説明

計器を有するドリルストリング要素

【解決手段】
長手方向に内側表面(15)を画定した細長いチューブ状体(2)を備え、このチューブ状体(2)が少なくとも1個の回転部(18)を有し、且つ前記細長いチューブ状体(2)に設けられた第1の孔(27、37)を有するドリルストリング要素(1)。前記第1の孔は、前記回転部(18)で開口する第1の端部を有すると共に、当該第1の端部近傍に交差位置で前記内側表面(15)と交差する長手方向軸を有する。前記長手方向軸は、前記回転部(18)の中心軸(14)を通過し且つ前記交差位置を含む第1の平面への投影において、ゼロ以外の値の第1の角度を形成し、前記交差位置で前記内側表面に接線方向である第2の平面への投影において、ゼロ以外の値の第2の角度を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリルストリング要素及びそのような要素から構成されるドリルストリングに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の要素は、掘削、特に石油の採掘の分野で使用され、油井の地表面からその底部に延びるドリルストリングを形成する。
【0003】
これらの要素は、特に、ドリルパイプ、厚肉ドリルパイプ及びドリルカラーからなる。米国石油協会(即ち「API」)の規格では、例えばそのような要素が定義されている。
【0004】
掘削作業の過程では、新しい要素を既にドリルストリングに存在する要素に当接関係で接続してドリルストリングを延長し、更に深くまで掘削を続ける。
【0005】
現在は、測定デバイスをドリルストリングに配置し、掘削井戸やその環境又はドリルストリング自体に関するある特定の物理的パラメータを測定する。これらのデバイスは、様々な種類のものが考えられるが、特に、ドリルストリングの下端近傍に配置される。
【0006】
場合によってはメモリシステムを測定デバイスに関係させて測定結果を記録することが出来る。
【0007】
測定デバイス及びメモリシステムの動作には電気エネルギーが必要である。
【0008】
従って、従来的には、電池及び/又はタービン型の発電機が測定デバイスに追加される。必要に応じて、ドリルストリングの要素中を循環する掘削流体の流れによってタービンを回転させる。
【0009】
一方、ドリルストリング全体を掘削井戸の地表面に引き揚げることなく、取得した測定結果を前記地表面に伝達するのがよい。
【0010】
そのために、テレメトリデバイスを油井内に配置して使用することが出来る。例えば、超低周波で動作する電磁気デバイスを使用することが出来る。
【0011】
ドリルストリング内部を循環する掘削流体の圧力及び/又は流量における変化を前記地表面で検出出来る様に、その流れを調節することも出来る。
【0012】
電気エネルギーを供給し測定データを得るための従来のデバイスにおいては、新たな要素がこの構造に接合されるたびに、特に、加えられる負荷に対する抵抗やドリルストリングに沿って異なる要素が互いに接続する複雑な構造といった多くの様々な周知の不利益に悩まされている。
【0013】
最終的に、電力及び測定信号を送る単純な方法は、固定電線型の導電性要素を使用することであり、従って、ドリルストリング要素内にこれらの導体要素を収容するための様々な配置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開番号2006/0225926
【特許文献2】米国特許出願公開番号2005/0092499
【特許文献3】米国特許第4,095,865号
【特許文献4】米国特許第6,670,880号
【特許文献5】米国特許第6,641,434号
【特許文献6】仏国特許出願番号08/00942
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、それらの配置は、例えば、要素同士の可逆的且つ容易な接続や、ねじり、曲げ、圧縮或いは引張荷重、不測の衝撃及び振動或いは掘削流体による浸食への耐性等、特定の要求を満たす必要がある。
【0016】
米国特許出願公開番号2006/0225926は、ケーブルを備えたドリルストリング要素を開示している。
【0017】
そのドリルストリング要素はチューブ状である。そのケーブルは、チューブ壁内に配置された通路に収容されることもあれば、その壁に当接してチューブの内側に配置されることもある。チューブの長手方向両端部近傍に電磁結合要素が配置され、このケーブルからドリルストリング内で隣接する同様のチューブのケーブルへデータを送信する。例えばハイドロフォーミングによってチューブの内壁に対して強固に印加されたチューブ状シースによって、このケーブルは保護される。このようなシースは製造が困難で高価であることが分かっている。
【0018】
米国特許出願公開番号2005/0092499及び米国特許第4,095,865号では、チューブ形状のドリルストリング要素が、保護導管の内側に配置されたケーブル要素を備える。保護導管は、チューブに沿って螺旋構造に延びるようチューブの内壁に接触して配置されたシースの形状をしている。シースは、チューブの両端に配置され且つチューブの中心軸と平行に延びる通路を経由してチューブの内側に挿入される。この螺旋形状は、ケーブルに、特に、引張及び圧縮荷重に対する非常に良好な耐性を付与する。
【0019】
このような配置は、孔の螺旋配置から直線配置への移行時に、応力集中を誘発する。加えて、シースを螺旋構造に整形するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、この状況を改善することを目的とする。この目的のために、長手方向に内側表面を画定する細長いチューブ状体を備え、このチューブ状体が、少なくとも1個の回転部を有し、前記細長いチューブ状体内に設けられ且つ前記回転部で開口する第1の端部を有する第1の孔を有し、前記第1の孔が交差位置で前記内側表面と交差する長手方向軸を前記第1の端部近傍に有する種類のドリルストリング要素であって、前記長手方向軸は、前記回転部の中心軸を通過し且つ前記交差位置を含む第1の平面への投影において、ゼロ以外の値の第1の角度を形成し、前記交差位置で前記内側表面に接線方向である第2の平面への投影において、ゼロ以外の値の第2の角度を形成する点で特徴づけられるドリルストリング要素を提案する。
