計量装置及びプログラム
【課題】基準値(しきい値)の設定を変更する際の指標を作業者に提供することにより、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能な、計量装置を得る。
【解決手段】計量装置100は、複数の物品50に関する計量によってロードセル9で取得された複数の計量データS1を蓄積する蓄積手段22と、所定の基準値として、複数の物品50に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段24と、仮想基準値と、蓄積手段22に蓄積されている各計量データS1との比較結果に基づいて、各物品50の良/不良を判定する判定手段25と、複数の物品50の総数における、判定手段25によって不良と判定された物品50の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段26と、仮想不良率を表示部12に表示させる表示制御手段27とを備える。
【解決手段】計量装置100は、複数の物品50に関する計量によってロードセル9で取得された複数の計量データS1を蓄積する蓄積手段22と、所定の基準値として、複数の物品50に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段24と、仮想基準値と、蓄積手段22に蓄積されている各計量データS1との比較結果に基づいて、各物品50の良/不良を判定する判定手段25と、複数の物品50の総数における、判定手段25によって不良と判定された物品50の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段26と、仮想不良率を表示部12に表示させる表示制御手段27とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
計量装置においては、ロードセル等の計量手段によって計量された物品の計量値と、予め設定された所定の基準値(許容上限値及び許容下限値)とが比較され、その比較の結果に基づいて物品の良/不良が判定される(例えば下記特許文献1参照)。物品の計量値が、許容上限値以下かつ許容下限値以上である場合には、その物品は良品と判定され、一方、許容上限値を超える場合又は許容下限値未満である場合には、その物品は不良品と判定される。
【0003】
【特許文献1】特開2003−65833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の通り、計量装置においては、物品の計量値と基準値との比較結果に基づいて、物品の良/不良が判定される。従って、適切な計量を行うためには、基準値を適切に設定する必要がある。通常、許容下限値は、商品のパッケージに表示されている物品の内容量(表示内容量)と同一の値に設定される。実際の内容量が表示内容量に満たない場合には、消費者からの苦情に繋がるからである。一方、許容上限値は、製造メーカーによって任意に設定することができる。しかし、許容上限値を低く設定し過ぎると、商品間の内容量のばらつきは小さくなるが、不良率(計量物品総数のうち不良品の占める割合)が上昇する。一方、許容上限値を高く設定し過ぎると、不良率は低下するが、商品間の内容量のばらつきが大きくなるばかりか、内容量が許容上限値付近の商品が多発した場合には、製造コストが上昇する。
【0005】
また、計量基準を一定に保つためには、物品の製造ラインが一旦稼働されると、製造ラインの稼働中に基準値の設定を変更することはできない。従って、設定された基準値が不適切であった場合、例えば、許容上限値を低く設定し過ぎて不良率が異常に高くなっている場合には、許容上限値の設定を変更するために製造ラインの稼働を一旦停止させる必要がある。これによって製造ラインの稼働率が低下する。しかも、作業者の勘と経験だけで許容上限値の設定を変更したとしても、変更後の許容上限値が依然として不適切であった場合には、製造ラインの稼働を再び停止する必要が生じ、稼働率がさらに低下する。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、基準値の設定を変更する際の指標を作業者に提供することにより、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能な、計量装置及びプログラムを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る計量装置は、計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する、計量装置であって、複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様に係る計量装置によれば、蓄積手段は、複数の物品に関する計量によって計量手段で取得された複数の計量データを蓄積し、設定手段は、所定の基準値として、複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定し、判定手段は、仮想基準値と、蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定し、算出手段は、複数の物品の総数における、判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する。そして、表示制御手段は、仮想不良率を表示部に表示させる。従って、実基準値の設定を変更する必要が生じた場合には、設定手段によって仮想基準値を所望に設定することにより、その仮想基準値に応じた不良率が表示部に表示される。その結果、作業者は、表示部に表示された仮想不良率を指標として用いて、実基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。しかも、仮想不良率は、シミュレーション等による予測ではなく、複数の物品に関する実際の検査によって取得された複数の計量データに基づいて算出されるため、正確な仮想不良率を作業者に提供することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る計量装置は、第1の態様に係る計量装置において特に、前記複数の物品は、実稼働されている製造ラインにおいて前記計量装置によって計量された物品であることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係る計量装置によれば、実稼働されている製造ラインの計量装置によって取得された計量データを用いて、仮想不良率を求めることができる。従って、仮想不良率を求めるために、製造ラインの実稼働を停止してテスト稼働を行う必要がない。その結果、製造ラインの稼働率を上げることが可能となる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る計量装置は、第1又は第2の態様に係る計量装置において特に、前記表示部には、前記実基準値に基づいて算出された実不良率が併せて表示されることを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係る計量装置によれば、表示部には、実不良率と仮想不良率とが併せて表示される。従って、作業者は、現在の実不良率と基準値変更後の仮想不良率とを、表示部上で目視によって容易に比較することができる。その結果、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る計量装置は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る計量装置において特に、前記設定手段は、前記表示部上で前記仮想基準値を設定可能であり、前記表示部には、前記仮想基準値の設定が許容される限界値が表示されることを特徴とするものである。
【0014】
第4の態様に係る計量装置によれば、表示部には、仮想基準値の設定が許容される限界値が表示される。従って、許容範囲を逸脱する非現実的な基準値が作業者によって設定されることに起因して、物品の内容量のばらつきが商品間で極端に大きくなること等を、予め回避することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る計量装置は、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る計量装置において特に、前記表示部には、前記計量装置の設置箇所の振動に起因する計量誤差に関する情報が併せて表示されることを特徴とするものである。
