説明

解体工法

【課題】バックホーを既設建造物の内部において使用することができ、そのバックホーを利用して建造物の内装や壁、スラブを解体することができる解体工法を提供する。
【解決手段】既設建造物11の内装や壁、スラブを解体する解体工法が、電動機によって駆動するバックホー10を所定の部品12〜18毎に分解する分解工程と、分解した後のそれら部品12〜18を建造物11の進入箇所からその内部の解体箇所24に搬送する部品搬送工程と、それら部品12〜18を建造物11の内部において組み合わせてバックホー10を組み立てる組立工程と、組み立てたバックホー10の各種の解体用アタッチメント12を作動させて建造物11の内部の解体箇所24の内装や壁、スラブを解体する解体工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設建造物を解体する解体工法に関する。
【背景技術】
【0002】
解体する建造物の外壁に沿って地上から最上階(屋上)に向かって昇降可能な貨物用リフトを設置し、その貨物用リフトを利用して大型の解体用重機を建造物の最上階に搬送し、その重機を利用して建造物を上層階から下層階に向かって順に解体するとともに、解体によって生じた解体物を貨物用リフトを利用して地上に下ろす建物の解体工法がある(特許文献1参照)。この解体工法は、貨物用リフトを利用して大型の解体用重機を最上階まで搬送するから、解体用重機を分割することなくその重機を最上階に据え付けることができ、大型の重機を使用して建造物をその上層階から下層階に向かって解体することで、解体の作業効率を向上させることができる。また、貨物用リフトを利用して解体物を地上に下ろすから、一度に大量の解体物を地上に搬送することができ、解体期間を大幅に短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−262688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の建物の解体工法は、大型の解体用重機を建造物の最上階に搬送することはできるが、その重機を建物の内部に搬送することや重機を建物の内部で利用することはできず、重機を利用して建物の内装や壁、スラブを解体することはできない。また、解体用重機は、ディーゼルエンジンによって駆動するが、重機を建物の内部において駆動させると、エンジンから排気ガスが排出され、建物内部に排気ガスが充満し、解体作業中に解体作業員がガス中毒を起こす危険性が高く、内燃機関を駆動源とする重機を室内において使用することはできない。なお、既設建物の内装や壁、スラブの解体作業は、重機を利用せず、人手を介して行われる。具体的には、多数の解体作業員が削岩機を使用して内装や壁、スラブを解体し、作業員が猫車(手押し車)等を使用して解体物を屋外に搬送しており、解体作業に多大な労力と手間とを要するとともに、解体に長時間を要する。
【0005】
本発明の目的は、バックホーを既設建造物の内部において使用することができ、そのバックホーを利用して既設建造物の内装の解体と既設建造物の壁やスラブの解体とを行うことができる解体工法を提供することにある。本発明の他の目的は、バックホーを利用することで、既設建造物の解体に要する労力や手間を低減することができ、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる解体工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための第1の発明の前提は、既設建造物を解体する解体工法である。
【0007】
前記前提における第1の発明の特徴は、解体工法が、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解する分解工程と、分解した後のそれら部品を建造物の進入箇所からその内部の解体箇所に搬送する部品搬送工程と、それら部品を建造物の内部において組み合わせてバックホーを組み立てる組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて建造物の内部の解体箇所を解体する解体工程とを有することにある。
【0008】
前記第1の発明の一例として、分解工程では、バックホーから少なくともアタッチメントを接続したアームとアームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、組立工程では、アームとブームとを取り付けてバックホーを組み立てる。
【0009】
前記第1の発明の他の一例として、部品搬送工程では、アームとブームとが取り外されたバックホーを運転して建造物の地上階の進入箇所からその内部の解体箇所へ向かって走行させる。
【0010】
前記課題を解決するための第2の発明の前提は、2階建て以上の既設建造物を解体する解体工法である。
【0011】
前記前提における第2の発明の特徴は、解体工法が、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解する第1分解工程と、分解した後のそれら部品を建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第1載置工程と、エレベーターを利用してそれら部品を建造物の地上階から解体対象の上層階に搬送する部品第1搬送工程と、それら部品を解体対象の上層階において組み合わせてバックホーを組み立てる第1組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて解体対象の上層階の解体箇所を解体する第1解体工程とを有することにある。
【0012】
前記第2の発明の一例としては、解体工法が、第1解体工程によって解体対象の上層階の解体箇所の内装を解体した後にバックホーを所定の部品毎に分解する第2分解工程と、分解されたそれら部品を建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第2載置工程と、解体後の上層階から次の解体対象の上層階にエレベーターを利用してそれら部品を搬送する部品第2搬送工程と、それら部品を次の解体対象の上層階において組み合わせてバックホーを組み立てる第2組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて次の解体対象の上層階の解体箇所を解体する第2解体工程とを含む。
【0013】
前記第2の発明の他の一例として、第1分解工程と第2分解工程とでは、バックホーから少なくともアタッチメントを接続したアームとアームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、第1組立工程と第2組立工程とでは、解体対象の上層階においてアームとブームとを取り付けてバックホーを組み立てる。
【0014】
前記第2の発明の他の一例として、部品第1搬送工程と部品第2搬送工程とでは、アームとブームとが取り外されたバックホーを運転して建造物の地上階の進入箇所からエレベーターへ向かって走行させるとともに、バックホーを運転して上層階の解体箇所へ向かって走行させる。
【0015】
前記第2の発明の他の一例としては、解体工法が、上層階の互いに対向する梁の間に支持部材を架け渡す支持部材設置工程と、支持部材設置工程によって設置された支持部材にバックホーを走行させる走行板を載置する走行板設置工程とを含み、解体工法では、バックホーを走行板の上に走行させて上層階の解体箇所を解体する。
【0016】
前記課題を解決するための第3の発明の前提は、既設建造物の地下階を解体する解体工法である。
【0017】
前記前提における第3の発明の特徴は、解体工法が、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解する第1分解工程と、分解した後のそれら部品を建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第1載置工程と、エレベーターを利用して建造物の地上階から解体対象の地下階にそれら部品を搬送する部品第1搬送工程と、それら部品を解体対象の地下階において組み合わせてバックホーを組み立てる第1組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて解体対象の地下階の解体箇所を解体する第1解体工程とを有することにある。
【0018】
前記第3の発明の一例としては、解体工法が、第1解体工程によって解体対象の地下階の解体箇所を解体した後にバックホーを所定の部品毎に分解する第2分解工程と、分解されたそれら部品を建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第2載置工程と、解体後の地下階から次の解体対象の地下階にエレベーターを利用してそれら部品を搬送する部品第2搬送工程と、それら部品を次の解体対象の地下階において組み合わせてバックホーを組み立てる第2組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて次の解体対象の地下階の解体箇所を解体する第2解体工程とを含む。
【0019】
前記第3の発明の他の一例として、第1分解工程と第2分解工程とでは、バックホーから少なくともアタッチメントを接続したアームとアームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、第1組立工程と第2組立工程とでは、解体対象の地下階においてアームとブームとを取り付けてバックホーを組み立てる。
【0020】
前記第3の発明の他の一例として、部品第1搬送工程と部品第2搬送工程とでは、アームとブームとが取り外されたバックホーを運転して建造物の地上階の進入箇所からエレベーターへ向かって走行させるとともに、バックホーを運転して地下階の解体箇所へ向かって走行させる。
【0021】
前記第3の発明の他の一例としては、解体工法が、地下階の互いに対向する梁の間に支持部材を架け渡す支持部材設置工程と、支持部材設置工程によって設置された支持部材にバックホーを走行させる走行板を載置する走行板設置工程とを含み、解体工法では、バックホーを走行板の上に走行させて地下階の解体箇所を解体する。
【0022】
前記第1〜第3の発明の一例としては、既設建造物の解体がその既設建造物の内装の解体とその既設建造物の壁やスラブの解体とを含む。
【0023】
前記第1〜第3の発明の他の一例としては、既設建造物が鉄筋コンクリート建造物または鉄筋鉄骨コンクリート建造物である。
【0024】
前記第1〜第3の発明の他の一例としては、バックホーを細分解した場合の部品が解体用アタッチメント、アーム、ブーム、運転席旋回ユニット、駆動系ユニット、一対のクローラユニット、キャノピーである。
【0025】
前記第1〜第3の発明の他の一例としては、組み立てたバックホーの重量が1800〜2000kgであり、組み立てたバックホーの接地圧が0.19〜0.21kg/cmである。
【発明の効果】
【0026】
第1の発明にかかる解体工法によれば、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解し、それら部品を建造物の進入箇所からその内部の解体箇所に搬送するとともに、建造物の内部においてそれら部品からバックホーを組み立てた後、組み立てたバックホーの解体用アタッチメントを利用して解体箇所を解体するから、既設建造物の解体に組み立てたバックホーを利用することができ、人手を介することなく既設建造物を解体することができる。解体工法は、既設建造物の解体に組み立てたバックホーを利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、建造物の解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。解体工法は、バックホーが電動機を駆動源としているから、それが内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)を駆動源とする場合と比較し、バックホーが排気ガスを排出することはなく、建造物の解体作業中にバックホーの運転者がガス中毒を起こす恐れもなく、バックホーをフル稼動させて建造物の解体を行うことができる。また、内燃機関を駆動源とすると、その内燃機関が騒音を発するが、バックホーが電動機を駆動源としているから、内燃機関を駆動源とする場合と比較し、建造物の解体作業中における騒音を大幅に低減することができる。
【0027】
分解工程において、バックホーから少なくともアタッチメントを接続したアームとアームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、組立工程において、アームとブームとを取り付けてバックホーを組み立てる解体工法は、バックホーのうちの最も嵩張るアームおよびブームをバックホーから取り外し、それによってバックホーを建造物の内部に搬送することができれば、バックホーの分解作業を大幅に軽減することができ、最も少ない分解作業でバックホーを建造物の解体に使用することができる。また、バックホーの組立時にアームおよびブームをバックホーに接続するだけなので、バックホーの組立作業を大幅に軽減することができ、最も少ない組立作業でバックホーを建造物の解体に使用することができる。解体工法は、解体作業に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0028】
