記録装置
【課題】搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制すること。
【解決手段】矯正ローラーと所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であるため、搬送媒体の搬送状態を適宜切り替えることができる。これにより、搬送負荷が抑えられた状態で搬送媒体を搬送することができるので、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能となる。
【解決手段】矯正ローラーと所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であるため、搬送媒体の搬送状態を適宜切り替えることができる。これにより、搬送負荷が抑えられた状態で搬送媒体を搬送することができるので、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
記録装置の一種である印刷装置には、ロール紙（搬送媒体）を搬送する搬送機構（搬送部）と、ロール紙に対して記録処理を施す記録ヘッド（記録部）と、ロール紙の湾曲（巻きぐせ）を矯正するためのデカール機構（矯正部）とを備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この印刷装置においては、デカール機構に設けられた矯正ローラーによってロール紙を駆動しつつ矯正した後、そのまま排出する構成と、矯正後のロール紙を別の搬送機構によって上方に搬送した後に排出する構成とが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−１７９４１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記のようにデカール機構の下流側でロール紙を搬送する場合、矯正ローラーと、デカール機構の下流側に配置された搬送機構との間で駆動速度が異なる場合がある。この場合、ロール紙に対して搬送負荷となり、ロール紙の搬送精度を低下させることになり、記録精度の低下を招くおそれがある。
【０００５】
以上のような事情に鑑み、本発明は、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能な記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係る記録装置は、搬送媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送媒体に対して記録を行う記録部と、前記記録が行われた前記搬送媒体を矯正する矯正部と、矯正された前記搬送媒体を排出する排出部と、前記搬送部、前記記録部、前記矯正部及び前記排出部による動作を制御する制御部とを備え、前記矯正部は、前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第一ローラーと、前記第一ローラーとの間に間隔を空けるように前記第一ローラーに対して前記搬送方向の上流側に設けられ、前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第二ローラーと、所定の駆動源に連結可能に設けられ、前記搬送媒体が前記第一ローラーと前記第二ローラーとの前記間隔へ押圧されて湾曲されるように前記第一ローラーとの間で前記搬送媒体を挟持可能であり、前記搬送媒体を挟持する挟持位置と前記搬送媒体から離れた離間位置との間を移動可能な矯正ローラーとを有し、前記制御部は、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であることが好ましい。
【０００７】
本発明によれば、矯正ローラーと所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であるため、搬送媒体の搬送経路に応じて当該搬送媒体の搬送状態が最適となるように切り替えることができる。これにより、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能となる。
【０００８】
上記の記録装置は、前記排出部は、前記搬送媒体を排出する第一排出口を有し、前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが少なくとも前記挟持位置に配置される場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結状態とすることが好ましい。
本発明によれば、矯正部から第一排出口へ搬送媒体を直接搬送する場合であって矯正ローラーが少なくとも挟持位置に配置される場合において、矯正ローラーと所定の駆動源との間を連結状態とするので、この場合には、所定の駆動源によって矯正ローラーを駆動させる場合であっても、搬送負荷を生じさせることなく搬送媒体を第一排出口へ搬送することができる。
【０００９】
上記の記録装置は、前記第一ローラー及び前記第二ローラーは、第三の駆動源に連結可能に設けられ、前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが前記離間位置に配置される場合には、前記第一ローラー及び前記第二ローラーと前記第三の駆動源とを連結状態とすることが好ましい。
本発明によれば、第一ローラー及び第二ローラーが第三の駆動源に連結可能に設けられ、矯正部から第一排出口へ搬送媒体を直接搬送する場合であって矯正ローラーが離間位置に配置される場合には、第一ローラー及び第二ローラーと第三の駆動源とが連結状態となるため、第一ローラー及び第二ローラーを用いて搬送媒体を搬送することができる。これにより、搬送媒体の詰まりを防ぐことができ、スムーズに搬送媒体を搬送することができる。
【００１０】
上記の記録装置は、前記排出部は、前記搬送媒体を排出する第二排出口と、第二の駆動源に接続され、前記矯正部を介した前記搬送媒体を前記第二排出口へ搬送する排出ローラーとを有し、前記制御部は、前記矯正部から前記第二排出口へ前記排出ローラーを介して前記搬送媒体を搬送する場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結解除状態とすることが好ましい。
【００１１】
本発明によれば、矯正部から第二排出口へ排出ローラーを介して搬送媒体を搬送する場合には、矯正ローラーと所定の駆動源との間を連結解除状態とするので、所定の駆動源と第二の駆動源との間で搬送速度の差が生じるのを回避することができる。これにより、搬送媒体に搬送負荷が掛かるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示す図。
【図２】本実施形態に係る印刷装置の別の構成を示す図。
【図３】本実施形態に係る矯正部の構成を示す図。
【図４】本実施形態に係る矯正部の構成を示す図。
【図５】本実施形態に係る印刷装置の電気的構成を示すブロック図。
【図６】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【図７】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【図８】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【図９】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図１は、本実施形態に係る印刷装置（記録装置）の構成を示す概略図である。
図１に示すように、本実施形態の印刷装置ＰＲＴは、帯状に形成されたシート（搬送媒体）ステップＳを搬送させながら当該シートＳＴに対して印刷処理を行う装置である。印刷装置ＰＲＴは、本体ケースＢＤを有している。本体ケースＢＤには、シート供給部ＳＰ、搬送部ＣＶ、インクジェット部ＩＪ、切断部ＣＴ、裏面記録部（記録部）ＩＰ、乾燥部ＤＲ、矯正部ＤＣ、シート排出部ＥＸ及び制御装置ＣＯＮＴがそれぞれ設けられている。
【００１４】
シート供給部ＳＰは、印刷対象となるシートＳＴを供給する部分である。シート供給部ＳＰは、軸部ＳＦを有している。軸部ＳＦには、シートＳＴがロール状に巻かれた状態で取り付けられている。軸部ＳＦは、回転モーター１２１によって周方向に回転可能に設けられている。軸部ＳＦが回転することにより、シートＳＴが送り出されるようになっている。ロール状に巻かれたシートＳＴとして、例えば円筒状の芯部にシートＳＴが巻かれており、芯部ごと軸部ＳＦに着脱可能な構成であっても構わない。また、軸部ＳＦが取り外し可能な構成であっても構わない。
【００１５】
搬送部ＣＶは、シート供給部ＳＰから送り出されたシートＳＴを搬送経路ＲＴに沿って搬送する。搬送経路ＲＴは、シート供給部ＳＰからシート排出部ＥＸに亘って設定されている。したがって、本実施形態では、搬送経路ＲＴに沿ってシート供給部ＳＰからシート排出部ＥＸに向かう方向が搬送方向（Ｘ方向）である。また、搬送部ＣＶは、当該搬送経路ＲＴに沿って配置された搬送ローラー２１〜２８を有している。
【００１６】
搬送ローラー２１〜２８のうち、搬送ローラー２１及び搬送ローラー２５は、搬送経路ＲＴを挟んで配置されている。同様に、搬送ローラー２２及び搬送ローラー２６、搬送ローラー２３及び搬送ローラー２７は、搬送ローラー２４及び搬送ローラー２８は、搬送経路ＲＴを挟んで配置されている。このうち、搬送ローラー２１、２３、２５、２７は、搬送モーター１２２（図５参照）によって回転可能に設けられている。また、搬送ローラー２２、２４、２６、２８は、シートＳＴの移動に伴って回転可能に設けられている。
【００１７】
