記録方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置
【課題】再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することを可能とする。
【解決手段】光ディスクの排出要求があると、データ領域がAVデータ領域とPCデータ領域とに分割されており(ステップ403)、かつAVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが予め設定されている閾値以上であれば(ステップ405)、AVデータ領域に記録されているAVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データが記録される(ステップ407)。これにより、リードアウト属性データの後方に未記録部が残っていても、DVD−ROMドライブ装置を用いて、AVデータ領域に記録されている情報を正しく再生することができる。すなわち、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【解決手段】光ディスクの排出要求があると、データ領域がAVデータ領域とPCデータ領域とに分割されており(ステップ403)、かつAVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが予め設定されている閾値以上であれば(ステップ405)、AVデータ領域に記録されているAVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データが記録される(ステップ407)。これにより、リードアウト属性データの後方に未記録部が残っていても、DVD−ROMドライブ装置を用いて、AVデータ領域に記録されている情報を正しく再生することができる。すなわち、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置に係り、更に詳しくは、情報を光ディスクに記録する記録方法及び情報記録装置、情報記録装置で用いられるプログラム及び該プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略述する)は、その機能向上及び低価格化に伴い、文書作成、表計算、及びデータベースによるデータ管理などに広く用いられるようになった。そして、パソコンで作成したデータ、及びパソコンで用いられるデータなど(以下「PCデータ」ともいう)を記録するための情報記録媒体としてCD(compact disc)や、CDの約7倍相当のデータをCDと同じ直径のディスクに記録可能としたDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、光ディスクに情報を記録するための情報記録装置の一つとして光ディスク装置が普及するようになった。
【0003】
記録可能なDVDとしては、DVD+R、DVD+RW、DVD−R、DVD−RW、及びDVD−RAMなどが市販されている。
【0004】
また、デジタル技術の進歩及びデータ圧縮技術の向上に伴い、ビデオデータ(以下「AVデータ」ともいう)が光ディスクに記録されるようになってきた。
【0005】
近年、ユーザの利便性を考慮して、同一ディスクにAVデータとPCデータとを混在させて記録することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、AVデータとPCデータとの混在が可能な光ディスクの規格化も精力的に行われている。これによれば、光ディスクの内周部にAVデータが記録される領域(以下「AVデータ領域」という)が設けられ、外周部にPCデータが記録される領域(以下「PCデータ領域」という)が設けられている。そして、例えばAVデータとPCデータとが混在して記録された光ディスクは、AVデータの再生が可能な再生環境(例えばDVDプレイヤ)にセットされた場合にはAVデータの再生が可能であり、パソコンに接続された光ディスク装置にセットされた場合にはAVデータ及びPCデータの再生がいずれも可能である。
【0006】
ところで、再生専用のDVD−ROMとの互換性を確保するには、リードインとリードアウトの間に未記録部が存在しないようにする必要がある。そこで、DVD−ROMとの互換性が要求される場合には、AVデータとPCデータとを含むユーザデータの記録が完了し、ディスクの排出要求があると、排出前にAVデータとPCデータとの間の未記録部にダミーデータを記録する必要がある。そして、この場合に、AVデータのデータ量が少なくて、AVデータとPCデータとの間の未記録部の大きさが大きいときには、ユーザが排出要求をしてから実際に排出されるまでに長い時間を要するがおそれがある。
【0007】
なお、情報記録媒体に記録されているユーザデータにダミーデータを付加し、互換性を確保する方法等が提案されている(特許文献2参照)が、この方法等では、AVデータとPCデータとの間の未記録部の大きさが大きいときに、ユーザが排出要求をしてから実際に排出されるまでの時間を短縮することは困難である。
【0008】
【特許文献1】特開2002−117629号公報
【特許文献2】特開2003−317399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することを可能とする記録方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することを可能とするプログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することができる情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、光ディスクの記録面に情報記録装置を用いて情報を記録する記録方法であって、前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろに、リードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する工程を含む記録方法である。
【0013】
なお、本明細書では、「リードアウトの属性を有するデータ」は、その内容がリードアウト情報に特定されるものではなく、データ属性がリードアウトとされるダミーデータなども含む。
【0014】
これによれば、記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろに、リードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータが記録される。この場合には、リードアウトの属性を有するデータの後方に未記録部が残っていても、再生専用の光ディスクを再生するためのドライブ装置を用いて、未記録部の前方に記録されている情報を正しく再生することができる。従って、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0015】
この場合において、請求項2に記載の記録方法の如く、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記情報記録装置からの前記光ディスクの排出要求があるか否かを判断する工程を更に含み、前記判断の結果、前記光ディスクの排出要求がある場合に、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程を実施することとすることができる。
【0016】
上記請求項1に記載の記録方法において、請求項3に記載の記録方法の如く、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、前記判断の結果、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記記録する工程を実施することとすることができる。
【0017】
上記請求項1〜3に記載の各記録方法において、請求項4に記載の記録方法の如く、前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むこととすることができる。
【0018】
上記請求項1〜4に記載の各記録方法において、請求項5に記載の記録方法の如く、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を更に含むこととすることができる。
【0019】
なお、本明細書では、「リードインの属性を有するデータ」は、その内容がリードイン情報に特定されるものではなく、データ属性がリードインとされるダミーデータなども含む。
【0020】
この場合において、請求項6に記載の記録方法の如く、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程に先立って、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、前記判断の結果、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を実施することとすることができる。
【0021】
上記請求項5及び6に記載の各記録方法において、請求項7に記載の記録方法の如く、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むこととすることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置に用いられるプログラムであって、前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、該未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0023】
これによれば、本発明のプログラムが所定のメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、情報記録装置の制御用コンピュータは、記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、該未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する。すなわち、本発明のプログラムによれば、情報記録装置の制御用コンピュータに請求項1に記載の発明に係る記録方法を実行させることができ、これにより、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0024】
この場合において、請求項9に記載のプログラムの如く、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることとすることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
これによれば、請求項8又は9に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置であって、光ピックアップ装置と;前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記光ピックアップ装置を介して、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する処理装置と;を備える情報記録装置である。
【0028】
これによれば、処理装置により、記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、光ピックアップ装置を介して、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータが記録される。この場合には、リードアウトの属性を有するデータの後方に未記録部が残っていても、再生専用の光ディスクを再生するためのドライブ装置を用いて、未記録部の前方に記録されているユーザデータを正しく再生することができる。従って、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0029】
この場合において、請求項12に記載の情報記録装置の如く、前記光ディスクの排出要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することとすることができる。
【0030】
上記請求項11に記載の情報記録装置において、請求項13に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することとすることができる。
【0031】
上記請求項11〜13に記載の各情報記録装置において、請求項14に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、更に、前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することとすることができる。
【0032】
上記請求項11〜14に記載の各情報記録装置において、請求項15に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することとすることができる。
【0033】
この場合において、請求項16に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することとすることができる。
【0034】
