説明

角筒状包装用紙箱

【課題】 外観上の興趣性に富みかつ使用材料の削減を図ると共に、機械的生産にも適した角筒状包装用紙箱を提供する
【解決手段】 4つの周側壁1,2,3,4が互いに直角に交わる横断面方形の紙箱を基準形態とする角筒状包装用箱であって、第1周側壁1と第2周側壁2とは第1連結斜状壁11を介して連結されている。第4周側壁4と第3周側壁3とは、第2連結斜状壁12を介して連結されている。各連結斜状壁11、12は、周側壁1,2,3,4より狭幅に設定されている。各連結斜状壁11、12の上縁に折目45、50を介して第1〜第2補助フラップ14、15が連設されている。第2補助フラップ15は、紙箱の組立状態の下で、側縁が第3周側壁3の内面に当接する形状に形成されている。第1〜第2補助フラップ11,12は、第1内フラップ又は13の端部から山折目53、55を介して連設された連結片19、18に谷折目54、56を介して連設されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、角筒状包装用紙箱、とくに横断面円形あるいは楕円形の被包装物を収容するのに好適な角筒状包装用紙箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横断面真円形あるいは楕円形の被包装物を収容する包装用紙箱として、横断面正方形あるいは横断面長方形に形成された角筒状包装用紙箱が用いられている。
【0003】
このような横断面正方形あるいは横断面長方形の角筒状紙箱は、被包装物を包装するまでは、所要箇所を貼着して扁平折り畳み状態としておき、被包装物の包装時に扁平折り畳み状態から所期する角筒状に組み立てて使用されるものである。
【0004】
而して、このような角筒状包装用紙箱は、底抜けを防止し、組立作業の迅速性に応えるために、底部にいわゆるボトムロック形式が採用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ボトムロック形式とは、一対の対向する周側壁に設けられた底部構成片が、隣接する周側壁に設けられた底部構成片に予め連結片を介して接合されており、使用に供するまでの扁平折り畳み状態においては、一対の対向する底部構成片とその各々に接合された底部構成片とがその外面どうしを重なるように折り畳まれ、扁平折り畳み状態から角筒状包装用紙箱を所期する形態に組み立てる際に、一つの底部構成片の一端が対向周側壁の底部構成片に接合された底部構成片の内側に入り込むように折り込まれて底部が面一となり、かつその面一状態を保持すべく、所要部位の切り込み部どうしが掛かりあうことによって、仮
のロック状態が得られるようになされた構造のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−176188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような角筒状包装用紙箱は、底抜けを防止すると共に、組立作業の迅速性に応え、機械的生産にも十分対応できるものであるが、外観上単純な直方体や立方体であることから、ユーザーに対する視覚的訴求力が乏しく、興趣性が乏しい。
【0008】
一方、断面正六角形や正八角形の角筒状包装用紙箱は、前記直方体や立方体に較べてその形状のみをもってユーザーの関心を惹きやすいが、ボトムロック形式を採用すると、増加した内フラップの折り込み箇所、接合箇所の増加に伴い、機械的生産が行い難くなってしまう。
【0009】
また、前記角筒状包装用紙箱に真円形あるいは楕円形の被包装物を収容すると紙箱のコーナー部は、実質的には無駄な空間でもあり、紙箱の使用材料を無駄に消費しているものでもある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたもので、外観上の興趣性に富みかつ使用材料の削減を図ると共に、機械的生産にも適した角筒状包装用紙箱を提供することを目的とする。
【0011】
而して、この発明に係る角筒状包装用紙箱は、下記[1]〜[5]の構成を有する。
【0012】
[1] 4つの周側壁が互いに直角に交わる横断面方形の紙箱を基準形態とする角筒状包装用紙箱であって、前記4つの周側壁が形成する一対の対角位の直角コーナー部をそのまま残し、残りの2つの対角位の直角コーナーに、隣接する前記周側壁どおしを面取り状に斜めにつないだ、前記周側壁より相対的に狭幅の連結斜状壁が設けられ、横断面形状が六角形に形成されていることを特徴とする角筒状包装用紙箱。
【0013】
