説明

計測装置、計測システム、および計測方法

【課題】 本発明は、利用者が面倒だと思う装置の装着や操作等をすることなしに歩数を計測する計測装置、計測システム、および計測方法を提供することを課題とする。また、本発明は安価な計測装置を提供し、既存のハードウェア資源を利用した計測システムを提供することで、利用者が気軽に利用できる計測システムを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の計測装置は、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測して、計測情報を記憶するとともに外部との無線通信が可能である。また、本発明の計測システムは、上記計測装置と無線通信を行う情報処理装置で構成され、計測装置により計測された計測情報を基に利用者の歩数、歩行距離、運動量等を求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ等を有して利用者の歩数、歩幅、歩速度を計測する計測装置に関する。
また本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いた上記計測装置および情報処理装置を備え、ウォーキングを行う利用者の健康管理を支援する計測システム、ならびに、計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経済の発展に伴い、栄養過多、運動不足に起因する肥満人口の増加が社会問題の一つとなっている。この、肥満に対する一般的な処置は正しい健康管理、すなわち、適切な食事と適切な運動を行うことである。そして、この適切な運動に関して最も広く行われるのがウォーキングである。健康管理を行う人は、歩数計を着けてウォーキングを行い、毎日の歩数を計測して記録する。
【0003】
運動療法としてのウォーキングは、長期継続が必要であるが、記録が面倒であったり、歩数計を装着し忘れたり、モチベーションを維持するのが難しい。これらの問題を解決すべく、様々な機器を用いて健康管理を行う健康管理システムが開発されている。その中には、簡単に、正確に、あるいは、楽しく歩数を計測することのできる計測システムがある。
【0004】
例えば特許文献1に挙げる運動データ管理システムは、利用者の歩数データから運動に関する情報を抽出して管理することで、フィットネスクラブの利便性を向上するものである。また、特許文献2に挙げる歩数計システム及び歩数計は、携帯端末装置等の通信機器を利用することで、利用者の歩数に基づく高度な情報や興趣性の高い情報を入手できる。さらに特許文献3に挙げるゲーム付き歩数システムは、利用者の歩数に比例したポイントを与えて物品等と交換することで歩く動機付けを与えるものである。
【0005】
【特許文献1】特開2004−192467号公報
【特許文献2】特開2004−226076号公報
【特許文献3】特開2004−264244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のシステムは、フィットネスクラブ内でのみ利用する形態であり、日常気軽に利用できるものではない。また、特許文献2および特許文献3のシステムは、歩行の動機付けとして情報やポイント等を提供するという構成を有し、歩行という行動と得る物との関連性が低くなるため、提供される情報やゲームに興味のある利用者のみが利用するシステムとなってしまう。また特許文献3のシステムについては、システム提供者側の利益を生みにくい構造となっているため、実現の可能性が低くなる。さらに上記特許文献1から特許文献3のシステムは、いずれも利用者が大きな歩数計を所持し、他の装置との接続や情報の入力といった面倒な操作を、毎回行わなければならないといった問題がある。
【0007】
本発明は上記問題を解決しようとするために、利用者が面倒だと感じる装置の装着や操作を全くすることなしに、利用者の歩数を計測する計測装置を提供することを課題とする。さらに、利用者の歩数および歩速度のみでなく、歩幅を計測することのできる計測装置を提供することを課題とする。
【0008】
また、上記計測装置を用いて利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測することで、正確な歩行距離や運動量を求めることができ、利用者一人ひとりに即した健康管理に関する情報を提供することのできる計測システムを提供することを課題とする。また、安価な計測装置、および、既存のハードウェア資源を利用することのできる情報処理装置により、コストがかからず利用者が気軽に利用することのできる計測システムを提供することを課題とする。さらに、利用者が他の健康管理システム(例えば食事管理に関するシステム等)を利用している場合には、本システムを利用して取得したデータを他のシステムと共有して利用することにより、利用者の健康管理の質をさらに向上することのできる計測システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では以下の手段を講ずる。
【0010】
本発明の計測装置は、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測して、計測情報を記憶する。したがって、計測装置は、計測手段、計測情報記憶手段、および、(第一の)無線通信手段を有する。上記計測手段は、利用者の歩数、歩幅、および歩速度を計測する。計測情報記憶手段は、計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶し、(第一の)無線通信手段は、外部と無線通信を行う。
【0011】
上記計測手段は、速度もしくは加速度を検知するセンサ、A/D変換回路、カウンタ、演算回路、および電源装置、等を有する。計測情報記憶手段は、メモリ、好ましくは書き換え可能な不揮発性メモリを有する。無線通信手段は、アンテナ、電源回路、復調回路、変調回路、符号化回路、復号化回路、および、制御回路、等を有する。
【0012】
また、計測装置は、個体識別情報記憶手段を有することもできる。個体識別情報記憶手段は、複数の計測装置から1つの計測装置を識別するための個体識別番号を含む個体識別情報を記憶する。当該個体識別情報記憶手段は、メモリ、好ましくは、追記型の不揮発性メモリを有する。
【0013】
また、計測装置は1対(第一の計測装置、および、第二の計測装置)で構成され、1対の計測手段は、速度もしくは加速度を検知するセンサ、および、1対の計測装置間の距離を検知するセンサを有することも可能である。
【0014】
これらの計測装置は、利用者の足、靴下、または、靴に装着されることを特徴とする計測装置。
【0015】
本発明の計測システムは、上記に説明した計測装置と、情報処理装置で構成される。当該情報処理装置は、計測装置と無線通信を行い、計測情報および管理情報から利用者の歩行距離、運動量を求める。したがって、情報処理装置は、第二の無線通信手段、情報処理手段、情報記憶手段および表示手段を有する。ここで、計測装置が有する無線通信手段と、情報処理手段が有する第二の無線通信手段との混乱を避けるために、計測装置が有する無線通信手段を、第一の無線通信手段と記載する。
【0016】
また、本発明の計測システムにおいて、上記の情報処理装置は、リーダライタおよびコンピュータで構成することができる。当該リーダライタは、第二の無線通信手段を有し、コンピュータは、情報記憶手段、情報処理手段および表示手段を有する。ここで、リーダライタとコンピュータは、USBケーブル等の通信回線を介して接続される構成を有することができる。または、赤外線通信等の無線通信によって情報の送受信を行う構成とすることも可能である。
【0017】
さらに、本発明の計測システムにおいて、上記の情報処理装置は、リーダライタ、コンピュータおよびデータベースで構成することができる。当該リーダライタは第二の無線通信手段を有し、コンピュータは情報処理手段および表示手段を有し、データベースは情報記憶手段を有する。ここで、コンピュータとデータベースは、インターネット等のネットワークを介して接続することができる。
【0018】
上記第二の無線通信手段は、計測装置と無線通信を行い、情報記憶手段は、利用者の個人情報を有する管理情報をデータベース化して記憶する。情報処理手段は、計測情報および管理情報から情報処理を行い、表示手段は、処理された情報および健康管理に関する情報等を表示する。ここで、健康管理
に関する情報とは、利用者の歩数、歩行距離、運動量等を考慮し、当該情報に即した食事や運動等、健康管理を行う上で有用な情報である。これらの健康管理に関する情報は、管理情報に記憶される。または、ネットワークを介して収集することも可能である。
【0019】
上記第二の無線通信手段は、アンテナ、復調回路、変調回路、符号化回路、復号化回路、および、制御回路、等を有する。情報記憶手段は、ハードディスクを有する。情報処理手段は、揮発性メモリ、中央演算処理装置、メモリ制御回路、等を有する。表示手段は、表示装置を有する。
【0020】
本発明の計測方法は、本発明の計測システムを用いて利用者の歩行に関する情報を計測する。具体的には、上記に説明した計測装置が、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、情報処理装置が、計測装置から計測情報を受信し、受信した情報および管理情報から利用者の歩行距離および運動量を求め、処理情報を表示する。
【0021】
本発明の計測方法は、さらに詳細には、計測装置が、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する。そして、情報処理装置が、計測装置に情報要求信号を送信し、計測装置が、情報要求信号に応じて計測情報および個体識別情報を情報処理装置に送信する。情報処理装置は、計測装置から情報を受信し、受信した情報および記憶している管理情報とから、利用者の歩行距離および運動量を求め、処理情報および健康管理に関する情報等を表示する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の計測装置は、情報処理装置と無線通信を行うRFID技術を利用し、装置内部に作り込む回路を最小限に抑えることで、小型化することが可能である。したがって計測装置を靴等に装着することができ、さらに装着したままにすることができる。また、無線通信により情報の送受信を行うため、利用者は例えば玄関に設置した情報処理装置に近づくだけで、歩数や歩行距離、運動量等を得ることができる。上記構成により、利用者は面倒な装置の装着や操作等をすることなしに本発明の計測システムを利用することができる。
【0023】
