記録再生装置、記録再生方法
【課題】CLV記録を行い、且つ記録すべきデータのレートに対して設定可能な最大記録レートが近接しているという条件下において、ディスク全面での同時記録再生が実現されるようにする。
【解決手段】光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系(記録/再生チャンネル)に関して、例えば記録を担う系を1系統とするのに対し、再生を担う系を複数系統とする。これによりCLV方式が採用され且つ記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが近接している場合(記録を担当するチャンネルを間欠的に再生にも回す手法を採ることができない場合)において、再生レートの向上が図られるようにでき(記録レート≦再生レートとなる領域を増やすことができ)、記録ch:再生ch=1:1の関係とする場合には実現することのできなかったディスク全面での同時記録再生を実現可能とできる。
【解決手段】光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系(記録/再生チャンネル)に関して、例えば記録を担う系を1系統とするのに対し、再生を担う系を複数系統とする。これによりCLV方式が採用され且つ記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが近接している場合(記録を担当するチャンネルを間欠的に再生にも回す手法を採ることができない場合)において、再生レートの向上が図られるようにでき(記録レート≦再生レートとなる領域を増やすことができ)、記録ch:再生ch=1:1の関係とする場合には実現することのできなかったディスク全面での同時記録再生を実現可能とできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の照射により情報の記録/再生が行われる光ディスク記録媒体について記録再生を行う記録再生装置として、特に3以上の独立したレーザ光照射系(記録/再生チャンネル)を備えて上記光ディスク記録媒体に対する情報記録と情報再生とを同時に行う記録再生装置とその方法とに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2006−107638号公報
【特許文献2】特開2007−89214号公報
【背景技術】
【0003】
例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)など、光の照射により情報の記録/再生が行われる光ディスク記録媒体(以下、光ディスクとも称する)が広く普及しており、またその記録再生を行う記録再生装置(光ディスクドライブ装置)が広く普及している。
【0004】
ここで、光ディスクについての記録再生装置には、例えば上記特許文献1に記載されているような業務用のビデオカメラ装置のドライブ装置として適用されたものがある。
このような業務用のビデオカメラ装置の分野においては、装填した光ディスクに対して撮像映像データの記録を行っている最中に、上記光ディスク上の既に記録が行われた任意部分の映像データを同時に再生できるようにしたいとの要望がある。
【0005】
このような同時記録再生を実現するための1つの手法として、上記特許文献2に開示される手法を挙げることができる。
この特許文献2においては、通常の光学ヘッド(光ディスクに対してレーザ光を照射するレーザ光照射系を1系統のみ搭載した光学ヘッド)を1つのみ用いて、光ディスクに対する同時記録再生を行うための技術が開示されている。
なお以下では、レーザ光照射系の1系統を1チャンネル(ch)と称するものとし、上記のように通常の光学ヘッドを1つのみ用いて記録再生を行う構成については、1ヘッド1chの構成と称する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に開示されるような1ヘッド1chの構成によって同時記録再生を行うとした場合には、シーク動作が頻繁に発生し、またデータ転送量を確保するための比較的大容量のバッファメモリを要するという問題がある。
また、このように1ヘッド1chの構成により同時記録再生を行うとした場合は、記録/再生するデータのレートが制約されるなど、通常の記録のみ/再生のみを行うとした場合と比較して記録/再生能力の低下が避けられないものとなる。
【0007】
ここで、先に挙げた特許文献1においては、光学ヘッドを2つ設けるという構成が開示されている。すなわち、2ヘッド2chの構成である。
当該特許文献1においては直接的な記載や示唆は為されてないが、このような2ヘッド2chの構成を利用すれば、一方のヘッドを記録、他方のヘッドを再生に割り当てて同時記録再生を行うことができ、そのような構成により、上述した1ヘッド1chの同時記録再生を行う特許文献2の構成とする場合に生じる問題の解決を図ることができる。
【0008】
しかしながら、2ヘッド2chにより同時記録再生を行うとしたときには、以下のような点が考慮されるべきものとなる。
【0009】
ここで、光ディスクの記録再生装置においては、一定の記録/再生レートが要求される場合において、ディスク回転制御方式としてCLV(線速度一定)方式が採用されることがある。特に、上述したビデオカメラ装置に適用される記録再生装置の場合には、一定の記録/再生レートが必要な映像データが記録再生の対象データとなるため、CLVによる記録/再生を行うことが望ましいものとなる。
【0010】
CLVが採用される場合、記録中における光ディスクの回転速度は、記録半径位置に応じて定まることになる。このことによると、CLVを採用する場合に同時記録再生を行うとしたときは、外周側を記録している最中に、内周側を再生するというケースにおいて、再生レートが著しく低下することとなってしまう。具体的に、例えばBDの場合であれば、光ディスクの最内周は24mm、最外周は58mmに規定されており、従って最外周部分を記録中に最内周部分を再生するという最悪のケースにおける再生レートは、記録レート比で1/2.4にまで低下してしまうことになる。
【0011】
このとき、上記記録レートとは、記録速度(記録倍速)に対応するものである。すなわち、上記記録レートは、記録対象とする光ディスクが何倍速の記録に耐えうるかによって(つまり光ディスクの有する記録特性によって)定まるものである。
【0012】
ここで、記録再生システムの規格によっては、記録すべきデータのレートと、設定可能な最大の記録レートとが非常に近接しているという場合があり得る。具体的に、現状においてBDのような高密度ディスクを記録/再生対象とする業務用のビデオカメラシステムの規格では、例えば映像データのレートが60Mbps程度であるのに対し、設定可能な最大の記録レートが72Mbps程度とされているものがある。
【0013】
このように記録すべきデータのレートに対して設定可能な最大記録レートが近接している場合には、仮に、上記特許文献1のような2ヘッド2chの構成を利用して同時記録再生を行ったとしても、ディスクの全面において再生レートが記録レートの100%以上である状態を維持することができなくなってしまう。
すなわち、データの記録中にディスク上の任意位置のデータを再生するという、ディスク全面での同時記録再生を実現するためには、前述したような記録位置と再生位置との関係で再生レートが記録レートに対して著しく低下してしまうケース(外周部を記録中に内周部を再生するケース)においても再生レートが記録レート以上であることが必要となるが、記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが非常に近接している場合は、2つのヘッドのうち記録を担当する側のヘッドを間欠的に再生側にも使用するという手法(つまり特許文献2のような手法)により再生レートの向上を図ることができない。このため、上記のように外周部を記録中に内周部を再生するというケースにおいて記録レート≦再生レートとすることが不可能であり、結果として、ディスク全面での同時記録再生を実現することができなくなってしまう。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑み為されたものであり、CLV記録を行い、且つ記録すべきデータのレートに対して設定可能な最大記録レートが近接しているという条件下においても、ディスク全面での同時記録再生が実現されるようにすることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題の解決のため、本発明では記録再生装置として以下のように構成することとした。
すなわち、光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を少なくとも1系統有する第1の光学ヘッドを備える。
また、上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を複数系統有する第2の光学ヘッドを備える。
さらに、上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行させつつ、上記第2の光学ヘッドが有する複数の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させるように制御を行う制御部を備えるようにした。
【0016】
上記本発明によれば、光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系(記録/再生チャンネル)に関して、記録を担う系を1系統とするのに対し、再生を担う系を複数系統とすることができる。これにより、ディスク回転制御方式としてCLV(線速度一定)方式が採用され且つ記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが近接している場合(記録を担当するチャンネルを間欠的に再生にも回す手法を採ることができない場合)において、再生レートの向上が図られるようにでき(記録レート≦再生レートとなる領域を増やすことができ)、記録ch:再生ch=1:1の関係とする場合には実現することのできなかったディスク全面での同時記録再生を実現可能とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
上記のようにして本発明によれば、ディスク回転制御方式としてCLV方式が採用され且つ記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが近接している場合においても、再生レートを向上させることができ、記録ch:再生ch=1:1の関係とする場合には実現することのできなかったディスク全面での同時記録再生を実現可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態としての記録再生装置内部の全体構成について説明するための図である。
【図2】第1の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
【図3】2ch同時再生(又は記録)を実現するための具体的な手法について説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態におけるブリッジ制御部が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示した図である。
【図5】第2の実施の形態としての記録再生装置内部の全体構成について説明するための図である。
【図6】第2の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
【図7】第2の実施の形態の第1の手法において記録データバッファメモリに対して設定される閾値について説明するための図である。
【図8】第2の実施の形態におけるブリッジ制御部が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示した図である。
【図9】第2の実施の形態の第1の手法の場合の記録/再生chの割り当てを実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態の第2の手法において再生データバッファメモリに対して設定される閾値について説明するための図である。
【図11】第2の実施の形態の第2の手法の場合の記録/再生chの割り当てを実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行う。
<1.第1の実施の形態>
[1-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
[1-2.第1の実施の形態の同時記録再生手法]
[1-3.第1の実施の形態のまとめ]
<2.第2の実施の形態>
[2-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
[2-2.第2の実施の形態の同時記録再生手法]
<3.変形例>
【0020】
<1.第1の実施の形態>
[1-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
図1は、本発明の記録再生装置の一実施形態である、第1の実施の形態としての光ディスクドライブ装置1内部の全体構成について説明するための図である。
ここで、以下の説明においては、光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射を行うレーザ光照射系の1系統を1チャンネル(記録/再生チャンネル)と称する。
第1の実施の形態の光ディスクドライブ装置1は、2つの光学ヘッド(図中3−1,3−2)を備えると共に、一方の光学ヘッドがレーザ光照射系を1つ、他方の光学ヘッドがレーザ光照射系を2つ有するようにしている。このような構成については、2ヘッド3chの構成と称する。
なお、以下において「チャンネル」は「ch」とも表記する。
【0021】
図1において、光ディスクDは、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの、光の照射により信号の記録/再生が行われる光ディスク記録媒体である。本例において、光ディスクDはBDの規格に準拠したものであり、レーザ光の波長λ=405nm程度、対物レンズの開口数NA=0.85程度の条件により情報の記録再生が行われる。
【0022】
ここで、図示による説明は省略するが、本例における光ディスクドライブ装置1は、上記光ディスクDに対する撮像映像データの記録及び再生を行うビデオカメラ装置に対して設けられたものであるとする。
【0023】
光ディスクドライブ装置1に装填された光ディスクDは、図示は省略したターンテーブル上にセットされ、図中のスピンドルモータ(SPM)2によって回転駆動される。
本実施の形態において、光ディスクDの回転駆動方式としては、CLV(線速度一定)方式が採用される。
【0024】
このようにCLV方式により回転駆動される光ディスクDに対し、記録/再生を行うためのレーザ光を照射するための構成として、図中の第1光学ヘッド3−1、及び第2光学ヘッド3−2が設けられている。
本実施の形態の場合、これら第1光学ヘッド3−1と第2光学ヘッド3−2は、装填された光ディスクDの中心を挟んで、それぞれが対向する位置関係となるようにして配置されている。
【0025】
第1光学ヘッド3−1内には、光ディスクDに対して図中の対物レンズOL−1を介してレーザ光の照射を行うための光学系が1系統のみ備えられている。図示は省略するが、上記光学系内には、レーザ光の光源となるレーザダイオードや、光ディスクDからの反射光を受光するためのフォトディテクタが備えられると共に、上記レーザダイオードから出射したレーザ光を上記対物レンズOL−1に導き且つ上記光ディスクDからの反射光を上記対物レンズOL−1を介して上記フォトディテクタに対して導くための各種のレンズや光学素子が形成されている。また、上記対物レンズOL−1をトラッキング方向(光ディスクDの半径方向)及びフォーカス方向(光ディスクDに接離する方向)に移動可能に保持する2軸アクチュエータも備えられる。
【0026】
また、第2光学ヘッド3−2内には、光ディスクDに対して図中の対物レンズOL−2Aを介してレーザ光を照射する光学系と、図中の対物レンズOL−2Bを介してレーザ光を照射する光学系との2つの光学系が独立して設けられている。
これらの光学系は、互いが備える対物レンズOL−2A,OL−2Bが図示するように光ディスクDの周方向(ディスク面内において上記半径方向と直交する方向)にずれた位置に配置されるようにして第2光学ヘッド3−2内に形成される。