上記請求項15及び16に記載の各情報記録装置において、請求項17に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12(C)に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0036】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、該光ピックアップ装置23をスレッジ方向に駆動するためのシークモータ21、レーザ制御回路24、エンコーダ25、駆動制御回路26、再生信号処理回路28、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0037】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15の記録面にレーザ光を集光するとともに、その記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23は、光ディスク15に対応した波長のレーザ光を出射する半導体レーザ、前記半導体レーザから出射された光束を光ディスク15の記録面に集光する対物レンズ、前記記録面で反射された戻り光束を受光する受光器、及び前記対物レンズを駆動するための駆動系(フォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータ)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。前記受光器は複数の受光素子(又は受光領域)を有し、各受光素子(又は受光領域)での受光量に応じた信号(光電変換信号)を再生信号処理回路28に出力する。
【0038】
前記再生信号処理回路28は、前記受光器の出力信号(複数の光電変換信号)に基づいて、従来と同様にして、サーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)、アドレス情報、同期信号、及びRF信号などを取得する。ここで得られたサーボ信号は前記駆動制御回路26に出力され、アドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25や駆動制御回路26などに出力される。また、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとして前記バッファマネージャ37を介して前記バッファRAM34に格納する。
【0039】
前記駆動制御回路26は、再生信号処理回路28からのトラックエラー信号に基づいて、トラッキング方向に関する対物レンズの位置ずれを補正するための前記トラッキングアクチュエータの駆動信号を生成する。また、駆動制御回路26は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号に基づいて、対物レンズのフォーカスずれを補正するための前記フォーカシングアクチュエータの駆動信号を生成する。ここで生成された各アクチュエータの駆動信号は光ピックアップ装置23に出力される。これにより、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。さらに、駆動制御回路26は、CPU40の指示に基づいて、シークモータ21を駆動するための駆動信号、及びスピンドルモータ22を駆動するための駆動信号を生成する。各モータの駆動信号は、それぞれシークモータ21及びスピンドルモータ22に出力される。
【0040】
前記バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、前記バッファマネージャ37によって管理されている。
【0041】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24に出力される。
【0042】
前記レーザ制御回路24は、前記半導体レーザの発光パワーを制御する。例えば記録の際には、前記書き込み信号、記録条件及び半導体レーザの発光特性などに基づいて、半導体レーザの駆動信号がレーザ制御回路24にて生成される。
【0043】
前記インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
【0044】
前記フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された本発明に係るプログラムを含む各種プログラム、記録パワーや記録ストラテジ情報を含む記録条件、及び半導体レーザの発光特性などが格納されている。
【0045】
前記CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
【0046】
次に、本実施形態で用いられる前記光ディスク15について説明する。この光ディスク15は、現在市販されているDVD+RWと同等の物理的性質を有し、基本的にはDVD+RWの規格(例えばECMA−337参照)に準拠している。従って、光ディスク15の情報領域(Information Zone)は、一例として図2(A)に示されるように、ディスクの内周側から外周側に向かって、すなわち、アドレスが増加する方向に向かって、3つの領域(リードイン領域(Lead-in Zone)、データ領域(Data Zone)、及びリードアウト領域(Lead-out Zone))に分けられている。
【0047】
前記リードイン領域は、図3に示されるように、12のゾーンから構成されている。すなわち、イニシャル・ゾーン(Initial Zone)、インナ・ディスク・テスト・ゾーン(Inner Disc Test Zone)、インナ・ドライブ・テスト・ゾーン(Inner Drive Test Zone)、ガード・ゾーン1(Guard Zone 1)、リザーブド・ゾーン1(Reserved Zone 1)、リザーブド・ゾーン2(Reserved Zone 2)、インナ・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーン(Inner Disc Identification Zone)、リザーブド・ゾーン3(Reserved Zone 3)、リファレンス・コード・ゾーン(Reference Code Zone)、バッファ・ゾーン1(Buffer Zone 1)、コントロール・データ・ゾーン(Control Data Zone)、バッファ・ゾーン2(Buffer Zone 2)である。このリードイン領域は、01D830h〜02FFFFhの75728セクタ(4733ECCブロック)の大きさの領域である。なお、DVD+Rの規格(例えばECMA−349参照)では、ガード・ゾーン1からバッファ・ゾーン2までの領域(02A480h〜02FFFFh)をリードイン領域と呼んでいる。
【0048】
上記インナ・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーンは、16ECCブロック(256セクタ)からなる領域であり、この領域にはディスク・コントロール・ブロック(Disc Control Block、以下「DCB」という)の一種であるフォーマッティング・ディスク・コントロール・ブロック(Formatting Disc Control Block、以下「FDCB」という)が記録される。また、上記コントロール・データ・ゾーンには、データ領域の先頭アドレス及び終了アドレスなどが記録される。
【0049】
上記FDCBは、図4に示されるように16セクタの情報であり、その最初のセクタは、4バイトのコンテントディスクリプタ(Content Descriptor)、4バイトのアンノウン・コンテントディスクリプタ・アクションズ(Unknown Content Descriptor Actions、以下「UCDA」という)、32バイトのドライブID(Drive ID)、及び2008バイトのコンテントディスクリプタ・スペシフィック(Content Descriptor Specific)から構成されている。続く9セクタは、フォーマッティング・ビットマップ(Formatting bitmap)であり、物理セクタ毎の記録状態が記録される。なお、残る6セクタは予約領域(Reserved)であり、ダミーデータとしてすべて「0」が記録される。
【0050】
上記コンテントディスクリプタには、このDCBがFDCBであることを示す情報として「FDC」のアスキーコードなどが記録される。上記UCDAには、光ディスク装置がFDCBをサポートしていない場合に禁止すべき処理に関する情報が禁止情報としてビットマップ形式で記録される。この禁止情報には、データ領域への記録に関する禁止情報、ブロックデータ情報のユーザへの通知に関する禁止情報、フォーマットに関する禁止情報、及びブロックデータの内容変更に関する禁止情報などがあり、それぞれ予め決められたビットに対応している。上記ドライブIDには、FDCBの記録に用いられた光ディスク装置を特定するための情報が記録される。
【0051】
前記コンテントディスクリプタ・スペシフィックには、図5に示されるように、順に、FDCBのアップデート回数(FDCB update count;4バイト)、フォーマットの状態及びモード(Formatting status and mode;4バイト)、最後に記録されたアドレス(Last written address;4バイト、以下「LWA」という)、最後にベリファイされたアドレス(Last verified address;4バイト)、ビットマップの先頭アドレス(Bitmap start address;4バイト)、ビットマップ長(Bitmap Length;4バイト)、ディスクID(Disc ID;32バイト)、アプリケーション・ディペンデント(Application dependent;32バイト)、AVデータ領域の先頭アドレス(Start Address in AV Area;4バイト)、AVデータ領域の終了アドレス(End Address in AV Area;4バイト)、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス(Last Lead-Out Address in AV Area;4バイト)、PCデータ領域の先頭アドレス(Start Address in PC Area;4バイト)、PCデータ領域の終了アドレス(End Address in PC Area;4バイト)、PCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス(Last Lead-Out Address in PC Area;4バイト)、及びダミーデータ(Reserved;1832バイト)が記録される。なお、DVD+RWの規格では、AVデータ領域の先頭アドレス、AVデータ領域の終了アドレス、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス、PCデータ領域の先頭アドレス、PCデータ領域の終了アドレス、及びPCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレスが、それぞれ記録される領域(D192〜D215)は、予約領域となっている。
【0052】
前記データ領域は、一例として図2(A)に示されるように、AVデータを記録するためのAVデータ領域(AV Data Area)とPCデータを記録するためのPCデータ領域(PC Data Area)とに分割されている。そして、AVデータ領域の先頭アドレスと終了アドレス、及びPCデータ領域の先頭アドレスと終了アドレスは、それぞれFDCBの上記所定領域に記録されている。ここでは、AVデータ領域はPCデータ領域よりも内周側に設けられている。なお、データ領域の分割は、光ディスク15がブランクディスクのときに、上位装置90から発行されるトラック予約コマンド(Reserved Track/Rzone Command;オペレーションコードは53h)によって、容易に行うことができる。また、AVデータ領域の終端64ECCブロックはLO領域(LO Area)であり、PCデータ領域の先頭64ECCブロックはLI領域(LI Area)である。
【0053】
前記リードアウト領域は、768セクタからなるバッファ・ゾーン3(Buffer Zone 3)、256セクタからなるアウター・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーン(Outer Disc Identification Zone)、4096セクタからなるガード・ゾーン2(Guard Zone 2)、4096セクタからなるリザーブド・ゾーン4(Reserved Zone 4)、12288セクタからなるアウタ・ドライブ・テスト・ゾーン(Outer Drive Test Zone)、2048セクタからなるアウタ・ディスク・テスト・ゾーン(Outer Disc Test Zone)、及び24400セクタからなるガード・ゾーン3(Guard Zone 3)から構成されている。すなわち、リードアウト領域は、47952セクタ(2997ECCブロック)の大きさの領域である。なお、DVD+Rの規格では、バッファ・ゾーン3とアウター・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーンとガード・ゾーン2とからなる領域(320ECCブロック)をリードアウト領域と呼んでいる。
【0054】
その後、一例として図2(B)に示されるように、上位装置90からのAVデータはAVデータ領域の先頭から順に記録され、PCデータはPCデータ領域のLI領域以降に順に記録される。
【0055】
次に、光ディスク装置20に設けられている排出ボタンが押されたとき、あるいは上位装置90から排出要求コマンドを受信したとき、すなわち光ディスク15の排出要求があったときの処理(ディスク排出処理)について図6を用いて説明する。図6のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。排出要求があると、フラッシュメモリ39に格納されている図6のフローチャートに対応するプログラム(以下「ディスク排出処理プログラム」という)の開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、ディスク排出処理がスタートする。なお、ここでは、一例として図7(A)に示されるように、AVデータ領域では、AVデータとLO領域との間に未記録部が存在し、PCデータ領域では、PCデータの後方に未記録部が存在しているものとする。
【0056】
最初のステップ401では、一例として図7(B)に示されるように、リードイン領域に通常のリードインを記録する。
【0057】
次のステップ403では、FDCBを参照し、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであるか否かを判断する。ここでは、FDCBに、AVデータ領域の先頭アドレスと終了アドレス、及びPCデータ領域の先頭アドレスと終了アドレスが記録されているので、ここでの判断は肯定され、ステップ405に移行する。