部品搬送工程において、アームとブームとが取り外されたバックホーを運転して建造物の地上階の進入箇所からその内部の解体箇所へ向かって走行させる解体工法は、バックホーを自走させることでそのバックホーを解体箇所に移動させることができるから、バックホーの解体箇所への搬送に労力がかからず、バックホーを解体箇所へ速やかに移動させることができる。解体工法は、バックホーの解体箇所への搬送に労力や時間がかからず、解体作業に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0029】
第2の発明にかかる解体工法によれば、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解し、それら部品を既設建造物に設置されたエレベーターに載せ、エレベーターを利用してそれら部品を建造物の地上階から解体対象の上層階に搬送するとともに、解体対象の上層階においてそれら部品からバックホーを組み立てた後、組み立てたバックホーの解体用アタッチメントを利用して上層階の解体箇所を解体するから、エレベーターを利用してバックホーの各部品を建造物の上層階に搬送することができ、バックホーの搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホーを速やかに建造物の上層階に搬送することができる。解体工法は、既設建造物の上層階の解体に組み立てたバックホーを利用することができ、人手を介することなく上層階を解体することができる。解体工法は、既設建造物の上層階の解体に組み立てたバックホーを利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、建造物の上層階の解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。解体工法は、バックホーが電動機を駆動源としているから、それが内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)を駆動源とする場合と比較し、バックホーが排気ガスを排出することはなく、上層階における解体作業中にバックホーの運転者がガス中毒を起こす恐れもなく、バックホーをフル稼動させて建造物の上層階の解体を行うことができる。また、内燃機関を駆動源とすると、その内燃機関が騒音を発するが、バックホーが電動機を駆動源としているから、内燃機関を駆動源とする場合と比較し、建造物の上層階の解体作業中における騒音を大幅に低減することができる。
【0030】
第1解体工程によって解体対象の上層階の解体箇所を解体した後にバックホーを所定の部品毎に分解し、それら部品を既設建造物に設置されたエレベーターに載せ、解体後の上層階から次の解体対象の上層階にエレベーターを利用してそれら部品を搬送するとともに、次の解体対象の上層階においてそれら部品からバックホーを組み立てた後、組み立てたバックホーの解体用アタッチメントを利用して次の解体対象の上層階の解体箇所を解体する解体工法は、エレベーターを利用してバックホーの各部品を建造物の次の解体対象の上層階に搬送することができ、バックホーの他の上層階への搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホーを速やかに建造物の次の解体対象の上層階に搬送することができる。解体工法は、次の解体対象の上層階の解体に組み立てたバックホーを利用することができ、人手を介することなく全ての上層階の全ての解体箇所の解体を行うことができる。解体工法は、既設建造物の次の解体対象の上層階の解体に組み立てたバックホーを利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、解体対象の上層階の解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0031】
第1分解工程と第2分解工程とにおいて、バックホーから少なくともアタッチメントを接続したアームとアームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、第1組立工程と第2組立工程とにおいて、解体対象の上層階でアームとブームとを取り付けてバックホーを組み立てる解体工法は、バックホーのうちの最も嵩張るアームおよびブームをバックホーから取り外し、それによってバックホーを建造物の上層階に搬送することができれば、バックホーの分解作業を大幅に軽減することができ、最も少ない分解作業でバックホーを建造物の上層階の解体に使用することができる。また、バックホーの組立時にアームおよびブームをバックホーに接続するだけなので、バックホーの組立作業を大幅に軽減することができ、最も少ない組立作業でバックホーを建造物の上層階の解体に使用することができる。解体工法は、解体作業に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0032】
部品第1搬送工程と部品第2搬送工程とにおいて、アームとブームとが取り外されたバックホーを運転して建造物の地上階の進入箇所からエレベーターへ向かって走行させるとともに、バックホーを運転して上層階の解体箇所へ向かって走行させる解体工法は、バックホーを自走させることでそのバックホーをエレベーターや上層階の解体箇所に移動させることができるから、バックホーのエレベーターや上層階の解体箇所への搬送に労力がかからず、バックホーをエレベーターや解体箇所へ速やかに移動させることができる。解体工法は、バックホーのエレベーターや上層階の解体箇所への搬送に労力や時間がかからず、解体作業に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0033】
上層階の互いに対向する梁の間に支持部材を架け渡し、その支持部材にバックホーを走行させる走行板を載置した後、バックホーを走行板の上に走行させて上層階の解体箇所を解体する解体工法は、支持部材と走行板とを利用してバックホーを走行させることで、バックホーの荷重を建造物のスラブにかけることなく、バックホーの荷重を支持部材や走行板に負担させることができる。解体工法は、建造物のスラブがバックホーの重量に耐えきれずにそれらが抜け落ちることはなく、建造物の上層階の解体を安全に行うことができる。
【0034】
第3の発明にかかる解体工法によれば、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解し、それら部品を既設建造物に設置されたエレベーターに載せ、エレベーターを利用してそれら部品を建造物の地上階から解体対象の地下階に搬送するとともに、解体対象の地下階においてそれら部品からバックホーを組み立てた後、組み立てたバックホーの解体用アタッチメントを利用して解体対象の地下階の解体箇所を解体するから、エレベーターを利用してバックホーの各部品を建造物の地下階に搬送することができ、バックホーの搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホーを速やかに建造物の地下階に搬送することができる。解体工法は、既設建造物の地下階の解体にバックホーを利用することができ、人手を介することなく地下階を解体することができる。解体工法は、既設建造物の地下階の解体にバックホーを利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、建造物の地下階の解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。解体工法は、バックホーが電動機を駆動源としているから、それが内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)を駆動源とする場合と比較し、バックホーが排気ガスを排出することはなく、地下階における解体作業中にバックホーの運転者がガス中毒を起こす恐れもなく、バックホーをフル稼動させて建造物の地下階の解体を行うことができる。また、内燃機関を駆動源とすると、その内燃機関が騒音を発するが、バックホーが電動機を駆動源としているから、内燃機関を駆動源とする場合と比較し、建造物の地下階の解体作業中における騒音を大幅に低減することができる。
【0035】
第1解体工程によって解体対象の地下階の解体箇所を解体した後にバックホーを所定の部品毎に分解し、それら部品を既設建造物に設置されたエレベーターに載せ、解体後の地下階から解体対象の他の地下階にエレベーターを利用してそれら部品を搬送するとともに、解体対象の他の地下階においてそれら部品からバックホーを組み立てた後、組み立てたバックホーの解体用アタッチメントを利用して解体対象の他の地下階の解体箇所を解体する解体工法は、エレベーターを利用してバックホーの各部品を建造物の解体対象の他の地下階に搬送することができ、バックホーの他の地下階への搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホーを速やかに建造物の他の地下階に搬送することができる。解体工法は、解体対象の他の地下階の解体に組み立てたバックホーを利用することができ、人手を介することなく全ての地下階の全ての解体箇所の解体を行うことができる。解体工法は、既設建造物の解体対象の他の地下階の解体に組み立てたバックホーを利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、解体対象の他の地下階の解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0036】
第1分解工程と第2分解工程とにおいて、バックホーから少なくともアタッチメントを接続したアームとアームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、第1組立工程と第2組立工程とにおいて、解体対象の地下階でアームとブームとを取り付けてバックホーを組み立てる解体工法は、バックホーのうちの最も嵩張るアームおよびブームをバックホーから取り外し、それによってバックホーを建造物の地下階に搬送することができれば、バックホーの分解作業を大幅に軽減することができ、最も少ない分解作業でバックホーを建造物の地下階の解体に使用することができる。また、バックホーの組立時にアームおよびブームをバックホーに接続するだけなので、バックホーの組立作業を大幅に軽減することができ、最も少ない組立作業でバックホーを建造物の地下階の解体に使用することができる。解体工法は、解体作業に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0037】
部品第1搬送工程と部品第2搬送工程とにおいて、アームとブームとが取り外されたバックホーを運転して建造物の地上階の進入箇所からエレベーターへ向かって走行させるとともに、バックホーを運転して地下階の解体箇所へ向かって走行させる解体工法は、バックホーを自走させることでそのバックホーをエレベーターや地下階の解体箇所に移動させることができるから、バックホーのエレベーターや地下階の解体箇所への搬送に労力がかからず、バックホーをエレベーターや解体箇所へ速やかに移動させることができる。解体工法は、バックホーのエレベーターや地下階の解体箇所への搬送に労力や時間がかからず、解体作業に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0038】
地下階の互いに対向する梁の間に支持部材を架け渡し、その支持部材にバックホーを走行させる走行板を載置した後、バックホーを走行板の上に走行させて地下階の解体箇所を解体する解体工法は、支持部材と走行板とを利用してバックホーを走行させることで、バックホーの荷重を建造物のスラブに直接かけることなく、バックホーの荷重を支持部材や走行板に負担させることができる。解体工法は、建造物のスラブがバックホーの重量に耐えきれずにそれらが抜け落ちることはなく、建造物の地下階の解体を安全に行うことができる。
【0039】
既設建造物の解体がその既設建造物の内装の解体とその既設建造物の壁やスラブの解体とを含む解体工法は、組み立てたバックホーの解体用アタッチメントを利用して既設建造物の解体箇所の内装を解体するとともに、建造物の壁やスラブを解体するから、既設建造物の内装の解体や壁やスラブの解体に組み立てたバックホーを利用することができ、人手を介することなく既設建造物を解体することができる。解体工法は、既設建造物の解体箇所の内装の解体や建造物の解体箇所の壁やスラブの解体に組み立てたバックホーを利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、建造物の内装の解体や建造物の壁やスラブの解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0040】
既設建造物が鉄筋コンクリート建造物または鉄筋鉄骨コンクリート建造物である解体工法は、建造物が鉄筋コンクリート建造物や鉄筋鉄骨コンクリート建造物であったとしても、バックホーを利用してそれらコンクリート建造物を容易に解体することができるから、コンクリート建造物を人手を介して解体する場合と比較し、解体に要する労力や手間を低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0041】
