説明

記録再生装置及びその制御方法

【課題】視聴している放送波が一旦途切れるなどの不快感を視聴者に与えずに、装置の電力の無駄な消費を抑えることができる記録再生装置を提供する。
【解決手段】制御部2は、所定の再生動作の停止後に、表示装置14に表示されている映像の入力選択状態を調査する。その調査結果により、表示装置14に表示されている映像が記録再生装置1からの入力であると判定された場合には、記録再生装置1の制御部2は、表示装置14に対して、記録再生装置1で設定されている放送波のチャンネルを表示装置14自身が受信して表示するように指示を出す。その後、表示装置14の入力選択状態が前記指示されたチャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、当該記録再生装置1をスタンバイ状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送波を受信可能な表示装置に接続された記録再生装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、放送波を受信する表示装置と、放送波を受信可能な記録再生装置とを接続することで、記録再生装置で記録した番組の映像や、市販されている映像を表示装置で視聴することができる。そして、視聴終了後の記録再生装置の待機電力を無駄に消費するのを防止するために、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている記録再生装置が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の記録再生装置では、所定動作を終えた後、一定期間経つと自動的に電源を停止させる。また、特許文献2に記載されているテレビジョン受像機においては、複数の外部機器と接続している場合に、視聴者が視聴する外部機器を切り替えた場合に、先に接続されていた外部機器の電源をその切り替えと同時に制御して停止する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2006−012207号公報
【特許文献2】特開2004−023221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、視聴者が記録再生装置において所定の再生動作を終了した後に、この記録再生装置で受信した放送波を視聴している場合がある。このとき、表示装置で放送波を受信できることから、記録再生装置の電力は無駄に消費されることになる。
【0005】
このようなケースにおいて、特許文献1の技術では、所定動作を終えた後に一定期間経過すると、自動的に記録再生装置の電源を停止させる結果、突然、表示装置の画面が消えることになる。その後、視聴者が、表示装置の画面に表示する信号を外部入力の記録再生装置から表示装置で受信した放送波に切り替えて、視聴していたチャンネルをセットするまで、視聴者は、視聴していた番組が見られなくなる。このように、電力の無駄な消費を抑えることは出来ても、視聴者に対して不快感を与えることになってしまう。
【0006】
また、上記ケースにおいて特許文献2の技術では、視聴者が受像機において外部入力の切替の動作を行わない限り、接続されている外部機器の電源が停止しないため、当該外部機器において待機電力を無駄に消費しつづけることになる。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、視聴している放送波が一旦途切れるなどの不快感を視聴者に与えずに、装置の電力の無駄な消費を抑えることができる記録再生装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するため、放送波を受信可能な表示装置に接続され、該表示装置で再生される信号データが記録媒体に記録され且つ前記表示装置とは独立して放送波を受信可能な記録再生装置において、前記信号データの記録再生に関する所定の動作の終了を検出する手段と、当該記録再生装置で設定されている放送波のチャンネルを前記表示装置へ出力する手段と、前記所定の動作の終了後に、前記表示装置に表示されている信号データの入力選択状態を調査する手段と、前記入力選択状態の調査結果により、前記表示装置に表示されている信号データが当該記録再生装置からの入力であると判定された場合に、前記表示装置に対して、当該記録再生装置で設定されている前記放送波のチャンネルを設定して前記入力選択状態を放送波に切り替えるように指示を出す手段と、前記表示装置の前記入力選択状態が前記指示されたチャンネルの放送波に切り替わったことを確認する手