計量キャップ
【課題】内容物の計量を容易に行うことができる計量キャップを提供する。
【解決手段】内容物を収容する有底筒状の容器1の口部に着脱自在に装着される有頂筒状のキャップ本体11と、内容物の容量を計量可能な計量カップ12と、が一体化された計量キャップ10であって、計量カップがキャップ本体の天板部21に連設されるとともに、側方に計量カップの開口部30が開口している。
【解決手段】内容物を収容する有底筒状の容器1の口部に着脱自在に装着される有頂筒状のキャップ本体11と、内容物の容量を計量可能な計量カップ12と、が一体化された計量キャップ10であって、計量カップがキャップ本体の天板部21に連設されるとともに、側方に計量カップの開口部30が開口している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を収容する容器の口部に装着される計量キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の計量キャップとして、例えば特許文献1に示されるように、内容物を収容する有底筒状の容器の口部に装着される透明または半透明の有頂筒状の部材であって、その外周面に目盛りが付されたものが知られている。この計量キャップで内容物を計量する際には、計量キャップを容器から取り外した後、計量キャップの天板部を下側にした状態で、計量キャップの外周面に付された所定量の目盛りまで内容物を注入することで計量している。
ところで、前述のように計量キャップの外部に目盛りを付す場合には、透明または半透明の材料を用いて計量キャップを製造する必要があり、使用できる材料の種類に制限が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−263242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、不透明な材料で計量キャップを製造する場合には、目盛りは計量キャップの内周面に付す必要がある。また、前述の計量キャップにおいては、計量キャップと容器とは螺合されるため、計量キャップの内周面にはネジ部が形成されている。そのため、ネジ部と目盛りとが、比較的深さの深い計量キャップの内周面に互いに重なり合って形成されていて、目盛りが読み取りにくく、計量しづらいという問題がある。また、容器に螺着する計量キャップの周壁部分に目盛りを付すため、この周壁部分の形状が制約されるおそれもある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、内容物の計量を容易に行うことができる計量キャップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る計量キャップは、内容物を収容する有底筒状の容器の口部に着脱自在に装着される有頂筒状のキャップ本体と、前記内容物の容量を計量可能な計量カップと、が一体化された計量キャップであって、前記計量カップが前記キャップ本体の天板部に連設されるとともに、側方に前記計量カップの開口部が開口していることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、計量キャップで内容物を計量する際に、容器に係合する例えばネジ部や凹凸部などの係合部が形成されていない計量カップを用いることができる。したがって、計量カップに付された目盛りなどが前記係合部と干渉することがなく、内容物の充填容量が読み取り易くなる。つまり、内容物の計量を容易に行うことができる。
また、計量カップの開口部が側方に開口するように構成したため、計量キャップで内容物を計量する際には、キャップ本体を左右いずれかの手で把持し、もう一方の手で容器を持った状態で内容物を計量カップ内に注入することができる。つまり、安定した状態で内容物を計量することができる。なお、計量する際には、キャップ本体の軸方向が水平方向を向くように配置するとともに、計量カップの開口部が鉛直上方を向くように配置すればよい。
さらに、計量カップの開口部が側方に開口するように構成したため、製品を販売するために店舗に陳列しても開口部は水平方向を向いている。したがって、製品にシュリンク包装を施さなくても計量カップ内に埃などが入り込むのを抑制することができる。
【0008】
また、本発明に係る計量キャップは、前記計量カップに、計量される容量の大きさごとの段差部が形成されていることが好ましい。
【0009】
これにより、内容物が段差部まで注入されることにより所定量注入されたことを目視することができる。したがって、内容物の計量をさらに容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る計量キャップは、前記計量カップに、前記開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていることが好ましい。
【0011】
これにより、計量カップの未使用時に蓋部材で開口部を閉塞することができる。したがって、計量カップ内に埃などが入り込むのをより確実に防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る計量キャップは、前記キャップ本体の内周面は、前記容器と螺合されるネジが形成されたネジ部と、前記ネジが形成されていない平滑部と、を有し、前記平滑部に、前記計量カップで計量可能な容量よりも多い量を計量可能な計量ラインが形成されていることが好ましい。
【0013】
これにより、キャップ本体でも内容物の計量を行うことができる。したがって、計量可能な容量のバリエーションを増やすことができる。なお、この場合、キャップ本体の平滑部に計量ラインを形成するため、従来のようにネジと計量ラインとが干渉することはなく、計量ラインは容易に目視することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る計量キャップによれば、計量キャップで内容物を計量する際に、容器に係合する例えばネジ部や凹凸部などの係合部が形成されていない計量カップを用いることができる。したがって、計量カップに付された目盛りなどが前記係合部と干渉することがなく、内容物の充填容量が読み取り易くなる。つまり、内容物の計量を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における計量キャップの正面図(蓋部材開状態)である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の実施形態における計量キャップの背面図(蓋部材開状態)である。