【0021】
このドリルストリング要素の特定の配置により、シース又は導管又はその他の細長い可撓性要素を前記第1の孔を介して円筒形空洞内に導入することが出来る。このシースは、丁度、前記孔の形状及び位置により、長手方向中心穴の壁に圧接した螺旋形状を有する。
【0022】
加えて、ケーブルは、貫通導管に収容された部分とその部分に隣接し且つ中心穴内で自在に伸長する部分との間が連続構造のものである。そして、特に最先端の技術水準における構造ではこの位置に存在した屈曲ゾーンが取り除かれるため、ケーブルは掘削力に対するより良好な耐性を得ることができる。
【0023】
また、上記種類の要素を当接関係で接合することにより形成されるドリルストリングを提案する。
【0024】
本発明の任意の特徴は、補完的又は代替的なものであり、以下に明記する。
―前記細長いチューブ状体が、その長手方向両端の少なくとも一方に、他のドリルストリング要素と協力することが意図され且つ実質的に横断方向に配置された座面を備える連結部を有し、少なくとも前記第1の孔及び第1の補助孔によって形成される群の一要素が前記座面で開口する。
―前記第1の孔が前記細長いチューブ状体の周辺凹み内に開口し、前記周辺凹みは外部に開口している。
―前記第1の補助孔が前記周辺凹み内に開口する。
―前記第1の補助孔が前記座面及び前記第1の孔内に開口する。
―前記第1の孔が前記周辺凹み内に開口する。
―前記連結部が、実質的に横断方向に配置された補助座面を更に備え、前記群の他方の要素が前記補助座面で開口する。
―前記座面は、雄型の連結部の自由端に、又は雌型の連結部の内側ショルダーの形状で配置される。
―前記補助座面は、雄型の連結部の中間ショルダーの形状で、又は雌型の連結部の自由端に配置される。
―前記細長いチューブ状体が、前記内側表面で開口している第1の端部を有する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の端部近傍に、第2の位置で前記内側表面と交差する長手方向軸を有する。
―前記第2の角度の値が、前記第2の位置から前記第1の位置を隔てる長手方向距離に依存して選択される。
―前記内側表面が、前記第1の位置と前記第2の位置との間に少なくとも1個の直線円筒部を有する。
―前記直線円筒部が、実質的に第2の位置から第1の位置を隔てる長手方向距離に渡って延出する。
―前記第2の孔が第2の回転部内で開口し、前記第2の孔の長手方向軸が、前記第2の回転部の中心軸を通過し且つ前記第2の位置を含む第3の平面への投影において、ゼロ以外の値の第3の角度を形成し、前記第2の位置で前記内側表面に接線方向である第4の平面への投影において、ゼロ以外の値の第4の角度を形成する。
―前記第4の角度の値は、前記第2の角度の値に近い。
―前記第1の孔は、事実上その全長が直線的関係で延出する。
―当該要素は更に、少なくとも部分的に前記孔に収容され、略螺旋を描きながら前記内側表面上に延出する可撓性チューブ状要素を備える。
―前記螺旋は前記第2の角度の値に依存する角度を備える。
―当該要素は更に、前記細長いチューブ状体の厚壁部内に収容される電気的接続デバイスを備える。
―前記第2の角度の値が5度乃至40度である。
【0025】
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の詳細な記述、及び図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるドリルパイプを示す正面図である。
【図2】図1のドリルパイプを拡大し部分的に省略して示した正面図である。
【図3】図1のドリルパイプの端部を示す正面図である。
【図4】図3の端部を示す斜視図である。
【図5】図5Aおよび図5Bは図3の端部を示す簡易図であり、夫々、長手方向断面図と、当該端部の穴部に対して接線方向にその穴部の特定の点を通過する投影面を上方から見た図である。
【図6】図3及び図4の端部と反対側の、図1のドリルパイプの端部を示す斜視図である。
【図7】図6における端部を示す正面図である。
【図8】図6及び図7の端部に接続された図3及び図4の端部を示す正面図である。
【図9】図8と同様の斜視図である。
【図10】図6及び図7の端部の第1の変形の正面図である。
【図11】図10と同様の斜視図である。
【図12】図6及び図7の端部の第2の変形の正面図である。
【図13】図12と同様の斜視図である。
【図14】図6及び図7の端部の第3の変形の正面図である。
【図15】図14と同様の斜視図である。
【図16】図3及び図4の端部の第1の変形の正面図である。
【図17】図16と同様の斜視図である。
【図18】図16及び図17の端部に接続された図14及び図15の端部を示す正面図である。
【図19】図18と同様の斜視図である。
【図20】図6及び図7の端部の第4の変形の正面図である。
【図21】図10と同様の斜視図である。
【図22】図3及び図4の端部の第2の変形の正面図である。
【図23】図22と同様の斜視図である。
【図24】ドリルパイプ1の変形に関する図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面は、本発明を完成するのに役立つだけでなく、適切であれば本発明の定義づけに寄与することも出来る。
【0028】
図1及び図2は、ドリルパイプ1の形状のドリルストリング要素を例示する。ドリルパイプは、主に、細長い中心部3を有する細長いチューブ2からなる。
【0029】