【0058】
このステップ405では、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが予め設定されている閾値以上であるか否かを判断する。未記録部の大きさが前記閾値以上であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ407に移行する。なお、ここでは、一例として、LO領域を除くAVデータ領域の容量の半分を閾値とする。但し、これに限定されないのは勿論である。
【0059】
このステップ407では、一例として図7(C)に示されるように、AVデータの直後の64ECCブロックにリードアウトの属性を有するデータ(以下「リードアウト属性データ」と略述する)を記録する。このリードアウト属性データは、DVD−ROMのドライブ装置に光ディスク15をセットしたときに、AVデータの終端を認識するためのデータである。
【0060】
次のステップ409では、一例として図7(D)に示されるように、PCデータの直前の64ECCブロック、すなわちLI領域にリードインの属性を有するデータ(以下「リードイン属性データ」と略述する)を記録する。
【0061】
次のステップ411では、一例として図7(E)に示されるように、PCデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データを記録する。
【0062】
次のステップ413では、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス、及びPCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレスをFDCBの前記所定領域に記録する。
【0063】
次のステップ421では、不図示のディスク排出系に光ディスク15の排出を指示する。そして、ディスク排出処理を終了する。ここでは、排出された光ディスク15には、一例として図7(E)に示されるように、AVデータ領域に未記録部(LO領域を含む)が残留することとなるが、AVデータはリードインとリードアウト属性データとの間にあり、そこには未記録部は存在していないので、通常のDVD−ROMドライブ装置でAVデータを正常に再生することができる。
【0064】
ところで、一例として図8(A)に示されるように、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値未満であれば、上記ステップ405における判断は否定され、ステップ415に移行する。
【0065】
このステップ415では、一例として図8(B)に示されるように、AVデータとLO領域との間の未記録部の全てにリードアウト属性データを記録する。
【0066】
次のステップ417では、一例として図8(C)に示されるように、LO領域にリードアウト属性データを記録する。そして、前記ステップ409に移行する。この場合には、一例として図8(D)に示されるように、AVデータとPCデータとの間には未記録部は存在しないこととなる。なお、AVデータはリードインとリードアウト属性データとの間にあり、そこには未記録部は存在していないので、通常のDVD−ROMドライブ装置でAVデータを正常に再生することができる。
【0067】
また、光ディスク15以外の光ディスクがセットされ、一例として図9(A)に示されるように、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットでなければ、上記ステップ403での判断は否定され、ステップ419に移行する。このステップ419では、一例として図9(B)に示されるように、ユーザデータの後に通常のリードアウトを記録する。そして、前記ステップ421に移行する。
【0068】
次に、上述の如くして排出された光ディスク15が再度光ディスク装置20にセットされ、上位装置90から未記録部にリードアウト属性データの記録を要求するコマンド(以下「リードアウト属性データ記録コマンド」という)を受信したときの処理(リードアウト属性データ記録処理)について図10を用いて説明する。図10のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。リードアウト属性データ記録コマンドを受信すると、フラッシュメモリ39に格納されている図10のフローチャートに対応するプログラム(以下「リードアウト属性データ記録処理プログラム」という)の開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、リードアウト属性データ記録処理がスタートする。なお、リードアウト属性データ記録コマンドは、既知のコマンドセットには存在しない(規格化されていない)ので、本実施形態では、一例として図11に示されるように、現在オペレーションコードとして使用されていないCBhをオペレーションコードとする12バイトのコマンドを、リードアウト属性データ記録コマンドとして定義する。
【0069】
最初のステップ501では、AVデータ領域の終了アドレスとAVデータ領域のリードアウト属性データの終了アドレスをFDCBから取得する。
【0070】
次のステップ503では、AVデータ領域の終了アドレスとAVデータ領域のリードアウト属性データの終了アドレスとに基づいて、AVデータとPCデータとの間に未記録部があるか否かを判断する。一例として図12(A)に示されるように、AVデータとPCデータとの間に未記録部があれば、ここでの判断は肯定され、ステップ505に移行する。
【0071】
このステップ505では、一例として図12(B)に示されるように、AVデータとPCデータとの間の未記録部にリードアウト属性データを記録する。すなわち、リードアウト属性データが追加記録される。
【0072】
次のステップ507では、FDCBに記録されているAVデータ領域のリードアウト属性データの終了アドレスを更新する。
【0073】
次のステップ509では、未記録部へのリードアウト属性データの記録が完了(Complete)したことを上位装置90に通知する。そして、リードアウト属性データ記録処理を終了する。
【0074】
一方、一例として図12(C)に示されるように、AVデータとPCデータとの間に未記録部がなければ、上記ステップ503での判断は否定され、ステップ509に移行する。すなわち、直ちに記録完了を上位装置90に通知する。
【0075】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。なお、CPU40によるプログラムに従う処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
【0076】
また、本実施形態では、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムのうち、前記ディスク排出処理プログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。すなわち、図6のステップ407の処理に対応するプログラムによって、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順が実行され、ステップ409と411の処理に対応するプログラムによって、未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順が実行されている。
【0077】
そして、図6のステップ407の処理によって、本発明に係る記録方法における未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する工程が実施され、ステップ409と411の処理によって、未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程が実施され、ステップ413の処理によって、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を記録面に記録する工程、及び未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を記録面に記録する工程がそれぞれ実施されている。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、光ディスク15の排出要求があると、データ領域がAVデータ領域とPCデータ領域とに分割されており、かつAVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが予め設定されている閾値以上であれば、AVデータ領域に記録されているAVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データが記録される。これにより、リードアウト属性データの後方に未記録部が残っていても、DVD−ROMドライブ装置を用いて、AVデータ領域に記録されている情報を正しく再生することができる。また、64ECCブロックのリードアウト属性データは、通常のリードアウト(DVD+RWでは2997ECCブロック、DVD+Rでは320ECCブロック)よりも少ないデータ量である。従って、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態のディスク排出処理によると、PCデータ領域に記録されているPCデータの直前の64ECCブロックにリードイン属性データが記録され、PCデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データが記録される。これにより、上位装置90からPCデータを認識することができる。
【0080】
また、本実施形態のディスク排出処理によると、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス、及びPCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレスがFDCBの所定領域に記録される。これにより、一旦排出された光ディスク15が再度セットされたときに、AVデータ領域に未記録部が残存しているか否かを即座に知ることができる。
【0081】
なお、上記実施形態では、光ディスク15が再度光ディスク装置20にセットされ、上位装置90からリードアウト属性データ記録コマンドを受信したときにAVデータとPCデータとの間の未記録部にリードアウト属性データを記録する場合について説明したが、AVデータとPCデータとの間に未記録部が残留している光ディスク15が再度光ディスク装置20にセットされると、上位装置90から記録要求及び再生要求などのアクセス要求がないタイミングを利用して、AVデータとPCデータとの間の未記録部にリードアウト属性データを記録しても良い。なお、この場合には、記録完了の上位装置90への通知は不要である。
【0082】
また、上記実施形態のディスク排出処理では、64ECCブロックのリードアウト属性データが記録されていることを迅速に知ることができるように、FDCBにリードアウト属性データの終了アドレスを記録しているが、リードアウト属性データの終了アドレスを参照しない場合には、FDCBにリードアウト属性データの終了アドレスを記録しなくても良い。この場合には、図13に示されるように、FDCBにリードアウト属性データの終了アドレスを記録するための領域を設けなくても良い。そして、図6におけるステップ413を省くこととなる。
【0083】
また、上記実施形態のディスク排出処理では、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが閾値未満であれば、その未記録部の全てにリードアウト属性データを記録する場合について説明したが、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさに関係なく、AVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データを記録しても良い。この場合には、図6におけるステップ405、415及び417を省くこととなる。
【0084】
また、上記実施形態のディスク排出処理では、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであるか否かを判断する場合について説明したが、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであることが明確な場合には、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであるか否かを判断しなくても良い。この場合には、図6におけるステップ403及び419を省くことができる。
【0085】
また、上記実施形態では、LO領域及びLI領域の大きさがそれぞれ64ECCブロックの場合について説明したが、LO領域及びLI領域の大きさは64ECCブロックに限定されるものではなく、さらに、LO領域及びLI領域の大きさが互いに異なっていても良い。それぞれデータの終端部及び先頭部であることが対応するドライブ装置で認識することができれば良い。
【0086】
《変形例》
また、上記実施形態では、光ディスク15の排出要求があったときに、64ECCブロックのリードアウト属性データ等を記録する場合について説明したが、排出要求前に上位装置90からのクローズ要求コマンド(Close Track/Session Command)に応じて64ECCブロックのリードアウト属性データ等を記録しても良い。このクローズ要求コマンドは、図14に示されるように、5Bhをオペレーションコードとし、バイト(Byte)2のビット(Bit)2〜0にクローズファンクション(Close Function)がセットされ、バイト5にトラック番号(Track Number)がセットされた12バイトから構成されるコマンドである。規格では、クローズファンクションが「111」の場合はベンダー・ユニーク・コード(Vendor Unique Code)とされており、ここでは、クローズファンクションが「111」のときに、トラック番号に応じた処理を行うものとする。すなわち、クローズファンクションが「111」であるクローズ要求コマンドは、64ECCブロックのリードアウト属性データ等の記録を要求するコマンドでもあることとなる。そこで、上位装置90が排出要求前にクローズ要求コマンドを発行したときの光ディスク装置20での動作について図15を用いて説明する。図15のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、トラック番号はビットマップ形式であり、ビット0がAVデータ領域に対応し、ビット1がPCデータ領域に対応している。