【図4】本発明の実施形態における計量キャップの斜視図(蓋部材開状態)である。
【図5】本発明の実施形態における計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、小量(例えば1ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図6】本発明の実施形態における計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、中量(例えば5ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図7】本発明の実施形態における計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、大量(例えば10ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図8】本発明の実施形態における計量キャップの別の態様を示す正面図(蓋部材開状態)である。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図10】本発明の実施形態における計量キャップの別の態様を示す背面図(蓋部材開状態)である。
【図11】本発明の実施形態における計量キャップの別の態様を示す斜視図(蓋部材開状態)である。
【図12】本発明の実施形態における別の態様の計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、小量(例えば1ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図13】本発明の実施形態における別の態様の計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、中量(例えば5ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図14】本発明の実施形態における別の態様の計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、大量(例えば10ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る計量キャップの実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、有底筒状の容器1と、容器1の口部2に着脱可能に装着される計量キャップ10と、を備えている。これら容器1および計量キャップ10はそれぞれ共通軸上に配設されている。以下、この共通軸を軸線L1とし、軸線L1方向に沿って計量キャップ10の天板部21側を上側とし、容器1の図示されない底部側を下側とする。また、軸線L1に直交する方向を「径方向」とし、軸線L1回りの方向を「周方向」とする。
【0017】
図1〜図4に示すように、計量キャップ10は、液状の内容物Xを収容する有底筒状の容器1の口部2に装着されるキャップ本体11と、内容物Xの容量を計量可能な計量カップ12と、が一体に成形されている。なお、キャップ本体11および計量カップ12はそれぞれ別体として成形して組み合わせてもよい。
【0018】
キャップ本体11は軸線L1を軸中心に配設された有頂筒状をなし、頂部にあたる平面視円形の天板部21と、天板部21の周縁から下側に向かって延設された周壁部22と、を有している。周壁部22の下端は平面視円形の開口部23が形成されており、開口部23に口部2が挿入されるように構成されている。
【0019】
周壁部22の内周面24における上側部分は、口部2の外周面に形成された雄ネジ3と螺合する雌ネジ25が形成されたネジ部26とされ、下側部分は雌ネジ25が形成されていない平滑部27とされている。また、平滑部27には周方向に沿って例えば段差などによって形成される計量ライン28が付されている。キャップ本体11の開口部23を上側に向けた状態で、内容物Xをキャップ本体11に注入し、内容物Xを計量ライン28に到達するまで注入すると、例えば内容物Xが10ml注入されるように構成されている。
【0020】
計量カップ12はキャップ本体11の天板部21の上側に連設されている。具体的には、天板部21の上面に上側に向かって接続壁部13が突設され、接続壁部13の上端に計量カップ12が連結されている。
【0021】
計量カップ12は、内容物Xを注入可能な開口部30を開閉可能な蓋部材32を有している。
【0022】
また、計量カップ12は、開口部30が前記径方向を向くように接続壁部13の上端に連設されている。また、計量カップ12は開口部30と平行な断面形状が円形状になっている。具体的には、計量カップ12は、軸線L1と平行に配された円形状の底板33と、底板33の周縁から前記径方向に立設された第一周壁部34と、第一周壁部34に連設され底板33と平行に配された第一切替部35と、第一切替部35の周縁から計量カップ12の内径が徐々に拡径する方向にテーパー状に形成された第二周壁部36と、第二周壁部36に連設され底板33と平行に配された第二切替部37と、第二切替部37の周縁から前記径方向に立設された第三周壁部38と、を備えている。つまり、第一切替部35および第二切替部37が形成された箇所には、それぞれ段差部40a,40bが形成されている。また、第三周壁部38において、第二切替部37と反対側の先端部が、開口部30をなしている。なお、接続壁部13は、計量カップ12の全長(底板33から第三周壁部38まで)に亘って連設されている。
【0023】
底板33から第一切替部35までの間に形成される空間が第一計量部41をなし、底板33から第二切替部37までの間に形成される空間が第二計量部42をなしている。例えば、第一計量部41に収容される内容物Xの容量が1ml(小量)で構成され、第二計量部42に収容される内容物Xの容量が5ml(中量)で構成されている。
【0024】