バックホーを細分解した場合の部品が解体用アタッチメントやアーム、ブーム、運転席旋回ユニット、駆動系ユニット、一対のクローラユニット、キャノピーである解体工法は、バックホーをそれらの部品に分解することができるから、バックホーの部品を建造物の内部や上層階、地下階、解体箇所に容易に搬送することができ、バックホーの搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホーを速やかに建造物の内部や上層階、地下階、解体箇所に搬送することができる。その結果、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0042】
組み立てたバックホーの重量が1800〜2000kgであり、組み立てたバックホーの接地圧が0.19〜0.21kg/cmである解体工法は、バックホーの重量が前記範囲にあり、接地圧が前記範囲にあるから、バックホーを上層階や地下階で使用したとしても、スラブにかかる荷重が少なく、建造物のスラブがバックホーの重量に耐えきれずにそれらが抜け落ちることはなく、建造物の上層階や地下階の解体を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】解体工法において利用するバックホーの一例を示す斜視図。
【図2】バックホーを各部品毎に分解する手順の一例を説明する図。
【図3】バックホーを各部品毎に分解したときの斜視図。
【図4】解体箇所に載置した各部品の斜視図。
【図5】解体箇所において組み立てたバックホーの斜視図。
【図6】組み立てたバックホーを利用した解体の一例を示す図。
【図7】組み立てたバックホーを利用した解体の他の一例を示す図。
【図8】組み立てたバックホーを利用した解体の他の一例を示す図。
【図9】バックホー本体とアームおよびブームとの斜視図。
【図10】解体箇所に載置したバックホー本体とアームおよびブームとの斜視図。
【図11】解体工法において利用するバックホーの一例を示す斜視図。
【図12】バックホーを各部品毎に分解したときの斜視図。
【図13】エレベーターに載せた状態で示す各部品の斜視図。
【図14】エレベーターに載せた状態で示す各部品の斜視図。
【図15】エレベーターに載せた状態で示す各部品の斜視図。
【図16】H型部材および板部材を設置した状態の解体箇所の斜視図。
【図17】解体箇所に載置した各部品の斜視図。
【図18】解体箇所において組み立てたバックホーの斜視図。
【図19】バックホー本体とアームおよびブームとの斜視図。
【図20】エレベーターに載せた状態で示すバックホー本体の斜視図。
【図21】エレベーターに載せた状態で示すアームおよびブームとの斜視図。
【図22】解体箇所に載置したバックホー本体とアームおよびブームとの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
第1の発明にかかる解体工法において利用するバックホーの一例を示す斜視図である図1等の添付の図面を参照し、第1の発明にかかる解体工法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、バックホー10を各部品毎に分解する手順の一例を説明する図であり、図3は、バックホー10を各部品毎に分解したときの斜視図である。図4は、解体箇所(解体対象室)に載置した各部品の斜視図であり、図5は、解体箇所(解体対象室)において組み立てたバックホー10の斜視図である。図6は、組み立てたバックホー10を利用した建造物の解体の一例を示す図であり、図7は、組み立てたバックホー10を利用した建造物の解体の他の一例を示す図である。図8は、組み立てたバックホー10を利用した建造物の解体の他の一例を示す図である。なお、図1では、平屋のコンクリート建造物11の解体を示す。図6〜図8では、バックホー10のうち、アタッチメント12、アーム13、ブーム14(一部)のみを図示している。
【0045】
図1に示す解体工法は、バックホー10(建設機械)を利用して鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリートの平屋の既設建造物11の解体箇所の内装を解体するとともに、既設建造物11の解体箇所の壁やスラブを解体する。なお、内装や壁、スラブを解体する既設建造物を鉄筋コンクリート建造物や鉄筋鉄骨コンクリート建造物に限定するものではなく、木質系戸建住宅、鉄骨系戸建住宅、壁式鉄筋コンクリート構造建築物、低層混構造建築物、PCa工法建築物、平板構造建築物、組積造・補強コンクリートブロック構造建築物、鉄筋コンクリート組積造建築物、コンクリート系ラーメン構造建築物、鉄骨系ラーメン構造建築物、鉄骨系複合構造建築物、コア構造建築物、外殻構造建築物、メガストラクチュア建築物、トラス構造建築物等の他のあらゆる構造の平屋の既設建造物の内装や壁、スラブの解体にこの解体工法を利用することができる。また、図1等では1台のバックホー10を図示しているが、2台以上の複数台のバックホー10を使用してこの解体工法を実施することもできる。複数台のバックホー10を使用する場合、それらバックホー10によって複数の解体箇所の内装や壁、スラブを同時に解体することができる。
【0046】
バックホー10は、解体用アタッチメント12、アーム13、ブーム14、運転席旋回ユニット15、駆動系ユニット16、一対のクローラユニット17(キャタピラーユニット)、キャノピー18(風防)とから形成されている。なお、図1〜図5ではアタッチメント12としてアーム13の先端にバケット12aが取り付けられているが、バケット12aに限らず、アーム13にはあらゆる解体用アタッチメント12を取り付けることができる。
【0047】
バックホー10はそれら部品12〜18毎に分解することができるとともに、分解したそれら部品12〜18を組み合わせることでバックホー10を組み立てることができる。組み立てたバックホー10の重量は、1800〜2000kgの範囲にあり、それに取り付けるアタッチメント12によって変化する。また、組み立てたバックホー10の接地圧は、0.19〜0.21kg/cmの範囲にあり、バックホー10の重量によって変化する。組み立てたバックホー10は、全長が3110mm、全幅が1450mm、全高が1710mmである。
【0048】
バックホー10は、クローラユニット17に設置された電動機(モータ)(図示せず)を駆動源として駆動(走行)するとともに、駆動系ユニット16に設置された油圧ポンプ(図示せず)によって各種の解体用アタッチメント12やアーム13、ブーム14が稼動する。なお、駆動系ユニット16には、図示はしていないが、電動機に電気を供給するケーブルが収納されている。電動機や油圧ポンプを駆動させるには、駆動系ユニット16からケーブルを取り出し、ケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んでバックホー10に電気を供給する。このバックホー10は外部電源から電気を供給するが、駆動系ユニット16にバッテリーが収納される場合があり、バッテリーによる内部電源を使用して電動機や油圧ポンプを駆動させることもできる。
【0049】
図1の解体工法は、建造物の解体前の分解工程、解体前の部品搬送工程、解体前の組立工程、解体工程、建造物の解体後の分解工程、解体後の部品搬送工程、解体後の組立工程を実施する。最初に、内装や壁、スラブを解体する既設建造物11の近傍に輸送手段を介してバックホー10を搬送した後、そのバックホー10を各部品12〜18に分解する(解体前分解工程)。
【0050】
解体前の分解工程では、図3に示すように、既設建造物11の外部においてバックホー10を、アタッチメント12およびアーム13、ブーム14、運転席旋回ユニット15、駆動系ユニット16、一対のクローラユニット17、キャノピー18に分解し、バックホー19を建造物11の内部に搬送可能な大きさの部品に分解する。なお、分解後の各部品12〜18では、アタッチメント12とアーム13とが連結された状態にあるが、アタッチメント12とアーム13とを分離してもよい。
【0051】
解体前の分解工程におけるバックホー10の分解手順の一例を説明すると、以下のとおりである。最初にキャノピー18を運転席旋回ユニット15から取り外す。キャノピー18を運転席旋回ユニット15から取り外すには、キャノピー18とユニット15とを連結する取り付けボルト19をボルト孔から外し、キャノピー18をユニット15の上方に持ち上げてキャノピー18とユニット15との連結を解除し、ユニット15からキャノピー18を分離する。次に、アーム12とブーム14とを連結する取付ピン(図示せず)をピン挿入孔から抜き取ってアーム13とブーム14との連結を解除し、アーム13とブーム14とを分離する。シリンダ類の各配線カプラ20をブーム14の接続端子から取り外し、ブーム14と運転席旋回ユニット15とを連結するロックピン(ブームのシリンダヘッド側のロックピン)(図示せず)をピン挿入孔から抜き取って、ブーム14とユニット15との連結を解除し、ユニット15からブーム14を分離する。
【0052】
次に、ドレン配管のカプラと油圧ポンプのカプラ(図示せず)とを駆動系ユニット16の接続端子から取り外し、運転席旋回ユニット15と駆動系ユニット16とを連結する取り付けボルト(図示せず)をボルト孔から外し、駆動系ユニット16を運転席旋回ユニット15の上方に持ち上げて運転席旋回ユニット15と駆動系ユニット16との連結を解除し、運転席旋回ユニット15から駆動系ユニット16を分離する。電動機配管のカプラ21を運転席旋回ユニット15の接続端子から取り外し、運転席旋回ユニット15とクローラユニット17とを連結する締結ボルト(図示せず)をボルト孔から外し、運転席旋回ユニット15をクローラユニット17の上方に持ち上げて運転席旋回ユニット15とクローラユニット17との連結を解除し、クローラユニット17から運転席旋回ユニット15を分離する。それらクローラユニット17と連結プレート22とを連結する連結ボルト23をユニット17やプレート22のボルト孔から外し、ユニット17とプレート22との連結を解除し、センターボルト(図示せず)をクローラユニット17のボルト孔から外し、ユニット17どうしの連結を解除してユニット17どうしを分離する。
【0053】
バックホー10を各部品12〜18に分解した後、それら各部品12〜18を建造物11内部の解体箇所24(解体対象室)に搬送する(解体前部品搬送工程)。解体前の部品搬送工程では、分解されたバックホー10の各部品12〜18が建造物11の外部から進入箇所(出入口や外壁を解体した進入口)を通って建造物11の内部に搬送されるとともに、それら部品12〜18が建造物11の内部の通路を通って解体箇所24に搬送され、それら部品12〜18が解体箇所24に集められる。
【0054】
バックホー10を分解した各部品12〜18は、建造物11の出入口や進入口を通ることができる大きさであり、建造物11の通路を通ることができる大きさであるから、それら部品12〜18を建造物11の外部から建造物11の内部の解体箇所24に搬送することができる。それら部品12〜18の搬送時には、それら部品12〜18を台車(図示せず)に載せ、台車によってそれら部品12〜18を解体箇所24に運ぶ。
【0055】
それら部品12〜18を解体箇所24に運んだ後、それら部品12〜18からバックホー10を組み立てる(解体前組立工程)。解体前の組立工程では、図5に示すように、建造物11の内部における解体箇所24に搬送されたそれら部品12〜18を組み合わせ、バックホー10を組み立てる。解体前の組立工程におけるバックホー10の組立手順の一例を説明すると、以下のとおりである。最初にクローラユニット17どうしを連結する。クローラユニット17どうしを連結するには、センターボルトをクローラユニット17のボルト孔に螺着するとともに、連結ボルト23をユニット17や連結プレート22のボルト孔に螺着し、クローラユニット17どうしを連結するとともに、クローラユニット17と連結プレート22とを連結する。
【0056】
次に、運転席旋回ユニット15をクローラユニット17の上部に載置し、運転席旋回ユニット15とクローラユニット17とを連結する締結ボルトをボルト孔に螺着して運転席旋回ユニット14とクローラユニット17とを連結した後、電動機配管のカプラ21を運転席旋回ユニット15の接続端子に差し込む。駆動系ユニット16を運転席旋回ユニット15の後方に載置し、運転席旋回ユニット15と駆動系ユニット16とを連結する取り付けボルトをボルト孔に螺着して運転席旋回ユニット15と駆動系ユニット16とを連結した後、ドレン配管のカプラと油圧ポンプのカプラとを駆動系ユニット16の接続端子に差し込む。
【0057】
次に、ブーム14と運転席旋回ユニット15とを連結するロックピンをピン挿入孔に挿入し、ブーム14とユニット15とを連結し、シリンダ類の各配線カプラ20をブーム14の接続端子に差し込む。アーム13とブーム14とを連結する取付ピンをピン孔に挿入し、アーム13とブーム14とを連結するとともに、キャノピー18を運転席旋回ユニット15の上部に載置し、キャノピー18とユニット15とを連結する取り付けボルト19をボルト孔に挿入し、キャノピー18とユニット15とを連結する。
【0058】
