記録装置および記録装置の制御方法
【課題】 画像記録用紙をプリンタに挿入するだけで、所望の記録対象情報を印刷させる。
【解決手段】 磁気ストライプを有する記録用紙に記録を行うプリンタにおいて、磁気ストライプは、記録対象情報を記憶しており、記録対象として挿入された記録用紙の記憶媒体から前記記録対象情報を読み出し(ステップS12)、記録対象情報に基づいて印刷データを生成し(ステップS13)、記録用紙に記録を行わせる(ステップS14)。
【解決手段】 磁気ストライプを有する記録用紙に記録を行うプリンタにおいて、磁気ストライプは、記録対象情報を記憶しており、記録対象として挿入された記録用紙の記憶媒体から前記記録対象情報を読み出し(ステップS12)、記録対象情報に基づいて印刷データを生成し(ステップS13)、記録用紙に記録を行わせる(ステップS14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置および記録装置の制御方法に係り、特に記録用紙上に設けられた記憶媒体から記憶情報を読み出す読出装置を備えた記録装置および記録装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、いわゆるパスブック型のドットインパクトプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このパスブック型のドットインパクトプリンタは、磁気ヘッドにより画像記録媒体(例えば通帳等の画像記録用紙)に設けられた磁気記録媒体(例えば磁気ストライプ)に磁気情報を記録し、あるいは磁気情報を再生する磁気記録再生装置を有している。
そして、記録ヘッドは、記録ワイヤを突出動作させることにより、インクリボンを画像記録用紙(画像記録媒体)に打ち付けてインクを転写し、文字等を含む画像を記録することとなる。
【0003】
より詳細には、この記録ヘッドは、フロントローラとリアローラとの間に位置するプラテンに対向した位置に設けられている。
このとき、記録ヘッドのリアローラ側には横並びに用紙検出センサを備え、リアローラ側には、先端部が記録ヘッド側に延出して、記録ヘッドを通過した、画像記録用紙の先端を、リアローラに案内する案内部材を備えて構成される。
このようなパスブック型のドットインパクトプリンタは主に金融機関等で使用されており、通帳の他、一枚紙や複写紙等に対しても画像を記録することができる。
【特許文献1】特開平6−297798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のドットインパクトプリンタにおいて、磁気記録媒体に記録されている磁気情報は、顧客情報などの記録に用いられているだけであり、画像記録用紙に対する記録対象の情報(画像記録用紙に何を記録するかの情報)は、ドットインパクトプリンタを制御する外部の制御装置(例えば、パーソナルコンピュータあるいはサーバなど)により指示されることとなっていた。
したがって、ドットインパクトプリンタに対して磁気記録媒体を利用して当該画像記録用紙に記録すべき情報、印刷フォーマットなどを指示することはできなかった。
そこで、本発明の目的は、画像記録用紙をプリンタに挿入するだけで、所望の記録対象情報を印刷させることができる記録装置および記録装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置において、前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出部と、前記記録用紙に記録を行う記録部と、前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる制御部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、読出部は、記録対象として挿入された記録用紙の記憶媒体から記録対象情報を読み出す。
これにより制御部は、記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、記録部を制御して記録用紙に記録を行わせる。
【0006】
この場合において、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、前記読出部は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記情報記録部を制御して前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記憶させるようにしてもよい。
【0007】
さらに、前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、前記読出部は、前記複数の記録対象情報を読み出し、前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるようにしてもよい。
【0008】
さらにまた、前記記憶媒体は、記録手法を含む記録制御情報を記憶しており、前記読出部は、前記記憶媒体から前記記録制御情報を読み出し、前記制御部は、前記記録制御情報に含まれる前記記録手法に対応する印刷フォーマットを特定し、当該印刷フォーマットに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるようにしてもよい。
【0009】
また、記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置の制御方法において、前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出過程と、前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせる記録制御過程と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
この場合において、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、前記読出過程は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記
憶させる、ことを特徴としている。
【0011】
また、前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、前記読出過程は、前記複数の記録対象情報を読み出し、前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録用紙に記録を行わせるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像記録用紙をプリンタに挿入するだけで、当該画像記録用紙に記録対象情報を記録(印刷)させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
[1]第1実施形態
図1は、磁気記録再生装置を備えたドットインパクトプリンタを示す全体斜視図である。図2は、図2のプリンタを示す側断面図である。
図1に示すプリンタ10は、記録ヘッド12(図2参照)の多数の記録ワイヤを、インクリボン(図示せず)を介して画像記録用紙に打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を記録するパスブック型のドットインパクトプリンタである。
【0014】
さらにプリンタ10は、磁気記録再生装置11を一体に装備している。画像記録用紙は、通常、金融機関等で使用されている通帳や複写紙、一枚紙等であり、これらの画像記録用紙に貼着あるいは印刷された記録媒体としての磁気ストライプに、磁気記録再生装置11が磁気情報を記録し、または、この記録された磁気情報を読み取って再生することとなる。
プリンタ10は、図1及び図2に示すように、左サイドフレーム13、右サイドフレーム14及びベースフレームを備えた本体フレームに、キャリッジ15、記録ヘッド12、搬送装置(フロントローラ、リアローラ)、磁気記録再生装置11及び制御装置としての制御基板部を有して構成される。
【0015】
搬送装置は、図2に示すように、フロントローラFR、リアローラRRを備えている。フロントローラFRは、上下一対の駆動ローラ17A及び従動ローラ18Aで構成されている。また、リアローラRRは、同じく上下一対の駆動ローラ17B及び従動ローラ18Bで構成されている。
フロントローラFRおよびリアローラRRは、記録ヘッド12の上流側と下流側に一組づつ配置され、これら二組の駆動ローラ17及び従動ローラ18が、搬送案内19に載置された記録用紙等を挟持して、この記録用紙等を副走査方向(矢印A方向)に搬送する。なお、従動ローラ18は、駆動ローラ17と同様に駆動ローラであってもよい。
【0016】
リアローラRRの従動ローラ18B側には、先端部29Aが記録ヘッド12側に延出して、記録ヘッド12を通過した、通帳及び複写紙を含む記録用紙の先端を、リアローラRRに案内する案内部材29が設けられている。