第2光学ヘッド3−2において、それぞれの上記光学系は、第1光学ヘッド3−1が備える光学系と同様にレーザダイオード、フォトディテクタ、2軸アクチュエータを備え、光ディスクDに対するレーザ光照射及び光ディスクDからの反射光の受光を行うことが可能に構成されている。
【0027】
ここで、以下において、第1光学ヘッド3−1が有する対物レンズOL−1を介してレーザ光照射を行うチャンネルについては、「1ch」と称する。
同様に、第2光学ヘッド3−2側において、対物レンズOL−2Aを介してレーザ光照射を行うチャンネルは「2Ach」、対物レンズOL−2Bを介したレーザ光照射を行うチャンネルは「2Bch」と称する。
【0028】
上記第1光学ヘッド3−1は、図示するようにして第1スライド移送部5−1によりスライド移送可能に保持されている。また上記第2光学ヘッド3−2は、第2スライド移送部5−2によりスライド移送可能に保持されている。
上記第1スライド移送部5−1には、上記第1光学ヘッド5−1を光ディスクDの半径方向にスライド移送可能に保持するメカ機構部と、当該メカ機構部を駆動するスライドモータとが備えられており、後述する1chドライブ制御部4−1より出力される制御信号(スライドドライブ信号)に基づき上記スライドモータが駆動制御されることで、上記第1光学ヘッド5−1が上記半径方向にスライド移送される。
同様に、第2スライド移送部5−2には、上記第2光学ヘッド5−2を光ディスクDの半径方向にスライド移送可能に保持するメカ機構部と、当該メカ機構部を駆動するスライドモータとが備えられており、後述する2Achドライブ制御部4−2Aより出力される制御信号に基づき上記スライドモータが駆動制御されることで、上記第2光学ヘッド5−2が上記半径方向にスライド移送される。
【0029】
また、光ディスクドライブ装置1には、それぞれのchが独立して記録/再生を行うことができるようにすべく、1chドライブ制御部4−1、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bの各ドライブ制御部が設けられている。
これらドライブ制御部は、それぞれ、対応するchの光学系に設けられたフォトディテクタからの受光信号に基づくサーボ制御系やレーザダイオードの発光駆動系、及びそれらに対する制御を行う例えばマイクロコンピュータ等による制御部など、各chで上記フォトディテクタからの受光信号に基づき独立して記録及び/又は再生を行うための構成を包括的に示すものである。
【0030】
ここで、後述するように本例においては、「1ch」は記録専用に用い、「2Ach」及び「2Bch」は再生専用に用いることとなる。
このため、1chドライブ制御部4−1としては、フォトディテクタからの受光信号に基づきデータ再生を行うための構成(データ再生処理系)は省略されている。
また2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bは、記録データに応じてレーザダイオードを発光駆動するための構成(データ記録処理系)は省略されている。
【0031】
また、光ディスクドライブ装置1には、上記1chドライブ制御部4−1、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bを統括的に制御するブリッジ制御部6が設けられる。
このブリッジ制御部6は、例えばマイクロコンピュータで構成され、光ディスクドライブ装置1外部に設けられたホストコンピュータ10から指示されたデータの再生、及びホストコンピュータ10側から転送されてくるデータの記録が行われるように、1chドライブ制御部4−1、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bに対する制御を行う。
なお、本実施の形態においてブリッジ制御部6が行う具体的な制御処理の内容については後述する。
【0032】
[1-2.第1の実施の形態の同時記録再生手法]
図2は、図1に示した光ディスクドライブ装置1により実現される第1の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
この図2に示されるように、第1の実施の形態では、第1光学ヘッド3−1が有する「1ch」により、光ディスクDに対する記録を行いつつ、第2光学ヘッド3−2が有する2Ach及び2Bchにより光ディスクDに記録されたデータを同時再生する。すなわち、光ディスクDに対し1ch記録・2ch同時再生による同時記録再生を行うものである。
【0033】
ここで、先に述べたように本例では、ディスク回転制御方式としてCLV方式が採用されるので、上記1chによる記録動作はCLV記録となる。この点から、スピンドルモータ2の回転速度(回転数)は、1chドライブ制御部4−1が、光ディスクD上の現在の記録位置(半径位置)に応じて記録線速度が一定となるようにして制御することになる。
【0034】
このように或るchで光ディスクDに対しデータを記録中に他のchにてデータ再生を行うという同時記録再生を行う場合には、光ディスクDの回転数は、記録半径位置に応じたものに制御される点に注意しておく。
【0035】
ここで、上記のように第2光学ヘッド4によっては、上記2Achと2Bchとを用いた同時再生が行われるものとなるが、このように1ヘッド2chの構成によって2ch同時再生を行うための具体的な手法の例を、次の図3を参照して説明しておく。
図3において、図3(a)〜図3(d)の各図では、光ディスクDにおいてスパイラル状に形成されたトラックが半径方向において複数本配列されている様子を模式的に示している。ここでは図示の都合上、このように半径方向に配列される複数本のトラックとして、トラック1〜トラック12の12本のみを抽出して示している。
また図3(a)〜図3(b)の各図では、光ディスクD上に形成されるAch側のビームスポット(対物レンズOL−2Aを介して照射されるレーザ光のビームスポット)とBch側のビームスポット(対物レンズOL−2Bを介して照射されるレーザ光のビームスポット)も示している。
これらAch側のビームスポットとBch側のビームスポットは、光ディスクDの回転駆動に伴い図中の周方向に移動すると共に、トラッキングサーボ制御が行われることによってその位置がトラック上を追従するようにされることで、内周側から外周側へと順次移動していくことになる。図3(a)〜図3(d)では、このように時間経過と共に順次外周側へ移動する各ビームスポットによって光ディスクDに対する情報の再生が行われる様子を模式的に示している。
なおこの図3には反映されていないが、先に述べたように対物レンズOL−2AとOL−2Bは周方向にずれて配置されるので、Ach側のビームスポットの位置とBch側のビームスポットの位置は図中の周方向においてずれていることになる。
【0036】
先ず図3(a)では、再生の開始時点でのAch側,Bch側のビームスポットの配置関係を示している。図示するように再生の開始時点においては、Ach側のビームスポットが内周側、Bch側のビームスポットが外周側に配置されているとする。また、ここでは図示の都合から、Ach側とBch側のビームスポット間の離間距離が2トラック分であるものとしている。
【0037】
この前提によると、図3(b)に示すように、2トラック分の再生が行われた時点において、Ach側のビームスポットが、Bch側のビームスポットにより既に再生済みとなったトラックに到達することになる(図中ではトラック3が該当)。
そこで、この図3(b)に示されるようにして、Ach側のビームスポット位置を、Bch側のビームスポットにより再生されるであろう領域を考慮して先回りさせるようにして外周側に移動させる(追い越し移動)。ここではAch側とBch側の間隔は2トラック分としているので、図のようにAch側のビームスポット位置を、その時点でBch側のビームスポットが位置しているトラック5からトラック2本分離間したトラック7に移動させることになる。
【0038】
また、このように追い越しが完了した状態からさらに2トラック分の再生が行われたときには、図3(c)に示すようにして、逆にBch側のビームスポット位置が、Ach側のビームスポットにより既に再生済みとなったトラック(トラック7)に達することとなる。
従って同じ要領で、Bch側のビームスポット位置を、Ach側のビームスポット位置がこれから再生する領域を見越した外周側の位置に追い越し移動させる。具体的にこの場合は、図のようにBch側のビームスポット位置を、その時点でAch側のビームスポットが位置しているトラック9からトラック2本分離間したトラック11に移動させることになる。
【0039】
図3(d)には、これらAch側・Bch側の交互の追い越しが行われることに伴ってAch側、Bch側がそれぞれ再生した領域の別が示されている。
【0040】
ここで、図3においてはAch側のビームスポットとBch側のビームスポットとの離間距離を2トラック分とする例を挙げたが、実際には追い越し回数の削減等のため、各ビームスポットの配置位置はより多くのトラック数分離間させることになる。但し、各ビームスポットの間隔は、これを過大に設定すると線速度の誤差も過剰となってしまうため、その点を考慮して設定すべきものとなる。
【0041】
図2に戻り、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bは、図1に示したブリッジ制御部6からの制御に基づき、上記のような各ビームスポットの順次の追い越しを伴う2ch同時再生が実現されるように動作する。
なお、このような2ch同時再生を実現するために上記ブリッジ制御部6が行う処理については後述する。
【0042】
ここで、図中にも示しているが、この場合の再生レートは、再生を行っている半径位置と、スピンドル回転速度(つまり記録半径位置)とで定まるレートとなる。すなわち、第2光学ヘッド3−2側での再生動作は、上述のように第1光学ヘッド3−1側で線速度一定により記録を行っている最中にて行われるため、再生レートは、再生半径位置と記録半径位置とで定まるレートとなるものである。
【0043】
とろこで、上述したような2ch同時再生を行う際には、2つのchでそれぞれ得られる受光信号に基づいて、どのように光学ヘッドのスライドサーボ制御を行うかという点が問題となる。
ここで、スライドサーボを行う際には、トラッキングサーボ信号の低域成分を抽出してスライド誤差信号を生成し、当該スライド誤差信号に基づくサーボ信号によりスライド移送部を駆動制御することになるが、仮に、Ach、Bchの何れか一方のみのスライド誤差信号に基づき光学ヘッドのスライドサーボを行った場合には、他方のchの対物レンズOLの位置が常時センター位置からずれたものとなってしまい、当該他方のchでの再生性能が著しく劣化してしまう。
【0044】
そこで本実施の形態では、2ch同時再生を行う第2光学ヘッド3−2についてのスライドサーボ制御は、Ach側のスライド誤差信号とBch側のスライド誤差信号とを平均した信号に基づき行う。
具体的には、2Ach側で生成されたトラッキングサーボ信号から生成したスライド誤差信号と、2Bch側で生成されたトラッキングサーボ信号から生成したスライド誤差信号とを加算し、当該加算したスライド誤差信号に基づいて第2スライド移送部5−2の駆動制御を行うものである。
【0045】
図1において、2Achドライブ制御部4−2Aは、2Bchドライブ制御部4−2Bから入力したトラッキングサーボ信号と、自らが生成したトラッキングサーボ信号とからそれぞれスライド誤差信号を生成し、それらスライド誤差信号を加算した信号に基づきスライドサーボ信号を生成し、当該スライドサーボ信号に基づき第2スライド移送部5−2を駆動制御する。
これにより、図3に示したような1ヘッド2chの構成による同時再生を行う場合に適切なスライドサーボ制御を実現でき、一方のchのスライド誤差信号のみに基づきスライドサーボ制御を行う場合のような再生能力の著しい低下を防止することができる。
なお、このような1ヘッド2chの構成に適したスライドサーボ制御の手法については、下記の参考文献1にも記載されている。
参考文献1.特願2008−164445
【0046】
図4は、図3にて説明した第1の実施の形態としての同時記録再生手法を実現するためにブリッジ制御部6が行う処理について説明するための図である。
この図4においては、ブリッジ制御部6が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示している。
【0047】
この図4に示すように、ブリッジ制御部6は、記録コマンド受け渡し機能部F1、2ch同時再生制御機能部F2、及び記録/再生データ転送機能部F3を有する。
先ず、記録コマンド受け渡し機能部F1は、図1に示したホストコンピュータ10より光ディスクDに対するデータの記録を指示する記録コマンドが発行された際に、当該記録コマンドを1chドライブ制御部4−1に受け渡す機能部となる。
【0048】
また、2ch同時再生制御機能部F2は、ホストコンピュータ10より光ディスクDに記録された或るデータについての再生を指示する再生コマンドが発行されたことに応じて、当該再生コマンドにより指示されたデータが、図3に示したような2ch同時再生動作によって再生されるように2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bを制御する機能部となる。
【0049】
また、記録/再生データ転送機能部F3は、記録データの1chドライブ制御部4−1への転送、及び再生データのホストコンピュータ10への転送を行う機能部となる。
具体的には、上記記録コマンドと共にホストコンピュータ10側から転送されてくる記録データを1chドライブ制御部4−1に対して転送すると共に、2ch同時再生動作に伴い2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bから転送されてくる再生データのホストコンピュータ10側への転送を行うものである。
【0050】
[1-3.第1の実施の形態のまとめ]
上記のようにして第1の実施の形態では、1ch、2Ach、2Bchの計3chを設けた上で、上記1chにより光ディスクDに対する記録を行いつつ、残りの2Ach及び2Bchにより光ディスクDに記録されたデータの2ch同時再生を行うものとしている。
このように2ch同時再生を行うもとすれば、再生レートは、1つのchのみで再生を行う場合と比較して略2倍に向上することができる。具体的に、図3に示したような追い越し動作を伴う同時再生を行う場合には、再生レートは1.9倍程度に向上することが実験的に判明している。
【0051】
ここで、BDの場合、光ディスクD上のユーザデータエリアの最内周位置は24mm、最外周位置は58mmに定められている。従って先にも述べた通り、CLV記録を前提としたとき、単に一方のchで記録、もう一方のchで再生を行う2ch同時記録再生を行った場合には、最外周を記録中に最内周を再生するという最悪のケースにおいて、再生レートは記録レートに対して1/2.4(58÷24、約41%)程度に低下してしまうことになる。
【0052】
これに対し、再生側を2ch同時再生とする本実施の形態によれば、再生レートを1.9倍程度に向上できることで、上記最悪のケースにおいて41%であった再生レートを78%程度にまで向上させることができる。
従ってこのような第1の実施の形態によれば、設定可能な最大記録レートが、記録されるデータ(本例の場合は映像データ)のレートに対して28%(1÷0.78)以上高ければ、光ディスクDの全面において再生レートが記録レートの100%以上を維持できるようになり、結果、光ディスクD全面での同時記録再生を実現することができる。
【0053】
また、映像データなどのいわゆるリアルタイムデータを扱う記録再生システムの規格では、最内周部及び最外周部にファイル管理情報等のノンリニアデータを記録するように定められたものもある。
例えばそのような規格が採用される場合において、リアルタイムデータを半径28mm〜半径53mmの間に記録するように定められていれば、上述の最悪のケースにおいても再生レートの低下は記録レートの1/1.9(53÷28)程度にまで抑えられるので、結果、その場合においても本実施の形態による再生レートの向上(1.9倍の向上)手法によって光ディスクD全面での同時記録再生を実現することができる。
【0054】
このようにして第1の実施の形態によれば、光ディスクDに記録されたデータを複数chで同時再生するようにしたことで再生レートの向上が図られ、それによって、CLV方式が採用され且つ光ディスクDに記録されるデータのレートと設定可能な最大記録レート(CLV最大記録レート)とが近接しているという条件下(例えば記録レートが記録データのレートの2倍に満たないような場合)においても、単に一方のchを記録・他方のchを再生に割り当てる2ch同時記録再生を行う場合には実現することのできなかった光ディスクD全面での同時記録再生の実現化を可能とすることができる。