[2] 1つの周側壁の上縁に折目を介して蓋片が連設され、一対の対向する周側壁の各々の上縁に折目を介して内フラップが連設されると共に、4つの周側壁の下縁に折目を介して底部構成片が連設され、これらの底部構成片の組み合わせにより展開及び折り畳み自在な底部が形成されてなる前項[1]に記載の角筒状包装用紙箱。
【0014】
[3] 前記底壁は、一対の対向する周側壁に設けられた底部構成片が、隣接する周側壁に設けられた底部構成片に連結片を介して接合されたボトムロック形式のものに構成されている前項[2]に記載の角筒状包装用紙箱。
【0015】
[4] 前記連結斜状壁の上縁に折目を介して補助フラップが連設され、該補助フラップは、組立状態の下で、補助フラップの側縁が隣接する内フラップを有しない周側壁の内面に当接する形状に形成されている前項[1]ないし前項[3]のいずれかに記載の角筒状包装用紙箱。
【0016】
[5] 前記補助フラップが、内フラップの端部から山折目を介して連設された連結片に谷折目を介して連設されている前項[4]に記載の角筒状包装用紙箱。
【発明の効果】
【0017】
[1]の発明にかかる角筒状包装用紙箱によれば、前記基準形態に準じた従来の通常の角筒状包装用紙箱に較べ、前記のような円形の被包装物に対する安全収容能力に何ら悪影響を及ぼすことなく、展開時における胴周の長さを前記斜状壁による周長短縮分だけ短縮することができる。したがって、使用材料の削減を図ることができ、ひいてはコストの削減、軽量化に貢献することができる。
【0018】
また、連結斜状壁を含む1つの周側面を正面側に配して陳列棚等に横並び状態に配列したような場合、正面側から看取可能な領域面積が、従来の単純な横断面方形の紙箱の1つのフラットな周側面のみが外観される場合に較べ、相対的に拡大されたものとなしうる。したがって、該面により多くの文字情報、絵柄を付することができると共に、斜め前方からの視線に対して前記斜状壁部分が正対して顕示性を高めるので、訴求力の向上効果も期待しうる。
【0019】
さらに、周側壁にそれよりも狭幅の連結斜状壁が連なっていることから、断面方形の角筒状のイメージを残しながらも使用者に単純な断面方形の角筒状包装用紙箱とは異なる斬新な印象を与えることができる。
【0020】
[2]の発明かかる角筒状包装用紙箱によれば、前項[1]の奏する効果に加えて、従来既存の角筒状包装用紙箱の自動製函機を用いて自動製函することが可能であり、新たな設備を必要としない利点がある。
【0021】
[3]の発明にかかる角筒状包装用紙箱によれば、前項[2]の奏する効果に加えて、底壁にボトムロック形式が採用されているので、従来品の角筒状包装用紙箱に劣ることなく組立作業性の迅速性、底部の破損防止を実現できる。
【0022】
[4]の発明にかかる角筒状包装用紙箱によれば、前項[1]ないし前項[3]のいずれかが奏する効果に加えて、前記連結斜状壁の上縁に折目を介して補助フラップが連設され、該補助フラップは、組立状態の下で、補助フラップの側縁が隣接する内フラップを有しない周側壁の内面に当接する形状に形成されているので、内フラップを有しない周側壁に直交する方向からの力が加えられると、補助フラップが対抗することにより変形防止に寄与する。
【0023】
[5]の発明にかかる角筒状包装用紙箱によれば、前項[4]の奏する効果に加えて、前記補助フラップが、内フラップの端部から山折目を介して連設された連結片に谷折目を介して連設されているので、内フラップの所期位置への展開操作時に、不本意にも補助フラップが内フラップの上方に飛び出すような不具合をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明にかかる角筒状包装用紙箱の一実施形態の一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図2】同角筒状包装用紙箱の表面側から見た展開状態の平面図である。
【図3】同扁平折り畳み状態の平面図である。
【図4】同組立途上の斜視図である。
【図5】(a)は、図1のI−I線端面図、(b)は、図1のII−II線断面図である。
【図6】(a)は、第1実施形態の角筒状包装用紙箱の周側壁展開図、(b)は断面正方形の角筒状包装用紙箱の周側壁展開図である。
【図7】第2実施形態の角筒状包装用紙箱(B)の組立途上の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明にかかる角筒状包装用紙箱の実施形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は、第1実施形態の角筒状包装用紙箱の一部を切り欠いて示した全体斜視図、図2は、表面側から見た展開状態の平面図、図3は、扁平折り畳み状態の平面図、図4は、組立途上の斜視図、図5(a)は、図1のI−I線断面図、(b)は、図1のII−II線断面図、図6(a)は、第1実施形態の角筒状包装用紙箱の主要部展開図、(b)は仮想断面正方形の角筒状包装用紙箱の主要部展開図、図7は、第2実施形態の角筒状包装用紙箱(B)の組立途上の斜視図である。