第1の連結部5及び第2の連結部7は、前記中心部3の両端に配置される。
【0030】
第1の連結部5及び第2の連結部7は、互いに対応する構造である。このことは、第1の連結部5及び第2の連結部7がそれぞれ、同様の細長いチューブの第2の連結部7及び第1の連結部5と協力することでドリルパイプ同士を接続出来ることを意味する。
【0031】
ここで、第1の連結部5は「雄」型であり、第2の連結部7は「雌」型であり、これらは相補的関係に整形されている。このことは、雄連結部5が、ドリルパイプ1の組立体を製造するために同様の細長いチューブの雌連結部7に嵌合可能であることを意味する。
【0032】
ドリルストリングは、第1の連結部5及び第2の連結部7が協力して複数のドリルパイプの細長いチューブ同士を接続することにより製造することが出来る。
【0033】
ここで、この細長いチューブ2同士の接続は、雄連結部5及び雌連結部7が形状の点で協力することにより行われる。
【0034】
雄連結部5は主副部分8を備え、主副部分8は、細長いチューブ2を終端させる固定副部分9と主副部分8を中心部3に接続する移行副部分10との間に配置される。
【0035】
固定副部分9は、中間にある副部分8から軸方向に突出する。
【0036】
固定副部分9は、ドリルパイプ1の第2の連結部7の内部に設けられた固定穴11に受容されることが出来るように外面が整形され且つ対応するドリルパイプ2の端部に対して開口する。
【0037】
第2の連結部7は、細長いチューブ2を終端させる主副部分12、及び主副部分12を中心部3に接続する移行副部分13を備える。
【0038】
ここで、固定副部分9が外面にねじ山が形成されたチューブ状円錐台形状であるのに対し、固定穴11は相補的なねじ山が形成された円錐形状である。
【0039】
細長いチューブ2は、直線状長手方向中心軸14を有する回転部の形状である。
【0040】
第1の連結部5及び第2の連結部7は、好ましくは、別個の、例えば摩擦溶接作業によって細長い中心部3に嵌合する機械的部品の形状を有する。
【0041】
第1の連結部5及び第2の連結部7はしばしば、「ツールジョイント」という用語で称される。
【0042】
一変形として、細長いチューブ2は1個の部品で作られてもよい。
【0043】
細長いチューブ2は環状断面をしており、その内径及び外径は細長いチューブ2の長さに渡って変化し、チューブ2の様々な部分を形成して画定する。細長いチューブ2の壁の厚みも、その長さに渡って変化してよい。
【0044】
細長いチューブ2は、その細長いチューブ2の一端から他端まで貫通している長手方向中心穴15を有する。言い換えれば、中心穴15は、中心部3、第1の連結部5及び第2の連結部7を貫通している。具体的には、この長手方向中心穴15は、固定穴11内に開口し、固定副部分9を貫通している。
【0045】
図1及び図2では、長手方向中心穴15は、この中心穴15の様々な部分を形成して画定するように、細長いチューブ2の長さに渡ってその直径が変化する円形断面を有している。
【0046】
具体的には、ここでは、中心穴15は第1の直径値ID1の中心部16を有し、この中心部16は、値ID1未満の第2の直径値ID2の2個の連結部17間に配置される。常に、移行部18は中心部16を連結部17に接続する。
【0047】
ここで、穴15の連結部17は、第1の連結部5及び第2の連結部7の各連結部内に常に配置される。
【0048】
加えて、第1の連結部5及び第2の連結部7の各々は、中心部3の外径よりも実質的に大きな外径である。
【0049】
言い換えれば、細長いチューブ2は、中心部3よりも第1及び第2の連結部5及び7にて実質的により大きな壁厚を有する。これにより、特に、2本の隣接するパイプが掘削井戸内に降ろされる際に回転しても、ドリルストリングにおけるその接続を確実にするのに十分な締め付けトルクを伝達することが可能になる。
【0050】
第1の連結部5が第1の座面19を有するのに対し、第2の連結部7は第1の座面21を有し、第1の座面19及び21は相補的関係に配置される。このことは、同様の細長いチューブ2の第1の座面19及び21の協力によって表面支持が行われうることを意味する。
【0051】
ここでは、第1の座面19及び21は、中心軸14に実質的に垂直に配置された平らな形状を有する略環状面である。
【0052】
第1の連結部5の第1の座面19は、主副部分8と固定副部分9との間の外径の急激な変化によって生ずる。言い換えれば、第1の座面19は、ショルダー形状に作られる。
【0053】
第2の連結部7の第1の座面21は、固定穴11が開口している細長いチューブ2の端面によって形成される。
【0054】
固定副部分9及び固定穴11は、2本の同様なドリルパイプ1が互いに接続される際に第1の座面19と21との間で互いに平面的に支持し合う長さである。
【0055】
ここで、第1の連結部5は、更に、第2の座面23すなわち補助的な座面を有する一方、第2の連結部7は、第2の座面25すなわち補助的な座面を更に有し、第2の座面23及び25は相補的関係に整形される。
【0056】
第2の座面23は、固定部9の自由端に配置される。第2の座面25は、固定穴11の底部に配置される。
【0057】
第2の座面23及び25は、長手方向中心軸14に実質的に垂直に配置された平らな形状の略環状面に配置される。
【0058】
第1の連結部5の第2の座面23は、中心穴15が開口している固定副部分9の端面によって形成される。
【0059】
第2の連結部7の第2の座面25は、固定副部分11の底部と中心穴15との間の直径の急激な変化によって生ずる。
【0060】
固定部9及び固定穴11は、2本のドリルパイプ1が互いに接続される際に第2の座面23と25との間で互いに平面的に支持し合う長さである。
【0061】
