計測装置
【課題】本発明の目的は、被検査体の回転時の状態を測定する際、測定誤差の小さい計測装置を提供することにある。
【解決手段】計測装置10は、固定フレーム12、被供試体14を挟み込むリム16、リム16の中心に取り付けられた主軸18、主軸18を回転させるモータ20、主軸18を回転可能に保持する軸受け22、固定フレーム12に対して軸受け22をつり下げる2種類の異方向性の弾性体24a,24b、各異方向性の弾性体24a,24bの変位を測定するセンサ26、測定された変位から被供試体14のバランスを求める演算部28を備える。
【解決手段】計測装置10は、固定フレーム12、被供試体14を挟み込むリム16、リム16の中心に取り付けられた主軸18、主軸18を回転させるモータ20、主軸18を回転可能に保持する軸受け22、固定フレーム12に対して軸受け22をつり下げる2種類の異方向性の弾性体24a,24b、各異方向性の弾性体24a,24bの変位を測定するセンサ26、測定された変位から被供試体14のバランスを求める演算部28を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被供試体の回転時の状態を測定する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪の製造後にバランスを測定している(下記の特許文献1参照)。バランスが所定の範囲内に入っていない被供試体は廃棄されたり、補修されたりする。
【0003】
バランスの測定は、車輪を回転させ、これと同時に回転する主軸の振れを検出することにより、バランスが取れているか否かを測定する。主軸の振れを検出するために、特許文献1では、固定された柱と軸受けとを平板状の板バネで取り付けている。主軸が振れると軸受けも振れ、その振れが板バネに伝達される。板バネの変位を変位(振動)センサ等によって検出し、変位から車輪のアンバランス量を求めている。
【0004】
しかし、平板状の板バネを使用した場合、周囲温度分布の変化による主軸、軸受けおよび軸受け箱と機械を構成するフレームの伸縮によって、板バネに張力が働き、変位センサが検出する振動に誤差が生じる。弾性力学や材料力学での張力の項は、微小たわみの場合に影響を無視できる項としている。しかし、当該機械ではその影響を受け、振動を解析して回転時のバランスを求めても、誤差が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭56−8288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、被供試体の回転時の状態を測定する際、測定誤差の小さい計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の計測装置は、固定フレームと、被供試体を保持する手段と、前記保持する手段の中心に取り付けられた主軸と、前記主軸を回転させるモータと、前記主軸を回転可能に保持する軸受けと、前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、平板状、帯状または線状の第1の異方向性のある弾性材と、前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、折れ曲がった第2の異方向性のある弾性材と、前記第1の異方向性のある弾性材と第2の異方向性のある弾性材の変位、加速度または速度を測定するセンサと、前記センサで測定された変位、加速度または速度から被供試体のバランスを求める演算部とを備える。
【0008】
リムが被検査体を挟み込む。モータが駆動すると、モータの動力が主軸を介してリムに伝えられる。固定フレームに第1の異方向性の弾性体および第2の異方向性の弾性体がつり下げられており、各異方向性の弾性体に軸受けがつり下げられている。リムおよび被検査体が回転したとき、被検査体のバランスが取れていないと、主軸が振れる。主軸の振れに合わせて軸受けも振れ、第1の異方向性の弾性体および第2の異方向性の弾性体の位置が変位する。この変位をセンサで測定し、演算部が被検査体のバランスを求める。
【0009】
複数の異方向性の弾性体が第1の異方向性の弾性体と第2の異方向性の弾性体である以外に、全ての異方向性の弾性体を第2の異方向性の弾性体にしても良い。第2の異方向性の弾性体の変位をセンサで測定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、正確に不釣合い量(アンバランス量)を演算する為には振動成分に含まれる傾斜(アングル)振動成分と併進(シフト)振動成分に対して一体一応(直線的な比例)の関係が得られる。平板状の第1の異方向性の弾性体以外に折れ曲がった第2の異方向性の弾性体を使用している。第2の異方向性の弾性体の折れ曲がった部分が、周囲温度分布による主軸、軸受け及び軸受け箱と機械を構成する固定フレームの伸縮によって異方向性の弾性体(板バネ)に働く張力小さくすることができる。異方向性の弾性体の曲げに対する反発力に加振力が比例した振幅を計測することが可能となる。第2の異方向性の弾性体と固定フレーム、第2の異方向性の弾性体と軸受けの固定位置が変化しにくく、機械の回転による内部発熱および周囲温度変化等による影響を受けにくい構造となり、誤差が生じにくい。測定誤差の小さい計測装置である。センサを非接触式にすることにより、機械的な摩擦などの影響を受けず、安定的に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の計測装置の構成を示す図である。
【図2】図1の計測装置の軸受け、異方向性の弾性体、およびセンサの拡大図である。
【図3】防振パッドを示す図である。
【図4】被供試体を搬送するコンベヤを示す図である。
【図5】モータの動力の伝達を示す図である。
【図6】異方向性の弾性体を示す図であり、(a)は第1の異方向性の弾性体示す図であり、(b)は第2の異方向性の弾性体を示す図である。
【図7】異方向性の弾性体の変位を示す図であり、(a)はバランスの取れた被供試体の変位であり、(b)はアンバランスな被供試体の変位である。
【図8】(a)はスリットを設けた第1の異方向性の弾性体の図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)はスリットの代わりに溝を設けた図である。
【図9】帯状の第1の異方向性の弾性体を使用した図である。
【図10】(a)は端部を曲面にした異方向性の弾性体の断面図であり、(b)は端部を面取りした異方向性の弾性体の断面図であり、(c)は膨らみを持たせた異方向性の弾性体の断面図である。
【図11】第2の異方向性の弾性体の他の図であり、(a)は折り曲げ部分を三角形にした図であり、(b)は折り曲げ部分を曲線にした図であり、(c)は折り曲げ部分が2方向に折り曲げられた図である。
【図12】折り曲げ回数を2回にした第2の異方向性の弾性体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の計測装置について図面を使用して説明する。バランスを測定される被供試体は、円形体またはリング体であり、材料が金属材料、ゴムまたはプラスチックであったり、内部に空洞が形成されていたりしても良い。以下、被供試体14はリング体を例に説明する。
【0013】