【0087】
上位装置90からクローズ要求コマンドを受信すると、フラッシュメモリ39に格納されている図15のフローチャートに対応するプログラム(以下「クローズ処理プログラム」という)の開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、クローズ処理がスタートする。
【0088】
最初のステップ601では、リードイン領域にリードインを記録する。
【0089】
次のステップ603では、クローズ要求コマンドからクローズファンクションを抽出する。
【0090】
次のステップ605では、クローズファンクションが「111」であるか否かを判断する。クローズファンクションが「111」であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ607に移行する。
【0091】
このステップ607では、クローズ要求コマンドからトラック番号を抽出する。
【0092】
次のステップ609では、トラック番号のビット0が「1」であるか否かを判断する。トラック番号のビット0が「1」であれば、ここでの判断は肯定されステップ611に移行する。
【0093】
このステップ611では、上記実施形態におけるステップ405と同様に、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値以上であるか否かを判断する。AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値以上であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ613に移行する。
【0094】
このステップ613では、上記実施形態におけるステップ407と同様な処理を行う。
【0095】
次のステップ615では、上記実施形態におけるステップ409と同様な処理を行う。
【0096】
次のステップ617では、トラック番号のビット1が「1」であるか否かを判断する。トラック番号のビット1が「1」であれば、ここでの判断は肯定されステップ619に移行する。
【0097】
このステップ619及びそれに続くステップ621では、それぞれ上記実施形態におけるステップ411及び413と同様な処理を行う。
【0098】
次のステップ623では、クローズ処理が完了したことを上位装置90に通知する。そして、クローズ処理を終了する。
【0099】
なお、上記ステップ617において、トラック番号のビット1が「0」であれば、ここでの判断は否定されステップ629に移行する。
【0100】
このステップ629では、PCデータの後に通常のリードアウトを記録する。そして、上記ステップ621に移行する。
【0101】
また、上記ステップ611において、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値未満であれば、ここでの判断は否定され、ステップ625に移行する。
【0102】
このステップ625及びそれに続くステップ627では、それぞれ上記実施形態におけるステップ415及び417と同様な処理を行う。そして、上記ステップ615に移行する。
【0103】
また、上記ステップ609において、トラック番号のビット0が「0」であれば、ここでの判断は否定され上記ステップ625に移行する。
【0104】
さらに、上記ステップ605において、クローズファンクションが「111」でなければ、ここでの判断は否定され、ステップ631に移行する。
【0105】
このステップ631及び次のステップ633、635では、それぞれ上記実施形態におけるステップ415、417及び409と同様な処理を行う。
【0106】
次のステップ637では、上記ステップ629と同様な処理を行う。そして、上記ステップ621に移行する。
【0107】
この変形例においても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。この変形例では、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムのうち、前記クローズ処理プログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。すなわち、図15のステップ613の処理に対応するプログラムによって、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順が実行され、ステップ615と619の処理に対応するプログラムによって、未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順が実行されている。
【0108】
なお、この変形例においても、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさに関係なく、AVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データを記録しても良い。この場合には、図15におけるステップ611を省くこととなる。
【0109】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムは、フラッシュメモリ39に記録されているが、他の記録媒体(CD、光磁気ディスク、DVD、メモリカード、ハードディスク、USBメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応する再生装置(又は専用インターフェース)を介して本発明に係るプログラムをフラッシュメモリ39にロードすることとなる。また、ネットワーク(LAN、イントラネット、インターネットなど)を介して本発明に係るプログラムをフラッシュメモリ39に転送しても良い。要するに、本発明に係るプログラムがフラッシュメモリ39に格納されていれば良い。
【0110】
また、上記実施形態では、光ディスク15がDVD+RWの規格に準拠した光ディスクである場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば約405nmの波長の光に対応した次世代の情報記録媒体であっても良い。要するに光を利用して情報を記録することが可能な情報記録媒体であれば良い。
【0111】
また、上記実施形態では、光ディスク15が1つの記録層を有する場合について説明したが、これに限らず、複数の記録層を有していても良い。この場合に、CDの規格に準拠した記録層とDVDの規格に準拠した記録層とが混在しても良い。
【0112】
また、上記実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。すなわち、光ディスク装置が互いに異なる規格に準拠した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク装置であっても良い。
【0113】
また、上記実施形態では、情報記録装置が光ディスク装置の場合について説明したが、これに限らず、例えばDVDレコーダであっても良い。要するに光を利用して情報を記録することが可能な装置であれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上説明したように、本発明の記録方法によれば、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保するのに適している。また、本発明の情報記録装置によれば、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保するのに適している。また、本発明のプログラム及び記憶媒体によれば、情報記録装置に、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保させるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)及び図2(B)は、ぞれぞれ図1における光ディスクの情報領域のレイアウトを説明するための図である。
【図3】図2(A)及び図2(B)におけるリードイン領域を説明するための図である。
【図4】図3におけるインナ・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーンに記録されるFDCBを説明するための図である。
【図5】図4におけるコンテントディスクリプタ・スペシフィックの詳細を説明するための図である。
【図6】図1の光ディスク装置での排出処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7(A)〜図7(E)は、それぞれ図6の排出処理を説明するための図(その1)である。
【図8】図8(A)〜図8(D)は、それぞれ図6の排出処理を説明するための図(その2)である。
【図9】図9(A)及び図9(B)は、それぞれ図6の排出処理を説明するための図(その3)である。
【図10】図1の光ディスク装置でのリードアウト属性データ記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】リードアウト属性データ記録コマンドを説明するための図である。
【図12】図12(A)〜図12(C)は、それぞれ図10のリードアウト属性データ記録処理を説明するための図である。
【図13】コンテントディスクリプタ・スペシフィックの変形例を説明するための図である。
【図14】クローズ要求コマンドを説明するための図である。
【図15】図1の光ディスク装置でのクローズ処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
15…光ディスク、20…光ディスク装置(情報記録装置)、23…光ピックアップ装置、39…フラッシュメモリ(記録媒体)、40…CPU(処理装置)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置に係り、更に詳しくは、情報を光ディスクに記録する記録方法及び情報記録装置、情報記録装置で用いられるプログラム及び該プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略述する)は、その機能向上及び低価格化に伴い、文書作成、表計算、及びデータベースによるデータ管理などに広く用いられるようになった。そして、パソコンで作成したデータ、及びパソコンで用いられるデータなど(以下「PCデータ」ともいう)を記録するための情報記録媒体としてCD(compact disc)や、CDの約7倍相当のデータをCDと同じ直径のディスクに記録可能としたDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、光ディスクに情報を記録するための情報記録装置の一つとして光ディスク装置が普及するようになった。
【0003】
記録可能なDVDとしては、DVD+R、DVD+RW、DVD−R、DVD−RW、及びDVD−RAMなどが市販されている。
【0004】
また、デジタル技術の進歩及びデータ圧縮技術の向上に伴い、ビデオデータ(以下「AVデータ」ともいう)が光ディスクに記録されるようになってきた。
【0005】
近年、ユーザの利便性を考慮して、同一ディスクにAVデータとPCデータとを混在させて記録することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、AVデータとPCデータとの混在が可能な光ディスクの規格化も精力的に行われている。これによれば、光ディスクの内周部にAVデータが記録される領域(以下「AVデータ領域」という)が設けられ、外周部にPCデータが記録される領域(以下「PCデータ領域」という)が設けられている。そして、例えばAVデータとPCデータとが混在して記録された光ディスクは、AVデータの再生が可能な再生環境(例えばDVDプレイヤ)にセットされた場合にはAVデータの再生が可能であり、パソコンに接続された光ディスク装置にセットされた場合にはAVデータ及びPCデータの再生がいずれも可能である。
【0006】
ところで、再生専用のDVD−ROMとの互換性を確保するには、リードインとリードアウトの間に未記録部が存在しないようにする必要がある。そこで、DVD−ROMとの互換性が要求される場合には、AVデータとPCデータとを含むユーザデータの記録が完了し、ディスクの排出要求があると、排出前にAVデータとPCデータとの間の未記録部にダミーデータを記録する必要がある。そして、この場合に、AVデータのデータ量が少なくて、AVデータとPCデータとの間の未記録部の大きさが大きいときには、ユーザが排出要求をしてから実際に排出されるまでに長い時間を要するがおそれがある。
【0007】
なお、情報記録媒体に記録されているユーザデータにダミーデータを付加し、互換性を確保する方法等が提案されている(特許文献2参照)が、この方法等では、AVデータとPCデータとの間の未記録部の大きさが大きいときに、ユーザが排出要求をしてから実際に排出されるまでの時間を短縮することは困難である。
【0008】
【特許文献1】特開2002−117629号公報
【特許文献2】特開2003−317399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することを可能とする記録方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することを可能とするプログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することができる情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、光ディスクの記録面に情報記録装置を用いて情報を記録する記録方法であって、前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろに、リードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する工程を含む記録方法である。
