説明

記録装置

【課題】 記録装置において、被記録材をプラテンに吸引する吸引手段の騒音と被記録材を給送するときの騒音のピーク値の重なりによる騒音の拡大を避けることで、被記録材を給送するときの騒音のピーク値を低減する。
【解決手段】 被記録材101を給送する給紙部200と、画像形成部100へ給送される被記録材の通過を検知する被記録材検知手段6、7と、被記録材を吸引する吸引孔221を有するプラテン22と、を備える。吸引孔を介して被記録材を吸引する吸引手段21と、吸引手段の駆動状態を可変に制御する吸引力制御手段と、を備える。給紙部が給紙動作を開始するタイミングを、被記録材検知手段により検知した被記録材の通過と吸引手段の駆動状態とに基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像情報に基づいて記録ヘッドにより被記録材に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドにより被記録材に画像を形成する装置である。被記録材としては、紙の他、プラスチックシート、写真調印画紙あるいは布など種々の材質のシートが使用されている。記録装置は、記録方式により、インクジェット式、熱転写式、レーザービーム式などに分類することができる。
【0003】
記録装置においては、時間あたりの記録枚数を増やすために、nページ目の被記録材における記録動作を終了する前に(n+1)ページ目の被記録材の給紙動作を開始するという先行給紙が行われている。この先行給紙を行うことにより、給紙を開始してから被記録材が記録開始位置へ到達するまでの待ち時間を短縮することができる。先行給紙は、前のページ(nページ目)の被記録材の後端位置をシート検知センサにより検知し、被記録材の後端が給送経路内の所定地点を通過したことに基づいて、次のページ(n+1ページ目)の被記録材の給紙動作を開始するという手順で行われる。
【0004】
また、画像形成部においては、被記録材に高精度で記録できるように、画像形成中の被記録材をプラテンに吸着して搬送する方法が採られる。この吸着搬送は、プラテンに形成された複数の吸引孔をダクトを介して吸引ファンを接続し、吸引ファンで発生させた負圧により被記録材をプラテンに吸着する方法で行われる。この場合、吸引ファンの回転数等の駆動状態を被記録材の種類や周囲の環境条件により可変に制御することも行われる。一般に、被記録材がプラテンから浮き上がりやすい場合は、吸引ファンを高回転で駆動することにより負圧を高め、吸着力を大きくして被記録材を一様にプラテンに吸着し、記録ヘッドとの距離を一定に保つように制御される。例えば、吐出口からインク滴を飛翔させて記録を行うインクジェット記録装置においては、インクを吸収することで波打ちを生じやすい被記録材の場合は、吸引ファンの回転数を上げて吸引力を高めるように制御する。一方、波打ちが発生しにくい被記録材の場合は、吸引ファンの回転数を下げて吸引力を小さくするように制御する。
【0005】
さらに、カット紙に記録するときは、プラテン上の被記録材の先端および後端の位置に応じて、吸引ファンの駆動状態を制御している。例えば、被記録材の先端付近を記録しているときは、先端を吸引力のみでプラテンに沿わせているため、先端がプラテンから浮き上がり易い。しかも、プラテンの全ての吸引孔が被記録材で覆われていないため、吸引孔から空気が流入して負圧が低下しやすい。従って、吸引ファンを高回転で駆動することになる。被記録材が搬送されてその先端が搬送下流側の搬送ローラに到達した後では、被記録材は前後の搬送ローラで挟持される状態になるため、プラテンから浮き上がりにくくなる。この状態では、吸引ファンを低回転で駆動することになる。被記録材がさらに搬送されて後端が搬送上流側の搬送ローラを抜けると、今度は被記録材の後端がプラテンから浮き上がり易くなり、しかも全ての吸引孔が覆われない状態となる。従って、この状態では、再び吸引ファンを高回転で駆動することになる。
【0006】
特許文献1には、データ受信手段による画像情報の1ページ分の受け取りに応答して、給送手段でシートを給送することにより、スループットの向上及びコストの低減を実現する記録装置が開示されている。
【特許文献1】特開平03−061058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
被記録材をプラテンに吸着する吸引手段を用いる記録装置における画像形成時の騒音では、給紙動作による騒音と吸引ファンの回転による騒音の占める割合が大きい。また、前ページ(前紙)の記録中に次ページ(次紙)の給紙動作を行う先行給紙では、給紙動作による騒音と記録動作による騒音が重なる。このため、先行給紙を行う記録では、先行給紙を行わない記録に比べて、騒音が大きくなる。
【0008】