【0016】
第5の態様に係る計量装置によれば、表示部には、計量装置の設置箇所の振動に起因する計量誤差に関する情報が併せて表示される。従って、何らかの事情によって振動に起因する計量誤差が大きかったことが原因で、不良品が多発している場合には、作業者は、表示部に表示された計量誤差に関する情報を参照することによって、そのような事情が発生していた事実を知ることができる。その結果、そのような事情を知らずに基準値の変更作業が無駄に行われることを、予め回避することが可能となる。
【0017】
本発明の第6の態様に係るプログラムは、計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する計量装置に、内蔵又は外部接続されるコンピュータを、複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段ととして機能させることを特徴とするものである。
【0018】
第6の態様に係るプログラムによれば、蓄積手段は、複数の物品に関する計量によって計量手段で取得された複数の計量データを蓄積し、設定手段は、所定の基準値として、複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定し、判定手段は、仮想基準値と、蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定し、算出手段は、複数の物品の総数における、判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する。そして、表示制御手段は、仮想不良率を表示部に表示させる。従って、実基準値の設定を変更する必要が生じた場合には、設定手段によって仮想基準値を所望に設定することにより、その仮想基準値に応じた不良率が表示部に表示される。その結果、作業者は、表示部に表示された仮想不良率を指標として用いて、実基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。しかも、仮想不良率は、シミュレーション等による予測ではなく、複数の物品に関する実際の検査によって取得された複数の計量データに基づいて算出されるため、正確な仮想不良率を作業者に提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基準値の設定を変更する際の指標を作業者に提供することにより、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る計量装置100の全体構成を示す図である。図1に示すように、計量装置100は、物品50の重量を計測する計量手段としてのロードセル9を備えている。ロードセル9の固定端(図1における左端)は、固定ベース8に固定されている。ロードセル9の自由端(図1における右端)は、支持フレーム7に固定されている。支持フレーム7上には、物品50を搬送する搬送手段としてのベルトコンベア1が支持されている。ベルトコンベア1は駆動ローラ5を有しており、駆動ローラ5にはプーリ6が固定されている。駆動ローラ5とプーリ6とは共通の回転軸を有している。
【0022】
支持フレーム7には、ベルトコンベア1を駆動するための駆動モータ2が固定されている。駆動モータ2にはモータプーリ3が固定されている。駆動モータ2とモータプーリ3とは共通の回転軸を有している。モータプーリ3とプーリ6との間には、タイミングベルト4が巻き掛けられている。駆動モータ2の駆動力は、モータプーリ3、タイミングベルト4、及びプーリ6を介して、駆動ローラ5に伝達される。
【0023】
固定ベース8には、振動検出手段としてのロードセル10が固定されている。ロードセル10の固定端(図1における左端)は固定ベース8に固定されている。ロードセル10は、計量装置100が設置されている箇所の振動に起因して装置内部に発生する振動(矢印51で示す)を検出可能である。以下の説明では、図1の矢印51で示す振動を「床振動」と称する。
【0024】
また、計量装置100は、タッチパネル機能付きの表示部12を備えている。計量装置100による物品50の計量結果は、表示部12に表示される。また、ロードセル9による計量データを処理するとともに、計量装置100の動作を制御するためのコンピュータ13が、計量装置100の筐体内に内蔵されている。
【0025】
計量対象である食品等の物品50は、計量装置100の上流側(図1では左側)から、ベルトコンベア1の上流端(図1では左端)に供給される。ベルトコンベア1上に載置された物品50は、コンベアベルト上を上流から下流に向かって搬送されながら、ロードセル9によってその重量が計量される。
【0026】
図2は、計量装置100の他の構成例を示す図である。図1に示した構成例とは異なり、コンピュータ13は、計量装置100の筐体内に内蔵されるのではなく、配線ケーブルを介して計量装置100に外部接続されている。
【0027】
図3は、図1又は図2に示したコンピュータ13の構成を示すブロック図である。コンピュータ13は、CPU20と、RAM等のメモリ21と、ハードディスク等の蓄積手段22とを備えて構成されている。蓄積手段22は、CPU20の内部メモリであっても良い。メモリ21には、所定のプログラム23が格納されている。CPU20がメモリ21からプログラム23を読み出して実行することにより、CPU20は、設定手段24、判定手段25、算出手段26、及び表示制御手段27として機能する。つまり、プログラム23は、コンピュータ13を、蓄積手段22、設定手段24、判定手段25、算出手段26、及び表示制御手段27として機能させるプログラムである。
【0028】
本実施の形態に係る計量装置100の動作は、現在設定されているしきい値(許容上限値及び許容下限値)を用いて物品50の検査を行う動作(以下「通常時動作」と称す)と、設定されているしきい値を変更する際の動作(以下「しきい値変更時動作」と称す)とに大別される。
【0029】
通常時動作において、CPU20には、ロードセル9によって取得された物品50の計量データS1が入力される。判定手段25は、計量データS1を、現在設定されているしきい値(以下「実基準値」と称す)と比較することにより、物品50の重量が許容範囲内(つまり許容下限値以上かつ許容上限値以下)であるか否かを判定する。表示制御手段27は、検査結果を表示部12に表示するための画像信号S2を生成して出力する。
【0030】
計量装置100は、前段の装置から間欠的に供給されてくる複数の物品50に対して、同様の検査を繰り返し実行する。蓄積手段22は、直近の所定期間内に検査が実行された複数の物品50(以下「対象物品50」と称す)に関してロードセル9で取得された、複数の計量データS1を蓄積する。
【0031】
しきい値変更時動作において、ユーザの操作によって、設定手段24は所望の仮想基準値(本実施の形態の例では仮想許容上限値。以下「仮想上限値」と称す)を設定する。本明細書において、仮想上限値とは、対象物品50に関する実際の検査で用いられた許容上限値(以下「実上限値」と称す)とは異なる許容上限値を意味する。つまり、実上限値を変更する際の変更候補のしきい値が仮想上限値であり、仮想上限値への変更が確定することにより、その後は仮想上限値が実上限値となる。
【0032】
判定手段25は、設定手段24によって設定された仮想上限値と、蓄積手段22に蓄積されている各計量データS1とを比較する。そして、その比較の結果に基づき、実上限値ではなく仮想上限値が設定されていた場合を想定して、各対象物品50の重量が許容範囲内であるか否かを判定する。つまり、各対象物品50の各計量データS1が、現在設定されている許容下限値(以下「実下限値」と称す)以上かつ仮想上限値以下の許容範囲内であるか否かを判定する。
【0033】
算出手段26は、対象物品50の総数と、判定手段25によって許容範囲外であると判定された物品50の個数とに基づいて、不良率(以下「仮想不良率」と称す)を算出する。つまり、算出手段26は、実下限値未満である物品50の個数と、仮想上限値を超える物品50の個数との合計の個数を算出した後、対象物品50の総数における、その合計の個数の割合として、仮想不良率を算出する。
【0034】
