説明

計量スプーン

【課題】容器内に収容でき、かつ容器への着脱操作が容易な計量スプーンを提供する。
【解決手段】容器に付属され、この容器に形成された突起部と嵌合する嵌合孔40が形成され、器状の計量部2と該計量部2から延設された平板状の把持部3とを備える計量スプーン1において、前記把持部3には、その厚さ方向の一方に屈曲する屈曲部34が形成され、前記嵌合孔40は、前記屈曲部34を含む領域に形成されていることよりなる。前記把持部3は、前記計量部2の開口面22の周縁部から、前記開口面22と略平行に延び、次いで、前記計量部2の底部24側に向かって屈曲することが好ましく、前記嵌合孔40は、前記把持部3の延設方向が長手とされ、前記把持部3の基端31から先端33に向かい漸次拡幅することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量スプーンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、粒状衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用の粒状洗浄剤、粒状の調味料等の粉粒物、液状物やペースト状物等は、容器に収納され、この容器に付属された計量スプーンで計量されて、使用に供される。容器に付属される計量スプーンは、内容物を掬い取る器状の計量部と、この計量部に延設された把持部とを備え、計量部が内容物の使用量に応じた容量とされたものである。
計量スプーンの使用方法は、容器内の内容物を計量部で掬い取って計量し、計量した内容物を洗濯機や自動食器洗浄機等に投入するものである。内容物を計量する際には、計量部に形成された計量線に合わせて内容物を掬い取ったり、計量部の開口縁部で摺り切って、所望の量に調整する。
【0003】
計量スプーンは、内容物上に載置され収納されると、内容物に埋没したりして、把持部に内容物が付着してしまう。このため、容器内から計量スプーンを取り出す際に、内容物が手指に付着するという問題がある。
【0004】
こうした問題に対し、容器に係止又は嵌着できる計量スプーンの発明が提案されている。
例えば、柄の厚み方向に貫通する貫通孔を内側に有する枠状部と、枠状部からその内方に向かって突出する突片とを有し、柄の平面視において、突片の突出方向における突片の先端及び突片の突出方向に沿う突片の両側縁部のそれぞれと枠状部との間に隙間を有しており、突片と、突片を挟んでその両側に位置する柄の一部分とが、挟み込み係止部として機能する計量スプーンが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、突起が形成された面に着脱自在に結合付属され、柄部に穿設され、突起を受容嵌着する嵌着透孔及び嵌着透孔に連通する補助透孔を備える付属スプーンが提案されている(例えば、特許文献2)。
あるいは、取っ手部がクランク状に伸びている計量スプーンが提案されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−25827号公報
【特許文献2】実開昭54−168249号公報
【特許文献3】登録実用新案第3157572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜2の発明では、計量スプーンが内容物上に載置されたり、内容物に埋没するのを防止できるものの、容器への計量スプーンの着脱操作が煩雑である。
また、特許文献2〜3の発明では、容器本体の上端に計量スプーンを係止させるため、計量スプーンの一部が容器外に露出することとなり、容器本体と蓋体とを密閉する容器に付属される計量スプーンに適用できない。
そこで、本発明は、容器内に収容でき、かつ容器への着脱操作が容易な計量スプーンを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の計量スプーンは、容器に付属され、この容器に形成された突起部と嵌合する嵌合孔が形成され、器状の計量部と該計量部から延設された平板状の把持部とを備える計量スプーンにおいて、前記把持部には、その厚さ方向の一方に屈曲する屈曲部が形成され、前記嵌合孔は、前記屈曲部を含む領域に形成されていることを特徴とする。
前記把持部は、前記計量部の開口面の周縁部から、前記開口面と略平行に延び、次いで、前記計量部の底部側に向かって屈曲することが好ましく、前記嵌合孔は、前記把持部の延設方向が長手とされ、前記把持部の基端から先端に向かい漸次拡幅することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の計量スプーンによれば、器状の計量部と該計量部から延設された平板状の把持部とを備え、前記把持部には、その厚さ方向の一方に屈曲する屈曲部が形成され、前記嵌合孔は、前記屈曲部を含む領域に形成されているため、容器内に収容でき、かつ容器への着脱操作が容易である。
