説明

触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための方法及び装置

本発明は、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための方法に関する。この目的のために、燃焼排ガスの2つの独立した副流を生成し、触媒との接触の前に混合する。燃焼排ガスの第一の副流を有利に内燃機関用燃料の燃焼により生じさせ、前記の第一の副流は燃焼排ガスの大部分を形成する。燃焼排ガスの第二の副流を、空気比を広範囲に調節することができるガス燃焼器を用いて生成する。前記の燃焼排ガスの第二の副流を第一の副流に混合することにより、全体の流れの組成を定義された様式に調節することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ガス浄化のための触媒の触媒活性及びエイジング挙動を測定するための方法及び装置に関する。
【0002】
内燃機関のための排気ガス浄化触媒に関する活性の研究は、通常モデルガスユニット内か又は直接エンジン上で実施される。
【0003】
モデルガスユニットは、試験すべき触媒を含む反応器、ガス混合装置及び分析ユニットを含む。ガス混合装置により、限定された数の種々のガス、例えば酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、一酸化窒素、気体の炭化水素及び水蒸気を混合して人工的な排気ガスを形成し、触媒による種々の汚染物質の変換率を試験することができる。しかしながら、欠点は、人工的な排気ガスでは内燃機関からの実際の排気ガスが十分に再現されないということにある。この理由のために、モデルガスの研究ではエンジン上での触媒の挙動に関する信頼性のある予測をもたらすことは不可能であり、従って開発段階の間の触媒調製における変化の影響を評価するためにのみ適当である。
【0004】
排気ガスの法令により要求されるエンジンにより放出される汚染物質のための特別な限度の厳守は、熟慮しながら触媒調製を個々のエンジンの型に適合させることによってのみ達成することができる。この目的のためにエンジンテストベンチを用いる。エンジンテストベンチは、熟慮された型のエンジンを、全てのその供給設備、制御要素、及び試験すべき触媒が配置された排気ガスユニットと一緒に含む。
【0005】
エンジンにおける試験は通常実際の排気ガス組成物を用いて行われるが、新規の触媒の開発の間の種々の触媒調製物の迅速な試験のためには限定的に適当であるに過ぎない。更に、エンジンテストベンチは取得、並びに運転及び維持に費用がかかる。エンジンテストベンチの他の欠点は、運転条件の不十分な再現性にある。更に、排気ガス組成物はエンジンが運転される出力レベルと相関関係にあり、このように他の試験パラメータに依存する。
【0006】
触媒のエイジングに対するモーター油の影響を決定するために、エンジンからの排気ガスを、燃焼器を用いてシミュレートすることが提案されてきた(Southwest Research Institute, San Antonio, Texasのresearch report 08-9217)。更に、燃焼器は排気ガスユニット全体に負荷させることができる熱負荷を研究するために使用される。
【0007】
本発明の課題の1つは、エンジンからの排気ガスを廉価に極めて現実的にシミュレートすること、及び触媒を試験するための再現性を可能にする、触媒活性を測定するための方法及び装置を提供することである。
【0008】
本発明によれば、前記課題は、高温燃焼排ガスの第一の副流と高温燃焼排ガスの第二の副流とを混合することにより、定義された汚染物質組成を有する高温燃焼排ガスの流れを生成することによって達成される。燃焼排ガスの全体の流れを試験すべき触媒に導通し、かつ触媒により達成された汚染物質の変換率を測定する。
【0009】
本発明によれば、燃焼排ガスの2つの副流を2つの独立した燃焼プロセスにより生成し、触媒との接触の前に混合する。燃焼排ガスの第一の副流は混合燃焼排ガスの質量流量の大部分を供給する。その加熱出力は通常10kWを上回る。その組成、特にその汚染物質の組成は実行可能な様式で狭い限度内でのみ変動し得る。定義された汚染物質の組成を調節することができるためには、燃焼排ガスの第一の副流を、容易に調整可能であるか又は調節可能である燃焼プロセスから生じる燃焼排ガスの第二のより少量の副流と混合する。
【0010】