2本のドリルパイプ1の接続には、接触する第1の座面19と21及び第2の座面23と25によって夫々生じる第1の連結部5と第2の連結部7との間の2つの平面支持部すなわちショルダーが携わる。所与の締め付けトルクの下、掘削流体のための密閉完全性のあるドリルパイプ同士の接続がこれらのショルダーによって可能になる。
【0062】
このような配置は、「二重当接」又は「ダブルショルダー」と称される。即ち、第1の座面19及び21が外部当接部を構成し、第2の座面23及び25すなわち補助的な座面同士が内部当接部を構成する。ドリルパイプ1同士を締め付けによって互いに接続する際のその表面間の力の配分とは無関係に、座面を「第1の」、「第2の」或いは「補助的な」と呼ぶ。即ち、第1の座面19と21との接触圧力よりも補助的な座面23と25との接触圧力が高いという点で、補助的な座面23及び25が主座面であると考えてもよい。
【0063】
内部当接部及び外部当接部の一方及び/又は他方のショルダー部によって、電磁結合による一つのドリルパイプから他のドリルパイプへの電気信号の送信用デバイスを収容することが可能になる。
【0064】
図3及び図4は、第2の連結部7に対応する細長いチューブ2の端部を例示する。
【0065】
この第2の連結部7において、細長いチューブは、細長いチューブ2の厚壁部内に設けられ且つ中心穴15に開口している第1の孔27をここでは対応する移行部18に有する。
【0066】
ここで、第1の孔27は主副部分12及び移行副部分13のレベルに設けられる。
【0067】
ここで、この第1の孔27は図3及び図4には図示しない長手方向軸29に沿って直線状に延びる。長手方向軸29は第1の位置31で中心穴15と交差する。
【0068】
この第1の位置31で、中心穴15は、長手方向中心軸14を含む中心平面P1及び図3及び図4には図示しない接平面P2を含む。ここで、接平面P2は移行部18に対して接線方向である。
【0069】
第2の連結部7のレベルでは、細長いチューブ2がその厚壁部内に設けられた周辺凹み32を有し、第1の孔27が穴15と反対側の端部で周辺凹み32内に開口している。
【0070】
周辺凹み32は、細長いチューブ2の外側に、ここでは連結部7の外周に開口する。
【0071】
周辺凹み32は、概略矩形の平行6面体の構造をしている。この平行6面体のベース面33は長手方向中心軸14に略平行である。このベース面33は、その長さが前記中心軸14と平行に延びる。第1の孔27は、小さい方の側面34、即ち周辺凹み32の長手方向端部で開口する。
【0072】
周辺凹み32から導入されるケーブル保護シース35すなわち導管の一部は、第1の孔27内に収容される。保護シース35は、第1の孔27内に無い部分に関しては、長手方向中心穴15によって画定される空間の内側に延出出来る可撓性を有するものである。
【0073】
第2の連結部7では、細長いチューブ2は、その厚壁部内に設けられ、第1の孔27内に開口した第1の迂回孔36すなわち第1の補助孔も有する。
【0074】
第1の迂回孔36は、第1の孔27と反対側の端部では、第2の連結部7の第2の座面25で開口する。ここで、第1の迂回孔36は1個の直線部を有する。
【0075】
第1の迂回孔36を使用して、第2の座面25の近傍に配置されたエネルギー/データ送信要素に接続された1本以上のケーブルを保護シース35の内側に通し、そこから細長いチューブ2全体を貫通させることが出来る。典型的に、この送信要素は、少なくとも1本の送信ケーブルが延出する磁気コイルを備える。
【0076】
言い換えれば、第1の迂回孔36は、第2の連結部7の第2の座面25と第1の孔27との間を連結する。第2の連結部7は、例えば米国特許第6,670,880号及び米国特許第6,641,434号に記載された種類の信号送信デバイス用環状ハウジングを備えていてもよい。
【0077】
保護シース35は、ケーブルを導入する作業を簡易化するため、部分的に横断方向に切断してもよく、また、専用のオリフィスを備えてもよい。
【0078】
周辺凹み32は、保護シース35にプレストレスを与えるために使用されるケーシング(図示せず)を収容していてもよい。
【0079】
保護シース35は、凹み32から導入される追加のケーブルまたは他の十分に細く可撓性のある要素を収容してもよい。その場合、後者はこれらの追加のケーブルのために1個以上の接続ケース(図示せず)を収容してもよい。
【0080】
周辺凹み32は、更に又は代わりに、信号増幅器、センサ、トランスデューサ、フィルタ等、様々な種類の電子部品を収容してもよい。
【0081】
図24に例示された一変形において、第1の迂回孔36は、一方で、周辺凹み32に開口し、他方で、第2の連結部7の第2の座面25で開口している。
【0082】
図5Aは、中心平面P1に沿う細長いチューブ2の断面を概略的に示し、図5Bは、中心平面P1に垂直な平面において上方から見た細長いチューブ2を概略的に示す。
【0083】
図5Aにおける平面では、第1の孔27の長手方向軸29は、接平面P2と第1の角度A1すなわち侵入角を成す。言い換えれば、中心平面P1への第1の孔27の長手方向軸29の投影は、この平面への中心平面P2の投影とゼロ以外の角度を形成する。
【0084】
図5Bにおける平面では、第1の孔27の長手方向軸29は、長手方向中心軸14と第2の角度A2すなわちバイアス角を成す。言い換えれば、平面P2への第1の孔27の長手方向軸29の投影は、長手方向中心軸14のこの平面への投影とゼロ以外の選択された値の角度を形成する。
【0085】
この第1の孔27の特有の構造によって、保護シース35の螺旋形状及び長手方向中心穴15に対する一定の支持が保証される。この整形効果は、上述の特有の構造に基づき、実質的に自然に発生する。
【0086】
螺旋状整形は、掘削過程又はパイプ1を引き揚げる際にパイプ1に発生する可能性のある撓み(曲げ)力に対する良好な耐性を付与する。即ち、外弧面関係にある部分に働く引張力は、内弧面関係にある部分に働く圧縮力によって相殺される。
【0087】