キャリッジ15は、記録ヘッド12を搭載し、この記録ヘッド12をプラテン49に沿って矢印Aと直交する方向である主走査方向に右向きまたは左向きに走行させる。この主走査方向は、搬送装置による画像記録用紙等の搬送方向(副走査方向)と直交する方向となっている。
【0017】
プラテン49は、図示しない付勢ばねを用いて、記録ヘッド12に対し接離する方向に移動自在に弾性支持されている。これにより、記録ヘッド12とプラテン49との間に厚さの異なる画像記録用紙が搬送された場合でも、プラテン49が通帳等の厚さ方向で、記録ヘッド12から離れる向きに移動して、記録ヘッド12と記録用紙等の表面(印字面)との間に一定のプラテンギャップが確保される。
記録ヘッド12は多数の図示しない記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方で、記録ヘッド12とプラテン49との間に図示しないインクリボンが位置する。この記録ヘッド12は、キャリッジと共に主走査方向に走行する間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを記録ヘッド12の下方に位置する記録用紙等に付着させて、この記録用紙等に文字を含む画像を記録することとなる。
【0018】
図3は、プリンタの概要構成ブロック図である。
プリンタ10は、プリンタ10全体を制御するCPU50と、制御プログラムおよび制御用データを予め記憶したROM51と、各種データを一時的に格納するRAM52と、画像記録用紙の磁気ストライプに記録された情報を読み出し、あるいは、記録するための磁気記録再生装置11と、記録ヘッド12と、記録ヘッド12を制御する印字制御部55と、対応する各部を駆動するための複数のモータを有するモータ部56と、モータ部56を構成する各モータを制御するためのモータ制御部57と、イーサネット(登録商標)等の通信インターフェースを含む各種インターフェースを備えたインターフェース(I/F)部58と、インターフェース部58を制御するためのインターフェース(I/F)制御部59と、を備えている。
【0019】
ここで、本第1実施形態の画像記録用紙について説明する。
図4は、第1実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。
画像記録用紙70は、印刷領域71と、印刷領域71外であって画像記録用紙70の表面あるいは裏面に配置された磁気ストライプ75と、を備えている。
【0020】
次に第1実施形態の動作について説明する。
図5は、プリンタの処理フローチャートである。
本第1実施形態の画像記録用紙70には、当該画像記録用紙70に記録すべき対象である記録対象情報が記憶媒体である磁気ストライプ75に記録されている。
具体的には、デモンストレーション用の印刷データ(例えば、写真印刷用データ)が記録対象情報として記録されている。
【0021】
このように、本第1実施形態の記録対象情報としては、テキスト、写真、絵などを含む画像に対応するデータが記録されることとなる。
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに先だって、まずユーザは、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS11)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0022】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙の磁気ストライプから記録対象情報を読み出す(ステップS12)。
続いてCPU50は、画像記録用紙から読み出した記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS13)。
具体的にはCPU50は、磁気ストライプから読み出した記録対象情報に対し所定の記録フォーマットで例えば、写真印刷用データなどの印刷データを生成することとなる。
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送する。これと並行してCPU50は、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像(記録対象情報に対応する画像;テキスト、写真、絵などを含む)を記録対象として印刷領域71に印字して処理を終了する(ステップS14)。
このように、本第1実施形態によれば、パーソナルコンピュータなどの外部制御装置を接続することなくプリンタ10のデモンストレーションを行うことが可能となる。
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、記録装置(プリンタ)単体で、画像記録用紙に記録対象情報に対応する画像の印刷を行わせることができる。
【0023】
[2]第2実施形態
以上の第1実施形態においては、プリンタ単独で何も印刷されていない画像記録用紙に印字を行う場合であったが、本第2実施形態は、既に何らかの印刷がなされている画像記録用紙に追加して印字を行う場合の実施形態である。
まず、本第2実施形態の画像記録用紙について説明する。
図6は、第2実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。図6において、図4と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
画像記録用紙70は、印刷領域71と、印刷領域71外であって画像記録用紙70の表面あるいは裏面に配置された磁気ストライプ75と、を備えている。
【0024】
印刷領域71は、既に通常の印刷機により印刷が施された既印刷領域72と、磁気ストライプ75内の記録対象情報に基づいてプリンタ10により印刷がなされることとなる印刷予定領域73と、を備えている。
図4の場合には、既印刷領域72には、通常の平版印刷などにより算数の問題が印刷されている。
次に第2実施形態の動作について説明する。本第2実施形態の動作は基本的には第1実施形態と同様であるので、図5のプリンタの処理フローチャートを参照して説明する。
【0025】
本第2実施形態の画像記録用紙70には、当該画像記録用紙70に記録すべき対象である記録対象情報が記憶媒体である磁気ストライプ75に記録されている。
具体的には、上述の例のように既印刷領域71に算数の問題が印刷されている場合には、解答が記録対象情報として記録されている。
このように、本第2実施形態の記録対象情報としては、既印刷領域71に印刷されている情報(テキスト、写真、絵などを含む)に関連する情報(テキスト、写真、絵などを含む)が記録されることとなる。
【0026】
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに先だって、まずユーザである解答者は、既印刷領域71に印刷されている問題に解答する。
そして解答が終了すると、ユーザである解答者は、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS11)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙の磁気ストライプから記録対象情報を読み出す(ステップS12)。
【0027】
続いてCPU50は、画像記録用紙から読み出した記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS13)。
具体的にはCPU50は、磁気ストライプから読み出した記録対象情報に対し所定の記録フォーマットで印刷データを生成することとなる。
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像(記録対象情報に対応する画像;テキスト、写真、絵などを含む)を記録対象として印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS14)。
【0028】
図7は、記録対象情報に対応する印字を行った後の記録用紙の説明図である。
図7に示すように、解答後の画像記録用紙70の印刷予定領域73には、正解がプリンタ10により記録されることとなる。
従って、ユーザである解答者は、印刷予定領域73に記録された正解を参照して答え合わせを容易に行うことができる。
このように、本第2実施形態によれば、既印刷領域71に印刷されている情報に関連し、印刷予定領域73に記録すべき情報が記録対象情報として記憶媒体である磁気ストライプに記録されているので、記録装置(プリンタ)単体で、記録対象情報の印刷(記録)を問題解答後などの適当な時期に行うことができる。
【0029】
[3]第3実施形態
以上の第1実施形態および第2実施形態においては、記録対象情報が一つの場合についてのものであったが、本第3実施形態は、記録対象情報が複数ある場合の実施形態である。
この場合において、第3実施形態の画像記録用紙としては、第1実施形態あるいは第2実施形態の画像記録用紙を含む様々な態様の画像記録用紙の適用が可能であるが、以下の説明では、第2実施形態における画像記録用紙を用いた場合を例として説明する。
【0030】
まず、第3実施形態の動作説明に先立ち、記憶媒体である磁気ストライプにおける記録データフォーマットについて説明する。
