説明

計量装置

【課題】通気孔の閉塞等のように正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる計量装置を提供すること。
【解決手段】順次投入される被計量物Wを所定の搬送条件で秤量コンベア32上を搬送するベルトコンベア14と、秤量コンベア32上を搬送される被計量物Wの荷重に応じた秤量信号を出力する秤量手段21と、秤量手段21が異常状態のときに秤量手段21から出力され得る秤量信号を異常秤量信号として記憶する異常秤量信号記憶手段101と、秤量手段21から出力される秤量信号と、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号とを比較して、秤量信号および異常秤量信号が共通の特徴を有するときに、秤量信号が異常であると判定する異常診断手段102と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、肉、魚、加工食品、医薬品などの被計量物を計量して良否を判定する計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品等の生産ラインにおいては、生産ラインに組み込まれ、生産される物品が前段から順次搬入され、搬入された物品を搬送しながら計量し、後段に搬出または選別手段により生産ラインから排除する計量装置が用いられている。
【0003】
この種の計量装置としては、秤本体の筺体の一部に穴を設けてこの穴から上方へ秤量台からの重量の受感部分を突出させた防水構造とし、筺体の穴と受感部分との隙間を伸縮体で密封するとともに、筺体の穴以外の部分に伸縮体の伸縮による外気と筺体の内気との圧力差をなくすために空気を流通させる通気孔を設けることにより、隙間からの液体等の浸入を防止するとともに、通気孔を介して筺体内の圧力抜きを行うようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、この種の計量装置としては、一端が秤本体のケーシングの底の外部に開口するとともに、他端がケーシングの上部に開口する筒状部材を設け、この筒状部材を介してケーシング内の圧力抜きを行うことにより、秤本体のケーシングの底の開口部からケーシング内の上部に達する水はねを少なくして防水性を高めるようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−285125号公報
【特許文献2】特開平11−258032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の計量装置においては、秤の洗浄後などに通気孔に表面張力で水が着くことで秤が密閉状態となる恐れがあり、この場合、正確な計量ができなくなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、通気孔の閉塞等のように正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる計量装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る計量装置は、順次投入される被計量物を所定の搬送条件で秤量台上を搬送する搬送手段と、前記秤量台上を搬送される被計量物の荷重に応じた秤量信号を出力する秤量手段と、前記秤量手段が異常状態のときに前記秤量手段から出力され得る秤量信号を異常秤量信号として記憶する異常秤量信号記憶手段と、前記秤量手段から出力される秤量信号と、前記異常秤量信号記憶手段が記憶する異常秤量信号とを比較して、前記秤量信号および前記異常秤量信号が共通の特徴を有するときに、前記秤量信号が異常であると判定する異常診断手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成により、異常秤量信号記憶手段が記憶する異常秤量信号と共通の特徴を有する秤量信号が秤量手段から出力されたときに、秤量信号が異常であると異常診断手段が判定するので、異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる。
【0010】
したがって、通気孔の閉塞等のように正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる。
【0011】
また、本発明に係る計量装置は、擬似入力信号を生成する擬似入力信号生成手段と、前記秤量手段が異常状態のときの該秤量手段の伝達関数を異常伝達関数として予め記憶する異常伝達関数記憶手段と、前記異常伝達関数記憶手段に記憶された異常伝達関数に、前記擬似入力信号生成手段が生成した擬似入力信号を入力して異常秤量信号を生成する異常秤量信号生成手段と、を備え、前記異常秤量信号記憶手段は、前記異常秤量信号生成手段が生成した異常秤量信号を記憶することを特徴とする。
【0012】