本発明の計量スプーンによれば、前記把持部は、前記計量部の開口面の周縁部から、前記開口面と略平行に延び、次いで、前記計量部の底部側に向かって屈曲しているため、容器への着脱操作がより容易である。
前記嵌合孔は、前記把持部の延設方向が長手とされ、前記把持部の基端から先端に向かい漸次拡幅するため、容器への着脱操作がより容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンの斜視図である。
【図2】(a)本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンの平面図である。(b)本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンの背面図である。(c)本発明の第一の実施形態にかかる右側面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンを蓋体に嵌着した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンを蓋体に嵌着した状態を示す側面図である。
【図5】(a)本発明の第二の実施形態にかかる計量スプーンの右側面図である。(b)本発明の第二の実施形態にかかる計量スプーンの背面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態にかかる計量スプーンの右側面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンを蓋体に嵌着した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる計量スプーンについて、以下に図1〜2を参照して説明する。
図1〜2に示す計量スプーン1は、被計量物を掬い取る器状の計量部2と、計量部2に延設された平板状の把持部3とを備えるものである。計量スプーン1は、衣料用の粒状洗浄剤、自動食器洗浄機用の粒状洗浄剤、粒状の調味料等の粉粒物、液状物やペースト状物等を収納する容器に付属され、容器に形成された突起部と嵌合されて容器に嵌着されるものである。計量スプーン1は、粒状物を収納する容器に付属させるものとして、好適である。
【0011】
計量部2は、被計量物を掬い取って計量するものであり、平面視略四角形の底部24と、底部24の周縁に立設された側部26とを備える有底略四角筒状とされ、側部26の上端で囲われた面が開口面22とされたものである。
【0012】
把持部3は、開口面22の周縁部から開口面22と略平行に延びる前方把持部32と、屈曲部34を介して前方把持部32に連接された後方把持部36とを備えるものである。「略平行に延びる」とは、前方把持部32における厚さ方向と直交する面(主面ということがある)が開口面22と略平行であることを意味し、「略平行」とは、開口面22と前方把持部32の主面とが目視で略面一と認識できる状態を意味する。
後方把持部36は、屈曲部34を起点として、先端33が底部24側に向かうものとされている。即ち、把持部3は、開口面22の周縁部から開口面22と略平行に延び、屈曲部34でその厚さT1方向に屈曲し、先端33が底部24側に向かう形状とされている。
後方把持部36における開口面22側の面には、凹部38が形成されている。この凹部38は、把持部3を把持した際に、計量スプーン1を安定した姿勢に保たせるものである。
把持部3には、凹部38が形成された面の反対面(裏面)の周縁に、リブが形成されている。
【0013】
把持部3には、屈曲部34を含む領域に、把持部3の厚さ方向に貫通する嵌合孔40が形成されている。図2(a)に示すように、把持部3には、嵌合孔40の内方に突出する突出片46が形成されている。嵌合孔40は、突出片46によって、基端31寄りに形成された略真円形の主孔42と、主孔42と連通し、把持部3の延設方向を長手とする平面視略くさび形の副孔44とで構成されている。副孔44は、基端31から先端33に向かい漸次拡幅する形状とされ、嵌合孔40は、全体として、基端31から先端33に向かい漸次拡幅する形状とされている。
【0014】
計量スプーン1の材質は、従来公知の計量スプーンの材質と同様のものが挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。計量スプーン1の材質は、掬い取った被計量物の量を確認できる点から、透明又は半透明の材質が好ましい。
【0015】
計量スプーン1の長さL1は、付属させる容器の大きさ等を勘案して決定でき、衣料用の粒状洗浄剤を収納する容器に付属させる場合、例えば、90〜150mmとされる。
【0016】
計量部2の幅W1は、被計量物の用量等を勘案して決定でき、被計量物が衣料用の粒状洗浄剤であれば、例えば、20〜40mmとされる。
把持部3の最大幅W2は、使用性等を勘案して決定でき、例えば、10〜30mmとされる。
【0017】