段と、前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、当該記録再生装置を第1のスタンバイ状態になるように制御する手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、放送波を受信可能な表示装置に接続され、該表示装置で再生される信号データが記録媒体に記録され且つ前記表示装置とは独立して放送波を受信可能な記録再生装置の制御方法であって、前記信号データの記録再生に関する所定の動作の終了を検出する工程と、当該記録再生装置で設定されている放送波のチャンネルを前記表示装置へ出力する工程と、前記所定の動作の終了後に、前記表示装置に表示されている信号データの入力選択状態を調査する工程と、前記入力選択状態の調査結果により、前記表示装置に表示されている信号データが当該記録再生装置からの入力であると判定された場合に、前記表示装置に対して、当該記録再生装置で設定されている前記放送波のチャンネルを設定して前記入力選択状態を放送波に切り替えるように指示を出す工程と、前記表示装置の前記入力選択状態が前記指示されたチャンネルの放送波に切り替わったことを確認する工程と、前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、当該記録再生装置を第1のスタンバイ状態になるように制御する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、視聴している放送波が一旦途切れるなどの不快感を視聴者に与えずに記録再生装置の電源を自動的に停止して、電力の無駄な消費を防ぐことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
<第1の実施の形態に係る構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置及び表示装置を示す機能ブロック図である。
【0013】
本実施の形態の記録再生装置1は、テレビジョンなどの表示装置14に接続され、該表示装置14で再生される映像などの信号データがHDD等の記録媒体(後述する)に記録されている。さらに、記録再生装置1は、前記表示装置14とは独立して放送波を受信可能な構成である。以下、具体的に説明する。
【0014】
図1に示すように、記録再生装置1及び表示装置14はそれぞれ、テレビアンテナ13からテレビ放送電波を受信することが可能である。記録再生装置1は、制御部2、チャンネル設定部3、放送受信部4、記録部5、再生部6、電源制御部7、電源8、映像選択部9、映像出力部10、外部通信部11、及び外部命令受信部12を備えている。
【0015】
制御部2は、チャンネル設定部3、記録部5、再生部6、電源制御部7、映像選択部9、外部通信部11、及び外部命令受信部12と接続して、制御や通信を行う。チャンネル設定部3は、制御部2から設定されたチャンネルを周波数値に変換し、放送受信部4にセットする。放送受信部4は、テレビアンテナ13より流れてくるRF信号から、チャンネル設定部4でセットされた周波数のRF信号を受信する。デジタル放送であれば受信したRF信号をTS(transport stream)信号に変換し、さらにTS信号をMPEG2信号に変換する。そして、MPEG2信号をYCbCr、RGB信号等の映像信号に変換して映像選択部9、及び記録部5へ送る。なお、信号を記録部5に送る際にはTS信号を映像信号として送信してもよい。
【0016】
記録部5は、制御部2からの記録命令を受けて、放送受信部4から送信された映像信号を記録部5内の記録媒体に記録する。再生部6では、制御部2からの命令を受けて、記録部5で記録された映像信号、及びDVDで記録された市販の映像信号を再生し、映像選択部9へ送信する。なお、本実施の形態では、メディアはDVDとしたが、ブルーレイディスク、HD−DVD、VHS、SDカードなど、映像信号を保存して再生できるメディアであれば、これに限定するものではない。
【0017】
電源制御部7では、制御部2からの命令を受けて、電源8の制御を行う。電源8は、記録再生装置1の各ブロックに電源を供給し、電源制御部7の制御を受けて各ブロックへの電源供給のON/OFFを行う。映像選択部9は制御部2の制御を受けて、放送受信部4から出力された映像信号と再生部6から出力された映像信号を選択して出力する。
【0018】
映像出力部10は、映像選択部9からの入力映像を外部へ出力するフォーマットに変換して出力する。本実施の形態では、表示装置14の映像入力部18に接続する。なお、出力する映像信号はデジタル、アナログ、どちらに限定するものではない。