表示制御手段27は、算出手段26によって算出された仮想不良率を含む画像を表示部12に表示させるための画像信号S2を生成して出力する。表示部12への画像の表示例については、後に詳述する。
【0035】
図4は、しきい値の設定例を示す図である。図中に示したグラフの横軸は時間であり、縦軸は、ロードセル9によって計量された物品50の計量値である。許容上限値W1は、基準値W0と、過量方向への最大許容誤差V1とに基づいて設定される。また、許容下限値W2は、基準値W0と、軽量方向への最大許容誤差V2とに基づいて設定される。なお、本実施の形態の例において、許容下限値W2は、商品のパッケージに表示されている物品の内容量(表示内容量)と同一の値に設定される。
【0036】
図4を参照して、計量装置100においては、ベルトコンベア1の上流端を通過する物品50が、フォトセンサ(図示しない)によって検出される。そして、フォトセンサが物品50を検出してから所定時間T0が経過した時点でのロードセル9の計量値が、その物品50に関する計量データS1として取得される。
【0037】
判定手段25は、計量データS1の値が許容範囲内である場合には、その物品50は良品であると判定し、一方、計量データS1の値が許容範囲外である場合には、その物品50は不良品であると判定する。
【0038】
図5は、判定手段25の構成を示すブロック図である。判定手段25は、比較部31,32と判定部33とを有している。ロードセル9によって取得された計量データS1は、比較部31,32に入力される。比較部31は、計量データS1と許容上限値W1とを比較し、その比較結果であるデータS31を出力する。比較部32は、計量データS1と許容下限値W2とを比較し、その比較結果であるデータS32を出力する。データS31,S32は判定部33に入力される。判定部33は、データS31,S32に基づき、計量データS1が許容下限値W2以上かつ許容上限値W1以下である場合には、その物品50は良品であると判定する。また、判定部33は、計量データS1が許容下限値W2未満である場合には、その物品50は不良品(軽量品)であると判定し、計量データS1が許容上限値W1を超える場合には、その物品50は不良品(過量品)であると判定する。判定部33による判定の結果は、データS4として出力される。
【0039】
図6は、蓄積手段22に蓄積されている複数の計量データS1をグラフ化して示す図である。図6において、許容下限値W2よりも右側かつ許容上限値W1よりも左側の領域に属する物品50は、いずれも良品ということになる。また、許容下限値W2よりも左側の領域に属する物品50は、いずれも軽量品ということになる。また、許容上限値W1よりも右側の領域に属する物品50は、いずれも過量品ということになる。
【0040】
図7は、しきい値変更時動作(本実施の形態の例では上限値変更時動作)において表示部12に表示される画像の例を示す図である。項目40には、対象物品50の総数が、検査総数として表示される。つまり、直近の所定期間内に検査が実行され、計量データS1が蓄積手段22内に蓄積されている物品50の総数が、項目40に表示される。
【0041】
項目41には、現在設定されている上限値(実上限値)と、実上限値に対応する不良数(実不良数)及び不良率(実不良率)と、変更候補の上限値(仮想上限値)と、仮想上限値に対応する不良数(仮想不良数)及び不良率(仮想不良率)とが表示される。これらの情報は、作業者が比較をしやすいように、現在の値と変更後の値とが各情報別に上下に並んで表示されている。
【0042】
項目42には、図6に示したグラフを模式的に示した図形43が表示される。また、図形43中には、実下限値を示すラインW2と、実上限値を示すラインW1aと、仮想上限値を示すラインW1bとが表示される。また、図形43の斜め下には、左方向を指す方向指示図形45と、右方向を指す方向指示図形46とが表示されている。
【0043】
作業者が方向指示図形45にタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより小さい値に変更する。逆に、作業者が方向指示図形46にタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより大きい値に変更する。仮想上限値が変更されると、判定手段25は、各対象物品50の計量値が仮想上限値を超えるか否かを判定する。また、算出手段26は、対象物品50の総数と、実下限値未満の物品50の個数と、判定手段25によって仮想上限値を超えると判定された物品50の個数とに基づいて、仮想不良率を算出する。また、表示制御手段27は、図形43中においてラインW1bを左方向又は右方向にシフトするとともに、項目41において、仮想上限値と、それに対応する仮想不良数及び仮想不良率とをそれぞれ表示する。
【0044】
また、計量装置100においては、仮想上限値を設定することができる範囲の限界値(限界上限値)が、予め設定されている。そして、その限界上限値を示すラインW1mが、図形43中に表示されている。作業者が方向指示図形46にタッチし続けることによってラインW1bがラインW1mに重なると、作業者がさらに方向指示図形46にタッチしても、ラインW1bはそれ以上右方向にはシフトしない。これにより、限界上限値を超える値に仮想上限値を設定することが規制される。
【0045】
作業者が方向指示図形45,46へのタッチを行う度に、それに応じて、図形43中においてラインW1bがシフトするとともに、項目41において、仮想上限値、仮想不良数、及び仮想不良率の各値が更新される。従って、作業者は、これらの情報を参照することによって、例えば、目標の不良率を達成し得る仮想上限値を探索することができる。適切な仮想上限値が見つかると、作業者は、表示部12に表示されている決定ボタン47にタッチする。これにより、その仮想上限値が、その後は実上限値として採用されて、新たな検査が実行されることとなる。
【0046】
このように本実施の形態に係る計量装置100によれば、蓄積手段22は、対象物品50に関する計量によってロードセル9で取得された複数の計量データS1を蓄積し、設定手段24は、対象物品50に関する計量で用いられた実上限値とは異なる仮想上限値を設定し、判定手段25は、仮想上限値(及び実下限値)と、蓄積手段22に蓄積されている各計量データS1との比較結果に基づいて、各物品50の良/不良を判定し、算出手段26は、対象物品50の総数における、判定手段25によって不良と判定された物品50の個数の割合として、仮想不良率を算出する。そして、表示制御手段27は、仮想不良率を表示部12に表示させる。従って、実基準値の設定を変更する必要が生じた場合には、設定手段24によって仮想基準値を所望に設定することにより、その仮想基準値に応じた仮想不良率が表示部12に表示される。その結果、作業者は、表示部12に表示された仮想不良率を指標として用いて、実基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。しかも、仮想不良率は、シミュレーション等による予測ではなく、対象物品50に関する実際の検査によって取得された複数の計量データS1に基づいて算出されるため、正確な仮想不良率を作業者に提供することが可能となる。
【0047】
また、本実施の形態に係る計量装置100によれば、実稼働されている製造ラインの計量装置100によって取得された計量データS1を用いて、仮想不良率を求めることができる。従って、仮想不良率を求めるために、製造ラインの実稼働を停止してテスト稼働を行う必要がない。その結果、製造ラインの稼働率を上げることが可能となる。
【0048】
また、本実施の形態に係る計量装置100によれば、表示部12には、実不良率と仮想不良率とが併せて表示される。従って、作業者は、現在の実不良率と上限値変更後の仮想不良率とを、表示部12上で目視によって容易に比較することができる。その結果、上限値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態に係る計量装置100によれば、表示部12には、仮想上限値の設定が許容される限界上限値(ラインW1m)が表示される。従って、許容範囲を逸脱する非現実的な上限値が作業者によって設定されることに起因して、物品50の内容量のばらつきが商品間で極端に大きくなること等を、予め回避することが可能となる。
【0050】
<第1の変形例>
上記実施の形態の例では設定手段24によって仮想上限値が設定されたが、仮想上限値とともに(又は仮想上限値ではなく)、仮想下限値を設定することもできる。