前方把持部32の主面Q1と後方把持部36の主面Q2とのなす劣角の角度(即ち、屈曲部34の屈曲角度)θ1は、大きすぎると計量スプーン1を容器から取り外しにくく、小さすぎると取扱いにくくなったり、容器に嵌着された状態で、後方把持部36が内容物に接触したりするおそれがある。このため、屈曲角度θ1は、鈍角であることが好ましく、130〜165°がより好ましく、135〜150°がさらに好ましい。
【0018】
屈曲部34が形成される位置は、計量スプーン1の大きさや、把持部3の長さ等を勘案して決定でき、例えば、前方把持部32の長さL2と後方把持部36の長さL3との比(L2:L3)が40:60〜60:40となる範囲で適宜決定される。
【0019】
嵌合孔40の長さl1は、把持部3の長さや、屈曲角度θ1、容器に形成された突起部の高さ等を勘案して決定できる。
嵌合孔40の最大幅、即ち副孔44の最大幅w1は、容器に形成された突起部の幅よりも大きいものとされる。
主孔42の径は、容器に形成された突起部の大きさに応じて決定できる。
【0020】
次に、計量スプーン1の使用方法について説明する。図3は、被計量物を収納した容器の蓋体10に、計量スプーン1を嵌着させた状態を示す斜視図であり、図4は、蓋体10に計量スプーン1を嵌着させた状態を示す側面図である。
【0021】
図3に示すように、計量スプーン1を嵌着させる蓋体10は、平面視略矩形の主壁部16と、主壁部16の周縁に設けられたフランジ14と、ヒンジ部12と、突起部18とを備えるものである。この蓋体10は、ヒンジ部12により、被計量物を収納する容器本体(不図示)と開閉自在に接続されるものである。
突起部18は、容器の内側となる面(蓋体内面)17に突設された略円柱状のものであり、嵌合孔40と嵌合して、蓋体10に計量スプーン1を嵌着させるものである。本実施形態において、蓋体内面17は、略面一とされている。
【0022】
計量スプーン1を蓋体10に嵌着させる方法について説明する。図4の計量スプーン1aのように、先端33を突起部18に向け、かつ開口面22及び前方把持部32の主面を蓋体内面17に当接させた状態とし、次いで、計量スプーン1をX方向に移動させる。本実施形態において、突起部18の高さ(即ち、蓋体内面17から突起部18の突端までの長さ)h1は、蓋体内面17から嵌合孔40の後端45までの高さh2よりも低くなっている。加えて、突起部18の直径は、嵌合孔40の最大幅w1(図2(a))よりも小さい。このため、計量スプーン1をX方向に移動させると、突起部18が副孔44内に挿入され、次いで主孔42に挿入され、嵌合孔40と突起部18とが嵌合する。こうして、計量スプーン1のように、開口面22及び前方把持部32の主面が蓋体内面17に当接し、かつ後方把持部36が先端33に向かうに従い、漸次、蓋体内面17から離れる状態で蓋体10に嵌着される。そして、蓋体10を閉じても、計量スプーン1は、容器本体内に落下せず、内容物と離間した状態で容器内に保持される。
【0023】
計量スプーン1で被計量物を計量する際には、後方把持部36の先端33寄りに手指を掛け、計量スプーン1を蓋体内面17から引き離すように操作して、嵌合孔40と突起部18との嵌合を解除する。この際、後方把持部36は、蓋体内面17と離間しているため、使用者は、容易に把持部3を把持できる。
加えて、計量スプーン1は、蓋体10に嵌着された状態では、内容物である被計量物に埋没したり、接触したりしていないため、使用者は、手指に被計量物を付着させることなく、把持部3を把持できる。
【0024】
本実施形態によれば、把持部が屈曲しているため、計量スプーンを蓋体から取り外しやすい。加えて、把持部が屈曲しているため、容器本体内に落下した場合でも、内容物と離間した部分があるため、手指に内容物を付着させずに計量スプーンを取り出せる。
【0025】
本実施形態によれば、把持部に嵌合孔が形成されているため、計量スプーンを蓋体に嵌着できる。加えて、嵌合孔が把持部の屈曲部に形成されているため、嵌合孔と突起部との嵌合が容易である。
【0026】
本実施形態によれば、嵌合孔は、主孔に連接された副孔が、蓋体に形成された突起部を容易に主孔内に案内できるものである。加えて、副孔の最大幅が突起部の直径よりも大きいため、突起部をより容易に主孔内に案内できる。さらに、開口面及び前方把持部の主面が蓋体内面に当接した状態で、蓋体内面から嵌合孔の後端までの長さが、突起部の高さよりも高いため、突起部をさらに容易に主孔内に案内できる。
【0027】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる計量スプーンについて、以下に図5を参照して説明する。図5(a)は、本実施形態の計量スプーン100の右側面図であり、図5(b)は、本実施形態の計量スプーン100の背面図である。
なお、第一の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略すると共に、主に第一の実施形態と異なる点を説明する。
【0028】
