説明

記録装置

【課題】 本発明は、装置固有にライセンスキーを発行し、特定の装置のみが解釈可能なライセンスキーとし、他の装置の状態によらずに、装置の機能制限を可能にする記録装置および記録装置の制御方法を提供する。
【解決手段】 ホストコンピュータから送信される画像データを受信し、その画像データを印刷する記録手段であって、認証コードを入力する入力手段と、その認証コードを解析する解析手段を有し、認証コードは使用期限データを含み、認証コードの解析結果である使用期限が過ぎている場合に、記録装置が所定の動作をすることで、記録装置の印刷を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な機能を搭載した画像形成装置が作られてきた。その中には、ユーザーの使用形態に対応して、その機能の一部または全部を選択的に使用可能とする装置もある。
【0003】
例えば、特開2008−243179号公報には、アプリケーションを実行可能な装置において、そのアプリケーションを実行可能にするライセンスデータをネットワーク経由でコンピュータから取得する装置が開示されている。
【0004】
そのアプリケーションに対するライセンス状態情報がネットワークを介して取得され、そのライセンス状態情報に基づいてアプリケーションを実行可能にするライセンスデータが生成され、そのライセンスデータを取得した機器がそのライセンスデータに基づいて動作可能となる。
【0005】
このような装置では、例えば、ユーザーが使用する機能に応じライセンスデータを取得し、多機能な画像形成装置にそれをセットすることで、ユーザーは一部の機能のみを使用できる。ライセンスデータを販売することで、多機能な画像形成装置をレンタルする場合にユーザーが使用する機能に応じた料金設定が容易にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−243179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術では、外部にあるライセンスデータを生成するサーバとライセンス取得装置がネットワークを介して通信し、必要に応じてライセンス取得装置がライセンスデータを取得する。そのライセンスデータは、ライセンス取得装置とローカルネットワークで接続された画像形成装置が取得し、ライセンスデータに応じて機能が制限される。ローカルネットワークに接続された画像形成装置においては容易に機能制限が可能となるが、ローカルネットワークに接続されていない場合は、機能制限ができなくなる。また、ライセンス取得装置が接続されている装置全てのライセンスデータを解析するので、このライセンス取得装置に問題がある場合は、他の接続されている装置全てが使用できなくなってしまうという問題もある。またライセンスデータをネットワーク経由で通信するのでセキュリティ上の問題もある。
【0008】
本発明は、装置固有に認証コードを発行し、特定の装置のみが解釈可能な認証コードとし、他の装置の状態によらずに、装置の機能制限を可能にする記録装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の記録装置は、ホストコンピュータから送信される画像データを受信する受信回路と、前記画像データを印刷用画像データに変換する変換手段と、前記印刷用画像データを印刷する記録手段と、認証コードを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された前記認証コードを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて動作する記録装置において、前記認証コードは前記記録装置の使用期限を含み、前記記録装置は、前記受信回路の前段に配置され前記ホストコンピュータから送信される前記画像データの受信可否を選択するデータ受信切替え手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて前記記録装置の使用期限が切れているか否かを判断する確認手段と、を有し、前記確認手段の確認結果が前記記録装置の使用期限が切れていると判断された場合は前記データ受信切替え手段によって前記画像データを受信させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、期間限定で記録装置を動かしたい場合に、入力した認証コードに応じた時期になると装置が自動で判断して印刷を止めることが出来るので、使用期限付きの運用を確実且つ簡単に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る記録装置のブロック図である。
【図2】図2は使用期限切れ時の認証コード入力処理を示すフローチャートである。
【図3】図3はホストコンピュータと記録装置間の通信手順の説明の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の実施の形態に係る記録装置のブロック図である。
