説明

記録装置および記録方法

【課題】長尺状の記録媒体を用いる記録装置において、記録媒体の各ページの中に正確に画像を記録できるようにする。
【解決手段】記録媒体に付されたページの先頭を示すマークを、ページ検出手段によって検出することに同期して、前記記録媒体の各ページに対応する画像を記録するための第2の記録データと前記第1の記録データとを合成する。この合成データに基づいて記録媒体への記録を行うことにより、ページ内にページの先頭を基準としたページ画像を連続画像と共に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のページに跨る連続的な画像を記録するための記録データに基づいて、長尺状の記録媒体に対し複数ページに跨る画像を連続的に記録する記録装置および記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンフォールド紙などの連続した長尺状の記録媒体(以下、連続紙という)につなぎ目なしで連続的にログデータなどの印刷を行う記録装置として、例えば、特許文献1に示すものがある。同文献に開示の記録装置ではホストコンピュータから送信される印刷データに基づき連続紙の中のページとは関係なく連続的に画像を記録するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、従来の記録装置では、連続紙に対して連続的に画像を記録することは可能であるが、連続紙の各ページの中の所定の位置に正確に画像を記録可能とするものは存在していない。例えば、連続紙の各ページの上部または下部に、ヘッダーあるいはフッタなどのようなページ番号・記録日時・などを表す画像を正確に記録し得るものは存在していないのが現状である。
【0004】
本発明は、長尺状の記録媒体に記録を行う記録装置において記録媒体の各ページの中に正確に画像を記録することが可能な記録装置および記録方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
【0006】
すなわち、本発明の第1の形態は、所定間隔毎にページの先頭を示すマークが付された長尺状の記録媒体を搬送し、複数のページに跨る連続的な第1の記録データに基づいて、前記記録媒体に対し記録手段によって複数ページに跨る画像を記録可能な記録装置において、前記マークを検出し、前記記録媒体における各ページの先頭を検出するページ検出手段と、前記ページ検出手段が前記マークを検出することに同期して、前記記録媒体の各ページに対応する画像を記録するための第2の記録データと前記第1の記録データとを合成する合成手段と、を備え、前記合成手段により合成された合成データに基づいて前記記録媒体に対し前記記録手段による記録を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の形態は、所定間隔毎にページの先頭を示すマークが付された長尺状の記録媒体を搬送し、複数のページに跨る連続的な第1の記録データに基づいて、前記記録媒体に対し複数ページに跨る画像を記録する記録方法であって、前記マークを検出することにより前記記録媒体における各ページの先頭を検出するページ検出工程と、前記ページ検出手段が前記マークを検出することに同期して、前記記録媒体の各ページに対応する画像を記録するための第2の記録データと前記第1の記録データとを合成する合成工程と、前記合成データに基づいて前記記録媒体に対して記録を行う記録工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長尺状の記録媒体の各ページに跨って連続的に画像を記録しながら、各ページに合わせた情報を表す画像も正確な位置に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態における記録装置とホストコンピュータとを接続したシステム構成の説明図である。
【図2】図1における記録装置の概略構成図である。
【図3】図1における記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1の記録装置で使用するファンフォールド紙の概略図である。
【図5】図1の記録装置に対しホストから送信される種々の制御コマンドの構造を示した図である。
【図6】図1のホストコンピュータから記録装置への記録コマンドの転送例を示す図である。
【図7】図1の記録装置により受信された連続画像データを連続画像メモリ上に展開した状態を示す概念図である。
【図8】図1の記録装置により受信されたページデータの展開フォーマットと、そのフォーマットに従いページ画像メモリ上に展開したページデータの概念図である。
【図9】図1の記録装置によるページ画像メモリに記憶された連続画像データと連続画像メモリに記憶されたページデータ、および両データの合成データを示す概念図である。
