的のために、通常、スラブフォームを、一般的な方法により所望の厚みに切断し、これにより、典型的には10μm〜5cm、好ましくは0.1mm〜1cm、より好ましくは0.1mm〜6mm、さらに好ましくは0.2mm〜6mmの厚みを有するシート状物質を得る。
【0060】
しかしながら、記載されたシート状物質は、適当な成型技術により、本発明の組成物を基材(例えば、任意に前処理をした紙または布)上へ塗布し、発泡させることにより、直接得ることもできる。
【0061】
好ましい変法では、この目的のために、未だ未公開の欧州出願番号09009202.4に記載されている通り、出発物質の混合物を基材へブレード被覆により塗布し、ブレード被覆の直後に発泡を行う。ブレードコーターのギャップ高さは、通常0.2〜20mmの範囲、好ましくは0.5〜5の範囲、より好ましくは0.8〜2mmの範囲である。用いるべきブレードコーターのフィルム幅は、特定の使用の目的に合わせることができる。その例は、10および5000mmの間、好ましくは20および2000mmの間である。
【0062】
ポリウレタンフォームは、2重量%以下、好ましくは1重量%以下のほんの僅かな水抽出性画分を含有し、言い換えれば、ポリウレタンフォームは、化学結合していない成分を極めて少量だけ含有する。
【0063】
ポリウレタンフォームは、さらなる物質、例えばハイドロゲルに基づく物質、(半)透湿性フィルム、発泡フィルム、被覆物、ハイドロコロイドまたは他のフォームで接着、ラミネート加工またはコートし得る。
【0064】
本発明によるポリウレタンフォームは、創傷包帯の製造に特に有用である。これらの包帯剤では、ポリウレタンフォームは、創傷と直接または間接的に接触させることができる。しかしながら、好ましくは、ポリウレタンフォームは、例えば創傷液の最適な吸収が確保され得るため、創傷との直接接触により使用する。ポリウレタンフォームは、細胞毒性を示さない(ISO10993−5およびISO10993−12に従って決定)。
【0065】
創傷包帯として用いるポリウレタンフォームは、更なる操作により付加的に殺菌する必要がある。殺菌は、それ自体が当業者に既知の方法を用いて行い、殺菌は、熱処理、化学物質(例えばエチレンオキシド)または照射(例えばガンマ線照射により)によって行う。ここで、照射は、適切な場合には、保護ガス雰囲気下で行い得る。本発明によるポリウレタンフォームは、照射により、特にガンマ線照射により変色しないという多大な利点を有する。
【0066】
同様に、例えば創傷治癒および細菌汚染の回避に関して好ましい作用を有する抗菌性または生物活性のある成分を添加し、組み込み、または被覆することも可能である。
【実施例】
【0067】
特記のない限り、全てのパーセンテージは、重量による。固形分は、DIN−ENISO3251に従って決定した。粘度は、23℃にてDIN53019により決定した。NCO含有量は、DIN−ENISO11909に従って容量分析により決定した。
【0068】
用いたブレードコーターは、200mmのフィルム幅および0〜3mmの調節可能なギャップ高さを有するZehntner ZUA 2000汎用塗布器(Zehntner GmbH、ジサッハ、スイスから)であった。
【0069】
用いた物質および略称:
Desmodur(登録商標) N 3400:脂肪族ポリイソシアネート(HDIウレットジオン)、NCO含有量21.8%、Bayer MaterialScience AG、レーバークーゼン、ドイツ
Desmodur(登録商標) N 3300:脂肪族ポリイソシアネート(HDIイソシアヌレート)、NCO含有量21.8%、Bayer MaterialScience AG、レーバークーゼン、ドイツ
【0070】
実施例1:ポリウレタンプレポリマー1の製造(構成成分A)
1000gのHDIおよび1gの塩化ベンゾイルの混合物を、4680g/モルのモル質量を有し、グリセロールより開始され、72%のエチレンオキシド重量分率、28%のプロピレンオキシド重量分率、100℃にて6時間、0.1ミリバールの圧力にて予め乾燥させたポリアルキレンオキシド1000gと、滴下添加により80℃にて3時間混合し、次いで12時間攪拌した。過剰のHDIを、130℃および0.1ミリバールにて薄膜蒸留により除去し、不揮発性成分を1gのクロロプロピオン酸で安定化した。2.77%のNCO含有量および3500mPasの粘度を有するプレポリマーが得られた。
【0071】
実施例2:ポリウレタンプレポリマー2の製造(構成成分A)
200gのHDIおよび1gの塩化ベンゾイルの混合物を、5800g/モルのモル質量を有し、グリセロールより開始され、80%のエチレンオキシド含有量、20%のプロピレンオキシド含有量、および100℃にて6時間、0.1ミリバールの圧力にて予め乾燥させたポリアルキレンオキシド400gと、滴下添加により、80℃にて2時間混合し、次いで12時間攪拌した。過剰のHDIを、130℃および0.1ミリバールにて薄膜蒸留により除去した。2.31%のNCO含有量および6070mPasの粘度を有するプレポリマーが得られた。
【0072】
実施例3:ポリウレタンプレポリマー3の製造(構成成分A)
1440gのHDIおよび4gの塩化ベンゾイルの混合物を、4680g/モルのモル質量を有し、グリセロールより開始され、72%のエチレンオキシド重量分率、28%のプロピレンオキシド重量分率、および100℃にて6時間、0.1ミリバールの圧力にて予め乾燥させたポリアルキレンオキシド2880gと、滴下添加により、80℃にて2時間混合し、次いで1時間攪拌した。過剰のHDIを、130℃および0.1ミリバールにて薄膜蒸留により除去した。2.11%のNCO含有量および3780mPasの粘度を有するプレポリマーが得られた。
【0073】
実施例4:ポリウレタンプレポリマー4の製造(構成成分A)