この構成により、異常秤量信号記憶手段に記憶する異常秤量信号は、異常伝達関数記憶手段に記憶された異常伝達関数に、擬似入力信号生成手段が生成した擬似入力信号を入力して生成したものであるため、異常秤量信号の特徴を伝達関数として取り扱うことで、秤量手段の様々な異常状態に対応した異常診断を行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る計量装置は、前記秤量手段の筺体が、前記秤量台との間の隙間を密閉する弾性部材と、前記弾性部材の伸縮による前記筺体の内外の圧力差をなくすために空気を流通させる通気孔と、を備え、前記異常状態が、前記通気孔が閉塞した状態であることを特徴とする。
【0014】
この構成により、通気孔の閉塞により正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することができ、正確な計量を維持することができる。
【0015】
また、本発明に係る計量装置は、前記異常診断手段は、前記秤量信号と前記異常秤量信号の波形形状または固有振動数が近似するときに、前記秤量信号が異常であると診断することを特徴とする。
【0016】
この構成により、異常秤量信号の波形形状または固有振動数が近似する秤量信号が秤量手段から出力されたときに、秤量信号が異常であると異常診断手段が判定するので、異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる。
【0017】
また、本発明に係る計量装置は、前記被計量物の前記秤量台への搬入を検出する搬入検出手段を備え、前記搬入検出手段が前記被計量物の前記秤量台への搬入を検出したときに、前記擬似入力信号生成手段が擬似入力信号を生成するとともに、前記異常診断手段が、前記秤量手段から出力される秤量信号と、前記異常秤量信号記憶手段が記憶する異常秤量信号とを比較することを特徴とする。
【0018】
この構成により、搬入検出手段が被計量物の搬入を検出して秤量手段から秤量信号が出力されるタイミングに合わせて、擬似入力信号の生成、異常秤量信号の生成および記憶、秤量信号の比較が行われるので、異常診断手段により比較される秤量信号および異常秤量信号のタイミングを一致させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、通気孔の閉塞等のように正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる計量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係る計量装置の概要を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る計量装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る計量装置の搬送部を示す側面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態に係る計量装置の秤量手段の具体例を示す図である。
【図5】(a)は、ロードセル秤を2次遅れ系伝達関数で近似する構成を示す図であり、(b)は、電磁平衡式秤の伝達関数を2次遅れ系とPID制御などのフィードバック系で近似する構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る計量装置の各信号を示すタイミングチャートであり、(a)は、搬入検出信号を示し、(b)は、擬似入力信号を示し、(c)は、異常時の伝達関数出力値を示し、(d)は実際に測定した秤量信号を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る計量装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1〜図4は、本発明に係る計量装置の一実施の形態を示している。図1〜図4に示すように、計量装置1は、装置本体部2と、搬送部3と、搬入センサ4とを備えて構成されている。また、計量装置1の後段には選別部5が接続されている。
【0023】
計量装置1は、生産ラインの一部を構成するベルトコンベア14の下流側に設置されており、所定の間隔で矢印A方向に順次搬入されてくる肉、魚、加工食品、医薬品などの被計量物Wの重量を測定し、得られた測定値を測定結果として出力するようになっている。さらに、予め設定された重量の上限および下限の基準値とそれぞれ比較し、得られた測定値が基準値の範囲内にあるか否かを判定して範囲内のものを良品とし、範囲外のものを不良品として良否判定したり、複数の基準値に対応して重量ランク判定をするようになっていてもよい。また、測定結果、良否判定結果や重量ランク判定結果は、表示手段10に表示されるとともに、計量装置1の後段に接続された選別部5に出力されるようになっている。選別部5では、計量装置1が出力した測定結果、良否判定結果や重量ランク判定結果に応じて被計量物Wを振り分けるようになっている。
【0024】
装置本体部2は、秤量手段21と、総合制御部7と、表示手段10と、設定手段11と、これらの各部を収納する収納筐体2aとにより構成されている。
【0025】
搬送部3は、ベルトコンベア14から矢印A方向に搬入されてくる被計量物Wを所定の搬送条件により搬送するようになっている。被計量物Wは、助走コンベア31により測定するのに最適な速度になるよう加速または減速されて搬送され、秤量コンベア32によりさらに搬送され、搬送されている間に重量が秤量手段21により計量されるようになっている。秤量コンベア32は、被計量物を所定の搬送条件により搬送するようになっている。また、被計量物Wは、計量の後にさらに後段の選別部5に搬送され、振り分けられるようになっている。