【図10】図1の記録装置における記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態において転送される記録コマンドの例を示す概念図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における記録処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における記録装置とホストコンピュータとを接続したシステム構成の説明図である。図1において、記録装置100には、情報処理装置としてのホストコンピュータ(ホスト装置)101がケーブル102によって接続されている。ホストコンピュータ101は、画像データ等を、制御コマンドとしてケーブル102を介して記録装置100に出力する。また、ホストコンピュータ101は、記録装置100のステータス情報(エラー情報など)を制御コマンドとして受信することにより、記録装置100のステータスを使用者に通知する。
【0011】
図2は、本実施形態における記録装置100の概略構成図である。図2において記録装置100は、図2に示すように折り曲げ可能な連続紙であるファンフォールド紙(記録媒体)210に対して画像が記録可能である。搬送部は搬送モータ206と搬送ベルト207を備えており、記録時に、図中の矢印方向(搬送方向)にファンフォールド紙210を搬送する。図2では、記録装置100の右側に搬送入口100aが形成され、逆側(図2中の左側)に搬送出口が形成されている。
【0012】
記録装置100には、インク滴を吐出可能な記録手段としてのインクジェット記録ヘッド203が設けられている。この記録ヘッド203としては、ブラック(K)インク吐出用の記録ヘッド203K、シアン(C)インク吐出用の記録ヘッド203C、マゼンタ(M)インク吐出用の記録ヘッド203M、イエロー(Y)インクと吐出用の記録ヘッド203Yが搭載されている。これら4本の記録ヘッドは、いずれもフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであり、使用するファンフォールド紙の搬送方向と交差(ここでは直交)する方向おける幅以上の範囲に亘ってインク滴を吐出するためのノズルを配列した長尺なノズル列を有する。これら4本の記録ヘッド203から、それぞれK、C、M、Yのインクを吐出することによって、フルカラーの画像の記録が可能である。それぞれの記録ヘッド203から吐出されるインクは、対応するインクカートリッジ204から供給される。204Kはブラック(K)インクを収容するインクカートリッジ、204Cはシアン(C)インクを収容するインクカートリッジ、204Mはマゼンタ(M)インクを収容するインクカートリッジ、204Yはイエロー(Y)インクを収容するインクカートリッジである。
【0013】
図3は、本実施形態における記録装置100の制御系の概略構成を示すブロック図である。図3において、ホストコンピュータ101は、ファンフォールド紙の複数のページに跨って連続的に記録すべき画像を表す記録データ(第1の記録データ)等を含んだ連続画像データコマンドを制御コマンドとして記録装置100に転送する。さらに、ホストコンピュータ101は、ページ毎に記録すべきページ画像を表す記録データ(第2の記録データ)等を含んだページ画像データコマンドを制御コマンドとして記録装置100に転送する。これらの制御コマンドにより、記録装置100による記録処理の開始が指示される。また、ホストコンピュータ101は、記録装置100によって記録するファンフォールド紙210の種類やサイズ等を指示するための用紙設定コマンドを記録装置100に向けて送信することができる。
【0014】
記録装置100は、インターフェースコントローラ(第1の受信手段)301によってホストコンピュータ101との間の通信を制御することによりホストコンピュータ101からのコマンド(連続画像データコマンド、ページ画像データコマンド、用紙設定コマンドなど)を受信する。記録装置100は、受信した画像データが連続画像データコマンドであれば、各色成分の画像データを、連続画像メモリ303K,303C,303M,303Yのそれぞれにビットマップ展開する。また、受信した画像データがページ画像データコマンドであれば、そのコマンドの内容に応じた画像データの各色成分の画像データを、ページ毎にページ画像メモリ304K、304C、304M、304Yにビットマップ展開して描画される。また、ファンフォールド紙210のサイズおよび用紙設定コマンドは、ワークメモリ305に格納される。そして、連続画像データとページ画像データ、用紙設定コマンドとが連続画像メモリ303、ページ画像メモリ304のそれぞれに展開されてから、記録ヘッド203(203K〜203Y)がヘッド昇降モータ309によって記録可能位置へ移動される。
【0015】
