説明

解体可能なバーナ

セメント・クリンカまたは同様の材料を製造するための回転炉のような炉の焼成帯へ固体、液体または気体燃料を導入するためのバーナの説明が与えられる。そのバーナは、バーナを通じて燃料および燃焼空気を運ぶための多くのダクトを囲むバーナ管(1)を含む。バーナは、バーナ管(1)がモジュールの非破壊的な組立ておよび分解を可能にする固定手段(9)により互いに固定されたモジュール(1a、1b)から構成されることにより特徴付けられる。これによって、単純かつ非破壊的な方法で、バーナー(7)の自由端またはバーナ先端からの方向にバーナ管(1)をモジュール(1a、1b)に分解することができるバーナが得られる。結果として、バーナ先端を構成するバーナ管(1)の最も外側のモジュールは、修理または交換のため、および/または、バーナ先端に組み込まれた構成要素の修理または交換のために容易に分解することができ、メンテナンスおよび最新技術への改良は、単純かつ非破壊的な方法で実行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント・クリンカまたは同様の材料を製造するための回転炉のような炉の焼成帯へ固体、液体または気体燃料を導入するためのバーナに関し、そのバーナは、バーナの自由端に提供されるノズル開口部にバーナを通じて燃料および燃焼用空気を運ぶために多くのダクトを包囲するバーナ管を含む。
【発明の概要】
【0002】
前述の種類のバーナは、例えばEP 965 019およびEP 967 434から公知である。バーナ管が、典型的に金属管と一体に鋳造され、金属管に固定された留め金によって保持される耐火性のライニング材を含むケーシングにより囲まれた金属管からなる固定構造の設計であることは、既知のバーナの共通の特徴である。バーナの動作中に、アウターケーシングの破損が生じる、特にバーナの先端に接近したケーシングに破損が生じる可能性がある。さらに、内部の部分、特にバーナの先端の周りは、露出しているせいで継続的な修理および/または交換を必要とし、非常に脆弱である。さらに新しい研究により、バーナの先端に組み入れられた構成部分の複雑ではない交換の要望に応じて、バーナの設計に改善された解決策が供給される可能性がある。既知のバーナの不都合は、バーナ先端の修理および/または交換はライニング材の切削、および、バーナの外側の部品の切除により行われ、溶接および改修によりバーナの復元を必要とすることである。この方法は、バーナに破壊的影響を及ぼす上に、費用がかかりかつ非常に時間がかかる。
【0003】
本発明は、単純かつ非破壊的な方法でバーナ先端を修理および/または交換することができるバーナを提供することを目的とする。
【0004】
これは、序文で言及され、バーナ管がモジュールの非破壊的な組み立ておよび分解を可能にする固定手段によって互いに固定されるモジュールから構成されることで特徴付けられる種類のバーナによって得られる。
【0005】
これによって、単純かつ非破壊的な方法で、バーナの自由端またはバーナ先端の自由端からの方向にモジュールにバーナ管を分解することができるバーナが得られる。その結果、バーナ先端を構成するバーナ管の最も外側のモジュールは、修理または交換のため、および/または、バーナ先端に組み入れられた構成部分の修理または交換のために容易に分解することができ、非破壊的な方法でバーナの保守および最新の技術への改良を実行することができる。
【0006】
例えばセメントを製造するための回転炉での動作中に、バーナは重大な熱の影響にさらされ、さらに一般に相当な量のほこりがバーナの表面に積もる。したがって、ほこりから守られ、バーナの外側で生じる高温への接触を最小にするために、固定手段がバーナ管の内側に提供されることが好ましい。
【0007】
原則として、固定手段は、繰り返し組み立てられ分解されるあらゆる適切な手段から構成される。適用可能な言及の固定手段の非制限的な例は、金属管および/またはバーナ管モジュールのライニング材で提供されたスレッド、モジュールの端部で提供される差込連結、適合するくぼみまたは類似したものと相互作用するように提供されるバネ・クランプ、スレッドへねじ込むための、または、ナットとの相互作用のためのボルトで作成される。
【0008】
前述の種類のバーナは一般に、別々のノズル開口に固体、液体または気体燃料を運ぶための多くの管を含み、バーナ管の中で前後に軸方向移動ができる中央部を含む。バーナがそのような軸方向に移動可能な中央部を含む場合には、中央部がバーナの自由端から離れて軸方向に移動する際、バーナ管の内部の部分への接近の手段は、バーナ管の自由端の比較的大きな中央の孔によって提供される。そうであるならば、別のモジュールへの連結が予測されるそれらの端の各々におけるバーナ管のモジュールは、固定手段を固定させる意図を有する内側に突出するフランジを含むことが好ましい。各々のフランジは多くの貫通孔を備え、この場合、固定手段がボルトと相互作用するように機能するナットとを含むことはさらに好ましい。