さらに、先行給紙を開始するタイミングは、前紙の後端位置で決まるため、先行給紙が開始される時の前紙の先端の位置は用紙サイズによりそれぞれ異なる。被記録材の長さによっては、先行給紙を開始するタイミングが吸引ファンを高回転で駆動している時になることがある。このような状態では、2つの騒音源からの騒音のピークが重なってしまい、非常に大きな騒音が発生することになる。
【0009】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、被記録材を給送するときの騒音のピーク値を低減できる記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、記録ヘッドにより被記録材に画像を形成する記録装置において、被記録材を画像形成部へ給送する給紙部と、画像形成部へ給送される被記録材の通過を検知する被記録材検知手段と、被記録材を吸引する吸引孔を有するプラテンと、前記吸引孔を介して被記録材を吸引する吸引手段と、前記吸引手段の駆動状態を可変に制御する吸引力制御手段と、を備え、前記給紙部が給紙動作を開始するタイミングを、前記被記録材検知手段により検知した被記録材の通過と前記吸引手段の駆動状態とに基づいて制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被記録材をプラテンに吸引するときの騒音と被記録材を給送するときの騒音のピーク値の重なりによる騒音の拡大を避けることができ、被記録材を給送する際の騒音のピーク値を低減することができる記録装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す縦断面図である。本実施形態では、インクジェット記録装置を例に挙げて説明する。200は被記録材101を1枚ずつ分離して画像形成部100へ自動的に給送する給紙部である。給紙部200は、被記録材101を積載するカセット2と、カセット2に積載された被記録材101を送り出す給紙ローラ1と、給紙ローラ1に対して一定の抵抗をもって従動回転するリタードローラ4とを備えている。カセット2の内部には、積載された被記録材を給紙ローラ1に押圧するための圧板3が揺動可能に取り付けられている。圧板3は、不図示のばねによって給紙ローラ1に付勢されるとともに、不図示のカムによって退避位置をとるように制御される。リタードローラ4も、給紙ローラ1に対し、押圧位置と離間位置との間で制御可能であり、被記録材101を分離給送するときだけ押圧されて従動回転する。
【0013】
給紙部200から送り出された被記録材は、搬送経路Rを通して画像形成部100へ給送される。搬送経路Rの途中には、給紙ローラ1と同じ駆動源で駆動される補助搬送ローラ対5が配されており、送り出された被記録材は給紙ローラ1および補助搬送ローラ対5により、画像形成部100へ給送される。
【0014】
画像形成部100には、ガイドシャフト107およびガイドレール108に沿って被記録材の幅方向に往復移動するキャリア102が配されている。キャリア102には記録ヘッド103が搭載されている。記録装置は、記録ヘッド103により被記録材101に画像を形成する。本実施形態の記録ヘッド103は、画像情報に基づいて吐出口から被記録材へインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド103と対向する位置には、被記録材を支持するためのプラテン22が配されている。画像形成部100に配されたプラテン22の搬送上流側には、第1搬送ローラ9と第1従動回転体(ピンチローラ)10からなるローラ対が配されている。また、プラテン22の搬送下流側には、第2搬送ローラ(排紙ローラ)11と第2従動回転体(拍車)12からなるローラ対が配されている。搬送経路Rを通して給送される被記録材は、第1搬送ローラ9と第1従動回転体10のニップに導かれる。
【0015】
搬送経路Rには、被記録材の先端および後端を検知して検知信号を出力する紙端検知センサ6、7が配されている。紙端検知センサ6、7は、それぞれ、画像形成部100へ給送される被記録材の通過を検出する被記録材検知手段を構成している。搬送上流側の被記録材検知手段(紙端検知センサ)6は、補助搬送ローラ対5の搬送下流側の近接位置に配されている。搬送下流側の被記録材検知手段(紙端検知センサ)7は第1搬送ローラ9の搬送上流側の近接位置に配されている。被記録材101は、第1搬送ローラと第1従動回転体10の間で挟持された状態でプラテン22上の記録開始位置まで搬送される。
【0016】