記録に際しては、ファンフォールド紙210の搬送に同期して、メインコントローラ300が連続画像メモリ303、ページ画像メモリ304のそれぞれから対応する色の記録データを順次読み出す。それらのデータは、記録ヘッド制御回路306を経由して、対応する色のインクを吐出する記録ヘッド203K〜203Yに出力される。この画像データの読み出し及び出力の詳細は後述する。記録ヘッド203K〜203Yのそれぞれは、入力された画像データに従って対応する色のインクを吐出することにより、多色のカラー画像を記録する。
【0016】
また、入出力ポート307にはファンフォールド紙201に所定間隔毎に付与されたマークを検出してページ先端を検出するためのページ検出センサ311やその他各種機構を制御するためのセンサ312が接続されている。
【0017】
図4は、本実施形態におけるファンフォールド紙(連続紙)210の概略図である。
【0018】
長尺状のファンフォールド紙210は、各ページの境界位置にミシン目401が形成されており、各ミシンメ401を山折、谷折の順に折り曲げられることにより束状に積載されている。
【0019】
また、ファンフォールド紙の裏側210b(表側210aが記録面)には、ミシン目210pとの近接位置においてマーク402が付加されている。また、本実施形態では、隣接するミシン目間の領域を1ページとしている。
【0020】
図5及び図6はホストから送信される種々の制御コマンドの構造を示した図である。
【0021】
図5に示すように、全てのコマンドは、そのコマンドの先頭にコマンドの種類を識別する識別コードが配置され、その識別コードに続いて、そのコマンドに関する付帯的な指示を設定するオペランドが続く。なお、コマンドの種類によっては、オペランドがなく、識別コードのみで構成される場合もある。
【0022】
制御コマンドとしては、ファンフォールド紙210の1ページあたりのサイズ等を設定する用紙設定コマンド501、ページデータを形成するための画像データ502、シリアルナンバーコマンド503、文字504、日時505、連続画像データを形成する連続画像データコマンド506などがある。これらのコマンドは、図6の記録コマンド転送例510に示されるようなコマンド列としてホスト101から記録装置100に出力される。 図7は、受信した連続画像データコマンド506を連続画像メモリ(第1の記憶手段)303上に展開した状態を概念的に示す図である。図7では、K、C、M、Yの画像データを重ねた状態で示している。連続画像データコマンド506を複数受信することで、図7に示すようにページの境界とは関連のない連続的な画像データが連続画像メモリ303上に展開される。展開された画像データによって表される画像の記録動作が終了すると、その画像に対応する画像データは連続画像メモリ303から開放され、開放された連続画像メモリ303に次の画像データが展開される。
【0023】
図8(a)は、受信したページ画像データコマンドを展開するためのフォーマットであり、同図(b)はそのフォーマットに従ってページ画像メモリ(第2の記憶手段)304に画像を展開した状態を示す概念図である。
ページ画像データコマンド(記録情報)として受信した各コマンドは、コマンド内で指示したページ内の座標位置に画像データ、文字、日時、シリアルナンバーなどを展開する。本実施形態では、Data01(701)の位置に日時コマンド505として受信したデータを展開している。また、Data02(702)の位置にはシリアルナンバーコマンド503として受信したデータを展開し、Data03(703)の位置には画像データコマンド502として受信したデータを展開している。
【0024】
展開の際は、複数ページ分のデータを展開する。例えば、Data01(701)の位置における日時コマンド505では印刷日時の時間をページ毎に異なる時間として展開する。Data02(702)の位置のシリアルナンバーコマンド503では、ページ毎にインクリメントされた数値を展開する。Data03(703)の位置の画像データ502では、複数の画像データコマンド502により展開したデータをすべてのページに対し展開する。図8(b)では、3ページ分の画像データを展開した状態を示している。
【0025】
記録動作前に展開するページ数は、用紙設定コマンドにて設定された1ページあたりのサイズにより決定する。展開したページ画像メモリ304に記憶されたページ画像データに基づく記録動作が終了すると、そのページ画像データはページ画像メモリ304から開放され、開放されたページ画像メモリ304に次のページのデータが展開される。
【0026】
図9は、ページ画像メモリ304に記憶されたページ画像データと連続画像メモリ303に記憶された連続画像データとの合成データを説明する概念図である。連続画像メモリ303に展開された連続画像データ801対しページ画像メモリ304に展開されたページデータ802a〜802cを合成した結果、合成データ803が得られる。この合成データを生成する処理は、記録ヘッド制御回路306によって連続画像データ801とページ画像データ802との論理和をとることによって行われる。本実施形態では、前記記録ヘッド制御回路306に設けられたオアゲートに、前記連続画像データ801とページ画像データ802とが入力され、オアゲートから出力された画像データを合成記録データとする。