インクジェット部ＩＪは、搬送されるシートＳＴの表面Ｓ１に対してインクを噴射して記録処理を行う部分である。インクジェット部ＩＪは、ヘッドＨ、キャリッジＣＡ、ガイド軸３１、シート支持部３２を有している。ヘッドＨは、シート支持部３２の支持面３２ａに対向して設けられている。シート支持部３２の当該支持面３２ａは、搬送経路ＲＴ上に沿って配置されている。搬送経路ＲＴ上を搬送されるシートＳＴは、支持面３２ａによって支持されるようになっている。支持面３２ａには、シートＳＴを吸引する不図示の吸引口が複数設けられている。
【００１８】
ヘッドＨのうち支持面３２ａに対向する噴射面Ｈａには、複数のノズルＮＺが設けられている。当該ノズルＮＺは、インク（液体）が噴射されるようになっている。ノズルＮＺから噴射されたインクが、搬送経路ＲＴ上のシートＳＴに付着することにより、シートＳＴに画像や文字が記録されるようになっている。
【００１９】
キャリッジＣＡは、ヘッドＨの噴射面Ｈａを支持面３２ａに対向させた状態でヘッドＨを保持する。キャリッジＣＡは、ガイド軸３１に沿って移動可能に設けられている。ガイド軸３１は、シートＳＴの搬送方向に直交する方向（Ｙ方向）に沿って設けられている。
したがって、当該キャリッジＣＡの移動に伴い、ヘッドＨがＹ方向に移動するようになっている。
【００２０】
切断部ＣＴは、インクジェット部ＩＪに対して搬送方向の下流側に配置されており、記録処理が行われたシートＳＴを切断する部分である。切断部ＣＴは、回転刃などによって構成されるカッター４１と、当該カッター４１を受けるカッター受部４２と、カッター４１による切断のタイミングを検出するセンサ８８（第二センサ）とを有している。切断部ＣＴでは、例えばインクジェット部ＩＪにおいて記録された画像に対応する記録領域毎にシートＳＴを切断可能である。切断されたシートＳＴは、カットシートＣＳとして搬送方向に搬送されるようになっている。
【００２１】
裏面記録部ＩＰは、切断部ＣＴに対して搬送方向の下流側に配置されており、カットシートＣＳの裏面Ｓ２に対して記録を行う部分である。裏面記録部ＩＰは、記録ユニット５１、支持台５２及びセンサ８９（第一センサ）を有している。記録ユニット５１は、不図示のインクリボン及びインパクト機構を有する、いわゆるインパクトドット方式の印刷ユニットである。
【００２２】
裏面記録部ＩＰでは、支持台５２にカットシートＣＳの表面Ｓ１を支持させた状態で、当該カットシートＣＳの裏面Ｓ２に対してインクリボンを押し付け、インパクト機構を打ち付けることにより、カットシートＣＳの裏面Ｓ２にドット状の画像が形成されるようになっている。なお、記録ユニット５１として、インパクトドット方式の印刷ユニット以外に、例えば熱転写型の印刷ユニットを採用することもできる。
【００２３】
センサ８９は、搬送部ＣＶによって搬送されるカットシートＣＳの搬送方向の先端部を検出する。センサ８９は、制御装置ＣＯＮＴに電気的に接続された反射型の光学式センサである。センサ８９は、図示しない光源部と受光部とを有している。センサ８９は、例えば搬送経路ＲＴの下方（シートＳＴあるいはカットシートＣＳの裏面Ｓ２側）に配置されている。センサ８９は、光源部から搬送経路ＲＴに向けて光が射出されるようになっている。この光は、シートＳＴあるいはカットシートＣＳの裏面Ｓ２で反射され、反射光を受光部が受光するようになっている。受光部では反射光の強さに応じた電気信号が生成され、当該電気信号は制御装置ＣＯＮＴに送信されるようになっている。
【００２４】
例えば、センサ８９は、シートＳＴあるいはカットシートＣＳが反射対象となったときに所定の閾値よりも大きいＯＮ値を出力する一方、シートＳＴあるいはカットシートＣＳが反射対象となっていないときに前記閾値以下となるＯＦＦ値を出力する。したがって、センサ８９の出力値がＯＦＦ値からＯＮ値に変化することで、搬送方向におけるシートＳＴあるいはカットシートＣＳの先端が検出されるようになっている。
【００２５】
乾燥部ＤＲは、裏面記録部ＩＰに対して搬送方向の下流側に配置されており、カットシートＣＳを乾燥させる部分である。乾燥部ＤＲは、カットシートＣＳを加熱する加熱部ＨＴを有している。加熱部ＨＴがカットシートＣＳを加熱することにより、カットシートＣＳの表面Ｓ１上に噴射されたインクが乾燥するようになっている。
【００２６】
矯正部ＤＣは、乾燥部ＤＲに対して搬送方向の下流側に配置されており、カットシートＣＳの巻きぐせを矯正する部分である。矯正部ＤＣは、第一ローラー７１、第二ローラー７２及び矯正ローラー７３を有している。第一ローラー７１は、カットシートＣＳを搬送方向に送るように回転可能に設けられている。第一ローラー７１及び第二ローラー７２は、第三モーターＭＴ３（図５参照）に接続されている。
【００２７】
第二ローラー７２は、第一ローラー７１に対して搬送方向の上流側に配置されている。第二ローラー７２は、カットシートＣＳを搬送方向に送るように回転可能に設けられている。第二ローラー７２は、回転モーターに接続された駆動ローラーであっても構わないし、カットシートＣＳの搬送に応じて回転可能な従動ローラーであっても構わない。
【００２８】
矯正ローラー７３は、第一ローラー７１に対して搬送経路ＲＴを挟む位置に設けられ、第一ローラー７１との間でカットシートＣＳを挟持可能に設けられている。矯正ローラー７３は、第一モーターＭＴ１（図５参照）に接続されている。矯正ローラー７３は、第一モーターＭＴ１との間で連結状態及び連結解除状態が切替可能に設けられている。
【００２９】
シート排出部ＥＸは、矯正部ＤＣに対して搬送方向の下流側に配置されている。シート排出部ＥＸは、カットシートＣＳが排出される部分であり、搬送部ＣＶによる搬送経路ＲＴの終点である。シート排出部ＥＸは、開口部８１及び排出トレイ８２を有している。開口部８１は、本体ケースＢＤの内外を貫通して設けられている。開口部８１には、第一ローラー７１及び矯正ローラー７３によって送られたカットシートＣＳが通過するようになっている。このため、第一ローラー７１及び矯正ローラー７３は、搬送部ＣＶからシート排出部ＥＸへカットシートＣＳを排出する排出ローラーＥＲを兼ねていることになる。なお、搬送部ＣＶが排出ローラーＥＲを別途有する構成であっても構わない。排出トレイ８２は、本体ケースＢＤの外部に設けられており、開口部８１を通過したシートＳＴを配置させておく部分である。
【００３０】
このように構成された印刷装置ＰＲＴにおいては、シート供給部ＳＰから供給されるシートＳＴが搬送部ＣＶによって搬送され、インクジェット部ＩＪによって当該シートＳＴの表面Ｓ１に対して印刷処理が行われ、印刷処理の後に、切断部ＣＴによってシートＳＴが切断されるようになっている。切断されたカットシートＣＳは、裏面記録部ＩＰによって裏面Ｓ２に記録処理が行われ、乾燥部ＤＲにおいて乾燥処理が施されるようになっている。乾燥処理が施されたカットシートＣＳには、矯正部ＤＣにおいて湾曲が矯正され、シート排出部ＥＸから排出されるようになっている。
【００３１】
なお、印刷装置ＰＲＴでは、１つの印刷ジョブに含まれる印刷データを複数に分割し、分割された各印刷データに基づく印刷処理をキャリッジＣＡの走査毎に行うとともに、各印刷処理の合間に、シートＳＴの印刷が施された部分が間欠的に搬送されるようになっている。すなわち、インクジェット部ＩＪでは、Ｙ方向が長手方向となる帯状の画像の形成とＸ方向への紙送りとが交互に繰り返されることで、１つの印刷ジョブに基づく画像が形成されるようになっている。
【００３２】
図２は、印刷装置ＰＲＴの他の構成を示す図である。
図２に示すように、印刷装置ＰＲＴは、シート排出部ＥＸとして、排出トレイ８２に代えて排出ケース８４を取り付けることができる構成となっている。
【００３３】
図２に示すように、排出ケース８４は、カットシートＣＳを搬入する搬入口８３と、当該カットシートＣＳが排出される排出口８５と、カットシートＣＳを搬入口８３から排出口８５へと搬送する複数の排出ローラーＥＲとを有している。当該複数の排出ローラーＥＲは、第二モーターＭＴ２（図５参照）に接続されている。
【００３４】
排出ケース８４が取り付けられている場合、当該排出ケース８４に設けられる複数の排出ローラーＥＲにより、カットシートＣＳの搬送方向がまず＋Ｚ方向へと変換され、更に−Ｘ方向に変換されて当該カットシートＣＸが排出される。したがって、第一ローラー７１及び矯正ローラー７３は、搬送部ＣＶから排出ケース８４へとカットシートＣＳを搬送するものの、排出ローラーを兼ねていない点で、図１の構成とは異なっている。また、図２の構成においては、開口部８１はカットシートＣＳの通過点であり、排出口８５からカットシートＣＳが排出される点で、図１の構成とは異なっている。
【００３５】
次に、矯正部ＤＣの構成を説明する。
図３及び図４は、矯正部ＤＣの構成を示す図である。
図３及び図４に示すように、矯正部ＤＣは、第一ローラー７１と、第二ローラー７２と、矯正ローラー７３とを構成要素の一部としている。
【００３６】
また、矯正部ＤＣは、センサ９０（図１参照）と、ガイド部材Ｇ１，Ｇ２と、カムモーター１２３（図５参照）と、カム機構６０とを備えている。第一ローラー７１、第二ローラー７２及び矯正ローラー７３は、それぞれＹ方向に延びる軸部７１ａ，７２ａ，７３ａに支持されている。
【００３７】
矯正ローラー７３は、カットシートＣＳを挟持する挟持位置Ｐ１（図４に示す位置）と、カットシートＣＳから離れた離間位置Ｐ２（図３に示す位置）との間で移動可能に設けられている。矯正ローラー７３は、第一ローラー７１との間にシートＳＴを挟持したときに、シートＳＴの搬送に伴って従動回転するようになっている。
【００３８】
矯正ローラー７３の挟持位置Ｐ１は第一ローラー７１よりも搬送方向の上流側に設けられている。このように矯正ローラー７３は、第一ローラー７１よりも搬送方向の上流側からカットシートＣＳに当接する構成となっている。このため、第一ローラー７１と矯正ローラー７３とでカットシートＣＳを挟持した場合、カットシートＣＳの上流側が図中下側へ撓みやすくなり、第一ローラー７１と第二ローラー７２との間の隙間７４へ湾曲されやすくなる。
【００３９】