【0026】
搬送部3は、助走コンベア31および秤量コンベア32により構成されている。助走コンベア31は、前段のベルトコンベア14から搬送されてきた被計量物Wが秤量コンベア32に移動する前に、被計量物Wの助走を行うものであり、2つのローラ31a、31cと、これらのローラに巻き付けられている無端状の搬送ベルト31bとにより構成されている。秤量コンベア32は、被計量物Wの計量を行う秤量手段21の上部に支持されており、2つのローラ32a、32cとこれらのローラに巻き付けられている無端状の搬送ベルト32bとにより構成されている。また、秤量コンベア32は、運用現場のユーザ、または製造時の組み付け工程の作業者により、種類の異なるコンベアに交換可能となっている。
【0027】
搬入センサ4は、一対の投光部4aおよび受光部4bからなる透過形光電センサで構成されており、助走コンベア31と秤量コンベア32との間に配置されている。具体的には、投光部4aは、搬送ベルト32bの装置本体部2側に配置され、受光部4bは、搬送ベルト32bの他の側面側で投光部4aに対向するように配置されており、被計量物Wが投光部4aおよび受光部4bの間を通過すると被計量物Wにより受光部4bが遮光されるので被計量物Wの搬入が開始されたことが検出されるようになっている。搬入センサ4から出力される搬入検出信号は、装置本体部2内の総合制御部7に入力されるようになっている。
【0028】
秤量手段21は、秤量コンベア32を支持し被計量物Wの荷重に基づいて秤量信号を出力する荷重センサであり、被計量物Wが秤量コンベア32で搬送されている間に、秤量手段21に加わる荷重を測定するようになっている。
【0029】
秤量手段21は、図4(a)に示す電磁平衡式秤(フォースバランス)、図4(b)に示す電気抵抗線式秤(ロードセル)、または、図4(c)に示す差動トランス式秤の何れかとして構成されている。
【0030】
ここで、秤量手段21が図4(a)のように電磁平衡式秤として構成されている場合、秤量手段21は、秤量コンベア32に乗った被計量物Wの質量による負荷と、磁石と電磁コイルに流す電流で発生する力とを平衡させ、この時に電磁コイルに流れる電流値を被計量物Wの質量として測定するようになっている。この電磁平衡式秤(フォースバランス)においては、秤の伝達関数は、図5(b)に示すように、2次遅れ系とPID制御などのフィードバック系で近似することができる。
【0031】
また、秤量手段21が図4(b)のように電気抵抗線式秤として構成されている場合、秤量手段21は、秤量コンベア32に乗った被計量物Wの質量による負荷で発生するロードセルの歪みを、ロードセルに張り付けた電気抵抗線の抵抗値の変化としてとらえることにより、被計量物Wの質量を測定するようになっている。この電気抵抗線式秤(ロードセル)においては、秤の伝達関数は、図5(a)に示すように、2次遅れ系伝達関数で近似することができる。図5(a)において、秤が密閉状態のときは、秤内圧により測定値がふらつくが、無負荷状態では、測定値のふらつきの要因が、洗浄後の水による影響なのか、秤量可動部に物が触れている影響なのか、電気的ノイズの影響によるものか等、原因を特定することが困難である。一方、測定時のように秤に大きな負荷が加わったときは、秤固有振動が波形上で確認できるため、測定時に実際の秤波形と異常時の伝達関数から出力される波形を比較することで測定値のふらつきの要因を特定することができる。秤が水により密閉された状態は、秤にエアダンパが入っている系と近似できるため、密閉状態にある秤は減衰係数ζ=ζbとして表すことができ、秤の伝達関数は、ω/(s2+2ζbωs+ω)となる。
【0032】
また、秤量手段21が図4(c)のように差動トランス式秤として構成されている場合、秤量手段21は、秤量コンベア32に乗った被計量物Wの質量による負荷で発生する変位を作動トランスで電気信号に変換することで、被計量物Wの質量を測定するようになっている。
【0033】
秤量手段21の筺体124の上面では、秤量コンベア32および被計量物Wの荷重を受ける支柱120が貫通しており、この支柱120には、支柱120と筺体124との間の隙間を密閉して筺体124の内部に水等の液体が浸入することを防止するための蛇腹形状の弾性部材121が設けられている。弾性部材121は、支柱120の上下方向への変位にともなって伸縮し、支柱120の変位に追従することで、支柱120と筺体124との間の隙間を常に密閉するようになっている。
【0034】
秤量手段21の筺体124の底部には、支柱120の変位および弾性部材121の伸縮によって生じる筺体124の内部と外部の圧力差を無くすために、筺体124を貫通する通気孔122が設けられている。
【0035】
総合制御部7は、信号処理手段71、計量手段72、記憶手段73、制御手段74、良否判定手段76、モード切替手段77を備えている。
【0036】