また、計量カップ12の第三周壁部38における軸線L1の径方向一方端部には蓋部材32が設けられている。第三周壁部38と蓋部材32との間には、折曲部43が形成されており、蓋部材32が計量部31に対して軸方向を中心に回動可能に構成されている。つまり、蓋部材32はキャップ本体11と干渉することなく回動できるようになっている。また、計量カップ12、折曲部43および蓋部材32は同一の材料で一体成形されている。
【0025】
蓋部材32は、その周縁部が第三周壁部38に当接可能な大きさの円板形状に形成されている。また、蓋部材32における折曲部43が形成された側の径方向反対側には係止片44が形成されている。この係止片44は、第三周壁部38における軸線L1の径方向他方端部に形成された係止凸部39に係止されることで、開口部30を蓋部材32で閉塞できるようになっている。
【0026】
次に、このように構成された計量キャップ10を利用した容器1の内容物Xの注出(計量)方法について説明する。
内容物Xを注出する際は、図1に示すキャップ本体11を把持し、このキャップ本体11を周方向に回して容器1から計量キャップ10を取り外す。このときは、計量カップ12の開口部30は蓋部材32により閉塞されている。
【0027】
続いて、図4に示すように蓋部材32の係止片44を係止凸部39から外した後、蓋部材32を回動して開口部30を開放するとともに、計量カップ12の開口部30が鉛直上方を向くように配置した状態で、容器1の口部2を開口部30の上方に配置する。そして、容器1を傾け、口部2から内容物Xを注出するとともに、計量カップ12に内容物Xを注入する。
【0028】
図5に示すように、計量カップ12において、例えば内容物Xを1ml(小量)計量する場合には、計量カップ12の第一計量部41に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第一切替部35に形成された段差部40aまで満たされたときに、内容物Xが1ml(小量)計量されることとなる。
【0029】
また、図6に示すように、計量カップ12において、例えば内容物Xを5ml(中量)計量する場合には、計量カップ12の第二計量部42に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第二切替部37に形成された段差部40bまで満たされたときに、内容物Xが5ml(中量)計量されることとなる。
【0030】
さらに、図7に示すように、例えば内容物Xを10ml(大量)計量する場合には、計量キャップ10のキャップ本体11を用いる。この場合、キャップ本体11の開口部23が鉛直上方を向くように配置した状態で、容器1の口部2を開口部23の上方に配置する。そして、容器1を傾け、口部2から内容物Xを注出するとともに、キャップ本体11の内部に内容物Xを注入する。そして、周壁部22の内周面24に付された計量ライン28に内容物Xが到達するまで注入する。つまり、内容物Xが計量ライン28まで満たされたときに、内容物Xが10ml(大量)計量されることとなる。このとき、計量ライン28は内周面24の平滑部27に形成されているため、目視しやすい。
【0031】
また、使用後は、計量カップ12の蓋部材32を回動して開口部30を閉塞し、キャップ本体11を容器1の口部2に螺合した状態で保持する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の計量キャップ10によれば、計量カップ12をキャップ本体11の天板部21に連設するとともに、側方(径方向)に計量カップ12の開口部30が向くように形成したため、計量キャップ10で内容物Xを計量する際に、容器1と螺合されるネジ部26が形成されていない計量カップ12を用いることができる。したがって、計量カップ12に付された目盛りなど(本実施形態における段差部40a,40b)がネジ部26と干渉することがなく、内容物Xの充填容量が読み取り易くなる。つまり、内容物Xの計量を容易に行うことができる。
【0033】
また、計量カップ12の開口部30が側方に開口するように構成したため、計量キャップ10で内容物Xを計量する際に、キャップ本体11を左右いずれかの手で把持し、もう一方の手で容器1を持った状態で内容物Xを計量カップ12内に注入することができる。つまり、安定した状態で内容物Xを計量することができる。なお、計量する際には、キャップ本体11の軸方向が水平方向を向くように配置するとともに、計量カップ12の開口部30が鉛直上方を向くように配置する。
【0034】
さらに、計量カップ12の開口部30が側方に開口するように構成したため、製品を販売するために店舗に陳列しても開口部30は水平方向を向いている。したがって、製品にシュリンク包装を施さなくても計量カップ12内に埃などが入り込むのを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態の計量キャップ10は、計量カップ12に、計量される容量の大きさごとの段差部40a,40bを形成したため、内容物Xが段差部40a,40bまで注入されることにより所定量注入されたことを目視することができる。したがって、内容物Xの計量をさらに容易に行うことができる。
【0036】
また、本実施形態の計量カップ12は、開口部30と平行な断面形状が円形状になるように構成したため、どの方向から計量カップ12を目視しても、計量カップ12の段差部40a,40bを確認することができる。したがって、内容物Xの計量がし易くなる。なお、計量カップ12の段差部40a,40bに容量を示す目盛りなどをさらに付してもよい。
【0037】
さらに、本実施形態の計量キャップ10は、計量カップ12に開口部30を開閉可能な蓋部材32を設けたため、計量カップ12の未使用時に蓋部材32で開口部30を閉塞することができる。したがって、未使用時に計量カップ12内に埃などが入り込むのをより確実に防止することができる。なお、この蓋部材32は設けなくてもよい。
【0038】
そして、本実施形態の計量キャップ10は、キャップ本体11の内周面24に容器1と螺合される雌ネジ25が形成されたネジ部26と、雌ネジ25が形成されていない平滑部27と、を有するように構成し、平滑部27に計量カップ12で計量可能な容量よりも多い量を計量可能な計量ライン28を形成したため、キャップ本体11でも内容物Xの計量を行うことができる。したがって、計量可能な容量のバリエーションを増やすことができる。なお、この場合、キャップ本体11の平滑部27に計量ライン28を形成するため、従来のようにネジ部26と計量ライン28とが干渉することはなく、計量ライン28を容易に目視することができる。