【0013】
なお、本明細書では、「リードアウトの属性を有するデータ」は、その内容がリードアウト情報に特定されるものではなく、データ属性がリードアウトとされるダミーデータなども含む。
【0014】
これによれば、記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろに、リードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータが記録される。この場合には、リードアウトの属性を有するデータの後方に未記録部が残っていても、再生専用の光ディスクを再生するためのドライブ装置を用いて、未記録部の前方に記録されている情報を正しく再生することができる。従って、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0015】
この場合において、請求項2に記載の記録方法の如く、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記情報記録装置からの前記光ディスクの排出要求があるか否かを判断する工程を更に含み、前記判断の結果、前記光ディスクの排出要求がある場合に、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程を実施することとすることができる。
【0016】
上記請求項1に記載の記録方法において、請求項3に記載の記録方法の如く、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、前記判断の結果、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記記録する工程を実施することとすることができる。
【0017】
上記請求項1〜3に記載の各記録方法において、請求項4に記載の記録方法の如く、前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むこととすることができる。
【0018】
上記請求項1〜4に記載の各記録方法において、請求項5に記載の記録方法の如く、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を更に含むこととすることができる。
【0019】
なお、本明細書では、「リードインの属性を有するデータ」は、その内容がリードイン情報に特定されるものではなく、データ属性がリードインとされるダミーデータなども含む。
【0020】
この場合において、請求項6に記載の記録方法の如く、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程に先立って、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、前記判断の結果、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を実施することとすることができる。
【0021】
上記請求項5及び6に記載の各記録方法において、請求項7に記載の記録方法の如く、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むこととすることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置に用いられるプログラムであって、前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、該未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0023】
これによれば、本発明のプログラムが所定のメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、情報記録装置の制御用コンピュータは、記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、該未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する。すなわち、本発明のプログラムによれば、情報記録装置の制御用コンピュータに請求項1に記載の発明に係る記録方法を実行させることができ、これにより、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0024】
この場合において、請求項9に記載のプログラムの如く、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることとすることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
これによれば、請求項8又は9に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置であって、光ピックアップ装置と;前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記光ピックアップ装置を介して、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する処理装置と;を備える情報記録装置である。
【0028】
これによれば、処理装置により、記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、光ピックアップ装置を介して、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータが記録される。この場合には、リードアウトの属性を有するデータの後方に未記録部が残っていても、再生専用の光ディスクを再生するためのドライブ装置を用いて、未記録部の前方に記録されているユーザデータを正しく再生することができる。従って、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0029】
この場合において、請求項12に記載の情報記録装置の如く、前記光ディスクの排出要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することとすることができる。
【0030】
上記請求項11に記載の情報記録装置において、請求項13に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することとすることができる。
【0031】
上記請求項11〜13に記載の各情報記録装置において、請求項14に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、更に、前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することとすることができる。
【0032】
上記請求項11〜14に記載の各情報記録装置において、請求項15に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することとすることができる。
【0033】
この場合において、請求項16に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することとすることができる。
【0034】
上記請求項15及び16に記載の各情報記録装置において、請求項17に記載の情報記録装置の如く、前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12(C)に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0036】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、該光ピックアップ装置23をスレッジ方向に駆動するためのシークモータ21、レーザ制御回路24、エンコーダ25、駆動制御回路26、再生信号処理回路28、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0037】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15の記録面にレーザ光を集光するとともに、その記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23は、光ディスク15に対応した波長のレーザ光を出射する半導体レーザ、前記半導体レーザから出射された光束を光ディスク15の記録面に集光する対物レンズ、前記記録面で反射された戻り光束を受光する受光器、及び前記対物レンズを駆動するための駆動系(フォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータ)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。前記受光器は複数の受光素子(又は受光領域)を有し、各受光素子(又は受光領域)での受光量に応じた信号(光電変換信号)を再生信号処理回路28に出力する。
【0038】
前記再生信号処理回路28は、前記受光器の出力信号(複数の光電変換信号)に基づいて、従来と同様にして、サーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)、アドレス情報、同期信号、及びRF信号などを取得する。ここで得られたサーボ信号は前記駆動制御回路26に出力され、アドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25や駆動制御回路26などに出力される。また、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとして前記バッファマネージャ37を介して前記バッファRAM34に格納する。
【0039】
前記駆動制御回路26は、再生信号処理回路28からのトラックエラー信号に基づいて、トラッキング方向に関する対物レンズの位置ずれを補正するための前記トラッキングアクチュエータの駆動信号を生成する。また、駆動制御回路26は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号に基づいて、対物レンズのフォーカスずれを補正するための前記フォーカシングアクチュエータの駆動信号を生成する。ここで生成された各アクチュエータの駆動信号は光ピックアップ装置23に出力される。これにより、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。さらに、駆動制御回路26は、CPU40の指示に基づいて、シークモータ21を駆動するための駆動信号、及びスピンドルモータ22を駆動するための駆動信号を生成する。各モータの駆動信号は、それぞれシークモータ21及びスピンドルモータ22に出力される。
【0040】
前記バッファRAM34には、光ディスク15に記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、前記バッファマネージャ37によって管理されている。
【0041】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24に出力される。
【0042】
前記レーザ制御回路24は、前記半導体レーザの発光パワーを制御する。例えば記録の際には、前記書き込み信号、記録条件及び半導体レーザの発光特性などに基づいて、半導体レーザの駆動信号がレーザ制御回路24にて生成される。
【0043】
前記インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
【0044】
前記フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された本発明に係るプログラムを含む各種プログラム、記録パワーや記録ストラテジ情報を含む記録条件、及び半導体レーザの発光特性などが格納されている。
【0045】
前記CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
【0046】
次に、本実施形態で用いられる前記光ディスク15について説明する。この光ディスク15は、現在市販されているDVD+RWと同等の物理的性質を有し、基本的にはDVD+RWの規格(例えばECMA−337参照)に準拠している。従って、光ディスク15の情報領域(Information Zone)は、一例として図2(A)に示されるように、ディスクの内周側から外周側に向かって、すなわち、アドレスが増加する方向に向かって、3つの領域(リードイン領域(Lead-in Zone)、データ領域(Data Zone)、及びリードアウト領域(Lead-out Zone))に分けられている。
【0047】
前記リードイン領域は、図3に示されるように、12のゾーンから構成されている。すなわち、イニシャル・ゾーン(Initial Zone)、インナ・ディスク・テスト・ゾーン(Inner Disc Test Zone)、インナ・ドライブ・テスト・ゾーン(Inner Drive Test Zone)、ガード・ゾーン1(Guard Zone 1)、リザーブド・ゾーン1(Reserved Zone 1)、リザーブド・ゾーン2(Reserved Zone 2)、インナ・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーン(Inner Disc Identification Zone)、リザーブド・ゾーン3(Reserved Zone 3)、リファレンス・コード・ゾーン(Reference Code Zone)、バッファ・ゾーン1(Buffer Zone 1)、コントロール・データ・ゾーン(Control Data Zone)、バッファ・ゾーン2(Buffer Zone 2)である。このリードイン領域は、01D830h〜02FFFFhの75728セクタ(4733ECCブロック)の大きさの領域である。なお、DVD+Rの規格(例えばECMA−349参照)では、ガード・ゾーン1からバッファ・ゾーン2までの領域(02A480h〜02FFFFh)をリードイン領域と呼んでいる。