信号処理手段71は、秤量手段21からの秤量信号を受け所定の信号処理条件に基づいて信号処理して信号処理済秤量信号を出力するようになっていて、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器を備えている。具体的には、信号処理手段71は、秤量手段21からの秤量信号に対して、種類や特性の異なる複数のローパスフィルタから選択したフィルタを用いて、秤量信号の低周波成分のみを信号処理済秤量信号として通過させるようになっている。なお、信号処理手段71が選択するローパスフィルタは、1つの場合、または、複数を組み合わせたものの場合がある。このローパスフィルタとしては、FIR(Finite Impulse Response)フィルタと、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタとがある。ここで、FIRフィルタは、インパルス応答波形が入力された場合に、ある決まった時間(有限時間)だけ出力を出す有限インパルス応答フィルタであり、IIRフィルタは、無限にインパルス応答波形の減衰波形を出力する無限インパルス応答フィルタである。
【0037】
ここで、FIRフィルタは、A/D変換器によりディジタル信号に変換された秤量信号に対して、所定の低周波成分を通過するローパスフィルタを構成し、単純平均化処理や公知の窓関数を用いた重み付け平均化処理を行うようになっている。IIRフィルタは、スイッチトキャパシタフィルタのように特性変更が可能なハードウェアを用いて秤量手段21からの秤量信号(アナログ秤量信号)を直接受けて処理済信号をA/D変換器に出力するアナログフィルタで構成してもよいし、A/D変換器からのディジタル秤量信号(図示せず)を受けるディジタルフィルタで構成してもよい。
【0038】
計量手段72は、信号処理手段71が出力する信号処理済秤量信号に基づいて被計量物Wの計量値を算出(グラム換算)するようになっている。また、計量手段72においては、搬入センサ4によって被計量物Wが秤量コンベア32に搬入されたことが検知されてから所定の基準時間Tkが経過し、秤量手段21から秤量信号が出力された被計量物Wに対して、計量値を算出するようになっている。計量手段72により算出された個々の重量は、記憶手段73に算出データとして記憶されるようになっている。
【0039】
計量手段72は、搬入センサ4によって被計量物Wが秤量コンベア32に搬入されたことが検知されてから予め設定された基準時間Tkが経過したときに計量を行うようになっている。ここで、基準時間Tkは、搬入センサ4で被計量物Wが秤量コンベア32に搬入を開始したことを検出してから、被計量物Wが秤量コンベア32に完全に乗り移り、さらに秤量手段21から出力された秤量信号が安定するまでに必要な時間を意味する。具体的には、基準時間Tkは、秤量コンベア32の速度(m/min)、秤量コンベア32の矢印B方向の長さ(mm)および被計量物Wの搬送方向である矢印B方向の長さ(mm)、被計量物Wのサイズやラインの処理能力、その他の条件などに基づいて設定される。また、図3に示すように、基準時間Tkが経過すると、被計量物Wは、搬入開始検出位置PからLだけ移動して質量測定位置Pに到達し、計量が行われる。
【0040】
なお、計量手段72においては、被計量物Wの品種(特に、サイズ)に応じて、その測定範囲、測定能力および検査精度などの検査条件(パラメータ)が選択されるようになっており、被計量物Wの品種に応じて、例えば、測定範囲が6g〜600g、測定能力が最大150個/minで選択されるようになっている。この場合、被計量物Wの1個当たりの基準時間Tkは、最小400msecに設定されていることになり、基準時間Tkは400msec以上であればよいが、被計量物Wのサイズ、ラインの処理能力、生産その他の条件により設定されるようになっている。基準時間Tkは、400msecに近いほど短時間で測定されるので検査効率は高まり、遠くなるほど検査時間はかかるが、秤量コンベア32上を安定して搬送されるようになるから計量精度は高まることになる。
【0041】
また、被計量物Wの品種に応じて、例えば、測定範囲が1g〜300g、測定能力が最大600個/minで選択されるようになっている。測定能力が最大600個/minであると、被計量物Wの1個当たりの測定時間は最小100msecに設定されていることになり、被計量物Wのサイズ、ラインの処理能力、生産やその他の条件により設定されるようになっている。この基準時間Tkは、100msecに近いほど短時間で測定されるので検査効率は高まり、遠くなるほど検査時間はかかるが、秤量コンベア32上を安定して搬送されるようになるから計量精度は高まる。このように、計量手段72においては、被計量物Wの品種に応じて、その範囲、能力などの検査条件(パラメータ)が選択される。
【0042】
記憶手段73は、記憶媒体などから構成されており、秤量コンベア32による被計量物Wの所定の搬送条件、および信号処理手段71における所定の信号処理条件を含む条件パラメータを被計量物Wの品種に対応させて記憶するようになっている。記憶手段73には、被計量物Wの品種毎に付された各品種番号に対応して、搬送速度、LPF(Low Pass Filter)特性が記憶されている。また、記憶手段73には、被計量物Wの良否を判定するための良品範囲が記憶されている。搬送速度は、被計量物Wを搬送する搬送部3の速度であり、LPF特性は、どのような特性のローパスフィルタであるかを示すものであり、良品範囲とは、良品と判定される被計量物Wの重量の範囲である。これらの記憶情報は、設定手段11からの設定操作または外部機器との接続により予め記憶されるようになっている。記憶手段73は、計量値、良品判定結果等の種々のデータを記憶するようになっている。