バックホー10を組み立てた後、既設建造物の内装や壁、スラブの解体作業を行う(解体工程)。解体工程では、駆動系ユニット16からケーブルを取り出し、ケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込むことで、電動機が駆動可能になるとともに油圧ポンプが駆動可能になる。なお、バッテリー駆動の場合は、バッテリーから供給された電気により、電動機が駆動可能になるとともに油圧ポンプが駆動可能になる。
【0059】
解体工程では、バックホー10のアーム13の先端に各種の解体用アタッチメント12を取り付けた後、それらアタッチメント12を利用して建造物11の内部の解体箇所24の内装や壁、スラブを解体する。解体工程では、運転者(解体作業者)がバックホー10の運転席に乗り、運転者がバックホー10を運転し、運転席旋回ユニット15を旋回させつつ、アタッチメント12を作動させて内装や壁、スラブの解体作業を行う。解体箇所24を解体した後に発生した解体物は、解体作業員が猫車(手押し車)等を使用して屋外に搬送する。
【0060】
内装や壁、スラブの解体の一例として、図6に示すように、アーム13の先端に油圧ブレーカー12bを取り付け、ブレーカー12bを作動させて建造物11の壁や天井板、床板、スラブ、梁等を解体する。内装や壁、スラブの解体の他の一例として、図7に示すように、アーム13の先端に大割機12c(クラッシャー)を取り付け、大割機12cを作動させて建造物11の大割り作業、摘み作業を行い、図8に示すように、アーム13の先端に小割機12dを取り付け、小割機12dを作動させて建造物11の小割り作業、鉄筋の丸め込み作業、積み込み作業を行う。
【0061】
内装や壁、スラブの解体の他の一例としては、図示はしていないが、アーム12の先端にカッター(アタッチメント12)を取り付け、カッターを作動させて鉄筋の切断作業、鉄骨の解体作業、スクラップ作業を行う。内装や壁、スラブの解体の他の一例としては、アーム13の先端にペンチャー(アタッチメント12)を取り付け、ペンチャーを作動させて金属切断作業、大割り作業、つまみ作業を行う。内装や壁、スラブの解体の他の一例としては、アーム13の先端にフォークグローブ(アタッチメント12)を取り付け、フォークグローブを作動させて木造建造物を解体する。内装や壁、スラブの解体の他の一例としては、アーム13の先端にタイル剥がし機(アタッチメント12)を取り付け、タイル剥がし機を作動させて壁や天井、床の剥がし作業を行う。
【0062】
内装や壁、スラブを解体した後、解体箇所24においてバックホー10を再び分解する(解体後分解工程)。なお、建造物11における解体箇所24は一室の場合のみならず、平屋の多数の室を同時に解体する場合、室のみならず通路やホール等を解体する場合がある。この場合は、それら室や通路、ホール等が解体対象の解体箇所24となる。多数の室を同時に解体する場合は、一室を解体した後、バックホー10を運転して他の解体対象の室にバックホー10を走行させ、その室の内装や壁、スラブの解体を行う。室と同時に通路、ホール等を解体する場合は、室を解体した後、バックホー10を運転して解体対象の通路、ホール等にバックホー10を走行させ、通路、ホール等の内装や壁、スラブの解体を行う。
【0063】
解体後の分解工程におけるバックホー10の分解手順は、解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一であるから、その説明は省略する。全ての解体箇所24の内装や壁、スラブを解体し、バックホー10を分解した後、各部品12〜18を建造物11の外部に搬送する(解体後部品搬送工程)。解体後の部品搬送工程では、分解されたバックホー10の各部品12〜18が解体箇所24から建造物11の内部を通り、建造物11の出入口や進入口を通って建造物11の外部に搬送される。
【0064】
建造物11の外部に各部品12〜18を搬送した後、それら部品12〜18を組み合わせてバックホー10を再び組み立てる(解体後組立工程)。解体後の組立工程におけるバックホー10の組立手順は、解体前の組立工程におけるバックホー10のそれと同一であるから、その説明は省略する。解体作業終了後に組み立てられたバックホー10は、輸送手段を介して他の箇所(車庫または他の解体対象の建造物)に搬送される。なお、建造物11の内装や壁、スラブを解体した後、その建造物11においてバックホー10が自走できるスペースが形成された場合は、バックホー10を分解することなく、バックホー10を自走させてそれを建造物11の外部に移動させる。この場合は、解体後分解工程や解体後部品搬送工程、解体後組立工程を省くことができる。
【0065】
図1に示す解体工法(第1の発明にかかる解体工法)は、電動機によって駆動するバックホー10を所定の部品12〜18毎に分解し、それら部品12〜18を建造物11の進入箇所からその内部の解体箇所24に搬送するとともに、建造物の解体箇所24においてそれら部品12〜18からバックホー10を組み立てた後、組み立てたバックホー10の解体用アタッチメント12を利用して解体箇所24の内装や壁、スラブを解体するから、既設建造物11の解体に組み立てたバックホー10を利用することができ、人手(多数の解体作業員の削岩機による解体)を介することなく内装や壁、スラブを解体することができる。
【0066】
解体工法は、建造物11が鉄筋コンクリート建造物や鉄筋鉄骨コンクリート建造物であったとしても、バックホー10を利用してそれらコンクリート建造物を容易に解体することができるから、コンクリート建造物を人手を介して解体する場合と比較し、内装や壁、スラブの解体に要する労力や手間を低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。解体工法は、バックホー10が電動機を駆動源としているから、それが内燃機関を駆動源とする場合と比較し、バックホー10が排気ガスを排出することはなく、内装や壁、スラブの解体作業中にバックホー10の運転者がガス中毒を起こす恐れもなく、バックホー10をフル稼動させて既設建造物11の解体を行うことができる。また、内燃機関を駆動源とすると、その内燃機関が騒音を発するが、バックホー10が電動機を駆動源としているから、内燃機関を駆動源とする場合と比較し、建造物11の解体作業中における騒音を大幅に低減することができる。
【0067】
図9は、バックホー本体25とアーム13およびブーム14との斜視図であり、図10は、解体箇所24(解体対象室)に載置したバックホー本体25とアーム13およびブーム14との斜視図である。図9,10に示す解体工法が図1のそれと異なるところは、バックホー10を各部品12〜18に細分解することなく、バックホー10からアーム13およびブーム14のみを取り外し、バックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する点にある。
【0068】
図9の解体工法は、図1のそれと同様に、内装や壁、スラブの解体前の分解工程、解体前の部品搬送工程、解体前の組立工程、解体工程、解体後の分解工程、解体後の部品搬送工程、解体後の組立工程を実施する。内装や壁、スラブを解体する既設建造物11の近傍にバックホー10を搬送した後、そのバックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体前分解工程)。
【0069】
解体前の分解工程では、既設建造物11の外部においてバックホー10からアタッチメント11を接続したアーム13およびアーム13に連結されたブーム14を取り外し、バックホー10を既設建造物11の内部に搬送可能な大きさのバックホー本体25とアーム13(アタッチメント12を含む)およびブーム14とに分解する。解体前の分解工程では、シリンダ類の各配線カプラ20をブーム14の接続端子から取り外し、ブーム14と運転席旋回ユニット15とを連結するロックピン(ブームのシリンダヘッド側のロックピン)をピン挿入孔から抜き取って、ブーム14とユニット15との連結を解除し、ユニット15からアーム13およびブーム14を分離する。
【0070】
バックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解した後、バックホー本体25とアーム13およびブーム14とを建造物11の内部の解体箇所24(解体対象室)に搬送する(解体前部品搬送工程)。解体前の部品搬送工程では、アーム13およびブーム14が建造物11の外部から出入口や進入口を通って建造物11の内部に搬送されるとともに、アーム13およびブーム14が建造物11の内部の解体箇所24に搬送される。アーム13およびブーム14の搬送時には、アーム13およびブーム14を台車(図示せず)に載せ、台車によってアーム13およびブーム14を解体箇所24に運ぶ。
【0071】
運転者(解体作業者)は、駆動系ユニット16から延びるケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んだ後、バックホー本体25を運転し、本体25を建造物11の外部から出入口や進入口を通って建造物11の内部に走行させ、本体25を建造物11の内部の解体箇所24に移動させる。なお、バックホー10からアーム13およびブーム14を取り外したバックホー本体25は、建造物11の出入口や進入口を通ることができる大きさであり、建造物11の通路を通ることができる大きさであるから、本体25を建造物11の外部から建造物11の内部の解体箇所24に走行させることができる。
【0072】
バックホー本体25とアーム13およびブーム14とを解体箇所24に運んだ後、本体25にブーム14を取り付けてバックホー10を組み立てる(解体前組立工程)。解体前の組立工程では、ブーム14と運転席旋回ユニット15とを連結するロックピンをピン挿入孔に挿入し、ブーム14とユニット15とを連結し、シリンダ類の各配線カプラ21をブーム14の接続端子に差し込む。
【0073】
バックホー10を組み立てた後、既設建造物11の内装や壁、スラブの解体作業を行う(解体工程)。解体工程では、組み立てたバックホー10のアーム13の先端に各種の解体用アタッチメント12を取り付けた後、運転者がバックホー10の運転席に乗り、運転者がバックホー10を運転し、それらアタッチメント12を利用して建造物11の内部の解体箇所24の内装や壁、スラブを解体する(図6〜図8参照)。解体箇所24を解体した後に発生した解体物は、解体作業員が猫車(手押し車)等を使用して屋外に搬送する。
【0074】
内装や壁、スラブを解体した後、解体箇所24においてバックホー10を再びバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体後分解工程)。解体後の分解工程におけるバックホー10の分解手順は、解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一であるから、その説明は省略する。解体後にバックホー10を分解した後、バックホー本体25とアーム13およびブーム14とを建造物11の外部に搬送する(解体後部品搬送工程)。
【0075】
解体後の部品搬送工程では、アーム13およびブーム14が解体箇所24から建造物11の内部を通り、建造物11の出入口や進入口を通って建造物11の外部に搬送されるとともに、運転者がバックホー本体25を運転し、本体25を解体箇所24から建造物11の内部を走行させ、本体25を建造物11の出入口や進入口を通って建造物11の外部に走行させる。
【0076】
建造物11の外部にアーム13およびブーム14を搬送し、建造物11の外部にバックホー本体25を走行させた後、ブーム14を本体25に取り付けてバックホー10を再び組み立てる(解体後組立工程)。解体後の組立工程におけるバックホー20の組立手順は、解体前の組立工程におけるバックホー10のそれと同一であるから、その説明は省略する。解体作業終了後に組み立てられたバックホー10は、輸送手段を介して他の箇所(車庫または他の解体対象の建造物)に搬送される。なお、建造物11の内装や壁、スラブを解体した後、その建造物11においてバックホー10が自走できるスペースが形成された場合は、バックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解することなく、バックホー10を自走させてそれを建造物11の外部に移動させる。この場合は、解体後分解工程や解体後部品搬送工程、解体後組立工程を省くことができる。
【0077】
図9,10に示す解体工法は、図1に示す解体工法が有する効果に加え、以下の効果を有する。この解体工法は、バックホー10のうちの最も嵩張るアーム13およびブーム14をバックホー10から取り外し、それによってバックホー10を建造物11の内部に搬送することができれば、バックホー10の分解作業を大幅に軽減することができ、最も少ない分解作業でバックホー10を建造物11の内装や壁、スラブの解体に使用することができる。また、バックホー10の組立時にアーム13およびブーム14をバックホー本体25に接続するだけなので、バックホー10の組立作業を大幅に軽減することができ、最も少ない組立作業でバックホー10を建造物11の内装や壁、スラブの解体に使用することができる。解体工法は、バックホー本体25を自走させることでその本体25を解体箇所24に移動させることができるから、バックホー10の解体箇所への搬送に労力や時間がかからず、バックホー10を解体箇所24へ速やかに移動させることができる。
【0078】