プラテン22の被記録材支持面には、複数の吸引孔221が所定の配列をなして形成されている。これらの吸引孔221は、プラテン22の下側に配されたダクト23を通して吸引手段としての吸引ファン21に接続されている。こうして、画像形成部100で被記録材101を吸引する複数の吸引孔221を有するプラテン22が構成されている。吸引ファン21の作動によりダクト23内の空気を排出することにより、各吸引孔221に負圧を発生させる。この負圧によって、被記録材101をプラテン22に吸着し、画像を形成するときの被記録材の浮き上がりを防止できる。つまり、吸引ファン21は、吸引孔221を介して被記録材101をプラテン22に吸引して吸着させる吸引手段を構成している。その場合、搬送される被記録材101の第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ11に対する位置関係により、被記録材101のプラテン22からの浮き上がりやすさに差がある。そこで、被記録材101と各搬送ローラ9、11との位置関係により吸引孔221における吸引力を可変にすべく、吸引ファン21の駆動状態を可変に制御する吸引力制御手段が設けられている。
【0017】
図2は被記録材101の先端付近に記録しているときの部分縦断面図である。図3は被記録材101の先端が第2搬送ローラに到達した後の部分縦断面図である。図4は被記録材の後端が第1搬送ローラを通過したときの部分縦断面図である。プラテン22の吸引孔221に通じるダクト23内に発生させる負圧の可変制御においては、紙端検知センサ7の出力信号と第1搬送ローラ9の搬送量とから被記録材101の位置を算出する。その場合、図2に示すように、搬送されてくる被記録材101の先端が下流側の第2搬送ローラ11に到達するまでは、被記録材101の先端がプラテン22から浮き上がりやすいため、吸引ファン21を高回転で駆動することでダクト23内の負圧を強くする。図3に示すように、被記録材101が第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ11の両方によって搬送されているときは、被記録材101は浮き上がりにくいため、吸引ファン21を低回転で駆動することで吸引ファン21による騒音を低減させる。さらに、図4に示すように被記録材101の後端が第1搬送ローラ109を通過し、第1搬送ローラ9と第2搬送ローラ11との間にあるときは、被記録材101の後端がプラテン22から浮き上がりやすくなるため、吸引ファン21を高回転で駆動することでダクト23内の負圧を強くする。
【0018】
記録ヘッド103の被記録材101と対向する吐出面には、複数の吐出口列がキャリア102の移動方向に並列配置されている。各吐出口列から異なるインクを吐出することで、カラー記録や階調記録が行われる。記録動作においては、キヤリア102の移動に同期して、画像情報に基づいて記録ヘッド103から被記録材101へインクを吐出することで、1ライン分の画像が形成される。1ライン分の記録が終了すると被記録材101を所定ピッチだけ搬送した後、次の1ライン分の画像を形成する。このように1ライン分の記録と所定ピッチの搬送を交互に繰り返すことで、被記録材の全体の記録が行われる。記録を終えた被記録材101は、第2搬送ローラ11と第2従動回転体12によって装置本体外へ排出される。
【0019】
図5は第1搬送ローラおよび第2搬送ローラで搬送しながら記録している被記録材の後端が補助搬送ローラ対を未だ通過していない状態を示す縦断面図である。図6は第1搬送ローラおよび第2搬送ローラで搬送しながら記録している被記録材の後端が補助搬送ローラ対を通過した状態を示す縦断面図である。図7は被記録材の先端が未だ第2搬送ローラに到達しないのに後端が補助搬送ローラ対をすでに通過している状態を示す縦断面図である。図8は図7に示す被記録材が第1搬送ローラおよび第2搬送ローラで搬送されながら記録されている状態を示す縦断面図である。
【0020】
次に、以上説明した記録装置における一連の給紙動作について説明する。複数枚の被記録材に記録する記録動作において、任意の数をnとしてn枚目の被記録材101aに記録している状態とする。この状態において、図5に示すように、n枚目の被記録材101aの後端が未だ補助搬送ローラ対5のニップに挟持されているときに、次の(n+1)枚目の被記録材の先行給紙を開始する場合を考える。そして、この場合に第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ11で搬送されているn枚目の被記録材101aに記録している間に先行給紙を開始する。すると、前述のように給紙ローラ1と補助搬送ローラ対5の同一駆動源による同期駆動が開始されることになる。このため、記録中のn枚目の被記録材101aに補助搬送ローラ対5による搬送力が加わることになり、第1搬送ローラ9による紙送り精度が悪化する。つまり、このような先行給紙を行うと、n枚目の被記録材101aに記録される画像に乱れが生じ、画質が低下してしまう。
【0021】