このように、矯正ローラー７３は、挟持位置Ｐ１において、カットシートＣＳが第一ローラー７１と第二ローラー７２との間の隙間７４へ押圧され湾曲されるように当該カットシートＣＳを挟持する構成となっている。矯正ローラー７３は、第二ローラー７２との間でカットシートＣＳを屈曲させることで、カットシートＣＳのカール（巻きぐせ）を矯正する（デカールする）構成となっている。なお、第二ローラー７２は、搬送方向において第一ローラー７１の上流側に配置されて第一ローラー７１に向けてシートＳＴを搬送するとともに、カットシートＣＳが屈曲されるときに、その屈曲部分の上流側を支持する支持部として機能する。
【００４０】
センサ９０は、搬送部ＣＶによって搬送されるカットシートＣＳの搬送方向の先端部を検出する。センサ９０は、制御装置ＣＯＮＴに電気的に接続された反射型の光学式センサであり、上記のセンサ８９と同様の構成を有している。センサ９０で生成された当該電気信号は制御装置ＣＯＮＴに送信されるようになっている。
【００４１】
ガイド部材Ｇ１は第二ローラー７２によって搬送されるカットシートＣＳの裏面Ｓ２側をガイドする。ガイド部材Ｇ２は第二ローラー７２によって搬送されるシートＳＴの表面Ｓ１側をガイドするようになっている。ガイド部材Ｇ１及びＧ２は、第一ローラー７１に向けてカットシートＣＳを案内するために、搬送方向において第一ローラー７１の上流側に配置されている。ガイド部材Ｇ１は、搬送方向の上流側に設けられた基端部Ｇ１ａと、基端部Ｇ１ａから搬送方向の下流側に向けて延設される櫛歯状の案内部Ｇ１ｂとを有している。
【００４２】
カム機構６０は、本体ケースＢＤに支持されたカム軸６２と、カム軸６２の回転に伴って回転するカム部材６３，６４と、カム部材６３，６４の回転にそれぞれ従動するレバー６５，６６とを備えている。レバー６５は、搬送方向においてカム軸６２の上流側に配置されたレバー軸６７を中心に回転可能となっている。また、レバー６６は、搬送方向においてカム軸６２の下流側に配置されたレバー軸６８を中心に回転可能となっている。
【００４３】
ガイド部材Ｇ１は、レバー軸６７から搬送方向の下流側に向けて延びる支持部６５ａに固定されている。カム部材６３は、支持部６５ａから搬送方向の下流側に向けて斜め下方向に延びる係合部６５ｂに係合されている。レバー６５は、図示しない付勢部材（例えば、ねじりコイルばね）によって図３における反時計回り方向に付勢されている。
【００４４】
カム部材６４は、レバー軸６８から下方に延びる係合部６６ａに係合されている。レバー軸６８から上方に延びる支持部６６ｂの先端側には、矯正ローラー７３の軸部７３ａが回転自在に支持されている。また、レバー６６の支持部６６ｂには、ガイド部材Ｇ２が固定されている。レバー６５は、図示しない付勢部材（例えば、ねじりコイルばね）の付勢力によって図３における反時計回り方向に付勢されている。
【００４５】
カム軸６２は、カムモーター１２３の駆動に伴って回転するようになっている。カム軸６２が図３に示す状態から略１８０°回転すると、カム軸６２とともにカム部材６３，６４が図４に示す位置まで回転する。カム部材６３の回転に従ってレバー６５が図３における反時計回り方向に回転するとともに、カム部材６４の回転に従ってレバー６６が図３における時計回り方向に回転する。
【００４６】
また、カムモーター１２３の駆動に伴ってカム軸６２が図４に示す状態から略１８０度回転すると、カム軸６２とともにカム部材６３，６４が回転して図３に示す位置に戻る。また、カム部材６３の回転に従ってレバー６５が図４における時計回り方向に回転して図３に示す位置に戻るとともに、カム部材６４の回転に従ってレバー６６が図４における反時計回り方向に回転して図３に示す位置に戻る。
【００４７】
ガイド部材Ｇ１は、レバー６５の回転に伴って基端部Ｇ１ａ側を中心に揺動することで、案内部Ｇ１ｂが搬送経路を形成する案内位置（図３に示す位置）と、案内部Ｇ１ｂが搬送経路から離間する退避位置（図４に示す位置）との間で変位する。ガイド部材Ｇ１は、案内位置においては、案内部Ｇ１ｂのうち屈曲部Ｇ１ｃよりも先端側の上面が搬送経路ＲＴと略面一となってカットシートＣＳの支持面を構成するようになっている。
【００４８】
矯正ローラー７３は、レバー６６の回転に伴って、離間位置Ｐ２（図３に示す位置）と、挟持位置Ｐ１（図４に示す位置）との間を移動する。なお、挟持位置Ｐ１において、矯正ローラー７３は第一ローラー７１との離間距離がシートＳＴの厚さよりも短くなる位置に配置される。また、離間位置Ｐ２において、矯正ローラー７３は第一ローラー７１との離間距離がシートＳＴの厚さよりも長くなるように配置される。したがって、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２にあるときには、シートＳＴは矯正ローラー７３に挟持されることなく、第一ローラー７１によって搬送経路の下流側に搬送される。
【００４９】
図３に示すように、ガイド部材Ｇ１は、搬送方向における長さが第二ローラー７２の直径より長くなっているとともに、案内部Ｇ１ｂはその先端が第一ローラー７１に至る位置まで延設されている。すなわち、ガイド部材Ｇ１の案内部Ｇ１ｂは、搬送方向における下流端が第一ローラー７１の周面の上流端よりも下流側に配置されている。また、矯正ローラー７３は、図４に示すように、挟持位置Ｐ１においてその周面がシートＳＴの搬送経路と交差する態様となる。そのため、挟持位置Ｐ１にある矯正ローラー７３の周面と案内位置にあるガイド部材Ｇ１の案内部Ｇ１ｂとは互いに干渉することになる。
【００５０】
ガイド部材Ｇ１と矯正ローラー７３との干渉を回避するために、本実施形態では、矯正ローラー７３が挟持位置Ｐ１に向けて下方に移動する場合、ガイド部材Ｇ１は矯正ローラー７３における挟持位置Ｐ１から離間位置Ｐ２への移動経路から下方に離間した退避位置に移動可能となっている。
【００５１】
また、カム軸６２が回転すると、ガイド部材Ｇ１はカム部材６３の回転に伴って移動するとともに、矯正ローラー７３はカム部材６４の回転に伴って移動する。そのため、ガイド部材Ｇ１の案内部Ｇ１ｂは、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２から挟持位置Ｐ１に向けて下方に移動するタイミングで、案内位置から退避位置に向けて下方に移動することになる。なお、制御装置ＣＯＮＴにより、インクジェット部ＩＪにおける記録処理が行われている間は、矯正ローラー７３の位置の切り替えが行われないようになっている。
【００５２】
次に、印刷装置ＰＲＴの電気的構成を説明する。
図５に示すように、制御装置ＣＯＮＴは、制御手段としてのコンピューター１０１と、ヘッド駆動回路１０２と、モーター駆動回路１０３〜１０８とを備えている。コンピューター１０１は、バス１１４を介してヘッド駆動回路１０２及びモーター駆動回路１０３〜１０８に電気的に接続されている。
【００５３】
モーター駆動回路１０３は、回転モーター１２１の駆動を制御する。モーター駆動回路１０４は、搬送モーター１２２の駆動を制御する。搬送モーター１２２の出力軸には、該出力軸の回転速度、回転位置及び回転方向を検出するためのロータリーエンコーダー（不図示）が設けられている。
【００５４】
モーター駆動回路１０５は、カムモーター１２３の駆動を制御する。モーター駆動回路１０６は、第一モーターＭＴ１の駆動を制御する。モーター駆動回路１０７は、第二モーターＭＴ２の駆動を制御する。モーター駆動回路１０８は、第三モーターＭＴ３の駆動を制御する。
【００５５】
第一モーターＭＴ１と矯正ローラー７３との間には、動力伝達切替装置ＳＷが設けられている。制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを駆動することにより、第一モーターＭＴ１と当該矯正ローラー７３との間の連結状態及び連結解除状態を切り替え可能である。
【００５６】
また、第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間には、第二動力伝達切替装置ＳＷ２が設けられている。制御装置ＣＯＮＴは、第二動力伝達切替装置ＳＷ２を駆動することにより、第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間の連結状態及び連結解除状態を切り替え可能である。
【００５７】
コンピューター１０１は、ＡＳＩＣ１０９（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ ＩＣ（特定用途向けＩＣ））、ＣＰＵ１１０、ＲＯＭ１１１、ＲＡＭ１１２、不揮発性メモリー１１３を備えている。ＲＯＭ１１１には、各種制御プログラム及び各種データなどが記憶されている。不揮発性メモリー１１３には、ファームウェアプログラムを始めとする各種プログラム及び印刷処理に必要な各種データなどが記憶されている。ＲＡＭ１１２には、ＣＰＵ１１０によって実行されるプログラムデータや、ＣＰＵ１１０による演算結果及び処理結果である各種データ、並びにＡＳＩＣ１０９で処理された各種データなどが一時記憶される。
【００５８】
次に、印刷装置ＰＲＴにおける矯正処理について説明する。
印刷装置ＰＲＴにおいては、インクジェット部ＩＪにおける記録処理が終了して切断されたカットシートＣＳに対して矯正処理が施される。なお、カットシートＣＳの搬送方向における長さが長い場合には、切断される前のシートＳＴの先端側が矯正部ＤＣに到達していても、インクジェット部ＩＪに配置されたシートＳＴの後端側において記録処理が実行されている場合もある。
【００５９】
このため、常時は、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２に配置されるとともにガイド部材Ｇ１が案内位置に配置された状態で、シートＳＴに対してカールの矯正を行うことなく、シートＳＴの搬送が行われる。そして、シートＳＴの切断が完了してカットシートＣＳの連続的な搬送が開始された後に、制御装置ＣＯＮＴの制御によって矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２から挟持位置Ｐ１に移動されて、シートＳＴのカール矯正処理が開始される。