図11は、第2,3の発明にかかる解体工法において利用するバックホー10の一例を示す斜視図であり、図12は、バックホー10を各部品12〜18毎に分解したときの斜視図である。図13〜図15は、エレベーター27に載せた状態で示す各部品12〜18の斜視図であり、図16は、H型部材28(支持部材)および板部材29(走行板)を設置した状態の解体箇所32(解体対象室)の斜視図である。図17は、解体箇所32(解体対象室)に載置した各部品12〜18の斜視図であり、図18は、解体箇所32(解体対象室)において組み立てたバックホー10の斜視図である。図11では、地下を有する2階建て以上の建造物26の内装や壁、スラブの解体を示す。図17,18では、各部品12〜18や組み立てたバックホー10が上層階30または地下階31の解体箇所32に載置された状態を示す。
【0079】
図11に示す解体工法は、バックホー10(建設機械)を利用して鉄筋コンクリートまたは鉄筋鉄骨コンクリートの2階建て以上の既設建造物26の内装の解体と既設建造物26の地下の内装の解体との少なくとも一方を行うとともに、2階建て以上の既設建造物26の壁やスラブの解体と既設建造物26の地下の壁やスラブの解体との少なくとも一方を行う。なお、図1の工法と同様に、内装や壁、スラブを解体する既設建造物を鉄筋コンクリート建造物や鉄筋鉄骨コンクリート建造物に限定するものではなく、他のあらゆる構造の2階建て以上の既設建造物の内装や壁、スラブの解体にこの解体工法を利用することができるとともに、既設建造物の地下の内装や壁、スラブの解体にこの解体工法を利用することができる。
【0080】
バックホー10は、図1のそれと同様に、解体用アタッチメント12、アーム13、ブーム14、運転席旋回ユニット15、駆動系ユニット16、一対のクローラユニット17(キャタピラーユニット)、キャノピー18(風防)の各部品の分解することができるとともに、分解したそれら部品12〜18を組み合わせることでバックホー10を組み立てることができる。組み立てたバックホー10の重量は、1800〜2000kgの範囲にあり、それに取り付けるアタッチメント12によって変化する。組み立てたバックホー10の接地圧は、0.19〜0.21kg/cmの範囲にあり、バックホー10の重量によって変化する。
【0081】
組み立てたバックホー10は、全長が3110mm、全幅が1450mm、全高が1710mmである。バックホー10は、クローラユニット17に設置された電動機(モータ)を駆動源として駆動(走行)するとともに、油圧ポンプによって各種の解体用アタッチメント12やアーム13、ブーム14が稼動する。バックホー10の稼働時には、建造物11の外部電源からバックホー10に電気が供給される。なお、バッテリーを内蔵する場合は、バッテリーから電動機に電気が供給される。
【0082】
図11の解体工法は、解体前の第1分解工程、解体前の部品第1載置工程、支持部材設置工程、走行板設置工程、解体前の部品第1搬送工程、解体前の第1組立工程、第1解体工程、解体前の第2分解工程、解体前の部品第2載置工程、解体前の部品第2搬送工程、解体前の第2組立工程、第2解体工程、解体後の分解工程、解体後の部品載置工程、解体後の部品搬送工程、解体後の組立工程を実施する。
【0083】
最初に、内装や壁、スラブを解体する既設建造物26の近傍に輸送手段を介してバックホー10を搬送した後、そのバックホー10を各部品12〜18に分解する(解体前第1分解工程)。解体前の第1分解工程では、図12に示すように、既設建造物26の外部においてバックホー10を、アタッチメント12、アーム13、ブーム14、運転席旋回ユニット15、駆動系ユニット16、一対のクローラユニット17、キャノピー18に分解し、バックホー10を建造物26の内部に搬送可能かつ建造物26に設置されたエレベーター27の内部に載置可能な大きさの部品に分解する。
【0084】
分解されたそれら各部品12〜18は、荷物運搬用大型エレベーター27のみならず、既設建造物26の利用者が昇降に使用する常用エレベーター27の内部にも載置することができる。なお、分解後の各部品12〜18では、アタッチメント12とアーム13とが連結された状態にあるが、アタッチメント12とアーム13とを分離してもよい。解体前の第1分解工程におけるバックホー10の分解手順は、図2に示す解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一であるから、図2の分解手順の説明を援用することでその説明は省略する。
【0085】
この解体工法では、バックホー10の分解と並行して複数本のH型部材28(支持部材)と複数枚の板部材29(走行板)(図16参照)とをエレベーター27に載せ、それら部材28,29をエレベーター27によって地上階から上層階または地下階に運び、それら部材28,29を上層階30または地下階31の解体箇所32(解体対象室)に搬送する。それら部材28,29を解体箇所32に搬送した後、それらH型部材28を解体箇所32において梁の間に架け渡し(支持部材設置工程)、さらに、H型部材28の上にそれら板部材29を載置し(走行板設置工程)、バックホー10の走行用足場33を作る。
【0086】
H型部材28には、強化プラスチックから作られたそれを使用することが好ましいが、H型鋼を使用することもできる。また、支持部材には、H型部材28の他に、角形部材(角形鋼管)、円形部材(円形鋼管)、山形部材(山形鋼)、溝形部材(溝形鋼)、C形部材(C形鋼)のいずれかを使用することもできる。板部材29には、鉄製のそれの他、強化プラスチックや木製のそれを使用することができる。なお、上層階30や地下階31の解体箇所32がバックホー10の荷重に耐えられる構造であれば、支持部材設置工程や走行板設置工程を省くこともできる。
【0087】
バックホー10を各部品12〜18に分解した後、それら部品12〜18を建造物26に設置されたエレベーター27に載せる(解体前部品第1載置工程)。バックホー10のそれら部品12〜18は、建造物26の外部から進入箇所(出入口や外壁を解体した進入口)を通って建造物26の内部に搬送されるとともに、建造物26の通路を通ってエレベーター27の内部に順に搬送された後、エレベーター27によって地上階から解体箇所32がある上層階30または地下階31に運ばれる。
【0088】
図13では、エレベーター27の内部に運転席旋回ユニット15と駆動系ユニット16とが載せられ、図14では、エレベーター27の内部にアタッチメント12が接続されたアーム13およびブーム14とキャノピー18とが載せられているとともに、図15では、エレベーター27の内部に一対のクローラユニット17と連結プレート22とが載せられている。なお、エレベーター27の内部に載せられる限度において、載せる部品12〜18(連結プレート22を含む)の組み合わせを自由に変えることができる。図13〜図15では各部品12〜18がそのままエレベーター27の内部に載せられているが、通常はそれら部品12〜18が台車(図示せず)に載せられた状態でエレベーター27の内部に載せられる。
【0089】
それら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を建造物26の地上階から解体対象の上層階30に上げ、それら部品12〜18をエレベーター27から降ろして上層階30の解体箇所32に搬送する(解体前部品第1搬送工程)。または、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を建造物26の地上階から解体対象の地下階31に下ろし、それら部品12〜18をエレベーター27から降ろして地下階31の解体箇所32に搬送する(解体前部品第1搬送工程)。それら部品12〜18は、エレベーター27から降ろされた後、上層階30または地下階31の通路を通って解体箇所32に搬送され、上層階30や地下階31の解体箇所32(解体対象室の走行用足場33)に集められる。
【0090】
バックホー10を分解した各部品12〜18は、建造物26の出入口や進入口を通ることができる大きさであり、建造物26の通路を通ることができる大きさであるから、それら部品12〜18を建造物26の外部からエレベーター27まで搬送することができる。また、各部品12〜18は、エレベーター27に納まる大きさであるから、それら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せることができ、エレベーター27によってそれら部品12〜18を建造物26の上層階30へ上げることができるとともに、地下階31に下ろすことができる。各部品12〜18は、建造物26の上層階30または地下階31の通路を通ることができる大きさであるから、それら部品12〜18を上層階30または地下階31の解体箇所32に搬送することができる。
【0091】
それら部品12〜18を上層階30または地下階31の解体箇所32に運んだ後、それら部品12〜18からバックホー10を組み立てる(解体前第1組立工程)。解体前の第1組立工程では、図18に示すように、解体対象の上層階30または地下階31の解体箇所32に搬送されたそれら部品12〜18を組み合わせ、バックホー10を組み立てる。解体前の第1組立工程におけるバックホー10の組立手順は、図1の解体工法の解体前組立工程において説明したそれと同一であるから、図1の組立手順の説明を援用することでその説明は省略する。
【0092】
バックホー10を組み立てた後、運転者(解体作業者)は、既設建造物26の上層階30における解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第1解体工程)。または、建造物26の地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第1解体工程)。第1解体工程では、組み立てたバックホー10のアーム13の先端に各種の解体用アタッチメント12を取り付けた後、それらアタッチメント12を利用して建造物26の内部の上層階30または地下階31の解体箇所32の内装や壁、スラブを解体する。第1解体工程では、駆動系ユニット16から延びるケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んだ後、運転者(解体作業者)がバックホー10の運転席に乗り、運転者がバックホー10を走行用足場33において運転し、運転席旋回ユニット15を旋回させつつ、アタッチメント12を作動させて内装や壁、スラブの解体作業を行う(図6〜図8援用)。上層階30や地下階31の解体箇所32を解体した後に発生した解体物は、解体作業員が猫車(手押し車)等を使用して屋外に搬送する。
【0093】
所定の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後、解体箇所32においてバックホー10を再び分解する(解体前第2分解工程)。または、所定の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後、バックホー10を運転してバックホー10をエレベーター27前(エレベーターホール)に移動させ、エレベーター27前においてバックホー10を再び分解する(解体前第2分解工程)。解体前の第2分解工程におけるバックホーの分解手順は、図2に示す解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一である。
【0094】
なお、上層階30または地下階31の同一階における多数の室を同時に解体する場合、上層階30または地下階31の同一階における通路やホール等を解体する場合はそれら室や通路、ホール等が解体対象の解体箇所32となる。多数の室を同時に解体する場合は、一室を解体した後、バックホー10を運転して他の室にバックホー10を走行させ、その室の内装や壁、スラブの解体を行う。室と同時に通路、ホール等を解体する場合は、室を解体した後、バックホー10を運転して解体対象の通路、ホール等にバックホー10を走行させ、通路、ホール等の内装や壁、スラブの解体を行う。
【0095】
解体箇所32においてバックホー10を各部品12〜18に分解した後、内装や壁、スラブを解体済みの上層階30または地下階31のエレベーター27にそれら部品12〜18を搬送し、それら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せる(解体前部品第2載置工程)。エレベーター27前においてバックホー10を分解した場合は、分解後にそれら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せる(解体前部品第2載置工程)。バックホー10のそれら部品12〜18は、上層階30または地下階31からエレベーター27の内部に順に搬送された後、エレベーター27によって次の解体対象の上層階30や地下階31に運ばれる。
【0096】
それら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を次の解体対象の上層階30に上げまたは次の解体対象の上層階30に下げ、それら部品12〜18をエレベーター27から降ろして次の上層階30の解体箇所32に搬送する(解体前部品第2搬送工程)。または、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を次の解体対象の地下階31に上げまたは次の解体対象の地下階31に下げ、それら部品12〜18をエレベーター27から降ろして次の地下階31の解体箇所32に搬送する(解体前部品第2搬送工程)。それら部品12〜18は、エレベーター27から降ろされた後、次の解体対象の上層階30または地下階31の通路を通って解体箇所32に搬送され、上層階30や地下階31の解体箇所31(解体対象室の走行用足場33)に集められる。
