説明

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】記録媒体への画像の記録と記録媒体のカットとを容易に行うことができ、かつ、画像の周囲に生じる余白領域を調整可能とする。
【解決手段】プリンター2を制御する制御部は、ホストコンピューター4からロール紙100のカットが指示された場合に、画像と対応付けて記憶されているカット位置を基準とした余白領域に基づいて、記憶された画像を印刷部によって印刷し、ロール紙100を搬送し、カッターユニットによりロール紙100をカット位置でカットさせ、カット位置の前後の少なくともいずれかに余白領域を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロゴ等の画像を記録する記録装置、この記録装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーやコンビニエンス・ストア等の小売業において利用されているPOSシステム(販売時点情報管理システム)では、商品販売に関する入力情報を取得するホストコンピューターと、レシートに記録を行うための記録装置とによってPOS端末が構成されている。この種のPOS端末としては、ホストコンピューターにより生成された決済処理記録データを記録装置が受信し、受信した決済処理記録データを、店舗のロゴ等の画像とともに記録して、レシートを発行する形態が一般的である(例えば、特許文献1参照。)。この種のPOS端末では、レシートに記録されるロゴ等の画像を予め記録装置に記憶しておき、この記憶した画像を読み出して記録することがあった。また、レシートにロゴ等の画像を記録して、記録後のレシートをカットする機能を備えたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。また、印刷ヘッドの位置とカッターの位置の間の長さ(カットマージン)を考慮してロゴを記録するものもある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−157474号公報
【特許文献2】特開平10−198865号公報
【特許文献3】特開2007−47898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レシートのように定型のフォーマットに情報を当てはめて記録を行う場合、ロゴ等の画像は、毎回必ず記録される。このため、画像を記録する毎に、予め記録装置に記憶した画像を指定して記録を指示すると、ホストコンピューターと記録装置との間の通信の負荷が大きいので、効率化が望まれていた。また、上記のようにレシート等に記録されるロゴ等の画像は上端または下端にそれぞれトップロゴ、ボトムロゴとして記録され、画像とカット位置との間の余白領域は所定の大きさになるよう調整される。この余白領域は画像の目立ち方、レシートの見やすさ等に影響を与えやすく、レシート用紙の消費量にも影響を与えるので、レシートを発行するユーザーにとって軽視できないが、従来、この余白領域を容易に変更することはできなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録媒体への画像の記録と記録媒体のカットとを容易に行うことができ、かつ、画像の周囲に生じる余白領域を調整可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、画像を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された画像を記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録部により記録された前記記録媒体をカットするカッターユニットと、外部接続された装置からの指示に応じて前記記録部、前記カッターユニット及び前記搬送部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部に記録されている前記カット位置を基準とした余白領域に基づいて、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送し、前記記憶部に記憶された画像を前記記録部によって記録し、前記カッターユニットにより前記記録媒体を前記カット位置でカットして、カット位置の前後の少なくともいずれかに前記余白領域を設け、前記記憶部は、前記画像と前記余白領域を対応づけて記憶していること、を特徴とする。
この構成によれば、外部接続された装置からカットを指示するだけで、カット位置の前後のいずれかまたは両方に、記憶部に記憶された画像がカット位置を基準とした余白領域を設けて記録され、カットが行われるので、外部の装置と記録装置との間における信号の送受信を効率化し、スループットの向上を図ることができる。そして、カット位置と画像との間の余白領域のサイズは画像に対応づけて記憶され、例えば外部接続された装置からコマンドを送信する等の方法により記憶された余白領域を変更すれば、変更した余白領域に従って画像を記録させることができ、画像の見栄えに影響する周囲の余白領域のサイズを自在に調整できる。
【0006】
上記構成において、前記制御部は、前記外部接続された装置から入力されるコマンドにより、前記カット位置を基準とした余白領域毎に前記画像が指定された場合に、指定された画像を、各余白領域に対応づけて前記記憶部に記憶させ、前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部から記録対象の画像を取得するとともに、この画像に対応づけて記憶された余白領域のサイズを取得し、取得したサイズの余白領域を設けた位置に前記記録部によって画像を記録してもよい。