【００６０】
カットシートＣＳの搬送方向における長さが短い場合には、切断を行ったときにカットシートＣＳの先端側が矯正部ＤＣに到達していないことがある。こうした場合にも、矯正ローラー７３と第一ローラー７１との間にカットシートＣＳの先端を確実に挿通させるために、制御装置ＣＯＮＴは、離間位置Ｐ２にある矯正ローラー７３と第一ローラー７１との間にシートＳＴが挿通された状態で、矯正ローラー７３を離間位置Ｐ２から挟持位置Ｐ１に移動させるようになっている。制御装置ＣＯＮＴは、裏面記録部ＩＰによって記録動作が行われる間、矯正ローラー７３を挟持位置Ｐ１及び離間位置Ｐ２のうちいずれか一方に待機させておき、当該矯正ローラー７３の移動が行われないようにする。
【００６１】
次に、カットシートＣＳを排出する排出動作を説明する。
まず、本体ケースＢＤに排出トレイ８２が取り付けられている場合（図１に示す構成の場合）を説明する。この場合、カットシートＣＳは開口部８１から排出される。したがって、矯正部ＤＣから排出口である開口部８１へカットシートＣＳが直接排出されることになる。
【００６２】
このような構成において矯正ローラー７３が挟持位置Ｐ１にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間が連結された状態（連結状態）とする。また、制御装置ＣＯＮＴは、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間が連結されていない状態（連結解除状態）とする。
【００６３】
このような制御により、図６に示すように、矯正ローラー７３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間で矯正が行われつつカットシートＣＳが排出される。この場合、第一ローラー７１及び第二ローラー７２は、矯正ローラー７３に対して従動ローラーとなるため、矯正ローラー７３の他には駆動源に接続されたローラーが無い状態となる。したがって、駆動速度の異なる複数のローラーによってカットシートＣＳが搬送される事態が回避されることになる。
【００６４】
また、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を連結状態にすると共に、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間を連結状態とする。
【００６５】
このような制御により、図７に示すように、矯正動作が行われない状態で、第一ローラー７１及び第二ローラー７２の回転駆動によってカットシートＣＳが排出される。この場合、矯正ローラー７３とカットシートＣＳとは接触しないため、矯正ローラー７３による駆動力の伝達は無い。一方、第一ローラー７１及び第二ローラー７２の駆動力によりカットシートＣＳが排出される。このため、第一ローラー７１及び第二ローラー７２でカットシートＣＳが詰まってしまうような事態を防ぐことができる。
【００６６】
次に、本体ケースＢＤに排出ケース８４が取り付けられている場合（図２に示す構成の場合）を説明する。この場合、カットシートＣＳは排出ケース８４の排出口８５から排出される。したがって、矯正部ＤＣからはカットシートＣＳが直接排出されず、排出ケース８４の排出ローラーＥＲによってカットシートＣＳが排出されることになる。
【００６７】
このような構成において矯正ローラー７３が挟持位置Ｐ１にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を連結解除状態とする。また、制御装置ＣＯＮＴは、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間を連結解除状態とする。なお、カットシートＣＳの＋Ｘ側の先端部分が排出ケース８４の排出ローラーＥＲに到達するまでは、カットシートＣＳに駆動力を与えるため、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間、もしくは、第一ローラー７１及び第二ローラー７２と第三モーターＭＴ３との間、を連結状態にしておく必要がある。
【００６８】
このような制御により、図８に示すように、矯正ローラー７３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間で矯正が行われつつ、排出ローラーＥＲによってカットシートＣＳが排出される。この場合、矯正ローラー７３、第一ローラー７１及び第二ローラー７２は、排出ローラーＥＲに対して従動ローラーとなるため、排出ローラーＥＲの他には駆動源に接続されたローラーが無い状態となる。したがって、駆動速度の異なる複数のローラーによってカットシートＣＳが搬送される事態が回避されることになる。
【００６９】
また、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を連結解除状態にすると共に、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間を連結解除状態とする。なお、この場合、カットシートＣＳの＋Ｘ側の先端部分が排出ケース８４の排出ローラーＥＲに到達するまでは、カットシートＣＳに駆動力を与えるため、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間、もしくは、第一ローラー７１及び第二ローラー７２と第三モーターＭＴ３との間、を連結状態にしておく必要がある。
【００７０】
このような制御により、図９に示すように、矯正動作が行われない状態で、排出ローラーＥＲの回転駆動によってカットシートＣＳが排出される。この場合、図９に示すように、矯正ローラー７３とカットシートＣＳとが接触する場合があるものの、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間が連結解除状態となっているため、矯正ローラー７３による駆動力の伝達は無い。一方、第一ローラー７１及び第二ローラー７２の駆動力によりカットシートＣＳが排出される。このため、排出ローラーＥＲの他には駆動源に接続されたローラーが無い状態となる。したがって、駆動速度の異なる複数のローラーによってカットシートＣＳが搬送される事態が回避されることになる。
【００７１】
以上のように、本実施形態によれば、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であるため、シートＳＴ又はカットシートＣＳの搬送経路に応じて当該シートＳＴ又はカットシートＣＳの搬送状態が最適となるように連結状態と連結解除状態とを切り替えることができる。これにより、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能となる。
【００７２】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態においては、搬送ローラー２１〜２８と、第一ローラー７１及び第二ローラー７２とで別個のモーター駆動回路及びモーターが用いられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、搬送モーター１２２の駆動軸に動力伝達切換装置（不図示）が設けられ、シートＳＴの搬送工程に応じて、搬送ローラー２１〜２８と、第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間で搬送モーター１２２の動力の伝達先を切り換えることが可能な構成であっても構わない。
【００７３】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、矯正部ＤＣにガイド部材Ｇ１を備えない構成としてもよい。この場合には、矯正部ＤＣの構成を簡素化することができる。
【００７４】
また、矯正ローラー７３を移動しない構成としてもよい。この場合にも、例えば矯正ローラー７３を第一ローラー７１に近接する方向に付勢する付勢部材を設け、シートＳＴの先端が第一ローラー７１と矯正ローラー７３との間に挿通されるときに、付勢部材の付勢力が弱くなるようにすることで、シートＳＴを確実に挟持することができる。
【００７５】
また、矯正ローラー７３は、例えばシートＳＴの厚さに応じて複数の挟持位置Ｐ１や離間位置Ｐ２に移動可能な構成としてもよい。また、例えば、センサ９０は光学式センサに限らず、接触式センサなど、任意の方式のセンサに変更することができる。
【００７６】
また、上記実施形態では、シートＳＴはその先端側が搬送経路ＲＴから下方に離間するようにカールする状態で搬送されているが、シートＳＴの先端側がその他の方向（例えば上方や側方）にカールする状態で搬送されるようにしてもよい。そして、この場合には、搬送経路ＲＴを挟んでシートＳＴの先端側がカールする側に第一ローラー７１、第二ローラー７２及びガイド部材Ｇ１を配置する一方、第一ローラー７１と対向する位置に矯正ローラー７３を配置すればよい。
【００７７】
また、シートＳＴは、用紙に限らず、樹脂製フィルムや金属製フィルムなど、ロール状に巻き重ねられた状態で保持されることで巻きぐせがつく任意のシート状媒体に適用することができる。
【００７８】
記録処理は、印刷や印字を行うものに限らず、例えばシート状媒体にシールを付したり、箔を転写したり、孔をあけたり、切り目を入れたりする各種処理としてもよい。そして、これら各処理を行う処理装置に本発明の搬送装置を備え、これら処理を行う前にカールを矯正するようにしてもよいし、処理が施された後にカールを矯正するようにしてもよい。
【００７９】
上記実施形態では、記録方式としてインクジェット方式を採用した記録装置について記載したが、電子写真方式や熱転写方式など、任意の記録方式の記録装置に変更することもできる。また、記録装置はプリンターに限らず、ＦＡＸ装置、コピー装置、あるいはこれら複数機能を備えた複合機等であってもよい。さらに、記録装置として、インク以外の他の液体の微小量の液滴を噴射したり吐出したりする液体噴射ヘッド等を備える液体噴射装置を採用してもよい。