【0097】
なお、所定の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後、バックホー10の分解と並行し、H型部材28(支持部材)や板部材29(走行板)を回収し、エレベーター27を利用してH型部材28や板部材29を次の解体対象の上層階30または地下階31の解体箇所32に運び、それらH型部材28を解体箇所32において梁の間に架け渡し(支持部材設置工程)、さらに、H型部材28の上にそれら板部材29を載置し(走行板設置工程)、バックホー10の走行用足場33を作る。
【0098】
それら部品12〜18を次の解体対象の上層階30または地下階31の解体箇所32に運んだ後、それら部品12〜18からバックホー10を組み立てる(解体前第2組立工程)。解体前の第2組立工程では、次の解体対象の上層階30または地下階31の解体箇所32に搬送されたそれら部品12〜18を組み合わせ、バックホー10を組み立てる。解体前の第2組立工程におけるバックホー10の組立手順は、図1の解体工法の解体前組立工程において説明したそれと同一である。
【0099】
バックホー10を組み立てた後、その上層階30(次の解体対象の上層階30)の解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第2解体工程)。または、その地下階31(次の解体対象の地下階31)の解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第2解体工程)。解体工程では、組み立てたバックホー10のアーム13の先端に各種の解体用アタッチメント12を取り付けた後、それらアタッチメント12を利用して建造物26の内部の上層階30または地下階31の解体箇所32の内装や壁、スラブを解体する。第2解体工程では、駆動系ユニット16から延びるケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んだ後、運転者(解体作業者)がバックホー10の運転席に乗り、運転者がバックホー10を走行用足場33において運転し、運転席旋回ユニット15を旋回させつつ、アタッチメント12を作動させて内装や壁、スラブの解体作業を行う(図6〜図8援用)。次の解体対象の上層階30や地下階31の解体箇所32を解体した後に発生した解体物は、解体作業員が猫車(手押し車)等を使用して屋外に搬送する。
【0100】
この解体工法では、部品第2分解工程、部品第2載置工程、部品第2搬送工程、第2組立工程、第2解体工程を繰り返すことによって、解体対象の全ての上層階30の全ての解体箇所32の内装や壁、スラブの解体を行い、解体対象の全ての地下階31の全ての解体箇所32の内装や壁、スラブの解体を行う。解体対象の全ての上層階30または全ての地下階31の解体箇所32の解体を行った後、最後の解体箇所32においてバックホー10を再び分解する(解体後分解工程)。または、解体対象の全ての上層階30または全ての地下階31の解体箇所32の解体を行った後、バックホー10を運転してバックホー10をエレベーター27前(エレベーターホール)に移動させ、エレベーター27前においてバックホー10を再び分解する(解体後分解工程)。解体後の分解工程におけるバックホー10の分解手順は、図2に示す解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一である。
【0101】
バックホー10を各部品12〜18に分解した後、最後の解体対象の上層階30または地下階31のエレベーター27にそれら部品12〜18を搬送し、それら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せる(解体後部品載置工程)。バックホー10のそれら部品12〜18は、上層階30または地下階31からエレベーター27の内部に順に搬送された後、エレベーター27によって地上階に運ばれる。それら部品12〜18をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を上層階30から地上階に下げ、それら部品12〜18をエレベーター27から降ろして建造物26の外部に搬送する(解体後部品搬送工程)。または、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を地下階31から地上階に上げ、それら部品12〜18をエレベーター27から降ろして建造物26の外部に搬送する(解体後部品搬送工程)。
【0102】
なお、建造物26の地上階の解体箇所の内装や壁、スラブの解体を行う場合は、上層階30または地下階31の内装や壁、スラブの解体手順と同様の手順で解体作業を行う。この場合、先に地上階の解体作業を行うかまたは上層階30または地下階31の解体作業を行った後に地上階の解体作業を行う。最後に地上階の解体作業を行った場合は、解体完了後にバックホー10を分解し、各部品12〜18を建造物26の外部に搬送する。
【0103】
解体後の部品搬送工程では、分解されたバックホー10の各部品12〜18がエレベーター27から建造物26の出入口や進入口を通って建造物26の外部に搬送される。建造物26の外部に各部品12〜18を搬送した後、それら部品12〜18を組み合わせてバックホー10を再び組み立てる(解体後組立工程)。解体後の組立工程におけるバックホー10の組立手順は、図1の解体工法の解体前組立工程において説明したそれと同一である。
【0104】
図11に示す解体工法(第2,3の発明にかかる解体工法)は、電動機によって駆動するバックホー10を所定の部品12〜18毎に分解し、それら部品12〜18を既設建造物26に設置されたエレベーター27に載せ、エレベーター27を利用してそれら部品12〜18を建造物26の地上階から解体対象の上層階30または地下階31に搬送するとともに、上層階30または地下階31においてそれら部品12〜18からバックホー10を組み立てた後、組み立てたバックホー10の解体用アタッチメント12を利用して上層階30または地下階31の解体箇所32の内装や壁、スラブを解体するから、エレベーター27を利用してバックホー10の各部品12〜18を建造物26の上層階30または地下階31に搬送することができ、バックホー10の搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホー10を速やかに建造物27の上層階30または地下階31に搬送することができる。解体工法は、既設建造物26の上層階30または地下階31における内装や壁、スラブの解体に組み立てたバックホー10を利用することができ、人手(多数の解体作業員の削岩機による解体)を介することなく上層階30または地下階31の内装や壁、スラブを解体することができる。
【0105】
解体工法は、既設建造物26が鉄筋コンクリート建造物や鉄筋鉄骨コンクリート建造物であったとしても、バックホー10を利用してそれらコンクリート建造物の上層階30または地下階31の内装や壁、スラブを容易に解体することができるから、コンクリート建造物を人手を介して解体を行う場合と比較し、建造物26の上層階30または地下階31における内装や壁、スラブの解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。解体工法は、バックホー10が電動機を駆動源としているから、それが内燃機関を駆動源とする場合と比較し、バックホー10が排気ガスを排出することはなく、上層階30または地下階31における解体作業中にバックホー10の運転者がガス中毒を起こす恐れもなく、バックホー10をフル稼動させて上層階30または地下階31における内装や壁、スラブの解体を行うことができる。また、内燃機関を駆動源とすると、その内燃機関が騒音を発するが、バックホー10が電動機を駆動源としているから、内燃機関を駆動源とする場合と比較し、建造物11の上層階30や地下階31の解体作業中における騒音を大幅に低減することができる。
【0106】
解体工法は、第1解体工程によって解体対象の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後にバックホー10を所定の部品12〜18毎に分解し、それら部品12〜18を建造物26に設置されたエレベーター27に載せ、解体済の上層階30または地下階31から次の解体対象の上層階30または地下階31にエレベーター27を利用してそれら部品12〜18を搬送するとともに、次の解体対象の上層階30または地下階31においてそれら部品12〜18からバックホー10を組み立てた後、組み立てたバックホー10の解体用アタッチメント12を利用して次の解体対象の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体するから、エレベーター27を利用してバックホー10の各部品12〜18を建造物26の次の解体対象の上層階30または地下階31に搬送することができ、バックホー10の他の上層階30または地下階31への搬送にかかる労力を軽減させることができるとともに、バックホー10を速やかに次の解体対象の上層階30または地下階31に搬送することができる。解体工法は、次の解体対象の上層階30または地下階31における内装や壁、スラブの解体に組み立てたバックホー10を利用することができ、人手(多数の解体作業員の削岩機による解体)を介することなく全ての上層階30または地下階31における全ての解体箇所32の内装や壁、スラブの解体を行うことができる。
【0107】
解体工法は、既設建造物26の次の解体対象の上層階30または地下階31における内装や壁、スラブの解体に組み立てたバックホー10を利用するから、人手を介して解体を行う場合と比較し、全ての解体対象の上層階30または地下階31の内装や壁、スラブの解体に要する労力や手間を大幅に低減することができ、解体作業に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、解体にかかる工期を大幅に短縮することができる。
【0108】
解体工法は、上層階30または地下階31の梁の間にH型部材28(支持部材)を架け渡し、H型部材28にバックホー10を走行させる板部材29(走行板)を載置した後、バックホー10を走行板29(走行用足場33)の上に走行させて上層階30または地下階31の解体箇所の内装や壁、スラブを解体するから、バックホー10の荷重(全重量)を建造物26のスラブに直接かけることなく、バックホー10の荷重を支持部材28や走行板29に負担させることができる。解体工法は、建造物26のスラブがバックホー10の重量に耐えきれずにそれらが抜け落ちることはなく、建造物26の上層階30または地下階31の内装や壁、スラブの解体を安全に行うことができる。なお、解体工法では、バックホー10の重量が1800〜2000kgの範囲にあり、バックホー10の接地圧が0.19〜0.21kg/cmの範囲にあるから、走行板29(走行用足場33)のみならず、建造物26のスラブに必要以上の負荷がかかることはなく、解体作業中におけるスラブの抜け落ちを防ぐことができる。
【0109】
図19は、バックホー本体25とアーム13およびブーム14との斜視図であり、図20は、エレベーター27に載せた状態で示すバックホー本体25の斜視図である。図21は、エレベーター27に載せた状態で示すアーム13およびブーム14との斜視図であり、図22は、解体箇所32(解体対象室)に載置したバックホー本体25とアーム13およびブーム14との斜視図である。図19では、地下を有する2階建て以上の建造物26の内装や壁、スラブの解体を示す。図22では、バックホー本体25やアーム13およびブーム14が上層階30または地下階31の解体箇所32に載置された状態を示す。
【0110】
図19に示す解体工法が図11のそれと異なるところは、バックホー10を各部品12〜18に細分解することなく、バックホー10からアーム13およびブーム14(アタッチメント12を含む)のみを取り外し、バックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する点にある。図19の解体工法は、図11のそれと同様に、解体前の第1分解工程、解体前の部品第1載置工程、支持部材設置工程、走行板設置工程、解体前の部品第1搬送工程、解体前の第1組立工程、第1解体工程、解体前の第2分解工程、解体前の部品第2載置工程、解体前の部品第2搬送工程、解体前の第2組立工程、第2解体工程、解体後の分解工程、解体後の部品載置工程、解体後の部品搬送工程、解体後の組立工程を実施する。
【0111】
内装や壁、スラブを解体する既設建造物26の近傍にバックホー10を搬送した後、そのバックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体前分解工程)。解体前の第1分解工程では、図19に示すように、既設建造物26の外部においてバックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解し、バックホー10を建造物26の内部に搬送可能かつ建造物26に設置されたエレベーター27の内部に載置可能な大きさに分解する。解体前の分解工程におけるバックホー10の分解手順は、図9に示す解体前の分解工程におけるバックホーのそれと同一であるから、図9の分解工程の説明を援用することでその説明は省略する。