【0051】
図8は、しきい値変更時動作(第1の変形例では上限値及び下限値変更時動作)において表示部12に表示される画像の例を示す図である。項目40には、対象物品50の総数が、検査総数として表示される。
【0052】
項目41Uには、実上限値と仮想上限値とが、上下に並んで表示される。また、項目41Lには、現在設定されている下限値(実下限値)と、変更候補の下限値(仮想下限値)とが、上下に並んで表示される。また、項目41Tには、実上限値及び実下限値に基づいて求められた不良数(実不良数)及び不良率(実不良率)と、仮想上限値及び仮想下限値に基づいて求められた不良数(仮想不良数)及び不良率(仮想不良率)とが、それぞれ上下に並んで表示される。
【0053】
項目42には、図6に示したグラフを模式的に示した図形43が表示される。また、図形43中には、図6と同様のラインW1a,W1b,W1mと、実下限値を示すラインW2aと、仮想下限値を示すラインW2bと、仮想下限値を設定することができる範囲の限界値(限界下限値)を示すラインW2mとが表示される。限界下限値は、例えば、商品のパッケージに表示されている物品の内容量(表示内容量)と同一の値に設定される。また、図形43の斜め下には、左方向を指す方向指示図形45U,45Lと、右方向を指す方向指示図形46U,46Lとが表示されている。
【0054】
作業者が方向指示図形45Uにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより小さい値に変更する。逆に、作業者が方向指示図形46Uにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより大きい値に変更する。仮想上限値が変更されると、判定手段25は、各対象物品50の計量値が変更後の仮想上限値を超えるか否かを判定する。
【0055】
同様に、作業者が方向指示図形45Lにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想下限値をより小さい値に変更する。逆に、作業者が方向指示図形46Lにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想下限値をより大きい値に変更する。仮想下限値が変更されると、判定手段25は、各対象物品50の計量値が変更後の仮想下限値未満であるか否かを判定する。
【0056】
また、算出手段26は、対象物品50の総数と、判定手段25によって仮想下限値未満であると判定された物品50の個数と、判定手段25によって仮想上限値を超えると判定された物品50の個数とに基づいて、仮想不良率を算出する。また、表示制御手段27は、図形43中においてラインW1b,W2bを左方向又は右方向にそれぞれシフトする。また、表示制御手段27は、項目41U,41Lにおいて仮想上限値及び仮想下限値をそれぞれ表示するとともに、項目41Tにおいて仮想不良数及び仮想不良率を表示する。
【0057】
作業者が方向指示図形45U,45L,46U,46Lへのタッチを行う度に、それに応じて、図形43中においてラインW1b,W2bがそれぞれシフトするとともに、項目41U,41L,41Tにおいて、仮想上限値、仮想下限値、仮想不良数、及び仮想不良率の各値が更新される。従って、作業者は、これらの情報を参照することによって、例えば、目標の不良率を達成し得る仮想上限値と仮想下限値との組合せを探索することができる。適切な組合せが見つかると、作業者は、表示部12に表示されている決定ボタン47U,47Lにタッチする。これにより、その仮想上限値及び仮想下限値が、その後は実上限値及び実下限値としてそれぞれ採用されて、新たな検査が実行されることとなる。
【0058】
なお、以上の説明では上限値及び下限値を変更する例について述べたが、同様の手法によって基準値W0(図4参照)を変更することもできる。
【0059】
<第2の変形例>
図9は、図7に対応させて、しきい値変更時動作において表示部12に表示される画像の例を示す図である。また、図10は、図8に対応させて、しきい値変更時動作において表示部12に表示される画像の例を示す図である。
【0060】
図9,10においては、図7,8に示した画像に、項目60がそれぞれ追加されている。項目60には、床振動に起因する計量誤差が表示される。具体的には、各対象物品50の計量時にロードセル10(図1,2参照)によって床振動がそれぞれ検出され、検出された床振動の大きさが重量値にそれぞれ換算される。そして、全対象物品50に関する換算重量値の平均値が、計量誤差として、項目60に表示される。
【0061】
第2の変形例によれば、表示部12には、計量装置100の設置箇所の床振動に起因する計量誤差に関する情報(項目60)が併せて表示される。従って、何らかの事情によって床振動に起因する計量誤差が大きかったことが原因で、不良品が多発している場合には、作業者は、表示部12に表示された計量誤差に関する情報(項目60)を参照することによって、そのような事情が発生していた事実を知ることができる。その結果、そのような事情を知らずにしきい値の変更作業が無駄に行われることを、予め回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態に係る計量装置の全体構成を示す図である。
【図2】計量装置の他の構成例を示す図である。
【図3】コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図4】しきい値の設定例を示す図である。
【図5】判定手段の構成を示すブロック図である。
【図6】蓄積手段に蓄積されている複数の計量データをグラフ化して示す図である。
【図7】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図8】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図9】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図10】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
9,10 ロードセル
12 表示部
13 コンピュータ
22 蓄積手段
23 プログラム
24 設定手段
25 判定手段
26 算出手段
27 表示制御手段
50 物品
100 計量装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
計量装置においては、ロードセル等の計量手段によって計量された物品の計量値と、予め設定された所定の基準値(許容上限値及び許容下限値)とが比較され、その比較の結果に基づいて物品の良/不良が判定される(例えば下記特許文献1参照)。物品の計量値が、許容上限値以下かつ許容下限値以上である場合には、その物品は良品と判定され、一方、許容上限値を超える場合又は許容下限値未満である場合には、その物品は不良品と判定される。
【0003】
【特許文献1】特開2003−65833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の通り、計量装置においては、物品の計量値と基準値との比較結果に基づいて、物品の良/不良が判定される。従って、適切な計量を行うためには、基準値を適切に設定する必要がある。通常、許容下限値は、商品のパッケージに表示されている物品の内容量(表示内容量)と同一の値に設定される。実際の内容量が表示内容量に満たない場合には、消費者からの苦情に繋がるからである。一方、許容上限値は、製造メーカーによって任意に設定することができる。しかし、許容上限値を低く設定し過ぎると、商品間の内容量のばらつきは小さくなるが、不良率(計量物品総数のうち不良品の占める割合)が上昇する。一方、許容上限値を高く設定し過ぎると、不良率は低下するが、商品間の内容量のばらつきが大きくなるばかりか、内容量が許容上限値付近の商品が多発した場合には、製造コストが上昇する。
【0005】