【0026】
第1実施形態の角筒状包装用紙箱(A)は、図5(b)に示すように、鎖線で表された一対の仮想対角コーナー部(Co)(Co)を含む断面正方形(K)を基準形態として形成されたもので、仮想断面正方形(K)の側壁に対応する4つの周側壁(1)(2)(3)(4)と2つの連結斜状壁(11)(12)とを備えた断面六角形に形成されている。
【0027】
そして、第1周側壁(1)と第4周側壁(4)とが互いに直角に交わる一つの直角コーナー部(60)を形成し、第3周側壁(3)と第2周側壁(2)とが、前記直角コーナー部に対向する直角コーナー部(61)を形成している。
【0028】
前記連結斜状壁(11)又は(12)は、図5(b)に示すように、角筒状包装用紙箱(A)の組立状態において第1周側壁(1)及び第2周側壁(2)の仮想延長線、又は第3周側壁(3)及び第4周側壁(4)の仮想延長線と45度の角度をもって交わるものと設定されると共に、その幅は、第1〜第4周側壁(1)(2)(3)(4)よりも狭幅に設定されている。
【0029】
また、一対の連結斜状壁(11)と(12)との間隔は、一対の対向する周側壁(1)と(3)との間隔と略々同一に設定されており、断面真円形の被包装物が収容された場合、連結斜状壁(11)(12)の内面が被包装物に接触して、被包装物が安定して収容されるものとなされている。
【0030】
この角筒状包装用紙箱(A)を、図2の展開状態に基づいて説明すると、仮想断面正方形(K)の四側壁に対応する周側壁の一つである第1周側壁(1)の左側に第1斜状壁(11)、第2周側壁(2)、第3周側壁(3)、第2斜状壁(12)及び胴貼り用接合片(5)が各々縦折目(31)(32)(33)(34)(35)を介して、順次、連設されている。また、第1周側壁(1)の右側に縦折目(36)を介して第4周側壁(4)が連設されている。
【0031】
第1周側壁(1)の上縁には折目(41)を介して蓋片(7)が連設されると共に、下縁には折目(42)を介して第1底部構成片(21)が連設されている。
【0032】
前記蓋片(7)は、正方形の一対の対角コーナー部が斜め45度にカットされた六角形、すなわち、この角筒状包装用紙箱(A)の横断面形状に対応する形状に形成されており、その先端に折目(43)を介して差込舌片(8)が連設されている。
【0033】
前記第1底部構成片(21)は、第2周側壁(2)、第3周側壁(3)及び第4周側壁(4)の各々の下縁に連設された第2〜4の底部構成片(22)(23)(24)と共に、底部を構成するものであり、下縁から左斜め下方に延設された台形状を呈して、その長辺に折目(44)を介して連結片(25)が連設され、該連結片(25)が隣接する第4周側壁(4)の第4底部構成片(24)の下面に貼着されるのである。
【0034】
第1底部構成片(21)の連結片(25)近傍端部にはロック用切欠(21a)が設けられている。
【0035】
第1周側壁(1)の左側の第1斜状壁(11)の上縁には折目(45)を介して第1補助フラップ(14)が連設され、該第1補助フラップ(14)は、後述する第1内フラップ(16)に連結片(19)を介して連結されている。
【0036】
前記第1斜状壁(11)は、先に述べたように第1周側壁(1)及び第2周側壁(2)よりも狭幅に設定されている。
【0037】
第1斜状壁(11)の左側に連設された第2周側壁(2)の上縁には折目(46)を介して第1内フラップ(16)が連設されている。
【0038】
この第1内フラップ(16)は、先端にV字状切り込み(16a)が設けられる一方、その右側下部に前記第1補助フラップ(14)を連結するための連結片(19)が山折目(53)を介して連設され、該連結片(19)と第1補助フラップ(14)とは谷折目(54)を介して連結されている。
【0039】
また、第2周側壁(2)の下縁には折目(47)を介して第2底部構成片(22)が連設されている。
【0040】
第3周側壁(3)の下縁には、第1周側壁(1)に連設された第1底部構成片(21)と同形同大の第3底部構成片(23)が連設され、その長辺に折目(49)を介して連結片(26)が連設されている。
【0041】
第3底部構成片(23)には、前記第1底部構成片(21)と同様に、連結片(26)近傍端部にロック用切欠(23a)が設けられている。
【0042】
第3周側壁(3)の左側に連設された第2斜状壁(12)の上縁には折目(50)を介して第2補助フラップ(15)が連設されている。この第2補助フラップ(15)は、組立状態において、その側縁が第3周側壁(3)の上端部内面と平行状態を保つように形成されている。