更に、この螺旋状整形によって、保護シース35を長手方向中心穴15内に膨出させる可能性のある圧縮力の下での保護シース35の座屈が回避される。
【0088】
第1の孔27によって、この螺旋形状が保護シース35に簡単に提供される。
【0089】
この第1の孔27の構造により、ドリルパイプ1は、可撓性を有する保護要素がパイプと同軸関係で延出する孔を介して導入される最先端の技術水準におけるドリルパイプよりも優れている。最先端の技術水準におけるパイプでは、問題の可撓性要素が螺旋形状を採用するため、非常に大きな軸圧縮力を受ける。可撓性要素は、また、同軸孔の出口開口で方向の急激な変化を受け、この方向の変化により、ドリルパイプの作動中の可撓性要素の疲労破裂に繋がる有害な応力集中が生ずる。
【0090】
例えば凹み32内に収容されたプレストレスを与えるケーシングを使用することによって、細長いチューブ2が掘削荷重、特に曲げを受ける場合も含め、保護シース35が中心穴15に対して強固に圧接された状態を保つことが保証される。言い換えれば、軸方向圧縮力は、導管の端部においてその軸方向のバルクを減じるように有利に発揮される。
【0091】
侵入角度A1はゼロ以外であり、第1の孔27は長手方向中心穴15内に貫通出来る。しかし、角度A1は、保護シース35の第1の孔27に収容される部分と長手方向中心穴15に及ぶ部分との間の良好な連続性のために、出来る限り小さくなるように選択される。過度に大きな変形又は屈曲は、保護シース15に脆化点を形成する。ここで、移行部18は、ドリルパイプ1の中心に向かってそれるやや円錐台形構造であり、第1の孔27の貫通をアシストする。移行部18は、例えば、5乃至10度の頂点の半角であってよい。
【0092】
侵入角度A1は、例えば、2乃至20度の値をとることが出来る。
【0093】
バイアス角度A2は、保護シース35によって長手方向中心穴15上、特にその中心部16において描かれる螺旋の角度に近い。そのバイアス角度A2の値は、螺旋のピッチと細長いチューブ2の長さに関連する。このバイアス角度A2の値は、保護シースが特定の所望の螺旋構造を描くことで決定されうる。この値は、適切な値の範囲から任意に選択してよい。これは、特に、特定の螺旋形状を必要とせずに、概略の螺旋形状で満足されうる用途の場合である。
【0094】
バイアス角度A2の値が小さいほど、長手方向中心穴15によって画定される空間内での圧力ドロップの低減は大きくなる。
【0095】
バイアス角度A2の値が大きいほど、保護シース35は、ドリルパイプ1に働く軸引張及び圧縮力を多く吸収することが出来る。
【0096】
想定される様々な用途に合うように釣り合いをとることで、バイアス角度A2の値の範囲又は特定の値が選択される。
【0097】
現時点では、2乃至40度のバイアス角度A2の値は十分であって、従って好適であると考えられる。この値の範囲は、機械加工耐性とは別個に解釈される。
【0098】
この構造では、第1の孔27は、保護シース35によって採用される螺旋形状の直接の延長部として事実上配置される。従って、この可撓性要素は、事実上、接平面P1への投影において、長手方向中心穴15に収容される部分と第1の孔27に収容される部分との間に屈曲を含まない。保護シース35のこれらの部分間に残る屈曲は、事実上、侵入角度A1に制限され、バイアス角度A2は螺旋角度に相当する。
【0099】
このようにして、特に回転たわみモードで作動しているドリルパイプ1の場合、保護シース35の破裂が回避され、又は少なくとも可能性は非常に低くなる。言い換えれば、この第1の孔27の特有の構造によって、保護シース35が破裂する可能性が低くなる。
【0100】
ここで、第1の孔27は保護シース35を整形する目的で使用するが、この第1の孔27を介して長手方向中心穴15内に導入されるその他の十分に可撓性を有する長尺要素でも、穴15の周囲面に圧接することにより、この略螺旋構造に沿って穴内を無理なく延出する。
【0101】
言い換えれば、この貫通導管27の特有の構造によって、ケーブル等のあらゆる可撓性要素を螺旋構造に容易に整形することが可能になる。
【0102】
この実施形態において、第1の孔27は、長手方向中心穴15によって画定される空間を細長いチューブ2の外周に接続する。それによって、特に細長いチューブ2と同軸関係に延出する導入孔に関して、保護シース35の導入が容易になる。
【0103】
適切な場合、第1の孔27と第1の迂回孔36が接合される位置は、後者の長手方向軸が、特に横断中心平面P1において保護シース35へのケーブルの導入が容易になるような小さな角度を成すように選択されてもよい。
【0104】
第1の孔27及び第1の迂回孔36は、異なるプロセスによって、例えば「ガンドリリング」によって作られる。
【0105】
図6及び図7は、細長いチューブ2の第1の連結部5を示す。
【0106】
この第1の連結部5では、細長いチューブ2は、細長いチューブ2の厚壁部内に設けられ且つ中心穴15に、ここでは対応する移行部18で開口している第2の孔37を有する。
【0107】
ここで、第2の孔37は第1の連結部5の主副部分8及び移行副部分10のレベルに設けられる。
【0108】
ここで、この第2の孔37は長手方向軸(図6及び図7には示さず)に沿って直線状に延出する。
【0109】
第2の孔37の長手方向軸は、第2の位置38で中心穴15と交差する。
【0110】
第2の孔37は、第1の孔27と同じように配置される、即ち、
―第2の位置38では、中心穴15は、長手方向中心軸14を含む中心平面P3及び接平面P4(図6及び図7には示さず)を含み、
―中心平面P3内では、第2の孔37の中心軸の投影は、接平面P4の投影とでゼロ以外の侵入角度を成し、
―接平面P4内では、第2の孔37の中心軸の投影及び長手方向中心軸14の投影は、ゼロ以外であって且つ長手方向中心穴15上の保護シース35によって採用される螺旋形状に関連して選択された角度を形成する。
【0111】