また、計量基準を一定に保つためには、物品の製造ラインが一旦稼働されると、製造ラインの稼働中に基準値の設定を変更することはできない。従って、設定された基準値が不適切であった場合、例えば、許容上限値を低く設定し過ぎて不良率が異常に高くなっている場合には、許容上限値の設定を変更するために製造ラインの稼働を一旦停止させる必要がある。これによって製造ラインの稼働率が低下する。しかも、作業者の勘と経験だけで許容上限値の設定を変更したとしても、変更後の許容上限値が依然として不適切であった場合には、製造ラインの稼働を再び停止する必要が生じ、稼働率がさらに低下する。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、基準値の設定を変更する際の指標を作業者に提供することにより、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能な、計量装置及びプログラムを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る計量装置は、計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する、計量装置であって、複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様に係る計量装置によれば、蓄積手段は、複数の物品に関する計量によって計量手段で取得された複数の計量データを蓄積し、設定手段は、所定の基準値として、複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定し、判定手段は、仮想基準値と、蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定し、算出手段は、複数の物品の総数における、判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する。そして、表示制御手段は、仮想不良率を表示部に表示させる。従って、実基準値の設定を変更する必要が生じた場合には、設定手段によって仮想基準値を所望に設定することにより、その仮想基準値に応じた不良率が表示部に表示される。その結果、作業者は、表示部に表示された仮想不良率を指標として用いて、実基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。しかも、仮想不良率は、シミュレーション等による予測ではなく、複数の物品に関する実際の検査によって取得された複数の計量データに基づいて算出されるため、正確な仮想不良率を作業者に提供することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る計量装置は、第1の態様に係る計量装置において特に、前記複数の物品は、実稼働されている製造ラインにおいて前記計量装置によって計量された物品であることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係る計量装置によれば、実稼働されている製造ラインの計量装置によって取得された計量データを用いて、仮想不良率を求めることができる。従って、仮想不良率を求めるために、製造ラインの実稼働を停止してテスト稼働を行う必要がない。その結果、製造ラインの稼働率を上げることが可能となる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る計量装置は、第1又は第2の態様に係る計量装置において特に、前記表示部には、前記実基準値に基づいて算出された実不良率が併せて表示されることを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係る計量装置によれば、表示部には、実不良率と仮想不良率とが併せて表示される。従って、作業者は、現在の実不良率と基準値変更後の仮想不良率とを、表示部上で目視によって容易に比較することができる。その結果、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る計量装置は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る計量装置において特に、前記設定手段は、前記表示部上で前記仮想基準値を設定可能であり、前記表示部には、前記仮想基準値の設定が許容される限界値が表示されることを特徴とするものである。
【0014】
第4の態様に係る計量装置によれば、表示部には、仮想基準値の設定が許容される限界値が表示される。従って、許容範囲を逸脱する非現実的な基準値が作業者によって設定されることに起因して、物品の内容量のばらつきが商品間で極端に大きくなること等を、予め回避することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る計量装置は、第1〜第4のいずれか一つの態様に係る計量装置において特に、前記表示部には、前記計量装置の設置箇所の振動に起因する計量誤差に関する情報が併せて表示されることを特徴とするものである。
【0016】
第5の態様に係る計量装置によれば、表示部には、計量装置の設置箇所の振動に起因する計量誤差に関する情報が併せて表示される。従って、何らかの事情によって振動に起因する計量誤差が大きかったことが原因で、不良品が多発している場合には、作業者は、表示部に表示された計量誤差に関する情報を参照することによって、そのような事情が発生していた事実を知ることができる。その結果、そのような事情を知らずに基準値の変更作業が無駄に行われることを、予め回避することが可能となる。
【0017】
本発明の第6の態様に係るプログラムは、計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する計量装置に、内蔵又は外部接続されるコンピュータを、複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段ととして機能させることを特徴とするものである。
【0018】
第6の態様に係るプログラムによれば、蓄積手段は、複数の物品に関する計量によって計量手段で取得された複数の計量データを蓄積し、設定手段は、所定の基準値として、複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定し、判定手段は、仮想基準値と、蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定し、算出手段は、複数の物品の総数における、判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する。そして、表示制御手段は、仮想不良率を表示部に表示させる。従って、実基準値の設定を変更する必要が生じた場合には、設定手段によって仮想基準値を所望に設定することにより、その仮想基準値に応じた不良率が表示部に表示される。その結果、作業者は、表示部に表示された仮想不良率を指標として用いて、実基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。しかも、仮想不良率は、シミュレーション等による予測ではなく、複数の物品に関する実際の検査によって取得された複数の計量データに基づいて算出されるため、正確な仮想不良率を作業者に提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基準値の設定を変更する際の指標を作業者に提供することにより、基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る計量装置100の全体構成を示す図である。図1に示すように、計量装置100は、物品50の重量を計測する計量手段としてのロードセル9を備えている。ロードセル9の固定端(図1における左端)は、固定ベース8に固定されている。ロードセル9の自由端(図1における右端)は、支持フレーム7に固定されている。支持フレーム7上には、物品50を搬送する搬送手段としてのベルトコンベア1が支持されている。ベルトコンベア1は駆動ローラ5を有しており、駆動ローラ5にはプーリ6が固定されている。駆動ローラ5とプーリ6とは共通の回転軸を有している。
【0022】
支持フレーム7には、ベルトコンベア1を駆動するための駆動モータ2が固定されている。駆動モータ2にはモータプーリ3が固定されている。駆動モータ2とモータプーリ3とは共通の回転軸を有している。モータプーリ3とプーリ6との間には、タイミングベルト4が巻き掛けられている。駆動モータ2の駆動力は、モータプーリ3、タイミングベルト4、及びプーリ6を介して、駆動ローラ5に伝達される。
【0023】