【００８０】
なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属（金属融液）のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。
【００８１】
ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置等であってもよい。
【符号の説明】
【００８２】
ＰＲＴ…印刷装置 ＳＴ…シート ＤＣ…矯正部 ＥＸ…シート排出部 ＲＴ…搬送経路 Ｈ…ヘッド ＣＳ…カットシート ＥＲ…排出ローラー Ｐ１…挟持位置 Ｐ２…離間位置 ＳＷ…動力伝達切替装置 ＳＷ２…第二動力伝達切替装置 ＭＴ１…第一モーター ＭＴ２…第二モーター ＭＴ３…第三モーター ７１…第一ローラー ７２…第二ローラー ７３…矯正ローラー ８１…開口部 ８２…排出トレイ ８３…搬入口 ８４…排出ケース ８５…排出口 １０３〜１０８…モーター駆動回路
【技術分野】
【０００１】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
記録装置の一種である印刷装置には、ロール紙（搬送媒体）を搬送する搬送機構（搬送部）と、ロール紙に対して記録処理を施す記録ヘッド（記録部）と、ロール紙の湾曲（巻きぐせ）を矯正するためのデカール機構（矯正部）とを備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この印刷装置においては、デカール機構に設けられた矯正ローラーによってロール紙を駆動しつつ矯正した後、そのまま排出する構成と、矯正後のロール紙を別の搬送機構によって上方に搬送した後に排出する構成とが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−１７９４１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記のようにデカール機構の下流側でロール紙を搬送する場合、矯正ローラーと、デカール機構の下流側に配置された搬送機構との間で駆動速度が異なる場合がある。この場合、ロール紙に対して搬送負荷となり、ロール紙の搬送精度を低下させることになり、記録精度の低下を招くおそれがある。
【０００５】
以上のような事情に鑑み、本発明は、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能な記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係る記録装置は、搬送媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送媒体に対して記録を行う記録部と、前記記録が行われた前記搬送媒体を矯正する矯正部と、矯正された前記搬送媒体を排出する排出部と、前記搬送部、前記記録部、前記矯正部及び前記排出部による動作を制御する制御部とを備え、前記矯正部は、前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第一ローラーと、前記第一ローラーとの間に間隔を空けるように前記第一ローラーに対して前記搬送方向の上流側に設けられ、前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第二ローラーと、所定の駆動源に連結可能に設けられ、前記搬送媒体が前記第一ローラーと前記第二ローラーとの前記間隔へ押圧されて湾曲されるように前記第一ローラーとの間で前記搬送媒体を挟持可能であり、前記搬送媒体を挟持する挟持位置と前記搬送媒体から離れた離間位置との間を移動可能な矯正ローラーとを有し、前記制御部は、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であることが好ましい。
【０００７】
本発明によれば、矯正ローラーと所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であるため、搬送媒体の搬送経路に応じて当該搬送媒体の搬送状態が最適となるように切り替えることができる。これにより、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能となる。
【０００８】
上記の記録装置は、前記排出部は、前記搬送媒体を排出する第一排出口を有し、前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが少なくとも前記挟持位置に配置される場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結状態とすることが好ましい。
本発明によれば、矯正部から第一排出口へ搬送媒体を直接搬送する場合であって矯正ローラーが少なくとも挟持位置に配置される場合において、矯正ローラーと所定の駆動源との間を連結状態とするので、この場合には、所定の駆動源によって矯正ローラーを駆動させる場合であっても、搬送負荷を生じさせることなく搬送媒体を第一排出口へ搬送することができる。
【０００９】
上記の記録装置は、前記第一ローラー及び前記第二ローラーは、第三の駆動源に連結可能に設けられ、前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが前記離間位置に配置される場合には、前記第一ローラー及び前記第二ローラーと前記第三の駆動源とを連結状態とすることが好ましい。
本発明によれば、第一ローラー及び第二ローラーが第三の駆動源に連結可能に設けられ、矯正部から第一排出口へ搬送媒体を直接搬送する場合であって矯正ローラーが離間位置に配置される場合には、第一ローラー及び第二ローラーと第三の駆動源とが連結状態となるため、第一ローラー及び第二ローラーを用いて搬送媒体を搬送することができる。これにより、搬送媒体の詰まりを防ぐことができ、スムーズに搬送媒体を搬送することができる。
【００１０】
上記の記録装置は、前記排出部は、前記搬送媒体を排出する第二排出口と、第二の駆動源に接続され、前記矯正部を介した前記搬送媒体を前記第二排出口へ搬送する排出ローラーとを有し、前記制御部は、前記矯正部から前記第二排出口へ前記排出ローラーを介して前記搬送媒体を搬送する場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結解除状態とすることが好ましい。
【００１１】
本発明によれば、矯正部から第二排出口へ排出ローラーを介して搬送媒体を搬送する場合には、矯正ローラーと所定の駆動源との間を連結解除状態とするので、所定の駆動源と第二の駆動源との間で搬送速度の差が生じるのを回避することができる。これにより、搬送媒体に搬送負荷が掛かるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示す図。
【図２】本実施形態に係る印刷装置の別の構成を示す図。
【図３】本実施形態に係る矯正部の構成を示す図。
【図４】本実施形態に係る矯正部の構成を示す図。
【図５】本実施形態に係る印刷装置の電気的構成を示すブロック図。
【図６】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【図７】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【図８】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【図９】本実施形態に係る印刷装置による動作を説明する動作図。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図１は、本実施形態に係る印刷装置（記録装置）の構成を示す概略図である。
図１に示すように、本実施形態の印刷装置ＰＲＴは、帯状に形成されたシート（搬送媒体）ステップＳを搬送させながら当該シートＳＴに対して印刷処理を行う装置である。印刷装置ＰＲＴは、本体ケースＢＤを有している。本体ケースＢＤには、シート供給部ＳＰ、搬送部ＣＶ、インクジェット部ＩＪ、切断部ＣＴ、裏面記録部（記録部）ＩＰ、乾燥部ＤＲ、矯正部ＤＣ、シート排出部ＥＸ及び制御装置ＣＯＮＴがそれぞれ設けられている。
【００１４】
シート供給部ＳＰは、印刷対象となるシートＳＴを供給する部分である。シート供給部ＳＰは、軸部ＳＦを有している。軸部ＳＦには、シートＳＴがロール状に巻かれた状態で取り付けられている。軸部ＳＦは、回転モーター１２１によって周方向に回転可能に設けられている。軸部ＳＦが回転することにより、シートＳＴが送り出されるようになっている。ロール状に巻かれたシートＳＴとして、例えば円筒状の芯部にシートＳＴが巻かれており、芯部ごと軸部ＳＦに着脱可能な構成であっても構わない。また、軸部ＳＦが取り外し可能な構成であっても構わない。
【００１５】
搬送部ＣＶは、シート供給部ＳＰから送り出されたシートＳＴを搬送経路ＲＴに沿って搬送する。搬送経路ＲＴは、シート供給部ＳＰからシート排出部ＥＸに亘って設定されている。したがって、本実施形態では、搬送経路ＲＴに沿ってシート供給部ＳＰからシート排出部ＥＸに向かう方向が搬送方向（Ｘ方向）である。また、搬送部ＣＶは、当該搬送経路ＲＴに沿って配置された搬送ローラー２１〜２８を有している。
【００１６】
搬送ローラー２１〜２８のうち、搬送ローラー２１及び搬送ローラー２５は、搬送経路ＲＴを挟んで配置されている。同様に、搬送ローラー２２及び搬送ローラー２６、搬送ローラー２３及び搬送ローラー２７は、搬送ローラー２４及び搬送ローラー２８は、搬送経路ＲＴを挟んで配置されている。このうち、搬送ローラー２１、２３、２５、２７は、搬送モーター１２２（図５参照）によって回転可能に設けられている。また、搬送ローラー２２、２４、２６、２８は、シートＳＴの移動に伴って回転可能に設けられている。