図8は、第3実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
磁気ストライプ75の記録データ80は、当該記録データ80が複数の記録対象情報を含むことを示す種別データ81と、記録対象情報の数nを表すデータ数データ82と、複数の記録対象情報のうちいずれを用いて印刷をするかを指定するための記録対象特定データ83と、それぞれが記録対象情報に対応する複数の記録対象情報データ84-1〜84-nを備えて構成されている。
【0031】
次に第3実施形態の動作について説明する。
図9は第3実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
以下の説明においては、説明の簡略化のため、記録対象情報データとしては、記録対象情報データ84-1=D1および記録対象情報データ84-2=D2の二つが記録されているものとする。また、これに対応して、記録対象特定データ83には、記録対象情報データ84-1(=D1)を特定するための“1”が記録されているものとする。
本第3実施形態の画像記録用紙70には、当該画像記録用紙70に記録すべき対象である複数の記録対象情報に対応する記録対象情報データ84-1、84-2が記憶媒体である磁気ストライプ75に記録されている。
【0032】
具体的には、例えば、既印刷領域71に算数の問題が印刷されている場合には、第1の記録対象情報に対応する記録対象情報データ84-1として解法のヒントが記録され、第2の記録対象情報に対応する記録対象情報データ84-2として解答が記録される。
このように、本第3実施形態の記録対象情報も、第2実施形態と同様に、既印刷領域71に印刷されている情報(テキスト、写真、絵などを含む)に関連する情報(テキスト、写真、絵などを含む)が記録されることとなる。
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに先だって、まずユーザである解答者は、既印刷領域71に印刷されている問題に解答する。
【0033】
そして解答が終了し、どうしても解けない問題があったとすると、ユーザである解答者は、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS21)。この画像記録用紙70が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙70は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0034】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象特定情報、すなわち、記録対象特定データ83を読み出す(ステップS22)。
続いてCPU50は、画像記録用紙70から読み出した記録対象特定データ83に対応する記録対象情報を判別し、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象情報、すなわち、この場合には記録対象特定データ83には、記録対象情報データ83-1を特定するための“1”が記録されているので、記録対象情報データ84-1を読み出す(ステップS23)。
【0035】
続いてCPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75の記録対象特定データ83を更新する(ステップS24)。
具体的には、記録対象情報データ83-1を特定するための“1”が記録されている記録対象特定データ83の値を、記録対象情報データ83-2を特定するための“2”に更新する。
続いてCPU50は、画像記録用紙70の磁気ストライプ75から読み出した記録対象情報データ84-1に対応する記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS25)。
【0036】
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像、この場合には、解法のヒントを記録対象として印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS26)。
そしてユーザである解答者は、解法のヒントを参照して解答が終了すると、再び記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS21)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0037】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象特定情報、すなわち、記録対象特定データ83を読み出す(ステップS22)。
続いてCPU50は、画像記録用紙70から読み出した記録対象特定データ83に対応する記録対象情報を判別し、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象情報、すなわち、この場合には記録対象特定データ83には、記録対象情報データ84-2を特定するための“2”が記録されているので、記録対象情報データ84-2 を読み出す(ステップS23)。
【0038】
続いてCPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75の記録対象特定データ83を更新する(ステップS24)。
具体的には、記録対象情報データ84-2を特定するための“2”が記録されている記録対象特定データ83の値を、記録の対象となる記録対象情報データがないことを表す“0”に更新する。
続いてCPU50は、画像記録用紙70の磁気ストライプ75から読み出した記録対象情報データ84-2 に対応する記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS25)。
【0039】
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像、この場合には、解法のヒント記録対象として印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS26)。
以上の説明のように、本第3実施形態によれば、記録対象情報が複数ある場合であっても、記録装置(プリンタ)単体で、記録対象情報の印刷(記録)を順次、予め設定した順序でヒント印刷、問題解答印刷などを適当な時期に行うことができる。
【0040】
[4]第4実施形態
以上の第1実施形態ないし第3実施形態においては、プリンタ単独で印字を行う場合であったが、本第2実施形態は、磁気ストライプ75からの記録対象情報および外部装置であるパーソナルコンピュータからの印刷データに基づいて印字を行う場合の実施形態である。
【0041】
図10は、第4実施形態のプリンタおよびプリンタシステムの概要構成ブロック図である。
図10に示すように、プリンタ10には、パーソナルコンピュータ2がLAN3を介して接続されている。また、パーソナルコンピュータ2には、各種データを含むファイルが格納されたデータベース6が接続されている。
第3実施形態の画像記録用紙としては、第1実施形態あるいは第2実施形態の画像記録用紙を含む様々な態様の画像記録用紙の適用が可能であるが、以下の説明では、第1実施形態における画像記録用紙(図4参照)を用いた場合を例として説明する。
まず、第4実施形態の動作説明に先立ち、記憶媒体である磁気ストライプにおける記録データフォーマットについて説明する。
【0042】
図11は、第4実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
磁気ストライプ75の記録データ90は、当該記録データ90が複数の記録対象情報を含むことを示す種別データ91と、記録対象情報の数nを表すデータ数データ92と、それぞれが記録対象情報に対応する複数の記録対象情報データ93-1〜93-nを備えて構成されている。
具体的には、第1の記録対象情報に対応する記録対象情報データ93-1として背景画像を印刷するための画像データが記録され、第2の記録対象情報に対応する記録対象情報データ93-2として記録対象情報が格納されている所定のサイトのURLが記録対象特定情報として記録される。
【0043】
このように、本第4実施形態の記録対象情報としては、固定の記録対象情報(例えば、上述の背景画像)と、更新可能な外部の記録対象情報を特定するための記録対象特定情報(例えば、上述のサイトを特定するための情報)が記録されることとなる。
図12は第4実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに際しては、ユーザは、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS31)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0044】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象情報データ84-1を読み出し、あるいは、記録対象情報データ84-1が記録対象特定情報である場合には、実際の記録対象情報をパーソナルコンピュータ2を介して取得する(ステップS32)。