【0039】
以上、本発明に係る計量キャップの実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0040】
例えば、上記した実施形態では、計量カップ12の形状が、開口部30と平行な断面形状が円形状になるように構成しているが、本発明は、断面形状が矩形になるように構成してもよい。
【0041】
具体的には、図8〜図11に示すように、計量キャップ110は、液状の内容物Xを収容する有底筒状の容器1の口部2に装着されるキャップ本体11と、内容物Xの容量を計量可能な計量カップ112と、が一体に成形されている。なお、上記実施形態とキャップ本体の構成は同一であるため、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
計量カップ112はキャップ本体11の天板部21の上側に連設されている。計量カップ112は、内容物Xを注入可能な開口部130を開閉可能な蓋部材132を有している。
【0043】
また、計量カップ112は、開口部130が前記径方向を向くように天板部21に連設されている。また、計量カップ112は開口部130と平行な断面形状が長方形からなる矩形状になっている。具体的には、計量カップ112は、天板部21の外周縁に沿うように平面視円弧状に形成され、天板部21の上面に軸線L1方向に沿って立設された底板133と、底板133の上側端部を閉塞するように略半円形状に形成された第一周壁部134と、底板133および第一周壁部134に連設され開口部130と平行に配された第一切替部135と、第一切替部135の周縁から計量カップ112の断面積が徐々に大きくなる方向にテーパー状に形成された第二周壁部136と、第二周壁部136に連設され開口部130と平行に配された第二切替部137と、第二切替部137の周縁から前記径方向に立設された第三周壁部138と、を備えている。つまり、第一切替部135および第二切替部137が形成された箇所には、それぞれ段差部140a,140bが形成されている。また、第三周壁部138において、第二切替部137と反対側の先端部が、開口部130をなしている。
【0044】
底板133から第一切替部135までの間に形成される空間が第一計量部141をなし、底板133から第二切替部137までの間に形成される空間が第二計量部142をなしている。例えば、第一計量部141に収容される内容物Xの容量が1mlで構成され、第二計量部142に収容される内容物Xの容量が5mlで構成されている。
【0045】
また、計量カップ112の第三周壁部138における軸線L1の径方向一方端部には蓋部材132が設けられている。第三周壁部138と蓋部材132との間には、折曲部143が形成されており、蓋部材132が計量カップ112に対して軸方向を中心に回動可能に構成されている。つまり、蓋部材132はキャップ本体11と干渉することなく回動できるようになっている。また、計量カップ112、折曲部143および蓋部材132は同一の材料で一体成形されている。
【0046】
蓋部材132は、その周縁部が第三周壁部138に当接可能な大きさの長方形状に形成されている。また、蓋部材132における折曲部143が形成された側の径方向反対側には係止片144が形成されている。この係止片144は、第三周壁部138における軸線L1の径方向他方端部に形成された係止凸部139に係止されることで、開口部130を蓋部材132で閉塞できるようになっている。
【0047】
このように構成した計量キャップ110においても、上記実施形態と同様に内容物Xを容易に計量することができる。
例えば内容物Xを1ml(小量)計量する場合には、図12に示すように、計量カップ112の第一計量部141に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第一切替部135に形成された段差部140aまで満たされたときに、内容物Xが1ml(小量)計量されることとなる。
【0048】
また、例えば内容物Xを5ml(中量)計量する場合には、図13に示すように、計量カップ112の第二計量部142に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第二切替部137に形成された段差部140bまで満たされたときに、内容物Xが5ml(中量)計量されることとなる。
【0049】
さらに、例えば内容物Xを10ml(大量)計量する場合には、図14に示すように、計量キャップ110のキャップ本体11を用いる。この場合は、上記実施形態と同様の方法で内容物Xを計量することができる。
【0050】
また、前記各実施形態では、計量キャップ10、110にネジ部26を設け、計量キャップ10、110が容器1の口部2に螺着された構成を示したが、これに代えて例えば、計量キャップ10、110の内周面、および容器1の口部2の外周面にそれぞれ凹凸部を形成し、これらを互いに着脱自在に係合させるようにしてもよい。
【0051】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 容器
2 口部
10,110 計量キャップ
11 キャップ本体
12,112 計量カップ
21 天板部
24 内周面
26 ネジ部
27 平滑部
28 計量ライン
30,130 開口部
32,132 蓋部材
40a,40b 段差部
X 内容物
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を収容する容器の口部に装着される計量キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の計量キャップとして、例えば特許文献1に示されるように、内容物を収容する有底筒状の容器の口部に装着される透明または半透明の有頂筒状の部材であって、その外周面に目盛りが付されたものが知られている。この計量キャップで内容物を計量する際には、計量キャップを容器から取り外した後、計量キャップの天板部を下側にした状態で、計量キャップの外周面に付された所定量の目盛りまで内容物を注入することで計量している。