【0043】
前記第2斜状壁(12)は、先に述べたように第3周側壁(3)及び第4周側壁(4)よりも狭幅に設定されている。
【0044】
前記第2補助フラップ(15)の左側には、後述する第2内フラップ(17)の裏面に貼着される接合片(13)を連結する連結片(18)が設けられている。この連結片(18)は、第2補助フラップ(15)とは、谷折目(56)を介して連設される一方、接合片(13)とは、山折目(55)を介して連設されている。
【0045】
第1周側壁(1)の右側に連設された第4周側壁(4)の下縁には、折目(52)を介して第4底部構成片(24)が連設されている。
【0046】
而して、この実施形態の角筒状包装用紙箱(A)は、この展開状態から次のようにして所期する形態に組み立てられるものである。
【0047】
まず、前記展開状態から第3周側壁(3)、第2斜状壁(12)及び胴貼り用接合片(5)を面一としたまま裏側に折り返す一方、第4周側壁(4)を同じく裏側に折り返し、その端部を胴貼り用接合片(5)に貼着すると共に、第2内フラップ(17)を接合片(13)に貼着する。
【0048】
またこの折り返し時には、予め第1〜第4底部構成片(21)(22)(23)(24)を内側に折り返すと共に、連結片(25)(26)を第1部底部構成片(21)又は第3底部構成片(23)の表側に折り返しておいて、第4底部構成片(24)の外面側に連結片(25)を、第2底部構成片(22)の外面側に連結片(26)を貼着するものとする。
【0049】
このとき、胴貼り用接合片(5)の下端部は第4周側壁(4)と第4底部構成片(24)との間に挿入された状態となる。
【0050】
図3は、上記のような所要箇所を折り曲げ、貼着した扁平折り畳み状態を示している。
【0051】
この折り畳み状態においては、図示省略したが、第1底部構成片(21)と第4底部構成片(24)及び連結片(25)とがその外面どうしが向かいあう態様で折り込まれていると共に、第3底部構成片(21)と第2底部構成片(24)及び連結片(26)とがその外面どうしが向かいあう態様で折り込まれているのである。
【0052】
而して、この扁平折り畳み状態から第4周側壁(4)及び第2周側壁(2)を第1周側壁(1)に対して起立状態として、角筒状とする。
【0053】
第1〜第4周側壁(1)(2)(3)(4)を角筒状とする操作時に、扁平状態においてはその外面どうしが向かいあうように折り畳まれていた第1底部構成片(21)と第4底部構成片(24)、第3底部構成片(23)と第2底部構成片(22)が、平板状に展開されると共に、互いのロック用切り欠き部(21a)(23a)が噛み合って、第1〜第4底部構成片(21)(22)(23)(24)の展開状態がロックされる。
【0054】
次に、紙箱内に被包装物を収容した後、図4に示すように、第2周側壁(2)又は第3周側壁(3)に対して起立状態にある第1内フラップ(16)及び第2内フラップ(17)を互いに近づく方向に曲げて行くと、第1内フラップ(16)のV字状切り込み(16a)に第2内フラップ(17)の下面側にある連結片(18)が嵌り込むことにより、第1内フラップ(16)と第2内フラップ(17)とがロック状態に組み合わされることになる。
【0055】
前記第1〜2内フラップ(16)(17)の折り込み操作時に、補助フラップ(14)(15)は自動的に第1〜2内フラップ(16)(17)の下方に折り込まれることになる。
【0056】
このような組立状態においては、図1に示すように、周側壁の端部に細巾の斜状壁が設けられていることから、仮想断面方形のイメージを残しながらも使用者に斬新な印象を与え興趣性に富んた角筒状包装用紙箱を提供できる。
【0057】
さらに、仮想断面方形の一つの側壁よりも、周側壁と斜状壁とが形成する面の方が広くなるので、該面により多くの文字情報、絵柄を付することができ、視覚効果を高めることができる。
【0058】
また、図6(a)に示すように、この実施形態の角筒状包装用紙箱(A)の第1〜第4周側壁(1)(2)(3)(4)、胴貼り用接合片(5)及び斜状壁(11)(12)の全巾は、同図(b)に示すこの仮想断面正方形の角筒状包装用紙箱の4つの周側壁(K1)(K2)(K3)(K4)及び胴貼り用接合片(K5)の全巾より短くなっているので、使用材料の削減を図ることができる。
【0059】
これに加えて、底部はボトムロック形式に組み合わされているので、従来品のボトムロック形式が採用された角筒状包装用紙箱に劣ることなく組立作業の迅速性、底部の破損防止を実現できる。
【0060】