上記構成において、前記制御部は、前記外部接続された装置から入力されるコマンドにより前記カット位置を基準とした余白領域が画像毎に指定された場合に、指定された余白領域を、各画像に対応づけて前記記憶部に記憶させ、前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部から記録対象の画像を取得するとともに、この画像に対応づけて記憶された余白領域のサイズを取得し、取得したサイズの余白領域を設けた位置に前記記録部によって画像を記録してもよい。
記憶部に記憶された各画像に対応づけて、余白領域のサイズが記憶されるので、画像毎に余白領域のサイズを任意に設定でき、余白の設定に関する自由度が高まるという利点がある。
【0007】
また、この場合に、前記制御部は、前記記憶部に記憶される画像のデータに、画像自体のデータとともに余白領域に係るデータを含めて記憶させてもよい。
この場合、記憶部に記憶される画像データ自体に余白領域のサイズに係るデータが含まれるので、画像データと余白領域のサイズとを確実に、かつ容易に対応づけて記憶しておくことができる。
【0008】
上記構成において、前記制御部は、前記外部接続された装置から入力されるコマンドにより、複数の前記画像に対し、前記カット位置を基準とした共通の余白領域が指定された場合に、指定された余白領域を共通の余白領域として前記記憶部に記憶させ、前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部から記録対象の画像を取得するとともに、共通の余白領域として記憶された余白領域を取得し、取得した余白領域に基づく位置に前記記録部によって画像を記録してもよい。
この場合、記憶部に記憶された画像を記録媒体に記録する際に、複数の画像に共通する余白領域のサイズを設定して、共通のサイズの余白領域を設けて記録させることができるので、余白領域のサイズに係る自由度を高めることができる一方で、余白領域のサイズを共通にして設定の手間を省くこともできる。
【0009】
また、本発明は、記録媒体を搬送部により搬送し、予め記憶部に記憶した画像を記録部によって記録するとともに、前記記録媒体をカッターユニットによりカットする記録装置を制御する記録装置の制御方法であって、前記記録部、前記カッターユニット及び前記搬送部を制御する制御部によって、外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部に前記画像と対応付けて記憶されている前記カット位置を基準とした余白領域に基づいて、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送させ、前記記憶部に記憶された画像を前記記録部によって記録させ、前記カッターユニットにより前記記録媒体を前記カット位置でカットさせて、前記カット位置の前後の少なくともいずれかに前記余白領域を設けること、を特徴とする。
この方法によれば、外部接続された装置からカットを指示するだけで、カット位置の前後のいずれかまたは両方に、記憶部に記憶された画像がカット位置を基準とした余白領域を設けて記録され、カットが行われるので、外部の装置と記録装置との間における信号の送受信を効率化し、スループットの向上を図ることができる。そして、カット位置と画像との間の余白領域のサイズは画像に対応づけて記憶され、例えば外部接続された装置からコマンドを送信する等の方法により記憶された余白領域を変更すれば、変更した余白領域に従って画像を記録させることができ、画像の見栄えに影響する周囲の余白領域のサイズを自在に調整できる。
【0010】
また、本発明は、記録媒体を搬送部により搬送し、予め記憶部に記憶した画像を記録部によって記録するとともに、前記記録媒体をカッターユニットによりカットする記録装置を制御する制御部が実行するプログラムであって、前記制御部は、外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部に前記画像と対応付けて記憶されている前記カット位置を基準とした余白領域に基づいて、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送させ、前記記憶部に記憶された画像を前記記録部によって記録させ、前記カッターユニットにより前記記録媒体を前記カット位置でカットさせて、前記カット位置の前後の少なくともいずれかに前記余白領域を設けること、を特徴とする。
このプログラムを制御部により実行することで、外部接続された装置からカットを指示するだけで、カット位置の前後のいずれかまたは両方に、記憶された画像がカット位置を基準とした余白領域を設けて記録され、カットが行われるので、外部の装置と記録装置との間における信号の送受信を効率化し、スループットの向上を図ることができる。そして、カット位置と画像との間の余白領域のサイズは画像に対応づけて記憶され、例えば外部接続された装置からコマンドを送信する等の方法により記憶された余白領域を変更すれば、変更した余白領域に従って画像を記録させることができ、画像の見栄えに影響する周囲の余白領域のサイズを自在に調整できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部接続された装置から記録装置に対してカットを指示するだけで、カット位置の前後のいずれかまたは両方に、外部接続された装置からのコマンドにより設定された余白領域を設けた位置に画像が記録されるとともにカットが行われるので、記録媒体への画像の記録と画像に対応した余白領域の形成とカットとを容易に行うことができ、かつ、画像の周囲に生じる余白領域を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るPOS端末の概略構成を示す図である。
【図2】プリンターの内部構成を模式的に示す図である。
【図3】プリンターの回路構成を示すブロック図である。
【図4】プリンターの機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図5】プリンターにより印刷されるレシートの構成例を示す図である。
【図6】ロゴイメージ記憶部に記憶されるデータの態様を模式的に示す図である。