【0019】
外部通信部11では、表示装置14の表示装置外部通信部19と接続されており、制御部2と表示装置制御部21の情報を相互通信する。なお、通信手段としては、IEEE1394、HDMIの制御信号等で行うが、通信できる手段があれば、これに限定するものではない。
【0020】
外部命令受信部12は、外部、すなわち視聴者の命令を受信し制御部2に伝達する。本発明の実施の形態では特別に記載していないが、外部命令受信部のインターフェイスは、スイッチ、或いはリモコンの受信部等で構成される。
【0021】
一方、表示装置14は、表示装置映像選択部15、表示装置放送受信部16、表示装置チャンネル設定部17、映像入力部18、表示装置外部通信部19、表示部20、表示装置制御部21、及び表示装置外部命令受信部22を備えている。
【0022】
表示装置14の表示装置映像選択部15、表示装置放送受信部16、及び表示装置チャンネル設定部17はそれぞれ、記録再生装置1の映像選択部9、放送受信部4、及びチャンネル設定部3と同じ機能である。また、表示装置14の表示装置外部通信部19及び表示装置外部命令受信部22は、記録再生装置1の外部通信部11及び外部命令受信部12と同じ機能である。
【0023】
表示装置14の映像入力部18は、記録再生装置1の映像出力部10からの映像信号を受けて、表示装置映像選択部15に出力する。表示部20は、表示装置映像選択部15からの映像信号を受けて表示する。表示部20のデバイスは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイなど、表示装置デバイスとして使用できるものであればよい。
【0024】
表示装置制御部21は、表示装置映像選択部15、表示装置外部通信部19、表示装置チャンネル設定部17、表示装置映像選択部15、及び表示装置外部命令受信部22と接続され、表示装置14の制御や外部との通信を行う。
【0025】
<第1の実施の形態に係る動作>
次に、第1の実施の形態に係る動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。図2は、第1の実施の形態における記録再生装置1の制御を示すフローチャートである。
【0026】
まずS201では、外部命令受信部12が視聴者から再生動作の停止命令を受信すると、制御部2は、再生部6に停止命令を送る。或いは記録された画像が最後まで再生された時に、再生部6は再生を停止し、この停止したことを制御部2に送信する。このように、S201の処理が行われると、制御部2の処理はS202へ進む。
【0027】
S202において、記録再生装置1の制御部2は、再生停止後、再生前に設定されていたチャンネルの放送波を表示装置112へ出力する。このS202を実行するため、制御部2は、映像選択部9に対して、放送受信部4で受信した映像を選択して映像出力部10へ転送するように指示する。
【0028】
次のS203では、表示装置14に表示されている映像信号の入力選択状態(以下、映像入力選択状態と記す)を調べる。この映像入力選択状態とは、表示装置14において、現在、表示装置放送受信部16を通して放送波で映像を表示しているのか、或いは記録再生装置1などの外部入力で映像を表示しているのか、また外部入力であればどの外部入力を選択して表示しているのか示す。S203を実行するため、制御部2は、外部通信部11及び表示装置14の表示装置外部通信部19を介して表示装置制御部21と通信して、表示装置14の現在の映像入力選択状態を調査する。
【0029】
S204では、S203で確認した表示装置14の映像入力選択状態の調査結果で、表示装置14が前記S202で記録再生装置1から出力した映像を選択しているか否かを判断する。その結果、YESであればS205へ進み、NOであればS208へ進む。このS204でNOの場合とは、視聴者が表示装置14で受信した放送波、或いは記録再生装置1とは別の外部入力の映像を視聴していることを示している。この場合には、S208において、省エネルギーの観点からすぐに記録再生装置1を第1のスタンバイ状態にする。
【0030】
上記S204の処理を実行するために、制御部2は、表示装置14が記録再生装置1から出力した映像を選択しているか否かを判断する。また、S208で記録再生装置1を第1のスタンバイ状態にするには、まず制御部2から電源制御部7へ第1のスタンバイ状態なるように命令を送信する。次に電源制御部7は電源8に対して、制御部2、電源制御部7、外部通信部11、及び外部命令受信部12を除く各ブロックへの電源供給をストップすように指示を出す。そして、電源8は指示されたとおり各ブロックへの電源の供給をストップすることで、記録再生装置1が第1のスタンバイ状態となる。