図1、図2の計測装置10は、固定フレーム12、被供試体14を挟み込んで保持するリム16、リム16の中心に取り付けられた主軸18、主軸18を回転させるモータ20、主軸18を回転可能に保持する軸受け22、固定フレーム12に対して軸受け22をつり下げる2種類の異方向性のある弾性材24a,24b、各異方向性のある弾性材24a,24bの変位を測定するセンサ26、測定された変位から被供試体14のバランスを求める演算部28を備える。
【0014】
固定フレーム12は、床や地面に計測装置10を設置するためのフレームである。固定フレーム12は、鋼材で形成されたフレームを縦、横、奥行き方向に組み合わせられている。計測装置10を構成する部品が固定フレーム12に取り付けられる。
【0015】
固定フレーム12と床または地面の間に、ゴムなどの柔軟材料からなる防振パッド30を配置する(図3)。防振パッド30が、リム16の回転時の固定フレーム12の振動を吸収する。固定フレーム12の位置は変化しない。防振パッド30は、シート32に2種類の突起34a,34bを配列させている。突起34a,34bは直径および高さの異なる円柱であり、方向性の無い非線形のバネ特性を有し、固有振動数が分散して振幅のピークが抑えられ、固定フレーム12を床または地面に設置するための基礎工事が不要となる。
【0016】
リム16は、円形の上リム36a、円形の下リム36b、および上リム36aと下リム36bのロック機構38を備える。上リム36aと下リム36bは同じ形状であり、対向するように配置される。上リム36aと下リム36bは、直径の大きいリムから小さいリムになるように積み重ねられ、階段状になっている。被供試体14の大きさが異なっても、リム16を変更する必要はない。
【0017】
上リム36aと下リム36bが被供試体14の内周部分(ビード部分)を押さえ込むようにして挟む。上リム36aと下リム36bがロック機構38によって一体になり、通常の車両のホイールリムと同じ機能を果たす。上リム36a、下リム36b、および被供試体14によって密閉空間が形成され、被供試体14に空気を入れることも可能になる。
【0018】
上リム36aと下リム36bで被供試体14を挟み込んだ後、リム16の空気注入排出口から被供試体14の中に空気を入れるポンプを備える。空気の注入は被供試体14の種類によって決められた圧力になるようにする。被供試体14のバランスの測定後に、被供試体14の内周部分またはその付近を押さえ、リム16から被供試体14を外すビードブレーカーを備える。
【0019】
また、上リム36aを上下動させるために、上リム上下駆動サーボモータ40、上リム上下駆動サーボモータ40の駆動によって上下動するアーム42、アーム42の先端に設けられたチャック44を備える。チャック44としてエアチャックが挙げられる。チャック44を介してアーム42に上リム36aが保持されている。上リム上下駆動サーボモータ40が駆動すると、上リム36aが上昇または降下する。
【0020】
バランスを測定する前に、上リム36aが降下して被供試体14を挟み込む。バランスを測定する際、チャック44から上リム36aが放される。バランスの測定が終了すると、チャック44が上リム36aを保持し、アーム42が上昇することによって、上リム36aが上昇する。
【0021】
リム16は円形になっており、その中心に主軸18が取り付けられている。主軸18が取り付けられているのは、下リム36bである。主軸18がモータ20によって回転させられると、下リム16bも回転する。被供試体14を挟み込んでロック機構38によって上リム36aと下リム36bが一体になると、下リム36bの回転によって、上リム36a、下リム36b、および被供試体14は一体となって回転する。
【0022】
リム16のある位置まで被供試体14を搬送、リム16のある位置から被供試体14を搬出するコンベヤ46を備える(図4)。コンベヤ46の種類は、ローラーコンベヤが挙げられる。コンベヤ46は搬送方向に沿ってローラー48が2列に並べられている。列同士の間隔を変化させる装置を設け、被供試体14の大きさに合わせて、各列の間隔が変更できるようにする。
【0023】
被供試体14の内周部分がリム16の配置された位置まで搬送されたことを検出するセンサを備える。例えば、非接触に光センサなどで被供試体14を検出する。センサで被供試体14を検出したとき、コンベヤ46を停止させる。2列に並べられたローラー48の中心にリム16が配置されており、被供試体14を中央に移動させるためのアームを備える。
【0024】
リム16の周囲にあるローラー48の表面は、摩擦低減加工が施されている。図4ではハッチングで低摩擦加工が施されたローラー48を示している。例えば、フッ素樹脂や超高分子量ポリエチレンを基材としたテープをローラー48の表面に貼り付けたり、ローラー48の表面にフッ素樹脂や超高分子量ポリエチレンを塗布および乾燥させて、ローラー48の表面で発生する摩擦を低減させる。2列に並べられたローラー48の中心にリム16が配置されており、リム16の回転軸と被供試体14の芯を合わせやすくするためである。また、低摩擦にすることによって、ローラー48の長寿命化も可能になる。ローラー48の表面以外の材料は限定されない。
【0025】
また、摩擦低減加工は、リム16へ搬送する前に被供試体14の位置を中心に移動させたり、リム16から搬出後に被供試体14にアンバランスな位置をマークするために、被供試体14の位置を中心に移動させたりするローラー48にも施す。図4では両側にハッチングで示したローラー48である。
【0026】
コンベヤ46を上昇および降下させるための装置を備える。被供試体14のバランスを測定する際、コンベヤ46は降下して、バランス測定の邪魔にならないようにする。バランス測定後に、被供試体14を搬出するためにコンベヤ46は上昇する。
【0027】
モータ20は固定フレーム12に固定されている。モータ20が駆動することによって、主軸18が中心軸50を軸として回転する。モータ20の動力を主軸18に伝達するために、主軸18に取り付けられたタイミングプーリー52、モータ20の回転軸54に取り付けられたタイミングプーリー56、およびタイミングプーリー52からタイミングプーリー56まで張られたタイミングベルト58を備える(図5)。タイミングプーリー52の中心と主軸の中心軸50が一致し、モータ20の回転軸54とタイミングプーリー56の中心が一致する。
【0028】
タイミングベルト58は無端状であり、タイミングプーリー52とタイミングプーリー56の間を周回する。モータ20が駆動することによって、タイミングプーリー56からタイミングベルト58を介してタイミングプーリー52に動力が伝達され、主軸18が回転する。
【0029】
タイミングベルト58は、テンションローラ60によってテンションがかけられる。周囲温度分布の変化によってタイミングベルト58が伸縮しても、主軸18への負荷を一定に保つことができる。タイミングベルト58の周回時にドリフトが生じることも防止できる。タイミングプーリー56の歯数よりもタイミングプーリー52の歯数が多く、モータ20の回転速度に比べて主軸18の回転速度が減速される。各歯数は被供試体14の回転速度に合わせて適宜変更しても良い。
【0030】
タイミングプーリー52とタイミングプーリー56の回転数の比は、整数倍にする。タイミングプーリー52が1回転したとき、タイミングプーリー56はその整数倍の回転がなされている。バランス測定の際、モータ系20の駆動によるノイズをキャンセルすることができる。
【0031】