【0055】
また、第1の実施の形態は、例えば先の特許文献2に開示される手法のように1つのchを記録と再生に共用するという手法を採るものではないので、頻繁なシーク動作の発生を防止できると共に、データ転送量を確保するための比較的大容量のバッファメモリを設ける必要が無いというメリットもある。
【0056】
<2.第2の実施の形態>
[2-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、記録担当の光学ヘッドについても複数のchが具備されるようにして複数ch同時記録を行うものとし、それにより生じる余裕時間を利用して、上記記録担当の光学ヘッドに再生も実行させることで、さらなる再生レートの向上を図るものである。
【0057】
図5は、第2の実施の形態としての光ディスクドライブ装置11内部の全体構成について説明するための図である。
なお図5において、既に第1の実施の形態にて説明済みとなった部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
先ず、第2の実施の形態の光ディスクドライブ装置11においては、第1の実施の形態では1つのchのみを有するようにされていた第1光学ヘッド3−1に代えて、2つのchを有する第1光学ヘッド12−1が設けられる。
この第1光学ヘッド12−1には、対物レンズOL−1Aを有する光学系と、対物レンズOL−1Bを有する光学系とが設けられる。図示するようにこれら対物レンズOL−1A,OL−1Bとしても、第2光学ヘッド3−2側における対物レンズOL−2A,OL−2Bと同様、周方向においてずれた位置に配置されるようになっている。
なお、第1の実施の形態にて説明したように、光学系内には、レーザ光の光源となるレーザダイオード、光ディスクDからの反射光を受光するためのフォトディテクタ、及び対物レンズOLをトラッキング方向・フォーカス方向に駆動するための2軸アクチュエータが備えられる。
【0059】
ここで以下、上記対物レンズOL−1Aを具備する光学系により光ディスクDに対するレーザ光照射を行う系については「1Ach」と称する。また上記対物レンズOL−1Bを具備する光学系により光ディスクDに対するレーザ光照射を行う系については「1Bch」と称する。
【0060】
また、光ディスクドライブ装置11には、このように第1光学ヘッド12−1側に形成される1Ach、1Bchの各chに対応するドライブ制御部として、図中の1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bが設けられる。
これら1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bとしても、それぞれ、対応するchの光学系に設けられたフォトディテクタからの受光信号に基づくサーボ制御系やレーザダイオードの発光駆動系、及びそれらに対する制御を行う例えばマイクロコンピュータ等による制御部など、各chで上記フォトディテクタからの受光信号に基づき独立して記録及び/又は再生を行うための構成を含むものとなる。
また、第2の実施の形態の場合、1Ach及び1Bch側では、後述するようにして光ディスクDに対する記録と共に再生も行うことになるため、これらドライブ制御部4−1A,4−1Bには、記録データに応じてレーザダイオードを発光駆動して光ディスクDに対するデータ記録を行うためのデータ記録処理系と共に、フォトディテクタからの受光信号に基づきデータ再生を行うためのデータ再生処理系が設けられる。
【0061】
ここで、第1光学ヘッド12−1についてのスライドサーボ制御は、先に説明した第2光学ヘッド3−2側でのスライドサーボ制御と同様の手法で行われる。具体的にこの場合は、1Achドライブ制御部4−1A側が、1Bchドライブ制御部4−1Bから入力したトラッキングサーボ信号と、自らが生成したトラッキングサーボ信号とからそれぞれスライド誤差信号を生成し、それらスライド誤差信号を加算した信号に基づきスライドサーボ信号を生成し、当該スライドサーボ信号に基づき第1スライド移送部5−1を駆動制御する。これにより、第1光学ヘッド12−1側においても1ヘッド2chの構成に適したスライドサーボ制御が実現される。
【0062】
また、第2の実施の形態の光ディスクドライブ装置11には、上記ドライブ制御部4−1A,4−1Bと、さらにドライブ制御部4−2A,4−2Bとに対する制御を行って以下で説明する第2の実施の形態としての同時記録再生動作を実現させるブリッジ制御部15が設けられる。
図示するようにしてブリッジ制御部15に対しては、記録データバッファメモリ13と、再生データバッファメモリ14とが設けられる。上記記録データバッファメモリ13には、光ディスクドライブ装置11外部に設けられたホストコンピュータ10側から転送されてくる記録データがバッファリング(一時蓄積)される。また、上記再生データバッファメモリ14には、再生を担当するchから転送されてくる再生データがバッファリングされる。
【0063】
[2-2.第2の実施の形態の同時記録再生手法]
図6は、図5に示した光ディスクドライブ装置11により実現される第2の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
第2の実施の形態では、第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生のみを実行させる点は第1の実施の形態の場合と同様となる。
第2の実施の形態において特徴的であるのは、記録を担当する第1光学ヘッド12−1側の動作を、図5に示した記録データバッファメモリ13、再生データバッファメモリ14に対するデータ蓄積量に応じて適宜2ch同時記録/2ch同時再生に切り替える点である。
【0064】
ここで、2ch同時記録は、第1の実施の形態で説明した2ch同時再生と同様の追い越し手法により行う。すなわち、2ch同時記録は、先の図3の説明における再生を記録に置き換えたものと理解すればよい。
なお確認のために述べておくと、第2の実施の形態においても、ディスク回転制御方式にはCLV方式が採用され、記録時におけるスピンドルモータ2の回転数は記録位置に応じて線速度一定となるように制御される。本例の場合、スピンドルモータ2の回転制御は1Achドライブ制御部4−1Aが行う。
【0065】
ここで、上記のように第2の実施の形態では、第1光学ヘッド12−1が2ch同時記録を行う状態(つまり2ch同時記録・2ch同時再生の状態)と、2ch同時再生を行う状態(4ch同時記録の状態)とが適宜切り替えられることとなる。
2ch同時記録が行われることで、この場合の記録レートは、第1の実施の形態の場合と比較して略2倍(1.9倍程度)に向上する。
【0066】
また、第1光学ヘッド12−1側が2ch同時再生を行い、合計で4ch同時再生が実行される場合、再生レートは、第1の実施の形態では78%であった最悪のケースにおいても156%を確保することができる。これは、仮に記録される映像データのレートがCLV記録レート(1ch記録を行う際の記録レート)と同じであったとしても、再生レートに56%分の余裕が生まれることを意味する。
【0067】
第2の実施の形態は、上記のような2ch同時記録を行うことで第1光学ヘッド12−1側に生じる余剰の時間を利用して、当該第1光学ヘッド12−1に再生を実行させることで、第1の実施の形態の場合よりも再生レートの向上が図られようにするものである。
【0068】
ここで、このような第2の実施の形態においては、通常の1chの記録を行う場合に要する時間のうちの略半分(1/1.9)の時間は、最低でもCLV記録レートの156%のレートによる再生を行うことができるようになる。すなわち、この場合のデータ再生は、略半分の時間は第2光学ヘッド3−2側単体で最低でも78%以上の再生レートで行うことができ、残りの略半分の時間は4ch同時再生により最低でも156%以上の再生レートで行うことができることになる。従って、この場合における平均の再生レートは、最低でも1.17%(78%+156%÷2)程度を確保することができる。
このことからも理解されるように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態にて必要とされていた制約、すなわち記録レートが記録データのレートの28%以上である、或いはリアルタイムデータの記録再生領域が28mm〜53mmであるという制約が無くとも、再生レートが常時、記録レート比の100%以上となるようにすることができる(もちろん、記録レートが最低でも記録データのレート以上であることは前提である)。すなわちこれらの制約無しに、光ディスクD全面での同時記録再生を実現することができる。
【0069】
〜第1の手法〜
第2の実施の形態では、第1光学ヘッド12−1が2ch同時記録を行う状態と2ch同時再生を行う状態との切り替えを、バッファ蓄積量に応じて行うものである。
このようなバッファ蓄積量に応じた記録/再生の切り替え手法の一例として、本例においては、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量のみに基づく切り替えを行う手法(以下、第1の手法とする)と、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量のみに基づく切り替えを行う手法(以下、第2の手法とする)とを例示する。
以下では先ず、前者の手法、すなわち記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量のみに基づき第1光学ヘッド12−1側の2ch同時記録/2ch同時再生の切り替えを行う第1の手法について説明する。
【0070】
図7は、上記第1の手法が採られる場合において記録データバッファメモリ13に対して設定されるべき閾値について示した図である。
この図7に示されるように、第1の手法においては、記録データバッファメモリ13に対して閾値th1と閾値th2の2つの閾値thを設定する。図のようにこれらの2つの閾値thの関係は、閾値th1>閾値th2である。
【0071】
第1の手法では、このように記録データバッファメモリ13に対して設定した2つの閾値th1,th2を利用して、以下のようにして第1光学ヘッド12−1側の記録/再生動作の切り替えを行う。
先ず、前述のように第2の実施の形態では、光ディスクDに対するデータ記録は2ch同時記録により行われるので、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は、時間経過と共に徐々に減少していくことになる。
従って、2ch同時記録が継続される場合は、或る時点において、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は閾値th2以下に低下する。
【0072】
このように記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th2以下となったことに応じて、第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させる。すなわち、4ch同時再生の状態に移行させる。
【0073】
ここで、このように4ch同時再生が行われ光ディスクDに対する記録動作が中断された際、スピンドルモータ2の回転数は、記録を中断した半径位置に応じた回転数で維持させるものとする。
【0074】
上記のように4ch同時再生が行われ光ディスクDに対するデータ記録が中断されることに応じては、記録データバッファメモリ13に徐々に記録データが積まれていき、その後、或る時点において、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は閾値th1以上に上昇することになる。
【0075】
記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th1以上となったことに応じては、第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させる。2ch同時記録が実行される状態では、上述のように記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は徐々に減少していくので、当該記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は或る時点において再び閾値th2以下に低下することになる。
【0076】
上記の説明からも理解されるように、第1の手法では、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量に関して、閾値th2以下であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させて2ch同時記録・2ch同時再生の状態とし、閾値th1以上であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させることで4ch同時再生の状態が得られるように、記録/再生動作の切り替えを行う。
このような閾値th1及び閾値th2に基づく第1光学ヘッド12−1の記録/再生切り替えが行われる結果、記録データのオーバーフローの発生を防止しながら、光ディスクDに対する同時記録再生動作を行うことができる。
【0077】
なお確認のために述べておくと、上記のように記録を担当する光学ヘッドを適宜再生にも用いる第2の実施の形態としての手法を採る場合には、上記記録担当の光学ヘッドを要求された再生位置に移動させるためのシーク動作が発生することになる。第2の実施の形態において、記録データバッファメモリ13、再生データバッファメモリ14の容量は、このようなシーク動作に割かれる時間を考慮して十分に大きな容量に設定されるべきものとなる。
【0078】
図8は、上記により説明した第1の手法としての同時記録再生手法を実現するためにブリッジ制御部15が行うべき処理について説明するための図である。
なおこの図8においても、先の図4と同様に、ブリッジ制御部15が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示している。
【0079】
図8に示すように、この場合のブリッジ制御部15は、記録データバッファ制御機能部F11、再生データバッファ制御機能部F12、記録/再生ch割り当て機能部F13、ch別記録データ割り当て制御機能部F14、及び同時記録/再生制御機能部F15を有する。
記録データバッファ制御機能部F11は、図5に示したホストコンピュータ10側から供給される記録データが記録データバッファメモリ13に一時蓄積されるように制御を行う機能部である。
また、再生データバッファ制御機能部F12は、1Ach、1Bch、2Ach、2Bchの各chから適宜転送されてくる再生データが再生データバッファメモリ14に対して一時蓄積され且つ蓄積された再生データが適宜ホストコンピュータ10側に転送されるように制御を行う機能部となる。
【0080】
記録/再生ch割り当て機能部F13は、第1の手法の場合においては、上述のように記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量と閾値th1,閾値th2とに基づき第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録/2ch同時再生を実行させるための制御を行う機能部となる。
具体的にこの場合のブリッジ制御部15は、上記記録/再生ch割り当て機能部F13としての機能動作を実現するために、次の図9に示されるような処理を実行する。
【0081】
図9は、第1の手法の場合における記録/再生ch割り当て機能を実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
図9において、先ず、ステップS101においては、同時記録再生動作を実行すべき状態となるまで待機する。
すなわち、例えば図5に示したホストコンピュータ10より光ディスクDに対する映像データの記録指示と、光ディスク上に記録されたデータの再生指示とが同時為されるなど、光ディスクDに対して記録動作と再生動作とを同時に実行すべきとなる所定の条件が成立したか否かを判別する処理を、肯定結果が得られるまで繰り返し実行する。
【0082】
そして、同時記録再生を行うべき状態となった場合は、ステップS102に進み、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0083】
続くステップS103では、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th2以下となるまで待機する。