【0048】
上記インナ・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーンは、16ECCブロック(256セクタ)からなる領域であり、この領域にはディスク・コントロール・ブロック(Disc Control Block、以下「DCB」という)の一種であるフォーマッティング・ディスク・コントロール・ブロック(Formatting Disc Control Block、以下「FDCB」という)が記録される。また、上記コントロール・データ・ゾーンには、データ領域の先頭アドレス及び終了アドレスなどが記録される。
【0049】
上記FDCBは、図4に示されるように16セクタの情報であり、その最初のセクタは、4バイトのコンテントディスクリプタ(Content Descriptor)、4バイトのアンノウン・コンテントディスクリプタ・アクションズ(Unknown Content Descriptor Actions、以下「UCDA」という)、32バイトのドライブID(Drive ID)、及び2008バイトのコンテントディスクリプタ・スペシフィック(Content Descriptor Specific)から構成されている。続く9セクタは、フォーマッティング・ビットマップ(Formatting bitmap)であり、物理セクタ毎の記録状態が記録される。なお、残る6セクタは予約領域(Reserved)であり、ダミーデータとしてすべて「0」が記録される。
【0050】
上記コンテントディスクリプタには、このDCBがFDCBであることを示す情報として「FDC」のアスキーコードなどが記録される。上記UCDAには、光ディスク装置がFDCBをサポートしていない場合に禁止すべき処理に関する情報が禁止情報としてビットマップ形式で記録される。この禁止情報には、データ領域への記録に関する禁止情報、ブロックデータ情報のユーザへの通知に関する禁止情報、フォーマットに関する禁止情報、及びブロックデータの内容変更に関する禁止情報などがあり、それぞれ予め決められたビットに対応している。上記ドライブIDには、FDCBの記録に用いられた光ディスク装置を特定するための情報が記録される。
【0051】
前記コンテントディスクリプタ・スペシフィックには、図5に示されるように、順に、FDCBのアップデート回数(FDCB update count;4バイト)、フォーマットの状態及びモード(Formatting status and mode;4バイト)、最後に記録されたアドレス(Last written address;4バイト、以下「LWA」という)、最後にベリファイされたアドレス(Last verified address;4バイト)、ビットマップの先頭アドレス(Bitmap start address;4バイト)、ビットマップ長(Bitmap Length;4バイト)、ディスクID(Disc ID;32バイト)、アプリケーション・ディペンデント(Application dependent;32バイト)、AVデータ領域の先頭アドレス(Start Address in AV Area;4バイト)、AVデータ領域の終了アドレス(End Address in AV Area;4バイト)、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス(Last Lead-Out Address in AV Area;4バイト)、PCデータ領域の先頭アドレス(Start Address in PC Area;4バイト)、PCデータ領域の終了アドレス(End Address in PC Area;4バイト)、PCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス(Last Lead-Out Address in PC Area;4バイト)、及びダミーデータ(Reserved;1832バイト)が記録される。なお、DVD+RWの規格では、AVデータ領域の先頭アドレス、AVデータ領域の終了アドレス、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス、PCデータ領域の先頭アドレス、PCデータ領域の終了アドレス、及びPCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレスが、それぞれ記録される領域(D192〜D215)は、予約領域となっている。
【0052】
前記データ領域は、一例として図2(A)に示されるように、AVデータを記録するためのAVデータ領域(AV Data Area)とPCデータを記録するためのPCデータ領域(PC Data Area)とに分割されている。そして、AVデータ領域の先頭アドレスと終了アドレス、及びPCデータ領域の先頭アドレスと終了アドレスは、それぞれFDCBの上記所定領域に記録されている。ここでは、AVデータ領域はPCデータ領域よりも内周側に設けられている。なお、データ領域の分割は、光ディスク15がブランクディスクのときに、上位装置90から発行されるトラック予約コマンド(Reserved Track/Rzone Command;オペレーションコードは53h)によって、容易に行うことができる。また、AVデータ領域の終端64ECCブロックはLO領域(LO Area)であり、PCデータ領域の先頭64ECCブロックはLI領域(LI Area)である。
【0053】
前記リードアウト領域は、768セクタからなるバッファ・ゾーン3(Buffer Zone 3)、256セクタからなるアウター・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーン(Outer Disc Identification Zone)、4096セクタからなるガード・ゾーン2(Guard Zone 2)、4096セクタからなるリザーブド・ゾーン4(Reserved Zone 4)、12288セクタからなるアウタ・ドライブ・テスト・ゾーン(Outer Drive Test Zone)、2048セクタからなるアウタ・ディスク・テスト・ゾーン(Outer Disc Test Zone)、及び24400セクタからなるガード・ゾーン3(Guard Zone 3)から構成されている。すなわち、リードアウト領域は、47952セクタ(2997ECCブロック)の大きさの領域である。なお、DVD+Rの規格では、バッファ・ゾーン3とアウター・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーンとガード・ゾーン2とからなる領域(320ECCブロック)をリードアウト領域と呼んでいる。
【0054】
その後、一例として図2(B)に示されるように、上位装置90からのAVデータはAVデータ領域の先頭から順に記録され、PCデータはPCデータ領域のLI領域以降に順に記録される。
【0055】
次に、光ディスク装置20に設けられている排出ボタンが押されたとき、あるいは上位装置90から排出要求コマンドを受信したとき、すなわち光ディスク15の排出要求があったときの処理(ディスク排出処理)について図6を用いて説明する。図6のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。排出要求があると、フラッシュメモリ39に格納されている図6のフローチャートに対応するプログラム(以下「ディスク排出処理プログラム」という)の開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、ディスク排出処理がスタートする。なお、ここでは、一例として図7(A)に示されるように、AVデータ領域では、AVデータとLO領域との間に未記録部が存在し、PCデータ領域では、PCデータの後方に未記録部が存在しているものとする。
【0056】
最初のステップ401では、一例として図7(B)に示されるように、リードイン領域に通常のリードインを記録する。
【0057】
次のステップ403では、FDCBを参照し、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであるか否かを判断する。ここでは、FDCBに、AVデータ領域の先頭アドレスと終了アドレス、及びPCデータ領域の先頭アドレスと終了アドレスが記録されているので、ここでの判断は肯定され、ステップ405に移行する。
【0058】
このステップ405では、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが予め設定されている閾値以上であるか否かを判断する。未記録部の大きさが前記閾値以上であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ407に移行する。なお、ここでは、一例として、LO領域を除くAVデータ領域の容量の半分を閾値とする。但し、これに限定されないのは勿論である。
【0059】
このステップ407では、一例として図7(C)に示されるように、AVデータの直後の64ECCブロックにリードアウトの属性を有するデータ(以下「リードアウト属性データ」と略述する)を記録する。このリードアウト属性データは、DVD−ROMのドライブ装置に光ディスク15をセットしたときに、AVデータの終端を認識するためのデータである。
【0060】
次のステップ409では、一例として図7(D)に示されるように、PCデータの直前の64ECCブロック、すなわちLI領域にリードインの属性を有するデータ(以下「リードイン属性データ」と略述する)を記録する。
【0061】
次のステップ411では、一例として図7(E)に示されるように、PCデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データを記録する。
【0062】
次のステップ413では、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス、及びPCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレスをFDCBの前記所定領域に記録する。
【0063】
次のステップ421では、不図示のディスク排出系に光ディスク15の排出を指示する。そして、ディスク排出処理を終了する。ここでは、排出された光ディスク15には、一例として図7(E)に示されるように、AVデータ領域に未記録部(LO領域を含む)が残留することとなるが、AVデータはリードインとリードアウト属性データとの間にあり、そこには未記録部は存在していないので、通常のDVD−ROMドライブ装置でAVデータを正常に再生することができる。
【0064】
ところで、一例として図8(A)に示されるように、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値未満であれば、上記ステップ405における判断は否定され、ステップ415に移行する。
【0065】
このステップ415では、一例として図8(B)に示されるように、AVデータとLO領域との間の未記録部の全てにリードアウト属性データを記録する。
【0066】
次のステップ417では、一例として図8(C)に示されるように、LO領域にリードアウト属性データを記録する。そして、前記ステップ409に移行する。この場合には、一例として図8(D)に示されるように、AVデータとPCデータとの間には未記録部は存在しないこととなる。なお、AVデータはリードインとリードアウト属性データとの間にあり、そこには未記録部は存在していないので、通常のDVD−ROMドライブ装置でAVデータを正常に再生することができる。
【0067】
また、光ディスク15以外の光ディスクがセットされ、一例として図9(A)に示されるように、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットでなければ、上記ステップ403での判断は否定され、ステップ419に移行する。このステップ419では、一例として図9(B)に示されるように、ユーザデータの後に通常のリードアウトを記録する。そして、前記ステップ421に移行する。
【0068】
次に、上述の如くして排出された光ディスク15が再度光ディスク装置20にセットされ、上位装置90から未記録部にリードアウト属性データの記録を要求するコマンド(以下「リードアウト属性データ記録コマンド」という)を受信したときの処理(リードアウト属性データ記録処理)について図10を用いて説明する。図10のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。リードアウト属性データ記録コマンドを受信すると、フラッシュメモリ39に格納されている図10のフローチャートに対応するプログラム(以下「リードアウト属性データ記録処理プログラム」という)の開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、リードアウト属性データ記録処理がスタートする。なお、リードアウト属性データ記録コマンドは、既知のコマンドセットには存在しない(規格化されていない)ので、本実施形態では、一例として図11に示されるように、現在オペレーションコードとして使用されていないCBhをオペレーションコードとする12バイトのコマンドを、リードアウト属性データ記録コマンドとして定義する。
【0069】
最初のステップ501では、AVデータ領域の終了アドレスとAVデータ領域のリードアウト属性データの終了アドレスをFDCBから取得する。
【0070】
次のステップ503では、AVデータ領域の終了アドレスとAVデータ領域のリードアウト属性データの終了アドレスとに基づいて、AVデータとPCデータとの間に未記録部があるか否かを判断する。一例として図12(A)に示されるように、AVデータとPCデータとの間に未記録部があれば、ここでの判断は肯定され、ステップ505に移行する。
【0071】