軸受け22は筒状であり、その中に主軸18の一部が収納されている。主軸18および軸受け22は地球の重力方向を向いている。軸受け22の両端にはベアリング62が設けられている。軸受け22と主軸18との間にはベアリング62が配置され、軸受け22によって主軸18の回転を阻害することはない。すなわち、軸受け22とベアリング62とによって主軸18を回転可能に保持する。被供試体14の回転時に主軸18が振れると、主軸18の振れに合わせて軸受け22も振れる。
【0032】
軸受け22は、板状の異方向性のある弾性材24a,24bによって固定フレーム12に取り付けられている。異方向性のある弾性材24a,24bの一端部が固定フレーム12に取り付けられ、固定フレーム12につり下げられている。異方向性のある弾性材24a,24bの他端部に軸受け22が取り付けられている。軸受け22に対して垂直方向を向いた板状の取り付け部64が軸受け22に設けられており、この取り付け部64と異方向性のある弾性材24a,24bとが固定される。すなわち、軸受け22は、異方向性のある弾性材24a,24bによって固定フレーム12につり下げられている。取り付け部64は、軸受け22を中心として左右対象となる位置に設ける。異方向性のある弾性材24a,24bの固定は、ボルトとナットなどの締結部材によっておこなう。
【0033】
異方向性のある弾性材24a,24bは2種類である。異方向性の弾性体は、平板状の第1の異方向性のある弾性材24aと平板状にコの字型(Ω型)に折れ曲がった部分を設けた第2の異方向性のある弾性材24bである(図6)。各異方向性のある弾性材24a,24bは板バネが使用できる。
【0034】
各異方向性のある弾性材24a,24bは2枚である。複数の板体64が軸受け22に設けられており、板体64に異方向性のある弾性材24a,24bが取り付けられる。同じ種類の異方向性のある弾性材24a,24bが軸受け22に対して同じ高さに取り付けられる。第1の異方向性のある弾性材24aの位置と第2の異方向性のある弾性材24bの位置は入れ替えられても良い。第2の異方向性のある弾性材24bは、コの字型の折れ曲がり部分66以外の平面67は同一平面に配置され、軸受け22をつり下げたときに、軸受け22が地球の重力方向を向くようにする。異方向性のある弾性材24a,24bをつり下げているため、異方向性のある弾性材24a,24bの平面に対する垂直方向の振れ以外に、平面がねじれる振れを検出することができる。
【0035】
図1では第1の異方向性のある弾性材24aと第2の異方向性のある弾性材24bの合計数は4枚である。第2の異方向性のある弾性材24bが使用されるのであれば、第1の異方向性のある弾性材24aと第2の異方向性の弾性体24bの合計数は4枚に限定されない。異方向性のある弾性材24a,24bの数は、軸受け22の大きさに合わせて適宜変更される。
【0036】
被供試体14の回転時に被供試体14のバランスが不均一であれば、主軸18が中心軸50の垂直方向に振れる。主軸18の振れにあわせて軸受け22が振れ、異方向性のある弾性材24a,24bが振動する。従来、平板状の第1の異方向性のある弾性材24aのみで振動を検出したが、本発明では第2の異方向性のある弾性材24bも使用している。第2の異方向性のある弾性材24bはコの字型に折れ曲がっており、周囲温度分布の変化によって第2の異方向性のある弾性材24bが伸縮しても折れ曲がり部分66で主軸18、軸受け22および固定フレーム12の伸縮によって異方向性の弾性体に働く張力小さくすることができる。第2の異方向性のある弾性材24bが伸縮しても、第2の異方向性のある弾性材24bと固定フレーム12の取り付け位置、第2の異方向性のある弾性材24bと板体64の取り付け位置は変化しない。周囲温度分布の変化による測定誤差を無くすことができる。
【0037】
また、折れ曲がり部分66で吸収できる伸縮は、第2の異方向性のある弾性材24b自体だけでなく、軸受け22の伸縮も吸収できる。
【0038】
センサ26は、各異方向性のある弾性材24a,24bの変位、すなわちセンサ26から異方向性のある弾性材24a,24bまでの位置の変化を測定する。各異方向性のある弾性材24a,24bが2枚有るが、その2枚の変位を測定しても良いし、1枚の変位を測定しても良い。センサ26は固定フレーム12に取り付けられており、被供試体14の回転時にセンサ26の位置は変化しない。センサ26は非接触のセンサを使用してもよい。非接触のセンサとしては、レーザーまたは超音波によって変位を計測する装置が挙げられる。非接触で測定するため、物理的な故障や破壊が生じず、安定して測定できる。
【0039】
各異方向性のある弾性材24a,24bに鏡面加工を施し、その部分の変位を計測する。鏡面加工を施すのは、各異方向性のある弾性材24a,24bの板体64に取り付けた部分の裏面側である。なお、第2の異方向性のある弾性材24bの折れ曲がり部分66の変位を測定しない。折れ曲がり部分66が第2の異方向性のある弾性材24bの伸縮を吸収しているためである。
【0040】
演算部28は、センサ26で測定された変位のデータを受信して、被供試体14のバランスを求める。コンピュータに所望の演算をおこなうプログラムを記憶し、演算させることによって、コンピュータを演算部28として機能させる。演算部28は、センサ26で計測された変位が一定であるか、または変位が規則的に変化するか否かを求める。変位が一定でなかったり、不規則に変化したりすれば、被供試体14のバランスが均一でないことが分かる。例えば、図7(a)のように通常は変位が一定である場合に、図7(b)のように変位が変化すれば、被供試体14のバランスは均一でない。2種類の異方向性のある弾性材24a,24bを使用して変位を測定しているが、それらの平均から被供試体14のバランスを求めても良い。
【0041】
なお、コンベヤ46で被供試体14を搬送するときに被供試体14の方向(軽点マークの位置の方向など)を一定にしておけば、変位が不規則に変化した位置から被供試体14のアンバランスになっている位置を求めることもできる。この場合、リム16の回転角度を検出するセンサを設ける。リム16の回転角度と異方向性のある弾性材24a,24bの変位からアンバランスになっている位置を求める。被供試体14を搬送するときに被供試体14の方向が不規則であれば、単にアンバランスであることが分かる。
【0042】
計測装置10を使用したバランスの測定は以下の(1)〜(7)の順番でおこなわれる。(1)コンベヤ46によって被供試体14を搬送し、下リム36bの位置で停止させる。(2)上リム36aを降下させ、上リム36aと下リム36bで被供試体14を挟み込む。(3)被供試体14に空気を入れ、コンベヤ46を降下させる。(3)モータ20を駆動させ、主軸18を介してリム16を回転させる。リム16に被供試体14が挟み込まれて固定されており、被供試体14も同時に回転する。(4)被供試体14の回転時に、センサ26が各異方向性のある弾性材24a,24bの変位を測定し、演算部28が変位から被供試体14のバランスを求める。(5)バランスを求めた後、モータ20を停止させる。(6)ビードブレーカーでリム16から被供試体14を取り外し、上リム36aを上昇させ、コンベヤ46も上昇させる。(7)コンベヤ46で被供試体14を搬出する。複数の被供試体14のバランスを測定する場合、1本の被供試体14のバランスが求められるたびに、(1)〜(7)の工程が繰り返される。
【0043】
以上のように、2種類の異方向性のある弾性材24a,24bを使用しており、周囲温度分布の変化の影響を受けにくい。ノイズも小さく、測定誤差を小さくできる。従来に比べて信頼性の高いバランス測定が可能である。
【0044】