【００１７】
インクジェット部ＩＪは、搬送されるシートＳＴの表面Ｓ１に対してインクを噴射して記録処理を行う部分である。インクジェット部ＩＪは、ヘッドＨ、キャリッジＣＡ、ガイド軸３１、シート支持部３２を有している。ヘッドＨは、シート支持部３２の支持面３２ａに対向して設けられている。シート支持部３２の当該支持面３２ａは、搬送経路ＲＴ上に沿って配置されている。搬送経路ＲＴ上を搬送されるシートＳＴは、支持面３２ａによって支持されるようになっている。支持面３２ａには、シートＳＴを吸引する不図示の吸引口が複数設けられている。
【００１８】
ヘッドＨのうち支持面３２ａに対向する噴射面Ｈａには、複数のノズルＮＺが設けられている。当該ノズルＮＺは、インク（液体）が噴射されるようになっている。ノズルＮＺから噴射されたインクが、搬送経路ＲＴ上のシートＳＴに付着することにより、シートＳＴに画像や文字が記録されるようになっている。
【００１９】
キャリッジＣＡは、ヘッドＨの噴射面Ｈａを支持面３２ａに対向させた状態でヘッドＨを保持する。キャリッジＣＡは、ガイド軸３１に沿って移動可能に設けられている。ガイド軸３１は、シートＳＴの搬送方向に直交する方向（Ｙ方向）に沿って設けられている。
したがって、当該キャリッジＣＡの移動に伴い、ヘッドＨがＹ方向に移動するようになっている。
【００２０】
切断部ＣＴは、インクジェット部ＩＪに対して搬送方向の下流側に配置されており、記録処理が行われたシートＳＴを切断する部分である。切断部ＣＴは、回転刃などによって構成されるカッター４１と、当該カッター４１を受けるカッター受部４２と、カッター４１による切断のタイミングを検出するセンサ８８（第二センサ）とを有している。切断部ＣＴでは、例えばインクジェット部ＩＪにおいて記録された画像に対応する記録領域毎にシートＳＴを切断可能である。切断されたシートＳＴは、カットシートＣＳとして搬送方向に搬送されるようになっている。
【００２１】
裏面記録部ＩＰは、切断部ＣＴに対して搬送方向の下流側に配置されており、カットシートＣＳの裏面Ｓ２に対して記録を行う部分である。裏面記録部ＩＰは、記録ユニット５１、支持台５２及びセンサ８９（第一センサ）を有している。記録ユニット５１は、不図示のインクリボン及びインパクト機構を有する、いわゆるインパクトドット方式の印刷ユニットである。
【００２２】
裏面記録部ＩＰでは、支持台５２にカットシートＣＳの表面Ｓ１を支持させた状態で、当該カットシートＣＳの裏面Ｓ２に対してインクリボンを押し付け、インパクト機構を打ち付けることにより、カットシートＣＳの裏面Ｓ２にドット状の画像が形成されるようになっている。なお、記録ユニット５１として、インパクトドット方式の印刷ユニット以外に、例えば熱転写型の印刷ユニットを採用することもできる。
【００２３】
センサ８９は、搬送部ＣＶによって搬送されるカットシートＣＳの搬送方向の先端部を検出する。センサ８９は、制御装置ＣＯＮＴに電気的に接続された反射型の光学式センサである。センサ８９は、図示しない光源部と受光部とを有している。センサ８９は、例えば搬送経路ＲＴの下方（シートＳＴあるいはカットシートＣＳの裏面Ｓ２側）に配置されている。センサ８９は、光源部から搬送経路ＲＴに向けて光が射出されるようになっている。この光は、シートＳＴあるいはカットシートＣＳの裏面Ｓ２で反射され、反射光を受光部が受光するようになっている。受光部では反射光の強さに応じた電気信号が生成され、当該電気信号は制御装置ＣＯＮＴに送信されるようになっている。
【００２４】
例えば、センサ８９は、シートＳＴあるいはカットシートＣＳが反射対象となったときに所定の閾値よりも大きいＯＮ値を出力する一方、シートＳＴあるいはカットシートＣＳが反射対象となっていないときに前記閾値以下となるＯＦＦ値を出力する。したがって、センサ８９の出力値がＯＦＦ値からＯＮ値に変化することで、搬送方向におけるシートＳＴあるいはカットシートＣＳの先端が検出されるようになっている。
【００２５】
乾燥部ＤＲは、裏面記録部ＩＰに対して搬送方向の下流側に配置されており、カットシートＣＳを乾燥させる部分である。乾燥部ＤＲは、カットシートＣＳを加熱する加熱部ＨＴを有している。加熱部ＨＴがカットシートＣＳを加熱することにより、カットシートＣＳの表面Ｓ１上に噴射されたインクが乾燥するようになっている。
【００２６】
矯正部ＤＣは、乾燥部ＤＲに対して搬送方向の下流側に配置されており、カットシートＣＳの巻きぐせを矯正する部分である。矯正部ＤＣは、第一ローラー７１、第二ローラー７２及び矯正ローラー７３を有している。第一ローラー７１は、カットシートＣＳを搬送方向に送るように回転可能に設けられている。第一ローラー７１及び第二ローラー７２は、第三モーターＭＴ３（図５参照）に接続されている。
【００２７】
第二ローラー７２は、第一ローラー７１に対して搬送方向の上流側に配置されている。第二ローラー７２は、カットシートＣＳを搬送方向に送るように回転可能に設けられている。第二ローラー７２は、回転モーターに接続された駆動ローラーであっても構わないし、カットシートＣＳの搬送に応じて回転可能な従動ローラーであっても構わない。
【００２８】
矯正ローラー７３は、第一ローラー７１に対して搬送経路ＲＴを挟む位置に設けられ、第一ローラー７１との間でカットシートＣＳを挟持可能に設けられている。矯正ローラー７３は、第一モーターＭＴ１（図５参照）に接続されている。矯正ローラー７３は、第一モーターＭＴ１との間で連結状態及び連結解除状態が切替可能に設けられている。
【００２９】
シート排出部ＥＸは、矯正部ＤＣに対して搬送方向の下流側に配置されている。シート排出部ＥＸは、カットシートＣＳが排出される部分であり、搬送部ＣＶによる搬送経路ＲＴの終点である。シート排出部ＥＸは、開口部８１及び排出トレイ８２を有している。開口部８１は、本体ケースＢＤの内外を貫通して設けられている。開口部８１には、第一ローラー７１及び矯正ローラー７３によって送られたカットシートＣＳが通過するようになっている。このため、第一ローラー７１及び矯正ローラー７３は、搬送部ＣＶからシート排出部ＥＸへカットシートＣＳを排出する排出ローラーＥＲを兼ねていることになる。なお、搬送部ＣＶが排出ローラーＥＲを別途有する構成であっても構わない。排出トレイ８２は、本体ケースＢＤの外部に設けられており、開口部８１を通過したシートＳＴを配置させておく部分である。
【００３０】
このように構成された印刷装置ＰＲＴにおいては、シート供給部ＳＰから供給されるシートＳＴが搬送部ＣＶによって搬送され、インクジェット部ＩＪによって当該シートＳＴの表面Ｓ１に対して印刷処理が行われ、印刷処理の後に、切断部ＣＴによってシートＳＴが切断されるようになっている。切断されたカットシートＣＳは、裏面記録部ＩＰによって裏面Ｓ２に記録処理が行われ、乾燥部ＤＲにおいて乾燥処理が施されるようになっている。乾燥処理が施されたカットシートＣＳには、矯正部ＤＣにおいて湾曲が矯正され、シート排出部ＥＸから排出されるようになっている。
【００３１】
なお、印刷装置ＰＲＴでは、１つの印刷ジョブに含まれる印刷データを複数に分割し、分割された各印刷データに基づく印刷処理をキャリッジＣＡの走査毎に行うとともに、各印刷処理の合間に、シートＳＴの印刷が施された部分が間欠的に搬送されるようになっている。すなわち、インクジェット部ＩＪでは、Ｙ方向が長手方向となる帯状の画像の形成とＸ方向への紙送りとが交互に繰り返されることで、１つの印刷ジョブに基づく画像が形成されるようになっている。
【００３２】
図２は、印刷装置ＰＲＴの他の構成を示す図である。
図２に示すように、印刷装置ＰＲＴは、シート排出部ＥＸとして、排出トレイ８２に代えて排出ケース８４を取り付けることができる構成となっている。
【００３３】
図２に示すように、排出ケース８４は、カットシートＣＳを搬入する搬入口８３と、当該カットシートＣＳが排出される排出口８５と、カットシートＣＳを搬入口８３から排出口８５へと搬送する複数の排出ローラーＥＲとを有している。当該複数の排出ローラーＥＲは、第二モーターＭＴ２（図５参照）に接続されている。
【００３４】
排出ケース８４が取り付けられている場合、当該排出ケース８４に設けられる複数の排出ローラーＥＲにより、カットシートＣＳの搬送方向がまず＋Ｚ方向へと変換され、更に−Ｘ方向に変換されて当該カットシートＣＸが排出される。したがって、第一ローラー７１及び矯正ローラー７３は、搬送部ＣＶから排出ケース８４へとカットシートＣＳを搬送するものの、排出ローラーを兼ねていない点で、図１の構成とは異なっている。また、図２の構成においては、開口部８１はカットシートＣＳの通過点であり、排出口８５からカットシートＣＳが排出される点で、図１の構成とは異なっている。
【００３５】
次に、矯正部ＤＣの構成を説明する。
図３及び図４は、矯正部ＤＣの構成を示す図である。
図３及び図４に示すように、矯正部ＤＣは、第一ローラー７１と、第二ローラー７２と、矯正ローラー７３とを構成要素の一部としている。
【００３６】
また、矯正部ＤＣは、センサ９０（図１参照）と、ガイド部材Ｇ１，Ｇ２と、カムモーター１２３（図５参照）と、カム機構６０とを備えている。第一ローラー７１、第二ローラー７２及び矯正ローラー７３は、それぞれＹ方向に延びる軸部７１ａ，７２ａ，７３ａに支持されている。
【００３７】
矯正ローラー７３は、カットシートＣＳを挟持する挟持位置Ｐ１（図４に示す位置）と、カットシートＣＳから離れた離間位置Ｐ２（図３に示す位置）との間で移動可能に設けられている。矯正ローラー７３は、第一ローラー７１との間にシートＳＴを挟持したときに、シートＳＴの搬送に伴って従動回転するようになっている。
【００３８】
矯正ローラー７３の挟持位置Ｐ１は第一ローラー７１よりも搬送方向の上流側に設けられている。このように矯正ローラー７３は、第一ローラー７１よりも搬送方向の上流側からカットシートＣＳに当接する構成となっている。このため、第一ローラー７１と矯正ローラー７３とでカットシートＣＳを挟持した場合、カットシートＣＳの上流側が図中下側へ撓みやすくなり、第一ローラー７１と第二ローラー７２との間の隙間７４へ湾曲されやすくなる。