【0031】
S205は、S204でYESの場合に実行される。つまり、表示装置14が記録再生装置1から出力した映像を選択している場合には、視聴者は記録再生装置1で受信した放送波を表示装置14で視聴している可能性が高いと考えられる。そこでS205では、表示装置14に対して、記録再生装置1で設定されている放送波のチャンネルを知らせる。さらに、表示装置14に対して、現在の外部入力の映像入力選択状態、つまり記録再生装置1の映像入力から、前記知らせたチャンネルの放送波を受信する映像入力へと映像入力選択状態を切り替えるように指示する。この制御は、制御部2から、外部通信部11と表示装置14の表示装置外部通信部19を介して、表示装置14の表示装置制御部21に情報を送信することで実行される。
【0032】
S206では、S205で記録再生装置1から指示したチャンネルに切り替わったどうかを調べるために、表示装置14側の映像入力選択状態を調べる。次のS207では、S206で調べた表示装置14の映像入力選択状態が、記録再生装置1からの映像入力以外の選択になっているか否かを判断する。そして、記録再生装置1からの映像入力以外の映像が入力されている場合(YESの場合)、S208へフローを遷移させて、記録再生装置1を第1のスタンバイ状態にする。
【0033】
一方、記録再生装置1からの映像入力が表示されている場合(NOの場合)、S206へフローを戻して、記録再生装置1からの映像入力以外の映像が出力されるまで、S206とS207のステップを繰り返す。このステップは制御部2で判断を行う。
【0034】
<第1の実施の形態に係る利点>
例えば、視聴者が記録再生装置1において再生動作の停止などの所定の動作を終了した後に、表示装置14が記録再生装置1の入力を選択して映像を表示しているときは、視聴者は記録再生装置1で受信した放送波を視聴していると判断し、次のような処理を行う。即ち、記録再生装置1で設定されている放送波のチャンネルを、放送波を受信可能な表示装置14にセットし、該表示装置14の映像入力を放送波に切り替える。この切り替え後に記録再生装置1をスタンバイ状態にする。
【0035】
これにより、視聴者が記録再生装置1で所定の再生動作を終了した後に、この記録再生装置1で受信した放送波を表示装置14で視聴し続けている場合に、次のような利点がある。即ち、視聴している放送波が一旦途切れることもなく、放送波の受信機器が、動作を終了した記録再生装置1から表示装置14に自動的に切り替わり、視聴者に対して不快感を与えることなく、記録再生装置1の電力の無駄な消費を抑えることができる。
【0036】
なお、表示装置14の映像入力を放送波に切り替えるタイミングについては、コマーシャルや、シーンチェンジなどを検出してから切り替えるようにしてもよい。このようにすれば、よりスムーズに映像の切り替えを行うことができる。
【0037】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0038】
<第2の実施の形態に係る構成>
図3は、本発明の第2の実施の形態における記録再生装置の機能ブロック図である。
【0039】
第2の実施の形態に係る記録再生装置101の構成は、第1の実施の形態と同じである。構成が異なるのは、第1の実施の形態の表示装置14にOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)部23を備えて、第2の実施の形態に係る表示装置102を構成した点である。
【0040】
OSD部23は、表示装置制御部21と接続されており、表示装置制御部21の指示を受けて、キャラクター等の文字を所定のタイミングで表示装置映像選択部15に出力する。OSD部23以外のブロックは、第1の実施の形態と同じである。
【0041】
<第2の実施の形態に係る動作>
次に、第2の実施の形態に係る動作について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、第2の実施の形態における記録再生装置101の制御を示すフローチャートである。
【0042】
まずS301では、制御部2が記録再生装置101の所定の動作の終了を検出する。第2の実施の形態における所定の動作の終了とは、第1の実施の形態と同様の再生停止のほか、録画予約の終了など、放送波を映像出力部10から出力する動作に切り替わる前の動作の終了を所定の動作の終了とする。制御部2が所定の動作の終了を検出すると、S302へ処理を遷移させる。
【0043】
S302からS307までの処理は、第1の実施の形態で説明したS202からS207とそれぞれ対応するので説明は割愛する。