そして、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th2以下となった場合は、ステップS104において、4ch同時再生、すなわち第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0084】
続くステップS105においては、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th1以上となるまで待機する。
記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th1以上となった場合は、先のステップS102に戻り、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を実行する。
【0085】
説明を図8に戻す。
ch別記録データ割り当て制御機能部F14は、第1光学ヘッド12−1が2ch同時記録を行う場合に対応して、1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bにそれぞれ記録すべきデータを割り当てる機能部となる。
具体的に、図3にて説明した追い越し動作によると、Ach側にはトラック1,2,7,8,9,10・・・に記録されるべきデータが割り当てられればよく、Bch側にはトラック3,4,5,6,11,12・・・に記録されるべきデータが割り当てられればよい(図3(d)を参照)。
このように2ch同時記録時において、それぞれのchが記録すべきデータは、追い越し記録をどのように行うかによって定まる所定の規則性に従ったものとなる。従って上記ch別記録データ割り当て制御機能部F14は、採用された追い越し記録の手法に応じて定められた上記規則性を表す情報に従って、記録データバッファメモリ13内に蓄積された記録データを1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bにそれぞれ割り当てる。
【0086】
同時記録/再生制御機能部F15は、図3に示したような追い越し動作を伴う2ch同時記録又は2ch同時再生が実行されるように制御を行う機能部となる。具体的には、予め定められた追い越し記録又は追い越し再生の手法に従って、1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1B、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bに対する追い越しタイミングの指示等を行う。
【0087】
〜第2の手法〜
図10は、上述した第2の手法、すなわち再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量のみに基づき第1光学ヘッド12−1側の2ch同時記録/2ch同時再生の切り替えを行う手法が採られる場合において、再生データバッファメモリ14に対して設定される閾値について示した図である。
この図10に示されるように第2の手法においては、再生データバッファメモリ14に対して閾値th3と閾値th4とが設定される。図のようにこれらの2つの閾値thの関係は閾値th3>閾値th4である。
【0088】
第2の手法は、これら閾値th3,th4を利用して、以下のように第1光学ヘッド12−1側の記録/再生動作の切り替えを行う。
先ず、第1光学ヘッド12−1側で2ch同時記録が実行される状態、すなわち第2光学ヘッド3−2のみが再生を行う状態では、前述の最悪のケースの場合、再生レートはCLV記録レート比で78%となるため、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が時間経過と共に徐々に減少していくことになる。
従って、2ch同時記録が継続される場合には、或る時点において、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下に低下する。
【0089】
このように再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下となったことに応じて、第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させ、4ch同時再生の状態に移行させる。
【0090】
4ch同時再生が行われることで、再生レートは最悪のケースにおいても156%が確保されるので、再生データバッファメモリ14には徐々に再生データが積まれていくことになる。
そしてその後、或る時点において、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量は閾値th3以上に上昇する。
【0091】
再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th3以上となったことに応じて、第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させ、2ch同時記録・2ch同時再生の状態に移行させる。
このような2ch同時記録・2ch同時再生の状態では、上述のように再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量は徐々に減少していくので、当該再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量は或る時点において再び閾値th4以下に低下することとなる。
【0092】
このようにして第2の手法では、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量に関して、閾値th3以上であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させて2ch同時記録・2ch同時再生の状態とし、閾値th4以下であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させることで4ch同時再生の状態が得られるようにする。
このような閾値th3及び閾値th4に基づく第1光学ヘッド12−1の記録/再生切り替えが行われる結果、再生データのアンダーフローの発生を防止しながら、光ディスクDに対する同時記録再生動作を行うことができる。
【0093】
図11は、上記第2の手法としての同時記録再生手法を実現するためにブリッジ制御部15が行うべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
この図11においても先の図9と同様に、ブリッジ制御部15が図8に示した記録/再生ch割り当て機能部F13として行うべき具体的な処理の手順を示している。
なお第2の手法においては、上記記録/再生ch割り当て機能部F13の処理内容が異なるのみで、他の機能部Fに関しては第1の手法の場合と同様となるため改めての図示による説明は省略する。
【0094】
図11において、ステップS201においては、先のステップS101と同様に、同時記録再生動作を実行すべき状態となるまで待機するようにされる。
【0095】
そして、同時記録再生を行うべき状態となった場合は、ステップS202に進み、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0096】
続くステップS203では、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下となるまで待機する。
そして、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下となった場合は、ステップS204において、4ch同時再生、すなわち第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0097】
続くステップS205においては、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th3以上となるまで待機する。
再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以上となった場合は、先のステップS202に戻り、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0098】
<3.変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、再生専用の光学ヘッドは2chを有するものとしたが、再生の2chをそれぞれ別々の光学ヘッドに搭載するといった構成も採ることができる。つまりその場合は、2ヘッド2chが再生専用のchとなる。
【0099】
また、第2の実施の形態においては、記録を担当する光学ヘッド側に2chが具備されるようにしたが、それらの記録担当のchを別々の光学ヘッドに搭載し、3ヘッド4chの構成とすることもできる。
或いは第2の実施の場合、4chをそれぞれ独立した光学ヘッドに搭載した4ヘッド4chの構成とすることもできる。
【0100】
また、第2の実施の形態(記録を複数chとして、記録担当のchを適宜再生側にも回す手法)において、chの数は4以上とすることもできる。
例えば、4ヘッド8chの構成を採ったとして、2ヘッド4chを記録担当、2ヘッド4chを再生専用としたときには、記録担当の2ヘッド4chを適宜再生にも回すことで、第2の実施の形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0101】
また、第2の実施の形態では、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量のみ、或いは再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量のみの何れか一方に基づいて記録担当の光学ヘッドの記録/再生を切り替えるものとしたが、記録データ及び再生データの双方の一時蓄積量に基づいて記録担当の光学ヘッドの記録/再生を切り替えるようにもできる。
【0102】
或いは、記録担当の光学ヘッドの記録/再生の切り替えは、記録データ/再生データの一時蓄積量に基づき行う以外にも、例えば記録担当の光学ヘッドが記録を行う時間と再生を行う時間時間との割合が所定の割合(略半々)となるようにして行うなどといった手法を採ることもできる。
或いは、データの記録を行うべき領域と再生を行うべき領域との位置関係から、同時記録再生の実行期間内における平均的な再生レートの予測値を求め、該予測値と記録データのレート(×1)との差に応じて記録/再生の切り替えタイミングを予め設定するという手法も採ることもできる。
このように記録担当の光学ヘッド側の記録/再生を切り替えるトリガとしては、バッファメモリのデータ蓄積量に基づく以外にも多様な手法を採ることができる。
【符号の説明】
【0103】
1,11 光ディスクドライブ装置、2 スピンドルモータ(SPM)、3−1,12−1 第1光学ヘッド、OL−1,OL−2A,OL−2B,OL−1A,OL−1B 対物レンズ、3−2 第2光学ヘッド、4−1 1chドライブ制御部、4−2A 2Achドライブ制御部、4−2B 2Bchドライブ制御部、4−1A 1Achドライブ制御部、4−1B 1Bchドライブ制御部、5−1 第1スライド移送部、5−2 第2スライド移送部、6,15 ブリッジ制御部、10 ホストコンピュータ、13 記録データバッファメモリ、14 再生データバッファメモリ、D 光ディスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の照射により情報の記録/再生が行われる光ディスク記録媒体について記録再生を行う記録再生装置として、特に3以上の独立したレーザ光照射系(記録/再生チャンネル)を備えて上記光ディスク記録媒体に対する情報記録と情報再生とを同時に行う記録再生装置とその方法とに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2006−107638号公報
【特許文献2】特開2007−89214号公報
【背景技術】
【0003】
例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)など、光の照射により情報の記録/再生が行われる光ディスク記録媒体(以下、光ディスクとも称する)が広く普及しており、またその記録再生を行う記録再生装置(光ディスクドライブ装置)が広く普及している。
【0004】
ここで、光ディスクについての記録再生装置には、例えば上記特許文献1に記載されているような業務用のビデオカメラ装置のドライブ装置として適用されたものがある。
このような業務用のビデオカメラ装置の分野においては、装填した光ディスクに対して撮像映像データの記録を行っている最中に、上記光ディスク上の既に記録が行われた任意部分の映像データを同時に再生できるようにしたいとの要望がある。
【0005】
このような同時記録再生を実現するための1つの手法として、上記特許文献2に開示される手法を挙げることができる。
この特許文献2においては、通常の光学ヘッド(光ディスクに対してレーザ光を照射するレーザ光照射系を1系統のみ搭載した光学ヘッド)を1つのみ用いて、光ディスクに対する同時記録再生を行うための技術が開示されている。
なお以下では、レーザ光照射系の1系統を1チャンネル(ch)と称するものとし、上記のように通常の光学ヘッドを1つのみ用いて記録再生を行う構成については、1ヘッド1chの構成と称する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に開示されるような1ヘッド1chの構成によって同時記録再生を行うとした場合には、シーク動作が頻繁に発生し、またデータ転送量を確保するための比較的大容量のバッファメモリを要するという問題がある。
また、このように1ヘッド1chの構成により同時記録再生を行うとした場合は、記録/再生するデータのレートが制約されるなど、通常の記録のみ/再生のみを行うとした場合と比較して記録/再生能力の低下が避けられないものとなる。
【0007】
ここで、先に挙げた特許文献1においては、光学ヘッドを2つ設けるという構成が開示されている。すなわち、2ヘッド2chの構成である。
当該特許文献1においては直接的な記載や示唆は為されてないが、このような2ヘッド2chの構成を利用すれば、一方のヘッドを記録、他方のヘッドを再生に割り当てて同時記録再生を行うことができ、そのような構成により、上述した1ヘッド1chの同時記録再生を行う特許文献2の構成とする場合に生じる問題の解決を図ることができる。
【0008】
しかしながら、2ヘッド2chにより同時記録再生を行うとしたときには、以下のような点が考慮されるべきものとなる。
【0009】
ここで、光ディスクの記録再生装置においては、一定の記録/再生レートが要求される場合において、ディスク回転制御方式としてCLV(線速度一定)方式が採用されることがある。特に、上述したビデオカメラ装置に適用される記録再生装置の場合には、一定の記録/再生レートが必要な映像データが記録再生の対象データとなるため、CLVによる記録/再生を行うことが望ましいものとなる。
【0010】
CLVが採用される場合、記録中における光ディスクの回転速度は、記録半径位置に応じて定まることになる。このことによると、CLVを採用する場合に同時記録再生を行うとしたときは、外周側を記録している最中に、内周側を再生するというケースにおいて、再生レートが著しく低下することとなってしまう。具体的に、例えばBDの場合であれば、光ディスクの最内周は24mm、最外周は58mmに規定されており、従って最外周部分を記録中に最内周部分を再生するという最悪のケースにおける再生レートは、記録レート比で1/2.4にまで低下してしまうことになる。
【0011】
このとき、上記記録レートとは、記録速度(記録倍速)に対応するものである。すなわち、上記記録レートは、記録対象とする光ディスクが何倍速の記録に耐えうるかによって(つまり光ディスクの有する記録特性によって)定まるものである。
【0012】
ここで、記録再生システムの規格によっては、記録すべきデータのレートと、設定可能な最大の記録レートとが非常に近接しているという場合があり得る。具体的に、現状においてBDのような高密度ディスクを記録/再生対象とする業務用のビデオカメラシステムの規格では、例えば映像データのレートが60Mbps程度であるのに対し、設定可能な最大の記録レートが72Mbps程度とされているものがある。
【0013】
このように記録すべきデータのレートに対して設定可能な最大記録レートが近接している場合には、仮に、上記特許文献1のような2ヘッド2chの構成を利用して同時記録再生を行ったとしても、ディスクの全面において再生レートが記録レートの100%以上である状態を維持することができなくなってしまう。