高温燃焼排ガスの第一の副流の質量流量は、2つの副流の全質量流量の有利に60〜95%、特に80〜95%であり、有利に燃焼空気の第一の流れにおけるモーター燃料の燃焼により生成される。使用するモーター燃料は触媒の将来的な使用に相応すべきである。この理由のために、ディーゼル燃料はディーゼル触媒の試験のために使用され、かつ4サイクル燃料は4サイクルエンジンのための触媒を試験するために使用される。
【0011】
燃焼排ガスの第一の副流を形成するための燃焼プロセスは、極めて安定的な運転点で運転されるべきである。その空気比ラムダは有利に1を上回るように選択され、即ち、煤煙形成を回避する希薄な条件下で運転される。
【0012】
空気比ラムダは、化学量論的条件に標準化された空気/燃料比である。慣用のモーター燃料の化学量論的燃焼に関する空気/燃料比は約14.6であり、即ち燃料1キログラムの完全燃焼のために14.6キログラムの空気が必要とされる。この点での空気比ラムダは1である。1以下のラムダ値は濃厚であると呼称され、1を上回るラムダ値は希薄であると呼称される。
【0013】
第一の燃焼プロセスにおいて調節すべき空気比は本質的に試験すべき触媒の型に依存する。三元触媒を試験するためには、空気比は1の近傍でなければならない。ディーゼル触媒の活性を試験するためには、1.5及びそれを上回る空気比が必要とされる。特にこの応用分野において、単一の燃焼プロセスを用いた十分に高い汚染物質濃度の供給は事実上不可能である。
【0014】
燃焼排ガスの第二の副流は有利に燃焼空気の第二の流れにおける気体の炭化水素の燃焼により生成される。そのような燃焼プロセスは一般に液体燃料の燃焼よりも容易に調節することができる。この特性は混合排ガス流の汚染物質組成の定義された調節のために重要である。従って、そのような燃焼プロセスを濃厚な範囲内で一定の様式で運転することもできる。前記の燃焼プロセスにおける空気比のための有利な調節範囲は0.5〜3である。このようにして、形成された汚染物質成分(一酸化炭素、CO、炭化水素HC及び水素H)を適当な濃度で得ることができる。化学量論点からのずれがわずかであっても、結果的にパーセント範囲での汚染物質濃度が生じる。第二の燃焼プロセスの重要な課題は、混合排ガス中の汚染物質成分として十分な量の一酸化炭素を生成することである。
【0015】
混合燃焼排ガスの汚染物質組成に影響を与えるために、更に、特定の添加剤を燃焼空気及び個々の燃焼プロセスのための燃料に添加することができる。これらの添加物は例えば所望の濃度で個々の燃料に混合されていてよいか、又は燃焼プロセスに入る直前に燃料に添加することができる。
【0016】
燃焼排ガスの第一及び/又は第二の副流における窒素酸化物濃度を高めるためには、アンモニア又はアンモニア水を燃焼空気の第一及び/又は第二の流れに添加することが有利である。触媒活性及び触媒のエイジング安定性に対する毒作用元素、例えば鉛、亜鉛、燐、カルシウム及び硫黄の影響を試験するために、前記元素を適当な前駆体化合物の形で、例えばモーター油又は添加剤パッケージ(モーター油に混合された添加剤)の形で第一の燃焼プロセスのための燃料に添加することができる。
【0017】
第二の燃焼プロセスにおいて極端に濃厚な運転条件(ラムダ0.8未満)の場合、水を燃焼空気の第二の流れに添加し、煤煙形成を抑制することができる。燃焼排ガスにおける未燃焼の炭化水素の割合を増加させるために、酸化しにくい炭化水素を第二の燃焼プロセスの燃料又は排ガスに混合することができる。
【0018】
第一の燃焼プロセスにより、700℃を上回る比較的高い排ガス温度がもたらされる。2つの燃焼排ガスを混合した際に燃焼排ガスの第二の副流の酸化可能な成分が燃焼することのないように、2つの排ガス流を相互に混合する前に、燃焼排ガスの第一の副流の温度を例えば800℃以下〜200℃の値に低下させることができる。冷却により、生成されるガス混合物の温度が着火温度を上回らないことを保証しなければならない。
【0019】
排ガス温度は触媒の触媒活性の試験における重要なパラメータの1つである。従って、混合後の排ガスの温度を試験の要求に適合させ、かつ、触媒との接触前に排ガス温度を定義された値に調節することは有利である。これは、排ガスの後冷却か又は排ガス温度の再上昇を意味し得る。
【0020】
更に、前記プロセスは、炭化水素、油添加剤又は他の気体又は気化可能な成分を、触媒と接触させる前に混合排ガスに添加することを許容する。従って、SCR触媒の活性を試験するためにアンモニアを混合排ガスに添加することができる。
【0021】