【図7】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【図8】コマンドに対応したプリンターの動作を示す説明図である。
【図9】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係るPOS端末1の概略構成を示す図である。また、図2は、POS端末1が備えるプリンター2の本体内部の構成を模式的に示す図である。
図1に示すPOS端末1は、例えば小売店等の店頭に設置され、売上げ精算を行うレジスターであり、販売時点管理システム(POSシステム)を構成する。POS端末1は、売上登録処理及び精算処理を行うホストコンピューター4に、レシート101を発行するプリンター2を接続して構成される。ここで、ホストコンピューター4は、プリンター2に対して、外部接続された装置に相当する。また、ホストコンピューター4は、売上登録した情報を収集するPOSサーバー5に、通信回線を介して接続されている。
ホストコンピューター4は、売上登録処理及び精算処理の処理内容を表示するディスプレイ41、売上登録処理時に商品に付されたバーコードを読み取るバーコードスキャナー42、売上登録キー等の各種キーを備えたキー入力部43、精算用の現金を収容するキャッシュドロワー44等を備えている。
【0014】
また、図1及び図2に示すように、記録装置としてのプリンター2は、本体11に記録媒体としての感熱ロール紙100を収容し、印刷部30(記録部)によりロール紙100に画像を印刷(記録)する。印刷部30は、ロール紙100を搬送するローラー形状のプラテン32と、プラテン32に対向配置された印刷ヘッド31とを備えて構成され、ロール紙100の搬送路において印刷部30より先には、ロール紙100を切断するカッターユニット33が配置されている。プリンター2は、ロール紙100をローラー形状のプラテン32によって搬送しながら、発熱素子(図示略)が並べて設けられた印刷ヘッド31によって、ロール紙100の記録面に熱を与えることにより、ロール紙100に文字や画像を印刷するサーマルラインプリンターである。
文字や画像が印刷されたロール紙100は、本体11の上面に形成された排紙口14から外に向けて、プラテン32によって搬送され、印刷終了位置よりも下でカッターユニット33により切断され、レシート101となる。レシート101には、店名や売り上げた商品名、商品数量、金額、合計金額等の文字のほか、たとえば図1に示すように、レシート101の先頭に配置されるトップロゴ102等のロゴの画像が印刷される。
【0015】
図2に示すように、プリンター2が備えるカッターユニット33は、ロール紙100の搬送路の一方側に配置された固定刃34と、この固定刃34に対向してロール紙100の搬送路の他方側に配置された可動刃35と、可動刃35を固定刃34に向けてスライドさせるカッター駆動モーター36とを備え、カッター駆動モーター36の駆動力により、駆動機構(図示略)を介して可動刃35がカッター駆動モーター36に向けて移動され、固定刃34と可動刃35との間に印刷後のロール紙100が挟まれ、切断される。
ここで、カッターユニット33がロール紙100を切断するカット位置Cと、印刷部30がロール紙100に印刷をする印刷位置Pとの間には、図2に示すように間隔があいている。このため、レシート101を印刷する際には、印刷位置Pで印刷された末尾の文字や画像がカット位置Cより上(先端側)になるまで搬送されてから、ロール紙100がカットされる。
【0016】
また、図1に示すように、プリンター2の本体11には開閉可能なカバー12が設けられる。本体11には、カバー12を開くためのレバー13が設けられ、カバー12を開くと、ロール紙100を収容する空間が露出し、ロール紙100の補充や交換が可能になる。また、本体11には、プリンター2の電源をオン/オフさせる電源スイッチ16、ロール紙100の紙送り動作を指示し、また制御時の所定の条件下で動作モードの切り替え等を指示する操作を行うための紙送りスイッチ17、及び、プリンター2の動作状態等を表示するためのLED表示部18が設けられている。
【0017】
図3は、プリンター2の回路構成を示すブロック図である。
プリンター2は、プリンター2の全体を制御する制御部20と、制御部20の制御に従って動作する各部を備えて構成される。制御部20は、所定のプログラムを実行して各種データを処理することにより制御を行うCPU21と、CPU21が実行する基本制御プログラムを記憶したROM22と、CPU21が実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成するRAM23と、CPU21の制御に従ってモーター等を駆動するモータードライバー24とを備えている。そして、CPU21には、メモリスイッチや処理対象のデータ等を不揮発的に記憶する不揮発性メモリー25が接続される。不揮発性メモリー25は、具体的には、EEPROMやフラッシュメモリー等の半導体記憶素子により構成される。
【0018】
また、CPU21には、紙送りスイッチ17における操作を検出する入力部26、LED表示部18を制御して各種表示を行わせる表示部27、ロール紙100の搬送路上の所定位置に配置され、該位置におけるロール紙100の有無を検出する用紙端センサー37、ロール紙100の残量が所定量以下になったことを検出する用紙残量センサー38、及び、ホストコンピューター4に接続され、ホストコンピューター4との間のコマンドやデータの送受信を制御するインターフェース28等が接続されている。
CPU21は、用紙端センサー37及び用紙残量センサー38により検出されるロール紙100の位置やロール紙100の残量を監視しながら、インターフェース28を介してホストコンピューター4から入力される制御コマンドを実行し、モータードライバー24を介して印刷ヘッド31、カッター駆動モーター36及び搬送モーター39を動作させ、ロール紙100への印刷を実行する。CPU21は、入力部26によって紙送りスイッチ17の操作を検出した場合は搬送モーター39を動作させてロール紙100を所定量搬送する。また、CPU21は、プリンター2の動作状態等に合わせて表示部27を介してLED表示部18の各LEDの点灯状態を変化させる。