ところで、前述のように計量キャップの外部に目盛りを付す場合には、透明または半透明の材料を用いて計量キャップを製造する必要があり、使用できる材料の種類に制限が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−263242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、不透明な材料で計量キャップを製造する場合には、目盛りは計量キャップの内周面に付す必要がある。また、前述の計量キャップにおいては、計量キャップと容器とは螺合されるため、計量キャップの内周面にはネジ部が形成されている。そのため、ネジ部と目盛りとが、比較的深さの深い計量キャップの内周面に互いに重なり合って形成されていて、目盛りが読み取りにくく、計量しづらいという問題がある。また、容器に螺着する計量キャップの周壁部分に目盛りを付すため、この周壁部分の形状が制約されるおそれもある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、内容物の計量を容易に行うことができる計量キャップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る計量キャップは、内容物を収容する有底筒状の容器の口部に着脱自在に装着される有頂筒状のキャップ本体と、前記内容物の容量を計量可能な計量カップと、が一体化された計量キャップであって、前記計量カップが前記キャップ本体の天板部に連設されるとともに、側方に前記計量カップの開口部が開口していることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、計量キャップで内容物を計量する際に、容器に係合する例えばネジ部や凹凸部などの係合部が形成されていない計量カップを用いることができる。したがって、計量カップに付された目盛りなどが前記係合部と干渉することがなく、内容物の充填容量が読み取り易くなる。つまり、内容物の計量を容易に行うことができる。
また、計量カップの開口部が側方に開口するように構成したため、計量キャップで内容物を計量する際には、キャップ本体を左右いずれかの手で把持し、もう一方の手で容器を持った状態で内容物を計量カップ内に注入することができる。つまり、安定した状態で内容物を計量することができる。なお、計量する際には、キャップ本体の軸方向が水平方向を向くように配置するとともに、計量カップの開口部が鉛直上方を向くように配置すればよい。
さらに、計量カップの開口部が側方に開口するように構成したため、製品を販売するために店舗に陳列しても開口部は水平方向を向いている。したがって、製品にシュリンク包装を施さなくても計量カップ内に埃などが入り込むのを抑制することができる。
【0008】
また、本発明に係る計量キャップは、前記計量カップに、計量される容量の大きさごとの段差部が形成されていることが好ましい。
【0009】
これにより、内容物が段差部まで注入されることにより所定量注入されたことを目視することができる。したがって、内容物の計量をさらに容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る計量キャップは、前記計量カップに、前記開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていることが好ましい。
【0011】
これにより、計量カップの未使用時に蓋部材で開口部を閉塞することができる。したがって、計量カップ内に埃などが入り込むのをより確実に防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る計量キャップは、前記キャップ本体の内周面は、前記容器と螺合されるネジが形成されたネジ部と、前記ネジが形成されていない平滑部と、を有し、前記平滑部に、前記計量カップで計量可能な容量よりも多い量を計量可能な計量ラインが形成されていることが好ましい。
【0013】
これにより、キャップ本体でも内容物の計量を行うことができる。したがって、計量可能な容量のバリエーションを増やすことができる。なお、この場合、キャップ本体の平滑部に計量ラインを形成するため、従来のようにネジと計量ラインとが干渉することはなく、計量ラインは容易に目視することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る計量キャップによれば、計量キャップで内容物を計量する際に、容器に係合する例えばネジ部や凹凸部などの係合部が形成されていない計量カップを用いることができる。したがって、計量カップに付された目盛りなどが前記係合部と干渉することがなく、内容物の充填容量が読み取り易くなる。つまり、内容物の計量を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における計量キャップの正面図(蓋部材開状態)である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の実施形態における計量キャップの背面図(蓋部材開状態)である。
【図4】本発明の実施形態における計量キャップの斜視図(蓋部材開状態)である。
【図5】本発明の実施形態における計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、小量(例えば1ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図6】本発明の実施形態における計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、中量(例えば5ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図7】本発明の実施形態における計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、大量(例えば10ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図8】本発明の実施形態における計量キャップの別の態様を示す正面図(蓋部材開状態)である。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図10】本発明の実施形態における計量キャップの別の態様を示す背面図(蓋部材開状態)である。
【図11】本発明の実施形態における計量キャップの別の態様を示す斜視図(蓋部材開状態)である。