続いてCPU50は、読み出したあるいは取得した記録対象情報に対応する印刷データを生成する(ステップS33)。
次にCPU50は、次にCPU50は、全ての記録対象情報データを読み出して処理を行ったか否かを判別する(ステップS34)。
【0045】
ステップS34の判別において、全ての記録対象情報データを読み出して処理を行った場合には(ステップS34;Yes)、処理をステップS35に移行する。
ステップS34の判別において、未だ全ての記録対象情報データを読み出して処理を行っていない場合には(ステップS34;No)、CPU50は、処理をステップS32に移行する。本実施形態の場合には、次の記録対象情報データである記録対象情報データ84-2 を読み出し、記録対象情報データ84-2に基づいて、インターフェース制御部59を介して、インターフェース部58を構成する通信インターフェースを制御し、LAN3を介して外部装置であるパーソナルコンピュータ2から、印刷データを受信することとなる。
【0046】
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像を印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS35)。
以上の説明のように、本第4実施形態によれば、記録対象情報に対応するデータが外部のサイトや、ネットワーク上の他のサーバなどにある場合であっても、記録装置(プリンタ)において、記録対象情報の印刷(記録)を行うことができる。
【0047】
[5]実施形態の変形例
[5.1]第1変形例
以上の説明においては、磁気ストライプに記録された記録対象情報については全て印刷する構成を採っていたが、複数記録対象情報が記録されている場合に、所定の条件(ランダム選択、あるいは、ユーザ指定など)に基づいていずれか一部を印刷するように構成することも可能である。具体的な態様としては、占いなどの印刷を行うような場合に適用が可能である。
【0048】
[5.2]第2変形例
以上の説明においては、磁気ストライプに記憶された記録対象情報あるいは記録対象特定情報で特定され、外部機器であるパーソナルコンピュータから送信された印刷データについては何ら制限を設けずに印字していたが、磁気ストライプに記録制御情報として不要な情報を印字しない設定を含めるように構成することも可能である。
【0049】
[5.3]第3変形例
以上の説明においては、記憶媒体として磁気ストライプを用いる場合を説明したが、二次元バーコードを設けたり、ICチップを設けることも可能である。この場合には、磁気ヘッドに代えてバーコードリーダあるいはICチップリーダを設ければ同様に適用が可能であり、より多くの情報を記録手法あるいは記録対象情報として記憶させることが可能である。
【0050】
[5.4]第4変形例
以上の説明においては、プリンタを制御するための制御プログラムがROM51に予め記憶されている場合について説明したが、各種磁気ディスク、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に制御用プログラムをあらかじめ記録し、これらの記録媒体から読み込み、インストールするように構成することも可能である。また、通信インターフェースを設け、インターネット、LANなどのネットワークを介して制御用プログラムをダウンロードし、インストールして実行するように構成することも可能である。このように構成することにより、ソフトウェア的により高機能としたり、より信頼性の高いプリンタ(記録装置)を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】磁気記録再生装置を備えたドットインパクトプリンタを示す全体斜視図である。
【図2】図1のプリンタを示す側断面図である。
【図3】プリンタの概要構成ブロック図である。
【図4】第1実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。
【図5】第1実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
【図6】第2実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。
【図7】記録対象情報に対応する印字を行った後の記録用紙の説明図である。
【図8】第3実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
【図9】第3実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
【図10】第4実施形態のプリンタおよびプリンタシステムの概要構成ブロック図である。
【図11】第4実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
【図12】第4実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
2…パーソナルコンピュータ、3…LAN、4…通信ネットワーク、5…Webサーバ、11…磁気記録再生装置(読出部、情報記録部)、12…記録ヘッド、10…プリンタ、50…CPU(制御部)、51…ROM、52…RAM52、55…印字制御部、56…モータ部、57…モータ制御部、58…インターフェース(I/F)部、59…インターフェース(I/F)制御部、70…記録用紙、71…印刷領域、75…磁気ストライプ(記憶媒体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置および記録装置の制御方法に係り、特に記録用紙上に設けられた記憶媒体から記憶情報を読み出す読出装置を備えた記録装置および記録装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、いわゆるパスブック型のドットインパクトプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このパスブック型のドットインパクトプリンタは、磁気ヘッドにより画像記録媒体(例えば通帳等の画像記録用紙)に設けられた磁気記録媒体(例えば磁気ストライプ)に磁気情報を記録し、あるいは磁気情報を再生する磁気記録再生装置を有している。
そして、記録ヘッドは、記録ワイヤを突出動作させることにより、インクリボンを画像記録用紙(画像記録媒体)に打ち付けてインクを転写し、文字等を含む画像を記録することとなる。
【0003】
より詳細には、この記録ヘッドは、フロントローラとリアローラとの間に位置するプラテンに対向した位置に設けられている。
このとき、記録ヘッドのリアローラ側には横並びに用紙検出センサを備え、リアローラ側には、先端部が記録ヘッド側に延出して、記録ヘッドを通過した、画像記録用紙の先端を、リアローラに案内する案内部材を備えて構成される。
このようなパスブック型のドットインパクトプリンタは主に金融機関等で使用されており、通帳の他、一枚紙や複写紙等に対しても画像を記録することができる。
【特許文献1】特開平6−297798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のドットインパクトプリンタにおいて、磁気記録媒体に記録されている磁気情報は、顧客情報などの記録に用いられているだけであり、画像記録用紙に対する記録対象の情報(画像記録用紙に何を記録するかの情報)は、ドットインパクトプリンタを制御する外部の制御装置(例えば、パーソナルコンピュータあるいはサーバなど)により指示されることとなっていた。
したがって、ドットインパクトプリンタに対して磁気記録媒体を利用して当該画像記録用紙に記録すべき情報、印刷フォーマットなどを指示することはできなかった。
そこで、本発明の目的は、画像記録用紙をプリンタに挿入するだけで、所望の記録対象情報を印刷させることができる記録装置および記録装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置において、前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出部と、前記記録用紙に記録を行う記録部と、前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる制御部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、読出部は、記録対象として挿入された記録用紙の記憶媒体から記録対象情報を読み出す。
これにより制御部は、記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、記録部を制御して記録用紙に記録を行わせる。
【0006】
この場合において、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、前記読出部は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記情報記録部を制御して前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記憶させるようにしてもよい。