【0112】
バックホー10の分解と並行して複数本のH型部材28(支持部材)と複数枚の板部材29(走行板)とをエレベーター27に載せ、それら部材28,29をエレベーター27によって地上階から上層階30または地下階31に運び、それら部材28,29を上層階30または地下階31の解体箇所32(解体対象室)に搬送する。それら部材28,29を解体箇所32に搬送した後、それらH型部材28を解体箇所32において梁の間に架け渡し(支持部材設置工程)、さらに、H型部材28の上にそれら板部材29を載置し(走行板設置工程)、バックホー10の走行用足場33を作る。H型部材28や板部材27は、図11の工法において利用するそれらと同一である。なお、図11の工法と同様に、上層階30や地下階31の解体箇所32がバックホー10の荷重に耐えられる構造であれば、支持部材設置工程や走行板設置工程を省くこともできる。
【0113】
バックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解した後、それらを建造物26に設置されたエレベーター27に載せる(解体前部品第1載置工程)。運転者(解体作業者)は、駆動系ユニット16から延びるケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んだ後、バックホー本体25を運転し、建造物26の外部から進入箇所を通って建造物26の内部を自走させ、バックホー本体25を建造物26の通路を通ってエレベーター27の内部に自走させる。バックホー本体25は、図20に示すように、エレベーター27によって地上階から解体箇所32がある上層階30または地下階31に運ばれる。
【0114】
バックホー本体25をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれを建造物26の地上階から解体対象の上層階30に上げ、それをエレベーター27から降ろして上層階30の解体箇所32に自走させる(解体前部品第1搬送工程)。または、エレベーター27を利用してバックホー本体25を建造物26の地上階から解体対象の地下階31に下ろし、それをエレベーター27から降ろして地下階31の解体箇所32に自走させる(解体前部品第1搬送工程)。運転者は、駆動系ユニット16から延びるケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んだ後、バックホー本体25を自走させてエレベーター27から降ろし、上層階30または地下階31の通路を通って解体箇所32に自走させる。
【0115】
アーム13およびブーム14は、建造物26の外部から進入箇所を通って建造物26の内部に搬送され、建造物26の通路を通ってエレベーター27の内部に順に搬送された後、図21に示すように、エレベーター27によって地上階から解体箇所32がある上層階30または地下階31に運ばれる。図21ではアーム13およびブーム14がそのままエレベーター27の内部に載せられているが、通常はアーム13およびブーム14が台車(図示せず)に載せられた状態でエレベーター27の内部に載せられる。
【0116】
アーム13およびブーム14をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれを建造物26の地上階から解体対象の上層階30に上げ、それをエレベーター27から降ろして上層階30の解体箇所32に搬送する(解体前部品第1搬送工程)。または、エレベーター27を利用してアーム13およびブーム14を建造物26の地上階から解体対象の地下階31に下ろし、それをエレベーター27から降ろして地下階31の解体箇所32に搬送する(解体前部品第1搬送工程)。
【0117】
バックホー本体25やアーム13およびブーム14は、建造物26の出入口や進入口を通ることができる大きさであり、建造物26の通路を通ることができる大きさであるから、バックホー本体25を建造物26の外部からエレベーター27まで自走させることができ、アーム13およびブーム14を建造物26の外部からエレベーター27まで搬送することができる。また、バックホー本体25やアーム13およびブーム14は、エレベーター27に納まる大きさであるから、それらをエレベーター27の内部に載せることができ、エレベーター27によってそれらを建造物26の上層階30へ上げることができるとともに、地下階31に下ろすことができる。バックホー本体25やアーム13およびブーム14は、建造物26の上層階30または地下階31の通路を通ることができる大きさであるから、バックホー本体25を上層階30または地下階31の解体箇所32に自走させることができ、アーム13およびブーム14を上層階30または地下階31の解体箇所32に搬送することができる。
【0118】
バックホー本体25やアーム13およびブーム14を上層階30または地下階31の解体箇所32に運んだ後、バックホー本体25にアーム13およびブーム14を取り付け、バックホー10を組み立てる(解体前第1組立工程)(図18援用)。または、上層階30または地下階31のエレベーター27前においてバックホー本体25にアーム13およびブーム14を取り付け、バックホー10を組み立てる(解体前第1組立工程)。解体前の第1組立工程におけるバックホー10の組立手順は、図9の解体工法の解体前第1組立工程において説明したそれと同一であるから、図9の組立手順の説明を援用することでその説明は省略する。エレベーター27前においてバックホー10を組み立てた場合は、バックホー10を上層階30または地下階31の解体箇所32に自走させる。
【0119】
バックホー10を組み立てた後、運転者(解体作業者)は、既設建造物26の上層階30における解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第1解体工程)。または、建造物26の地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第1解体工程)。第1解体工程では、組み立てたバックホー10のアーム13の先端に各種の解体用アタッチメント12を取り付けた後、運転者(解体作業者)がバックホー10の運転席に乗り、運転者がバックホー10を運転し、それらアタッチメント12を利用して建造物26の内部の上層階30または地下階31の解体箇所32の内装や壁、スラブを解体する(図6〜図8参照)。上層階30や地下階31の解体箇所32を解体した後に発生した解体物は、解体作業員が猫車(手押し車)等を使用して屋外に搬送する。
【0120】
所定の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後、解体箇所32においてバックホー10を再びバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体前第2分解工程)。または、所定の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後、バックホー110を運転してバックホー10をエレベーター27前(エレベーターホール)に移動させ、エレベーター27前においてバックホー10を再びバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体前第2分解工程)。解体前の第2分解工程におけるバックホー10の分解手順は、図9に示す解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一である。
【0121】
なお、上層階30または地下階31の同一階における多数の室を同時に解体する場合、上層階30または地下階31の同一階における通路やホール等を解体する場合はそれら室や通路、ホール等が解体対象の解体箇所32となる。多数の室を同時に解体する場合は、一室を解体した後、バックホー10を運転して他の室にバックホー10を走行させ、その室の内装や壁、スラブの解体を行う。室と同時に通路、ホール等を解体する場合は、室を解体した後、バックホー10を運転して解体対象の通路、ホール等にバックホー10を走行させ、通路、ホール等の内装や壁、スラブの解体を行う。
【0122】
解体箇所32においてバックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解した後、内装や壁、スラブを解体した上層階30または地下階31のエレベーター27にバックホー本体27を自走させ、アーム13およびブーム14を搬送し、それらをエレベーター27の内部に載せる(解体前部品第2載置工程)。エレベーター27前においてバックホー10を分解した場合は、分解後にバックホー本体25とアーム13およびブーム14とをエレベーター27の内部に載せる(解体前部品第2載置工程)。バックホー本体25やアーム13およびブーム14は、上層階30または地下階31からエレベーター27の内部に順に搬送された後、エレベーター27によって次の解体対象の上層階30や地下階31に運ばれる。
【0123】
バックホー本体10をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれを次の解体対象の上層階30に上げまたはそれを次の解体対象の上層階30に下げ、それをエレベーター27から降ろして上層階30の解体箇所32に自走させる(解体前部品第2搬送工程)。または、エレベーター27を利用してバックホー本体25を次の解体対象の地下階31に下げまたは次の解体対象の地下階31に上げ、それをエレベーター27から降ろして地下階31の解体箇所32に自走させる(解体前部品第2搬送工程)。運転者は、駆動系ユニット16から延びるケーブルのコンセントを建造物11の外部電源に差し込んだ後、バックホー本体25を自走させてエレベーター27から降ろし、次の解体対象の上層階30または地下階31の通路を通って解体箇所32に自走させる。
【0124】
アーム13およびブーム14をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれを次の解体対象の上層階30に上げまたはそれを次の解体対象の上層階30に下げ、それをエレベーター27から降ろして上層階30の解体箇所32に搬送する(解体前部品第2搬送工程)。または、エレベーター27を利用してアーム13およびブーム14を次の解体対象の地下階31に下げまたは次の解体対象の地下階31に上げ、それをエレベーター27から降ろして地下階31の解体箇所32に搬送する(解体前部品第2搬送工程)。
【0125】
なお、所定の上層階30または地下階31における解体箇所32の内装や壁、スラブを解体した後、バックホー10の分解と並行し、H型部材28(支持部材)や板部材29(走行板)を回収し、エレベーター27を利用してH型部材28や板部材29を次の解体対象の上層階30または地下階31の解体箇所32に運び、それらH型部材28を解体箇所32において梁の間に架け渡し(支持部材設置工程)、さらに、H型部材28の上にそれら板部材29を載置し(走行板設置工程)、バックホー10の走行用足場33を作る。
【0126】
バックホー本体10やアーム13およびブーム14を次の解体対象の上層階30または地下階31の解体箇所32に運んだ後、バックホー本体25にアーム13およびブーム14を取り付け、バックホー10を組み立てる(解体前第2組立工程)(図18援用)。または、次の解体対象の上層階30または地下階31のエレベーター27前においてバックホー本体25にアーム13およびブーム14を取り付け、バックホー10を組み立てる(解体前第2組立工程)。解体前の第2組立工程におけるバックホー10の組立手順は、図9の解体工法の解体前組立工程において説明したそれと同一である。エレベーター27前においてバックホー10を組み立てた場合は、バックホー10を上層階30または地下階31の解体箇所32に自走させる。
【0127】
バックホー10を組み立てた後、運転者(解体作業者)は、既設建造物26の上層階30(次の解体対象の上層階30)における解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第2解体工程)。または、建造物26の地下階31(次の解体対象の地下階31)における解体箇所32の内装や壁、スラブの解体作業を行う(第2解体工程)。第2解体工程では、組み立てたバックホー10のアーム13の先端に各種の解体用アタッチメント12を取り付けた後、運転者がバックホー10の運転席に乗り、運転者がバックホー10を運転し、それらアタッチメント12を利用して建造物26の内部の上層階30または地下階31の解体箇所32の内装や壁、スラブを解体する(図6〜図8参照)。上層階30や地下階31の解体箇所32を解体した後に発生した解体物は、解体作業員が猫車(手押し車)等を使用して屋外に搬送する。
【0128】