【0043】
制御手段74は、被計量物Wの品種に応じて記憶手段73から所定の搬送条件および所定の信号処理条件を読み出して秤量コンベア32および信号処理手段71をそれぞれ制御するようになっている。また、記憶手段73に記憶している複数の品種に対応する条件パラメータを順次切り替えて搬送部3および信号処理手段71を制御するようになっている。また、制御手段74は、図示しないモータの回転速度(rpm)を駆動制御して、搬送部3による被計量物Wの搬送速度を制御するようになっている。更に、制御手段74は、後述する異常秤量信号記憶手段101、異常診断手段102、擬似入力信号生成手段103、異常伝達関数記憶手段104、異常秤量信号生成手段105の動作制御を行うようになっている。
【0044】
良否判定手段76は、被計量物Wの良否を判定するものであり、判定回路などから構成され、計量手段72が算出した計量値と良否判定基準とを比較して被計量物Wの良否を判定するようになっている。具体的には、良否判定手段76は、計量手段72から出力された被計量物Wの重量信号を受けると、記憶手段73に予め記憶されている重量の上限値Gaおよび下限値Gbを読み出し、算出した被計量物Wの重量と上限値Gaおよび下限値Gbとをそれぞれ比較し、上限値Gaおよび下限値Gbで決定される重量の許容範囲内に被計量物Wの重量が入っているか否かを判定するようになっている。
【0045】
良否判定手段76において判定された判定結果は、表示手段10に出力され、良品または不良品として表示されるようになっている。また、判定結果は、計量装置1の後段に接続された選別部5に出力され、被計量物Wが良品または不良品として選別されるようになっている。さらに、この判定結果は、記憶手段73に出力され、各被計量物Wについての判定結果が記憶されるようになっている。
【0046】
モード切替手段77は、制御手段74に指令を出し、計量装置1の動作モードを、運転モードと設定モードとの間で切り替えるものである。ここで、運転モードとは、計量装置1が被計量物Wの計量、重量の算出および良否判定を行う通常の動作モードのことであり、設定モードとは、運転モードの動作のための各種パラメータの自動設定または手動設定をしたり、運転モードの動作を正常に行うことができるか否かの動作確認のための動作モードである。モード切替手段77は、設定手段11からの入力操作に応じて動作モードを設定モードに切り替えたり、または、装置の運転開始時に動作モードを設定モードに切り替えるようになっている。
【0047】
また、総合制御部7は、異常秤量信号記憶手段101、異常診断手段102、擬似入力信号生成手段103、異常伝達関数記憶手段104、異常秤量信号生成手段105を備えている。
【0048】
異常秤量信号記憶手段101は、秤量手段21が異常状態のときに秤量手段21から出力され得る秤量信号を図6(c)に示す異常秤量信号として記憶するものである。秤量手段21の異常状態とは、例えば、秤量手段21の筺体124の底部の通気孔122が計量装置1の洗浄時に表面張力で付着した水により閉塞され、筺体124が密閉されてしまった状態である。
【0049】
秤量手段21から出力される秤量信号は、秤量手段21が正常な状態では、図6(d)の左側(1つめの波形)に示す態様の波形であるが、筺体124が密閉された異常な状態では、例えば、図6(d)の右側(2つめの波形)に示す態様の波形となる。
【0050】
具体的には、図6(d)の左側に示す正常時の秤量信号は、被計量物Wが搬入されて図6(a)の搬入検出信号が出力されてから搬出されるまでの間で、信号はオーバーシュートが所定時間後に速やかに一定値に収束している。
【0051】
一方、図6(d)の右側に示す異常時の秤量信号は、被計量物Wが搬入されて図6(a)の搬入検出信号が出力されてから搬出されるまでの間で、一定値に収束しないふらつきのある信号となっている。
【0052】
異常診断手段102は、秤量手段21から出力される秤量信号と、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号とを比較して、秤量信号および異常秤量信号が共通の特徴を有するとき(例えば、波形形状が一致するとき)に、秤量信号が異常であると判定するようになっている。例えば、図6(d)の右側に示す実際に測定した秤量信号の波形が図6(c)の右側の異常秤量信号の波形と一致するとき、異常診断手段102は、秤量信号が異常であると判定し、図6(d)の左側に示す実際に測定した秤量信号の波形が図6(c)の左側の異常秤量信号の波形と一致しないとき、異常診断手段102は、秤量信号が正常であると判定する。
【0053】
異常診断手段102による診断結果は、表示手段10に表示され、ユーザに報知される。ここで、秤量信号および異常秤量信号が共通の特徴を有する場合とは、例えば、秤量信号と異常秤量信号の波形の波形形状または固有振動数が近似する場合である。
【0054】