図1において、記録装置100は、ホストコンピュータ10から送信される印刷データを受信する受信手段としての受信回路102と、受信したデータを印刷データに変換する手段103と、認証コードの入力等を行う入力手段としての操作パネル109と、認証コードを解析する認証コード解析手段108と、認証コードが正しいかを確認する認証コード確認手段107と、使用期限切れかどうかを判断する使用期限切れ確認手段106を有し、エラー状態の時にデータ受信の有無を切り替えるデータ受信切替え手段101と、印刷データを印刷する印刷手段としての記録手段104と、記録装置100にエラー通知をするエラー通知手段105とを備えている。データ受信切替え手段101はホストコンピュータ10との通信において、受信するデータまたはコマンドを選択する手段である。通常の場合は、ホストコンピュータ10から送信される印刷データは受信回路102に受信されるが、異常の場合は受信回路102で印刷データを受信しないように制御する。記録手段104は、インクジェット式のプリンタ、電子写真式のプリンタなどの記録媒体に記録する記録手段である。
【0013】
また、認証コードは暗号化されたデータである。認証コードは記録装置100の固有番号、使用可能期間を含むデータを暗号化したものである。この認証コードは、認証コード解析手段108によって解析され、固有番号と使用可能期間を含むデータを生成する。認証コード確認手段は、認証コードが正しいものか確認する。生成された固有番号と記録装置100の固有番号を比較し一致するか否かを演算する。不一致の場合は認証コードが記録装置100用の物でないと判断する。一致した場合は、使用可能期間が既に過ぎ去っているか否かを装置内部の時計と比較し検証する。過ぎ去っている場合は、記録装置100用の物でない正しくない認証コードと判断する。過ぎ去っていなければ、記録装置100用の正しい認証コードであると判断する。使用期限切れ確認手段106では、正しいと判断された認証コードの使用可能期間を記録装置100内のメモリに上書きして格納する。さらに、記録装置100の内部時計と使用可能期間を比較し範囲内に入っているか演算する。範囲内ならば記録装置100は正常動作をする。範囲外ならば、使用期限内でない旨のデータをエラー通知手段105に出力する。エラー通知手段105はデータ受信切替え手段101に信号を出力し、ホストコンピュータ10からの画像データの受信を禁止する。
【0014】
操作パネル109には、記録装置100がホストコンピュータ10との通信をオンラインにするかオフラインにするかを選択するスイッチを含む。
【0015】
記録装置100は定期的にメンテナンスをする必要があり、例えば記録装置100がインクジェットプリンタである場合は、定期的にヘッドおよびノズルの清掃が必要であり、この時には記録装置に印刷させない為にオフラインにする必要がある。メンテナンス終了後に印刷させるためにオンラインにするが、このとき使用期間内か否かを確認している。このようなタイミングで確認を行えば、印刷中に使用期限が過ぎて、停止することなくその印刷は終了させることができる。
【0016】
図2は使用期限切れ時の認証コード入力処理を示すフローチャートで、使用期限切れが発生した際に認証コードを入力し、入力した認証コードを解析して、その認証コードが正しいコードであるかを判定して、コードが正しければ、使用期限を更新する処理動作を示している。
【0017】
以下、図1から図2を用いて本実施の形態の動作を説明する。
先ず、記録装置の使用期限が切れているかどうかを使用期限切れ確認手段106にて判定する(ステップS101)。この際、使用期限が切れていなければ、そのまま記録装置を使用することが出来る。この判定は、記録装置立ち上げ時、記録装置をオフライン状態からオンライン状態に遷移する時、すなわちオフライン状態でオンラインキーを押下した時、オンライン状態で何らかのエラーが発生し、そのエラーを解除して、再びオンライン状態に自動的に遷移する時、これらの時にこのステップS101が実行される。使用期限が切れた場合であっても、所定の処理が無ければ、記録装置100内にある画像データを印刷することができる。時期がきたら突然印刷機能を止めてしまうと印刷中であった場合に途中で停止してしまい、復旧処理が大変になる問題がある。上述のタイミングで確認処理をすればこのような問題も防止できる。
【0018】
次に、使用期限が切れていた場合は、エラー通知手段105を通して使用期限エラーを表示する(ステップS102)。使用期限エラーが発生した場合、データ受信切り替え手段101にてホストコンピュータ10からの印刷データを受信しないように処理を行う。
【0019】
次に、使用期限エラーを解除するためには、操作パネル109より、新しい認証コードを入力する(ステップS103)。入力された認証コードは、認証コード解析手段108にて解析を行い(ステップS104)、解析したコードが正しいコードであるかを認証コード確認手段107にて確認し(ステップS105)、正しいコードである場合は、使用期限切れ確認手段106にて使用期限の更新を行う(ステップS106)。