第2の孔37の中心軸の侵入角の値は、特に機械加工範囲を単純化するために、第1の孔27の中心軸29の侵入角度A1の値に近づけることが出来る。これらの角度値は、場合により、特に第1の連結部5及び第2の連結部7の移行部18が異なる円錐度値を有する場合、異なった値を取り得る。
【0112】
第2の孔37の中心軸のバイアス角度の値は、特に長手方向中心穴15に圧接する部分と中心孔37に収容される部分との間で保護シース35によって採用される形状の連続性を保証するために、第1の孔27の中心軸29のバイアス角A2の値に近いことが有利である。
【0113】
細長いチューブ2の横断投影面内の第1の位置27と第2の位置37の相対的角度位置は、保護シース35にとって望ましい螺旋形状及び長手方向中心穴の長さによって決定することが出来る。
【0114】
ほとんどの用途において、細長いチューブ2の長さは、第1の位置27と第2の位置37の前記相対的角度位置が、保護シース35によって採用される形状に僅かな影響しか及ぼさず、事実上任意の方法で選択可能な長さである。言い換えれば、第1の位置27及び第2の位置37を長手方向に隔てる距離と組み合わせてバイアス角度A2の値を選択することにより、保護シース35によって描かれる巻数が決まるが、この巻数は、最大でも1巻きしか第1の位置27と第2の位置37の相対的角度位置による影響を受けない。巻数が増えるほど、この相対的角度位置の影響は無視出来るものとなる。
【0115】
第1の連結部5では、細長いチューブ2はその厚壁部内に設けられた第2の周辺凹み39を有し、第2の孔27は穴15と反対側の端部で第2の周辺凹み39内に開口している。
【0116】
第2の周辺凹み39は、細長いチューブ2の外側に、ここでは第1の連結部5の外周に開口している。
【0117】
ここでは、第2の周辺凹み39は、第2の連結部7の周辺凹み33と同様の形状である。
【0118】
第1の連結部5では、細長いチューブ2は、その厚壁部内に設けられ、第2の孔37内に開口している第2の迂回孔41すなわち第2の補助孔も有する。
【0119】
第2の孔37と反対側の端部では、第2の迂回孔41は第1の連結部5の第2の座面23で開口する。残りの部分に関しては、第2の迂回孔41は第1の迂回孔36と同様である。
【0120】
第2の迂回孔41は、第2の連結部7の第2の座面25の近傍に収容された要素と同様の、第2の座面23の近傍に収容されたエネルギー/データ送信要素に接続された1本以上のケーブルを保護シース35内部に通すために使用することが出来る。
【0121】
言い換えれば、第2の迂回孔41は、第1の連結部5の第2の座面23と第2の孔37との間を連結する。
【0122】
図8及び図9は、第2のドリルパイプ1の第2の連結部7に接続された第1のドリルパイプ1の第1の連結部5を示す。
【0123】
これらの隣接するドリルパイプ1間のデータ及び/又はエネルギーの送信は、典型的には第1の座面19及び21の環状溝内の互いに対向関係に配置された磁気コイルによって行われるため、一つのパイプからもう一つのパイプへ電気ケーブルを通す必要はない。細長いチューブ2を横断する投影面内の第1の迂回孔36及び第2の迂回孔41の出口端同士の相対的角度位置は、実際には重要ではない。
【0124】
言い換えれば、これらの端部は、第1及び第2のパイプ1が組み立てられる際、必ずしも互いに対向関係にあるわけではない。しかし、このような相対的配置を排除するべきではなく、前記口端同士が図8及び図9に示すように互いに対向関係にある状況にすることが出来る。
【0125】
図10及び図11は、ドリルパイプ1の第1の連結部5の第1の変形を示す。前述の図面の機能的要素と同一の機能的要素は、同一の参照記号で示す。
【0126】
第1の連結部5の主副部分8で、細長いチューブ2がここでは主副部分8の残りの部分より大きな外径の中間部分43を有する。言い換えれば、細長いチューブ2は、主副部分8の残りの部分よりも中間部分43の位置において大きな壁厚を有する。
【0127】
中間部分43及びそれに隣接するゾーンは、本発明の出願日には公表されていない仏国特許出願番号08/00942に記述された方法で整形可能である。
【0128】
第2の周辺凹み39は、中心部43によって固定副部分9から隔てられた主副部分8の一部に設けられる。第2の孔37は、周辺凹み39の第1の小横断面45でこの凹み39内に開口する。
【0129】
この実施形態において、第2の迂回孔41も第2の周辺凹み39内に、ここでは第1の小横断面45と反対の第2の小横断面47で開口する。第2の迂回孔41は、第1の孔37内に直接には開口しない。
【0130】
第2の迂回孔41に収容された電気ケーブルは、ここでは、第2の周辺凹み39のレベルで保護シース35に導入される。一変形として、この第2の周辺凹み39は電気的連結装置(図示せず)を収容出来、この装置によって第2の迂回孔41に収容されたケーブルと保護シース35に収容された追加のケーブルが互いに接続される。これによって、保護シース35を設置した時点でその内側にケーブルを導入する必要が無くなる。
【0131】
図12及び図13は、細長いチューブ2の第1の連結部5の第2の変形を示す。
【0132】
この第2の変形は、第2の周辺凹み39が、ここでは、接続副部分9に近い第1の連結部5の主副部分8のレベルに設けられる点で、第1の変形とは異なる。
【0133】
図14及び図15は、細長いチューブ2の第1の連結部5の第3の変形を示す。
【0134】
ここでは、第1の連結部5は第2の周辺凹み39を有さない。
【0135】
第2の孔37は、第1の連結部5の第1の座面19に直接開口する。第2の迂回孔41は第2の孔37内に開口する。
【0136】
この変形では、保護シース35は、第1の座面19から、即ち、細長いチューブ2の外側から直接、長手方向中心穴によって画定される空間へ導入される。
【0137】
図16及び図17は、細長いチューブ2の第2の連結部7の第1の変形を示す。