固定ベース8には、振動検出手段としてのロードセル10が固定されている。ロードセル10の固定端(図1における左端)は固定ベース8に固定されている。ロードセル10は、計量装置100が設置されている箇所の振動に起因して装置内部に発生する振動(矢印51で示す)を検出可能である。以下の説明では、図1の矢印51で示す振動を「床振動」と称する。
【0024】
また、計量装置100は、タッチパネル機能付きの表示部12を備えている。計量装置100による物品50の計量結果は、表示部12に表示される。また、ロードセル9による計量データを処理するとともに、計量装置100の動作を制御するためのコンピュータ13が、計量装置100の筐体内に内蔵されている。
【0025】
計量対象である食品等の物品50は、計量装置100の上流側(図1では左側)から、ベルトコンベア1の上流端(図1では左端)に供給される。ベルトコンベア1上に載置された物品50は、コンベアベルト上を上流から下流に向かって搬送されながら、ロードセル9によってその重量が計量される。
【0026】
図2は、計量装置100の他の構成例を示す図である。図1に示した構成例とは異なり、コンピュータ13は、計量装置100の筐体内に内蔵されるのではなく、配線ケーブルを介して計量装置100に外部接続されている。
【0027】
図3は、図1又は図2に示したコンピュータ13の構成を示すブロック図である。コンピュータ13は、CPU20と、RAM等のメモリ21と、ハードディスク等の蓄積手段22とを備えて構成されている。蓄積手段22は、CPU20の内部メモリであっても良い。メモリ21には、所定のプログラム23が格納されている。CPU20がメモリ21からプログラム23を読み出して実行することにより、CPU20は、設定手段24、判定手段25、算出手段26、及び表示制御手段27として機能する。つまり、プログラム23は、コンピュータ13を、蓄積手段22、設定手段24、判定手段25、算出手段26、及び表示制御手段27として機能させるプログラムである。
【0028】
本実施の形態に係る計量装置100の動作は、現在設定されているしきい値(許容上限値及び許容下限値)を用いて物品50の検査を行う動作(以下「通常時動作」と称す)と、設定されているしきい値を変更する際の動作(以下「しきい値変更時動作」と称す)とに大別される。
【0029】
通常時動作において、CPU20には、ロードセル9によって取得された物品50の計量データS1が入力される。判定手段25は、計量データS1を、現在設定されているしきい値(以下「実基準値」と称す)と比較することにより、物品50の重量が許容範囲内(つまり許容下限値以上かつ許容上限値以下)であるか否かを判定する。表示制御手段27は、検査結果を表示部12に表示するための画像信号S2を生成して出力する。
【0030】
計量装置100は、前段の装置から間欠的に供給されてくる複数の物品50に対して、同様の検査を繰り返し実行する。蓄積手段22は、直近の所定期間内に検査が実行された複数の物品50(以下「対象物品50」と称す)に関してロードセル9で取得された、複数の計量データS1を蓄積する。
【0031】
しきい値変更時動作において、ユーザの操作によって、設定手段24は所望の仮想基準値(本実施の形態の例では仮想許容上限値。以下「仮想上限値」と称す)を設定する。本明細書において、仮想上限値とは、対象物品50に関する実際の検査で用いられた許容上限値(以下「実上限値」と称す)とは異なる許容上限値を意味する。つまり、実上限値を変更する際の変更候補のしきい値が仮想上限値であり、仮想上限値への変更が確定することにより、その後は仮想上限値が実上限値となる。
【0032】
判定手段25は、設定手段24によって設定された仮想上限値と、蓄積手段22に蓄積されている各計量データS1とを比較する。そして、その比較の結果に基づき、実上限値ではなく仮想上限値が設定されていた場合を想定して、各対象物品50の重量が許容範囲内であるか否かを判定する。つまり、各対象物品50の各計量データS1が、現在設定されている許容下限値(以下「実下限値」と称す)以上かつ仮想上限値以下の許容範囲内であるか否かを判定する。
【0033】
算出手段26は、対象物品50の総数と、判定手段25によって許容範囲外であると判定された物品50の個数とに基づいて、不良率(以下「仮想不良率」と称す)を算出する。つまり、算出手段26は、実下限値未満である物品50の個数と、仮想上限値を超える物品50の個数との合計の個数を算出した後、対象物品50の総数における、その合計の個数の割合として、仮想不良率を算出する。
【0034】
表示制御手段27は、算出手段26によって算出された仮想不良率を含む画像を表示部12に表示させるための画像信号S2を生成して出力する。表示部12への画像の表示例については、後に詳述する。
【0035】
図4は、しきい値の設定例を示す図である。図中に示したグラフの横軸は時間であり、縦軸は、ロードセル9によって計量された物品50の計量値である。許容上限値W1は、基準値W0と、過量方向への最大許容誤差V1とに基づいて設定される。また、許容下限値W2は、基準値W0と、軽量方向への最大許容誤差V2とに基づいて設定される。なお、本実施の形態の例において、許容下限値W2は、商品のパッケージに表示されている物品の内容量(表示内容量)と同一の値に設定される。
【0036】
図4を参照して、計量装置100においては、ベルトコンベア1の上流端を通過する物品50が、フォトセンサ(図示しない)によって検出される。そして、フォトセンサが物品50を検出してから所定時間T0が経過した時点でのロードセル9の計量値が、その物品50に関する計量データS1として取得される。
【0037】
判定手段25は、計量データS1の値が許容範囲内である場合には、その物品50は良品であると判定し、一方、計量データS1の値が許容範囲外である場合には、その物品50は不良品であると判定する。
【0038】
図5は、判定手段25の構成を示すブロック図である。判定手段25は、比較部31,32と判定部33とを有している。ロードセル9によって取得された計量データS1は、比較部31,32に入力される。比較部31は、計量データS1と許容上限値W1とを比較し、その比較結果であるデータS31を出力する。比較部32は、計量データS1と許容下限値W2とを比較し、その比較結果であるデータS32を出力する。データS31,S32は判定部33に入力される。判定部33は、データS31,S32に基づき、計量データS1が許容下限値W2以上かつ許容上限値W1以下である場合には、その物品50は良品であると判定する。また、判定部33は、計量データS1が許容下限値W2未満である場合には、その物品50は不良品(軽量品)であると判定し、計量データS1が許容上限値W1を超える場合には、その物品50は不良品(過量品)であると判定する。判定部33による判定の結果は、データS4として出力される。
【0039】
図6は、蓄積手段22に蓄積されている複数の計量データS1をグラフ化して示す図である。図6において、許容下限値W2よりも右側かつ許容上限値W1よりも左側の領域に属する物品50は、いずれも良品ということになる。また、許容下限値W2よりも左側の領域に属する物品50は、いずれも軽量品ということになる。また、許容上限値W1よりも右側の領域に属する物品50は、いずれも過量品ということになる。
【0040】
図7は、しきい値変更時動作(本実施の形態の例では上限値変更時動作)において表示部12に表示される画像の例を示す図である。項目40には、対象物品50の総数が、検査総数として表示される。つまり、直近の所定期間内に検査が実行され、計量データS1が蓄積手段22内に蓄積されている物品50の総数が、項目40に表示される。
【0041】
項目41には、現在設定されている上限値(実上限値)と、実上限値に対応する不良数(実不良数)及び不良率(実不良率)と、変更候補の上限値(仮想上限値)と、仮想上限値に対応する不良数(仮想不良数)及び不良率(仮想不良率)とが表示される。これらの情報は、作業者が比較をしやすいように、現在の値と変更後の値とが各情報別に上下に並んで表示されている。
【0042】
項目42には、図6に示したグラフを模式的に示した図形43が表示される。また、図形43中には、実下限値を示すラインW2と、実上限値を示すラインW1aと、仮想上限値を示すラインW1bとが表示される。また、図形43の斜め下には、左方向を指す方向指示図形45と、右方向を指す方向指示図形46とが表示されている。
【0043】