また、歩行時や走行時の歩幅は、歩速度や走行速度等によって変化するものであるが、従来の歩数計測装置では歩幅を測定することができなかった。しかしながら本発明の計測装置は2つのセンサタグによって構成し、歩行時の足の距離を検知することで利用者の歩幅を計測することができる。さらに歩数、歩幅および歩速度を計測することによって利用者の歩行距離や運動量を求めることも可能となる。
【0024】
また、本発明の計測装置は、上記したように、作り込む機能が少なく小型であることから、1つの基板から大量に安価に作製することができる。さらに情報処理装置は、例えばコンピュータ等の既存のハードウエアを利用することができるため、本発明の計測システムは利用者にとってコストがかからず、安易に利用することができる。
【0025】
さらに、本発明の計測システムを構成する情報処理装置は、利用者の計測情報等をデータベース化して記憶する。したがって、利用者が他の健康管理システムを併せて利用している場合、情報処理装置が記憶するデータベース化された情報を、それらの健康管理システムのデータベースとして利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されない。本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解されるからである。したがって、本発明は以下に示す実施の形態および実施例の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて本発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
(実施の形態1)
本発明の計測システムは、計測装置、および、情報処理装置から構成される。当該計測装置は、歩行(走行)する利用者の歩数、歩幅および歩速度(走行速度)を計測し、情報処理装置は、計測情報から歩行距離(走行距離)や運動量等を求め、処理情報や健康管理に関する情報を表示することを特徴とする。本実施の形態では、上記計測システムを構成する本発明の計測装置について、図を用いて説明する。
【0027】
本明細書では、利用者が歩行する例を記載する。したがって、歩行もしくは走行を「歩行」、歩速度もしくは走行速度を「歩速度」、歩行距離もしくは走行距離を「歩行距離」と記載する。しかしながら、本発明は歩行のみに限定されない。
【0028】
本発明の計測装置は、情報処理装置と無線で情報の送受信を行うRFID技術、および、距離、速度もしくは加速度等を検知するセンサ技術を用いて作製される。当該計測装置は利用者の足や靴下、靴等(好ましくは靴)に装着され、速度および距離等を検知する。そして、当該検知情報をもとに、演算回路等を用いて利用者の歩数、歩幅および歩速度を求めて記憶する。さらに、記憶した情報を、無線で情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0029】
本明細書では、上記検知した情報から利用者の歩数、歩幅および歩速度を求めることを「計測する」と記載する。
【0030】
図1に、本発明の計測装置の構成を示す。図1(A)に示す本発明の計測装置101は、計測手段101a、計測情報記憶手段101b、および、無線通信手段101cを有する。
【0031】
計測手段101aは、速度、加速度もしくは距離等を検知し、検知した情報をもとに利用者の歩数、歩幅、歩速度を計測する。したがって、計測手段101aは電源装置、センサ、A/D変換回路、カウンタ、演算回路等を有する。
【0032】
上記センサは、ある物理量を検知するセンサであり、一つもしくは複数のセンサを有することができる。例えば、当該センサとして、速度センサを有することができる。速度センサを用いれば、進行方向の速度が0になる回数をカウントすることで歩数を計測し、速度の時間積分をとることで歩幅および歩行距離を計測することができる。さらに、速度の平均値を求めることで歩速度を求めることも可能である
【0033】
計測情報記憶手段101bは、計測手段101aが計測した歩数、歩幅、歩速度および計測時刻等の計測情報を記憶する。したがって、計測情報記憶手段101bはメモリ、好ましくは書き換え可能な不揮発性メモリ等を有する。
【0034】
無線通信手段101cは、無線で情報処理装置と情報の送受信を行う。具体的には、情報処理装置からの命令を受信し、計測情報を送信する等の動作を行う。したがって、無線通信手段101cはアンテナ、電源回路、復調回路、変調回路、符号化回路、復号化回路、制御回路等を有する。さらには、暗号処理回路や輻輳制御回路等を有することもできる。
【0035】
計測装置101と情報処理装置との無線通信距離の大きさは、無線通信手段101cの構成や、無線通信に利用する電磁波の周波数等に依存する。例えば、上記無線通信手段101cの構成のように、情報処理装置から電磁波を介して駆動電力を受ける(つまり、通信用の電源装置を有さない)パッシブ型である場合、通信距離は数mmから数十cmとなる。当該構成を有することによって、計測装置101を小型化(例えば切手サイズに)することができる。
【0036】
さらに、計測装置101は、個体識別情報記憶手段101dを有する構成とすることもできる。個体識別情報記憶手段101dは、複数の利用者の中から一人の利用者を特定する、個体識別番号等の個体識別情報を記憶する。したがって、個体識別情報記憶手段101dはメモリ、好ましくは追記型の不揮発性メモリ等を有する。
【0037】
図1(B)には、1対で構成される計測装置102を示す。当該計測装置102は、第一の計測装置110および第二の計測装置120で構成され、利用者の両足に装着することによって、歩数、歩速度に加え歩幅を求めることを目的とする。
【0038】
第一の計測装置110および第二の計測装置120は、図1(A)で示した計測装置101と同様、計測手段110a、120a、計測情報記憶手段110b、120b、および、無線通信手段110c、120cを有する。また、個体識別情報記憶手段110d、120dを有する構成とすることもできる。上記手段は、計測装置101が手段と同様の機能および構成を有する。
【0039】
1対で構成される計測装置102が有する計測手段110a、120aは、速度センサ(もしくは加速度センサ)のほかに、計測装置110、120間(詳細には、計測装置が有するセンサ間)の距離を検知する距離センサを有する。そして、1対の計測装置102を、利用者の両足、好ましくは両靴の同じ位置に装着することで、歩行する利用者の足の間の距離を検知することができる。両足の距離を検知することによって、利用者の歩幅を計測することができる。
【0040】
本発明の計測システムは、RFID技術を用いて無線通信を行うことで、歩数等の情報を計測する手段と、歩数等の情報を用いて情報処理を行う手段を分けることができる。つまり、計測を行う計測装置と、情報処理を行う情報処理装置に分けることができる。したがって、本発明の計測装置101、102は、装置内部に作り込む回路を最小限に抑えることができ、装置を小型化(例えば切手サイズに)することが可能である。
【0041】
計測装置101、102が小型であれば、装置を足や靴下、靴等(好ましくは靴)に装着することができ、重量によって歩行の負担になることがなく、外観を損なうこともない。さらに、靴に装着した場合は、装着したままにすることができる。また、本発明の計測装置102は1対の装置で構成され、歩行時の足の距離を検知することで、利用者の歩幅を正確に計測することも可能になる。
【0042】
さらに、本発明の計測装置101、102は、作り込む機能が少なく小型であることから、1つの基板から大量に、安価に作製することができ、利用者は安易に利用することが可能となる。
【0043】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の計測システム、および、本発明の計測システムを用いた計測方法について、図2を用いて説明する。
【0044】
図2に示すように、本発明の計測システムは、無線通信によって情報の送受信を行う、計測装置101および情報処理装置201で構成される。そして、歩行する利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、計測情報をもとにして歩行距離や運動量等を求めることを特徴とする。
【0045】
図2に示すように、上記機能を有する情報処理装置201は、少なくとも、第二の無線通信手段201a、情報処理手段201b、情報記憶手段201cおよび表示手段201dを有する。
【0046】
本発明の計測システムにおいて、計測装置101が有する無線通信手段101cは、情報処理装置201が有する(第二の)無線通信手段201aとの混乱を避けるため、「第一の無線通信手段101c」と記載する(図2参照)。
【0047】
第二の無線通信手段201aは、アンテナ、復調回路、変調回路、符号化回路、復号化回路、制御回路、等を有し、計測装置101と無線通信を行う。情報処理手段201bは、SRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリ、中央演算処理装置(CPU)、メモリ制御回路、等を有し、計測情報、個体識別情報および下記に説明する管理情報を用いて利用者の歩行距離、運動量等を求める。情報記憶手段201cは、ハードディスク等を有し、管理情報をデータベース化して記憶する。当該管理情報とは、例えば、利用者の個人情報、計測情報、情報処理履歴、歩行や運動等、健康管理に関する情報、等を含む。そして、表示手段201dは表示装置等を有し、処理情報や健康管理に関する情報を表示する。
【0048】
上記構成を有する情報処理装置201は、既存のコンピュータを用いて利用することができる。例えば図3(A)に示すように、既存のコンピュータ302に、第二の無線通信手段201aを有するリーダライタ301を、USB(Universal Serial Bus)303等のインターフェースを用いて接続し、前記リーダライタ301のドライバ、情報処理プログラムおよび管理情報等を有するソフトウェアをインストールすることによって、情報処理装置201として利用することが可能である。
【0049】
実施の形態1で説明した計測装置101、および、上記情報処理装置201で構成される本発明の計測システムは、以下の計測方法によって利用者の歩行に関するデータを計測することを特徴とする。
【0050】
すなわち、計測装置101は、利用者の足等、好ましくは靴に装着され、歩行する利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、計測情報を記憶する。そして、情報処理装置201は、計測装置101が記憶する計測情報および個体識別情報を無線通信で受信し、受信した情報および管理情報を用いて、利用者の歩行距離や運動量等を求める情報処理を行い、処理情報や健康管理に関する情報を表示する。