異常診断手段102は、搬入センサ4が被計量物Wの秤量コンベア32への搬入を検出したときに、秤量手段21から出力される秤量信号と、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号とを比較するようになっている。
【0055】
すなわち、搬入センサ4が被計量物Wの搬入を検出して秤量手段21から秤量信号が出力されるタイミングに合わせて、異常診断手段102が、異常秤量信号記憶手段101から異常秤量信号を読み出し、秤量信号と異常秤量信号とを比較する。
【0056】
これにより、異常診断手段102により比較される秤量信号および異常秤量信号はタイミング、すなわち波形グラフでの横軸方向の位置が一致したものとなる。
【0057】
異常秤量信号としては、計量装置1の動作モードを設定モードに切り替えて、意図的に秤量手段21の筺体124の通気孔122に水を付着させて閉塞して筺体124が密閉された状態にして取得し異常秤量信号記憶手段101に記憶させておいた異常秤量信号を用いる。または、以下に説明する擬似入力信号生成手段103、異常伝達関数記憶手段104、異常秤量信号生成手段105により生成して異常秤量信号記憶手段101に一時的に記憶した秤量信号を用いてもよい。
【0058】
擬似入力信号生成手段103は、擬似入力信号を生成するものであり、この擬似入力信号とは、図6(b)に示す波形の信号であり、被計量物Wが搬入されてから搬出されるまでの秤量手段21に入力される信号を搬入検出信号とベルト速度とから生成したものである。
【0059】
異常伝達関数記憶手段104は、秤量手段21が異常状態のときの秤量手段21の伝達関数を異常伝達関数として予め記憶するようになっている。ここで、秤量手段21の筺体124の通気孔122に水が付着して通気孔122が閉塞されることで、秤量手段21が異常状態となったとき、この場合の異常伝達関数は、正常な状態の秤量手段21の伝達関数に、通気孔122が閉塞されることによるダンピング成分(エアダンパ成分)が追加されたものとなる。
【0060】
異常秤量信号生成手段105は、異常伝達関数記憶手段104に記憶された異常伝達関数に擬似入力信号生成手段103が生成した擬似入力信号を入力して図6(c)に示す異常秤量信号を生成するようになっている。異常秤量信号生成手段105が生成した異常秤量信号は異常秤量信号記憶手段101に記憶される。
【0061】
擬似入力信号生成手段103は、搬入センサ4が被計量物Wの秤量コンベア32への搬入を検出して図6(a)の搬入検出信号を出力したタイミングで、擬似入力信号を生成するようになっている。すなわち、搬入センサ4が被計量物Wの搬入を検出して秤量手段21から秤量信号が出力されるタイミングに合わせて、擬似入力信号の生成、異常秤量信号の生成および記憶、秤量信号の比較が行われる。これにより、異常診断手段102により比較される秤量信号および異常秤量信号は、図6(d)と図6(c)の関係のように、タイミング、すなわち波形グラフでの横軸方向の位置が一致したものとなる。
【0062】
表示手段10は、図1に示すように、装置本体部2の搬送部3側の上端部に設けられ、液晶ディスプレイなどの表示デバイスで構成される。表示手段10は、計量装置1の動作モードが運転モードのときにおいては、計量装置1の動作状態、被計量物Wの計量値、良否判定結果を表示し、計量装置1の動作モードが設定モードのときにおいては、パラメータの設定や動作確認に関する表示をするようになっている。なお、表示手段10は、表示された数字、文字などがタッチ操作により入力されるタッチパネルとして構成し、設定手段11と一体化した構成にしてもよい。
【0063】
選別部5は、計量装置1の後段に接続されており、選別機構部5aおよび搬送ベルト5bにより構成されている。選別機構部5aは、例えば、押し出し型の選別機構により構成されている。選別機構部5aは、良品と不良品とを選別できるものであればよく、フリッパ機構、ドロップアウト機構、エアジェット機構などの選別機構で構成してもよい。選別機構部5aは、上流の秤量コンベア32から搬送される被計量物Wが搬送ベルト5bで矢印B方向に搬送されている間に、不良品と判定された被計量物Wに対して搬送ベルト5bの側面方向への押し出しやジェットエアの吹き付けを行うようになっており、不良の被計量物Wを搬送ベルト5b上から排出し、良品の被計量物Wと区別することにより選別を行っている。また、搬送ベルト5bは、ローラ5cおよびローラ5cに対向して配置されるローラ(不図示)と、これらのローラに巻き付けられている無端状の搬送ベルトとして構成されており、測定を終了した被計量物Wを所定の速度で下流側に搬送するようになっている。
【0064】
本実施の形態に係る計量装置1の動作(動作1)を説明する。
【0065】
異常伝達関数に擬似入力信号を入力して異常秤量信号を生成する場合の動作を説明する。
【0066】
まず、順次投入された被計量物Wがベルトコンベア14で搬送され秤量コンベア32に搬入されると、搬入センサ4により被計量物Wの搬入が検出される。
【0067】
ついで、搬入センサ4からの搬入検出信号に応じて、擬似入力信号生成手段103が擬似入力信号を生成し、異常秤量信号生成手段105が、異常伝達関数記憶手段104に記憶された異常伝達関数に擬似入力信号を入力して異常秤量信号を生成し、異常秤量信号記憶手段11に記憶させる。