【0138】
ここでは、第2の連結部7は、周辺凹み32を有さない。第1の孔27は、第2の連結部7の第1の座面21に直接開口する。第1の迂回孔36は第1の孔27内に開口する。
【0139】
保護シース35は、第2の連結部7の第1の座面21から導入可能である。
【0140】
この変形は、図18及び図19に示すように、第3の変形の第1の連結部5と組み合わせて使用することが出来る。この細長いチューブ2の有利な構造は必須ではない。
【0141】
第1の迂回孔36及び第2の迂回孔41は、図18及び図19では、互いに対向関係に開口しているように示されている。これは、もっぱらここでの特有の構造であって、必須ではない。ほとんどの用途において、上記で説明したように、一方のドリルパイプ1からもう一方へ固定ワイヤ要素は通らない。これは、非常に特殊な用途において魅力的な案である図18及び図19の構造の発展性を排除するものではない。
【0142】
第1の孔27及び第2の孔37は、必ずしも互いに対向関係に開口するわけではない。
【0143】
図20及び図21は、細長いチューブ2の第1の連結部5の第4の変形を示す。
【0144】
ここでは、細長いチューブ2は、第2の凹み39及び第2の迂回孔41を有さない。
【0145】
第2の孔37は、第1の連結部5の第2の座面23に直接開口する。特に単純な設計形状であり従って経済的なこの変形では、保護シース35は、その内側に既にケーブルが収納された状態で導入することが出来、送信要素への接続はその後に行う。
【0146】
図22及び図23は、細長いチューブ2の第2の連結部7の第2の変形を示す。
【0147】
細長いチューブ2は、ここでは第1の周辺凹み32及び第1の迂回孔36を有さない。保護シース35の導入及び保護シース35が保護するケーブル要素の接続は、上述した第4の変形と同様の方法で行うことが出来る。
【0148】
絶対必要な訳ではないが、この連結部7の第2の変形は、特に機械加工範囲を単純化するために、第1の連結部5の第4の変形と合わせて使用することが有益である。
【0149】
第1の孔27のこの特有の構造により、本発明において、保護シースを容易に螺旋形状に整形し、保護シースを長手方向中心穴に圧接した状態で伸長させることが出来る。加えて、この構造により、第1の孔27に収容された保護シースの部分とこのシースの長手方向中心穴15に延出する部分との連結位置の応力集中が減少される。
【0150】
上述した複数の実施形態において、第1の孔27及び第2の孔37は、長手方向中心穴15の第1の孔27と第2の孔37との間を延出する保護シース35の「自由な」部分とは対照的に、「導かれている」と見なすことが出来る保護シースの部分を収容する。保護シース35を部分的に導くことによって、特にこの自由部分において保護シース35に螺旋構造をもたらす。
【0151】
幾つかの非常に特別な用途に関しては、この自由部分は、例えばエポキシ系樹脂によって、長手方向中心穴15内で螺旋形状に保持されうる。この特別な実施形態においても、第1の孔27及び第2の孔37のこの特別な配置が有利である。
【0152】
バイアス角度A2は、第1の交差位置31で長手方向中心穴15に接線方向である平面P2内に画定されている。本発明は、中心平面P1に垂直で且つ前記第1の位置31を含む平面内に画定されるバイアス角度A3と同等な方法で画定することが出来る。この場合、バイアス角度A3は、中心平面P1に垂直な前記平面内へのバイアス角度A2の投影と等しい。
【0153】
本発明は、単に一例として本明細書に記述された実施形態に限定されず、当業者が想定可能な全ての変形を包含する。
【0154】
具体的には、
―第1の孔27及び第2の孔37の一方又は他方は、上述した直線的部分に加えて、細長いチューブ2の外側に前記直線部分を接続するどのような形状の部分を有してもよい。
―例えば複数の保護シースが長手方向中心穴15に対して延出するような状況では、細長いチューブ2は第1の孔27と同じ種類の複数の孔を有してもよい。
―第1の孔27又は第2の孔37は、特に保護シース35に導入されるケーブルとなされる接続に従って、細長いチューブ2の外側表面に直接開口可能である。
―細長いチューブ2は中心線が湾曲していてもよい。
―第1の孔27又は第1の孔37は、長手方向中心穴15の様々な部分で、例えば中心部16で直接開口可能である。
―細長いチューブ2は、第1の孔27のみを有してもよく、更に、第2の孔37は、第1の角度A1及び第2の角度A2の値の点で第1の孔27とは異なって配置されてもよい。
―第1の連結部5及び第2の連結部7は、様々な構造のドリルストリングへの接続に適応出来、非相補的関係で配置可能である。
―第1の迂回孔36又は第2の迂回孔41は、第2の座面23及び25以外の個所で、特に電気接続される要素が第1の座面19及び21の近傍に配置される場合、特に第1の座面19及び21で開口してもよい。
―第1及び第2の孔27は、例えば中心穴が特にかなり厚い保護被膜層を有する状況では、ドリルパイプ1の厚みを超えて延出されてもよい。
―本発明は、厚肉パイプ及びドリルカラーと称されるパイプを含むあらゆる種類のドリルパイプに適用される。
―本発明は、ドリルパイプ1同士を当接関係で接続することによって提供されるドリルストリングも包含する。この当接関係は、ドリルパイプ1同士を端部と端部の当接関係に設置して互いに固定することからなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に内側表面(15)を画定する細長いチューブ状体(2)を備え、このチューブ状体(2)が、少なくとも1個の回転部(18)を有し、前記細長いチューブ状体(2)内に設けられ且つ前記回転部(18)で開口する第1の端部を有する第1の孔(27、37)を有し、前記第1の孔(27、37)が交差位置(31)で前記内側表面(15)と交差する長手方向軸(29)を前記第1の端部近傍に有する種類のドリルストリング要素(1)であって、前記長手方向軸(29)は、前記回転部(18)の中心軸(14)を通過し且つ前記交差位置(31)を含む第1の平面(P1)への投影において、ゼロ以外の値の第1の角度(A1)を形成し、前記交差位置(31)で前記内側表面(15)に接線方向である第2の平面(P2)への投影において、ゼロ以外の値の第2の角度(A2)を形成することを特徴とする要素。