さらに、前記第2斜状壁(12)の上縁に折目(50)を介して第2補助フラップ(15)が連設され、該第2補助フラップ(15)は、組立状態の下で、第2補助フラップ(15)の側縁が隣接する内フラップを有しない第3周側壁(3)の内面に当接する形状に形成されているので、第3周側壁(3)に直交する方向からの力が加えられた場合に、第2補助フラップ(15)が第3周側壁(3)に当接し対抗することにより変形防止に寄与することができる。
【0061】
また、前記補助フラップ(14)(15)が、内フラップ(16)(17)の端部から山折目(53)(55)を介して連設された連結片(19)(18)に谷折目(54)(56)を介して連設されているので、内フラップ(16)(17)の所期位置への展開操作時に、不本意にも補助フラップ(14)(15)が内フラップ(16)(17)の上方に飛び出すような不具合をなくすことができる。
【0062】
図7は、他の実施形態の角筒状包装用紙箱(B)の組立途上を示すもので、この角筒状包装用紙箱(B)は、第1内フラップ(56)と第1補助フラップ(64)、第2内フラップ(57)と第2補助フラップ(65)とが連結されておらず、第1内フラップ(56)と第2内フラップ(57)とが、互いのV字状切欠部(56a)(57a)を介して組み合わせているようになされているものである。
【0063】
それ以外の構成は、実質的に先の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
なお、上記いずれの実施形態の角筒状包装用紙箱も、横断面正方形の角筒状包装用紙箱を基準形態とする角筒状に形成されているが、断面長方形を基準形態とした角筒状とすることもできる。
【0065】
底部は、ボトムロック形式であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
A・・・・・・・角筒状包装用紙箱
1・・・・・・・第1周側壁
2・・・・・・・第2周側壁
3・・・・・・・第3周側壁
4・・・・・・・第4周側壁
5・・・・・・・胴貼り用接合片
7・・・・・・・蓋片
11・・・・・・第1斜状壁
12・・・・・・第2斜状壁
14・・・・・・第1補助フラップ
15・・・・・・第2補助フラップ
16・・・・・・第1内フラップ
17・・・・・・第2内フラップ
21〜24・・・・・・第1〜第4底部構成片
53、55・・・山折目
54、56・・・谷折目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの周側壁が互いに直角に交わる横断面方形の紙箱を基準形態とする角筒状包装用紙箱であって、
前記4つの周側壁が形成する一対の対角位の直角コーナー部をそのまま残し、残りの2つの対角位の直角コーナー部に、隣接する前記周側壁どおしを面取り状に斜めにつないだ、前記周側壁より相対的に狭幅の連結斜状壁が設けられ、横断面形状が六角形に形成されていることを特徴とする角筒状包装用紙箱。
【請求項2】
1つの周側壁の上縁に折目を介して蓋片が連設され、一対の対向する周側壁の各々の上縁に折目を介して内フラップが連設されると共に、4つの周側壁の下縁に折目を介して底部構成片が連設され、これらの底部構成片の組み合わせにより展開及び折り畳み自在な底壁が形成されてなる請求項1に記載の角筒状包装用紙箱。
【請求項3】
前記底壁は、一対の対向する周側壁に設けられた底部構成片が、隣接する周側壁に設けられた底部構成片に連結片を介して接合されたボトムロック形式のものに構成されている請求項2に記載の角筒状包装用紙箱。
【請求項4】
前記連結斜状壁の上縁に折目を介して補助フラップが連設され、該補助フラップは、組立状態の下で、補助フラップの側縁が隣接する内フラップを有しない周側壁の内面に当接する形状に形成されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の角筒状包装用紙箱。
【請求項5】
前記補助フラップが、内フラップの端部から山折目を介して連設された連結片に谷折目を介して連設されている請求項4に記載の角筒状包装用紙箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−207536(P2011−207536A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165683(P2011−165683)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3146662号
【原出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000106715)ザ・パック株式会社 (28)
【Fターム(参考)】