【0007】
さらに、前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、前記読出部は、前記複数の記録対象情報を読み出し、前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるようにしてもよい。
【0008】
さらにまた、前記記憶媒体は、記録手法を含む記録制御情報を記憶しており、前記読出部は、前記記憶媒体から前記記録制御情報を読み出し、前記制御部は、前記記録制御情報に含まれる前記記録手法に対応する印刷フォーマットを特定し、当該印刷フォーマットに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるようにしてもよい。
【0009】
また、記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置の制御方法において、前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出過程と、前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせる記録制御過程と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
この場合において、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、前記読出過程は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記
憶させる、ことを特徴としている。
【0011】
また、前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、前記読出過程は、前記複数の記録対象情報を読み出し、前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録用紙に記録を行わせるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像記録用紙をプリンタに挿入するだけで、当該画像記録用紙に記録対象情報を記録(印刷)させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
[1]第1実施形態
図1は、磁気記録再生装置を備えたドットインパクトプリンタを示す全体斜視図である。図2は、図2のプリンタを示す側断面図である。
図1に示すプリンタ10は、記録ヘッド12(図2参照)の多数の記録ワイヤを、インクリボン(図示せず)を介して画像記録用紙に打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を記録するパスブック型のドットインパクトプリンタである。
【0014】
さらにプリンタ10は、磁気記録再生装置11を一体に装備している。画像記録用紙は、通常、金融機関等で使用されている通帳や複写紙、一枚紙等であり、これらの画像記録用紙に貼着あるいは印刷された記録媒体としての磁気ストライプに、磁気記録再生装置11が磁気情報を記録し、または、この記録された磁気情報を読み取って再生することとなる。
プリンタ10は、図1及び図2に示すように、左サイドフレーム13、右サイドフレーム14及びベースフレームを備えた本体フレームに、キャリッジ15、記録ヘッド12、搬送装置(フロントローラ、リアローラ)、磁気記録再生装置11及び制御装置としての制御基板部を有して構成される。
【0015】
搬送装置は、図2に示すように、フロントローラFR、リアローラRRを備えている。フロントローラFRは、上下一対の駆動ローラ17A及び従動ローラ18Aで構成されている。また、リアローラRRは、同じく上下一対の駆動ローラ17B及び従動ローラ18Bで構成されている。
フロントローラFRおよびリアローラRRは、記録ヘッド12の上流側と下流側に一組づつ配置され、これら二組の駆動ローラ17及び従動ローラ18が、搬送案内19に載置された記録用紙等を挟持して、この記録用紙等を副走査方向(矢印A方向)に搬送する。なお、従動ローラ18は、駆動ローラ17と同様に駆動ローラであってもよい。
【0016】
リアローラRRの従動ローラ18B側には、先端部29Aが記録ヘッド12側に延出して、記録ヘッド12を通過した、通帳及び複写紙を含む記録用紙の先端を、リアローラRRに案内する案内部材29が設けられている。
キャリッジ15は、記録ヘッド12を搭載し、この記録ヘッド12をプラテン49に沿って矢印Aと直交する方向である主走査方向に右向きまたは左向きに走行させる。この主走査方向は、搬送装置による画像記録用紙等の搬送方向(副走査方向)と直交する方向となっている。
【0017】
プラテン49は、図示しない付勢ばねを用いて、記録ヘッド12に対し接離する方向に移動自在に弾性支持されている。これにより、記録ヘッド12とプラテン49との間に厚さの異なる画像記録用紙が搬送された場合でも、プラテン49が通帳等の厚さ方向で、記録ヘッド12から離れる向きに移動して、記録ヘッド12と記録用紙等の表面(印字面)との間に一定のプラテンギャップが確保される。
記録ヘッド12は多数の図示しない記録ワイヤを備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方で、記録ヘッド12とプラテン49との間に図示しないインクリボンが位置する。この記録ヘッド12は、キャリッジと共に主走査方向に走行する間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを記録ヘッド12の下方に位置する記録用紙等に付着させて、この記録用紙等に文字を含む画像を記録することとなる。
【0018】
図3は、プリンタの概要構成ブロック図である。
プリンタ10は、プリンタ10全体を制御するCPU50と、制御プログラムおよび制御用データを予め記憶したROM51と、各種データを一時的に格納するRAM52と、画像記録用紙の磁気ストライプに記録された情報を読み出し、あるいは、記録するための磁気記録再生装置11と、記録ヘッド12と、記録ヘッド12を制御する印字制御部55と、対応する各部を駆動するための複数のモータを有するモータ部56と、モータ部56を構成する各モータを制御するためのモータ制御部57と、イーサネット(登録商標)等の通信インターフェースを含む各種インターフェースを備えたインターフェース(I/F)部58と、インターフェース部58を制御するためのインターフェース(I/F)制御部59と、を備えている。
【0019】
ここで、本第1実施形態の画像記録用紙について説明する。
図4は、第1実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。
画像記録用紙70は、印刷領域71と、印刷領域71外であって画像記録用紙70の表面あるいは裏面に配置された磁気ストライプ75と、を備えている。
【0020】
次に第1実施形態の動作について説明する。
図5は、プリンタの処理フローチャートである。
本第1実施形態の画像記録用紙70には、当該画像記録用紙70に記録すべき対象である記録対象情報が記憶媒体である磁気ストライプ75に記録されている。
具体的には、デモンストレーション用の印刷データ(例えば、写真印刷用データ)が記録対象情報として記録されている。
【0021】
このように、本第1実施形態の記録対象情報としては、テキスト、写真、絵などを含む画像に対応するデータが記録されることとなる。
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに先だって、まずユーザは、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS11)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0022】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙の磁気ストライプから記録対象情報を読み出す(ステップS12)。
続いてCPU50は、画像記録用紙から読み出した記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS13)。
具体的にはCPU50は、磁気ストライプから読み出した記録対象情報に対し所定の記録フォーマットで例えば、写真印刷用データなどの印刷データを生成することとなる。
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送する。これと並行してCPU50は、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像(記録対象情報に対応する画像;テキスト、写真、絵などを含む)を記録対象として印刷領域71に印字して処理を終了する(ステップS14)。
このように、本第1実施形態によれば、パーソナルコンピュータなどの外部制御装置を接続することなくプリンタ10のデモンストレーションを行うことが可能となる。