【0044】
表示装置102の映像入力選択状態が、記録再生装置101からの映像入力以外の選択になっていると判断された場合、つまり、ステップS307において、指定したチャンネルに切り替わっていると判断された場合には、制御部2はS308の処理を実行する。
【0045】
S308では、記録再生装置101を第2のスタンバイ状態にする。S308の実行は、まず制御部2が電源制御部7に対し第2のスタンバイ状態になるよう指示する。そして、電源制御部7は電源8へ所定のブロックへの電源供給を選択してストップするよう指示することで、記録再生装置101を第2のスタンバイ状態にする。本例では、制御部2、電源制御部7、外部通信部11、外部命令受信部12、記録部5、及び再生部6以外のブロックに対し電源供給をストップする。
【0046】
なお、第2のスタンバイ状態とは、視聴者が電源ON等の動作をさせたい時に、第1のスタンバイ状態に比べて時間的に早く動作開始できる状態を示しており、この条件を満たすのであれば、電源供給をストップするブロックは上記に限るものではない。
【0047】
S309では、記録再生装置101が第2のスタンバイ状態へ移行した後は、第2のスタンバイ状態へ記録再生装置101が移行したことを視聴者に知らせる。そのために、記録再生装置101側から、表示装置102のOSD機能を用いて、記録再生装置101が第2のスタンバイ状態になったことを知らせるように指示する。このS309は、制御部2が、表示装置制御部21へ外部通信部11及び表示装置102の表示装置外部通信部19を介して指示を出す。表示装置制御部21は、OSD部23に対して一定時間、記録再生装置101がスタンバイ状態になったことを表示するための処理を行うように指示する。これと同時に、表示装置制御部21は、表示装置映像選択部15に対して一定時間、OSD部23から出力された文字を、所定のタイミングで映像と合成し或いは選択して出力するように指示する。
【0048】
次のS310では、S309でスタンバイ通知後一定時間内に視聴者から電源ONなどの指示、つまり記録再生装置101に動作を促す要求があったか否かを判定し、指示があった場合(YES)には、S316へ移行する。S316では、表示装置102に、記録再生装置101が接続されている外部入力を選択して出力するよう、映像入力選択状態の切り替えを指示する。この制御は、電源ONの指示を外部命令受信部12で受信してその命令を制御部2が受ける。制御部2は、電源制御部7へ全てのブロックを電源ONにするよう指示する。全てのブロックが起動した後、制御部2は、表示装置制御部21に外部通信部11及び表示装置外部通信部19を介して映像入力選択状態の切り替えを指示する。
【0049】
一方、S310の判定で、電源ONの指示があった場合には、制御部2は、S311へ処理を移行する。S311では、視聴者から電源OFFの指示があったか否かを判定し、電源OFFの指示があった場合(YES)には、制御部2は、S314に移行して記録再生装置101を第1のスタンバイ状態にする。指示がない場合(NOの場合)はS312へ移行する。
【0050】
記録再生装置101を第1のスタンバイ状態にする場合は、制御部2から電源制御部7へ第1のスタンバイ状態へなるよう指示を行い、電源制御部7は電源8へ所定のブロックへの電源供給をストップするよう指示を行う。
【0051】
S312では、視聴者から電源ONの指示がなく一定時間経過するのを待ち、その後、制御部2は、処理をS313へ移行する。S312では、制御部2は、一定時間のカウントし、カウンタの値が予め設定されている値より小さければ、S311に処理を戻し、設定されている値をカウンタの値が超えれば、S313へ移行する。
【0052】
S313で視聴者から電源ONの指示があった場合(YESの場合)は、制御部2は、第2のスタンバイ状態から復帰させて、S316へ移行する。S313で視聴者から電源ONの指示が無かった場合(NOの場合)は、S314へ移行して第1のスタンバイ状態へ遷移後、処理は終了する(S315)。
【0053】
<本実施の形態に係る利点>
第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の利点を得ることができる。さらに、記録再生装置101が第2のスタンバイ状態になった後、記録再生装置101側から、表示装置102のOSD機能を用いて、視聴者に対して第2のスタンバイ状態になったことを知らせるようにしたので、次のような利点を得ることができる。即ち、視聴者が記録再生装置101が第2のスタンバイ状態へ移行したことを確認することができ、記録再生装置101を再度視聴したいときに、すぐに起動状態に復帰することができる。逆に記録再生装置101を第1のスタンバイ状態にするための動作を視聴者に対し促すこともできる。