従って、(n+1)枚目の被記録材の先行給紙は、図6に示すように、記録中のn枚目の被記録材101aの後端が補助搬送ローラ対5を通過した後に開始する。すなわち、補助搬送ローラ対5の搬送上流側の近接して配置された紙端検知センサ6から出力される被記録材101aの後端通過を示す信号に基づいて先行給紙動作を開始し、(n+1)枚目の被記録材を給送する。このときは、被記録材101aの先端が第2搬送ローラ11にすでに到達しているため、吸引ファン21は低回転で駆動されており、先行給紙を開始しても騒音が大きくなることはない。
【0022】
しかしながら、用紙サイズがより短い場合は、図7に示すように、被記録材101aの後端が紙端検知センサ6を通過した後でも被記録材101aの先端が未だ第2搬送ローラ11に到達していない状態になることがある。この状態においては、吸引ファン21が未だ高回転で駆動しているため、(n+1)枚目の先行給紙を開始すると、騒音が大きくなってしまう。従って、この場合は、図8に示すように、被記録材101aの先端が第2搬送ローラ11に到達した後に吸引ファン21が低回転で駆動されるのを待って、(n+1)枚目の被記録材の給紙動作(先行給紙)を開始するように制御する。以上のように、先行給紙の開始タイミングを、紙端検知センサ(被記録材検知手段)6からの出力信号と吸引ファン21の駆動状態(高回転か低回転か)とに基づいて制御している。つまり、吸引ファン21の駆動状態が設定値以上の騒音を発生する状態である間は、給紙部200が給紙動作を開始しないように制御している。かかる制御においては、用紙サイズに応じて先行給紙を開始するタイミングを異ならせることが可能であり、適正な制御を行うことができる。
【0023】
図9は本実施形態に係る記録装置において先行給紙を開始する時期を制御する動作のフローチャートである。前紙を記録しているときに次紙の記録指令があると(ステップS01)、次紙の先行給紙を実行するか否かを判別する(ステップS02)。先行給紙を行う場合は、前紙が所定位置(本実施形態では補助搬送ローラ対5の位置)を通過した否かを判別する(ステップS3)。前紙が所定位置を通過している場合は、吸引ファン21の駆動状態(高速回転か低速回転か)を判別する(ステップS04)。そして、低速回転である場合は次紙の先行給紙(給紙動作)を開始し(ステップS05)、高速回転である場合は次紙の給紙動作(先行給紙)を開始しない。一方、ステップS02で先行給紙を実行しない場合は、搬送経路R中に被記録材があるか否かを判別し(ステップS06)、被記録材がある場合は吸引ファン21の駆動状態を判別する(ステップS07)。そして、低速回転である場合は次紙の給紙動作を開始し(ステップS08)、高速回転である場合は次紙の給紙動作を開始しない。
【0024】
このように、給紙部200が給紙動作を開始するタイミングを、被記録材検知手段6、7により検知した被記録材101の通過と吸引手段21の駆動状態とに基づいて制御する。この場合、吸引手段21の駆動状態は、プラテン22の吸引孔221における吸引手段21による吸引力の大きさと関連しており、ここでは、吸引手段21からの騒音の発生状態、つまり騒音のレベルが設定値以上であるか否かに基づいて制御する。そして、吸引手段としての吸引ファン21が設定値以上の騒音を発生する状態で駆動されている間は、給紙部200による給紙動作を開始しないように制御する。
【0025】
図10は、記録が終了した被記録材を第2搬送ローラにより排出している状態を示す縦断面図である。本実施形態に係る先行給紙は、予め複数ページの記録を行うことが分かっていて次紙を給紙する場合に限らず、記録中に新たな記録ジョブの指令が送信されてきた場合にも同様に適用可能である。例えば、図10に示すように、被記録材101aの記録が終了して第2搬送ローラ11で排出しているときに新たな記録ジョブの指令が送信されてきた場合にも、本実施形態に係る先行給紙を適用することができる。この場合は、吸引ファン21が高回転で駆動されているため、前紙の排出が完了して吸引ファン21が低速回転に切り換えられるのを待って、次紙(新たな被記録材)の給紙を開始するように制御する。
【0026】
また、被記録材の種類によっては、プラテン上での浮き上がりがほとんど生じないものがある。その場合は、吸引ファン21を常に低回転で駆動することができるため、被記録材が第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ11のいずれか一方で搬送されている状態(例えば図7、図10の状態)でも、次紙の先行給紙を開始するように制御する。また、先行給紙の制御動作は、前述以外の各種制御因子により吸引ファンの駆動状態を切り換える場合にも同様に適用可能である。吸引ファンの制御因子としては、例えば、周囲の温湿度環境や記録画像の濃淡などがある。
【0027】