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、記録装置(プリンタ)単体で、画像記録用紙に記録対象情報に対応する画像の印刷を行わせることができる。
【0023】
[2]第2実施形態
以上の第1実施形態においては、プリンタ単独で何も印刷されていない画像記録用紙に印字を行う場合であったが、本第2実施形態は、既に何らかの印刷がなされている画像記録用紙に追加して印字を行う場合の実施形態である。
まず、本第2実施形態の画像記録用紙について説明する。
図6は、第2実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。図6において、図4と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
画像記録用紙70は、印刷領域71と、印刷領域71外であって画像記録用紙70の表面あるいは裏面に配置された磁気ストライプ75と、を備えている。
【0024】
印刷領域71は、既に通常の印刷機により印刷が施された既印刷領域72と、磁気ストライプ75内の記録対象情報に基づいてプリンタ10により印刷がなされることとなる印刷予定領域73と、を備えている。
図4の場合には、既印刷領域72には、通常の平版印刷などにより算数の問題が印刷されている。
次に第2実施形態の動作について説明する。本第2実施形態の動作は基本的には第1実施形態と同様であるので、図5のプリンタの処理フローチャートを参照して説明する。
【0025】
本第2実施形態の画像記録用紙70には、当該画像記録用紙70に記録すべき対象である記録対象情報が記憶媒体である磁気ストライプ75に記録されている。
具体的には、上述の例のように既印刷領域71に算数の問題が印刷されている場合には、解答が記録対象情報として記録されている。
このように、本第2実施形態の記録対象情報としては、既印刷領域71に印刷されている情報(テキスト、写真、絵などを含む)に関連する情報(テキスト、写真、絵などを含む)が記録されることとなる。
【0026】
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに先だって、まずユーザである解答者は、既印刷領域71に印刷されている問題に解答する。
そして解答が終了すると、ユーザである解答者は、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS11)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙の磁気ストライプから記録対象情報を読み出す(ステップS12)。
【0027】
続いてCPU50は、画像記録用紙から読み出した記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS13)。
具体的にはCPU50は、磁気ストライプから読み出した記録対象情報に対し所定の記録フォーマットで印刷データを生成することとなる。
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像(記録対象情報に対応する画像;テキスト、写真、絵などを含む)を記録対象として印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS14)。
【0028】
図7は、記録対象情報に対応する印字を行った後の記録用紙の説明図である。
図7に示すように、解答後の画像記録用紙70の印刷予定領域73には、正解がプリンタ10により記録されることとなる。
従って、ユーザである解答者は、印刷予定領域73に記録された正解を参照して答え合わせを容易に行うことができる。
このように、本第2実施形態によれば、既印刷領域71に印刷されている情報に関連し、印刷予定領域73に記録すべき情報が記録対象情報として記憶媒体である磁気ストライプに記録されているので、記録装置(プリンタ)単体で、記録対象情報の印刷(記録)を問題解答後などの適当な時期に行うことができる。
【0029】
[3]第3実施形態
以上の第1実施形態および第2実施形態においては、記録対象情報が一つの場合についてのものであったが、本第3実施形態は、記録対象情報が複数ある場合の実施形態である。
この場合において、第3実施形態の画像記録用紙としては、第1実施形態あるいは第2実施形態の画像記録用紙を含む様々な態様の画像記録用紙の適用が可能であるが、以下の説明では、第2実施形態における画像記録用紙を用いた場合を例として説明する。
【0030】
まず、第3実施形態の動作説明に先立ち、記憶媒体である磁気ストライプにおける記録データフォーマットについて説明する。
図8は、第3実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
磁気ストライプ75の記録データ80は、当該記録データ80が複数の記録対象情報を含むことを示す種別データ81と、記録対象情報の数nを表すデータ数データ82と、複数の記録対象情報のうちいずれを用いて印刷をするかを指定するための記録対象特定データ83と、それぞれが記録対象情報に対応する複数の記録対象情報データ84-1〜84-nを備えて構成されている。
【0031】
次に第3実施形態の動作について説明する。
図9は第3実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
以下の説明においては、説明の簡略化のため、記録対象情報データとしては、記録対象情報データ84-1=D1および記録対象情報データ84-2=D2の二つが記録されているものとする。また、これに対応して、記録対象特定データ83には、記録対象情報データ84-1(=D1)を特定するための“1”が記録されているものとする。
本第3実施形態の画像記録用紙70には、当該画像記録用紙70に記録すべき対象である複数の記録対象情報に対応する記録対象情報データ84-1、84-2が記憶媒体である磁気ストライプ75に記録されている。
【0032】
具体的には、例えば、既印刷領域71に算数の問題が印刷されている場合には、第1の記録対象情報に対応する記録対象情報データ84-1として解法のヒントが記録され、第2の記録対象情報に対応する記録対象情報データ84-2として解答が記録される。
このように、本第3実施形態の記録対象情報も、第2実施形態と同様に、既印刷領域71に印刷されている情報(テキスト、写真、絵などを含む)に関連する情報(テキスト、写真、絵などを含む)が記録されることとなる。
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに先だって、まずユーザである解答者は、既印刷領域71に印刷されている問題に解答する。
【0033】
そして解答が終了し、どうしても解けない問題があったとすると、ユーザである解答者は、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS21)。この画像記録用紙70が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙70は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0034】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象特定情報、すなわち、記録対象特定データ83を読み出す(ステップS22)。
続いてCPU50は、画像記録用紙70から読み出した記録対象特定データ83に対応する記録対象情報を判別し、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象情報、すなわち、この場合には記録対象特定データ83には、記録対象情報データ83-1を特定するための“1”が記録されているので、記録対象情報データ84-1を読み出す(ステップS23)。
【0035】
続いてCPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75の記録対象特定データ83を更新する(ステップS24)。
具体的には、記録対象情報データ83-1を特定するための“1”が記録されている記録対象特定データ83の値を、記録対象情報データ83-2を特定するための“2”に更新する。
続いてCPU50は、画像記録用紙70の磁気ストライプ75から読み出した記録対象情報データ84-1に対応する記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS25)。
【0036】
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像、この場合には、解法のヒントを記録対象として印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS26)。