以上、本発明について実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。センサ26は非接触のセンサに限定されない。各異方向性のある弾性材24a,24bの変位を測定できるのであれば、ロードセル、圧電素子、歪みゲージなどであっても良い。または静電容量や渦電流などで測定する装置であっても良い。
【0045】
変位の測定以外に、各異方向性の弾性体24b、24bが振れたときの加速度を検出しても良い。センサ26は加速度を検出するセンサを使用する。または、加速度を時間で積分することによって速度を求め、速度の変化から主軸18の振れを求めるようにしても良い。上述した変位の代わりに加速度または速度の変化を使用して主軸18の振れを求める。主軸18を測定するためのセンサ26の種類は、設計・製作時に最適な機器が適宜選択できる。
【0046】
第1の異方向性のある弾性材24aと第2の異方向性のある弾性材24bの両方を使用する以外に、全ての異方向性の弾性体が第2の異方向性のある弾性材24bであってもよい。図1では4枚の異方向性のある弾性材24a,24bで軸受け22をつり下げているが、4枚の第2の異方向性のある弾性材24bで軸受け22をつり下げる。また、2枚の第2の異方向性のある弾性材24bのみで軸受け22をつり下げても良い。1枚の第2の異方向性のある弾性材24bの変位をセンサ26で測定しても良いし、複数の第2の異方向性のある弾性材24bの変位をセンサ26で測定しても良い。
【0047】
コンベヤ46で被供試体14を搬送および搬出する以外に、ロボットアームで被供試体14をリム16まで搬送および搬出してもよい。また、コンベヤ46やロボットアームの無い態様で実施し、手作業で被供試体14をリム16まで搬送および搬出しても良い。
【0048】
第1の異方向性の弾性体24aは単なる板状に限定されない。複数のスリット80を設けても良い(図8(a)、(b))。また、スリット80ではなく、溝82であってもよい(図8(c))。溝82は、第1の異方向性の弾性体24aの一面または両面に設けられる。スリット80の長さ、幅、数は任意である。また、溝82の長さ、幅、深さ、数は任意である。
【0049】
第1の異方向性の弾性体24aは板状に限定されず、帯状または線状であってもよい。帯状または線状になった複数の第1の異方向性の弾性体24aを並べ、軸受け22をつり下げる(図9)。
【0050】
第1の異方向性の弾性体24aと同様に第2の異方向性の弾性体24bにもスリット80を設けたり、溝82を設けたりしても良い。さらに、第2の異方向性の弾性体24bも帯状または線状であっても良く、その場合、帯状または線状に折れ曲がり部分66を設ける。
【0051】
各異方向性の弾性体24a、24bは、その断面が完全な矩形になるのではなく、端部を曲面にしたり、面取りを施したりしても良い(図10(a)、(b))。また、各異方向性の弾性体24a、24bは厚みが一定でなくても良い。図10(c)に示すように、断面が楕円形などの膨らみを持たせた形状であっても良い。
【0052】
図6(b)に示す第2の異方向性のある弾性材24bの折れ曲がり部分66は、コの字型に限定されない。第2の異方向性のある弾性材24bは、少なくとも2箇所で折れ曲がり、折れ曲がり部分66以外で軸受け22をつり下げ、折れ曲がり部分66以外の変位が検出されれば、その形状は限定されない。例えば、図11(a)、(b)の折れ曲がり部分66b、66cように、三角形に折れ曲がったり、曲線にしたりしても良い。また、図11(c)の折れ曲がり部分66dのように、一方向だけでなく二方向に突き出るように折れ曲がっても良い。さらに、種々の形状を組み合わせた折れ曲がりであってもよい。
【0053】
図12に示すように、第2の異方向性の弾性体24bは、折り曲げ回数が2回であってもよい。各折り曲げ角度は90度になっている。折れ曲がり部分66は、直線部分66eとなる。固定フレーム12と取り付け部64の位置も直線部分66eの長さと同じ距離をずらすようにする。
【0054】
第2の異方向性の弾性体24bは、折り曲げた角が、図6(b)などのように曲面になっても良いし、尖っていても良い。
【0055】
各異方向性の弾性体24a、24bは、複数の板状体を重ね合わせた物であっても良い。熱膨張の異なる2種以上の板状体を重ね合わせても良い。
【0056】
各異方向性の弾性体24a,24bは、軸受け22をつり下げたが、いずれか一方または両方の異方向性の弾性体24a,24bが、軸受け22を下方から支える構成であっても良い。板状の取り付け部64が固定フレーム12よりも上方に配置されるようにする。片方吊り下げもう片方は押し上げ方式を採用した場合機械の回転による内部発熱および周囲温度変化等による熱膨張の影響は多くの場合異方向性の弾性体24a,24bの軸方向には圧縮力が加わる。軸受け22を下から支える異方向性の弾性体24a,24bは、座屈方向の加重を受けるが、張力を受けて振幅が減少するよりも誤差の影響は受けにくい。なお、第2の異方向性の弾性体24bのみを使用した場合も、同様に軸受け22を支えても良い。
【0057】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0058】
10:計測装置
12:固定フレーム
14:被供試体(車輪、車軸またはタイヤ)
16:リム
18:主軸
20:モータ
22:軸受け
24a,24b:異方向性のある弾性材
26:センサ
28:演算部
52、56:タイミングプーリー
58:タイミングベルト
60:テンションローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被供試体の回転時の状態を測定する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪の製造後にバランスを測定している(下記の特許文献1参照)。バランスが所定の範囲内に入っていない被供試体は廃棄されたり、補修されたりする。
【0003】
バランスの測定は、車輪を回転させ、これと同時に回転する主軸の振れを検出することにより、バランスが取れているか否かを測定する。主軸の振れを検出するために、特許文献1では、固定された柱と軸受けとを平板状の板バネで取り付けている。主軸が振れると軸受けも振れ、その振れが板バネに伝達される。板バネの変位を変位(振動)センサ等によって検出し、変位から車輪のアンバランス量を求めている。
【0004】
しかし、平板状の板バネを使用した場合、周囲温度分布の変化による主軸、軸受けおよび軸受け箱と機械を構成するフレームの伸縮によって、板バネに張力が働き、変位センサが検出する振動に誤差が生じる。弾性力学や材料力学での張力の項は、微小たわみの場合に影響を無視できる項としている。しかし、当該機械ではその影響を受け、振動を解析して回転時のバランスを求めても、誤差が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭56−8288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、被供試体の回転時の状態を測定する際、測定誤差の小さい計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の計測装置は、固定フレームと、被供試体を保持する手段と、前記保持する手段の中心に取り付けられた主軸と、前記主軸を回転させるモータと、前記主軸を回転可能に保持する軸受けと、前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、平板状、帯状または線状の第1の異方向性のある弾性材と、前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、折れ曲がった第2の異方向性のある弾性材と、前記第1の異方向性のある弾性材と第2の異方向性のある弾性材の変位、加速度または速度を測定するセンサと、前記センサで測定された変位、加速度または速度から被供試体のバランスを求める演算部とを備える。