【図12】本発明の実施形態における別の態様の計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、小量(例えば1ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図13】本発明の実施形態における別の態様の計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、中量(例えば5ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【図14】本発明の実施形態における別の態様の計量キャップを用いて内容物の計量を行っている状態を示す断面図であり、大量(例えば10ml)の内容物Xを計量する場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る計量キャップの実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、有底筒状の容器1と、容器1の口部2に着脱可能に装着される計量キャップ10と、を備えている。これら容器1および計量キャップ10はそれぞれ共通軸上に配設されている。以下、この共通軸を軸線L1とし、軸線L1方向に沿って計量キャップ10の天板部21側を上側とし、容器1の図示されない底部側を下側とする。また、軸線L1に直交する方向を「径方向」とし、軸線L1回りの方向を「周方向」とする。
【0017】
図1〜図4に示すように、計量キャップ10は、液状の内容物Xを収容する有底筒状の容器1の口部2に装着されるキャップ本体11と、内容物Xの容量を計量可能な計量カップ12と、が一体に成形されている。なお、キャップ本体11および計量カップ12はそれぞれ別体として成形して組み合わせてもよい。
【0018】
キャップ本体11は軸線L1を軸中心に配設された有頂筒状をなし、頂部にあたる平面視円形の天板部21と、天板部21の周縁から下側に向かって延設された周壁部22と、を有している。周壁部22の下端は平面視円形の開口部23が形成されており、開口部23に口部2が挿入されるように構成されている。
【0019】
周壁部22の内周面24における上側部分は、口部2の外周面に形成された雄ネジ3と螺合する雌ネジ25が形成されたネジ部26とされ、下側部分は雌ネジ25が形成されていない平滑部27とされている。また、平滑部27には周方向に沿って例えば段差などによって形成される計量ライン28が付されている。キャップ本体11の開口部23を上側に向けた状態で、内容物Xをキャップ本体11に注入し、内容物Xを計量ライン28に到達するまで注入すると、例えば内容物Xが10ml注入されるように構成されている。
【0020】
計量カップ12はキャップ本体11の天板部21の上側に連設されている。具体的には、天板部21の上面に上側に向かって接続壁部13が突設され、接続壁部13の上端に計量カップ12が連結されている。
【0021】
計量カップ12は、内容物Xを注入可能な開口部30を開閉可能な蓋部材32を有している。
【0022】
また、計量カップ12は、開口部30が前記径方向を向くように接続壁部13の上端に連設されている。また、計量カップ12は開口部30と平行な断面形状が円形状になっている。具体的には、計量カップ12は、軸線L1と平行に配された円形状の底板33と、底板33の周縁から前記径方向に立設された第一周壁部34と、第一周壁部34に連設され底板33と平行に配された第一切替部35と、第一切替部35の周縁から計量カップ12の内径が徐々に拡径する方向にテーパー状に形成された第二周壁部36と、第二周壁部36に連設され底板33と平行に配された第二切替部37と、第二切替部37の周縁から前記径方向に立設された第三周壁部38と、を備えている。つまり、第一切替部35および第二切替部37が形成された箇所には、それぞれ段差部40a,40bが形成されている。また、第三周壁部38において、第二切替部37と反対側の先端部が、開口部30をなしている。なお、接続壁部13は、計量カップ12の全長(底板33から第三周壁部38まで)に亘って連設されている。
【0023】
底板33から第一切替部35までの間に形成される空間が第一計量部41をなし、底板33から第二切替部37までの間に形成される空間が第二計量部42をなしている。例えば、第一計量部41に収容される内容物Xの容量が1ml(小量)で構成され、第二計量部42に収容される内容物Xの容量が5ml(中量)で構成されている。
【0024】
また、計量カップ12の第三周壁部38における軸線L1の径方向一方端部には蓋部材32が設けられている。第三周壁部38と蓋部材32との間には、折曲部43が形成されており、蓋部材32が計量部31に対して軸方向を中心に回動可能に構成されている。つまり、蓋部材32はキャップ本体11と干渉することなく回動できるようになっている。また、計量カップ12、折曲部43および蓋部材32は同一の材料で一体成形されている。
【0025】
蓋部材32は、その周縁部が第三周壁部38に当接可能な大きさの円板形状に形成されている。また、蓋部材32における折曲部43が形成された側の径方向反対側には係止片44が形成されている。この係止片44は、第三周壁部38における軸線L1の径方向他方端部に形成された係止凸部39に係止されることで、開口部30を蓋部材32で閉塞できるようになっている。
【0026】
次に、このように構成された計量キャップ10を利用した容器1の内容物Xの注出(計量)方法について説明する。
内容物Xを注出する際は、図1に示すキャップ本体11を把持し、このキャップ本体11を周方向に回して容器1から計量キャップ10を取り外す。このときは、計量カップ12の開口部30は蓋部材32により閉塞されている。
【0027】
続いて、図4に示すように蓋部材32の係止片44を係止凸部39から外した後、蓋部材32を回動して開口部30を開放するとともに、計量カップ12の開口部30が鉛直上方を向くように配置した状態で、容器1の口部2を開口部30の上方に配置する。そして、容器1を傾け、口部2から内容物Xを注出するとともに、計量カップ12に内容物Xを注入する。
【0028】
図5に示すように、計量カップ12において、例えば内容物Xを1ml(小量)計量する場合には、計量カップ12の第一計量部41に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第一切替部35に形成された段差部40aまで満たされたときに、内容物Xが1ml(小量)計量されることとなる。