作業者が方向指示図形45にタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより小さい値に変更する。逆に、作業者が方向指示図形46にタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより大きい値に変更する。仮想上限値が変更されると、判定手段25は、各対象物品50の計量値が仮想上限値を超えるか否かを判定する。また、算出手段26は、対象物品50の総数と、実下限値未満の物品50の個数と、判定手段25によって仮想上限値を超えると判定された物品50の個数とに基づいて、仮想不良率を算出する。また、表示制御手段27は、図形43中においてラインW1bを左方向又は右方向にシフトするとともに、項目41において、仮想上限値と、それに対応する仮想不良数及び仮想不良率とをそれぞれ表示する。
【0044】
また、計量装置100においては、仮想上限値を設定することができる範囲の限界値(限界上限値)が、予め設定されている。そして、その限界上限値を示すラインW1mが、図形43中に表示されている。作業者が方向指示図形46にタッチし続けることによってラインW1bがラインW1mに重なると、作業者がさらに方向指示図形46にタッチしても、ラインW1bはそれ以上右方向にはシフトしない。これにより、限界上限値を超える値に仮想上限値を設定することが規制される。
【0045】
作業者が方向指示図形45,46へのタッチを行う度に、それに応じて、図形43中においてラインW1bがシフトするとともに、項目41において、仮想上限値、仮想不良数、及び仮想不良率の各値が更新される。従って、作業者は、これらの情報を参照することによって、例えば、目標の不良率を達成し得る仮想上限値を探索することができる。適切な仮想上限値が見つかると、作業者は、表示部12に表示されている決定ボタン47にタッチする。これにより、その仮想上限値が、その後は実上限値として採用されて、新たな検査が実行されることとなる。
【0046】
このように本実施の形態に係る計量装置100によれば、蓄積手段22は、対象物品50に関する計量によってロードセル9で取得された複数の計量データS1を蓄積し、設定手段24は、対象物品50に関する計量で用いられた実上限値とは異なる仮想上限値を設定し、判定手段25は、仮想上限値(及び実下限値)と、蓄積手段22に蓄積されている各計量データS1との比較結果に基づいて、各物品50の良/不良を判定し、算出手段26は、対象物品50の総数における、判定手段25によって不良と判定された物品50の個数の割合として、仮想不良率を算出する。そして、表示制御手段27は、仮想不良率を表示部12に表示させる。従って、実基準値の設定を変更する必要が生じた場合には、設定手段24によって仮想基準値を所望に設定することにより、その仮想基準値に応じた仮想不良率が表示部12に表示される。その結果、作業者は、表示部12に表示された仮想不良率を指標として用いて、実基準値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。しかも、仮想不良率は、シミュレーション等による予測ではなく、対象物品50に関する実際の検査によって取得された複数の計量データS1に基づいて算出されるため、正確な仮想不良率を作業者に提供することが可能となる。
【0047】
また、本実施の形態に係る計量装置100によれば、実稼働されている製造ラインの計量装置100によって取得された計量データS1を用いて、仮想不良率を求めることができる。従って、仮想不良率を求めるために、製造ラインの実稼働を停止してテスト稼働を行う必要がない。その結果、製造ラインの稼働率を上げることが可能となる。
【0048】
また、本実施の形態に係る計量装置100によれば、表示部12には、実不良率と仮想不良率とが併せて表示される。従って、作業者は、現在の実不良率と上限値変更後の仮想不良率とを、表示部12上で目視によって容易に比較することができる。その結果、上限値の設定の変更作業を効率的に行うことが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態に係る計量装置100によれば、表示部12には、仮想上限値の設定が許容される限界上限値(ラインW1m)が表示される。従って、許容範囲を逸脱する非現実的な上限値が作業者によって設定されることに起因して、物品50の内容量のばらつきが商品間で極端に大きくなること等を、予め回避することが可能となる。
【0050】
<第1の変形例>
上記実施の形態の例では設定手段24によって仮想上限値が設定されたが、仮想上限値とともに(又は仮想上限値ではなく)、仮想下限値を設定することもできる。
【0051】
図8は、しきい値変更時動作(第1の変形例では上限値及び下限値変更時動作)において表示部12に表示される画像の例を示す図である。項目40には、対象物品50の総数が、検査総数として表示される。
【0052】
項目41Uには、実上限値と仮想上限値とが、上下に並んで表示される。また、項目41Lには、現在設定されている下限値(実下限値)と、変更候補の下限値(仮想下限値)とが、上下に並んで表示される。また、項目41Tには、実上限値及び実下限値に基づいて求められた不良数(実不良数)及び不良率(実不良率)と、仮想上限値及び仮想下限値に基づいて求められた不良数(仮想不良数)及び不良率(仮想不良率)とが、それぞれ上下に並んで表示される。
【0053】
項目42には、図6に示したグラフを模式的に示した図形43が表示される。また、図形43中には、図6と同様のラインW1a,W1b,W1mと、実下限値を示すラインW2aと、仮想下限値を示すラインW2bと、仮想下限値を設定することができる範囲の限界値(限界下限値)を示すラインW2mとが表示される。限界下限値は、例えば、商品のパッケージに表示されている物品の内容量(表示内容量)と同一の値に設定される。また、図形43の斜め下には、左方向を指す方向指示図形45U,45Lと、右方向を指す方向指示図形46U,46Lとが表示されている。
【0054】
作業者が方向指示図形45Uにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより小さい値に変更する。逆に、作業者が方向指示図形46Uにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想上限値をより大きい値に変更する。仮想上限値が変更されると、判定手段25は、各対象物品50の計量値が変更後の仮想上限値を超えるか否かを判定する。
【0055】
同様に、作業者が方向指示図形45Lにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想下限値をより小さい値に変更する。逆に、作業者が方向指示図形46Lにタッチすると、その情報がCPU20に入力され、設定手段24は、仮想下限値をより大きい値に変更する。仮想下限値が変更されると、判定手段25は、各対象物品50の計量値が変更後の仮想下限値未満であるか否かを判定する。
【0056】
また、算出手段26は、対象物品50の総数と、判定手段25によって仮想下限値未満であると判定された物品50の個数と、判定手段25によって仮想上限値を超えると判定された物品50の個数とに基づいて、仮想不良率を算出する。また、表示制御手段27は、図形43中においてラインW1b,W2bを左方向又は右方向にそれぞれシフトする。また、表示制御手段27は、項目41U,41Lにおいて仮想上限値及び仮想下限値をそれぞれ表示するとともに、項目41Tにおいて仮想不良数及び仮想不良率を表示する。
【0057】
作業者が方向指示図形45U,45L,46U,46Lへのタッチを行う度に、それに応じて、図形43中においてラインW1b,W2bがそれぞれシフトするとともに、項目41U,41L,41Tにおいて、仮想上限値、仮想下限値、仮想不良数、及び仮想不良率の各値が更新される。従って、作業者は、これらの情報を参照することによって、例えば、目標の不良率を達成し得る仮想上限値と仮想下限値との組合せを探索することができる。適切な組合せが見つかると、作業者は、表示部12に表示されている決定ボタン47U,47Lにタッチする。これにより、その仮想上限値及び仮想下限値が、その後は実上限値及び実下限値としてそれぞれ採用されて、新たな検査が実行されることとなる。
【0058】
なお、以上の説明では上限値及び下限値を変更する例について述べたが、同様の手法によって基準値W0(図4参照)を変更することもできる。