【0051】
本発明の計測システムを構成する計測装置101、および、情報処理装置201は、無線通信により情報の送受信を行う。したがって、利用者は、計測装置101を装着した靴を履いて情報処理装置201(リーダライタ)に近づくだけで、歩数、歩行距離、運動量、および、健康管理に関する情報等を得ることができる。つまり、利用者は、面倒な装置の装着や操作等をすることなしに、本発明の計測システムを利用することができる。
【0052】
また、計測システムを構成する情報処理装置201は、コンピュータ等の既存のハードウエアを利用することができるため、計測システムはコストをかけずに構築することができる。したがって、利用者は、本発明の計測システムを安易に利用することが可能である。
【0053】
さらに、本発明の計測システムを構成する情報処理装置201は、利用者の計測情報等をデータベース化して記憶する。利用者が他の健康管理システムを併せて利用している場合、情報処理装置201が管理情報として情報記憶手段201cに記憶するデータベース化された情報を、他の健康管理システムのデータベースとして利用することができる。
【0054】
本実施の形態では、実施の形態1で説明した計測装置101、および、情報処理装置201によって計測システムを構成する例を示した。しかしながら、実施の形態1で説明した1対で構成される計測装置102、および、情報処理装置201によって計測システムを構成することも可能である。
【0055】
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
【0056】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の歩数計システムの利用形態について例を挙げて説明する。
【0057】
本発明の計測システムは、利用者の足等、好ましくは靴に装着される計測装置101(102)によって、歩行する利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、計測情報を記憶する。そして、情報処理装置201は、計測装置101(102)が記憶する計測情報および個体識別情報を無線通信で受信し、受信した情報および管理情報を用いて、利用者の歩行距離や運動量等を求める情報処理を行い、処理情報や健康管理に関する情報を表示する。ここで、健康管理に関する情報とは、利用者の歩数、歩行距離、運動量等を考慮し、当該情報に即した食事や運動等、健康管理を行う上で有用な情報である。これらの健康管理に関する情報は、管理情報に記憶される。または、ネットワークを介して収集することも可能である。
【0058】
まず、利用者が計測装置101(102)を使用するために、装着を行う形態例について説明する。
【0059】
計測装置101(102)は、上記したように利用者の足、靴下、靴等、好ましくは靴に装着する。具体的には、計測装置101が、図1(A)に示す構成の場合、左もしくは右、どちらの靴に装着するかは限定されない。例えば、かかと部分の靴表面に装着しても良いし、靴底の下に装着することも可能である。
【0060】
また、計測装置102が、図2(B)に示す1対の装置で構成される場合、当該計測装置102を左および右の靴にそれぞれ装着する。好ましくは、左右の同じ場所、例えば、両内くるぶし下部、に装着する。そうすることで、左右の歩幅(右足が前の時の歩幅、および、左足が前の時の歩幅)のばらつきがないように計測することができるからである。
【0061】
また、本発明の計測装置101(102)は小型(例えば切手サイズ)であるため、上記例のように靴に装着することによって、装着したままにすることができ、利用者はウォーキングを行う毎に計測装置101(102)を脱着する必要がなくなる。
【0062】
一般的に利用者は複数組の靴を所持しており、複数の計測装置101(102)を複数組の靴に装着することができる。装着する計測装置101(102)の数や靴の種類等は利用者の任意である。
【0063】
次に、利用者が情報処理装置201(図2)を利用するために、設置や初期設定等を行う形態例について説明する。
【0064】
本実施の形態で利用する情報処理装置201(図2)は、図3(A)に示すように、リーダライタ301、および、コンピュータ302によって構成される。リーダライタ301およびコンピュータ302はUSB303で接続されるとする。しかしながら、本発明はこれに限定されず、光通信等を用いて、リーダライタ301とコンピュータ302が無線通信を行う構成とすることも可能である。
【0065】
上記情報処理装置201(図2)は、図3(B)に示すように、リーダライタ301が第二の無線通信手段201aを有し、コンピュータ302が情報処理手段201b、情報記憶手段201cおよび表示手段201dを有することで情報処理装置として構成される。
【0066】
まず、実施の形態2で説明したように、リーダライタ301のドライバ、情報処理プログラムファイルおよび管理情報等を含むソフトウェアを、コンピュータ302にインストールする。また、利用者は本システムを利用するにあたって、情報記憶手段201cに管理情報として、個人情報を記憶する。個人情報とは、例えば、利用者の身長や体重、基礎代謝量等、本システムを利用するのに必要な情報を含む。
【0067】
そして、リーダライタ301を任意の場所に設置する。好ましくは、玄関やエントランス等、建物の進入口に設置する。建物の進入口は、利用者が必ず通過する場所であり、当該場所にリーダライタ301を設置しておけば、利用者は意識することなく、計測装置101(102)が情報処理装置201の通信圏内に進入することのできる好適な場所だからである。
【0068】
ここで、図3(C)が示すような薄いシート型のリーダライタ305を用い、玄関に敷いておくこともできる。こうすることによって、靴に装着された計測装置101(102)は、必ずリーダライタ305に接近し、情報処理装置201の通信圏内に進入することが可能となる。さらには、計測装置101(102)がリーダライタ301(305)に接近すれば、自動的にコンピュータ302の電源が入り、情報処理を行う構成とすることも可能である。
【0069】
上記計測装置101(102)の装着および情報処理装置201の初期設定等を行った後、利用者は計測装置101(102)を装着した靴を履いてウォーキングを行う。計測装置101(102)を装着した靴を履いて歩行した後、そのまま玄関等に設置されているリーダライタ301(305)に接近する(すなわち、計測装置101(102)を情報処理装置201の通信圏内に進入させる)ことで、リーダライタ301(305)は計測装置101(102)から計測情報を受信し、コンピュータ302が利用者の歩行距離、運動量等を求める。
【0070】
初期設定以降、利用者は計測装置101(102)を装着した靴を履いて歩行した後、計測装置101(102)を装着した靴を履いたまま、玄関等に設置されているリーダライタ301(305)に接近するだけで、歩数、歩幅、歩速度等の計測情報、歩行距離、運動量等の情報、および、健康管理に関する情報等を得ることができる。利用者はこれらの処理情報を活用して、自らの健康管理に役立てることが可能となる。
【0071】
次に、一利用形態における計測システムの動作例を図4を用いて説明する。図4は、計測装置101および情報処理装置201の動作を説明するフローチャートを示している。ここで、計測装置101は利用者の靴に装着されており、情報処理装置201はリーダライタ301とコンピュータ302で構成されているとする。さらに、リーダライタ301は利用者が居住する住宅の玄関に設置されているとする。また、本実施の形態における以下の文章では、計測システムの動作と利用者の動作とを区別するために、利用者の動作を括弧内に記載する。
【0072】
まず、(利用者が、計測装置101を装着した靴を履いてウォーキングを行っている間)計測装置101は、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、計測情報を記憶する。
【0073】
そして、(利用者が、計測装置101を装着した靴を履いて、リーダライタ301に接近すると)計測装置101は、情報処理装置201の無線通信圏内に入る。情報処理装置201は、無線通信圏内に計測装置101が進入したことを感知して、計測装置101に初期化信号を送信する。計測装置101は当該初期化信号を受信すると、第一の無線通信手段101cが有する回路を初期化し、情報処理装置201に個体識別番号等の個体識別情報を送信する。
【0074】
情報処理装置201は当該個体識別情報を受信して確認すると、計測装置101に情報要求信号を送信する。計測装置101はその命令に応じて、情報処理装置201に計測情報を送信する。
【0075】
情報処理装置201は当該計測情報を受信し、受信した情報および管理情報から歩行距離や運動量等を求める、および、管理情報から利用者に適した健康管理に関する情報を選択する、等の情報処理を行い、処理情報や健康管理に関する情報等を表示する。
【0076】
一方で、情報処理装置201は計測情報を正確に受信できたことを確認すると、計測装置101に確認が終了したことを伝える信号を送信する。計測装置101は当該信号を受信すると、計測情報を消去し、消去が終了すると、情報処理装置201に情報の消去が終了したことを伝える信号を送信する。ここで、計測情報記憶手段101bは、書き換え可能な不揮発性メモリで構成されているとしている。
【0077】
情報処理装置201は当該信号を受信すると、計測装置101に通信を停止させるための静止信号を送信する。計測装置101は当該静止信号を受信すると、情報処理装置201との通信を停止する。
【0078】
ここで、利用者は計測装置101およびリーダライタ301を操作する必要はない。利用者は。一度リーダライタに接近すれば、その後、計測装置101を装着した靴をリーダライタ301に接近させて置いておき、コンピュータ302に表示される情報を閲覧する、等の行動をとることができる。ここでは、ウォーキングを行った利用者が帰宅し、玄関に靴を脱いで部屋にあがることを想定した例を挙げている。
【0079】
また、計測装置101と情報処理装置201との無線通信は、数μ秒から数秒の間に終了するものであるため、計測装置101を装着した靴を常にリーダライタ301に接近させて置いておくことには限定されない。例えば、計測装置101と情報処理装置201との通信が終了すると、リーダライタ301から音を発する構成にしておき、利用者に通信が終了したことを知らせる構成とすることも可能である。
【0080】
そして、(利用者が再び、計測装置101を装着した靴を履いて外出すると)計測装置101は、利用者の歩数、歩幅、歩速度を計測し、計測情報を記憶する。