そしてユーザである解答者は、解法のヒントを参照して解答が終了すると、再び記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS21)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0037】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象特定情報、すなわち、記録対象特定データ83を読み出す(ステップS22)。
続いてCPU50は、画像記録用紙70から読み出した記録対象特定データ83に対応する記録対象情報を判別し、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象情報、すなわち、この場合には記録対象特定データ83には、記録対象情報データ84-2を特定するための“2”が記録されているので、記録対象情報データ84-2 を読み出す(ステップS23)。
【0038】
続いてCPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75の記録対象特定データ83を更新する(ステップS24)。
具体的には、記録対象情報データ84-2を特定するための“2”が記録されている記録対象特定データ83の値を、記録の対象となる記録対象情報データがないことを表す“0”に更新する。
続いてCPU50は、画像記録用紙70の磁気ストライプ75から読み出した記録対象情報データ84-2 に対応する記録対象情報を解析し、印刷データを生成する(ステップS25)。
【0039】
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像、この場合には、解法のヒント記録対象として印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS26)。
以上の説明のように、本第3実施形態によれば、記録対象情報が複数ある場合であっても、記録装置(プリンタ)単体で、記録対象情報の印刷(記録)を順次、予め設定した順序でヒント印刷、問題解答印刷などを適当な時期に行うことができる。
【0040】
[4]第4実施形態
以上の第1実施形態ないし第3実施形態においては、プリンタ単独で印字を行う場合であったが、本第2実施形態は、磁気ストライプ75からの記録対象情報および外部装置であるパーソナルコンピュータからの印刷データに基づいて印字を行う場合の実施形態である。
【0041】
図10は、第4実施形態のプリンタおよびプリンタシステムの概要構成ブロック図である。
図10に示すように、プリンタ10には、パーソナルコンピュータ2がLAN3を介して接続されている。また、パーソナルコンピュータ2には、各種データを含むファイルが格納されたデータベース6が接続されている。
第3実施形態の画像記録用紙としては、第1実施形態あるいは第2実施形態の画像記録用紙を含む様々な態様の画像記録用紙の適用が可能であるが、以下の説明では、第1実施形態における画像記録用紙(図4参照)を用いた場合を例として説明する。
まず、第4実施形態の動作説明に先立ち、記憶媒体である磁気ストライプにおける記録データフォーマットについて説明する。
【0042】
図11は、第4実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
磁気ストライプ75の記録データ90は、当該記録データ90が複数の記録対象情報を含むことを示す種別データ91と、記録対象情報の数nを表すデータ数データ92と、それぞれが記録対象情報に対応する複数の記録対象情報データ93-1〜93-nを備えて構成されている。
具体的には、第1の記録対象情報に対応する記録対象情報データ93-1として背景画像を印刷するための画像データが記録され、第2の記録対象情報に対応する記録対象情報データ93-2として記録対象情報が格納されている所定のサイトのURLが記録対象特定情報として記録される。
【0043】
このように、本第4実施形態の記録対象情報としては、固定の記録対象情報(例えば、上述の背景画像)と、更新可能な外部の記録対象情報を特定するための記録対象特定情報(例えば、上述のサイトを特定するための情報)が記録されることとなる。
図12は第4実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
プリンタ10を用いて実際に印字を行うに際しては、ユーザは、記録対象情報が記録されている磁気ストライプ75を有する画像記録用紙70をプリンタ10に対し、矢印A方向(図2)に挿入する(ステップS31)。この画像記録用紙が所定位置まで挿入されると、画像記録用紙は、フロントローラFRによりさらに矢印A方向に搬送される。
【0044】
これに伴い、CPU50は、磁気ヘッド53および記録媒体リード/ライト制御部54を介して画像記録用紙70の磁気ストライプ75から記録対象情報データ84-1を読み出し、あるいは、記録対象情報データ84-1が記録対象特定情報である場合には、実際の記録対象情報をパーソナルコンピュータ2を介して取得する(ステップS32)。
続いてCPU50は、読み出したあるいは取得した記録対象情報に対応する印刷データを生成する(ステップS33)。
次にCPU50は、次にCPU50は、全ての記録対象情報データを読み出して処理を行ったか否かを判別する(ステップS34)。
【0045】
ステップS34の判別において、全ての記録対象情報データを読み出して処理を行った場合には(ステップS34;Yes)、処理をステップS35に移行する。
ステップS34の判別において、未だ全ての記録対象情報データを読み出して処理を行っていない場合には(ステップS34;No)、CPU50は、処理をステップS32に移行する。本実施形態の場合には、次の記録対象情報データである記録対象情報データ84-2 を読み出し、記録対象情報データ84-2に基づいて、インターフェース制御部59を介して、インターフェース部58を構成する通信インターフェースを制御し、LAN3を介して外部装置であるパーソナルコンピュータ2から、印刷データを受信することとなる。
【0046】
続いて、CPU50は、印字制御部55およびモータ制御部57を制御し、モータ部56により駆動ローラ17を駆動して画像記録用紙を副操作方向に搬送しつつ、記録ヘッド12を主走査方向に走査して印刷データに対応する画像を印刷予定領域73内に印字して処理を終了する(ステップS35)。
以上の説明のように、本第4実施形態によれば、記録対象情報に対応するデータが外部のサイトや、ネットワーク上の他のサーバなどにある場合であっても、記録装置(プリンタ)において、記録対象情報の印刷(記録)を行うことができる。
【0047】
[5]実施形態の変形例
[5.1]第1変形例
以上の説明においては、磁気ストライプに記録された記録対象情報については全て印刷する構成を採っていたが、複数記録対象情報が記録されている場合に、所定の条件(ランダム選択、あるいは、ユーザ指定など)に基づいていずれか一部を印刷するように構成することも可能である。具体的な態様としては、占いなどの印刷を行うような場合に適用が可能である。
【0048】
[5.2]第2変形例
以上の説明においては、磁気ストライプに記憶された記録対象情報あるいは記録対象特定情報で特定され、外部機器であるパーソナルコンピュータから送信された印刷データについては何ら制限を設けずに印字していたが、磁気ストライプに記録制御情報として不要な情報を印字しない設定を含めるように構成することも可能である。
【0049】
[5.3]第3変形例
以上の説明においては、記憶媒体として磁気ストライプを用いる場合を説明したが、二次元バーコードを設けたり、ICチップを設けることも可能である。この場合には、磁気ヘッドに代えてバーコードリーダあるいはICチップリーダを設ければ同様に適用が可能であり、より多くの情報を記録手法あるいは記録対象情報として記憶させることが可能である。
【0050】
[5.4]第4変形例
以上の説明においては、プリンタを制御するための制御プログラムがROM51に予め記憶されている場合について説明したが、各種磁気ディスク、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に制御用プログラムをあらかじめ記録し、これらの記録媒体から読み込み、インストールするように構成することも可能である。また、通信インターフェースを設け、インターネット、LANなどのネットワークを介して制御用プログラムをダウンロードし、インストールして実行するように構成することも可能である。このように構成することにより、ソフトウェア的により高機能としたり、より信頼性の高いプリンタ(記録装置)を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】磁気記録再生装置を備えたドットインパクトプリンタを示す全体斜視図である。
【図2】図1のプリンタを示す側断面図である。
【図3】プリンタの概要構成ブロック図である。
【図4】第1実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。
【図5】第1実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
【図6】第2実施形態の画像記録用紙の一例の説明図である。