【0019】
モータードライバー24には、印刷ヘッド31、カッター駆動モーター36、及び、プラテン32を駆動する搬送モーター39が接続される。モータードライバー24は、印刷ヘッド31の各発熱素子(図示略)に対して駆動電流を供給するとともに電圧を制御して、ロール紙100への印刷を行わせる。また、モータードライバー24は、例えばステッピングモーターで構成されるカッター駆動モーター36及び搬送モーター39に対し、駆動電源を供給するとともに必要数の駆動パルスを出力する。搬送モーター39は、プラテン32を回転させることによりロール紙100を搬送する搬送部として機能する。
【0020】
図4は、プリンター2の機能的構成を示す機能ブロック図である。この図4に示す各ブロックは、図3に示したプリンター2の各部のハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能を示す。
制御部20は、インターフェース28を介してホストコンピューター4から受信したコマンドやデータを一時的に保持する受信バッファー201、受信バッファー201に保持されたコマンドを検出して、その種類や内容を判定するコマンド判定部202、コマンド判定部202により検出されたコマンドに従って処理を実行するコマンド処理部203、ロール紙100に印刷される文字やロゴ等からなる印刷イメージを一時的に記憶するイメージバッファー204、及び、ロール紙100への印刷を制御する印刷制御部205を有する。
また、プリンター2は、制御部20の制御に従ってロゴの画像データを記憶するロゴイメージ記憶部210(記憶部)を有する。ロゴイメージ記憶部210は、不揮発性メモリー25(図3)に形成される記憶領域であり、ロゴの画像データを不揮発的に記憶する。
【0021】
受信バッファー201は、RAM23(図3)により構成される揮発性の記憶部であり、インターフェース28を介して受信したデータを、コマンドやデータの区別なく、受信した順に記憶する。
コマンド判定部202は、受信バッファー201に記憶されたデータを先頭から順に参照し、各データがコマンドであるか否かを判定する。すなわち、コマンド判定部202は、受信バッファー201に記憶されたデータの中からコマンドを検出する。
コマンド処理部203は、コマンド判定部202によってコマンドであると判定されたデータを受信バッファー201から読み出して、そのコマンドを実行する。ホストコンピューター4から送信されるコマンドは、その処理対象のデータを伴っている場合があり、例えば、印刷実行のコマンドに続けて印刷データがホストコンピューター4から送信されて受信バッファー201に記憶され、ロゴ登録等のコマンドは登録すべき画像データとともにホストコンピューター4から送信され、これらのコマンドとデータは受信バッファー201に記憶される。
【0022】
また、コマンド処理部203は、受信バッファー201からロゴ登録のコマンドを読み出した場合、このコマンドに続く画像データを読み出して、コマンドにより指定された識別情報を付してロゴイメージ記憶部210に画像データを記憶させる。ロゴイメージ記憶部210に記憶された画像データは、必要に応じてロゴイメージ記憶部210から読み出されて、ロール紙100に印刷される。コマンド処理部203は、ホストコンピューター4から制御コマンドを受信して、ロゴイメージ記憶部210にロゴとして記憶された画像データの印刷が指定された場合には、その画像データをロゴイメージ記憶部210から読み出す。そして、コマンド処理部203は、ロール紙100に印刷する文字や画像を印刷イメージとしてイメージバッファー204に展開する。イメージバッファー204は、RAM23(図3)により構成される揮発性の記憶部であり、印刷制御部205によってロール紙100に印刷され、画像データを展開するワークエリアを形成する。
印刷制御部205は、コマンド処理部203の制御に従って、用紙端センサー37及び用紙残量センサー38の検出値に基づいて、印刷ヘッド31、搬送モーター39及びカッター駆動モーター36を制御し、イメージバッファー204に展開された印刷イメージに従ってロール紙100への印刷を行う。
【0023】
図5は、プリンター2により印刷されるレシート101の例を示す図である。
この図5には、レシート101におけるカット位置をわかりやすくするため、実際にはカットされる複数枚のレシート101を、繋がった状態で示しており、通常、複数枚のレシート101が繋がって排紙口14(図1)から出力されることはない。図5には、各々のレシート101の切れ目すなわちカッターユニット33により切断される位置を、カット位置C1、C2で示す。
【0024】
図5に示すように、カット位置C1、C2を上端および下端とするレシート101は、上部にトップロゴ102が印刷され、下部にボトムロゴ103が印刷され、トップロゴ102とボトムロゴ103との間の明細印刷領域104に、POS端末1で会計処理を行った取引の明細が印刷される。
ここで、上端であるカット位置C1、C2とトップロゴ102の上端との間には、余白領域が設けられる。この余白領域をトップロゴ上マージンL1とする。また、トップロゴ102の下端と明細印刷領域104との間にも余白領域が設けられる。この余白領域をトップロゴ下マージンL2とする。
また、明細印刷領域104とボトムロゴ103との間にも余白領域(ボトムロゴ上マージンL3とする)が設けられ、ボトムロゴ103とカット位置C1、C2との間にも余白領域(ボトムロゴ下マージンL4とする)が設けられる。
これらトップロゴ上マージンL1、トップロゴ下マージンL2、ボトムロゴ上マージンL3及びボトムロゴ下マージンL4のサイズは、予めホストコンピューター4からプリンター2に送信されるコマンドによって設定され、ロゴイメージ記憶部210に記憶されている。
【0025】