なお、以上の実施形態では、記録ヘッドを往復移動させて画像を形成するシリアルタイプの記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、紙送りのみで1ラインずつ一括して画像を形成するラインタイプの記録装置にも同様に適用可能である。また、本発明は、インクジェット記録装置の他、熱転写式、感熱式、レーザービーム式、ワイヤドット式など、他の記録方式の記録装置にも同様に適用可能である。さらに、本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の単体の記録装置の他、複合機器やシステム構成などにおける記録装置に対しても同様に適用可能である。また、本発明は、被記録材として、紙、プラスチックシート、写真調印画紙、布など、シート状の種々の材質を使用する場合に同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】被記録材の先端付近に記録しているときの部分縦断面図である。
【図3】被記録材の先端が第2搬送ローラに到達した後の部分縦断面図である。
【図4】被記録材の後端が第1搬送ローラを通過したときの部分縦断面図である。
【図5】第1搬送ローラおよび第2搬送ローラで搬送しながら記録している被記録材の後端が補助搬送ローラ対を未だ通過していない状態を示す縦断面図である。
【図6】第1搬送ローラおよび第2搬送ローラで搬送しながら記録している被記録材の後端が補助搬送ローラ対を通過した状態を示す縦断面図である。
【図7】被記録材の先端が未だ第2搬送ローラに到達しないのに後端が補助搬送ローラ対をすでに通過している状態を示す縦断面図である。
【図8】図8は図7に示す被記録材が第1搬送ローラおよび第2搬送ローラで搬送されながら記録されている状態を示す縦断面図である。
【図9】一実施形態に係る記録装置において先行給紙を開始する時期を制御する動作のフローチャートである。
【図10】記録が終了した被記録材を第2搬送ローラにより排出している状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 給紙ローラ
5 補助搬送ローラ対
6 被記録材検知手段(紙端検知センサ)
7 被記録材検知手段(紙端検知センサ)
9 第1搬送ローラ
10 第1従動回転体(ピンチローラ)
11 第2搬送ローラ(排紙ローラ)
12 第2従動回転体(拍車)
21 吸引手段(吸引ファン)
22 プラテン
100 画像形成部
103 記録ヘッド
200 給紙部
221 吸引孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドにより被記録材に画像を形成する記録装置において、
被記録材を画像形成部へ給送する給紙部と、画像形成部へ給送される被記録材の通過を検知する被記録材検知手段と、被記録材を吸引する吸引孔を有するプラテンと、前記吸引孔を介して被記録材を吸引する吸引手段と、前記吸引手段の駆動状態を可変に制御する吸引力制御手段と、を備え、
前記給紙部が給紙動作を開始するタイミングを、前記被記録材検知手段により検知した被記録材の通過と前記吸引手段の駆動状態とに基づいて制御することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記吸引手段の駆動状態が設定値以上の騒音を発生する状態である間は、前記給紙部が給紙動作を開始しないことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記画像形成部の搬送上流側及び搬送下流側のそれぞれに搬送ローラが配され、被記録材の先端が前記搬送上流側の搬送ローラと前記搬送下流側の搬送ローラとの間にあるときは前記吸引手段を高回転で駆動し、被記録材を前記搬送上流側の搬送ローラと前記搬送下流側の搬送ローラで搬送しているときは前記吸引手段を低回転で駆動することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記画像形成部の搬送上流側及び搬送下流側のそれぞれに搬送ローラが配され、被記録材を前記搬送上流側の搬送ローラと前記搬送下流側の搬送ローラで搬送しているときは前記吸引手段を低回転で駆動し、被記録材の後端が前記搬送上流側の搬送ローラと前記搬送下流側の搬送ローラとの間にあるときは前記吸引手段を高回転で駆動することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記吸引手段が高回転で駆動されているときは前記給紙部が給紙動作を開始しないことを特徴とする請求項3または4に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−137030(P2009−137030A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312504(P2007−312504)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】