【0068】
ついで、秤量手段21は、秤量コンベア32上を搬送される被計量物Wの荷重に応じた秤量信号を出力する。
【0069】
ついで、異常診断手段102は、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号を読み出し、搬入センサ4からの検出信号により秤量手段21から出力される秤量信号とタイミングを合わせて、異常秤量信号と秤量信号とを比較する。異常診断手段102は、秤量信号が異常秤量信号と共通の特徴を有するとき、例えば、波形形状または固有振動数が近似するときに、秤量信号が異常であると判定する。
【0070】
次に、異常秤量信号を予め異常秤量信号記憶手段11に記憶させておく場合の動作(動作2)を説明する。
【0071】
まず、順次投入された被計量物Wがベルトコンベア14で搬送され秤量コンベア32に搬入されると、搬入センサ4により被計量物Wの搬入が検出される。
【0072】
ついで、秤量手段21は、秤量コンベア32上を搬送される被計量物Wの荷重に応じた秤量信号を出力する。
【0073】
ついで、異常診断手段102は、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号を読み出し、搬入センサ4からの検出信号により秤量手段21から出力される秤量信号とタイミングを合わせて、異常秤量信号と秤量信号とを比較する。異常診断手段102は、秤量信号が異常秤量信号と共通の特徴を有するとき、例えば、波形形状または固有振動数が近似するときに、秤量信号が異常であると判定する。
【0074】
なお、搬入センサ4から搬入検出信号が出力されてから異常秤量信号が生成されるまでの時間は極めて短いものであり、異常秤量信号を予め異常秤量信号記憶手段11に記憶させておく場合の動作(動作2)に対して、異常伝達関数に擬似入力信号を入力して異常秤量信号を生成する場合の動作(動作1)で異常診断手段102での比較時に秤量信号と異常秤量信号との間でタイミングにずれが生じることはない。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態に係る計量装置1は、順次投入される被計量物Wを所定の搬送条件で秤量コンベア32上を搬送するベルトコンベア14と、秤量コンベア32上を搬送される被計量物Wの荷重に応じた秤量信号を出力する秤量手段21と、秤量手段21が異常状態のときに秤量手段21から出力され得る秤量信号を異常秤量信号として記憶する異常秤量信号記憶手段101と、秤量手段21から出力される秤量信号と、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号とを比較して、秤量信号および異常秤量信号が共通の特徴を有するときに、秤量信号が異常であると判定する異常診断手段102と、を備えたことを特徴とする。
【0076】
この構成により、異常秤量信号記憶手段101が記憶する異常秤量信号と共通の特徴を有する秤量信号が秤量手段21から出力されたときに、秤量信号が異常であると異常診断手段102が判定するので、異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる。
【0077】
したがって、通気孔122の閉塞等のように正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる。
【0078】
また、本実施の形態に係る計量装置1は、擬似入力信号を生成する擬似入力信号生成手段103と、秤量手段21が異常状態のときの秤量手段21の伝達関数を異常伝達関数として予め記憶する異常伝達関数記憶手段104と、異常伝達関数記憶手段104に記憶された異常伝達関数に、擬似入力信号生成手段103が生成した擬似入力信号を入力して異常秤量信号を生成する異常秤量信号生成手段105と、を備え、異常秤量信号記憶手段101は、異常秤量信号生成手段105が生成した異常秤量信号を記憶することを特徴とする。
【0079】
この構成により、異常秤量信号記憶手段101に記憶する異常秤量信号は、異常伝達関数記憶手段104に記憶された異常伝達関数に、擬似入力信号生成手段103が生成した擬似入力信号を入力して生成したものであるため、異常秤量信号の特徴を伝達関数として取り扱うことで、秤量手段の様々な異常状態に対応した異常診断を行うことができる。
【0080】
また、本実施の形態に係る計量装置1は、秤量手段21の筺体124が、秤量コンベア32との間の隙間を密閉する弾性部材121と、弾性部材121の伸縮による筺体124の内外の圧力差をなくすために空気を流通させる通気孔122と、を備え、異常状態が、通気孔122が閉塞した状態であることを特徴とする。
【0081】
この構成により、通気孔122の閉塞により正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することができ、正確な計量を維持することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係る計量装置1は、異常診断手段102は、秤量信号と異常秤量信号の波形形状または固有振動数が近似するときに、秤量信号が異常であると診断することを特徴とする。