本発明を更に詳細に以下で図1及び2及び実施例を用いて説明する。図において、
図1は提案されたプロセスを実施するための装置の可能な概略図を示し、
図2は種々の排ガス温度のための酸化触媒の下流での一酸化炭素の測定された放出量を示す。
【0022】
図1は、本発明の方法を実施するための装置(10)の可能な概略図を示す。該装置は燃焼排ガスの第一の副流を生成するための第一の燃焼器(30)を含む。該燃焼器は試験すべき触媒(20)が配置されている排ガス導管(40)を有する。本発明によれば、該装置は燃焼排ガスの第二の副流を生成するための第二の燃焼器(50)を含む。第二の燃焼器は、触媒(20)の上流の箇所(70)で第一の燃焼器(30)の排ガス導管(40)に開口している排ガス導管(60)を有する。
【0023】
第一の燃焼器(30)は有利に液体燃料燃焼器として構成されており、該液体燃料燃焼器に、供給導管(32)を通じて燃料としてのモーター燃料が供給され、かつ供給導管(31)を通じて燃焼空気の第一の流れが供給される。第二の燃焼器(50)は有利にガス燃焼器として構成されており、該ガス燃焼器に、供給導管(52)を通じて気体燃料が供給され、かつ供給導管(51)を通じて燃焼空気の第二の流れが供給される。
【0024】
燃焼排ガスの空気比を調節するために、2つの排ガス導管(40)及び(60)のそれぞれにラムダ検知器(41)及び(61)が配置されており、該検知器は適当な調節循環路を経て空気比を調節するために使用される。
【0025】
第二の燃焼器の排ガス導管が第一の燃焼器の排ガス導管に接続する点の上流において、熱交換器(42)が第一の燃焼器の排ガス導管内に配置されている。前記の熱交換器は第一の燃焼器の総じて極めて高い排ガス温度を800℃以下の値に低下させるため、第二の燃焼器の排ガス組成に対する第一の燃焼器の影響を低下させる。この冷却工程を調節するために、温度センサ(43)が熱交換器の下流に設置されている。
【0026】
触媒(20)の直前で排ガス導管内に配置されている他の熱交換器(44)を用いて、排ガス温度を触媒の試験要求に適合させる。温度センサ(45)は排ガスが触媒に進入する前の排ガス温度を測定する。触媒により達成される汚染物質変換率を分析するために、適当な汚染物質センサ(Q1)及び(Q2)又は分析設備が触媒の上流及び下流に配置されている。
【0027】
図1の例により示された装置を用いて、上記で提案された方法を実施することができる。第一の燃焼器は、有意の排ガス(排気ガス)成分に関してエンジンにより生成されるのと同様の特性を有する排ガス流を生成するのに役立つ。該燃焼器をエンジンの典型的な燃料を用いて運転することが有利である。しかしながら、該燃焼器を用いて意図的に汚染物質濃度を調節することは困難である。更に、該燃焼器中での高い燃焼温度のために、汚染物質濃度、特にCO濃度及びHC濃度はエンジンの典型的な範囲内にはない。
【0028】
第二の燃焼器は著しくより低い出力の燃焼器である。該燃焼器の課題は、”濃厚な”排ガス条件下でCO及びHCを生成することである。これはガス燃焼器(液化石油ガス、天然ガス及び類似の炭素誘導燃料ガス)を用いて極めて容易に達成することができる。そのようなガス燃焼器は種々の空気比で安定的に運転することができる。
【0029】
接続部(70)の下流のガス混合物の組成は、種々の体積流量及びガス濃度に基づき広範囲で極めて安定的に調節することができる。
【0030】
その柔軟性のために、提案された方法によって、エンジンでは達成が極めて困難である汚染物質組成、排ガスの質量流量及び温度に関する試験範囲が提供される。上記の方法及び装置の典型的な適用は、開発段階の間の触媒研究及び触媒モデル化及び制御システムプログラミングのための触媒マッピングの準備である。
【0031】
2つの燃焼器の本発明による使用により、エンジン排気ガスを高い再現性でシミュレートすることが可能となる。
【0032】
実施例:
一酸化炭素の酸化に関するディーゼル酸化触媒の活性を、本発明による方法を用いて、排ガスの温度との関数として試験した。
【0033】
触媒は、ハニカム1リットル当たり3.2g(90g/ft)の白金負荷を有する白金含有被覆で被覆された、62cm−2(400cpsi)のセル密度及び0.2mm(8ミル)の流路の壁厚を有するコージエライトハニカム担体を含有していた。触媒を新しい状態で試験した。
【0034】