【図7】記録対象情報に対応する印字を行った後の記録用紙の説明図である。
【図8】第3実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
【図9】第3実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
【図10】第4実施形態のプリンタおよびプリンタシステムの概要構成ブロック図である。
【図11】第4実施形態の磁気ストライプにおける記録データフォーマットの説明図である。
【図12】第4実施形態のプリンタの処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
2…パーソナルコンピュータ、3…LAN、4…通信ネットワーク、5…Webサーバ、11…磁気記録再生装置(読出部、情報記録部)、12…記録ヘッド、10…プリンタ、50…CPU(制御部)、51…ROM、52…RAM52、55…印字制御部、56…モータ部、57…モータ制御部、58…インターフェース(I/F)部、59…インターフェース(I/F)制御部、70…記録用紙、71…印刷領域、75…磁気ストライプ(記憶媒体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置において、
前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、
記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出部と、
前記記録用紙に記録を行う記録部と、
前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる制御部と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、
前記読出部は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、
前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記情報記録部を制御して前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記憶させる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録装置において、
前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、
前記読出部は、前記複数の記録対象情報を読み出し、
前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の記録装置において、
前記記憶媒体は、記録手法を含む記録制御情報を記憶しており、
前記読出部は、前記記憶媒体から前記記録制御情報を読み出し、
前記制御部は、前記記録制御情報に含まれる前記記録手法に対応する印刷フォーマットを特定し、当該印刷フォーマットに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置の制御方法において、
前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、
記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出過程と、
前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせる記録制御過程と、
を備えたことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の記録装置の制御方法において、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、
前記読出過程は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、
前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記憶させる、
ことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
請求項5記載の記録装置の制御方法において、
前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、
前記読出過程は、前記複数の記録対象情報を読み出し、
前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録用紙に記録を行わせる、
ことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項1】
記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置において、
前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、
記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出部と、
前記記録用紙に記録を行う記録部と、
前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる制御部と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、
前記読出部は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、
前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記情報記録部を制御して前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記憶させる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録装置において、
前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、
前記読出部は、前記複数の記録対象情報を読み出し、
前記制御部は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の記録装置において、
前記記憶媒体は、記録手法を含む記録制御情報を記憶しており、
前記読出部は、前記記憶媒体から前記記録制御情報を読み出し、
前記制御部は、前記記録制御情報に含まれる前記記録手法に対応する印刷フォーマットを特定し、当該印刷フォーマットに基づいて前記記録部を制御して前記記録用紙に記録を行わせる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
記憶媒体を有する記録用紙に記録を行う記録装置の制御方法において、
前記記憶媒体は、記録対象情報を記憶しており、
記録対象として挿入された前記記録用紙の前記記憶媒体から前記記録対象情報を読み出す読出過程と、
前記記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせる記録制御過程と、
を備えたことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の記録装置の制御方法において、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶するとともに、前記記録対象情報が既に記録済みか否かの情報を記録する情報記録部を有し、
前記読出過程は、前記複数の記録対象情報の少なくとも一部を読み出し、
前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成し、前記記録用紙に記録を行わせるとともに、前記読み出された記録対象情報が既に記録済みである旨の情報を前記記憶媒体に記憶させる、
ことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
請求項5記載の記録装置の制御方法において、
前記記録対象情報は、実際の記録対象情報の所在を表す記録対象特定情報を含み、
前記記憶媒体は、前記記録対象情報を複数記憶し、
前記読出過程は、前記複数の記録対象情報を読み出し、
前記記録制御過程は、前記読み出された記録対象情報に基づいて印刷データを生成するとともに、前記記録対象特定情報に基づいて印刷データを取得し、生成あるいは取得した印刷データに基づいて前記記録用紙に記録を行わせる、
ことを特徴とする記録装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−76237(P2006−76237A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265221(P2004−265221)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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