【0009】
ある場合には、バーナ管の最も外側のモジュール、または、換言すればバーナ先端モジュールは、最も外側のモジュールをバーナ管の残りの部分に対して保持する本質的にボルトとナットの形の固定手段がバーナ管の自由端の開口によって到達することができないような長さを持つ可能性がある。そうであるならば、少なくともバーナ管の最も外側のモジュールは環状の構造、および、その環状の構造に取り外せるように載せられるケーシングを含むことが好ましい。ケーシングは、モジュールの自由端の開口に近接して容易に接近可能であるように提供される固定手段、実際にはボルトおよびおそらくナットにより環状の構造に都合よく固定される可能性がある。ゆえに、モジュールの環状の構造が外側に接近可能になるように、バーナ管の最も外側のモジュールの上のケーシングは容易に分解することができ、この場合、したがって、少なくとも最も外側のモジュールの環状の構造は、モジュールの別のモジュールへの連結が予測される内側に突出するフランジの開口を近接して含み、それによって、バーナ管の残りの部分に最も外側のモジュールを保持する固定手段への接近の手段を提供することが好ましい。
【0010】
環状の構造は、任意の適切な方法で設計されてもよい。本発明の実施態様の一つにおいて、環状の構造は、さらに多くの開口部または孔が作られる管として、実際には金属管として形成される可能性がある。第二の実施態様において、環状の構造は、通常金属製のフランジまたは管から構成されうる環状の末端部により互いに関してそれらの端で本質的に保持される多くの縦の、略平行な肋材を含んでもよい。例えば、肋材はプレートまたは管から構成される可能性がある。
【0011】
環状の構造上で取り外せるように取り付けられたケーシングは、その最も単純な実施態様で、管、実際には耐熱金属製の管で構成されてもよい。セメント・クリンカを製造するための回転炉の例のように、バーナが非常に高温になる時、管には、金属管の外側と一体に典型的に鋳造され、留め金によってそこに固定された耐火性のライニング材がさらに提供されてもよい。ケーシングはさらに、金属管に外側が包まれた耐火性繊維材料から構成される、または、ケーシングは、耐火性のあるライニング材から作られた管から構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明はここで、概略的である図面に関してさらに詳細に説明される:ここで、
【図1】図1は、本発明によるバーナの好ましい実施態様の断面図を示し;
【図2a】三段階で図1に示されるバーナ管の先端がどのように分解されるかを示す。
【図2b】三段階で図1に示されるバーナ管の先端がどのように分解されるかを示す。
【図2c】三段階で図1に示されるバーナ管の先端がどのように分解されるかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1aは、環状ダクト3および中央部5を囲むバーナ管1を含む、本発明によるバーナの単純化された断面図である。 管3も中央部5も図面で詳細には示されない。管3は、典型的に燃焼用空気を運ぶ意図を有していくつかの同心の環状ダクトに分割され、一方で中央部5は、バーナの自由端7で提供される個別のノズル開口部に、固体、液体または気体燃料を運ぶために典型的に多くの個別の管を含む可能性がある。示された実施態様において、中央部5はさらに、二重の矢印に示されるようにバーナ管1に軸方向に前後に移動されてもよい。
【0014】
本発明によれば、バーナ管1は、バーナ7の自由端またはバーナ先端へ/から近づく/離れる方向に非破壊的な方法で、モジュールが組み立てられかつ分解されることを可能にする適切な固定手段9によって互いに固定されるモジュール1aおよび1bから構成される。 したがって、バーナのメンテナンスおよび最新の技術への改良は、バーナ管1の最も外側のモジュール1bの単純な分解によって単純かる非破壊的な方法で行うことができる。
【0015】
示された実施態様において、固定手段9は、モジュール1aおよび1bの隣接した端部で提供される内側に突出したフランジ11の貫通孔に固定されたボルトとナットとから構成される。これは、バーナの外側がほこりの堆積や、熱いガスから保護されるように、バーナ管1の内側に固定手段9が適合されることを意味する。
【0016】