【0008】
リムが被検査体を挟み込む。モータが駆動すると、モータの動力が主軸を介してリムに伝えられる。固定フレームに第1の異方向性の弾性体および第2の異方向性の弾性体がつり下げられており、各異方向性の弾性体に軸受けがつり下げられている。リムおよび被検査体が回転したとき、被検査体のバランスが取れていないと、主軸が振れる。主軸の振れに合わせて軸受けも振れ、第1の異方向性の弾性体および第2の異方向性の弾性体の位置が変位する。この変位をセンサで測定し、演算部が被検査体のバランスを求める。
【0009】
複数の異方向性の弾性体が第1の異方向性の弾性体と第2の異方向性の弾性体である以外に、全ての異方向性の弾性体を第2の異方向性の弾性体にしても良い。第2の異方向性の弾性体の変位をセンサで測定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、正確に不釣合い量(アンバランス量)を演算する為には振動成分に含まれる傾斜(アングル)振動成分と併進(シフト)振動成分に対して一体一応(直線的な比例)の関係が得られる。平板状の第1の異方向性の弾性体以外に折れ曲がった第2の異方向性の弾性体を使用している。第2の異方向性の弾性体の折れ曲がった部分が、周囲温度分布による主軸、軸受け及び軸受け箱と機械を構成する固定フレームの伸縮によって異方向性の弾性体(板バネ)に働く張力小さくすることができる。異方向性の弾性体の曲げに対する反発力に加振力が比例した振幅を計測することが可能となる。第2の異方向性の弾性体と固定フレーム、第2の異方向性の弾性体と軸受けの固定位置が変化しにくく、機械の回転による内部発熱および周囲温度変化等による影響を受けにくい構造となり、誤差が生じにくい。測定誤差の小さい計測装置である。センサを非接触式にすることにより、機械的な摩擦などの影響を受けず、安定的に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の計測装置の構成を示す図である。
【図2】図1の計測装置の軸受け、異方向性の弾性体、およびセンサの拡大図である。
【図3】防振パッドを示す図である。
【図4】被供試体を搬送するコンベヤを示す図である。
【図5】モータの動力の伝達を示す図である。
【図6】異方向性の弾性体を示す図であり、(a)は第1の異方向性の弾性体示す図であり、(b)は第2の異方向性の弾性体を示す図である。
【図7】異方向性の弾性体の変位を示す図であり、(a)はバランスの取れた被供試体の変位であり、(b)はアンバランスな被供試体の変位である。
【図8】(a)はスリットを設けた第1の異方向性の弾性体の図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)はスリットの代わりに溝を設けた図である。
【図9】帯状の第1の異方向性の弾性体を使用した図である。
【図10】(a)は端部を曲面にした異方向性の弾性体の断面図であり、(b)は端部を面取りした異方向性の弾性体の断面図であり、(c)は膨らみを持たせた異方向性の弾性体の断面図である。
【図11】第2の異方向性の弾性体の他の図であり、(a)は折り曲げ部分を三角形にした図であり、(b)は折り曲げ部分を曲線にした図であり、(c)は折り曲げ部分が2方向に折り曲げられた図である。
【図12】折り曲げ回数を2回にした第2の異方向性の弾性体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の計測装置について図面を使用して説明する。バランスを測定される被供試体は、円形体またはリング体であり、材料が金属材料、ゴムまたはプラスチックであったり、内部に空洞が形成されていたりしても良い。以下、被供試体14はリング体を例に説明する。
【0013】
図1、図2の計測装置10は、固定フレーム12、被供試体14を挟み込んで保持するリム16、リム16の中心に取り付けられた主軸18、主軸18を回転させるモータ20、主軸18を回転可能に保持する軸受け22、固定フレーム12に対して軸受け22をつり下げる2種類の異方向性のある弾性材24a,24b、各異方向性のある弾性材24a,24bの変位を測定するセンサ26、測定された変位から被供試体14のバランスを求める演算部28を備える。
【0014】
固定フレーム12は、床や地面に計測装置10を設置するためのフレームである。固定フレーム12は、鋼材で形成されたフレームを縦、横、奥行き方向に組み合わせられている。計測装置10を構成する部品が固定フレーム12に取り付けられる。
【0015】
固定フレーム12と床または地面の間に、ゴムなどの柔軟材料からなる防振パッド30を配置する(図3)。防振パッド30が、リム16の回転時の固定フレーム12の振動を吸収する。固定フレーム12の位置は変化しない。防振パッド30は、シート32に2種類の突起34a,34bを配列させている。突起34a,34bは直径および高さの異なる円柱であり、方向性の無い非線形のバネ特性を有し、固有振動数が分散して振幅のピークが抑えられ、固定フレーム12を床または地面に設置するための基礎工事が不要となる。
【0016】
リム16は、円形の上リム36a、円形の下リム36b、および上リム36aと下リム36bのロック機構38を備える。上リム36aと下リム36bは同じ形状であり、対向するように配置される。上リム36aと下リム36bは、直径の大きいリムから小さいリムになるように積み重ねられ、階段状になっている。被供試体14の大きさが異なっても、リム16を変更する必要はない。
【0017】
上リム36aと下リム36bが被供試体14の内周部分(ビード部分)を押さえ込むようにして挟む。上リム36aと下リム36bがロック機構38によって一体になり、通常の車両のホイールリムと同じ機能を果たす。上リム36a、下リム36b、および被供試体14によって密閉空間が形成され、被供試体14に空気を入れることも可能になる。
【0018】
上リム36aと下リム36bで被供試体14を挟み込んだ後、リム16の空気注入排出口から被供試体14の中に空気を入れるポンプを備える。空気の注入は被供試体14の種類によって決められた圧力になるようにする。被供試体14のバランスの測定後に、被供試体14の内周部分またはその付近を押さえ、リム16から被供試体14を外すビードブレーカーを備える。
【0019】
また、上リム36aを上下動させるために、上リム上下駆動サーボモータ40、上リム上下駆動サーボモータ40の駆動によって上下動するアーム42、アーム42の先端に設けられたチャック44を備える。チャック44としてエアチャックが挙げられる。チャック44を介してアーム42に上リム36aが保持されている。上リム上下駆動サーボモータ40が駆動すると、上リム36aが上昇または降下する。
【0020】
バランスを測定する前に、上リム36aが降下して被供試体14を挟み込む。バランスを測定する際、チャック44から上リム36aが放される。バランスの測定が終了すると、チャック44が上リム36aを保持し、アーム42が上昇することによって、上リム36aが上昇する。
【0021】