すなわち、図4に示すロゴイメージ記憶部210には、トップロゴ102(図5)やボトムロゴ103として印刷される画像のデータが、ロゴイメージ211として記憶されており、ロゴイメージ211とともに、マージン設定値212が記憶されている。ロゴイメージ記憶部210に記憶されるロゴイメージ211の数は任意であり、トップロゴ102用のロゴイメージ211と、ボトムロゴ103用のロゴイメージ211とが別々に記憶されていてもよく、一つのロゴイメージ211がトップロゴ102用及びボトムロゴ103用として使用されてもよい。
【0026】
マージン設定値212は、ロゴイメージ211として記憶された各画像を印刷する際に、画像の上下に設けられる余白領域のサイズを示す値であり、ロゴイメージ211に対応づけて記憶されている。例えば、トップロゴ102として印刷されるロゴイメージ211には、トップロゴ上マージンL1及びトップロゴ下マージンL2の長さが、マージン設定値212として対応づけて記憶される。また、例えば、ボトムロゴ103として印刷されるロゴイメージ211には、ボトムロゴ上マージンL3及びボトムロゴ下マージンL4の長さが、マージン設定値212として対応づけて記憶される。このため、各々のロゴイメージ211について、上下に設けられる余白領域のサイズを個々に設定できる。
カット位置C1、C2とトップロゴ102との間の余白であるトップロゴ上マージンL1の大きさは、トップロゴ102の見栄えに大きく影響し、同様にボトムロゴ下マージンL4の大きさはボトムロゴ103の見栄えに影響する。従って、ロゴイメージ211に対応づけて、余白領域のサイズをマージン設定値212として記憶することで、トップロゴ102やボトムロゴ103の見栄えを所望の通りに調整できる。
【0027】
ロゴイメージ記憶部210に記憶されたマージン設定値212の値は、印刷制御部205によってレシート101を印刷する場合に読み出される。
コマンド判定部202によって、ホストコンピューター4から送信されたコマンドとして、ロール紙100のカットを指示するコマンド(オートカットコマンド)が検出された場合、コマンド処理部203は、ロール紙100におけるカット位置を決定し、決定したカット位置の前及び後のうちいずれか、或いは両方に、印刷制御部205によって画像を印刷させ、カッター駆動モーター36を駆動してロール紙100をカットさせる。
【0028】
図6は、ロゴイメージ記憶部210に記憶されるデータの態様を模式的に示す図である。図6Aはロゴイメージ211にマージン設定値212が対応づけて記憶される態様、図6Bはロゴイメージ211にマージン設定値212が含まれる態様、図6Cは複数のロゴイメージ211に共通の共通マージン設定値214が記憶される態様を示す。
図6Aに示す態様は基本的な態様であり、ロゴイメージ記憶部210には複数のロゴイメージ211が記憶され、各々のロゴイメージ211にマージン設定値212が対応づけて記憶されている。トップロゴ102(図5)用のロゴイメージ211にはトップロゴ上マージンL1、トップロゴ下マージンL2を含むマージン設定値212が対応づけられ、ボトムロゴ103用のロゴイメージ211にはボトムロゴ上マージンL3及びボトムロゴ下マージンL4を含むマージン設定値212が対応づけられる。また、各々のマージン設定値212が、トップロゴ上マージンL1、トップロゴ下マージンL2、ボトムロゴ上マージンL3及びボトムロゴ下マージンL4の全ての設定値を含んでいてもよい。図6Aの態様では、各々のロゴイメージ211とマージン設定値212との対応関係を規定するテーブル(図示略)がロゴイメージ記憶部210に記憶されてもよく、このテーブルに、トップロゴ102及びボトムロゴ103として使用されるロゴイメージ211を指定する情報を含んでもよい。
この図6Aの態様では、各々のロゴイメージ211に対応づけてマージン設定値212が記憶されるので、ロゴイメージ211毎にマージンのサイズを任意に設定でき、余白の設定に関する自由度が高まるという利点がある。
【0029】
また、図6Bに示すように、ロゴイメージ記憶部210に記憶されるロゴイメージ211を、画像データ213とマージン設定値212とを含んだ態様とすることもできる。画像データ213は例えばビットマップデータであり、マージン設定値212は、画像データ213のヘッダーやフッターとして付加されている。画像データ213がJPEG形式やTIFF形式のデータである場合、マージン設定値212を画像データ213に埋め込んでもよい。図6Bの態様では、テーブル等を用いることなくロゴイメージ211とマージン設定値212との対応付けを容易に行えるという利点がある。
【0030】
さらに、図6A及び図6Bに示すように、全てのロゴイメージ211に対してマージン設定値212を対応づける態様のほか、図6Cに示すように、複数のロゴイメージ211に共通して使用される共通マージン設定値214を設ける態様としてもよい。図6Cの態様では、一部のロゴイメージ211にはマージン設定値212が対応づけて記憶されており、他の一部のロゴイメージ211には個別のマージン設定値212が対応づけられておらず、これらのロゴイメージ211に対応する共通マージン設定値214が記憶されている。この場合、マージンのサイズに係る自由度を高めることができる一方で、複数のロゴイメージ211に対してマージン設定値212を設定する手間を省くことができるという利点がある。また、ロゴイメージ記憶部210に記憶された全てのロゴイメージ211に共通マージン設定値214を対応させてもよい。
また、1つのマージン設定値212に対して複数のロゴイメージ211を対応付けて、このようなマージン設定値を複数記憶する構成としてもよい。つまり、例えばホストコンピューター4からのコマンドにより、マージン設定値212に対応するロゴイメージ211が1または複数指定され、このコマンドに従って、あるマージン設定値212と、このマージン設定値212に対応するロゴイメージ211とがロゴイメージ記憶部210に記憶されてもよい。
【0031】
図7は、プリンター2の動作を示すフローチャートであり、ロール紙100のカットに関連する動作を示す。