【００３９】
このように、矯正ローラー７３は、挟持位置Ｐ１において、カットシートＣＳが第一ローラー７１と第二ローラー７２との間の隙間７４へ押圧され湾曲されるように当該カットシートＣＳを挟持する構成となっている。矯正ローラー７３は、第二ローラー７２との間でカットシートＣＳを屈曲させることで、カットシートＣＳのカール（巻きぐせ）を矯正する（デカールする）構成となっている。なお、第二ローラー７２は、搬送方向において第一ローラー７１の上流側に配置されて第一ローラー７１に向けてシートＳＴを搬送するとともに、カットシートＣＳが屈曲されるときに、その屈曲部分の上流側を支持する支持部として機能する。
【００４０】
センサ９０は、搬送部ＣＶによって搬送されるカットシートＣＳの搬送方向の先端部を検出する。センサ９０は、制御装置ＣＯＮＴに電気的に接続された反射型の光学式センサであり、上記のセンサ８９と同様の構成を有している。センサ９０で生成された当該電気信号は制御装置ＣＯＮＴに送信されるようになっている。
【００４１】
ガイド部材Ｇ１は第二ローラー７２によって搬送されるカットシートＣＳの裏面Ｓ２側をガイドする。ガイド部材Ｇ２は第二ローラー７２によって搬送されるシートＳＴの表面Ｓ１側をガイドするようになっている。ガイド部材Ｇ１及びＧ２は、第一ローラー７１に向けてカットシートＣＳを案内するために、搬送方向において第一ローラー７１の上流側に配置されている。ガイド部材Ｇ１は、搬送方向の上流側に設けられた基端部Ｇ１ａと、基端部Ｇ１ａから搬送方向の下流側に向けて延設される櫛歯状の案内部Ｇ１ｂとを有している。
【００４２】
カム機構６０は、本体ケースＢＤに支持されたカム軸６２と、カム軸６２の回転に伴って回転するカム部材６３，６４と、カム部材６３，６４の回転にそれぞれ従動するレバー６５，６６とを備えている。レバー６５は、搬送方向においてカム軸６２の上流側に配置されたレバー軸６７を中心に回転可能となっている。また、レバー６６は、搬送方向においてカム軸６２の下流側に配置されたレバー軸６８を中心に回転可能となっている。
【００４３】
ガイド部材Ｇ１は、レバー軸６７から搬送方向の下流側に向けて延びる支持部６５ａに固定されている。カム部材６３は、支持部６５ａから搬送方向の下流側に向けて斜め下方向に延びる係合部６５ｂに係合されている。レバー６５は、図示しない付勢部材（例えば、ねじりコイルばね）によって図３における反時計回り方向に付勢されている。
【００４４】
カム部材６４は、レバー軸６８から下方に延びる係合部６６ａに係合されている。レバー軸６８から上方に延びる支持部６６ｂの先端側には、矯正ローラー７３の軸部７３ａが回転自在に支持されている。また、レバー６６の支持部６６ｂには、ガイド部材Ｇ２が固定されている。レバー６５は、図示しない付勢部材（例えば、ねじりコイルばね）の付勢力によって図３における反時計回り方向に付勢されている。
【００４５】
カム軸６２は、カムモーター１２３の駆動に伴って回転するようになっている。カム軸６２が図３に示す状態から略１８０°回転すると、カム軸６２とともにカム部材６３，６４が図４に示す位置まで回転する。カム部材６３の回転に従ってレバー６５が図３における反時計回り方向に回転するとともに、カム部材６４の回転に従ってレバー６６が図３における時計回り方向に回転する。
【００４６】
また、カムモーター１２３の駆動に伴ってカム軸６２が図４に示す状態から略１８０度回転すると、カム軸６２とともにカム部材６３，６４が回転して図３に示す位置に戻る。また、カム部材６３の回転に従ってレバー６５が図４における時計回り方向に回転して図３に示す位置に戻るとともに、カム部材６４の回転に従ってレバー６６が図４における反時計回り方向に回転して図３に示す位置に戻る。
【００４７】
ガイド部材Ｇ１は、レバー６５の回転に伴って基端部Ｇ１ａ側を中心に揺動することで、案内部Ｇ１ｂが搬送経路を形成する案内位置（図３に示す位置）と、案内部Ｇ１ｂが搬送経路から離間する退避位置（図４に示す位置）との間で変位する。ガイド部材Ｇ１は、案内位置においては、案内部Ｇ１ｂのうち屈曲部Ｇ１ｃよりも先端側の上面が搬送経路ＲＴと略面一となってカットシートＣＳの支持面を構成するようになっている。
【００４８】
矯正ローラー７３は、レバー６６の回転に伴って、離間位置Ｐ２（図３に示す位置）と、挟持位置Ｐ１（図４に示す位置）との間を移動する。なお、挟持位置Ｐ１において、矯正ローラー７３は第一ローラー７１との離間距離がシートＳＴの厚さよりも短くなる位置に配置される。また、離間位置Ｐ２において、矯正ローラー７３は第一ローラー７１との離間距離がシートＳＴの厚さよりも長くなるように配置される。したがって、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２にあるときには、シートＳＴは矯正ローラー７３に挟持されることなく、第一ローラー７１によって搬送経路の下流側に搬送される。
【００４９】
図３に示すように、ガイド部材Ｇ１は、搬送方向における長さが第二ローラー７２の直径より長くなっているとともに、案内部Ｇ１ｂはその先端が第一ローラー７１に至る位置まで延設されている。すなわち、ガイド部材Ｇ１の案内部Ｇ１ｂは、搬送方向における下流端が第一ローラー７１の周面の上流端よりも下流側に配置されている。また、矯正ローラー７３は、図４に示すように、挟持位置Ｐ１においてその周面がシートＳＴの搬送経路と交差する態様となる。そのため、挟持位置Ｐ１にある矯正ローラー７３の周面と案内位置にあるガイド部材Ｇ１の案内部Ｇ１ｂとは互いに干渉することになる。
【００５０】
ガイド部材Ｇ１と矯正ローラー７３との干渉を回避するために、本実施形態では、矯正ローラー７３が挟持位置Ｐ１に向けて下方に移動する場合、ガイド部材Ｇ１は矯正ローラー７３における挟持位置Ｐ１から離間位置Ｐ２への移動経路から下方に離間した退避位置に移動可能となっている。
【００５１】
また、カム軸６２が回転すると、ガイド部材Ｇ１はカム部材６３の回転に伴って移動するとともに、矯正ローラー７３はカム部材６４の回転に伴って移動する。そのため、ガイド部材Ｇ１の案内部Ｇ１ｂは、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２から挟持位置Ｐ１に向けて下方に移動するタイミングで、案内位置から退避位置に向けて下方に移動することになる。なお、制御装置ＣＯＮＴにより、インクジェット部ＩＪにおける記録処理が行われている間は、矯正ローラー７３の位置の切り替えが行われないようになっている。
【００５２】
次に、印刷装置ＰＲＴの電気的構成を説明する。
図５に示すように、制御装置ＣＯＮＴは、制御手段としてのコンピューター１０１と、ヘッド駆動回路１０２と、モーター駆動回路１０３〜１０８とを備えている。コンピューター１０１は、バス１１４を介してヘッド駆動回路１０２及びモーター駆動回路１０３〜１０８に電気的に接続されている。
【００５３】
モーター駆動回路１０３は、回転モーター１２１の駆動を制御する。モーター駆動回路１０４は、搬送モーター１２２の駆動を制御する。搬送モーター１２２の出力軸には、該出力軸の回転速度、回転位置及び回転方向を検出するためのロータリーエンコーダー（不図示）が設けられている。
【００５４】
モーター駆動回路１０５は、カムモーター１２３の駆動を制御する。モーター駆動回路１０６は、第一モーターＭＴ１の駆動を制御する。モーター駆動回路１０７は、第二モーターＭＴ２の駆動を制御する。モーター駆動回路１０８は、第三モーターＭＴ３の駆動を制御する。
【００５５】
第一モーターＭＴ１と矯正ローラー７３との間には、動力伝達切替装置ＳＷが設けられている。制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを駆動することにより、第一モーターＭＴ１と当該矯正ローラー７３との間の連結状態及び連結解除状態を切り替え可能である。
【００５６】
また、第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間には、第二動力伝達切替装置ＳＷ２が設けられている。制御装置ＣＯＮＴは、第二動力伝達切替装置ＳＷ２を駆動することにより、第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間の連結状態及び連結解除状態を切り替え可能である。
【００５７】
コンピューター１０１は、ＡＳＩＣ１０９（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ ＩＣ（特定用途向けＩＣ））、ＣＰＵ１１０、ＲＯＭ１１１、ＲＡＭ１１２、不揮発性メモリー１１３を備えている。ＲＯＭ１１１には、各種制御プログラム及び各種データなどが記憶されている。不揮発性メモリー１１３には、ファームウェアプログラムを始めとする各種プログラム及び印刷処理に必要な各種データなどが記憶されている。ＲＡＭ１１２には、ＣＰＵ１１０によって実行されるプログラムデータや、ＣＰＵ１１０による演算結果及び処理結果である各種データ、並びにＡＳＩＣ１０９で処理された各種データなどが一時記憶される。
【００５８】
次に、印刷装置ＰＲＴにおける矯正処理について説明する。
印刷装置ＰＲＴにおいては、インクジェット部ＩＪにおける記録処理が終了して切断されたカットシートＣＳに対して矯正処理が施される。なお、カットシートＣＳの搬送方向における長さが長い場合には、切断される前のシートＳＴの先端側が矯正部ＤＣに到達していても、インクジェット部ＩＪに配置されたシートＳＴの後端側において記録処理が実行されている場合もある。
【００５９】