200gのHDI、1gの塩化ベンゾイルおよび1gのトシル酸メチルの混合物を、5800g/モルのモル質量を有し、グリセロールにより開始され、80%のエチレンオキシド含有量、20%のプロピレンオキシド含有量、および100℃にて6時間、0.1ミリバールの圧力にて予め乾燥させたポリアルキレンオキシド400gと、滴下添加により、80℃にて2時間混合し、次いで12時間攪拌した。過剰のIPDIを、130℃および0.1ミリバールにて薄膜蒸留により除去した。2.36%のNCO含有量および8800mPasの粘度を有するプレポリマーが得られた。
【0074】
実施例5:親水性ポリイソシアネートの製造(構成成分H)
282.5gのDesmodur N 3300および843.8gのエチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づくヒドロキシル単官能性ポリエーテル(存在するオキシアルキレン基の全量を基準に80モルのエチレンオキシド含有量、数平均分子量2250g/モル(OH価25mgKOH/g)を有する)の混合物を、ガラス製装置中で80℃にて、滴定により決定するNCO基含有量が一定になるまで撹拌した。4.04%のNCO含有量および3330mPasの粘度を有する液体が得られた。
【0075】
実施例6:親水性ポリイソシアネートの製造(構成成分H)
780.0gのDesmodur N 3300および500.0gのエチレンオキシドに基づくヒドロキシル単官能性ポリエーテル(数平均分子量500g/モル(OH価112mgKOH/g))の混合物を、ガラス製装置中で80℃にて、滴定により決定したNCO基含有量が一定になるまで撹拌した。9.79%のNCO含有量および2510mPasの粘度を有する液体が得られた。
【0076】
実施例7:親水性ポリイソシアネートの製造(構成成分H)
214.5gのDesmodur N 3300および990.0gのエチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づくヒドロキシル単官能性ポリエーテル(存在するオキシアルキレン基の全量を基準に80モルのエチレンオキシド含有量、数平均分子量2250g/モル(OH価25mgKOH/g)を有する)の混合物を、ガラス製装置中で80℃にて、滴定により決定したNCO基含有量が一定になるまで撹拌した。2.39%のNCO含有量を有する液体が得られた。
【0077】
実施例8:親水性ポリイソシアネートの製造(構成成分H)
84.71gのDesmodur N 3300および781.9gのエチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づくヒドロキシル単官能性ポリエーテル(存在するオキシアルキレン基の全量を基準に80モルのエチレンオキシド含有量、数平均分子量2250g/モル(OH価25mgKOH/g)を有する)の混合物を、ガラス製装置中で80℃にて、滴定により決定したNCO基含有量が一定になるまで撹拌した。0.29%のNCO含有量を有する液体が得られた。
【0078】
発泡物質の製造
2種類のイソシアネート成分を、15秒間、1200rpmの攪拌速度で均質化し、次いで、更なる成分を計量投入し、撹拌を更に10秒継続し、該混合物を、シリコーン剥離紙へブレードコーター(ギャップ高さ1.5mm)を用いて塗布した。オリゴマーは、用いる場合には、いずれの場合にもDesmodur(登録商標) N 3400であり、カルボキシレートとしては、水中でのオレイン酸ナトリウムの5%溶液であった。添加した追加の水は別にして報告する。
【0079】
【表1】

【0080】
本発明による実施例2〜9は、極めて均質で微細な多孔質構造および心地の良い柔軟な感触を有するフォームであった。
【0081】
これらの実施例および比較例が示す通り、本発明における成分H)は、記載のフォーム製造において極めて重要な添加物を構成し、この成分を用いない場合には極めて高い水吸収は得られない。これは、成分A)が親水性ポリエーテルを極めて高い割合で既に含有するので意外である。成分H)の構成成分の添加により改良が生じることは予期し得ないことであった。本発明によるフォームの有利な感触評価も予期し得なかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性脂肪族ポリウレタンフォームの製造方法であって、
A)A1)140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートと、
A2)22.5〜112mgKOH/gのOH価および存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する2〜6官能性ポリアルキレンオキシド
との反応により得られる、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートの重量分率がプレポリマーを基準に1.0重量%未満であるイソシアネート官能性プレポリマー、
B)必要に応じて、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートのヘテロ環式4環または6環オリゴマー、
C)水、
D)必要に応じて触媒、
E)必要に応じて、C〜C22モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩、またはC12〜C44ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩、
F)必要に応じて界面活性剤、および
G)必要に応じて一価または多価アルコール、
H)H1)140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートおよび/またはこれから得られる2〜6のイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートと、