この目的のために、第一の燃焼器を定常状態で加熱出力30kW及び空気比1.5で運転した。空気の質量流量は56.5kg/hであった。燃料としてディーゼル燃料を使用した。第二の燃焼器を液化石油ガスを用いて運転した。その加熱出力は3kW、即ち第一の燃焼器の加熱出力のたった10%であった。300vppm(NDIR分析器を用いて測定した)のCO含分を有する排ガスを生成した。
【0035】
測定の全所用時間の間、熱交換器(44)の上流の混合排ガスの温度は364℃であった。排ガスが触媒に進入する前に、排ガスを熱交換器(44)を用いて約6℃/分の速度で250℃から70℃に冷却した。触媒を去った後、排ガス中に存在する一酸化炭素の濃度を測定した。触媒上での空間速度は測定の間約61000h−1であった。
【0036】
この空間速度は、典型的なエンジンテストベンチにおける触媒活性を測定するために使用されるような標準的な着火試験と比較可能な規模のオーダーの空間速度である。しかしながら、エンジン試験の際には温度は一般的に負荷変化により調節されるのに対して、温度とは無関係の汚染物質ガス濃度の定義された調節の付加的な原則的な利点が存在する。この負荷変化は放出変化をももたらす。
【0037】
この測定の結果を図2に示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による方法を実施するための装置の可能な概略図。
【図2】種々の排ガス温度のための酸化触媒の下流での一酸化炭素の測定された放出量を示す図。
【符号の説明】
【0039】
10 装置、 20 触媒、 30 第一の燃焼器、 31 供給導管、 32 供給導管、 40 排ガス導管、 41 ラムダ検知器、 42 第一の熱交換器、 43 第一の温度センサ、 44 第二の熱交換器、 45 第二の温度センサ、 50 第二の燃焼器、 51 供給導管、 52 供給導管、 60 排ガス導管、 61 ラムダ検知器、 70 接続部、 Q1 汚染物質センサ、 Q2 汚染物質センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための方法において、高温燃焼排ガスの第一の副流と高温燃焼排ガスの第二の副流とを混合することにより定義された汚染物質組成を有する高温燃焼排ガスの流れを生成し、燃焼排ガスを試験すべき触媒に導通し、かつ触媒により達成された汚染物質の変換率を測定することによる、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための方法。
【請求項2】
高温燃焼排ガスの第一の副流が2つの副流の全質量流量の60〜95%を構成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
高温燃焼排ガスの第一の副流を燃焼空気の第一の流れにおけるモーター燃料の燃焼により生成し、高温燃焼排ガスの第二の副流を燃焼空気の第二の流れにおける気体の炭化水素の燃焼により生成する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
高温燃焼排ガスの第一の副流が1を上回る空気比ラムダを有する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
アンモニア又はアンモニア水を燃焼空気の第一及び/又は第二の流れに導入し、燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度を増加させる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前駆体化合物の形の毒作用元素をモーター燃料に添加する、請求項4記載の方法。
【請求項7】
燃焼排ガスの第二の副流の空気比ラムダを0.5〜3の範囲内の値に調節する、請求項3記載の方法。
【請求項8】
水を燃焼空気の第二の流れに導入し、極端に濃厚な運転条件の場合の煤煙形成を回避する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
酸化しにくい炭化水素を気体の炭化水素に添加する、請求項7記載の方法。
【請求項10】
燃焼排ガスの第一の副流の温度を、燃焼排ガスの第二の副流と混合する前に800〜200℃の範囲内の値に低下させる、請求項3記載の方法。
【請求項11】
炭化水素、油添加物又は他の気体又は気化可能な成分を、触媒と接触させる前に混合燃焼排ガスに添加する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