【0054】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0055】
<第3の実施の形態に係る構成>
図6は、本発明の第3の実施の形態における記録再生装置の機能ブロック図である。
【0056】
本実施の形態における記録再生装置111の構成は、第2の実施の形態の記録再生装置101に番組予約制御部24を追加した構成であり、表示装置112は第2の実施の形態の表示装置102と同じ構成である。
【0057】
番組予約制御部24は、視聴者の番組録画予約の指示を受けて、番組録画予約時間、予約チャンネル、及び予約録画の実行を管理する。また、映像選択部9に対し、視聴者が予約をする際に予約画面を出力する。
【0058】
次に、第3の実施の形態に係る動作について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、第3の実施の形態における記録再生装置111の制御を示すフローチャートである。
【0059】
S401からS409までの処理は、前述した第2の実施の形態のS301からS309までの処理とそれぞれ対応するので説明は割愛する。
【0060】
制御部2は、第2のスタンバイ状態を表示装置112のOSD部23の機能を用いて視聴者に知らせた後(S409)、S410において視聴者が番組予約の指示したか否かを判定する。視聴者が番組予約の指示した場合(YESの場合)、S411へ移行し、表示装置112に対して、記録再生装置111が接続されている外部入力を選択するように映像入力選択状態の切り替えを指示する。この制御は、制御部2が外部命令受信部12を経由して番組予約の指示を受け、番組予約制御部24へ指示を転送する。制御部2は、映像選択部9に番組予約制御部24からの番組予約画面を選択して出力するよう指示する。番組予約制御部24は番組予約画面を出力する。また制御部2は、番組予約画面を表示装置112に表示させるために、表示装置制御部21に対して、外部通信部11及び表示装置外部通信部19を介して、記録再生装置111が接続されている外部入力を選択するように映像入力選択状態の切り替えを指示する。
【0061】
S412は番組予約の実行のステップである。このS412は番組予約制御部24が、外部命令受信部12から制御部2を介して受信した視聴者の指示どおり番組の録画予約を行う。
【0062】
S413では、番組予約制御部24が、番組予約終了後に、視聴者に対し、放送波を視聴するかどうかを問い合わせる画面表示を行う。S414では、この画面表示において、視聴者が放送波を視聴するか否かを判定する。視聴者が放送波を視聴する(YES)を選択した場合、S415へ進んで、S205と同様に、現在の記録再生装置111で設定されている放送波のチャンネルを設定する。視聴者が放送波を視聴しないを選択(NOを選択)した場合、S416へ移行し、記録再生装置111を第1のスタンバイ状態にする。
【0063】
上記S414の処理は、視聴者の選択結果を、番組予約制御部24から制御部2へ転送し、制御部2は視聴者の選択結果を受ける。そして、YESの場合は表示装置112と通信して、表示装置112に、記録再生装置111が接続されている外部入力を選択して出力されるよう、映像入力選択状態の切り替えを指示する。NOの場合は、記録再生装置111を第1のスタンバイ状態にするために、電源制御部7へ指示する。電源制御部7は第1の実施の形態と同様に電源8に対して、制御部2、電源制御部7、外部通信部11、及び外部命令受信部12を除く各ブロックへの電源供給をストップするように指示を出す。そして、電源8は指示されたとおり各ブロックへの電源の供給をストップして、記録再生装置1は第1のスタンバイ状態となる。第1のスタンバイ状態へ遷移後、記録再生装置111の処理は終了する(S417)。
【0064】
<第3の実施の形態に係る利点>
第3の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の利点を得ることができる。さらに、記録再生装置111が第2のスタンバイ状態になった後、視聴者が第2のスタンバイ状態に気づいて急いで番組予約を実行しようとしても、すぐに動作・対応することができる。また、番組予約後、視聴者の手を煩わすことなく、スムーズに放送波に移行しつつ電源を自動的に第1のスタンバイ状態に遷移させることができるので、所定の動作停止後、無駄に電力を消費することを防ぐ事ができる。
【0065】