すなわち、データの記録中にディスク上の任意位置のデータを再生するという、ディスク全面での同時記録再生を実現するためには、前述したような記録位置と再生位置との関係で再生レートが記録レートに対して著しく低下してしまうケース(外周部を記録中に内周部を再生するケース)においても再生レートが記録レート以上であることが必要となるが、記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが非常に近接している場合は、2つのヘッドのうち記録を担当する側のヘッドを間欠的に再生側にも使用するという手法(つまり特許文献2のような手法)により再生レートの向上を図ることができない。このため、上記のように外周部を記録中に内周部を再生するというケースにおいて記録レート≦再生レートとすることが不可能であり、結果として、ディスク全面での同時記録再生を実現することができなくなってしまう。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑み為されたものであり、CLV記録を行い、且つ記録すべきデータのレートに対して設定可能な最大記録レートが近接しているという条件下においても、ディスク全面での同時記録再生が実現されるようにすることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題の解決のため、本発明では記録再生装置として以下のように構成することとした。
すなわち、光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を少なくとも1系統有する第1の光学ヘッドを備える。
また、上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を複数系統有する第2の光学ヘッドを備える。
さらに、上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行させつつ、上記第2の光学ヘッドが有する複数の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させるように制御を行う制御部を備えるようにした。
【0016】
上記本発明によれば、光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系(記録/再生チャンネル)に関して、記録を担う系を1系統とするのに対し、再生を担う系を複数系統とすることができる。これにより、ディスク回転制御方式としてCLV(線速度一定)方式が採用され且つ記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが近接している場合(記録を担当するチャンネルを間欠的に再生にも回す手法を採ることができない場合)において、再生レートの向上が図られるようにでき(記録レート≦再生レートとなる領域を増やすことができ)、記録ch:再生ch=1:1の関係とする場合には実現することのできなかったディスク全面での同時記録再生を実現可能とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
上記のようにして本発明によれば、ディスク回転制御方式としてCLV方式が採用され且つ記録すべきデータのレートと設定可能な最大記録レートとが近接している場合においても、再生レートを向上させることができ、記録ch:再生ch=1:1の関係とする場合には実現することのできなかったディスク全面での同時記録再生を実現可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態としての記録再生装置内部の全体構成について説明するための図である。
【図2】第1の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
【図3】2ch同時再生(又は記録)を実現するための具体的な手法について説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態におけるブリッジ制御部が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示した図である。
【図5】第2の実施の形態としての記録再生装置内部の全体構成について説明するための図である。
【図6】第2の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
【図7】第2の実施の形態の第1の手法において記録データバッファメモリに対して設定される閾値について説明するための図である。
【図8】第2の実施の形態におけるブリッジ制御部が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示した図である。
【図9】第2の実施の形態の第1の手法の場合の記録/再生chの割り当てを実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態の第2の手法において再生データバッファメモリに対して設定される閾値について説明するための図である。
【図11】第2の実施の形態の第2の手法の場合の記録/再生chの割り当てを実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行う。
<1.第1の実施の形態>
[1-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
[1-2.第1の実施の形態の同時記録再生手法]
[1-3.第1の実施の形態のまとめ]
<2.第2の実施の形態>
[2-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
[2-2.第2の実施の形態の同時記録再生手法]
<3.変形例>
【0020】
<1.第1の実施の形態>
[1-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
図1は、本発明の記録再生装置の一実施形態である、第1の実施の形態としての光ディスクドライブ装置1内部の全体構成について説明するための図である。
ここで、以下の説明においては、光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射を行うレーザ光照射系の1系統を1チャンネル(記録/再生チャンネル)と称する。
第1の実施の形態の光ディスクドライブ装置1は、2つの光学ヘッド(図中3−1,3−2)を備えると共に、一方の光学ヘッドがレーザ光照射系を1つ、他方の光学ヘッドがレーザ光照射系を2つ有するようにしている。このような構成については、2ヘッド3chの構成と称する。
なお、以下において「チャンネル」は「ch」とも表記する。
【0021】
図1において、光ディスクDは、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの、光の照射により信号の記録/再生が行われる光ディスク記録媒体である。本例において、光ディスクDはBDの規格に準拠したものであり、レーザ光の波長λ=405nm程度、対物レンズの開口数NA=0.85程度の条件により情報の記録再生が行われる。
【0022】
ここで、図示による説明は省略するが、本例における光ディスクドライブ装置1は、上記光ディスクDに対する撮像映像データの記録及び再生を行うビデオカメラ装置に対して設けられたものであるとする。
【0023】
光ディスクドライブ装置1に装填された光ディスクDは、図示は省略したターンテーブル上にセットされ、図中のスピンドルモータ(SPM)2によって回転駆動される。
本実施の形態において、光ディスクDの回転駆動方式としては、CLV(線速度一定)方式が採用される。
【0024】
このようにCLV方式により回転駆動される光ディスクDに対し、記録/再生を行うためのレーザ光を照射するための構成として、図中の第1光学ヘッド3−1、及び第2光学ヘッド3−2が設けられている。
本実施の形態の場合、これら第1光学ヘッド3−1と第2光学ヘッド3−2は、装填された光ディスクDの中心を挟んで、それぞれが対向する位置関係となるようにして配置されている。
【0025】
第1光学ヘッド3−1内には、光ディスクDに対して図中の対物レンズOL−1を介してレーザ光の照射を行うための光学系が1系統のみ備えられている。図示は省略するが、上記光学系内には、レーザ光の光源となるレーザダイオードや、光ディスクDからの反射光を受光するためのフォトディテクタが備えられると共に、上記レーザダイオードから出射したレーザ光を上記対物レンズOL−1に導き且つ上記光ディスクDからの反射光を上記対物レンズOL−1を介して上記フォトディテクタに対して導くための各種のレンズや光学素子が形成されている。また、上記対物レンズOL−1をトラッキング方向(光ディスクDの半径方向)及びフォーカス方向(光ディスクDに接離する方向)に移動可能に保持する2軸アクチュエータも備えられる。
【0026】
また、第2光学ヘッド3−2内には、光ディスクDに対して図中の対物レンズOL−2Aを介してレーザ光を照射する光学系と、図中の対物レンズOL−2Bを介してレーザ光を照射する光学系との2つの光学系が独立して設けられている。
これらの光学系は、互いが備える対物レンズOL−2A,OL−2Bが図示するように光ディスクDの周方向(ディスク面内において上記半径方向と直交する方向)にずれた位置に配置されるようにして第2光学ヘッド3−2内に形成される。
第2光学ヘッド3−2において、それぞれの上記光学系は、第1光学ヘッド3−1が備える光学系と同様にレーザダイオード、フォトディテクタ、2軸アクチュエータを備え、光ディスクDに対するレーザ光照射及び光ディスクDからの反射光の受光を行うことが可能に構成されている。
【0027】
ここで、以下において、第1光学ヘッド3−1が有する対物レンズOL−1を介してレーザ光照射を行うチャンネルについては、「1ch」と称する。
同様に、第2光学ヘッド3−2側において、対物レンズOL−2Aを介してレーザ光照射を行うチャンネルは「2Ach」、対物レンズOL−2Bを介したレーザ光照射を行うチャンネルは「2Bch」と称する。
【0028】
上記第1光学ヘッド3−1は、図示するようにして第1スライド移送部5−1によりスライド移送可能に保持されている。また上記第2光学ヘッド3−2は、第2スライド移送部5−2によりスライド移送可能に保持されている。
上記第1スライド移送部5−1には、上記第1光学ヘッド5−1を光ディスクDの半径方向にスライド移送可能に保持するメカ機構部と、当該メカ機構部を駆動するスライドモータとが備えられており、後述する1chドライブ制御部4−1より出力される制御信号(スライドドライブ信号)に基づき上記スライドモータが駆動制御されることで、上記第1光学ヘッド5−1が上記半径方向にスライド移送される。
同様に、第2スライド移送部5−2には、上記第2光学ヘッド5−2を光ディスクDの半径方向にスライド移送可能に保持するメカ機構部と、当該メカ機構部を駆動するスライドモータとが備えられており、後述する2Achドライブ制御部4−2Aより出力される制御信号に基づき上記スライドモータが駆動制御されることで、上記第2光学ヘッド5−2が上記半径方向にスライド移送される。
【0029】
また、光ディスクドライブ装置1には、それぞれのchが独立して記録/再生を行うことができるようにすべく、1chドライブ制御部4−1、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bの各ドライブ制御部が設けられている。
これらドライブ制御部は、それぞれ、対応するchの光学系に設けられたフォトディテクタからの受光信号に基づくサーボ制御系やレーザダイオードの発光駆動系、及びそれらに対する制御を行う例えばマイクロコンピュータ等による制御部など、各chで上記フォトディテクタからの受光信号に基づき独立して記録及び/又は再生を行うための構成を包括的に示すものである。
【0030】
ここで、後述するように本例においては、「1ch」は記録専用に用い、「2Ach」及び「2Bch」は再生専用に用いることとなる。
このため、1chドライブ制御部4−1としては、フォトディテクタからの受光信号に基づきデータ再生を行うための構成(データ再生処理系)は省略されている。
また2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bは、記録データに応じてレーザダイオードを発光駆動するための構成(データ記録処理系)は省略されている。
【0031】
また、光ディスクドライブ装置1には、上記1chドライブ制御部4−1、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bを統括的に制御するブリッジ制御部6が設けられる。
このブリッジ制御部6は、例えばマイクロコンピュータで構成され、光ディスクドライブ装置1外部に設けられたホストコンピュータ10から指示されたデータの再生、及びホストコンピュータ10側から転送されてくるデータの記録が行われるように、1chドライブ制御部4−1、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bに対する制御を行う。
なお、本実施の形態においてブリッジ制御部6が行う具体的な制御処理の内容については後述する。
【0032】
[1-2.第1の実施の形態の同時記録再生手法]
図2は、図1に示した光ディスクドライブ装置1により実現される第1の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
この図2に示されるように、第1の実施の形態では、第1光学ヘッド3−1が有する「1ch」により、光ディスクDに対する記録を行いつつ、第2光学ヘッド3−2が有する2Ach及び2Bchにより光ディスクDに記録されたデータを同時再生する。すなわち、光ディスクDに対し1ch記録・2ch同時再生による同時記録再生を行うものである。
【0033】
ここで、先に述べたように本例では、ディスク回転制御方式としてCLV方式が採用されるので、上記1chによる記録動作はCLV記録となる。この点から、スピンドルモータ2の回転速度(回転数)は、1chドライブ制御部4−1が、光ディスクD上の現在の記録位置(半径位置)に応じて記録線速度が一定となるようにして制御することになる。
【0034】
このように或るchで光ディスクDに対しデータを記録中に他のchにてデータ再生を行うという同時記録再生を行う場合には、光ディスクDの回転数は、記録半径位置に応じたものに制御される点に注意しておく。
【0035】
ここで、上記のように第2光学ヘッド4によっては、上記2Achと2Bchとを用いた同時再生が行われるものとなるが、このように1ヘッド2chの構成によって2ch同時再生を行うための具体的な手法の例を、次の図3を参照して説明しておく。
図3において、図3(a)〜図3(d)の各図では、光ディスクDにおいてスパイラル状に形成されたトラックが半径方向において複数本配列されている様子を模式的に示している。ここでは図示の都合上、このように半径方向に配列される複数本のトラックとして、トラック1〜トラック12の12本のみを抽出して示している。
また図3(a)〜図3(b)の各図では、光ディスクD上に形成されるAch側のビームスポット(対物レンズOL−2Aを介して照射されるレーザ光のビームスポット)とBch側のビームスポット(対物レンズOL−2Bを介して照射されるレーザ光のビームスポット)も示している。
これらAch側のビームスポットとBch側のビームスポットは、光ディスクDの回転駆動に伴い図中の周方向に移動すると共に、トラッキングサーボ制御が行われることによってその位置がトラック上を追従するようにされることで、内周側から外周側へと順次移動していくことになる。図3(a)〜図3(d)では、このように時間経過と共に順次外周側へ移動する各ビームスポットによって光ディスクDに対する情報の再生が行われる様子を模式的に示している。
なおこの図3には反映されていないが、先に述べたように対物レンズOL−2AとOL−2Bは周方向にずれて配置されるので、Ach側のビームスポットの位置とBch側のビームスポットの位置は図中の周方向においてずれていることになる。
【0036】
先ず図3(a)では、再生の開始時点でのAch側,Bch側のビームスポットの配置関係を示している。図示するように再生の開始時点においては、Ach側のビームスポットが内周側、Bch側のビームスポットが外周側に配置されているとする。また、ここでは図示の都合から、Ach側とBch側のビームスポット間の離間距離が2トラック分であるものとしている。
【0037】