このステップ505では、一例として図12(B)に示されるように、AVデータとPCデータとの間の未記録部にリードアウト属性データを記録する。すなわち、リードアウト属性データが追加記録される。
【0072】
次のステップ507では、FDCBに記録されているAVデータ領域のリードアウト属性データの終了アドレスを更新する。
【0073】
次のステップ509では、未記録部へのリードアウト属性データの記録が完了(Complete)したことを上位装置90に通知する。そして、リードアウト属性データ記録処理を終了する。
【0074】
一方、一例として図12(C)に示されるように、AVデータとPCデータとの間に未記録部がなければ、上記ステップ503での判断は否定され、ステップ509に移行する。すなわち、直ちに記録完了を上位装置90に通知する。
【0075】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。なお、CPU40によるプログラムに従う処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
【0076】
また、本実施形態では、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムのうち、前記ディスク排出処理プログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。すなわち、図6のステップ407の処理に対応するプログラムによって、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順が実行され、ステップ409と411の処理に対応するプログラムによって、未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順が実行されている。
【0077】
そして、図6のステップ407の処理によって、本発明に係る記録方法における未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する工程が実施され、ステップ409と411の処理によって、未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程が実施され、ステップ413の処理によって、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を記録面に記録する工程、及び未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を記録面に記録する工程がそれぞれ実施されている。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、光ディスク15の排出要求があると、データ領域がAVデータ領域とPCデータ領域とに分割されており、かつAVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが予め設定されている閾値以上であれば、AVデータ領域に記録されているAVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データが記録される。これにより、リードアウト属性データの後方に未記録部が残っていても、DVD−ROMドライブ装置を用いて、AVデータ領域に記録されている情報を正しく再生することができる。また、64ECCブロックのリードアウト属性データは、通常のリードアウト(DVD+RWでは2997ECCブロック、DVD+Rでは320ECCブロック)よりも少ないデータ量である。従って、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態のディスク排出処理によると、PCデータ領域に記録されているPCデータの直前の64ECCブロックにリードイン属性データが記録され、PCデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データが記録される。これにより、上位装置90からPCデータを認識することができる。
【0080】
また、本実施形態のディスク排出処理によると、AVデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレス、及びPCデータ領域におけるリードアウト属性データの終了アドレスがFDCBの所定領域に記録される。これにより、一旦排出された光ディスク15が再度セットされたときに、AVデータ領域に未記録部が残存しているか否かを即座に知ることができる。
【0081】
なお、上記実施形態では、光ディスク15が再度光ディスク装置20にセットされ、上位装置90からリードアウト属性データ記録コマンドを受信したときにAVデータとPCデータとの間の未記録部にリードアウト属性データを記録する場合について説明したが、AVデータとPCデータとの間に未記録部が残留している光ディスク15が再度光ディスク装置20にセットされると、上位装置90から記録要求及び再生要求などのアクセス要求がないタイミングを利用して、AVデータとPCデータとの間の未記録部にリードアウト属性データを記録しても良い。なお、この場合には、記録完了の上位装置90への通知は不要である。
【0082】
また、上記実施形態のディスク排出処理では、64ECCブロックのリードアウト属性データが記録されていることを迅速に知ることができるように、FDCBにリードアウト属性データの終了アドレスを記録しているが、リードアウト属性データの終了アドレスを参照しない場合には、FDCBにリードアウト属性データの終了アドレスを記録しなくても良い。この場合には、図13に示されるように、FDCBにリードアウト属性データの終了アドレスを記録するための領域を設けなくても良い。そして、図6におけるステップ413を省くこととなる。
【0083】
また、上記実施形態のディスク排出処理では、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが閾値未満であれば、その未記録部の全てにリードアウト属性データを記録する場合について説明したが、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさに関係なく、AVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データを記録しても良い。この場合には、図6におけるステップ405、415及び417を省くこととなる。
【0084】
また、上記実施形態のディスク排出処理では、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであるか否かを判断する場合について説明したが、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであることが明確な場合には、AVデータとPCデータとが混在するフォーマットであるか否かを判断しなくても良い。この場合には、図6におけるステップ403及び419を省くことができる。
【0085】
また、上記実施形態では、LO領域及びLI領域の大きさがそれぞれ64ECCブロックの場合について説明したが、LO領域及びLI領域の大きさは64ECCブロックに限定されるものではなく、さらに、LO領域及びLI領域の大きさが互いに異なっていても良い。それぞれデータの終端部及び先頭部であることが対応するドライブ装置で認識することができれば良い。
【0086】
《変形例》
また、上記実施形態では、光ディスク15の排出要求があったときに、64ECCブロックのリードアウト属性データ等を記録する場合について説明したが、排出要求前に上位装置90からのクローズ要求コマンド(Close Track/Session Command)に応じて64ECCブロックのリードアウト属性データ等を記録しても良い。このクローズ要求コマンドは、図14に示されるように、5Bhをオペレーションコードとし、バイト(Byte)2のビット(Bit)2〜0にクローズファンクション(Close Function)がセットされ、バイト5にトラック番号(Track Number)がセットされた12バイトから構成されるコマンドである。規格では、クローズファンクションが「111」の場合はベンダー・ユニーク・コード(Vendor Unique Code)とされており、ここでは、クローズファンクションが「111」のときに、トラック番号に応じた処理を行うものとする。すなわち、クローズファンクションが「111」であるクローズ要求コマンドは、64ECCブロックのリードアウト属性データ等の記録を要求するコマンドでもあることとなる。そこで、上位装置90が排出要求前にクローズ要求コマンドを発行したときの光ディスク装置20での動作について図15を用いて説明する。図15のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、トラック番号はビットマップ形式であり、ビット0がAVデータ領域に対応し、ビット1がPCデータ領域に対応している。
【0087】
上位装置90からクローズ要求コマンドを受信すると、フラッシュメモリ39に格納されている図15のフローチャートに対応するプログラム(以下「クローズ処理プログラム」という)の開始アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、クローズ処理がスタートする。
【0088】
最初のステップ601では、リードイン領域にリードインを記録する。
【0089】
次のステップ603では、クローズ要求コマンドからクローズファンクションを抽出する。
【0090】
次のステップ605では、クローズファンクションが「111」であるか否かを判断する。クローズファンクションが「111」であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ607に移行する。
【0091】
このステップ607では、クローズ要求コマンドからトラック番号を抽出する。
【0092】
次のステップ609では、トラック番号のビット0が「1」であるか否かを判断する。トラック番号のビット0が「1」であれば、ここでの判断は肯定されステップ611に移行する。
【0093】
このステップ611では、上記実施形態におけるステップ405と同様に、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値以上であるか否かを判断する。AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値以上であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ613に移行する。
【0094】
このステップ613では、上記実施形態におけるステップ407と同様な処理を行う。
【0095】
次のステップ615では、上記実施形態におけるステップ409と同様な処理を行う。
【0096】
次のステップ617では、トラック番号のビット1が「1」であるか否かを判断する。トラック番号のビット1が「1」であれば、ここでの判断は肯定されステップ619に移行する。
【0097】
このステップ619及びそれに続くステップ621では、それぞれ上記実施形態におけるステップ411及び413と同様な処理を行う。
【0098】
次のステップ623では、クローズ処理が完了したことを上位装置90に通知する。そして、クローズ処理を終了する。
【0099】
なお、上記ステップ617において、トラック番号のビット1が「0」であれば、ここでの判断は否定されステップ629に移行する。
【0100】
このステップ629では、PCデータの後に通常のリードアウトを記録する。そして、上記ステップ621に移行する。
【0101】
また、上記ステップ611において、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさが前記閾値未満であれば、ここでの判断は否定され、ステップ625に移行する。
【0102】
このステップ625及びそれに続くステップ627では、それぞれ上記実施形態におけるステップ415及び417と同様な処理を行う。そして、上記ステップ615に移行する。
【0103】
また、上記ステップ609において、トラック番号のビット0が「0」であれば、ここでの判断は否定され上記ステップ625に移行する。
【0104】
さらに、上記ステップ605において、クローズファンクションが「111」でなければ、ここでの判断は否定され、ステップ631に移行する。
【0105】
このステップ631及び次のステップ633、635では、それぞれ上記実施形態におけるステップ415、417及び409と同様な処理を行う。
【0106】
次のステップ637では、上記ステップ629と同様な処理を行う。そして、上記ステップ621に移行する。
【0107】
この変形例においても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。この変形例では、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムのうち、前記クローズ処理プログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。すなわち、図15のステップ613の処理に対応するプログラムによって、未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順が実行され、ステップ615と619の処理に対応するプログラムによって、未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順が実行されている。
【0108】
なお、この変形例においても、AVデータとLO領域との間の未記録部の大きさに関係なく、AVデータの直後の64ECCブロックにリードアウト属性データを記録しても良い。この場合には、図15におけるステップ611を省くこととなる。