プリンター2の制御部20は、プリンター2の電源がオンに切り替えられ、動作を開始すると(ステップS11)、レシート101にトップロゴ102として印刷する画像のロゴイメージ211と、このロゴイメージに対応するマージン設定値212または共通マージン設定値214とを取得する(ステップS12)。
続いて、制御部20は、トップロゴ上マージンL1分の搬送を行い、印刷制御部205によりトップロゴ102を印刷し、トップロゴ下マージンL2分の搬送を行う(ステップS13)。この間、制御部20は、トップロゴ102の上にステップS12で取得したトップロゴ上マージンL1分だけ離れた位置をカット位置に決めて、このカット位置がカッターユニット33のカット位置Cに達した後、搬送を停止し、カッター駆動モーター36を駆動してロール紙100をカットする。この後、印刷または紙送りを行うことにより、トップロゴ102のトップロゴ上マージンL1が確保される。制御部20は、トップロゴ102の下端を印刷してからトップロゴ下マージンL2を確保した位置で、いったん搬送モーター39を停止させる。
【0032】
ここで、制御部20は、プリンター2の動作を停止するか否かを判別し(ステップS14)、動作を継続する場合には、ホストコンピューター4から印刷コマンドを受信するまで待機する(ステップS15)。印刷コマンドは、ホストコンピューター4において売上登録と会計処理が行われた後に、ホストコンピューター4からプリンター2へ送信される。この印刷コマンドは、明細印刷領域104に印刷される明細印刷データを伴っている。
制御部20は、ホストコンピューター4からの印刷コマンドをコマンド判定部202によって検出すると(ステップS15;Yes)、印刷コマンドに続けて受信した印刷データに従って、明細印刷領域104の印刷を実行する(ステップS16)。
印刷終了後、制御部20は、ホストコンピューター4からオートカットコマンドを受信するまで待機する(ステップS17)。ここで、他のコマンドを受信した場合には(ステップS17;No)、そのコマンドを実行し(ステップS18)、オートカットコマンドの待機状態に戻る。
【0033】
オートカットコマンドを受信すると(ステップS17;Yes)、制御部20は、レシート101にボトムロゴ103として印刷する画像のロゴイメージ211と、このロゴイメージに対応するマージン設定値212または共通マージン設定値214とを取得する(ステップS19)。そして、制御部20は、印刷制御部205により搬送モーター39を駆動して、ボトムロゴ上マージンL3分の搬送を行い、印刷制御部205によりボトムロゴ103を印刷し、ボトムロゴ下マージンL4分の搬送を行う(ステップS20)。
制御部20は、ステップS13に戻り、印刷制御部205によりトップロゴ上マージンL1の搬送とトップロゴ102の印刷とトップロゴ下マージンL2の搬送を行い、合わせてロール紙100のトップロゴ上マージンL1の上の位置でカットを行い、停止する。以後、プリンター2が停止するまでの間、制御部20は、ホストコンピューター4から印刷データを受信する毎に明細印刷領域104及びボトムロゴ103を印刷し、さらに次のレシート101のトップロゴ102を印刷して、ロール紙100をカットする動作を繰り返し実行する。
【0034】
図8は、コマンドに対応したプリンター2の動作を示す説明図である。図8Aはホストコンピューター4からプリンター2に送信されるコマンドを示し、図8Bはコマンドに対応したプリンター2の動作を示し、図8Cはロゴイメージ記憶部210内のデータを示す。
図8Bに示すように、プリンター2の制御部20は、電源が投入されるとトップロゴ102のマージン設定値212または共通マージン設定値214を取得し、1枚目のレシート101のトップロゴ102を印刷するとともにロール紙100を搬送し、トップロゴ102の上(前)にトップロゴ上マージンL1を確保した位置でロール紙100をカットする。この一連の動作により、1枚目のレシート101を印刷する準備が整う。
【0035】
ここで、図8Aに示すように1枚目のレシート101の印刷コマンドが送信されると、この印刷コマンドに従って、制御部20は1枚目の明細印刷領域104を印刷する。また、最初に明細印刷領域104を印刷した後、制御部20はロゴイメージ記憶部210からボトムロゴ103に関するマージンを取得する。
印刷データに続いてオートカットコマンドがホストコンピューター4からプリンター2に送信されると、制御部20は1枚目のレシート101のボトムロゴ103を印刷し、ボトムロゴ103の下端からカット位置までのマージンに相当する搬送を行い、さらに、カット位置から2枚目のトップロゴ102の上端までのマージンに相当する搬送を行い、トップロゴ102を印刷し、トップロゴ102から明細印刷領域104までのマージン分の搬送を行う。この動作の間にカット位置がカッターユニット33に達したらカットする。このように、オートカットコマンドを受信した場合に、制御部20は、ボトムロゴ103と次のレシート101のトップロゴ102を印刷し、その間のカット位置でロール紙100をカットする処理を行う。このため、プリンター2とホストコンピューター4との間で送受信されるデータを少なくして、スループットの向上を図ることができる。
【0036】
また、制御部20がトップロゴ102及びボトムロゴ103を最初に印刷する際に、ロゴのロゴイメージ211とともに、マージン設定値212または共通マージン設定値214が読み出される。これらのデータの読み出しは基本的に初回のみで済むので、データの読み出しに要する時間は短く、スループットの低下を招くおそれはない。
なお、トップロゴ102及びボトムロゴ103として印刷するロゴイメージ211は、予め設定されていてもよいし、ホストコンピューター4からプリンター2に送信する印刷コマンドやオートカットコマンドに、ロゴイメージ211を指定するデータを含めてもよい。
【0037】
図9は、プリンター2の動作を示すフローチャートであり、特に、マージン設定値212、共通マージン設定値214の設定に係る動作を示す。