この前提によると、図3(b)に示すように、2トラック分の再生が行われた時点において、Ach側のビームスポットが、Bch側のビームスポットにより既に再生済みとなったトラックに到達することになる(図中ではトラック3が該当)。
そこで、この図3(b)に示されるようにして、Ach側のビームスポット位置を、Bch側のビームスポットにより再生されるであろう領域を考慮して先回りさせるようにして外周側に移動させる(追い越し移動)。ここではAch側とBch側の間隔は2トラック分としているので、図のようにAch側のビームスポット位置を、その時点でBch側のビームスポットが位置しているトラック5からトラック2本分離間したトラック7に移動させることになる。
【0038】
また、このように追い越しが完了した状態からさらに2トラック分の再生が行われたときには、図3(c)に示すようにして、逆にBch側のビームスポット位置が、Ach側のビームスポットにより既に再生済みとなったトラック(トラック7)に達することとなる。
従って同じ要領で、Bch側のビームスポット位置を、Ach側のビームスポット位置がこれから再生する領域を見越した外周側の位置に追い越し移動させる。具体的にこの場合は、図のようにBch側のビームスポット位置を、その時点でAch側のビームスポットが位置しているトラック9からトラック2本分離間したトラック11に移動させることになる。
【0039】
図3(d)には、これらAch側・Bch側の交互の追い越しが行われることに伴ってAch側、Bch側がそれぞれ再生した領域の別が示されている。
【0040】
ここで、図3においてはAch側のビームスポットとBch側のビームスポットとの離間距離を2トラック分とする例を挙げたが、実際には追い越し回数の削減等のため、各ビームスポットの配置位置はより多くのトラック数分離間させることになる。但し、各ビームスポットの間隔は、これを過大に設定すると線速度の誤差も過剰となってしまうため、その点を考慮して設定すべきものとなる。
【0041】
図2に戻り、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bは、図1に示したブリッジ制御部6からの制御に基づき、上記のような各ビームスポットの順次の追い越しを伴う2ch同時再生が実現されるように動作する。
なお、このような2ch同時再生を実現するために上記ブリッジ制御部6が行う処理については後述する。
【0042】
ここで、図中にも示しているが、この場合の再生レートは、再生を行っている半径位置と、スピンドル回転速度(つまり記録半径位置)とで定まるレートとなる。すなわち、第2光学ヘッド3−2側での再生動作は、上述のように第1光学ヘッド3−1側で線速度一定により記録を行っている最中にて行われるため、再生レートは、再生半径位置と記録半径位置とで定まるレートとなるものである。
【0043】
とろこで、上述したような2ch同時再生を行う際には、2つのchでそれぞれ得られる受光信号に基づいて、どのように光学ヘッドのスライドサーボ制御を行うかという点が問題となる。
ここで、スライドサーボを行う際には、トラッキングサーボ信号の低域成分を抽出してスライド誤差信号を生成し、当該スライド誤差信号に基づくサーボ信号によりスライド移送部を駆動制御することになるが、仮に、Ach、Bchの何れか一方のみのスライド誤差信号に基づき光学ヘッドのスライドサーボを行った場合には、他方のchの対物レンズOLの位置が常時センター位置からずれたものとなってしまい、当該他方のchでの再生性能が著しく劣化してしまう。
【0044】
そこで本実施の形態では、2ch同時再生を行う第2光学ヘッド3−2についてのスライドサーボ制御は、Ach側のスライド誤差信号とBch側のスライド誤差信号とを平均した信号に基づき行う。
具体的には、2Ach側で生成されたトラッキングサーボ信号から生成したスライド誤差信号と、2Bch側で生成されたトラッキングサーボ信号から生成したスライド誤差信号とを加算し、当該加算したスライド誤差信号に基づいて第2スライド移送部5−2の駆動制御を行うものである。
【0045】
図1において、2Achドライブ制御部4−2Aは、2Bchドライブ制御部4−2Bから入力したトラッキングサーボ信号と、自らが生成したトラッキングサーボ信号とからそれぞれスライド誤差信号を生成し、それらスライド誤差信号を加算した信号に基づきスライドサーボ信号を生成し、当該スライドサーボ信号に基づき第2スライド移送部5−2を駆動制御する。
これにより、図3に示したような1ヘッド2chの構成による同時再生を行う場合に適切なスライドサーボ制御を実現でき、一方のchのスライド誤差信号のみに基づきスライドサーボ制御を行う場合のような再生能力の著しい低下を防止することができる。
なお、このような1ヘッド2chの構成に適したスライドサーボ制御の手法については、下記の参考文献1にも記載されている。
参考文献1.特願2008−164445
【0046】
図4は、図3にて説明した第1の実施の形態としての同時記録再生手法を実現するためにブリッジ制御部6が行う処理について説明するための図である。
この図4においては、ブリッジ制御部6が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示している。
【0047】
この図4に示すように、ブリッジ制御部6は、記録コマンド受け渡し機能部F1、2ch同時再生制御機能部F2、及び記録/再生データ転送機能部F3を有する。
先ず、記録コマンド受け渡し機能部F1は、図1に示したホストコンピュータ10より光ディスクDに対するデータの記録を指示する記録コマンドが発行された際に、当該記録コマンドを1chドライブ制御部4−1に受け渡す機能部となる。
【0048】
また、2ch同時再生制御機能部F2は、ホストコンピュータ10より光ディスクDに記録された或るデータについての再生を指示する再生コマンドが発行されたことに応じて、当該再生コマンドにより指示されたデータが、図3に示したような2ch同時再生動作によって再生されるように2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bを制御する機能部となる。
【0049】
また、記録/再生データ転送機能部F3は、記録データの1chドライブ制御部4−1への転送、及び再生データのホストコンピュータ10への転送を行う機能部となる。
具体的には、上記記録コマンドと共にホストコンピュータ10側から転送されてくる記録データを1chドライブ制御部4−1に対して転送すると共に、2ch同時再生動作に伴い2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bから転送されてくる再生データのホストコンピュータ10側への転送を行うものである。
【0050】
[1-3.第1の実施の形態のまとめ]
上記のようにして第1の実施の形態では、1ch、2Ach、2Bchの計3chを設けた上で、上記1chにより光ディスクDに対する記録を行いつつ、残りの2Ach及び2Bchにより光ディスクDに記録されたデータの2ch同時再生を行うものとしている。
このように2ch同時再生を行うもとすれば、再生レートは、1つのchのみで再生を行う場合と比較して略2倍に向上することができる。具体的に、図3に示したような追い越し動作を伴う同時再生を行う場合には、再生レートは1.9倍程度に向上することが実験的に判明している。
【0051】
ここで、BDの場合、光ディスクD上のユーザデータエリアの最内周位置は24mm、最外周位置は58mmに定められている。従って先にも述べた通り、CLV記録を前提としたとき、単に一方のchで記録、もう一方のchで再生を行う2ch同時記録再生を行った場合には、最外周を記録中に最内周を再生するという最悪のケースにおいて、再生レートは記録レートに対して1/2.4(58÷24、約41%)程度に低下してしまうことになる。
【0052】
これに対し、再生側を2ch同時再生とする本実施の形態によれば、再生レートを1.9倍程度に向上できることで、上記最悪のケースにおいて41%であった再生レートを78%程度にまで向上させることができる。
従ってこのような第1の実施の形態によれば、設定可能な最大記録レートが、記録されるデータ(本例の場合は映像データ)のレートに対して28%(1÷0.78)以上高ければ、光ディスクDの全面において再生レートが記録レートの100%以上を維持できるようになり、結果、光ディスクD全面での同時記録再生を実現することができる。
【0053】
また、映像データなどのいわゆるリアルタイムデータを扱う記録再生システムの規格では、最内周部及び最外周部にファイル管理情報等のノンリニアデータを記録するように定められたものもある。
例えばそのような規格が採用される場合において、リアルタイムデータを半径28mm〜半径53mmの間に記録するように定められていれば、上述の最悪のケースにおいても再生レートの低下は記録レートの1/1.9(53÷28)程度にまで抑えられるので、結果、その場合においても本実施の形態による再生レートの向上(1.9倍の向上)手法によって光ディスクD全面での同時記録再生を実現することができる。
【0054】
このようにして第1の実施の形態によれば、光ディスクDに記録されたデータを複数chで同時再生するようにしたことで再生レートの向上が図られ、それによって、CLV方式が採用され且つ光ディスクDに記録されるデータのレートと設定可能な最大記録レート(CLV最大記録レート)とが近接しているという条件下(例えば記録レートが記録データのレートの2倍に満たないような場合)においても、単に一方のchを記録・他方のchを再生に割り当てる2ch同時記録再生を行う場合には実現することのできなかった光ディスクD全面での同時記録再生の実現化を可能とすることができる。
【0055】
また、第1の実施の形態は、例えば先の特許文献2に開示される手法のように1つのchを記録と再生に共用するという手法を採るものではないので、頻繁なシーク動作の発生を防止できると共に、データ転送量を確保するための比較的大容量のバッファメモリを設ける必要が無いというメリットもある。
【0056】
<2.第2の実施の形態>
[2-1.光ディスクドライブ装置の全体構成]
続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、記録担当の光学ヘッドについても複数のchが具備されるようにして複数ch同時記録を行うものとし、それにより生じる余裕時間を利用して、上記記録担当の光学ヘッドに再生も実行させることで、さらなる再生レートの向上を図るものである。
【0057】
図5は、第2の実施の形態としての光ディスクドライブ装置11内部の全体構成について説明するための図である。
なお図5において、既に第1の実施の形態にて説明済みとなった部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
先ず、第2の実施の形態の光ディスクドライブ装置11においては、第1の実施の形態では1つのchのみを有するようにされていた第1光学ヘッド3−1に代えて、2つのchを有する第1光学ヘッド12−1が設けられる。
この第1光学ヘッド12−1には、対物レンズOL−1Aを有する光学系と、対物レンズOL−1Bを有する光学系とが設けられる。図示するようにこれら対物レンズOL−1A,OL−1Bとしても、第2光学ヘッド3−2側における対物レンズOL−2A,OL−2Bと同様、周方向においてずれた位置に配置されるようになっている。
なお、第1の実施の形態にて説明したように、光学系内には、レーザ光の光源となるレーザダイオード、光ディスクDからの反射光を受光するためのフォトディテクタ、及び対物レンズOLをトラッキング方向・フォーカス方向に駆動するための2軸アクチュエータが備えられる。
【0059】
ここで以下、上記対物レンズOL−1Aを具備する光学系により光ディスクDに対するレーザ光照射を行う系については「1Ach」と称する。また上記対物レンズOL−1Bを具備する光学系により光ディスクDに対するレーザ光照射を行う系については「1Bch」と称する。
【0060】
また、光ディスクドライブ装置11には、このように第1光学ヘッド12−1側に形成される1Ach、1Bchの各chに対応するドライブ制御部として、図中の1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bが設けられる。
これら1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bとしても、それぞれ、対応するchの光学系に設けられたフォトディテクタからの受光信号に基づくサーボ制御系やレーザダイオードの発光駆動系、及びそれらに対する制御を行う例えばマイクロコンピュータ等による制御部など、各chで上記フォトディテクタからの受光信号に基づき独立して記録及び/又は再生を行うための構成を含むものとなる。
また、第2の実施の形態の場合、1Ach及び1Bch側では、後述するようにして光ディスクDに対する記録と共に再生も行うことになるため、これらドライブ制御部4−1A,4−1Bには、記録データに応じてレーザダイオードを発光駆動して光ディスクDに対するデータ記録を行うためのデータ記録処理系と共に、フォトディテクタからの受光信号に基づきデータ再生を行うためのデータ再生処理系が設けられる。
【0061】
ここで、第1光学ヘッド12−1についてのスライドサーボ制御は、先に説明した第2光学ヘッド3−2側でのスライドサーボ制御と同様の手法で行われる。具体的にこの場合は、1Achドライブ制御部4−1A側が、1Bchドライブ制御部4−1Bから入力したトラッキングサーボ信号と、自らが生成したトラッキングサーボ信号とからそれぞれスライド誤差信号を生成し、それらスライド誤差信号を加算した信号に基づきスライドサーボ信号を生成し、当該スライドサーボ信号に基づき第1スライド移送部5−1を駆動制御する。これにより、第1光学ヘッド12−1側においても1ヘッド2chの構成に適したスライドサーボ制御が実現される。
【0062】
また、第2の実施の形態の光ディスクドライブ装置11には、上記ドライブ制御部4−1A,4−1Bと、さらにドライブ制御部4−2A,4−2Bとに対する制御を行って以下で説明する第2の実施の形態としての同時記録再生動作を実現させるブリッジ制御部15が設けられる。
図示するようにしてブリッジ制御部15に対しては、記録データバッファメモリ13と、再生データバッファメモリ14とが設けられる。上記記録データバッファメモリ13には、光ディスクドライブ装置11外部に設けられたホストコンピュータ10側から転送されてくる記録データがバッファリング(一時蓄積)される。また、上記再生データバッファメモリ14には、再生を担当するchから転送されてくる再生データがバッファリングされる。
【0063】
[2-2.第2の実施の形態の同時記録再生手法]
図6は、図5に示した光ディスクドライブ装置11により実現される第2の実施の形態としての同時記録再生手法について説明するため図である。
第2の実施の形態では、第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生のみを実行させる点は第1の実施の形態の場合と同様となる。
第2の実施の形態において特徴的であるのは、記録を担当する第1光学ヘッド12−1側の動作を、図5に示した記録データバッファメモリ13、再生データバッファメモリ14に対するデータ蓄積量に応じて適宜2ch同時記録/2ch同時再生に切り替える点である。
【0064】
ここで、2ch同時記録は、第1の実施の形態で説明した2ch同時再生と同様の追い越し手法により行う。すなわち、2ch同時記録は、先の図3の説明における再生を記録に置き換えたものと理解すればよい。
なお確認のために述べておくと、第2の実施の形態においても、ディスク回転制御方式にはCLV方式が採用され、記録時におけるスピンドルモータ2の回転数は記録位置に応じて線速度一定となるように制御される。本例の場合、スピンドルモータ2の回転制御は1Achドライブ制御部4−1Aが行う。
【0065】
ここで、上記のように第2の実施の形態では、第1光学ヘッド12−1が2ch同時記録を行う状態(つまり2ch同時記録・2ch同時再生の状態)と、2ch同時再生を行う状態(4ch同時記録の状態)とが適宜切り替えられることとなる。
2ch同時記録が行われることで、この場合の記録レートは、第1の実施の形態の場合と比較して略2倍(1.9倍程度)に向上する。
【0066】
また、第1光学ヘッド12−1側が2ch同時再生を行い、合計で4ch同時再生が実行される場合、再生レートは、第1の実施の形態では78%であった最悪のケースにおいても156%を確保することができる。これは、仮に記録される映像データのレートがCLV記録レート(1ch記録を行う際の記録レート)と同じであったとしても、再生レートに56%分の余裕が生まれることを意味する。