【0027】
連続画像データ801はファンフォールド紙210のページ位置とは関係なく記録されるが、ページ画像データ802はファンフォールド紙210の各ページの先頭を基準にして記録を行う。より具体的には、各ページに付されたマーク402の位置をセンサが検出したことに同期して記録を行う。ファンフォールド紙210の実際のサイズが1ページ分のページ画像データ802より大きい場合は、1ページ分のページ画像データ802を記録終了した時点から次のページの先頭までは、連続画像データ801のみの記録となることがある。
【0028】
図10は、本実施形態における記録装置におけるメインコントローラ300によって実行される記録処理を説明するためのフローチャートである。
まず、メインコントローラ300は、ホストコンピュータ101から記録装置100に対して送信された、ファンフォールド紙210のサイズなどの用紙設定コマンド501およびページ画像データコマンドを受信する(S901)。その後、メインコントローラ300は、ページ画像データコマンドにて指示された内容に従い、所定ページ数分のページ画像データをページ画像メモリ304に展開する(S902)。
【0029】
次に、メインコントローラ300は、連続画像データコマンド506を受信し、その連続画像データを連続画像データメモリ303に展開し(S903)、所定サイズ以上の連続画像データがメモリ303に展開されたか否かの判断を行う(S904)。ここで、所定サイズ以上の画像データが展開されたと判断された場合には、メインコントローラ300は、モータ駆動回路308を制御してヘッド昇降モータ309を駆動させ、記録ヘッド203を記録可能な位置へと移動させる。さらに、メインコントローラ300は搬送モータ310を制御し、ファンフォールド紙210の搬送を開始し(S905)、その後、ページ検出センサ311がファンフォールド紙210に付加されたマーク402を検出したか否かを判断する(S906)。ページ検出センサ311がマーク402を検出すると、メインコントローラ300は、S907の記録処理を実行する。
【0030】
この記録処理S907において記録される画像の画像データは、連続画像データとページ画像データとを合成した合成データである。この合成データに基づく記録動作において、連続画像データは各ページの先頭の検出に同期することなく連続的に記録されるが、ページ画像はページ検出センサ311にてページ先頭が検出されたことに同期して記録される。これにより、ページ画像データは、各ページの先頭位置を基準として記録されるため、各ページ画像の記録位置に僅かなずれが発生したとしても、そのずれが次のページの記録位置に対して影響を及ぼすことがない。つまり、多数のページを連続的に記録した場合にも各ページ画像の記録位置のずれが累積されることはなく、各ページ画像を常に良好な位置精度をもって形成することができる。従って、記録開始当初と記録終了時とで、各ページ(ミシン目間の領域)におけるページ画像の記録位置に大きなずれが生じることはない。例えば、図8に示すように各ページ内で常に一定の位置関係で記録されることが望ましいページ画像を多数ページ記録したとしても、各ページ画像は各ページの先頭位置を基準にして記録が行われるため、いずれのページもほぼ同様の位置にページ画像が記録される。
【0031】
また、記録ヘッド203にて記録が終了したページ画像のページ画像データ及び連続画像の連続画像データが記憶されていたメモリ303,304の記憶領域は逐次開放され、開放されたメモリの記憶領域に新たな画像データを展開する。この時、記録動作と並行して連続画像データの受信・展開処理も行われる(S907)。
【0032】
記録動作は、ジャムなどの中断要因が発生するか、未記録の連続画像データが無くなるまで継続される(S908)。受信した全ての連続画像データに基づく記録が行われると、記録ヘッド203による記録が停止され、記録ヘッド203はヘッド昇降モータによってヘッド保護位置に移動すると共に、ファンフォールド紙210を所定位置まで排紙する(S909)。以上により、記録に関する処理は終了となる(S909)。
【0033】
このように本実施形態に係る記録装置によれば、ファンフォールド紙に連続画像データを記録すると共に、ファンフォールド紙の各ページに、ページの先頭位置を基準にして正確に画像を記録することができる。
【0034】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、ページ画像データは記録動作前にページ画像データコマンドを受信すると、その後、記録装置に予め格納されているページ画像データをマーカの検出に基づいて読み出すようになっている。しかし、本発明は、以下に説明する第2の実施形態のように、ページ画像データを受信するためのインターフェースコントローラ(第2の受信手段)を持ち、ページ画像データも、連続画像データと同様にホストコンピュータから逐次受信する方式とすることも可能である。