【0029】
また、図6に示すように、計量カップ12において、例えば内容物Xを5ml(中量)計量する場合には、計量カップ12の第二計量部42に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第二切替部37に形成された段差部40bまで満たされたときに、内容物Xが5ml(中量)計量されることとなる。
【0030】
さらに、図7に示すように、例えば内容物Xを10ml(大量)計量する場合には、計量キャップ10のキャップ本体11を用いる。この場合、キャップ本体11の開口部23が鉛直上方を向くように配置した状態で、容器1の口部2を開口部23の上方に配置する。そして、容器1を傾け、口部2から内容物Xを注出するとともに、キャップ本体11の内部に内容物Xを注入する。そして、周壁部22の内周面24に付された計量ライン28に内容物Xが到達するまで注入する。つまり、内容物Xが計量ライン28まで満たされたときに、内容物Xが10ml(大量)計量されることとなる。このとき、計量ライン28は内周面24の平滑部27に形成されているため、目視しやすい。
【0031】
また、使用後は、計量カップ12の蓋部材32を回動して開口部30を閉塞し、キャップ本体11を容器1の口部2に螺合した状態で保持する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の計量キャップ10によれば、計量カップ12をキャップ本体11の天板部21に連設するとともに、側方(径方向)に計量カップ12の開口部30が向くように形成したため、計量キャップ10で内容物Xを計量する際に、容器1と螺合されるネジ部26が形成されていない計量カップ12を用いることができる。したがって、計量カップ12に付された目盛りなど(本実施形態における段差部40a,40b)がネジ部26と干渉することがなく、内容物Xの充填容量が読み取り易くなる。つまり、内容物Xの計量を容易に行うことができる。
【0033】
また、計量カップ12の開口部30が側方に開口するように構成したため、計量キャップ10で内容物Xを計量する際に、キャップ本体11を左右いずれかの手で把持し、もう一方の手で容器1を持った状態で内容物Xを計量カップ12内に注入することができる。つまり、安定した状態で内容物Xを計量することができる。なお、計量する際には、キャップ本体11の軸方向が水平方向を向くように配置するとともに、計量カップ12の開口部30が鉛直上方を向くように配置する。
【0034】
さらに、計量カップ12の開口部30が側方に開口するように構成したため、製品を販売するために店舗に陳列しても開口部30は水平方向を向いている。したがって、製品にシュリンク包装を施さなくても計量カップ12内に埃などが入り込むのを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態の計量キャップ10は、計量カップ12に、計量される容量の大きさごとの段差部40a,40bを形成したため、内容物Xが段差部40a,40bまで注入されることにより所定量注入されたことを目視することができる。したがって、内容物Xの計量をさらに容易に行うことができる。
【0036】
また、本実施形態の計量カップ12は、開口部30と平行な断面形状が円形状になるように構成したため、どの方向から計量カップ12を目視しても、計量カップ12の段差部40a,40bを確認することができる。したがって、内容物Xの計量がし易くなる。なお、計量カップ12の段差部40a,40bに容量を示す目盛りなどをさらに付してもよい。
【0037】
さらに、本実施形態の計量キャップ10は、計量カップ12に開口部30を開閉可能な蓋部材32を設けたため、計量カップ12の未使用時に蓋部材32で開口部30を閉塞することができる。したがって、未使用時に計量カップ12内に埃などが入り込むのをより確実に防止することができる。なお、この蓋部材32は設けなくてもよい。
【0038】
そして、本実施形態の計量キャップ10は、キャップ本体11の内周面24に容器1と螺合される雌ネジ25が形成されたネジ部26と、雌ネジ25が形成されていない平滑部27と、を有するように構成し、平滑部27に計量カップ12で計量可能な容量よりも多い量を計量可能な計量ライン28を形成したため、キャップ本体11でも内容物Xの計量を行うことができる。したがって、計量可能な容量のバリエーションを増やすことができる。なお、この場合、キャップ本体11の平滑部27に計量ライン28を形成するため、従来のようにネジ部26と計量ライン28とが干渉することはなく、計量ライン28を容易に目視することができる。
【0039】
以上、本発明に係る計量キャップの実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0040】
例えば、上記した実施形態では、計量カップ12の形状が、開口部30と平行な断面形状が円形状になるように構成しているが、本発明は、断面形状が矩形になるように構成してもよい。
【0041】
具体的には、図8〜図11に示すように、計量キャップ110は、液状の内容物Xを収容する有底筒状の容器1の口部2に装着されるキャップ本体11と、内容物Xの容量を計量可能な計量カップ112と、が一体に成形されている。なお、上記実施形態とキャップ本体の構成は同一であるため、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
計量カップ112はキャップ本体11の天板部21の上側に連設されている。計量カップ112は、内容物Xを注入可能な開口部130を開閉可能な蓋部材132を有している。
【0043】
また、計量カップ112は、開口部130が前記径方向を向くように天板部21に連設されている。また、計量カップ112は開口部130と平行な断面形状が長方形からなる矩形状になっている。具体的には、計量カップ112は、天板部21の外周縁に沿うように平面視円弧状に形成され、天板部21の上面に軸線L1方向に沿って立設された底板133と、底板133の上側端部を閉塞するように略半円形状に形成された第一周壁部134と、底板133および第一周壁部134に連設され開口部130と平行に配された第一切替部135と、第一切替部135の周縁から計量カップ112の断面積が徐々に大きくなる方向にテーパー状に形成された第二周壁部136と、第二周壁部136に連設され開口部130と平行に配された第二切替部137と、第二切替部137の周縁から前記径方向に立設された第三周壁部138と、を備えている。つまり、第一切替部135および第二切替部137が形成された箇所には、それぞれ段差部140a,140bが形成されている。また、第三周壁部138において、第二切替部137と反対側の先端部が、開口部130をなしている。