リム16は円形になっており、その中心に主軸18が取り付けられている。主軸18が取り付けられているのは、下リム36bである。主軸18がモータ20によって回転させられると、下リム16bも回転する。被供試体14を挟み込んでロック機構38によって上リム36aと下リム36bが一体になると、下リム36bの回転によって、上リム36a、下リム36b、および被供試体14は一体となって回転する。
【0022】
リム16のある位置まで被供試体14を搬送、リム16のある位置から被供試体14を搬出するコンベヤ46を備える(図4)。コンベヤ46の種類は、ローラーコンベヤが挙げられる。コンベヤ46は搬送方向に沿ってローラー48が2列に並べられている。列同士の間隔を変化させる装置を設け、被供試体14の大きさに合わせて、各列の間隔が変更できるようにする。
【0023】
被供試体14の内周部分がリム16の配置された位置まで搬送されたことを検出するセンサを備える。例えば、非接触に光センサなどで被供試体14を検出する。センサで被供試体14を検出したとき、コンベヤ46を停止させる。2列に並べられたローラー48の中心にリム16が配置されており、被供試体14を中央に移動させるためのアームを備える。
【0024】
リム16の周囲にあるローラー48の表面は、摩擦低減加工が施されている。図4ではハッチングで低摩擦加工が施されたローラー48を示している。例えば、フッ素樹脂や超高分子量ポリエチレンを基材としたテープをローラー48の表面に貼り付けたり、ローラー48の表面にフッ素樹脂や超高分子量ポリエチレンを塗布および乾燥させて、ローラー48の表面で発生する摩擦を低減させる。2列に並べられたローラー48の中心にリム16が配置されており、リム16の回転軸と被供試体14の芯を合わせやすくするためである。また、低摩擦にすることによって、ローラー48の長寿命化も可能になる。ローラー48の表面以外の材料は限定されない。
【0025】
また、摩擦低減加工は、リム16へ搬送する前に被供試体14の位置を中心に移動させたり、リム16から搬出後に被供試体14にアンバランスな位置をマークするために、被供試体14の位置を中心に移動させたりするローラー48にも施す。図4では両側にハッチングで示したローラー48である。
【0026】
コンベヤ46を上昇および降下させるための装置を備える。被供試体14のバランスを測定する際、コンベヤ46は降下して、バランス測定の邪魔にならないようにする。バランス測定後に、被供試体14を搬出するためにコンベヤ46は上昇する。
【0027】
モータ20は固定フレーム12に固定されている。モータ20が駆動することによって、主軸18が中心軸50を軸として回転する。モータ20の動力を主軸18に伝達するために、主軸18に取り付けられたタイミングプーリー52、モータ20の回転軸54に取り付けられたタイミングプーリー56、およびタイミングプーリー52からタイミングプーリー56まで張られたタイミングベルト58を備える(図5)。タイミングプーリー52の中心と主軸の中心軸50が一致し、モータ20の回転軸54とタイミングプーリー56の中心が一致する。
【0028】
タイミングベルト58は無端状であり、タイミングプーリー52とタイミングプーリー56の間を周回する。モータ20が駆動することによって、タイミングプーリー56からタイミングベルト58を介してタイミングプーリー52に動力が伝達され、主軸18が回転する。
【0029】
タイミングベルト58は、テンションローラ60によってテンションがかけられる。周囲温度分布の変化によってタイミングベルト58が伸縮しても、主軸18への負荷を一定に保つことができる。タイミングベルト58の周回時にドリフトが生じることも防止できる。タイミングプーリー56の歯数よりもタイミングプーリー52の歯数が多く、モータ20の回転速度に比べて主軸18の回転速度が減速される。各歯数は被供試体14の回転速度に合わせて適宜変更しても良い。
【0030】
タイミングプーリー52とタイミングプーリー56の回転数の比は、整数倍にする。タイミングプーリー52が1回転したとき、タイミングプーリー56はその整数倍の回転がなされている。バランス測定の際、モータ系20の駆動によるノイズをキャンセルすることができる。
【0031】
軸受け22は筒状であり、その中に主軸18の一部が収納されている。主軸18および軸受け22は地球の重力方向を向いている。軸受け22の両端にはベアリング62が設けられている。軸受け22と主軸18との間にはベアリング62が配置され、軸受け22によって主軸18の回転を阻害することはない。すなわち、軸受け22とベアリング62とによって主軸18を回転可能に保持する。被供試体14の回転時に主軸18が振れると、主軸18の振れに合わせて軸受け22も振れる。
【0032】
軸受け22は、板状の異方向性のある弾性材24a,24bによって固定フレーム12に取り付けられている。異方向性のある弾性材24a,24bの一端部が固定フレーム12に取り付けられ、固定フレーム12につり下げられている。異方向性のある弾性材24a,24bの他端部に軸受け22が取り付けられている。軸受け22に対して垂直方向を向いた板状の取り付け部64が軸受け22に設けられており、この取り付け部64と異方向性のある弾性材24a,24bとが固定される。すなわち、軸受け22は、異方向性のある弾性材24a,24bによって固定フレーム12につり下げられている。取り付け部64は、軸受け22を中心として左右対象となる位置に設ける。異方向性のある弾性材24a,24bの固定は、ボルトとナットなどの締結部材によっておこなう。
【0033】
異方向性のある弾性材24a,24bは2種類である。異方向性の弾性体は、平板状の第1の異方向性のある弾性材24aと平板状にコの字型(Ω型)に折れ曲がった部分を設けた第2の異方向性のある弾性材24bである(図6)。各異方向性のある弾性材24a,24bは板バネが使用できる。
【0034】
各異方向性のある弾性材24a,24bは2枚である。複数の板体64が軸受け22に設けられており、板体64に異方向性のある弾性材24a,24bが取り付けられる。同じ種類の異方向性のある弾性材24a,24bが軸受け22に対して同じ高さに取り付けられる。第1の異方向性のある弾性材24aの位置と第2の異方向性のある弾性材24bの位置は入れ替えられても良い。第2の異方向性のある弾性材24bは、コの字型の折れ曲がり部分66以外の平面67は同一平面に配置され、軸受け22をつり下げたときに、軸受け22が地球の重力方向を向くようにする。異方向性のある弾性材24a,24bをつり下げているため、異方向性のある弾性材24a,24bの平面に対する垂直方向の振れ以外に、平面がねじれる振れを検出することができる。
【0035】
図1では第1の異方向性のある弾性材24aと第2の異方向性のある弾性材24bの合計数は4枚である。第2の異方向性のある弾性材24bが使用されるのであれば、第1の異方向性のある弾性材24aと第2の異方向性の弾性体24bの合計数は4枚に限定されない。異方向性のある弾性材24a,24bの数は、軸受け22の大きさに合わせて適宜変更される。
【0036】
被供試体14の回転時に被供試体14のバランスが不均一であれば、主軸18が中心軸50の垂直方向に振れる。主軸18の振れにあわせて軸受け22が振れ、異方向性のある弾性材24a,24bが振動する。従来、平板状の第1の異方向性のある弾性材24aのみで振動を検出したが、本発明では第2の異方向性のある弾性材24bも使用している。第2の異方向性のある弾性材24bはコの字型に折れ曲がっており、周囲温度分布の変化によって第2の異方向性のある弾性材24bが伸縮しても折れ曲がり部分66で主軸18、軸受け22および固定フレーム12の伸縮によって異方向性の弾性体に働く張力小さくすることができる。第2の異方向性のある弾性材24bが伸縮しても、第2の異方向性のある弾性材24bと固定フレーム12の取り付け位置、第2の異方向性のある弾性材24bと板体64の取り付け位置は変化しない。周囲温度分布の変化による測定誤差を無くすことができる。