【0081】
計測装置101は、情報処理装置201との無線通信圏外に出ることによって、通信のための電力を供給されなくなり、通信停止状態を保持できなくなる。そして、再び情報処理装置201との通信圏内に進入し、初期化信号を受信することによって、通信を再開することが可能になる。
【0082】
また、利用者が本発明の計測システムを利用する形態は、運動としてのウォーキングに限定されない。つまり、日常生活、例えば通勤、買い物等、においても当該計測システムを活用することができる。また、日常生活に置いて複数の靴を利用する場合、例えば、通勤時の靴とウォーキングのための靴が異なる場合、利用者は複数の計測装置101を各々の靴に装着して使用することも可能である。したがって、利用者は計測装置101の脱着を行う必要がない。
【0083】
また、複数の利用者、例えば1つの家族における複数人が、情報処理装置201を共有して本発明の歩数計システムを利用することもできる。このような場合、計測装置101(102)は、輻輳制御回路を有する構成とする。そうすることによって、複数の利用者が使用する複数の計測装置101(102)が情報処理装置201の通信圏内に進入した場合、情報処理装置201は、個々の計測装置101(102)と通信を行うことが可能である。
【0084】
さらに、計測装置101(102)が、個体識別情報記憶手段101d(110d、120d)を有する構成にすることで、情報処理装置201は、どの利用者の計測情報かを識別することが可能である。
【0085】
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
【0086】
(実施の形態4)
本実施の形態では、計測システムを構成する情報処理装置201(図2)が分散処理を行う構成を有する場合について、例を挙げて説明する。
【0087】
近年、コンピュータ技術とネットワーク技術の融合が進み、ネットワークを利用して情報処理を行えば、情報を取得する場所、情報処理が行われる場所、および情報が保存されている場所等が同一である必要性がなくなっている。それぞれの機能を有する機器をネットワークで接続し、分散処理を行うことが可能である。
【0088】
本発明の計測システムにおいても、情報処理装置201として、携帯端末装置やコンピュータをネットワークで接続して利用することが可能である。つまり、計測装置101(102)から計測情報および個体識別情報を読み取る第二の無線通信手段201a、計測情報を処理する情報処理手段201b、管理情報を記憶する情報記憶手段201c、および、情報を表示する表示手段201d、等を有する複数の機器がネットワークを介して接続され、情報処理装置201を構成することができる。ここでネットワークとは、同じ場所に存在する機器をつなぐ短距離の無線および回線通信から、会社や地域単位の閉鎖型ネットワーク、事業者のネットワーク同士をつなぐネットワーク、等を含む広義のネットワークを示している。
【0089】
図5(A)に、計測装置101、および、リーダライタ501、コンピュータ502およびデータベース503で構成される情報処理装置201を用いて本システムを利用する例を示す。
【0090】
計測装置101は、実施の形態1で説明した構成および機能を有する。リーダライタ501は、USB504を介してコンピュータ502に接続される。また、データベース503は、ネットワーク505を介してコンピュータ502と接続する。例えば、データベース503は、計測システムを提供する団体の事務所等に設置されている。
【0091】
図5(B)に示すように、リーダライタ501は、計測装置101と無線通信を行う第一の無線通信手段201aを有する。コンピュータ502は、情報処理手段201bおよび表示手段201dを有する。そしてデータベース503は管理情報を記憶する情報記憶手段201cを有する。
【0092】
上記構成を有する本システムは、計測装置101がリーダライタ501に接近すると、計測装置101および情報処理装置201が通信を行う。具体的には、リーダライタ501が計測装置101から送信される計測情報および個体識別情報を受信する。コンピュータ502は情報を受信すると、ネットワーク505を介してデータベース503にアクセスして管理情報を読み出し、それらの情報をもとにして情報処理を行う。そして、処理情報および健康管理に関する情報を表示する。
【0093】
利用者は、実施の形態3で説明したように、情報処理装置の初期設定を行い、リーダライタ501を任意の場所に設置し、利用している計測装置101を近づけるだけで、計測情報や処理情報を見ることができる。
【0094】
次に、図6(A)には、計測装置101、および、携帯端末装置601とコンピュータ602で構成される情報処理装置201を用いて本システムを利用する例を示す。
【0095】
計測装置101は、実施の形態1で説明した構成および機能を有する。携帯端末装置60は、表示装置605を有し、コンピュータ602と長距離の無線通信を行う。利用者は、携帯端末装置601を装着してウォーキングを行う。
【0096】
図6(B)に示すように、携帯端末装置601は、計測装置101と無線通信を行う第二の無線通信手段201a、表示手段201d、および、コンピュータ602と通信を行うための第一の長距離無線通信手段603を有する。コンピュータ602は、情報処理手段201b、情報記憶手段201c、および、第二の長距離無線通信手段604を有する。第二の長距離無線通信手段604は、携帯端末装置601と通信を行う手段である。
【0097】
上記構成を有する携帯端末装置601は、第一の無線通信手段201aが計測装置101から送信される計測情報を受信し、第一の長距離無線通信手段603が当該計測情報をコンピュータ602に送信する。コンピュータ602は、受信した計測情報をもとに情報処理を行い、処理情報を携帯端末装置601に送信する。ここで、コンピュータ602は、第二の長距離無線通信手段604を用いて携帯端末装置601との通信を行う。携帯端末装置601は、コンピュータ602から受信した処理情報を表示装置605が表示する。
【0098】
また、図5を用いて説明したように、情報処理装置201は、携帯端末装置601、コンピュータ602およびデータベースによって構成することも可能である。この場合、データベースはネットワークを介してコンピュータ602と接続される。そして、コンピュータ602は、情報処理手段201bおよび第二の長距離無線通信手段604を有し、データベースは管理情報を記憶する情報記憶手段201cを有する。
【0099】
また、携帯端末装置601は上記構成に限定されない。例えば、携帯端末装置601は第二の無線通信手段201aおよび表示手段201dのみを有する構成とすることもできる。そして、携帯端末装置601は、計測装置101から計測情報を受信し、表示手段201dに当該計測情報を表示する構成とすることも可能である。
【0100】
さらには、携帯端末装置601が、第二の無線通信手段201a、情報処理手段201b、情報記憶手段201cおよび表示手段201dを有し、情報処理装置201として構成されていても良い。
【0101】
次に、表示装置702を有する計測装置701、および、情報処理装置201によって構成される計測システムの例を説明する。図7(A)には、表示装置702を有する計測装置701が、利用者の靴に装着されている例を示す。
【0102】
計測装置701は、図7(B)に示すように、計測手段701a、計測情報記憶手段701b、第一の無線通信手段701c、個体識別情報記憶手段701d、および、表示手段701eを有する。また、情報処理装置201は、実施の形態2で説明した構成を有する。ここで、情報処理装置202の構成は利用者の任意であるとする。
【0103】
上記構成を有する計測装置は、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測する、そして、歩数および歩幅から歩行距離を求め、それらの情報を表示する。図7(C)には、情報を表示する表示装置702の、外観の例を示す。
【0104】
図6を用いて説明した携帯端末装置601が有する表示装置、および、図7を用いて説明した計測装置701が有する表示装置の一例としては、液晶表示装置、EL表示装置等が挙げられる。しかしながら、本発明はこれらの表示装置のみに限定されることはない。
【0105】
携帯端末装置601や計測装置701が、表示装置605、702を有し、表示装置605、702が歩数や歩行距離、現在の歩速度等を表示することによって、利用者は、ウォーキングの途中に、自らの歩行の情報を知ることができる。したがって、利用者は、ペース配分や総歩行距離、歩行時間等を調節し、自らに適した運動を行うことが可能になる。
【0106】
上記に示すように、本発明の計測システムはネットワークを介して分散処理を行う、または、計測システムを構成する装置が利用者の必要に応じた機能を実現する手段を有することで、利用者一人ひとりに適した計測システムを提供することが可能になる。
【0107】
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
【0108】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した計測装置101、102が有する計測手段、および、計測手段が利用者の歩数、歩幅、歩速度を計測する方法を、例を挙げて説明する。
【0109】
まず、計測装置101、102の計測手段が有するセンサについて、例を挙げて説明する。計測装置101が有する計測手段101aは、速度または加速度を検知するセンサを有する。また、1対で構成される計測装置102が有する計測手段110a、120aは、上記速度センサまたは加速度センサに加え、計測装置間の距離を検知するセンサを有する。
【0110】
例えば、速度を検知するための速度センサとしては、ドップラ効果を利用したもの、空間フィルタを利用したもの等がある。ドップラ式はレーザ光、マイクロ波、超音波などを測定対象に当て、その反射波の周波数変化から速度を測定するものである。
【0111】
例えば、レーザ光を用いて、ドップラ効果を利用する速度センサは、レーザ光を照射する光学ヘッド部と反射光からのドップラ周波数を処理する変換部から構成される。変換部からの信号は、対象物体の移動速度に比例した電圧信号となり、この信号をアナライザ等に入力することによって加速度・変位に変換することができる。また、その信号を周波数分析することによって対象物体の挙動を解析することも可能である。
【0112】
また、空間フィルタを利用した速度センサは、格子状に作られた受光素子上に結像された光学像から、測定対象の光学的なムラの移動を検出して速度信号を得る構成を有する。
【0113】