【0083】
この構成により、異常秤量信号の波形形状または固有振動数が近似する秤量信号が秤量手段21から出力されたときに、秤量信号が異常であると異常診断手段102が判定するので、異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る計量装置1は、被計量物Wの秤量コンベア32への搬入を検出する搬入センサ4を備え、搬入センサ4が被計量物Wの秤量コンベア32への搬入を検出したときに、擬似入力信号生成手段103が擬似入力信号を生成するとともに、異常診断手段102が、秤量手段21から出力される秤量信号と、異常秤量信号記憶手段11が記憶する異常秤量信号とを比較することを特徴とする。
【0085】
この構成により、搬入センサ4が被計量物Wの搬入を検出して秤量手段21から秤量信号が出力されるタイミングに合わせて、擬似入力信号の生成、異常秤量信号の生成および記憶、秤量信号の比較が行われるので、異常診断手段102により比較される秤量信号および異常秤量信号のタイミングを一致させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明に係る計量装置は、通気孔122の閉塞等のように正確な計量を行うことができない異常状態となったことを判定することで、正確な計量を維持することができるという効果を有し、肉、魚、加工食品、医薬品などの被計量物を計量して良否を判定する計量装置として有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 計量装置
3 搬送部
4 搬入センサ(搬入検出手段)
5 選別部
7 総合制御部
10 表示手段
11 設定手段
14 ベルトコンベア
21 秤量手段
31 助走コンベア
32 秤量コンベア(秤量台)
71 信号処理手段
72 計量手段
73 記憶手段
74 制御手段
76 良否判定手段
77 モード切替手段
101 異常秤量信号記憶手段
102 異常診断手段
103 擬似入力信号生成手段
104 異常伝達関数記憶手段
105 異常秤量信号生成手段
120 支柱
121 弾性部材
122 通気孔
124 筺体
W 被計量物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次投入される被計量物(W)を所定の搬送条件で秤量台(32)上を搬送する搬送手段(14)と、
前記秤量台上を搬送される被計量物の荷重に応じた秤量信号を出力する秤量手段(21)と、
前記秤量手段が異常状態のときに前記秤量手段から出力され得る秤量信号を異常秤量信号として記憶する異常秤量信号記憶手段(101)と、
前記秤量手段から出力される秤量信号と、前記異常秤量信号記憶手段が記憶する異常秤量信号とを比較して、前記秤量信号および前記異常秤量信号が共通の特徴を有するときに、前記秤量信号が異常であると判定する異常診断手段(102)と、を備えたことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
擬似入力信号を生成する擬似入力信号生成手段(103)と、
前記秤量手段が異常状態のときの該秤量手段の伝達関数を異常伝達関数として予め記憶する異常伝達関数記憶手段(104)と、
前記異常伝達関数記憶手段に記憶された異常伝達関数に、前記擬似入力信号生成手段が生成した擬似入力信号を入力して異常秤量信号を生成する異常秤量信号生成手段(105)と、を備え、
前記異常秤量信号記憶手段は、前記異常秤量信号生成手段が生成した異常秤量信号を記憶することを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記秤量手段の筺体(124)が、前記秤量台との間の隙間を密閉する弾性部材(121)と、前記弾性部材の伸縮による前記筺体の内外の圧力差をなくすために空気を流通させる通気孔(122)と、を備え、
前記異常状態が、前記通気孔が閉塞した状態であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記異常診断手段は、前記秤量信号と前記異常秤量信号の波形形状または固有振動数が近似するときに、前記秤量信号が異常であると診断することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の計量装置。
【請求項5】
前記被計量物の前記秤量台への搬入を検出する搬入検出手段を備え、
前記搬入検出手段が前記被計量物の前記秤量台への搬入を検出したときに、前記擬似入力信号生成手段が擬似入力信号を生成するとともに、前記異常診断手段が、前記秤量手段から出力される秤量信号と、前記異常秤量信号記憶手段が記憶する異常秤量信号とを比較することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−208082(P2012−208082A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75649(P2011−75649)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)