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0066】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0067】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0068】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0069】
更に、前述した実施の形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施の形態に係る記録再生装置及び表示装置を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における記録再生装置の制御を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態における記録再生装置の機能ブロック図である。
【図4】第2の実施の形態における記録再生装置の制御を示すフローチャートである。
【図5】図4の続きのフローチャートである。
【図6】第3の実施の形態における記録再生装置の機能ブロック図である。
【図7】第3の実施の形態における記録再生装置の制御を示すフローチャートである。
【図8】図7の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1,101,111記録再生装置
2 制御部
3 チャンネル設定部
4 放送受信部
5 記録部
6 再生部
7 電源制御部
8 電源
9 映像選択部
10 映像出力部
11 外部通信部
12 外部命令受信部
13 テレビアンテナ
14 102,112 表示装置
15 表示装置映像選択部
16 表示装置放送受信部
17 表示装置チャンネル設定部
18 映像入力部
19 表示装置外部通信部
20 表示部
21 表示装置制御部
22 表示装置外部命令受信部
23 OSD部
24 番組予約制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を受信可能な表示装置に接続され、該表示装置で再生される信号データが記録媒体に記録され且つ前記表示装置とは独立して放送波を受信可能な記録再生装置において、
前記信号データの記録再生に関する所定の動作の終了を検出する手段と、
当該記録再生装置で設定されている放送波のチャンネルを前記表示装置へ出力する手段と、
前記所定の動作の終了後に、前記表示装置に表示されている信号データの入力選択状態を調査する手段と、
前記入力選択状態の調査結果により、前記表示装置に表示されている信号データが当該記録再生装置からの入力であると判定された場合に、前記表示装置に対して、当該記録再生装置で設定されている前記放送波のチャンネルを設定して前記入力選択状態を放送波に切り替えるように指示を出す手段と、
前記表示装置の前記入力選択状態が前記指示されたチャンネルの放送波に切り替わったことを確認する手段と、
前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、当該記録再生装置を第1のスタンバイ状態になるように制御する手段とを備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、前記第1のスタンバイ状態になるように制御する前に第2のスタンバイ状態になるように制御する手段と、
当該記録再生装置が前記第2のスタンバイ状態に移行したことを前記表示装置に伝えて表示させる手段と、
外部から前記記録再生装置に動作を促す要求があったときに前記第2のスタンバイ状態から起動状態に復帰させる手段と、
前記起動状態に復帰した後、前記表示装置に対して、当該記録再生装置からの信号データに入力選択状態を切り替えるように指示を出す手段と、
前記第2のスタンバイ状態に遷移後の一定時間、外部から当該記録再生装置に動作を促す要求がない場合には当該記録再生装置を前記第1のスタンバイ状態に制御する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、前記第1のスタンバイ状態になるように制御する前に前記第2のスタンバイ状態になるように制御する手段と、
当該記録再生装置が前記第2のスタンバイ状態に移行したことを前記表示装置に伝えて表示させる手段と、
外部から番組予約の要求があった場合に当該記録再生装置を第2のスタンバイ状態から起動状態に復帰させる手段と、
前記第2のスタンバイ状態から起動状態に復帰した後、前記表示装置に対して前記入力選択状態を当該記録再生装置からの外部入力に切り替えるように指示を出す手段と、