【0037】
また、折れ曲がり部分66で吸収できる伸縮は、第2の異方向性のある弾性材24b自体だけでなく、軸受け22の伸縮も吸収できる。
【0038】
センサ26は、各異方向性のある弾性材24a,24bの変位、すなわちセンサ26から異方向性のある弾性材24a,24bまでの位置の変化を測定する。各異方向性のある弾性材24a,24bが2枚有るが、その2枚の変位を測定しても良いし、1枚の変位を測定しても良い。センサ26は固定フレーム12に取り付けられており、被供試体14の回転時にセンサ26の位置は変化しない。センサ26は非接触のセンサを使用してもよい。非接触のセンサとしては、レーザーまたは超音波によって変位を計測する装置が挙げられる。非接触で測定するため、物理的な故障や破壊が生じず、安定して測定できる。
【0039】
各異方向性のある弾性材24a,24bに鏡面加工を施し、その部分の変位を計測する。鏡面加工を施すのは、各異方向性のある弾性材24a,24bの板体64に取り付けた部分の裏面側である。なお、第2の異方向性のある弾性材24bの折れ曲がり部分66の変位を測定しない。折れ曲がり部分66が第2の異方向性のある弾性材24bの伸縮を吸収しているためである。
【0040】
演算部28は、センサ26で測定された変位のデータを受信して、被供試体14のバランスを求める。コンピュータに所望の演算をおこなうプログラムを記憶し、演算させることによって、コンピュータを演算部28として機能させる。演算部28は、センサ26で計測された変位が一定であるか、または変位が規則的に変化するか否かを求める。変位が一定でなかったり、不規則に変化したりすれば、被供試体14のバランスが均一でないことが分かる。例えば、図7(a)のように通常は変位が一定である場合に、図7(b)のように変位が変化すれば、被供試体14のバランスは均一でない。2種類の異方向性のある弾性材24a,24bを使用して変位を測定しているが、それらの平均から被供試体14のバランスを求めても良い。
【0041】
なお、コンベヤ46で被供試体14を搬送するときに被供試体14の方向(軽点マークの位置の方向など)を一定にしておけば、変位が不規則に変化した位置から被供試体14のアンバランスになっている位置を求めることもできる。この場合、リム16の回転角度を検出するセンサを設ける。リム16の回転角度と異方向性のある弾性材24a,24bの変位からアンバランスになっている位置を求める。被供試体14を搬送するときに被供試体14の方向が不規則であれば、単にアンバランスであることが分かる。
【0042】
計測装置10を使用したバランスの測定は以下の(1)〜(7)の順番でおこなわれる。(1)コンベヤ46によって被供試体14を搬送し、下リム36bの位置で停止させる。(2)上リム36aを降下させ、上リム36aと下リム36bで被供試体14を挟み込む。(3)被供試体14に空気を入れ、コンベヤ46を降下させる。(3)モータ20を駆動させ、主軸18を介してリム16を回転させる。リム16に被供試体14が挟み込まれて固定されており、被供試体14も同時に回転する。(4)被供試体14の回転時に、センサ26が各異方向性のある弾性材24a,24bの変位を測定し、演算部28が変位から被供試体14のバランスを求める。(5)バランスを求めた後、モータ20を停止させる。(6)ビードブレーカーでリム16から被供試体14を取り外し、上リム36aを上昇させ、コンベヤ46も上昇させる。(7)コンベヤ46で被供試体14を搬出する。複数の被供試体14のバランスを測定する場合、1本の被供試体14のバランスが求められるたびに、(1)〜(7)の工程が繰り返される。
【0043】
以上のように、2種類の異方向性のある弾性材24a,24bを使用しており、周囲温度分布の変化の影響を受けにくい。ノイズも小さく、測定誤差を小さくできる。従来に比べて信頼性の高いバランス測定が可能である。
【0044】
以上、本発明について実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。センサ26は非接触のセンサに限定されない。各異方向性のある弾性材24a,24bの変位を測定できるのであれば、ロードセル、圧電素子、歪みゲージなどであっても良い。または静電容量や渦電流などで測定する装置であっても良い。
【0045】
変位の測定以外に、各異方向性の弾性体24b、24bが振れたときの加速度を検出しても良い。センサ26は加速度を検出するセンサを使用する。または、加速度を時間で積分することによって速度を求め、速度の変化から主軸18の振れを求めるようにしても良い。上述した変位の代わりに加速度または速度の変化を使用して主軸18の振れを求める。主軸18を測定するためのセンサ26の種類は、設計・製作時に最適な機器が適宜選択できる。
【0046】
第1の異方向性のある弾性材24aと第2の異方向性のある弾性材24bの両方を使用する以外に、全ての異方向性の弾性体が第2の異方向性のある弾性材24bであってもよい。図1では4枚の異方向性のある弾性材24a,24bで軸受け22をつり下げているが、4枚の第2の異方向性のある弾性材24bで軸受け22をつり下げる。また、2枚の第2の異方向性のある弾性材24bのみで軸受け22をつり下げても良い。1枚の第2の異方向性のある弾性材24bの変位をセンサ26で測定しても良いし、複数の第2の異方向性のある弾性材24bの変位をセンサ26で測定しても良い。
【0047】
コンベヤ46で被供試体14を搬送および搬出する以外に、ロボットアームで被供試体14をリム16まで搬送および搬出してもよい。また、コンベヤ46やロボットアームの無い態様で実施し、手作業で被供試体14をリム16まで搬送および搬出しても良い。
【0048】
第1の異方向性の弾性体24aは単なる板状に限定されない。複数のスリット80を設けても良い(図8(a)、(b))。また、スリット80ではなく、溝82であってもよい(図8(c))。溝82は、第1の異方向性の弾性体24aの一面または両面に設けられる。スリット80の長さ、幅、数は任意である。また、溝82の長さ、幅、深さ、数は任意である。
【0049】
第1の異方向性の弾性体24aは板状に限定されず、帯状または線状であってもよい。帯状または線状になった複数の第1の異方向性の弾性体24aを並べ、軸受け22をつり下げる(図9)。
【0050】
第1の異方向性の弾性体24aと同様に第2の異方向性の弾性体24bにもスリット80を設けたり、溝82を設けたりしても良い。さらに、第2の異方向性の弾性体24bも帯状または線状であっても良く、その場合、帯状または線状に折れ曲がり部分66を設ける。
【0051】
各異方向性の弾性体24a、24bは、その断面が完全な矩形になるのではなく、端部を曲面にしたり、面取りを施したりしても良い(図10(a)、(b))。また、各異方向性の弾性体24a、24bは厚みが一定でなくても良い。図10(c)に示すように、断面が楕円形などの膨らみを持たせた形状であっても良い。
【0052】