【0035】
図11はこの第2の実施形態における記録コマンドの転送例である。図11に示すように、この実施形態においては、ホスト101から記録装置100への画像の転送経路は2経路1001と1002とがある。このうち、転送経路1001では連続画像データコマンドが送信され、転送経路1002ではページ画像データコマンドが送信される。なお、その他の構成は上記第1の実施形態と同様であり、その構成の説明は省略する。
【0036】
図12は、この第2の実施形態における記録装置におけるメインコントローラ300によって実行される記録処理を説明するためのフローチャートである。
まず、メインコントローラ300はホストコンピュータ101から記録装置100に対して送信された、ファンフォールド紙210のサイズなどの用紙設定コマンド501を受信する(S1101)。次にメインコントローラ300は、ページ画像データコマンドを受信し、ページ画像データコマンドにて指示された内容に従い、ページ画像データをページ画像メモリ304に展開する(S1102)。
【0037】
次に、メインコントローラ300は連続画像データコマンド506を受信し、これを連続画像データメモリ303に展開する(S1103)。所定サイズ以上の連続画像データ及びページ画像データの展開が終了すると(S1104)、記録ヘッド203を記録位置へと移動させ、ファンフォールド紙210の搬送を開始する(S1105)。ファンフォールド紙210に付与されたマーク402がページ検出センサ311にて検出され(S1106)、そのページの先頭位置が各記録ヘッド203下まで搬送されると、S1107の記録処理が実行される(S1107)。
【0038】
この記録処理S1107において記録される画像の画像データは、上記第1の実施形態と同様に連続画像データとページ画像データとを合成した合成データである。但し、この第2の実施形態では、ページ画像データが前述のようにホストコンピュータ101から転送された画像データとなっている。この第2の実施形態においても、合成データに基づく記録動作では、連続画像は各ページの先頭の検出に同期することなく連続的に記録され、ページ画像はページ検出センサ311にてページ先頭が検出されたことに同期して記録される。また、この記録動作と並行して連続画像データの受信・展開処理及び、ページデータの受信・展開処理が行われる。すなわち、記録済みのページ画像及び連続画像データが記憶されていたメモリ303,304の記憶領域は逐次開放され、開放されたメモリの記憶領域に新たなデータが展開される。
【0039】
記録動作は、ジャムなどの中断要因が発生しないか、未記録の連続画像データ又はページデータが無くなるまで継続され(S1108)、受信した全ての連続画像データ又はページデータが記録されると、記録ヘッド203による記録が停止される。その後、記録ヘッド203は保護位置に移動すると共に、ファンフォールド紙210を所定位置まで排紙し、記録動作は終了となる(S1109)。
【0040】
このようにこの第2の実施形態における記録装置では、ページ画像データもホストPCから逐次受信しながら、ファンフォールド紙に連続画像データを記録すると共に、各ページの中の所望の位置に正確に画像を記録することが可能となる。
【0041】
[その他の実施形態]
上記第2の実施形態ではページ画像データを受信するためのインターフェースコントローラを、連続画像データを受診するためのインターフェースコントローラとは別に備える構成とした。しかし、ページ画像データと連続画像データの双方の受信を、同一インターフェースを使用して行うことも可能である。これは、例えば、通信プロトコルや別パイプを用いることにより実現可能である。
【0042】
また、上記各実施形態では、フルラインタイプのインクジェット方式の印刷装置を利用するものとして説明したが、サーマルヘッドを用いた熱転写方式のプリンタ等、他の方式の記録ヘッドを持つフルラインタイプのプリンタに対しても有効である。さらに、記録画像の階調性を高めるために淡色インクの記録ヘッドを追加したものに対しても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
100 記録装置
101 ホストコンピュータ(情報処理装置)
203 記録ヘッド
210 ファンフォールド紙(被記録媒体)
300 メインコントローラ
301 インターフェースコントローラ
302 プログラムROM
303 連続画像メモリ
304 ページ画像メモリ
305 ワークメモリ
306 記録ヘッド制御回路
311 ページ検出センサ
401 ミシン目
402 マーク
501 用紙設定コマンド