H2)10〜250のOH価および存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する単官能性ポリアルキレンオキシド
との反応により得られる親水性ポリイソシアネート
を含む組成物を供給し、発泡しおよび硬化する、方法。
【請求項2】
単官能性ポリアルキレンオキシドH2)は、20〜112のOH価を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
単官能性ポリアルキレンオキシドH2)は、存在するオキシアルキレン基の全量を基準として60〜90モル%のエチレンオキシド含有量を有することを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
イソシアネート官能性プレポリマーA)のNCO含有量は、1.5重量%〜3.0重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
A1)は、専らヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)またはこれらの混合物を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ポリアルキレンオキシドA2)は、存在するオキシアルキレン基の全量を基準として60〜85モル%のエチレンオキシド含有量を有するエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマーを含み、およびポリオールまたはアミンより開始されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
成分A2)のポリアルキレンオキシドは、3000〜8500g/モルの数平均分子量を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
A2)のポリアルキレンオキシドは、3〜4のOH官能価を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ヘテロ環式4環オリゴマーを、成分B)に用いることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
金属塩、アミン、アミジンおよびグアニジンを、成分D)の触媒として用いることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
成分A)〜H)を、以下の量:
100重量部のイソシアネート官能性プレポリマーA)、
0〜30重量部のヘテロ環式オリゴマーB)、
0.1〜200重量部の水C)、
0〜1重量部の触媒D)、
0〜5重量部のC〜C12−モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩またはC12〜C44−ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩E)
0〜10重量部の界面活性剤F)、
0〜20重量部のアルコールG)、
5〜250重量部の親水性ポリイソシアネート成分H)
で用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
A)A1)140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートと、
A2)22.5〜112mgKOH/gのOH価および存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する2〜6官能性ポリアルキレンオキシド
との反応により得られる、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートの重量分率がプレポリマーを基準に1.0重量%未満であるイソシアネート官能性プレポリマー、
B)必要に応じて、140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートのヘテロ環式4環または6環オリゴマー、
C)水、
D)必要に応じて触媒、
E)必要に応じて、C〜C22モノカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩、またはC12〜C44ジカルボン酸またはそのアンモニウムまたはアルカリ金属塩、
F)必要に応じて界面活性剤、および
G)必要に応じて一価または多価アルコール、
H)H1)140〜278g/モルのモル質量を有する低分子量脂肪族ジイソシアネートおよび/またはそれから得られる2〜6のイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートと、
H2)10〜250のOH価および存在するオキシアルキレン基の全量を基準に50〜100モル%のエチレンオキシド含有量を有する単官能性ポリアルキレンオキシド
との反応により得られる親水性ポリイソシアネート
を含む組成物。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれかに記載の方法に従って、または請求項12に記載の組成物から得られるポリウレタンフォーム。
【請求項14】
請求項13に記載のポリウレタンフォームを用いて得られる創傷包帯、化粧品または失禁用製品。

【公表番号】特表2013−503222(P2013−503222A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526060(P2012−526060)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062477
【国際公開番号】WO2011/023762
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】