図示した実施態様において、バーナ管1は、耐火性ライニング材料での被覆材である金属管から構成されるケーシング17が外側に適合された内側の金属管15を含む。バーナ管1の最も外側のモジュール1bのケーシング17は、取り外し可能に金属管15に取り付けられ、モジュール1bの自由端7の開口に近接して提供されるボルトとナットの形で本質的に示されるように固定手段19によって金属管15に固定される。さらに、最も外側のモジュール1bの金属管15は、モジュール1bの中心へ突出するフランジ11に近接して提供される開口21を備え、このことにより、バーナ管1の残りの部分に対して最も外側のモジュール1bを保持する固定手段9への接近を確実にする。この設計は、最も外側のモジュール1bが、バーナ管1の残りの部分に対して最も外側のモジュール1bを保持する固定手段9にバーナ管の自由端7の開口を経て達することができないような長さを有する場合、バーナ管に関して特に有利である。
【0017】
図2a−cは、バーナ管1の最も外側のモジュールを分解するための手順を示す。図2aにおいて、バーナ管の自由端7の比較的大きい中央開口部を経てバーナ管1の内部への接近の手段が提供されるように、中心部5はバーナ管の自由端7から軸方向に離れるように引かれる。その後、ボルト19は、最も外側のモジュール1bのケーシング17の分解を可能にするために緩めることができ、これにより、図2bに示すように金属管15に接近可能にさせる。それゆえに、モジュール1aに最も外側のモジュール1bの金属管15を保持するボルト/ナット・アセンブリ9を緩めて、後者が図2cに示すように分解され、開口21を経て接近の手段が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント・クリンカまたは同様の材料を製造するための回転炉のような炉の焼成帯へ固体、液体または気体燃料を導入するためのバーナであって、該バーナの自由端(7)で提供されるノズル開口に該バーナを通じて燃料および燃焼空気を運ぶための多くのダクトを囲むバーナ管(1)を含むバーナにおいて、該バーナ管(1)は、モジュールの非破壊的な組立ておよび分解を可能にする固定手段(9)により互いに固定されたモジュール(1a、1b)から構成されることにおいて特徴付けられる、バーナ。
【請求項2】
前記固定手段(9)が前記バーナ管(1)の内側に適合されることにおいて特徴付けられる、請求項1記載のバーナ。
【請求項3】
固形、液体または気体燃料を別々のノズル開口へ運ぶ多くのダクトを含み、前記バーナ管(1)において前後に軸方向に移動することができる中心部(5)を含む請求項1記載のバーナであって、他のモジュールへの連結が予測されるそれらの端の各々における該バーナ管(1)の前記モジュール(1a、1b)が、前記固定手段(9)を固定させる意図を有する内側に突出するフランジ(11)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項1記載のバーナ。
【請求項4】
前記フランジ(11)の各々は、多くの貫通孔を備え、前記固定手段はボルトおよび相互に機能しているナットから構成されることにおいて特徴付けられる、請求項3記載のバーナ。
【請求項5】
前記バーナ管(1)の最も外側のモジュール(1b)は、環状構造(15)と環状構造(15)に取り外し可能に取り付けられたケーシング(17)とを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1記載のバーナ。
【請求項6】
前記ケーシング(17)は、前記モジュールの前記自由端(7)の前記開口に近接して容易に接近できる固定手段(19)によって、前記環状構造(15)に固定されることにおいて特徴付けられる、請求項5記載のバーナ。
【請求項7】
少なくとも前記最も外側のモジュール(1b)の前記環状構造(15)は、前記内側へ突出するフランジ(11)に近接した開口(21)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項5記載のバーナ。
【請求項8】
前記環状構造(15)は優先して金属の管として構成されることにおいて特徴付けられる、請求項5から7のいずれかに記載のバーナ。
【請求項9】
前記環状構造(15)は、環状の端の部分によって互いにそれらの端で保持される、多くの縦の本質的に並列の肋材を含むことにおいて特徴付けられる、請求項5から7のいずれかに記載のバーナ。
【請求項10】
前記ケーシング(17)は、耐火性ライニング材料を備えた耐熱金属の管から構成されることにおいて特徴付けられる、請求項5から7のいずれかに記載のバーナ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【公表番号】特表2010−511141(P2010−511141A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538808(P2009−538808)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054282
【国際公開番号】WO2008/065555
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(506298817)
【Fターム(参考)】