計量スプーン100は、計量部2と、開口面22の周縁部から延設された把持部103とを備えるものであり、把持部103は、厚さ方向が開口面22の臨む方向と同方向とされた平板状のものである。把持部103は、開口面22の周縁部から開口面22と略平行に延びる前方把持部132と、屈曲部134を介して前方把持部132に連接された後方把持部136とを備えるものである。後方把持部136は、屈曲部134を起点として、先端133が底部24側に向かい湾曲し、かつ開口面22の臨む方向に膨出した形状とされている。即ち、把持部103は、開口面22の周縁部から開口面22と略平行に延び、屈曲部134でその厚さ方向に屈曲し、先端133が底部24側に向かう形状とされ、全体として、側面視略円弧状とされたものである。
【0029】
基端131と屈曲部134を結んだ線P1と、先端133と屈曲部134とを結んだ線P2とのなす劣角の角度(即ち、屈曲部134の屈曲角度)θ2は、屈曲角度θ1と同様である。
【0030】
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態にかかる計量スプーンについて、以下に図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の計量スプーン200の右側面図である。
なお、第一の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略すると共に、主に第一の実施形態と異なる点を説明する。
【0031】
計量スプーン200は、計量部2と、底部24の周縁部から延設された把持部203とを備えるものであり、把持部203は、厚さ方向が開口面22の臨む方向と同方向とされた平板状のものである。把持部203は、底部24の周縁部から開口面22と略平行に延びる前方把持部232と、屈曲部234を介して前方把持部232に連接された後方把持部236とを備えるものである。後方把持部236は、屈曲部234を起点として、先端233が開口面22側に向かう形状とされている。即ち、把持部203は、基端231から開口面22と略平行に延び、屈曲部234でその厚さ方向に屈曲し、先端233が開口面22側に向かう形状とされている。
屈曲部234の屈曲角度は、第一の実施形態における屈曲角度θ1と同様である。
【0032】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
第一〜第三の実施形態では、把持部は、基端側(即ち、前方把持部)が計量部の開口面と略平行とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、把持部が計量部の側部の立設方向に延び、次いで、その厚さ方向に屈曲するものであってもよい。ただし、計量スプーンの使用性の観点から、把持部は、基端側が開口面と略平行であることが好ましい。
【0033】
第一〜第三の実施形態では、把持部は、開口面の周縁部又は底部の周縁部から延設されているが、本発明はこれに限定されず、開口面と底部との中間位置から延設されていてもよい。ただし、計量スプーンを容器に嵌着した際の安定性の観点から、把持部は、開口面の周縁部又は底部の周縁部から延設されていることが好ましく、開口面の周縁部から延設されていることがより好ましい。
【0034】
第一〜第三の実施形態では、把持部の基端側(前方把持部)が開口面と略平行とされ、次いで、厚さ方向に屈曲する形状とされているが、本発明はこれに限定されず、把持部が基端を起点として全体に湾曲するものであってもよい。この場合、屈曲部は、曲率が変わる位置である。ただし、容器に形成された突起部への着脱を容易にする観点、計量スプーンを容器に嵌着した際の安定性の観点から、把持部は、基端側に開口面と略平行な前方把持部を備えることが好ましい。
【0035】
第一〜第三の実施形態では、嵌合孔が主孔と副孔とで構成されているが、本発明はこれに限定されず、突起部の形状に対応した形状の主孔のみで嵌合孔が構成されていてもよい。ただし、嵌合孔と突起部とをより容易に嵌合させる観点から、嵌合孔に副孔が形成されていることが好ましい。
【0036】
第一〜第三の実施形態では、嵌合孔が、把持部の基端から先端に向かい漸次拡幅する形状とされているが、本発明はこれに限定されず、嵌合孔が、把持部の基端から先端に向かい漸次縮幅する形状であってもよいし、把持部の基端から先端に向かい略同等の幅であってもよい。ただし、嵌合孔と突起部とをより容易に嵌合させる観点から、嵌合孔が、把持部の基端から先端に向かい漸次拡幅又は漸次縮幅する形状であることが好ましい。加えて、計量スプーンを蓋体に嵌着させた際に、開口面が蓋体内面に当接する状態とするためには、把持部の基端から先端に向かい漸次拡幅する形状の嵌合孔が好ましい。
【0037】
第一の実施形態では、蓋体内面から嵌合孔の後端までの長さが、突起部の高さよりも大きいものとされているが、本発明はこれに限定されず、蓋体内面から嵌合孔の後端までの長さが、突起部の高さと同等又は突起部の高さより小さくてもよい。ただし、嵌合孔と突起部との嵌合をより容易にする観点から、蓋体内面から嵌合孔の後端までの長さが、突起部の高さと同等又は突起部の高さよりも大きいことが好ましい。