歩速度を計測するために、加速度センサを用いることもできる。加速度センサとしては、加速度による振り子の変位量を検出して電気信号に変換する加速度センサがある。さらには、当該振り子の直接変位量からでなく、振り子の変位量を電気的バネで零位置になるようにし、その時のフィードバック電流から加速度を測定する加速度センサがある。
【0114】
次に、計測装置110、120間の距離を検知する距離センサとしては、光波距離式センサや、超音波距離センサ等がある。
【0115】
光波距離式センサは、一方から基準信号を投光し、もう一方には反射板を取り付け、反射される受光信号の位相差で2点間の距離を求める。基準投光信号の光源には半導体レーザ等を使用することもできる。また、超音波距離センサは、超音波(数10KHz〜数MHz)の送信器と受信器から構成される。送信器からでた超音波が受信器に検知されるまでの時間を測定することによって、物体間の距離を測定することができる。
【0116】
しかしながら、上記例に挙げるセンサは一例であり、他のセンサを用いて速度や加速度、距離等を検知することも可能である。
【0117】
実施の形態1では、計測装置101が速度センサもしくは加速度センサを有し、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測する例を説明した。本実施の形態では、実施の形態1で説明した、1対で構成される計測装置102を用いて利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測する方法を説明する。
【0118】
はじめに、計測装置102の構成について説明する。第一の計測装置110および第二の計測装置120が有する計測手段110a、120aは、3軸方向(x、y、z方向)の速度を検知するセンサ、および、計測装置間の相対距離を検知するセンサを有する。
【0119】
ここで、図8(A)〜(D)に示すように、利用者が歩行する面をxy平面とし、z方向を地面と垂直な方向とし、さらに進行方向をy方向とする。また、本実施の形態においては、1対の計測装置を靴のかかとに装着し、左足に第一の計測装置110、右足に第二の計測装置120を装着する。本発明はこの装着方法に限定されない。
【0120】
ある時刻tにおいて、第一の計測装置110が検知する速度V1(t)、第二の計測装置120が検知する速度の時間変化をV2(t)とする。また、それぞれの計測装置は3軸方向の速度を検知するので、それぞれの方向に対する速度をVx1(t)、Vx2(t)、Vy1(t)、Vy2(t)、Vz1(t)、Vz2(t)とする。また、計測装置間の距離の時間変化をR(t)とする。
【0121】
ある時刻における計測装置間の距離が最大の時刻をt1、その直後に計測装置間を結ぶ直線がx軸と平行になる時刻をt2とすると、歩数、歩幅、歩速度は以下のようにして計測することが可能である。
【0122】
まず、歩数について説明する。歩数は、第一の計測装置110の速度V1(t)が0になる時、および、第二の計測装置120の速度V2(t)が0となるときの回数を数えることによって計測することが可能である。したがって、計測手段110a、120bはセンサに加えてカウンタを有し、速度が0になったときの回数を数えることで利用者の歩数を計測する。
【0123】
次に、歩幅について説明する。歩幅は、時刻t1および時刻t2における計測装置間の相対距離R(t1)、R(t2)、および、3軸方向の速度の時間積分を足しあわせることによって計測することが可能である。
【0124】
ここで、歩幅を計測する方法の一例を、図8(A)〜(D)を用いて説明する。まず、図8(A)、(B)は、歩行中に計測装置間の距離が最大となる時刻t1の時の足および計測装置102の位置を示している。図8(A)は上面図(xy平面図)、図8(B)は側面図(xz平面図)を示す。ここでは、両足が着地し(図8(B)参照)、右足が左足よりもy軸方向に前進している場合(図8(A)参照)を例示する。
【0125】
図8(A)、(B)に示すように、第1の計測装置110が存在する点をA、第2の計測装置120が存在する点をB、y軸に平行で点Aを通る直線とx軸に平行で点Bを通る直線との交点をCとする。さらに、点AC間の距離をY(t1)、点BC間の距離をX(t1)とすると、歩幅はY(t1)で与えられる。ここで、計測装置102は計測装置間の距離(点AB間の距離)R(t1)を検知するので、歩幅Y(t1)は次式で与えられる。
【0126】
【数1】

【0127】
次に、図8(C)、(D)は、歩行中に計測装置間を結ぶ直線がx軸と平行になる時刻t2の時の足および計測装置102の位置を示している。図8(C)は上面図(xy平面図)、図8(D)は側面図(xz平面図)を示す。ここでは、図8(A)、(B)の次の瞬間であり、左足が右足よりもz軸方向に上昇している場合(図8(D)参照)を例示する。
【0128】
図8(C)、(D)に示すように、第1の計測装置110が存在する点をO、第2の計測装置120が存在する点をP、x軸に平行で点Pを通る直線とz軸に平行で点Oを通る直線との交点をQとする。さらに、点OQ間の距離をZ(t2)、点PQ間の距離をX(t2)とすると、計測装置102は計測装置間の距離(点OP間の距離)R(t2)を検知するので、Z(t2)は、次式で与えられる。
【0129】
【数2】

【0130】
さらに、X(t2)は次式で与えられる。
【0131】
【数3】

【0132】
点Qから点Pへ向かう方向をx軸の正の方向とすると、X(t1)はX(t2)を用いて次式で与えられる。
【0133】
【数4】

【0134】
以上より歩行中の歩幅は、上式1〜4を用いて求めることが可能であり、計測手段110a、120aは、センサおよびカウンタの他に演算回路を有し、利用者の歩幅を計測する。さらに、歩幅が左右で異なる場合は平均を求めることもできる。また、歩幅が変化する場合は、歩幅の時間変化や平均値等を求めることも可能である。
【0135】
そして、歩速度は、Vy1(t)もしくはVy2(t)の平均速度によって求められる。したがって、計測手段110a、120aは演算回路を有し、速度の平均値を求めることで利用者の歩速度を計測する。
【0136】
また、計測装置102は、すべての方向の速度を検知する速度センサを有することで、演算の修正を行うことが可能になる。例えば、走行時の歩幅を計測する場合には、両足が地面に着地していない間に前進した距離を計算してY(t1)に足しあわせる必要がある。これは、速度センサが検知した速度の時間変化を、積分して求めることが可能である。しかしながら、本発明は上記構成に制約されず、必要な方向の速度を検知するセンサのみを有することも可能である。
【0137】
本発明の計測装置102は、本実施の形態に挙げた計測方法の例に限定されない。例えば、計測装置102は、加速度を検知するセンサを有し、演算によって歩数、歩幅および歩速度を計測することも可能である。また、距離センサを有するか否かに限定されず、1対の計測装置を用いて歩数、歩幅および歩速度を計測することによって、左右の計測情報を平均する、または、計測情報を補正する、等を行うことができる。
【0138】
従来技術の歩数計測装置は歩数のみを計測した。歩幅に関しては、利用者が自分自身の平均的な歩幅を計測し、その歩幅と歩数との積によって歩行距離を求めていた。しかしながら、歩幅は歩速度や歩き方、疲労状態等によって変化するので、1つの値に決定できないものである。したがって、従来の方法では正確な歩行距離を求めることができなかった。
【0139】
本発明の計測装置101、102は小型であるため、利用者の足(靴)に装着することができる。そして、計測装置101、102の速度、および、計測装置間の距離等を検知することで、利用者の歩幅を計測することができる。したがって、正確な歩行距離を求めることができる。
【0140】
さらに、歩行距離と併せて歩速度の時間変化を計測することで、利用者の運動量を正確に求めることができる。
【0141】
本発明の計測装置および計測システムを用いることによって、利用者は歩数、歩幅、歩速度、歩行距離、運動量等、自らの歩行に関する情報および当該情報に即した健康管理に関する情報を得ることが可能になる。
【0142】
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
【0143】
(実施の形態6)
本実施の形態では、計測システムの構成、および、計測装置101の回路構成について、一例をあげて説明する。なお、ここで説明する計測装置101は半導体素子を用いた装置であることから、半導体装置と呼ぶこともできる。
【0144】
図9に示すように、計測システムは計測装置および情報処理装置によって構成される。情報処理装置は、実施の形態3で説明したのと同様、リーダライタ301およびコンピュータ302で構成される。
【0145】
リーダライタ301は、USB等のインターフェースを介してコンピュータ302と接続され、当該コンピュータ302の制御のもとに計測装置101との無線通信を行う。なお、リーダライタ301とコンピュータ302とは、赤外線通信等の無線通信を行う構成を有することもできる。
【0146】
計測装置101は、計測手段101a、計測情報記憶手段101b、第一の無線通信手段101cおよび個体識別情報記憶手段101dによって構成される。
【0147】
計測手段101aは、電源装置911、第一のセンサ912、第二のセンサ913、A/D変換回路914、カウンタ915、および、演算回路916を有する。
【0148】
電源装置は、計測手段内に駆動電力を供給する。第一のセンサおよび第二のセンサは、速度や加速度等の物理量を検知する。A/D変換回路は、センサが検知した情報をデジタル信号に変換する。カウンタおよび演算回路は検知情報から演算を行い、歩数、歩幅および歩速度を求める。
【0149】
計測情報記憶手段は、書き換え可能な不揮発性メモリである、第一のメモリ909を有する。第一のメモリは、計測手段が計測した情報を記憶する。
【0150】
第一の無線通信手段101cは、アンテナ901、電源回路902、クロック発生回路903、復調回路904、複合化回路906、制御回路908、符号化回路907、変調回路905を有する。また、アンテナ901ではなく、アンテナおよび容量によって構成される共振回路を有することも可能である。さらには、中央処理演算装置(CPU)、輻輳制御回路等を有することもできる。
【0151】
アンテナはリーダライタから発射される電磁波を受信して交流電圧を発生させる。電源回路は、アンテナから入力される交流電圧から一定の駆動電圧を生成して各回路に供給する。復調回路は、アンテナが受信したリーダライタからの情報を復調し、さらに、複合化回路によって複合化する。制御回路は、当該複合化された情報を判定する、または、第一のメモリおよび第二のメモリを制御する、等の機能を有する。符号化回路および変調回路は、第一のメモリおよび第二のメモリが記憶する情報を複合化および符号化する。