【0067】
第2の実施の形態は、上記のような2ch同時記録を行うことで第1光学ヘッド12−1側に生じる余剰の時間を利用して、当該第1光学ヘッド12−1に再生を実行させることで、第1の実施の形態の場合よりも再生レートの向上が図られようにするものである。
【0068】
ここで、このような第2の実施の形態においては、通常の1chの記録を行う場合に要する時間のうちの略半分(1/1.9)の時間は、最低でもCLV記録レートの156%のレートによる再生を行うことができるようになる。すなわち、この場合のデータ再生は、略半分の時間は第2光学ヘッド3−2側単体で最低でも78%以上の再生レートで行うことができ、残りの略半分の時間は4ch同時再生により最低でも156%以上の再生レートで行うことができることになる。従って、この場合における平均の再生レートは、最低でも1.17%(78%+156%÷2)程度を確保することができる。
このことからも理解されるように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態にて必要とされていた制約、すなわち記録レートが記録データのレートの28%以上である、或いはリアルタイムデータの記録再生領域が28mm〜53mmであるという制約が無くとも、再生レートが常時、記録レート比の100%以上となるようにすることができる(もちろん、記録レートが最低でも記録データのレート以上であることは前提である)。すなわちこれらの制約無しに、光ディスクD全面での同時記録再生を実現することができる。
【0069】
〜第1の手法〜
第2の実施の形態では、第1光学ヘッド12−1が2ch同時記録を行う状態と2ch同時再生を行う状態との切り替えを、バッファ蓄積量に応じて行うものである。
このようなバッファ蓄積量に応じた記録/再生の切り替え手法の一例として、本例においては、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量のみに基づく切り替えを行う手法(以下、第1の手法とする)と、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量のみに基づく切り替えを行う手法(以下、第2の手法とする)とを例示する。
以下では先ず、前者の手法、すなわち記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量のみに基づき第1光学ヘッド12−1側の2ch同時記録/2ch同時再生の切り替えを行う第1の手法について説明する。
【0070】
図7は、上記第1の手法が採られる場合において記録データバッファメモリ13に対して設定されるべき閾値について示した図である。
この図7に示されるように、第1の手法においては、記録データバッファメモリ13に対して閾値th1と閾値th2の2つの閾値thを設定する。図のようにこれらの2つの閾値thの関係は、閾値th1>閾値th2である。
【0071】
第1の手法では、このように記録データバッファメモリ13に対して設定した2つの閾値th1,th2を利用して、以下のようにして第1光学ヘッド12−1側の記録/再生動作の切り替えを行う。
先ず、前述のように第2の実施の形態では、光ディスクDに対するデータ記録は2ch同時記録により行われるので、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は、時間経過と共に徐々に減少していくことになる。
従って、2ch同時記録が継続される場合は、或る時点において、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は閾値th2以下に低下する。
【0072】
このように記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th2以下となったことに応じて、第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させる。すなわち、4ch同時再生の状態に移行させる。
【0073】
ここで、このように4ch同時再生が行われ光ディスクDに対する記録動作が中断された際、スピンドルモータ2の回転数は、記録を中断した半径位置に応じた回転数で維持させるものとする。
【0074】
上記のように4ch同時再生が行われ光ディスクDに対するデータ記録が中断されることに応じては、記録データバッファメモリ13に徐々に記録データが積まれていき、その後、或る時点において、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は閾値th1以上に上昇することになる。
【0075】
記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th1以上となったことに応じては、第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させる。2ch同時記録が実行される状態では、上述のように記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は徐々に減少していくので、当該記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量は或る時点において再び閾値th2以下に低下することになる。
【0076】
上記の説明からも理解されるように、第1の手法では、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量に関して、閾値th2以下であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させて2ch同時記録・2ch同時再生の状態とし、閾値th1以上であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させることで4ch同時再生の状態が得られるように、記録/再生動作の切り替えを行う。
このような閾値th1及び閾値th2に基づく第1光学ヘッド12−1の記録/再生切り替えが行われる結果、記録データのオーバーフローの発生を防止しながら、光ディスクDに対する同時記録再生動作を行うことができる。
【0077】
なお確認のために述べておくと、上記のように記録を担当する光学ヘッドを適宜再生にも用いる第2の実施の形態としての手法を採る場合には、上記記録担当の光学ヘッドを要求された再生位置に移動させるためのシーク動作が発生することになる。第2の実施の形態において、記録データバッファメモリ13、再生データバッファメモリ14の容量は、このようなシーク動作に割かれる時間を考慮して十分に大きな容量に設定されるべきものとなる。
【0078】
図8は、上記により説明した第1の手法としての同時記録再生手法を実現するためにブリッジ制御部15が行うべき処理について説明するための図である。
なおこの図8においても、先の図4と同様に、ブリッジ制御部15が行う処理を機能の別ごとにブロック化して示している。
【0079】
図8に示すように、この場合のブリッジ制御部15は、記録データバッファ制御機能部F11、再生データバッファ制御機能部F12、記録/再生ch割り当て機能部F13、ch別記録データ割り当て制御機能部F14、及び同時記録/再生制御機能部F15を有する。
記録データバッファ制御機能部F11は、図5に示したホストコンピュータ10側から供給される記録データが記録データバッファメモリ13に一時蓄積されるように制御を行う機能部である。
また、再生データバッファ制御機能部F12は、1Ach、1Bch、2Ach、2Bchの各chから適宜転送されてくる再生データが再生データバッファメモリ14に対して一時蓄積され且つ蓄積された再生データが適宜ホストコンピュータ10側に転送されるように制御を行う機能部となる。
【0080】
記録/再生ch割り当て機能部F13は、第1の手法の場合においては、上述のように記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量と閾値th1,閾値th2とに基づき第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録/2ch同時再生を実行させるための制御を行う機能部となる。
具体的にこの場合のブリッジ制御部15は、上記記録/再生ch割り当て機能部F13としての機能動作を実現するために、次の図9に示されるような処理を実行する。
【0081】
図9は、第1の手法の場合における記録/再生ch割り当て機能を実現するために実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
図9において、先ず、ステップS101においては、同時記録再生動作を実行すべき状態となるまで待機する。
すなわち、例えば図5に示したホストコンピュータ10より光ディスクDに対する映像データの記録指示と、光ディスク上に記録されたデータの再生指示とが同時為されるなど、光ディスクDに対して記録動作と再生動作とを同時に実行すべきとなる所定の条件が成立したか否かを判別する処理を、肯定結果が得られるまで繰り返し実行する。
【0082】
そして、同時記録再生を行うべき状態となった場合は、ステップS102に進み、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0083】
続くステップS103では、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th2以下となるまで待機する。
そして、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th2以下となった場合は、ステップS104において、4ch同時再生、すなわち第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0084】
続くステップS105においては、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th1以上となるまで待機する。
記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量が閾値th1以上となった場合は、先のステップS102に戻り、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を実行する。
【0085】
説明を図8に戻す。
ch別記録データ割り当て制御機能部F14は、第1光学ヘッド12−1が2ch同時記録を行う場合に対応して、1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bにそれぞれ記録すべきデータを割り当てる機能部となる。
具体的に、図3にて説明した追い越し動作によると、Ach側にはトラック1,2,7,8,9,10・・・に記録されるべきデータが割り当てられればよく、Bch側にはトラック3,4,5,6,11,12・・・に記録されるべきデータが割り当てられればよい(図3(d)を参照)。
このように2ch同時記録時において、それぞれのchが記録すべきデータは、追い越し記録をどのように行うかによって定まる所定の規則性に従ったものとなる。従って上記ch別記録データ割り当て制御機能部F14は、採用された追い越し記録の手法に応じて定められた上記規則性を表す情報に従って、記録データバッファメモリ13内に蓄積された記録データを1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1Bにそれぞれ割り当てる。
【0086】
同時記録/再生制御機能部F15は、図3に示したような追い越し動作を伴う2ch同時記録又は2ch同時再生が実行されるように制御を行う機能部となる。具体的には、予め定められた追い越し記録又は追い越し再生の手法に従って、1Achドライブ制御部4−1A、1Bchドライブ制御部4−1B、2Achドライブ制御部4−2A、2Bchドライブ制御部4−2Bに対する追い越しタイミングの指示等を行う。
【0087】
〜第2の手法〜
図10は、上述した第2の手法、すなわち再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量のみに基づき第1光学ヘッド12−1側の2ch同時記録/2ch同時再生の切り替えを行う手法が採られる場合において、再生データバッファメモリ14に対して設定される閾値について示した図である。
この図10に示されるように第2の手法においては、再生データバッファメモリ14に対して閾値th3と閾値th4とが設定される。図のようにこれらの2つの閾値thの関係は閾値th3>閾値th4である。
【0088】
第2の手法は、これら閾値th3,th4を利用して、以下のように第1光学ヘッド12−1側の記録/再生動作の切り替えを行う。
先ず、第1光学ヘッド12−1側で2ch同時記録が実行される状態、すなわち第2光学ヘッド3−2のみが再生を行う状態では、前述の最悪のケースの場合、再生レートはCLV記録レート比で78%となるため、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が時間経過と共に徐々に減少していくことになる。
従って、2ch同時記録が継続される場合には、或る時点において、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下に低下する。
【0089】
このように再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下となったことに応じて、第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させ、4ch同時再生の状態に移行させる。
【0090】
4ch同時再生が行われることで、再生レートは最悪のケースにおいても156%が確保されるので、再生データバッファメモリ14には徐々に再生データが積まれていくことになる。
そしてその後、或る時点において、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量は閾値th3以上に上昇する。
【0091】
再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th3以上となったことに応じて、第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させ、2ch同時記録・2ch同時再生の状態に移行させる。
このような2ch同時記録・2ch同時再生の状態では、上述のように再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量は徐々に減少していくので、当該再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量は或る時点において再び閾値th4以下に低下することとなる。
【0092】
このようにして第2の手法では、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量に関して、閾値th3以上であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時記録を実行させて2ch同時記録・2ch同時再生の状態とし、閾値th4以下であれば第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させることで4ch同時再生の状態が得られるようにする。
このような閾値th3及び閾値th4に基づく第1光学ヘッド12−1の記録/再生切り替えが行われる結果、再生データのアンダーフローの発生を防止しながら、光ディスクDに対する同時記録再生動作を行うことができる。
【0093】
図11は、上記第2の手法としての同時記録再生手法を実現するためにブリッジ制御部15が行うべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
この図11においても先の図9と同様に、ブリッジ制御部15が図8に示した記録/再生ch割り当て機能部F13として行うべき具体的な処理の手順を示している。
なお第2の手法においては、上記記録/再生ch割り当て機能部F13の処理内容が異なるのみで、他の機能部Fに関しては第1の手法の場合と同様となるため改めての図示による説明は省略する。
【0094】
図11において、ステップS201においては、先のステップS101と同様に、同時記録再生動作を実行すべき状態となるまで待機するようにされる。
【0095】
そして、同時記録再生を行うべき状態となった場合は、ステップS202に進み、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0096】