図6(b)に示す第2の異方向性のある弾性材24bの折れ曲がり部分66は、コの字型に限定されない。第2の異方向性のある弾性材24bは、少なくとも2箇所で折れ曲がり、折れ曲がり部分66以外で軸受け22をつり下げ、折れ曲がり部分66以外の変位が検出されれば、その形状は限定されない。例えば、図11(a)、(b)の折れ曲がり部分66b、66cように、三角形に折れ曲がったり、曲線にしたりしても良い。また、図11(c)の折れ曲がり部分66dのように、一方向だけでなく二方向に突き出るように折れ曲がっても良い。さらに、種々の形状を組み合わせた折れ曲がりであってもよい。
【0053】
図12に示すように、第2の異方向性の弾性体24bは、折り曲げ回数が2回であってもよい。各折り曲げ角度は90度になっている。折れ曲がり部分66は、直線部分66eとなる。固定フレーム12と取り付け部64の位置も直線部分66eの長さと同じ距離をずらすようにする。
【0054】
第2の異方向性の弾性体24bは、折り曲げた角が、図6(b)などのように曲面になっても良いし、尖っていても良い。
【0055】
各異方向性の弾性体24a、24bは、複数の板状体を重ね合わせた物であっても良い。熱膨張の異なる2種以上の板状体を重ね合わせても良い。
【0056】
各異方向性の弾性体24a,24bは、軸受け22をつり下げたが、いずれか一方または両方の異方向性の弾性体24a,24bが、軸受け22を下方から支える構成であっても良い。板状の取り付け部64が固定フレーム12よりも上方に配置されるようにする。片方吊り下げもう片方は押し上げ方式を採用した場合機械の回転による内部発熱および周囲温度変化等による熱膨張の影響は多くの場合異方向性の弾性体24a,24bの軸方向には圧縮力が加わる。軸受け22を下から支える異方向性の弾性体24a,24bは、座屈方向の加重を受けるが、張力を受けて振幅が減少するよりも誤差の影響は受けにくい。なお、第2の異方向性の弾性体24bのみを使用した場合も、同様に軸受け22を支えても良い。
【0057】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0058】
10:計測装置
12:固定フレーム
14:被供試体(車輪、車軸またはタイヤ)
16:リム
18:主軸
20:モータ
22:軸受け
24a,24b:異方向性のある弾性材
26:センサ
28:演算部
52、56:タイミングプーリー
58:タイミングベルト
60:テンションローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定フレームと、
被供試体を保持する手段と、
前記保持する手段の中心に取り付けられた主軸と、
前記主軸を回転させるモータと、
前記主軸を回転可能に保持する軸受けと、
前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、平板状、帯状または線状の第1の異方向性のある弾性材と、
前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、折れ曲がった第2の異方向性のある弾性材と、
前記第1の異方向性のある弾性材と第2の異方向性のある弾性材の変位、加速度または速度を測定するセンサと、
前記センサで測定された変位、加速度または速度から被供試体のバランスを求める演算部と、
を備えた計測装置。
【請求項2】
固定フレームと、
被供試体を保持する手段と、
前記保持する手段の中心に取り付けられた主軸と、
前記主軸を回転させるモータと、
前記主軸を回転可能に保持する軸受けと、
前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、折れ曲がった異方向性のある弾性材と、
前記異方向性のある弾性材の変位、加速度または速度を測定するセンサと、
前記センサで測定された変位、加速度または速度から被供試体のバランスを求める演算部と、
を備えた計測装置。
【請求項3】
前記センサが非接触式のセンサである請求項1または2の計測装置。
【請求項4】
前記主軸に取り付けられたタイミングプーリーと、
前記モータの回転軸に取り付けられたタイミングプーリーと、
前記主軸のタイミングプーリーからモータのタイミングプーリーまで張られ、モータの動力をタイミングプーリーに伝達するタイミングベルトと、
を備え、
前記主軸のタイミングプーリーとモータのタイミングプーリーの回転数の比が整数倍である請求項1から3のいずれかの計測装置。
【請求項5】
前記被供試体を保持する手段まで搬送し、搬出するコンベヤを備え、保持する手段の周囲のローラーに対して低摩擦処理を施した請求項1から4のいずれかの計測装置。
【請求項6】
前記ローラーが2列に並んでおり、列同士の間隔を変更する装置を備えた請求項5の計測装置。
【請求項1】
固定フレームと、
被供試体を保持する手段と、
前記保持する手段の中心に取り付けられた主軸と、
前記主軸を回転させるモータと、
前記主軸を回転可能に保持する軸受けと、
前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、平板状、帯状または線状の第1の異方向性のある弾性材と、
前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、折れ曲がった第2の異方向性のある弾性材と、
前記第1の異方向性のある弾性材と第2の異方向性のある弾性材の変位、加速度または速度を測定するセンサと、
前記センサで測定された変位、加速度または速度から被供試体のバランスを求める演算部と、
を備えた計測装置。
【請求項2】
固定フレームと、
被供試体を保持する手段と、
前記保持する手段の中心に取り付けられた主軸と、
前記主軸を回転させるモータと、
前記主軸を回転可能に保持する軸受けと、
前記固定フレームに対して軸受けを取り付けるための、折れ曲がった異方向性のある弾性材と、
前記異方向性のある弾性材の変位、加速度または速度を測定するセンサと、
前記センサで測定された変位、加速度または速度から被供試体のバランスを求める演算部と、
を備えた計測装置。
【請求項3】
前記センサが非接触式のセンサである請求項1または2の計測装置。
【請求項4】
前記主軸に取り付けられたタイミングプーリーと、
前記モータの回転軸に取り付けられたタイミングプーリーと、
前記主軸のタイミングプーリーからモータのタイミングプーリーまで張られ、モータの動力をタイミングプーリーに伝達するタイミングベルトと、
を備え、
前記主軸のタイミングプーリーとモータのタイミングプーリーの回転数の比が整数倍である請求項1から3のいずれかの計測装置。
【請求項5】
前記被供試体を保持する手段まで搬送し、搬出するコンベヤを備え、保持する手段の周囲のローラーに対して低摩擦処理を施した請求項1から4のいずれかの計測装置。
【請求項6】
前記ローラーが2列に並んでおり、列同士の間隔を変更する装置を備えた請求項5の計測装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−24714(P2013−24714A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159495(P2011−159495)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(511177259)株式会社テクノオーミ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(511177259)株式会社テクノオーミ (1)
【Fターム(参考)】
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