【0152】
計測装置101は、アンテナを含めて半導体装置として一体形成することができる。しかしながら、半導体装置にはアンテナを接続する配線を形成し、別途作製されたアンテナを当該配線に接続することで計測装置として構成することも可能である。
【0153】
上記構成を有する計測装置は、無線通信を行うための駆動電力を、電磁波を介してリーダライタから得る。具体的には、アンテナ901は、リーダライタ301より発せられる電磁波を受信し、アンテナ両端に交流信号を発生する。発生した交流信号が、第一の無線通信手段101cの電力になり、さらに、リーダライタ301から送信される命令等の情報を含んでいる。電源回路902は、アンテナ901に発生した交流信号をダイオードで整流し、容量を用いて平滑化することで電源電位を生成し、各回路へ供給する。クロック発生回路903はアンテナ901に発生した交流信号を基に、必要な周波数のクロック信号を生成する。上記電源回路が生成する電源電位、および、クロック発生回路が生成するクロック信号によって、第一の無線通信手段が動作し、リーダライタとの無線通信を行うことができる。
【0154】
また、制御回路908は、複合化された信号から命令を抽出し、第1のメモリおよび第二のメモリを制御することで、命令に従った一連の動作を実行する。また、復調した信号に誤りが無いかをチェックする回路を有してもよい。
【0155】
個体識別情報記憶手段は、追記型の不揮発性メモリである、第二のメモリ910を有する。第二のメモリは、個体識別情報を記憶するため、書き換えが不可能であり、保持情報の安全性が高いことが望ましい。
【0156】
本実施の形態は、計測装置101がリーダライタ301から電力供給を受けて無線通信を行う例を示したが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、計測装置101は、内部に電池等の電源装置を有し、当該電源装置からの電力供給によって計測および無線通信を行うことも可能である。
【0157】
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態7)
【0158】
実施の形態6で説明した回路構成を有する本発明の計測装置は、複数の半導体素子によって構成される半導体装置である。当該半導体装置は、半導体素子で構成される複数の回路(例えば、電源回路や制御回路等)、および、半導体素子と記憶素子とで構成されるメモリを有する。したがって、本実施の形態では、半導体素子および記憶素子の作製方法について説明する。
【0159】
本発明の計測装置は、利用者の靴に装着して使用可能であるほどに薄くて小型の半導体装置である。ガラスや可撓性基板等の絶縁基板上に、半導体素子を作製することで、そのような半導体装置を作製することが可能である。また、メモリとしては、有機化合物を用いた記憶素子を有する有機メモリを用いることで、小型で安価な半導体装置を作成することができる。
【0160】
なお、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物を有する層、または、有機化合物と無機化合物との混合層を挟んで設けた構成の記憶素子を有するメモリをいう。メモリを構成するデコーダ等は公知の技術を利用してもよい。また、メモリを構成するメモリセルは、当該記憶素子のみで構成する、または、トランジスタと当該記憶素子とで構成することができる。本明細書においては、上記有機化合物を有する層、または、有機化合物と無機化合物との混合層を総称して、有機化合物層と記載する。
【0161】
本実施の形態では、半導体素子および上記記憶素子をガラス基板上に作製する。その後、ガラス基板上に作製した半導体素子および記憶素子を剥離し、可撓性を有する基板、フィルム等に張り合わせる例を説明する。このようにすることで、薄くて小型の半導体装置を作製することができる。
【0162】
まず、ガラス基板4001上に剥離層4002を形成する(図10(A))。基板はガラス以外にも、石英、シリコン、金属等の基板を用いることができる。剥離層4002は、金属や珪素などの元素や化合物を、基板全面、もしくは、部分的に形成する。なお、ガラス基板4001上に記憶装置、および、半導体装置を作製する場合は、剥離層4002を形成しなくてもよい。次に、剥離層4002を覆うように絶縁層4003を形成する。絶縁層4003は、珪素酸化物や珪素窒化物等で形成する。次に、絶縁層4003上に半導体層4004を形成し、レーザ結晶化や、金属触媒を用いた熱結晶化等により、当該半導体層を結晶化させ、その後、所望の形状にパターニングを行う。次に、半導体層を覆うようにゲート絶縁層4005を形成する。ゲート絶縁層4005は、珪素酸化物や珪素窒化物等で形成する。当該ゲート絶縁層4005は、高密度プラズマCVD装置で成膜することによって、膜圧が薄く高い絶縁性を有する絶縁層を形成することが可能である。
【0163】
次に、ゲート電極層4006を形成する。ゲート電極層4006は、導電性を持つ元素や化合物で導電層を形成し、所望の形状にパターニングする。フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う場合、レジストマスクをプラズマ等でエッチングすると、ゲート電極幅を短くし、トランジスタの性能を高めることができる。図10(A)はゲート電極層を積層構造に形成した場合を示す。
【0164】
次に、半導体層4004に不純物元素を添加してN型不純物領域4007、および、P型不純物領域4008を形成する。不純物領域は、フォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成し、燐や砒素、ボロン等の不純物元素を添加することで形成する。次に、窒素化合物等により絶縁層を形成し、当該絶縁層を垂直方向の異方性エッチングすることで、ゲート電極の側面に接する絶縁層4009(サイドウォール)を形成する(図10(B)参照)。次に、N型不純物領域を有する半導体層に不純物を添加し、サイドウォール4009直下の第一のN型不純物領域4010と、第一の不純物領域よりも高い不純物濃度を有する第二のN型不純物領域4011とを形成する。上記の工程により、N型トランジスタ4012と、P型トランジスタ4013とが形成される。
【0165】
続いて、トランジスタ4012、4013を覆うように絶縁層4014を形成する(図10(C)参照)。絶縁層4014は、絶縁性を有する無機化合物や、有機化合物等により形成する。図10(C)においては、絶縁層4014を積層構造で形成したものを示す。次に、第二のN型不純物領域4011と、P型不純物領域4008とを露出させるコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールを充填するように、導電層4015を形成し、当該導電層4015を所望の形状にパターニングする。導電層4015は、導電性を有する金属元素や化合物等で形成する。次に、導電層4015を覆うように、絶縁層4016を形成する。絶縁層4016は、絶縁性を有する無機化合物、または、有機化合物等で形成する。
【0166】
次に、記憶素子の形成を図11(A)に示す。まず、導電層4015を露出させるコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールを充填するように、導電層4017を形成する。導電層4017は、導電性を有する金属元素や化合物等で形成し、記憶素子を構成する第一の導電層となる。次に、導電層4017を覆うように、絶縁層4018を形成する。絶縁層4018は隣り合う記憶素子同士を電気的に分離させるため、高い絶縁性を有する無機化合物、または、有機化合物等で形成する。次に、導電層4017を露出させるコンタクトホールを形成する。半導体装置を作製する場合は、ここで、アンテナ、もしくは、アンテナを接続するための配線を形成する。図11(A)にはアンテナ4019を示す。次に、第一の導電層4017と接するように、有機化合物層4020を形成し、その後、導電層4021を形成する。有機化合物層4020は、電気的作用を加えることにより電気特性が変化する有機化合物を用いて形成する。導電層4021は、導電性を有する金属元素や、化合物等で形成し、記憶素子を構成する第二の導電層となる。次に、保護層4022を形成する。保護層4022は、絶縁性を有する化合物、樹脂等により形成する。
【0167】
図11(B)には、上記と異なる構成の記憶素子を示す。当該記憶素子は、図11(A)においてトランジスタと記憶素子とを接続するために形成された導電層4015を、記憶素子の第一の導電層として用いる。まず、第二のN型不純物領域4011と、P型不純物領域4008とを露出させるコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールを充填するように、導電層4015を形成し、当該導電層4015を所望の形状にパターニングする。導電層4015は、記憶素子を構成する第一の導電層となる。次に、第一の導電層4015と接するように、有機化合物層4020を形成し、その後、導電層4021を形成する。有機化合物層4020は、電気的作用を加えることにより電気特性が変化する有機化合物を用いて形成する。導電層4021は、導電性を有する金属元素や、化合物等で形成し、記憶素子を構成する第二の導電層となる。次に、保護層4022を形成する。保護層4022は、絶縁性を有する化合物、樹脂等により形成する。このようにコンタクトホールに記憶素子を形成することで、半導体装置の小型化、薄型化を図ることができる。また、導電層4017や絶縁層4018が不要となるため製造工程を削減し、低コスト化されたメモリを提供することができる。
【0168】
絶縁層、導電層、半導体素子および記憶素子を構成する各々の層は、単一材料の単層構造、もしくは、複数の材料の積層構造で形成することができる。
【0169】