続くステップS203では、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下となるまで待機する。
そして、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以下となった場合は、ステップS204において、4ch同時再生、すなわち第1光学ヘッド12−1に2ch同時再生を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0097】
続くステップS205においては、再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th3以上となるまで待機する。
再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量が閾値th4以上となった場合は、先のステップS202に戻り、第1光学ヘッド12−1側に2ch同時記録を実行させ且つ第2光学ヘッド3−2側に2ch同時再生を実行させるための処理を行う。
【0098】
<3.変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、再生専用の光学ヘッドは2chを有するものとしたが、再生の2chをそれぞれ別々の光学ヘッドに搭載するといった構成も採ることができる。つまりその場合は、2ヘッド2chが再生専用のchとなる。
【0099】
また、第2の実施の形態においては、記録を担当する光学ヘッド側に2chが具備されるようにしたが、それらの記録担当のchを別々の光学ヘッドに搭載し、3ヘッド4chの構成とすることもできる。
或いは第2の実施の場合、4chをそれぞれ独立した光学ヘッドに搭載した4ヘッド4chの構成とすることもできる。
【0100】
また、第2の実施の形態(記録を複数chとして、記録担当のchを適宜再生側にも回す手法)において、chの数は4以上とすることもできる。
例えば、4ヘッド8chの構成を採ったとして、2ヘッド4chを記録担当、2ヘッド4chを再生専用としたときには、記録担当の2ヘッド4chを適宜再生にも回すことで、第2の実施の形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0101】
また、第2の実施の形態では、記録データバッファメモリ13のデータ蓄積量のみ、或いは再生データバッファメモリ14のデータ蓄積量のみの何れか一方に基づいて記録担当の光学ヘッドの記録/再生を切り替えるものとしたが、記録データ及び再生データの双方の一時蓄積量に基づいて記録担当の光学ヘッドの記録/再生を切り替えるようにもできる。
【0102】
或いは、記録担当の光学ヘッドの記録/再生の切り替えは、記録データ/再生データの一時蓄積量に基づき行う以外にも、例えば記録担当の光学ヘッドが記録を行う時間と再生を行う時間時間との割合が所定の割合(略半々)となるようにして行うなどといった手法を採ることもできる。
或いは、データの記録を行うべき領域と再生を行うべき領域との位置関係から、同時記録再生の実行期間内における平均的な再生レートの予測値を求め、該予測値と記録データのレート(×1)との差に応じて記録/再生の切り替えタイミングを予め設定するという手法も採ることもできる。
このように記録担当の光学ヘッド側の記録/再生を切り替えるトリガとしては、バッファメモリのデータ蓄積量に基づく以外にも多様な手法を採ることができる。
【符号の説明】
【0103】
1,11 光ディスクドライブ装置、2 スピンドルモータ(SPM)、3−1,12−1 第1光学ヘッド、OL−1,OL−2A,OL−2B,OL−1A,OL−1B 対物レンズ、3−2 第2光学ヘッド、4−1 1chドライブ制御部、4−2A 2Achドライブ制御部、4−2B 2Bchドライブ制御部、4−1A 1Achドライブ制御部、4−1B 1Bchドライブ制御部、5−1 第1スライド移送部、5−2 第2スライド移送部、6,15 ブリッジ制御部、10 ホストコンピュータ、13 記録データバッファメモリ、14 再生データバッファメモリ、D 光ディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を少なくとも1系統有する第1の光学ヘッドと、
上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を複数系統有する第2の光学ヘッドと、
上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行させつつ、上記第2の光学ヘッドが有する複数の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させるように制御を行う制御部と
を備える記録再生装置。
【請求項2】
上記第1の光学ヘッドは上記レーザ光照射系を1系統のみ有し、
上記第2の光学ヘッドは上記レーザ光照射系を2系統有しており、
上記制御部は、
上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行させつつ、上記第2の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させる
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
上記第1の光学ヘッド及び上記第2の光学ヘッドは、上記レーザ光照射系をそれぞれ2系統ずつ有しており、
上記制御部は、
上記第2の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させる一方で、上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により、上記光ディスク記録媒体に対する情報の同時記録と、上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生とが適宜切り替えて実行されるように制御を行う
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項4】
上記光ディスク記録媒体に対する記録データを一時蓄積する記録データ一時蓄積部と、
上記光ディスク記録媒体から再生された再生データを一時蓄積する再生データ一時蓄積部とを備えると共に、
上記制御部は、
上記記録データ一時蓄積部又は上記再生データ一時蓄積部におけるデータ蓄積量に基づいて上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系による上記同時記録と上記同時再生との切り替えが行われるように制御を行う
請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記記録データ一時蓄積部におけるデータ蓄積量が第1の閾値以上であるか否か、及び上記第1の閾値よりもその値が小とされる第2の閾値以下であるか否かをそれぞれ判別し、
上記データ蓄積量が上記第1の閾値以上であると判別した場合は、上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時記録が行われるように制御を行い、上記データ蓄積量が上記第2の閾値以下であると判別した場合は上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時再生が行われるように制御を行う
請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記再生データ一時蓄積部におけるデータ蓄積量が第3の閾値以上であるか否か、及び上記第3の閾値よりもその値が小とされる第4の閾値以下であるか否かをそれぞれ判別し、
上記データ蓄積量が上記第3の閾値以上であると判別した場合は、上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時記録が行われるように制御を行い、上記データ蓄積量が上記第4の閾値以下であると判別した場合は上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時再生が行われるように制御を行う
請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項7】
上記2系統のレーザ光照射系は、
それぞれが備える対物レンズを駆動することによって互いの再生位置を上記光ディスク記録媒体の半径方向において交互に追い越すことで上記同時再生を行う
請求項2又は請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項8】
上記2系統のレーザ光照射系は、
それぞれが備える対物レンズを駆動することによって互いの記録位置を上記光ディスク記録媒体の半径方向において交互に追い越すことで上記同時記録を行う
請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項9】
上記光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、
上記第1の光学ヘッドによる記録位置に応じて上記光ディスク記録媒体が線速度一定により回転駆動されるように上記回転駆動部を制御する回転制御部とを備える
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項10】
光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を少なくとも1系統有する第1の光学ヘッドと、上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を複数系統有する第2の光学ヘッドとを用いて、上記光ディスク記録媒体に対する記録再生を行う記録再生方法であって、
上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行しつつ、上記第2の光学ヘッドが有する複数の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行する
記録再生方法。
【請求項1】
光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を少なくとも1系統有する第1の光学ヘッドと、
上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を複数系統有する第2の光学ヘッドと、
上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行させつつ、上記第2の光学ヘッドが有する複数の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させるように制御を行う制御部と
を備える記録再生装置。
【請求項2】
上記第1の光学ヘッドは上記レーザ光照射系を1系統のみ有し、
上記第2の光学ヘッドは上記レーザ光照射系を2系統有しており、
上記制御部は、
上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行させつつ、上記第2の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させる
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
上記第1の光学ヘッド及び上記第2の光学ヘッドは、上記レーザ光照射系をそれぞれ2系統ずつ有しており、
上記制御部は、
上記第2の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行させる一方で、上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により、上記光ディスク記録媒体に対する情報の同時記録と、上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生とが適宜切り替えて実行されるように制御を行う
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項4】
上記光ディスク記録媒体に対する記録データを一時蓄積する記録データ一時蓄積部と、
上記光ディスク記録媒体から再生された再生データを一時蓄積する再生データ一時蓄積部とを備えると共に、
上記制御部は、
上記記録データ一時蓄積部又は上記再生データ一時蓄積部におけるデータ蓄積量に基づいて上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系による上記同時記録と上記同時再生との切り替えが行われるように制御を行う
請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記記録データ一時蓄積部におけるデータ蓄積量が第1の閾値以上であるか否か、及び上記第1の閾値よりもその値が小とされる第2の閾値以下であるか否かをそれぞれ判別し、
上記データ蓄積量が上記第1の閾値以上であると判別した場合は、上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時記録が行われるように制御を行い、上記データ蓄積量が上記第2の閾値以下であると判別した場合は上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時再生が行われるように制御を行う
請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記再生データ一時蓄積部におけるデータ蓄積量が第3の閾値以上であるか否か、及び上記第3の閾値よりもその値が小とされる第4の閾値以下であるか否かをそれぞれ判別し、
上記データ蓄積量が上記第3の閾値以上であると判別した場合は、上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時記録が行われるように制御を行い、上記データ蓄積量が上記第4の閾値以下であると判別した場合は上記第1の光学ヘッドが有する2系統の上記レーザ光照射系により上記同時再生が行われるように制御を行う
請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項7】
上記2系統のレーザ光照射系は、
それぞれが備える対物レンズを駆動することによって互いの再生位置を上記光ディスク記録媒体の半径方向において交互に追い越すことで上記同時再生を行う
請求項2又は請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項8】
上記2系統のレーザ光照射系は、
それぞれが備える対物レンズを駆動することによって互いの記録位置を上記光ディスク記録媒体の半径方向において交互に追い越すことで上記同時記録を行う
請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項9】
上記光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、
上記第1の光学ヘッドによる記録位置に応じて上記光ディスク記録媒体が線速度一定により回転駆動されるように上記回転駆動部を制御する回転制御部とを備える
請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項10】
光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を少なくとも1系統有する第1の光学ヘッドと、上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光の照射を行うレーザ光照射系を複数系統有する第2の光学ヘッドとを用いて、上記光ディスク記録媒体に対する記録再生を行う記録再生方法であって、
上記第1の光学ヘッドが有する上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に対する情報の記録を実行しつつ、上記第2の光学ヘッドが有する複数の上記レーザ光照射系により上記光ディスク記録媒体に記録された情報の同時再生を実行する
記録再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−108308(P2011−108308A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261090(P2009−261090)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]