【0044】
底板133から第一切替部135までの間に形成される空間が第一計量部141をなし、底板133から第二切替部137までの間に形成される空間が第二計量部142をなしている。例えば、第一計量部141に収容される内容物Xの容量が1mlで構成され、第二計量部142に収容される内容物Xの容量が5mlで構成されている。
【0045】
また、計量カップ112の第三周壁部138における軸線L1の径方向一方端部には蓋部材132が設けられている。第三周壁部138と蓋部材132との間には、折曲部143が形成されており、蓋部材132が計量カップ112に対して軸方向を中心に回動可能に構成されている。つまり、蓋部材132はキャップ本体11と干渉することなく回動できるようになっている。また、計量カップ112、折曲部143および蓋部材132は同一の材料で一体成形されている。
【0046】
蓋部材132は、その周縁部が第三周壁部138に当接可能な大きさの長方形状に形成されている。また、蓋部材132における折曲部143が形成された側の径方向反対側には係止片144が形成されている。この係止片144は、第三周壁部138における軸線L1の径方向他方端部に形成された係止凸部139に係止されることで、開口部130を蓋部材132で閉塞できるようになっている。
【0047】
このように構成した計量キャップ110においても、上記実施形態と同様に内容物Xを容易に計量することができる。
例えば内容物Xを1ml(小量)計量する場合には、図12に示すように、計量カップ112の第一計量部141に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第一切替部135に形成された段差部140aまで満たされたときに、内容物Xが1ml(小量)計量されることとなる。
【0048】
また、例えば内容物Xを5ml(中量)計量する場合には、図13に示すように、計量カップ112の第二計量部142に内容物Xが充填されるまで注入する。つまり、内容物Xが第二切替部137に形成された段差部140bまで満たされたときに、内容物Xが5ml(中量)計量されることとなる。
【0049】
さらに、例えば内容物Xを10ml(大量)計量する場合には、図14に示すように、計量キャップ110のキャップ本体11を用いる。この場合は、上記実施形態と同様の方法で内容物Xを計量することができる。
【0050】
また、前記各実施形態では、計量キャップ10、110にネジ部26を設け、計量キャップ10、110が容器1の口部2に螺着された構成を示したが、これに代えて例えば、計量キャップ10、110の内周面、および容器1の口部2の外周面にそれぞれ凹凸部を形成し、これらを互いに着脱自在に係合させるようにしてもよい。
【0051】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 容器
2 口部
10,110 計量キャップ
11 キャップ本体
12,112 計量カップ
21 天板部
24 内周面
26 ネジ部
27 平滑部
28 計量ライン
30,130 開口部
32,132 蓋部材
40a,40b 段差部
X 内容物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する有底筒状の容器の口部に着脱自在に装着される有頂筒状のキャップ本体と、
前記内容物の容量を計量可能な計量カップと、が一体化された計量キャップであって、
前記計量カップが前記キャップ本体の天板部に連設されるとともに、側方に前記計量カップの開口部が開口していることを特徴とする計量キャップ。
【請求項2】
前記計量カップに、計量される容量の大きさごとの段差部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記計量カップに、前記開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記キャップ本体の内周面は、前記容器と螺合されるネジが形成されたネジ部と、前記ネジが形成されていない平滑部と、を有し、
前記平滑部に、前記計量カップで計量可能な容量よりも多い量を計量可能な計量ラインが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の計量キャップ。
【請求項1】
内容物を収容する有底筒状の容器の口部に着脱自在に装着される有頂筒状のキャップ本体と、
前記内容物の容量を計量可能な計量カップと、が一体化された計量キャップであって、
前記計量カップが前記キャップ本体の天板部に連設されるとともに、側方に前記計量カップの開口部が開口していることを特徴とする計量キャップ。
【請求項2】
前記計量カップに、計量される容量の大きさごとの段差部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記計量カップに、前記開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記キャップ本体の内周面は、前記容器と螺合されるネジが形成されたネジ部と、前記ネジが形成されていない平滑部と、を有し、
前記平滑部に、前記計量カップで計量可能な容量よりも多い量を計量可能な計量ラインが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の計量キャップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−274978(P2010−274978A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130600(P2009−130600)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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