上記の工程により作製した半導体素子が有する半導体層は、非晶質半導体、微結晶半導体、マイクロクリスタル半導体、多結晶半導体、有機半導体等のいずれの半導体を用いてもよい。良好な特性の半導体素子を得るためには、200度から600度の温度(好適には350度から500度)で結晶化した結晶質半導体層(低温ポリシリコン層)や、600度以上の温度で結晶化した結晶質半導体層(高温ポリシリコン層)を用いることができる。さらに良好な特性の半導体素子を得るためには、金属元素を触媒として結晶化した半導体層や、レーザ照射法により結晶化した半導体層を用いるとよい。また、プラズマCVD法により、SiH4/F2ガス、SiH4/H2ガス等を用いて形成した半導体層や、前記半導体層にレーザ照射を行ったものを用いるとよい。また、回路内の半導体素子の半導体層は、キャリアの流れる方向(チャネル長方向)と平行に延びる結晶粒界を有するように形成するとよい。このような活性層は、連続発振レーザ(CWLCと略記することができる)や、10MHz以上、好ましくは60〜100MHzで動作するパルスレーザで形成することができる。また、半導体層の厚さは、20nm〜200nm、好ましくは50nm〜150nmとするとよい。また、半導体層(特にチャネル形成領域)には、1×1019atoms/cm3〜1×1022atoms/cm3の濃度、好適には1×1019atoms/cm3〜5×1020atoms/cm3の濃度で、水素又はハロゲン元素を添加することで、欠陥が少なく、クラックが生じにくい活性層を得ることができる。
【0170】
上記のように作製したトランジスタは、S値(サブスレッシュホールド値)が0.35V/sec以下、好ましくは0.09〜0.25V/secを有する。また、移動度は、10cm2/Vs以上の特性を有するとよい。さらに、当該トランジスタは、電源電圧が3〜5Vで動作するリングオシレータで、1MHz以上、好適には10MHz以上の特性を有することが望ましい。また、本実施例に示されたトランジスタは、基板上に半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極層を順に積層を積層させる構造を取るが、この例には限定されず、例えば、ゲート電極層、絶縁膜、半導体層を順に積層させる構造を取ることも可能である。また、本実施例においてN型のトランジスタは、第一のN型不純物領域と第二のN型不純物領域を有するが、この例には限定されず、不純物領域における不純物濃度が一様であっても良い。
【0171】
有機化合物層の材料は、電気的作用、光学的作用又は熱的作用等により、その性質や状態が変化する材料を用いる。例えば、電圧を印加することにより有機化合物の性質や状態が変化し、記憶素子を構成する第一の導電層と第二の導電層とが短絡する材料を用いる。したがって、有機化合物層の厚さは、5nmから100nm、好ましくは10nmから60nmとする。このような有機化合物層には、様々な無機材料又は有機化合物材料を用いることができ、蒸着法、スピンコーティング法、液滴吐出法等により形成することができる。なお、有機化合物層に用いることができる材料については、後に詳述することとする。
【0172】
また、第一の導電層および第二の導電層は、導電性を有する材料から形成することができる。例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜等から形成することができる。またインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2〜20%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム等の透光性材料を用いることができる。さらに、保護層4022、4026の材料として、無機材料は、酸化珪素、窒化珪素を用いることができる。有機材料はポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される。これらの材料を用いて保護層を作製することによって、平坦性を高め、不純物元素の侵入を防止することができる。
【0173】
また、半導体素子および記憶素子は複数の層に渡って設けられていてもよい。多層構造で作製する場合は、層間での寄生容量を低減するために、層間絶縁膜の材料に低誘電率材料を用いるとよい。例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の樹脂材料、シロキサン系ポリマー等の重合によってできた化合物材料などが挙げられる。多層構造において寄生容量を低減すれば、小面積化、動作の高速化、低消費電力化を実現することができる。また、アルカリ金属の汚染を防ぐための保護層を設けることで、信頼性を向上することができる。当該保護層は、窒化アルミニウム、窒化珪素膜等の無機材料により、回路内の半導体素子を包むように、または、回路全体を包むように設けるとよい。
【0174】
次に、上記のように構成した半導体素子および記憶素子をガラス基板4001から剥離し、可撓性を有する基板、フィルム等へ張り付ける方法を、図12を用いて説明する。半導体素子および記憶素子をガラス基板4001から剥離し、可撓性を有する基板、フィルム等へ張り付ける場合、当該半導体素子および記憶素子の厚さは5μm以下、好ましくは、1μm〜3μmであることが望ましい。
【0175】
まず、剥離層4002が露出するように開口部4027を形成し、当該開口部4027にエッチング剤を導入し、剥離層4002を部分的に除去する(図12(A)参照)。次に、ガラス基板上面方向から第一の可撓性基板4029を接着し、剥離層4002を境に、半導体素子および記憶素子を有する層4028をガラス基板4001から剥離することで、半導体素子および記憶素子を有する層4028を第一の可撓性基板4029側へ移し取る。次に、半導体素子および記憶素子を有する層4028がガラス基板4001と接していた側に第二の可撓性基板4030を接着することで、可撓性を有する記憶装置、もしくは、半導体装置を作製することができる(図12(B)参照)。可撓性基板としては、プラスティックフィルムや紙等を用いることができる。外部からの影響を最小限にするため、第一の可撓性基板4029と、第二の可撓性基板4030とが同一の厚さを有し、半導体素子および記憶素子を有する層4028が断面の中心に存在することが望ましい。
【0176】
上記工程において、半導体素子および記憶素子を有する層4028にアンテナを接続する配線のみを作製した場合、第一の可撓性基板4029にアンテナを作製し、半導体素子および記憶素子を有する層4028と接着することで半導体装置を作製することが可能である。また、曲面を有する可撓性基板に半導体素子および記憶素子を有する層4028を張り付ける場合は、半導体素子のキャリアの流れる方向(チャネル長方向)と曲線の方向とを同一にすると、半導体素子への影響を少なくすることができる。
【0177】
また、本実施例においては開口部4027から剥離層4002をエッチングした後に、半導体素子および記憶素子を有する層4028を第一の可撓性基板4029へ移し取る方法を挙げたが、この例には限定されない。例えば、剥離層4002をエッチング工程のみで除去した後、半導体素子および記憶素子を有する層4028をほかの基板へ移しかえる方法や、開口部4027を設けず、第一の可撓性基板4029を貼り付けて、半導体素子および記憶素子を有する層4028をガラス基板から剥がし取る方法、さらには、ガラス基板4001を裏面から研磨し、半導体素子および記憶素子を有する層4028を得る方法などがあり、これらの方法を適宜組み合わせて行うことも可能である。ガラス基板を裏面から研磨する以外の方法で、半導体素子および記憶素子を有する層4028を他の基板へ移しかえる工程を用いれば、半導体素子および記憶素子を有する層4028を作製するためのガラス基板4001が再利用できる利点がある。
【0178】
本実施の形態で説明したように、絶縁基板上に半導体素子および記憶素子を形成することで、薄くて小型の計測装置を作製することができる。また、駆動回路を構成する半導体素子およびメモリを構成する記憶素子を同一基板上に作製することによって、製造コストを低くすることが可能となる。また、上記有機メモリは追記型の不揮発性メモリであり、計測装置が有する個体識別情報記憶手段を構成するメモリとして好ましい。追記型である有機メモリは、記憶情報を書き換えることができないために、情報の安全性を高くすることができる。
【0179】
ここで、本実施の形態で説明した有機メモリの記憶素子を構成する、有機化合物層の材料の例を挙げる。有機化合物材料としては、例えば、4、4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物等を用いることができる。これら材料は、正孔輸送性の高い物質である。
【0180】
また、他にも有機化合物材料として、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。これら材料は、電子輸送性が高い物質である。
【0181】
さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等の化合物等を用いることができる。
【0182】
また有機化合物層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料から選び、積層構造することができる。また上記有機化合物材料と、発光材料とを積層してもよい。発光材料として、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等がある。
【0183】
また、上記発光材料を分散してなる層を用いてもよい。発光材料分散してなる層において、母体となる材料としては、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)などの金属錯体等を用いることができる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。
【0184】
このような有機化合物材料は、熱的作用等によりその性質を変化させるため、ガラス転移温度(Tg)が50℃から300℃、好ましくは80℃から120℃であるとよい。
【0185】
また、有機化合物材料や発光材料に金属酸化物を混在させた材料を用いてもよい。なお金属酸化物を混在させた材料とは、上記有機化合物材料又は発酵材料と、金属酸化物とが混合した状態、又は積層された状態を含む。具体的には複数の蒸着源を用いた共蒸着法により形成された状態を指す。このような材料を有機無機複合材料と呼ぶことができる。
【0186】
例えば正孔輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはバナジウム酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、レニウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物を用いると好ましい。
【0187】
また電子輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはリチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、マグネシウム酸化物を用いると好ましい。
【0188】