【0038】
第一〜第三の実施形態では、計量部が有底略四角筒状とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、計量部が有底略円筒状であってもよいし、平面視略四角形以外の有底略多角筒状であってもよい。
【0039】
第一の実施形態では、計量スプーンが嵌着される蓋体に形成された突起部が、略円柱状とされているが、本発明はこれに限定されず、突起部の形状が、略角柱状とされていてもよい。
【0040】
第一の実施形態では、突起部が蓋体に形成されているが、本発明はこれに限定されず、突起部が、容器本体の内面に形成されていてもよい。
【0041】
第一の実施形態では、突起部が形成されている面が略面一とされているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図7に示す蓋体310のように、蓋体内面17上にガイド部320が設けられていてもよい。ガイド部320が設けられていることで、計量スプーン1を蓋体310に嵌着させる際、前方把持部32の主面を蓋体内面17に当接させた状態で、計量スプーン1をガイド部320、320の間に置き、次いでY方向に移動させることで、嵌合孔40と突起部18との位置合わせをすることなく、容易に嵌合孔40と突起部18とを嵌合できる。
【0042】
第一及び第二の実施形態では、把持部に凹部が形成されているが、本発明はこれに限定されず、把持部に凹部が形成されていなくてもよい。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
【0044】
(実施例1〜4)
表1の仕様に従い、第一の実施形態の計量スプーン1と同様の計量スプーン(PP製)を作製した。この計量スプーンについて、蓋体への着脱試験を行った。
【0045】
(比較例1)
屈曲部を形成しない以外は、実施例1と同様にして計量スプーンを作製した。この計量スプーンについて、蓋体への着脱試験を行った。
【0046】
(評価方法)
<着脱試験>
各例の計量スプーンを突起部(円柱状、直径2.95mm、高さ4.5mm)が形成された蓋体に嵌着させ、その後、蓋体から計量スプーンを取り外し、下記評価基準に従い評価した。
【0047】
≪評価基準≫
◎:計量スプーンの着脱が非常に容易である。
○:計量スプーンの着脱が容易である。
×:計量スプーンの着脱が煩雑である。
【0048】
【表1】

【0049】
表1に示すように、本発明を適用した実施例1〜4は、着脱試験の結果が「○」又は「◎」であった。中でも、実施例3〜4は、実施例1〜2に比べて嵌着操作がより容易であった。実施例3〜4は、屈曲角度が小さいため、開口面と前方把持部とを蓋体内面に当接させた際に、蓋体内面から嵌合孔の後端までの高さが、突起部の高さよりも十分に高くなり、嵌合孔と突起部との嵌合が容易になったためである。
一方、比較例1は、屈曲部が形成されていないため、嵌合孔と突起部との位置合わせが煩雑であった。加えて、比較例1は、計量スプーンを蓋体に嵌着させた状態では、把持部全体が蓋体内面に当接していたため、把持部を把持するのが困難であり、蓋体から計量スプーンを取り外すのが煩雑であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、容器内に収容でき、かつ容器への着脱操作が容易な計量スプーンを提供できることが判った。
【符号の説明】
【0050】
1、100、200 計量スプーン
2 計量部
3、103、203 把持部
18 突起部
22 開口面
24 底部
31、131、231 基端
33、133、233 先端
34、134、234 屈曲部
40 嵌合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に付属され、この容器に形成された突起部と嵌合する嵌合孔が形成され、器状の計量部と該計量部から延設された平板状の把持部とを備える計量スプーンにおいて、
前記把持部には、その厚さ方向の一方に屈曲する屈曲部が形成され、
前記嵌合孔は、前記屈曲部を含む領域に形成されていることを特徴とする計量スプーン。
【請求項2】
前記把持部は、前記計量部の開口面の周縁部から、前記開口面と略平行に延び、次いで、前記計量部の底部側に向かって屈曲することを特徴とする請求項1に記載の計量スプーン。
【請求項3】
前記嵌合孔は、前記把持部の延設方向が長手とされ、前記把持部の基端から先端に向かい漸次拡幅することを特徴とする請求項1又は2に記載の計量スプーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−83512(P2013−83512A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222856(P2011−222856)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】