混合燃焼排ガスの温度を、触媒との接触の前に、定義された値に調節する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
触媒(20)の活性及びエイジング挙動を測定するための装置(10)において、前記装置(10)が、触媒が配置されている排ガス導管(40)を有する第一の燃焼器(30)を有し、前記装置(10)が更に、触媒(20)の上流で第一の燃焼器(30)の排ガス導管(40)に開口している排ガス導管(60)を有する第二の燃焼器(50)を有することを特徴とする、触媒(20)の活性及びエイジング挙動を測定するための装置(10)。
【請求項14】
第一の燃焼器(30)が液体燃料燃焼器であり、前記の液体燃料燃焼器に、供給導管(32)を通じて燃料としてのモーター燃料が供給され、かつ供給導管(31)を通じて燃焼空気の第一の流れが供給される、請求項13記載の装置。
【請求項15】
第二の燃焼器(50)がガス燃焼器であり、前記のガス燃焼器に、供給導管(52)を通じて気体燃料が供給され、かつ供給導管(51)を通じて燃焼空気の第二の流れが供給される、請求項14記載の装置。
【請求項16】
双方の排ガス導管がラムダ検知器(41)及び(61)を含む、請求項15記載の装置。
【請求項17】
第一の熱交換器(42)及び第一の温度センサ(43)が第一の燃焼器の排ガス導管内において第二の燃焼器の排ガス導管との接続部の上流に設置されている、請求項16記載の装置。
【請求項18】
第二の熱交換器(44)及び第二の温度センサ(45)が第一の燃焼器の排ガス導管内において第二の燃焼器の排ガス導管との接続部の下流に設置されている、請求項17記載の装置。
【請求項19】
特に請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実施するための、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための装置において、
定義された汚染物質組成を有する高温燃焼排ガスの流れを生成するための設備、その際、生成設備は、高温燃焼排ガスの第一の副流を供給するための第一の設備、高温燃焼排ガスの第二の副流を供給するための第二の設備、及び第一の副流と第二の副流とを混合するための設備を有する、及び
燃焼排ガスを試験すべき触媒に導通するための設備、及び
触媒により達成された汚染物質の変換率を測定するための装置
を含むことを特徴とする、特に請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実施するための、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための方法において、2つの独立した燃焼プロセスにより燃焼排ガスの第一の副流と第二の副流とを生成し、かつ高温燃焼排ガスの第一の副流と高温燃焼排ガスの第二の副流とを混合することにより定義された汚染物質組成を有する高温燃焼排ガスの流れを生成し、燃焼排ガスを試験すべき触媒に導通し、かつ触媒により達成された汚染物質の変換率を測定することによる、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための方法。
【請求項2】
高温燃焼排ガスの第一の副流が2つの副流の全質量流量の60〜95%を構成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
高温燃焼排ガスの第一の副流を燃焼空気の第一の流れにおけるモーター燃料の燃焼により生成し、高温燃焼排ガスの第二の副流を燃焼空気の第二の流れにおける気体の炭化水素の燃焼により生成する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
高温燃焼排ガスの第一の副流が1を上回る空気比ラムダを有する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
アンモニア又はアンモニア水を燃焼空気の第一及び/又は第二の流れに導入し、燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度を増加させる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前駆体化合物の形の毒作用元素をモーター燃料に添加する、請求項4記載の方法。
【請求項7】
燃焼排ガスの第二の副流の空気比ラムダを0.5〜3の範囲内の値に調節する、請求項3記載の方法。
【請求項8】