ロゴイメージ記憶部210に記憶されるマージン設定値212及び共通マージン設定値214の値は、ホストコンピューター4からマージン設定コマンドをプリンター2に送信することで、設定および変更可能である。
このマージン設定コマンドは、マージンの設定を指示するコマンド部とともに、設定するマージンが共通マージン設定値214であるか、特定のロゴイメージ211に対応するマージン設定値212であるかを示すデータ、設定するマージンの対象のロゴイメージ211を示すデータ、及び、マージンの種類(トップロゴ上マージンL1、トップロゴ下マージンL2、ボトムロゴ上マージンL3、ボトムロゴ下マージンL4のいずれか)毎のマージンの値とを示すデータを含んでいる。
【0038】
プリンター2の制御部20は、ホストコンピューター4からマージン設定コマンドを受信するまで、停止して或いは他の動作を実行しながら待機しており(ステップS31)、マージン設定コマンドを受信すると(ステップS31;Yes)、設定されるマージンがマージン設定値212か共通マージン設定値214かを判別し(ステップS32)、設定対象が共通マージン設定値214である場合は(ステップS32;Yes)、このマージン設定コマンドの値に基づいて、ロゴイメージ記憶部210に記憶される共通マージン設定値214を設定または更新して、本処理を終了する。
また、マージン設定コマンドの対象がマージン設定値212である場合(ステップS32;No)、制御部20は、設定されるマージン設定値212が対応するロゴイメージ211を特定し(ステップS34)、特定したロゴイメージ211に対応するマージン設定値212の値を、マージン設定コマンドの値に基づいて設定または更新し、本処理を終了する。
この図9に示す動作により、プリンター2が記憶するマージンの値は、ホストコンピューター4からコマンドを送るだけで容易に設定および変更できる。
【0039】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係るプリンター2によれば、トップロゴ102及びボトムロゴ103として印刷されるロゴイメージ211を記憶するロゴイメージ記憶部210と、ロゴイメージ記憶部210に記憶された画像をロール紙100に記録する印刷部30と、ロール紙100を搬送する搬送モーター39及びプラテン32と、印刷部30により記録されたロール紙100をカットするカッターユニット33と、ホストコンピューター4からの指示に応じて印刷部30及びカッターユニット33を制御する制御部20と、を備え、制御部20は、ホストコンピューター4からオートカットコマンドを受信した場合に、ロゴイメージ記憶部210に記憶されたカット位置を基準とした余白領域に基づいて、ロゴイメージ211を印刷部30によって記録し、ロール紙100を搬送モーター39及びプラテン32によって搬送し、カッターユニット33によりロール紙100をカット位置でカットして、カット位置の前後の少なくともいずれか、或いは両方に上記の余白領域を設け、ロゴイメージ記憶部210には画像と余白領域とを対応付けて記憶する。
この構成によれば、ホストコンピューター4からオートカットコマンドを送信するだけで、カット位置の前後のいずれかまたは両方に余白領域を設けて、トップロゴ102或いはボトムロゴ103が印刷され、その間のカット位置でロール紙100がカットされるので、プリンター2とホストコンピューター4との間で送受信されるデータを少なくして、スループットの向上を図ることができる。そして、カット位置とトップロゴ102或いはボトムロゴ103との間の余白領域のサイズは画像に対応付けてロゴイメージ記憶部210に記憶され、例えばホストコンピューター4からコマンドを送信する等の方法により記憶された余白領域を変更すれば、変更した余白領域に従って画像を記録させることができ、画像の見栄えに影響する周囲の余白領域のサイズを自在に調整できる。
【0040】
なお、上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、レシート101の上部のトップロゴ102と下部のボトムロゴ103との両方を印刷する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、トップロゴ102のみ、或いはボトムロゴ103のみを、カット位置を基準としたサイズのマージンを設けた位置に印刷してもよい。また、上記実施形態では、ロゴイメージ記憶部210に、ロゴイメージ211、マージン設定値212及び共通マージン設定値214を記憶する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、マージン設定値212及び共通マージン設定値214を、ロゴイメージ211とは別の記憶領域に記憶してもよい。また、上記実施形態ではカット位置からトップロゴ102及びボトムロゴ103までの、ロール紙100の長さ方向におけるマージンの値を設定し、この設定に従って印刷及びカットする場合を例に挙げて説明したが、合わせてロール紙100の幅方向におけるマージンの値を設定可能な構成としてもよい。さらにまた、トップロゴ102及びボトムロゴ103と、明細印刷領域104との間のマージンを設定する場合に限らず、ロール紙100に複数のロゴイメージ211を並べて印刷する場合の各ロゴイメージ211間のマージンを設定可能としてもよい。さらに、ロール紙100に代えて連続紙を使用する構成としてもよく、その他のプリンター2及びホストコンピューター4の細部構成については任意に変更可能である。
また、本発明を適用可能な記録装置は、予め記憶した画像データを印刷できるプリンターであれば特に制限されず、サーマルラインプリンターに限らず、インクジェット式プリンター、ドットインパクト式プリンター、熱昇華型プリンター等或いは他の方式で文字や画像を形成するプリンターであってもよく、他の装置に組み込まれるプリンターにも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