502 ページ画像データコマンドの画像データコマンド
503 ページ画像データコマンドのシリアルナンバーコマンド
504 ページ画像データコマンドの文字コマンド
505 ページ画像データコマンドの日時コマンド
506 連続画像データコマンド
701 日時コマンド展開部
702 シリアルナンバー展開部
703 画像データ展開部
801 連続画像データ
802 ページ画像データ
803 合成記録データ
1001 連続画像データコマンドのコマンド転送例
1002 ページ画像データコマンドのコマンド転送例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔毎にページの先頭を示すマークが付された長尺状の記録媒体を搬送し、複数のページに跨る連続的な第1の記録データに基づいて、前記記録媒体に対し記録手段によって複数ページに跨る画像を記録可能な記録装置において、
前記マークを検出し、前記記録媒体における各ページの先頭を検出するページ検出手段と、
前記ページ検出手段が前記マークを検出することに同期して、前記記録媒体の各ページに対応する画像を記録するための第2の記録データと前記第1の記録データとを合成する合成手段と、を備え、
前記合成手段により合成された合成データに基づいて前記記録媒体に対し前記記録手段による記録を行うことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記ホスト装置から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記ホスト装置から送信された前記第1の記録データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の記録データを記憶する第2の記憶手段と、
を備え、
前記合成手段は、前記ページ検出手段が前記マークを検出することに同期して、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の記録データと前記第2の記憶手段に記憶されている第2の記録データとを合成することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第2の記録データは、前記受信手段によって前記第1の記録データが受信される前に、前記受信手段によって受信した記録情報に従って生成された後、前記第2の記憶手段に格納されることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記受信手段は、
前記ホスト装置から送信される前記第1の記録データを受信する第1の受信手段と、
前記ホスト装置から送信される前記第2の記録データを受信する第2の受信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記合成手段は、第1の記録データと第2の記録データとの論理和をとることによって合成データを生成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
記録手段は、記録データに応じてインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
記録手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って、前記記録媒体の幅以上の範囲に亘って配置されたインク滴を吐出可能なノズルを備える記録ヘッドを備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記記録媒体は、複数ページ分の長さを有し、各ページの境界位置で折り曲げ可能な連続紙であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項9】
所定間隔毎にページの先頭を示すマークが付された長尺状の記録媒体を搬送し、複数のページに跨る連続的な第1の記録データに基づいて、前記記録媒体に対し複数ページに跨る画像を記録する記録方法であって、
前記マークを検出することにより前記記録媒体における各ページの先頭を検出するページ検出工程と、
前記ページ検出手段が前記マークを検出することに同期して、前記記録媒体の各ページに対応する画像を記録するための第2の記録データと前記第1の記録データとを合成する合成工程と、
前記合成データに基づいて前記記録媒体に対して記録を行う記録工程と、
を備えることを特徴とする記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−59902(P2013−59902A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199401(P2011−199401)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】