【0020】
次に、認証コードが正しいコードでない場合は、再度、使用期限エラーを表示し(ステップS102)、正しい認証コードが入力されるまで、ホストコンピュータ10からの印刷データは受信しない。
【0021】
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、印刷データを受信する受信回路102と、印刷データを印刷する印刷手段としての印刷手段104とを備え、印刷手段104によって、受信回路102で受信した印刷データをプリント用紙に印刷する記録装置100において、認証コードを操作パネル109から入力し、この時、入力された認証コードを認証コード解析手段108にて解析し、解析した認証コードが正しいかを確認する認証コード確認手段107にて確認し、使用期限切れかどうかを使用期限切れ確認手段106にて確認することで、使用期限切れの場合は、使用期限エラーをエラー通知手段105にて通知するため、使用期限付きの運用を確実且つ簡単に行うことが可能となる。
【0022】
図3はホストコンピュータと記録装置間の通信手順の説明の図である。ホストコンピュータ10と記録装置100との間の通信の手順の説明をする。ホストコンピュータ10から記録装置100に対して要求コマンドを送信する。
【0023】
例えば記録装置100によって印刷される画像データをホストコンピュータ10から記録装置100に送信する場合を説明する。ホストコンピュータ10から記録装置100に対して画像データを送信するため、要求コマンドを送信して要求する。そのコマンドを記録装置100が受信すると、記録装置100内の状態に応じて、その要求を受けるか否かを示した応答コマンドを送信する。記録装置100内の状態が、画像データを受信できない状態、例えば、記録装置100が使用期限切れである場合、受信データを記録するメモリの確保ができない場合、エラーが発生している場合など、である場合は要求を受けない旨の応答コマンドを送信する。
【0024】
応答コマンドが要求を受ける旨の情報を含む場合は、ホストコンピュータ10から記録装置100に対して画像データを送信する。記録装置100は画像データを受信する。受信が終了すると完了コマンドを送信する。
【0025】
応答コマンドが要求を受けない旨の情報を含む場合は、ホストコンピュータ10から画像データが送信されたとしても受信を行わない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、インクジェット方式の記録装置、電子写真方式の記録装置などの記録装置に利用できる。
【符号の説明】
【0027】
10 ホストコンピュータ
100 記録装置
101 データ受信切替え手段
102 データ受信手段
103 印刷データ生成手段
104 記録手段
105 エラー通知手段
106 使用期限切れ確認手段
107 認証コード確認手段
108 認証コード解析手段
109 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータから送信される画像データを受信する受信回路と、前記画像データを印刷用画像データに変換する変換手段と、前記印刷用画像データを印刷する記録手段と、
認証コードを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された前記認証コードを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて動作する記録装置において、
前記認証コードは前記記録装置の使用期限を含み、
前記記録装置は、前記受信回路の前段に配置され前記ホストコンピュータから送信される前記画像データの受信可否を選択するデータ受信切替え手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて前記記録装置の使用期限が切れているか否かを判断する確認手段と、を有し、
前記確認手段の確認結果が前記記録装置の使用期限が切れていると判断された場合は前記データ受信切替え手段によって前記画像データを受信させないことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記確認手段は、前記記録装置が所定の動作をした場合に前記解析手段の解析結果によって前記記録装置の使用期限が切れていることを条件に前記記録装置の使用期限が切れていると判断することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記所定の動作は、新たに前記記録装置をオンライン状態にする時であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−11750(P2012−11750A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153111(P2010−153111)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Fターム(参考)】