2…プリンター(記録装置)、4…ホストコンピューター(外部接続された装置)、20…制御部、30…印刷部(記録部)、31…印刷ヘッド、32…プラテン、33…カッターユニット、39…搬送モーター(搬送部)、100…ロール紙(記録媒体)、101…レシート、102…トップロゴ、103…ボトムロゴ、104…明細印刷領域、210…ロゴイメージ記憶部(記憶部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された画像を記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録部により記録された前記記録媒体をカットするカッターユニットと、外部接続された装置からの指示に応じて前記記録部、前記カッターユニット及び前記搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部に記録されている前記カット位置を基準とした余白領域に基づいて、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送し、前記記憶部に記憶された画像を前記記録部によって記録し、前記カッターユニットにより前記記録媒体を前記カット位置でカットして、カット位置の前後の少なくともいずれかに前記余白領域を設け、
前記記憶部は、前記画像と前記余白領域を対応づけて記憶していること、
を特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記外部接続された装置から入力されるコマンドにより、前記カット位置を基準とした余白領域毎に前記画像が指定された場合に、指定された画像を、各余白領域に対応づけて前記記憶部に記憶させ、
前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部から記録対象の画像を取得するとともに、この画像に対応づけて記憶された余白領域のサイズを取得し、取得したサイズの余白領域を設けた位置に前記記録部によって画像を記録すること、を特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記外部接続された装置から入力されるコマンドにより前記カット位置を基準とした余白領域が画像毎に指定された場合に、指定された余白領域を、各画像に対応づけて前記記憶部に記憶させ、
前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部から記録対象の画像を取得するとともに、この画像に対応づけて記憶された余白領域のサイズを取得し、取得したサイズの余白領域を設けた位置に前記記録部によって画像を記録すること、を特徴とする請求項2記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記憶部に記憶される画像のデータに、前記画像自体のデータとともに前記余白領域に係るデータを含めて記憶させること、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記外部接続された装置から入力されるコマンドにより、複数の前記画像に対し、前記カット位置を基準とした共通の余白領域が指定された場合に、指定された余白領域を前記共通の余白領域として前記記憶部に記憶させ、
前記外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部から記録対象の画像を取得するとともに、前記共通の余白領域として記憶された余白領域を取得し、取得した前記余白領域に基づく位置に前記記録部によって画像を記録すること、を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
記録媒体を搬送部により搬送し、予め記憶部に記憶した画像を記録部によって記録するとともに、前記記録媒体をカッターユニットによりカットする記録装置を制御する記録装置の制御方法であって、
前記記録部、前記カッターユニット及び前記搬送部を制御する制御部によって、外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部に前記画像と対応付けて記憶されている前記カット位置を基準とした余白領域に基づいて、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送させ、前記記憶部に記憶された画像を前記記録部によって記録させ、前記カッターユニットにより前記記録媒体を前記カット位置でカットさせて、前記カット位置の前後の少なくともいずれかに前記余白領域を設けること、
を特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
記録媒体を搬送部により搬送し、予め記憶部に記憶した画像を記録部によって記録するとともに、前記記録媒体をカッターユニットによりカットする記録装置を制御する制御部が実行するプログラムであって、
前記制御部は、外部接続された装置から前記記録媒体のカットが指示された場合に、前記記憶部に前記画像と対応付けて記憶されている前記カット位置を基準とした余白領域に基づいて、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送させ、前記記憶部に記憶された画像を前記記録部によって記録させ、前記カッターユニットにより前記記録媒体を前記カット位置でカットさせて、前記カット位置の前後の少なくともいずれかに前記余白領域を設けること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−88373(P2011−88373A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244211(P2009−244211)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】