水を燃焼空気の第二の流れに導入し、極端に濃厚な運転条件の場合の煤煙形成を回避する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
酸化しにくい炭化水素を気体の炭化水素に添加する、請求項7記載の方法。
【請求項10】
燃焼排ガスの第一の副流の温度を、燃焼排ガスの第二の副流と混合する前に800〜200℃の範囲内の値に低下させる、請求項3記載の方法。
【請求項11】
炭化水素、油添加物又は他の気体又は気化可能な成分を、触媒と接触させる前に混合燃焼排ガスに添加する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
混合燃焼排ガスの温度を、触媒との接触の前に、定義された値に調節する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
触媒(20)の活性及びエイジング挙動を測定するための装置(10)において、前記装置(10)が、触媒が配置されている排ガス導管(40)を有する第一の燃焼器(30)を有し、前記装置(10)が更に、触媒(20)の上流で第一の燃焼器(30)の排ガス導管(40)に開口している排ガス導管(60)を有する第二の燃焼器(50)を有することを特徴とする、触媒(20)の活性及びエイジング挙動を測定するための装置(10)。
【請求項14】
第一の燃焼器(30)が液体燃料燃焼器であり、前記の液体燃料燃焼器に、供給導管(32)を通じて燃料としてのモーター燃料が供給され、かつ供給導管(31)を通じて燃焼空気の第一の流れが供給される、請求項13記載の装置。
【請求項15】
第二の燃焼器(50)がガス燃焼器であり、前記のガス燃焼器に、供給導管(52)を通じて気体燃料が供給され、かつ供給導管(51)を通じて燃焼空気の第二の流れが供給される、請求項14記載の装置。
【請求項16】
双方の排ガス導管がラムダ検知器(41)及び(61)を含む、請求項15記載の装置。
【請求項17】
第一の熱交換器(42)及び第一の温度センサ(43)が第一の燃焼器の排ガス導管内において第二の燃焼器の排ガス導管との接続部の上流に設置されている、請求項16記載の装置。
【請求項18】
第二の熱交換器(44)及び第二の温度センサ(45)が第一の燃焼器の排ガス導管内において第二の燃焼器の排ガス導管との接続部の下流に設置されている、請求項17記載の装置。
【請求項19】
特に請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実施するための、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための装置において、
定義された汚染物質組成を有する高温燃焼排ガスの流れを生成するための設備、その際、生成設備は、高温燃焼排ガスの第一の副流を供給するための第一の設備、前記の第一の設備とは独立した、高温燃焼排ガスの第二の副流を供給するための第二の設備、及び第一の副流と第二の副流とを混合するための設備を有する、及び
燃焼排ガスを試験すべき触媒に導通するための設備、及び
触媒により達成された汚染物質の変換率を測定するための装置
を含むことを特徴とする、特に請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実施するための、触媒の活性及びエイジング挙動を測定するための装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−526772(P2006−526772A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508263(P2006−508263)
【出願日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006005
【国際公開番号】WO2004/109061
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(501399500)ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (139)
【氏名又は名称原語表記】Umicore AG & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Rodenbacher Chaussee 4、D−63457 Hanau、Germany
【Fターム(参考)】