【請求項2】
前記細長いチューブ状体(2)が、その長手方向両端の少なくとも一方に、他のドリルストリング要素と協力することが意図され且つ実質的に横断方向に配置された座面を備える連結部(5、7)を有し、少なくとも前記第1の孔(27、37)及び第1の補助孔(36、41)によって形成される群の一要素が前記座面で開口する、請求項1に記載の要素。
【請求項3】
前記第1の孔(27、37)が前記細長いチューブ状体(2)の周辺凹み(32、39)内に開口し、前記周辺凹み(32、39)は外部に開口している、請求項1又は2に記載の要素。
【請求項4】
前記第1の補助孔(36、41)が前記周辺凹み(32、39)内に開口する、請求項2と組み合わせた請求項3に記載の要素。
【請求項5】
前記第1の補助孔が前記座面及び前記第1の孔(27、37)内に開口する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の要素。
【請求項6】
前記第1の孔(27、37)が前記周辺凹み内に開口する、請求項4に記載の要素。
【請求項7】
前記連結部(5、7)が、実質的に横断方向に配置された補助座面を更に備え、前記群の他方の要素が前記補助座面で開口する、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の要素。
【請求項8】
前記座面は、雄型の連結部(5)の自由端に、又は雌型の連結部(7)の内側ショルダーの形状で配置される、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の要素。
【請求項9】
前記補助座面(23、25)は、雄型の連結部(5)の中間ショルダーの形状で、又は雌型の連結部(7)の自由端に配置される、請求項7と組み合わせた請求項8に記載の要素。
【請求項10】
前記細長いチューブ状体(2)が、前記内側表面(15)で開口している第1の端部を有する第2の孔(27、37)を有し、前記第2の孔(27、37)は、前記第1の端部近傍に、第2の位置(31、38)で前記内側表面(15)と交差する長手方向軸を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素。
【請求項11】
前記第2の角度(A2)の値が、前記第2の位置(38)から前記第1の位置(31)を隔てる長手方向距離に依存して選択される、請求項10に記載の要素。
【請求項12】
前記内側表面(15)が、前記第1の位置(31)と前記第2の位置(38)との間に少なくとも1個の直線円筒部(16)を有する、請求項10又は11に記載の要素。
【請求項13】
前記直線円筒部(16)が、実質的に第2の位置(38)から第1の位置(31)を隔てる長手方向距離に渡って延出する、請求項12に記載の要素。
【請求項14】
前記第2の孔(37、27)が第2の回転部(18)内で開口し、前記第2の孔(37)の長手方向軸が、前記第2の回転部(18)の中心軸(14)を通過し且つ前記第2の位置(38)を含む第3の平面への投影において、ゼロ以外の値の第3の角度を形成し、前記第2の位置(31、38)で前記内側表面(15)に接線方向である第4の平面への投影において、ゼロ以外の値の第4の角度を形成する、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の要素。
【請求項15】
前記第4の角度の値は、前記第2の角度(A2)の値に近い、請求項10に記載の要素。
【請求項16】
前記第1の孔(27、37)は、事実上その全長が直線的関係で延出する、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素。
【請求項17】
更に、少なくとも部分的に前記孔(27、37)に収容され、略螺旋を描きながら前記内側表面(15)上に延出する可撓性チューブ状要素を備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素。
【請求項18】
前記螺旋は前記第2の角度(A2)の値に依存する角度を備える、請求項17に記載の要素。
【請求項19】
更に、前記細長いチューブ状体(2)の厚壁部内に収容される電気的接続デバイスを備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素。
【請求項20】
前記第2の角度(A2)の値が5度乃至40度である、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素。
【請求項21】
先行する請求項のいずれか一項に記載の要素同士を当接関係で接続することにより形成されるドリルストリング。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2012−504198(P2012−504198A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528386(P2011−528386)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/FR2009/001117
【国際公開番号】WO2010/037919
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(510225579)ヴァム・ドリリング・フランス (3)
【氏名又は名称原語表記】VAM DRILLING FRANCE
【Fターム(参考)】