【0109】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムは、フラッシュメモリ39に記録されているが、他の記録媒体(CD、光磁気ディスク、DVD、メモリカード、ハードディスク、USBメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応する再生装置(又は専用インターフェース)を介して本発明に係るプログラムをフラッシュメモリ39にロードすることとなる。また、ネットワーク(LAN、イントラネット、インターネットなど)を介して本発明に係るプログラムをフラッシュメモリ39に転送しても良い。要するに、本発明に係るプログラムがフラッシュメモリ39に格納されていれば良い。
【0110】
また、上記実施形態では、光ディスク15がDVD+RWの規格に準拠した光ディスクである場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば約405nmの波長の光に対応した次世代の情報記録媒体であっても良い。要するに光を利用して情報を記録することが可能な情報記録媒体であれば良い。
【0111】
また、上記実施形態では、光ディスク15が1つの記録層を有する場合について説明したが、これに限らず、複数の記録層を有していても良い。この場合に、CDの規格に準拠した記録層とDVDの規格に準拠した記録層とが混在しても良い。
【0112】
また、上記実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。すなわち、光ディスク装置が互いに異なる規格に準拠した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク装置であっても良い。
【0113】
また、上記実施形態では、情報記録装置が光ディスク装置の場合について説明したが、これに限らず、例えばDVDレコーダであっても良い。要するに光を利用して情報を記録することが可能な装置であれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上説明したように、本発明の記録方法によれば、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保するのに適している。また、本発明の情報記録装置によれば、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保するのに適している。また、本発明のプログラム及び記憶媒体によれば、情報記録装置に、再生専用の光ディスクとの互換性を短時間で確保させるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)及び図2(B)は、ぞれぞれ図1における光ディスクの情報領域のレイアウトを説明するための図である。
【図3】図2(A)及び図2(B)におけるリードイン領域を説明するための図である。
【図4】図3におけるインナ・ディスク・アイデンティフィケーション・ゾーンに記録されるFDCBを説明するための図である。
【図5】図4におけるコンテントディスクリプタ・スペシフィックの詳細を説明するための図である。
【図6】図1の光ディスク装置での排出処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7(A)〜図7(E)は、それぞれ図6の排出処理を説明するための図(その1)である。
【図8】図8(A)〜図8(D)は、それぞれ図6の排出処理を説明するための図(その2)である。
【図9】図9(A)及び図9(B)は、それぞれ図6の排出処理を説明するための図(その3)である。
【図10】図1の光ディスク装置でのリードアウト属性データ記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】リードアウト属性データ記録コマンドを説明するための図である。
【図12】図12(A)〜図12(C)は、それぞれ図10のリードアウト属性データ記録処理を説明するための図である。
【図13】コンテントディスクリプタ・スペシフィックの変形例を説明するための図である。
【図14】クローズ要求コマンドを説明するための図である。
【図15】図1の光ディスク装置でのクローズ処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
15…光ディスク、20…光ディスク装置(情報記録装置)、23…光ピックアップ装置、39…フラッシュメモリ(記録媒体)、40…CPU(処理装置)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクの記録面に情報記録装置を用いて情報を記録する記録方法であって、
前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろに、リードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する工程を含む記録方法。
【請求項2】
前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記情報記録装置からの前記光ディスクの排出要求があるか否かを判断する工程を更に含み、
前記判断の結果、前記光ディスクの排出要求がある場合に、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
【請求項3】
前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、
前記判断の結果、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
【請求項4】
前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項5】
前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項6】
前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程に先立って、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、
前記判断の結果、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を実施することを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
【請求項7】
前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の記録方法。
【請求項8】
光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置に用いられるプログラムであって、
前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、該未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置であって、
光ピックアップ装置と;
前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記光ピックアップ装置を介して、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する処理装置と;を備える情報記録装置。
【請求項12】
前記処理装置は、前記光ディスクの排出要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。
【請求項13】
前記処理装置は、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。
【請求項14】
前記処理装置は、更に、前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項15】
前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項16】
前記処理装置は、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することを特徴とする請求項15に記載の光ディスク装置。
【請求項17】
前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することを特徴とする請求項15又は16に記載の光ディスク装置。
【請求項1】
光ディスクの記録面に情報記録装置を用いて情報を記録する記録方法であって、
前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろに、リードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する工程を含む記録方法。
【請求項2】
前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記情報記録装置からの前記光ディスクの排出要求があるか否かを判断する工程を更に含み、
前記判断の結果、前記光ディスクの排出要求がある場合に、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
【請求項3】
前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程に先立って、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、
前記判断の結果、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記リードアウトの属性を有するデータを記録する工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
【請求項4】
前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項5】
前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項6】
前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程に先立って、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があるか否かを判断する工程を更に含み、
前記判断の結果、リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求がある場合に、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する工程を実施することを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
【請求項7】
前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録する工程を更に含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の記録方法。
【請求項8】
光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置に用いられるプログラムであって、
前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、該未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する手順を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録する手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
光ディスクの記録面に情報を記録可能な情報記録装置であって、
光ピックアップ装置と;
前記記録面に記録されているユーザデータの途中に未記録部が存在するときに、前記光ピックアップ装置を介して、前記未記録部の前方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトよりも少ない量のリードアウトの属性を有するデータを記録する処理装置と;を備える情報記録装置。
【請求項12】
前記処理装置は、前記光ディスクの排出要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。
【請求項13】
前記処理装置は、前記リードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードアウトの属性を有するデータを記録することを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。
【請求項14】
前記処理装置は、更に、前記リードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項15】
前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの前後にリードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項16】
前記処理装置は、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータの記録要求があったときに、前記リードインの属性を有するデータ及びリードアウトの属性を有するデータをそれぞれ記録することを特徴とする請求項15に記載の光ディスク装置。
【請求項17】
前記処理装置は、更に、前記未記録部の後方に記録されているユーザデータの後ろにリードアウトの属性を有するデータが記録されたことを示す情報を前記記録面に記録することを特徴とする請求項15又は16に記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−172566(P2006−172566A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361340(P2004−361340)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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