有機化合物層には、電気的作用、光学的作用又は熱的作用により、その性質が変化する材料を用いればよいため、例えば光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いることもできる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いることができる。
【0189】
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明の計測装置の構成を説明する図。
【図2】本発明の計測システムの構成を説明する図。
【図3】本発明の計測システムの利用形態例を説明する図。
【図4】本発明の計測システムの動作を説明する図。
【図5】本発明の計測システムの利用形態例を説明する図。
【図6】本発明の計測システムの利用形態例を説明する図。
【図7】本発明の計測装置の構成を説明する図。
【図8】本発明の計測方法例について説明する図。
【図9】本発明の計測装置の回路構成例を説明する図
【図10】計測装置を構成する半導体素子および記憶素子の作製方法を説明する図。
【図11】計測装置を構成する半導体素子および記憶素子の作製方法を説明する図。
【図12】計測装置を構成する半導体素子および記憶素子の作製方法を説明する図。
【符号の説明】
【0191】
101 計測装置
101a 計測手段
101a 計測手段
101b 計測情報記憶手段
101b 計測情報記憶手段
101c 無線通信手段
101c 無線通信手段
101c 記無線通信手段
101d 個体識別情報記憶手段
101d 個体識別情報記憶手段
110 第一の計測装置
110a 計測手段
110b 計測情報記憶手段
110c 第一の無線通信手段
110d 個体識別情報記憶手段
102 情報処理装置
120 第二の計測装置
201 情報処理装置
201a 第二の無線通信手段
201b 情報処理手段
201c 情報記憶手段
201d 表示手段
301 リーダライタ
302 コンピュータ
303 USB(Universal Serial Bus)
305 リーダライタ
501 リーダライタ
502 コンピュータ
503 データベース
504 USB
505 ネットワーク
601 携帯端末装置
602 コンピュータ
603 第一の長距離無線通信手段
604 第二の長距離無線通信手段
605 表示装置
701 計測装置
701a 計測手段
701b 計測情報記憶手段
701c 無線通信手段
701d 個体識別情報記憶手段
701e 表示手段
702 表示装置
901 アンテナ
902 電源回路
903 クロック発生回路
904 復調回路
905 変調回路
906 複合化回路
907 符号化回路
908 制御回路
909 メモリ
910 メモリ
911 電源装置
912 第一のセンサ
913 第二のセンサ
914 A/D変換回路
915 カウンタ
916 演算回路
4001 ガラス基板
4002 剥離層
4003 絶縁層
4004 半導体層
4005 ゲート絶縁層
4006 ゲート電極層
4007 N型不純物領域
4008 P型不純物領域
4009 絶縁層
4010 N型不純物領域
4011 N型不純物領域
4012 N型トランジスタ
4013 P型トランジスタ
4014 絶縁層
4015 導電層
4016 絶縁層
4017 導電層
4018 絶縁層
4019 アンテナ
4020 有機化合物層
4021 導電層
4022 保護層
4027 開口部
4028 半導体素子および記憶素子を有する層
4029 第一の可撓性基板
4030 第二の可撓性基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の歩数、歩幅、および歩速度を計測する計測手段と、
計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する計測情報記憶手段と、
外部と無線通信を行う無線通信手段とを有することを特徴とする計測装置。
【請求項2】
利用者の歩数、歩幅、および歩速度を計測する計測手段と、
計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する計測情報記憶手段と、
外部と無線通信を行う無線通信手段とを有し、
前記計測手段は、センサ、A/D変換回路、カウンタ、演算回路、および電源装置を有し、
前記計測情報記憶手段は、メモリを有し、
前記無線通信手段は、アンテナ、電源回路、復調回路、変調回路、符号化回路、復号化回路、および、制御回路を有することを特徴とする計測装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記計測装置は、複数の計測装置から1つの計測装置を識別するための固体識別番号を含む固体識別情報を記憶する固体識別情報記憶手段を有することを特徴とする計測装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記個体識別情報記憶手段は、追記型の不揮発性メモリを有することを特徴とする計測装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記メモリは、書き換え可能な不揮発性メモリであることを特徴とする計測装置。
【請求項6】
請求項2において、
前記センサは、速度もしくは加速度を検知するセンサであることを特徴とする計測装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2において、
前記計測装置は1対で構成され、
前記計測手段は、速度もしくは加速度を検知するセンサ、および、前記1対の計測装置間の距離を検知するセンサを有することを特徴とする計測装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
前記計測装置は、利用者の足、靴下、または、靴に装着されることを特徴とする計測装置。
【請求項9】
計測装置と情報処理装置とで構成され、
前記計測装置は、
利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測する計測手段と、
計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する計測情報記憶手段と、
前記情報処理装置と無線通信を行う第一の無線通信手段とを有し、
前記情報処理装置は、
前記計測装置と無線通信を行う第二の無線通信手段と、
前記利用者の個人情報を有する管理情報をデータベース化して記憶する情報記憶手段と、
前記計測情報および管理情報から情報処理を行う情報処理手段と、
処理された情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする計測システム。
【請求項10】
計測装置と、リーダライタおよびコンピュータを有する情報処理装置とで構成され、
前記計測装置は、
利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測する計測手段と、
計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する計測情報記憶手段と、
前記情報処理装置と無線通信を行う第一の無線通信手段とを有し、
前記リーダライタは、
前記計測装置と無線通信を行う第二の無線通信手段を有し、
前記コンピュータは、
前記利用者の個人情報を有する管理情報をデータベース化して記憶する情報記憶手段と、
前記計測情報および前記管理情報から情報処理を行う情報処理手段と、
処理された情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする計測システム。
【請求項11】
計測装置と、リーダライタ、コンピュータおよびデータベースを有する情報処理装置とで構成され、
前記計測装置は、
利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測する計測手段と、
計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する計測情報記憶手段と、
前記情報処理装置と無線通信を行う第一の無線通信手段とを有し、
前記リーダライタは、
前記計測装置と無線通信を行う第二の無線通信手段を有し、
前記コンピュータは、
前記計測情報および管理情報から情報処理を行う情報処理手段と、
処理された情報を表示する表示手段とを有し、
前記データベースは、
前記利用者の個人情報および計測情報を有する前記管理情報をデータベース化して記憶する情報記憶手段とを有し、
前記コンピュータおよび前記データベースは、ネットワークを介して接続されることを特徴とする計測システム。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11において、
前記計測装置は、請求項1乃至請求項8に記載する計測装置であることを特徴とする計測システム。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか一において、
前記第二の無線通信手段は、アンテナ、復調回路、変調回路、符号化回路、復号化回路、および制御回路を有し、
前記情報記憶手段は、ハードディスクを有し、
前記情報処理手段は、揮発性メモリ、中央演算処理装置、メモリ制御回路を有し、
前記表示手段は、表示装置を有することを特徴とする計測システム。
【請求項14】
計測装置が、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測して計測情報を記憶し、
情報処理装置が、前記計測装置から計測情報を受信し、
受信した情報から利用者の歩行距離および運動量を求め、
処理情報を表示することを特徴とする計測方法。
【請求項15】
計測装置が、利用者の歩数、歩幅および歩速度を計測し、
計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶し、
情報処理装置が、前記計測装置に情報要求信号を送信し、
前記計測装置が、前記情報要求信号に応じて計測情報および個体識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置が、前記計測装置から情報を受信し、
受信した情報および記憶している管理情報とから利用者の歩行距離および運動量を求め、
処理情報を表示することを特徴とする計測方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−308301(P2006−308301A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127780(P2005−127780)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】