【0059】
<第2の変形例>
図9は、図7に対応させて、しきい値変更時動作において表示部12に表示される画像の例を示す図である。また、図10は、図8に対応させて、しきい値変更時動作において表示部12に表示される画像の例を示す図である。
【0060】
図9,10においては、図7,8に示した画像に、項目60がそれぞれ追加されている。項目60には、床振動に起因する計量誤差が表示される。具体的には、各対象物品50の計量時にロードセル10(図1,2参照)によって床振動がそれぞれ検出され、検出された床振動の大きさが重量値にそれぞれ換算される。そして、全対象物品50に関する換算重量値の平均値が、計量誤差として、項目60に表示される。
【0061】
第2の変形例によれば、表示部12には、計量装置100の設置箇所の床振動に起因する計量誤差に関する情報(項目60)が併せて表示される。従って、何らかの事情によって床振動に起因する計量誤差が大きかったことが原因で、不良品が多発している場合には、作業者は、表示部12に表示された計量誤差に関する情報(項目60)を参照することによって、そのような事情が発生していた事実を知ることができる。その結果、そのような事情を知らずにしきい値の変更作業が無駄に行われることを、予め回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態に係る計量装置の全体構成を示す図である。
【図2】計量装置の他の構成例を示す図である。
【図3】コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図4】しきい値の設定例を示す図である。
【図5】判定手段の構成を示すブロック図である。
【図6】蓄積手段に蓄積されている複数の計量データをグラフ化して示す図である。
【図7】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図8】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図9】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【図10】しきい値変更時動作において表示部に表示される画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
9,10 ロードセル
12 表示部
13 コンピュータ
22 蓄積手段
23 プログラム
24 設定手段
25 判定手段
26 算出手段
27 表示制御手段
50 物品
100 計量装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する、計量装置であって、
複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、
前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、
前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、
前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、
前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段と
を備える、計量装置。
【請求項2】
前記複数の物品は、実稼働されている製造ラインにおいて前記計量装置によって計量された物品である、請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記表示部には、前記実基準値に基づいて算出された実不良率が併せて表示される、請求項1又は2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記表示部上で前記仮想基準値を設定可能であり、
前記表示部には、前記仮想基準値の設定が許容される限界値が表示される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の計量装置。
【請求項5】
前記表示部には、前記計量装置の設置箇所の振動に起因する計量誤差に関する情報が併せて表示される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の計量装置。
【請求項6】
計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する計量装置に、内蔵又は外部接続されるコンピュータを、
複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、
前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、
前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、
前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、
前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段と
として機能させるプログラム。
【請求項1】
計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する、計量装置であって、
複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、
前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、
前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、
前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、
前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段と
を備える、計量装置。
【請求項2】
前記複数の物品は、実稼働されている製造ラインにおいて前記計量装置によって計量された物品である、請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記表示部には、前記実基準値に基づいて算出された実不良率が併せて表示される、請求項1又は2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記表示部上で前記仮想基準値を設定可能であり、
前記表示部には、前記仮想基準値の設定が許容される限界値が表示される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の計量装置。
【請求項5】
前記表示部には、前記計量装置の設置箇所の振動に起因する計量誤差に関する情報が併せて表示される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の計量装置。
【請求項6】
計量手段によって計量された物品の計量値と所定の基準値との比較結果に基づいて物品の良/不良を判定する計量装置に、内蔵又は外部接続されるコンピュータを、
複数の物品に関する計量によって前記計量手段で取得された複数の計量データを蓄積する蓄積手段と、
前記所定の基準値として、前記複数の物品に関する計量で用いられた実基準値とは異なる仮想基準値を設定する設定手段と、
前記仮想基準値と、前記蓄積手段に蓄積されている各計量データとの比較結果に基づいて、各物品の良/不良を判定する判定手段と、
前記複数の物品の総数における、前記判定手段によって不良と判定された物品の個数の割合として、仮想不良率を算出する算出手段と、
前記仮想不良率を表示部に表示させる表示制御手段と
として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−71948(P2010−71948A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242878(P2008−242878)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
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