この解体工法では、部品第2分解工程、部品第2載置工程、部品第2搬送工程、第2組立工程、第2解体工程を繰り返すことによって、解体対象の全ての上層階30の全ての解体箇所32の内装や壁、スラブの解体を行い、解体対象の全ての地下階31の全ての解体箇所32の内装や壁、スラブの解体を行う。解体対象の全ての上層階30または全ての地下階31の解体箇所32の解体を行った後、最後の解体箇所32においてバックホー10を再びバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体後分解工程)。または、解体対象の全ての上層階30または全ての地下階31の解体箇所32の解体を行った後、バックホー10を運転してバックホー10をエレベーター27前(エレベーターホール)に移動させ、エレベーター27前においてバックホー10を再びバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解する(解体後分解工程)。解体後の分解工程におけるバックホー10の分解手順は、図9に示す解体前の分解工程におけるバックホー10のそれと同一である。
【0129】
最後の解体箇所32においてバックホー10をバックホー本体25とアーム13およびブーム14とに分解した後、解体済の上層階30または地下階31のエレベーター27にバックホー本体25を自走させ、アーム13およびブーム14を搬送し、それらをエレベーター27の内部に載せる(解体後部品載置工程)。エレベーター27前においてバックホー10を分解した場合は、分解後にバックホー本体25とアーム13およびブーム14とをエレベーター27の内部に載せる(解体後部品載置工程)。バックホー本体25やアーム13およびブーム14は、上層階30または地下階31からエレベーター27の内部に順に搬送された後、エレベーター27によって地上階に運ばれる。
【0130】
バックホー本体25をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれを上層階30から地上階に下げ、それをエレベーター27から降ろして建造物26の外部に自走させる(解体後部品搬送工程)。または、エレベーター27を利用してバックホー本体25を地下階31から地上階に上げ、それをエレベーター27から降ろして建造物26の外部に自走させる(解体後部品搬送工程)。アーム13およびブーム14をエレベーター27の内部に載せた後、エレベーター27を利用してそれを上層階30から地上階に下げ、それをエレベーター27から降ろして建造物26の外部に搬送する(解体後部品搬送工程)。または、エレベーター27を利用してアーム13およびブーム14を地下階31から地上階に上げ、それをエレベーター27から降ろして建造物26の外部に搬送する(解体後部品搬送工程)。
【0131】
なお、建造物26の地上階の解体箇所の内装や壁、スラブの解体を行う場合は、上層階30または地下階31の解体手順と同様の手順で解体作業を行う。この場合、先に地上階の解体作業を行うかまたは上層階30または地下階31の解体作業を行った後に地上階の解体作業を行う。最後に地上階の解体作業を行った場合は、解体完了後にバックホー10を分解し、バックホー本体25とアーム13およびブーム14とを建造物26の外部に搬送する。
【0132】
解体後の部品搬送工程では、バックホー本体25を自走させることで本体25がエレベーター27から建造物26の出入口や進入口を通って建造物26の外部に搬送され、アーム13およびブーム14がエレベーター27から建造物26の出入口や進入口を通って建造物26の外部に搬送される。建造物26の外部にバックホー本体25を自走させ、アーム13およびブーム14を搬送した後、バックホー本体25にアーム13およびブーム14を取り付けてバックホー10を再び組み立てる(解体後組立工程)。解体後の組立工程におけるバックホー10の組立手順は、図9の解体工法において説明したそれと同一である。
【0133】
図19に示す解体工法は、図11に示す解体工法が有する効果に加え、以下の効果を有する。この解体工法は、バックホー10のうちの最も嵩張るアーム13およびブーム14をバックホー10から取り外し、それによってバックホー10を建造物26の上層階30や地下階31に搬送することができれば、バックホー10の分解作業を大幅に軽減することができ、最も少ない分解作業でバックホー10を建造物26の上層階30や地下階31の内装や壁、スラブの解体に使用することができる。また、バックホー10の組立時にアーム13およびブーム14をバックホー本体25に接続するだけなので、バックホー10の組立作業を大幅に軽減することができ、最も少ない組立作業でバックホー10を建造物26の上層階30や地下階31の内装や壁、スラブの解体に使用することができる。解体工法は、バックホー本体25を自走させることで本体25を解体箇所32に移動させることができるから、バックホー10の解体箇所32への搬送に労力や時間がかからず、バックホー10を解体箇所32へ速やかに移動させることができる。
【符号の説明】
【0134】
10 バックホー
11 既設建造物
12 解体用アタッチメント
12a バケット(解体用アタッチメント)
12b 油圧ブレーカー(解体用アタッチメント)
12c 大割機(解体用アタッチメント)
12d 小割機(解体用アタッチメント)
13 アーム
14 ブーム
15 運転席旋回ユニット
16 駆動系ユニット
17 クローラユニット17(キャタピラーユニット)
18 キャノピー
24 解体箇所
25 バックホー本体
26 既設建造物
27 エレベーター
28 H方部材(支持部材)
29 板部材(走行板)
30 上層階
31 地下階
32 解体箇所
33 走行用足場


【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設建造物を解体する解体工法において、
前記解体工法が、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解する分解工程と、分解した後のそれら部品を前記建造物の進入箇所からその内部の解体箇所に搬送する部品搬送工程と、それら部品を前記建造物の内部において組み合わせて前記バックホーを組み立てる組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて前記建造物の内部の解体箇所を解体する解体工程とを有することを特徴とする解体工法。
【請求項2】
前記分解工程では、前記バックホーから少なくとも前記アタッチメントを接続したアームと前記アームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、前記組立工程では、前記アームと前記ブームとを取り付けて前記バックホーを組み立てる請求項1記載の解体工法。
【請求項3】
前記部品搬送工程では、前記アームと前記ブームとが取り外されたバックホーを運転して前記建造物の地上階の進入箇所からその内部の解体箇所へ向かって走行させる請求項2記載の解体工法。
【請求項4】
2階建て以上の既設建造物を解体する解体工法において、
前記解体工法が、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解する第1分解工程と、分解した後のそれら部品を前記建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第1載置工程と、前記エレベーターを利用してそれら部品を前記建造物の地上階から解体対象の上層階に搬送する部品第1搬送工程と、それら部品を解体対象の上層階において組み合わせて前記バックホーを組み立てる第1組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて解体対象の上層階の解体箇所を解体する第1解体工程とを有することを特徴とする解体工法。
【請求項5】
前記解体工法が、前記第1解体工程によって解体対象の上層階の解体箇所を解体した後に前記バックホーを所定の部品毎に分解する第2分解工程と、分解されたそれら部品を前記建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第2載置工程と、解体後の上層階から次の解体対象の上層階に前記エレベーターを利用してそれら部品を搬送する部品第2搬送工程と、それら部品を次の解体対象の上層階において組み合わせて前記バックホーを組み立てる第2組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて次の解体対象の上層階の解体箇所を解体する第2解体工程とを含む請求項4記載の解体工法。
【請求項6】
前記第1分解工程と前記第2分解工程とでは、前記バックホーから少なくとも前記アタッチメントを接続したアームと前記アームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、前記第1組立工程と前記第2組立工程とでは、解体対象の上層階において前記アームと前記ブームとを取り付けて前記バックホーを組み立てる請求項5記載の解体工法。
【請求項7】
前記部品第1搬送工程と前記部品第2搬送工程とでは、前記アームと前記ブームとが取り外されたバックホーを運転して前記建造物の地上階の進入箇所から前記エレベーターへ向かって走行させるとともに、前記バックホーを運転して前記上層階の解体箇所へ向かって走行させる請求項6記載の解体工法。
【請求項8】
前記解体工法が、前記上層階の互いに対向する梁の間に支持部材を架け渡す支持部材設置工程と、前記支持部材設置工程によって設置された支持部材に前記バックホーを走行させる走行板を載置する走行板設置工程とを含み、前記解体工法では、前記バックホーを前記走行板の上に走行させて前記上層階の解体箇所を解体する請求項4ないし請求項7いずれかに記載の解体工法。
【請求項9】
既設建造物の地下階を解体する解体工法において、
前記解体工法が、電動機によって駆動するバックホーを所定の部品毎に分解する第1分解工程と、分解した後のそれら部品を前記建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第1載置工程と、前記エレベーターを利用して前記建造物の地上階から解体対象の地下階にそれら部品を搬送する部品第1搬送工程と、それら部品を解体対象の地下階において組み合わせて前記バックホーを組み立てる第1組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて解体対象の地下階の解体箇所を解体する第1解体工程とを有することを特徴とする解体工法。
【請求項10】
前記解体工法が、前記第1解体工程によって解体対象の地下階の解体箇所を解体した後に前記バックホーを所定の部品毎に分解する第2分解工程と、分解されたそれら部品を前記建造物に設置されたエレベーターに載せる部品第2載置工程と、解体後の地下階から次の解体対象の地下階に前記エレベーターを利用してそれら部品を搬送する部品第2搬送工程と、それら部品を次の解体対象の地下階において組み合わせて前記バックホーを組み立てる第2組立工程と、組み立てたバックホーの各種の解体用アタッチメントを作動させて次の解体対象の地下階の解体箇所を解体する第2解体工程とを含む請求項9記載の解体工法。
【請求項11】
前記第1分解工程と前記第2分解工程とでは、前記バックホーから少なくとも前記アタッチメントを接続したアームと前記アームに連結されたブームとが着脱可能に取り外され、前記第1組立工程と前記第2組立工程とでは、解体対象の地下階において前記アームと前記ブームとを取り付けて前記バックホーを組み立てる請求項10記載の解体工法。
【請求項12】
前記部品第1搬送工程と前記部品第2搬送工程とでは、前記アームと前記ブームとが取り外されたバックホーを運転して前記建造物の地上階の進入箇所から前記エレベーターへ向かって走行させるとともに、前記バックホーを運転して前記地下階の解体箇所へ向かって走行させる請求項11記載の解体工法。
【請求項13】
前記解体工法が、前記地下階の互いに対向する梁の間に支持部材を架け渡す支持部材設置工程と、前記支持部材設置工程によって設置された支持部材に前記バックホーを走行させる走行板を載置する走行板設置工程とを含み、前記解体工法では、前記バックホーを前記走行板の上に走行させて前記地下階の解体箇所を解体する請求項9ないし請求項12いずれかに記載の解体工法。
【請求項14】
前記既設建造物の解体が、該既設建造物の内装の解体と該既設建造物の壁やスラブの解体とを含む請求項1ないし請求項13いずれかに記載の解体工法。
【請求項15】
前記既設建造物が、鉄筋コンクリート建造物または鉄筋鉄骨コンクリート建造物である請求項1ないし請求項13いずれかに記載の解体工法。
【請求項16】
前記バックホーを細分解した場合の部品が、前記解体用アタッチメント、前記アーム、前記ブーム、運転席旋回ユニット、駆動系ユニット、一対のクローラユニット、キャノピーである請求項1ないし請求項14いずれかに記載の解体工法。
【請求項17】
組み立てた前記バックホーの重量が、1800〜2000kgであり、組み立てた前記バックホーの接地圧が、0.19〜0.21kg/cmである請求項1ないし請求項15いずれかに記載の解体工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−184552(P2012−184552A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46811(P2011−46811)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510118101)株式会社丸高工業 (13)
【Fターム(参考)】