番組予約を実行する手段と、
前記番組予約後、前記表示装置に対して、当該記録再生装置で設定されているチャンネルの放送波の番組を視聴するかどうかを確認する信号データを出力する手段と、
当該記録再生装置で設定されているチャンネルの放送波の番組を視聴することを選択した場合に、当該チャンネルを前記表示装置に設定して前記表示装置の前記入力選択状態を切り替えさせた後、第1のスタンバイ状態になるように制御する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記第2のスタンバイ状態は、前記第1のスタンバイ状態に比べて装置の起動を開始するまでの時間が短いことを特徴とする請求項2または3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
放送波を受信可能な表示装置に接続され、該表示装置で再生される信号データが記録媒体に記録され且つ前記表示装置とは独立して放送波を受信可能な記録再生装置の制御方法であって、
前記信号データの記録再生に関する所定の動作の終了を検出する工程と、
当該記録再生装置で設定されている放送波のチャンネルを前記表示装置へ出力する工程と、
前記所定の動作の終了後に、前記表示装置に表示されている信号データの入力選択状態を調査する工程と、
前記入力選択状態の調査結果により、前記表示装置に表示されている信号データが当該記録再生装置からの入力であると判定された場合に、前記表示装置に対して、当該記録再生装置で設定されている前記放送波のチャンネルを設定して前記入力選択状態を放送波に切り替えるように指示を出す工程と、
前記表示装置の前記入力選択状態が前記指示されたチャンネルの放送波に切り替わったことを確認する工程と、
前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、当該記録再生装置を第1のスタンバイ状態になるように制御する工程とを有することを特徴とする記録再生装置の制御方法。
【請求項6】
前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、前記第1のスタンバイ状態になるように制御する前に第2のスタンバイ状態になるように制御する工程と、
当該記録再生装置が前記第2のスタンバイ状態に移行したことを前記表示装置に伝えて表示させる工程と、
外部から前記記録再生装置に動作を促す要求があったときに前記第2のスタンバイ状態から起動状態に復帰させる工程と、
前記起動状態に復帰した後、前記表示装置に対して、当該記録再生装置からの信号データに入力選択状態を切り替えるように指示を出す工程と、
前記第2のスタンバイ状態に遷移後の一定時間、外部から当該記録再生装置に動作を促す要求がない場合には当該記録再生装置を前記第1のスタンバイ状態に制御する工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の記録再生装置の制御方法。
【請求項7】
前記表示装置の前記入力選択状態が前記チャンネルの放送波に切り替わったことを確認した後、前記第1のスタンバイ状態になるように制御する前に前記第2のスタンバイ状態になるように制御する工程と、
当該記録再生装置が前記第2のスタンバイ状態に移行したことを前記表示装置に伝えて表示させる工程と、
外部から番組予約の要求があった場合に当該記録再生装置を第2のスタンバイ状態から起動状態に復帰させる工程と、
前記第2のスタンバイ状態から起動状態に復帰した後、前記表示装置に対して前記入力選択状態を当該記録再生装置からの外部入力に切り替えるように指示を出す工程と、
番組予約を実行する工程と、
前記番組予約後、前記表示装置に対して、当該記録再生装置で設定されているチャンネルの放送波の番組を視聴するかどうかを確認する信号データを出力する工程と、
当該記録再生装置で設定されているチャンネルの放送波の番組を視聴することを選択した場合に、当該チャンネルを前記表示装置に設定して前記表示装置の前記入力選択状態を切り替えさせた後、第1のスタンバイ状態になるように制御する工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の記録再生装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−15660(P2010−15660A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176891(P2008−176891)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】