このため、常時は、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２に配置されるとともにガイド部材Ｇ１が案内位置に配置された状態で、シートＳＴに対してカールの矯正を行うことなく、シートＳＴの搬送が行われる。そして、シートＳＴの切断が完了してカットシートＣＳの連続的な搬送が開始された後に、制御装置ＣＯＮＴの制御によって矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２から挟持位置Ｐ１に移動されて、シートＳＴのカール矯正処理が開始される。
【００６０】
カットシートＣＳの搬送方向における長さが短い場合には、切断を行ったときにカットシートＣＳの先端側が矯正部ＤＣに到達していないことがある。こうした場合にも、矯正ローラー７３と第一ローラー７１との間にカットシートＣＳの先端を確実に挿通させるために、制御装置ＣＯＮＴは、離間位置Ｐ２にある矯正ローラー７３と第一ローラー７１との間にシートＳＴが挿通された状態で、矯正ローラー７３を離間位置Ｐ２から挟持位置Ｐ１に移動させるようになっている。制御装置ＣＯＮＴは、裏面記録部ＩＰによって記録動作が行われる間、矯正ローラー７３を挟持位置Ｐ１及び離間位置Ｐ２のうちいずれか一方に待機させておき、当該矯正ローラー７３の移動が行われないようにする。
【００６１】
次に、カットシートＣＳを排出する排出動作を説明する。
まず、本体ケースＢＤに排出トレイ８２が取り付けられている場合（図１に示す構成の場合）を説明する。この場合、カットシートＣＳは開口部８１から排出される。したがって、矯正部ＤＣから排出口である開口部８１へカットシートＣＳが直接排出されることになる。
【００６２】
このような構成において矯正ローラー７３が挟持位置Ｐ１にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間が連結された状態（連結状態）とする。また、制御装置ＣＯＮＴは、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間が連結されていない状態（連結解除状態）とする。
【００６３】
このような制御により、図６に示すように、矯正ローラー７３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間で矯正が行われつつカットシートＣＳが排出される。この場合、第一ローラー７１及び第二ローラー７２は、矯正ローラー７３に対して従動ローラーとなるため、矯正ローラー７３の他には駆動源に接続されたローラーが無い状態となる。したがって、駆動速度の異なる複数のローラーによってカットシートＣＳが搬送される事態が回避されることになる。
【００６４】
また、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を連結状態にすると共に、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間を連結状態とする。
【００６５】
このような制御により、図７に示すように、矯正動作が行われない状態で、第一ローラー７１及び第二ローラー７２の回転駆動によってカットシートＣＳが排出される。この場合、矯正ローラー７３とカットシートＣＳとは接触しないため、矯正ローラー７３による駆動力の伝達は無い。一方、第一ローラー７１及び第二ローラー７２の駆動力によりカットシートＣＳが排出される。このため、第一ローラー７１及び第二ローラー７２でカットシートＣＳが詰まってしまうような事態を防ぐことができる。
【００６６】
次に、本体ケースＢＤに排出ケース８４が取り付けられている場合（図２に示す構成の場合）を説明する。この場合、カットシートＣＳは排出ケース８４の排出口８５から排出される。したがって、矯正部ＤＣからはカットシートＣＳが直接排出されず、排出ケース８４の排出ローラーＥＲによってカットシートＣＳが排出されることになる。
【００６７】
このような構成において矯正ローラー７３が挟持位置Ｐ１にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を連結解除状態とする。また、制御装置ＣＯＮＴは、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間を連結解除状態とする。なお、カットシートＣＳの＋Ｘ側の先端部分が排出ケース８４の排出ローラーＥＲに到達するまでは、カットシートＣＳに駆動力を与えるため、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間、もしくは、第一ローラー７１及び第二ローラー７２と第三モーターＭＴ３との間、を連結状態にしておく必要がある。
【００６８】
このような制御により、図８に示すように、矯正ローラー７３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間で矯正が行われつつ、排出ローラーＥＲによってカットシートＣＳが排出される。この場合、矯正ローラー７３、第一ローラー７１及び第二ローラー７２は、排出ローラーＥＲに対して従動ローラーとなるため、排出ローラーＥＲの他には駆動源に接続されたローラーが無い状態となる。したがって、駆動速度の異なる複数のローラーによってカットシートＣＳが搬送される事態が回避されることになる。
【００６９】
また、矯正ローラー７３が離間位置Ｐ２にある場合、制御装置ＣＯＮＴは、動力伝達切替装置ＳＷを用いて矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を連結解除状態にすると共に、第二動力伝達切替装置ＳＷを用いて第三モーターＭＴ３と第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間を連結解除状態とする。なお、この場合、カットシートＣＳの＋Ｘ側の先端部分が排出ケース８４の排出ローラーＥＲに到達するまでは、カットシートＣＳに駆動力を与えるため、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間、もしくは、第一ローラー７１及び第二ローラー７２と第三モーターＭＴ３との間、を連結状態にしておく必要がある。
【００７０】
このような制御により、図９に示すように、矯正動作が行われない状態で、排出ローラーＥＲの回転駆動によってカットシートＣＳが排出される。この場合、図９に示すように、矯正ローラー７３とカットシートＣＳとが接触する場合があるものの、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間が連結解除状態となっているため、矯正ローラー７３による駆動力の伝達は無い。一方、第一ローラー７１及び第二ローラー７２の駆動力によりカットシートＣＳが排出される。このため、排出ローラーＥＲの他には駆動源に接続されたローラーが無い状態となる。したがって、駆動速度の異なる複数のローラーによってカットシートＣＳが搬送される事態が回避されることになる。
【００７１】
以上のように、本実施形態によれば、矯正ローラー７３と第一モーターＭＴ１との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能であるため、シートＳＴ又はカットシートＣＳの搬送経路に応じて当該シートＳＴ又はカットシートＣＳの搬送状態が最適となるように連結状態と連結解除状態とを切り替えることができる。これにより、搬送精度の低下を抑制し、記録精度の低下を抑制することが可能となる。
【００７２】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態においては、搬送ローラー２１〜２８と、第一ローラー７１及び第二ローラー７２とで別個のモーター駆動回路及びモーターが用いられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、搬送モーター１２２の駆動軸に動力伝達切換装置（不図示）が設けられ、シートＳＴの搬送工程に応じて、搬送ローラー２１〜２８と、第一ローラー７１及び第二ローラー７２との間で搬送モーター１２２の動力の伝達先を切り換えることが可能な構成であっても構わない。
【００７３】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、矯正部ＤＣにガイド部材Ｇ１を備えない構成としてもよい。この場合には、矯正部ＤＣの構成を簡素化することができる。
【００７４】
また、矯正ローラー７３を移動しない構成としてもよい。この場合にも、例えば矯正ローラー７３を第一ローラー７１に近接する方向に付勢する付勢部材を設け、シートＳＴの先端が第一ローラー７１と矯正ローラー７３との間に挿通されるときに、付勢部材の付勢力が弱くなるようにすることで、シートＳＴを確実に挟持することができる。
【００７５】
また、矯正ローラー７３は、例えばシートＳＴの厚さに応じて複数の挟持位置Ｐ１や離間位置Ｐ２に移動可能な構成としてもよい。また、例えば、センサ９０は光学式センサに限らず、接触式センサなど、任意の方式のセンサに変更することができる。
【００７６】
また、上記実施形態では、シートＳＴはその先端側が搬送経路ＲＴから下方に離間するようにカールする状態で搬送されているが、シートＳＴの先端側がその他の方向（例えば上方や側方）にカールする状態で搬送されるようにしてもよい。そして、この場合には、搬送経路ＲＴを挟んでシートＳＴの先端側がカールする側に第一ローラー７１、第二ローラー７２及びガイド部材Ｇ１を配置する一方、第一ローラー７１と対向する位置に矯正ローラー７３を配置すればよい。
【００７７】
また、シートＳＴは、用紙に限らず、樹脂製フィルムや金属製フィルムなど、ロール状に巻き重ねられた状態で保持されることで巻きぐせがつく任意のシート状媒体に適用することができる。
【００７８】
記録処理は、印刷や印字を行うものに限らず、例えばシート状媒体にシールを付したり、箔を転写したり、孔をあけたり、切り目を入れたりする各種処理としてもよい。そして、これら各処理を行う処理装置に本発明の搬送装置を備え、これら処理を行う前にカールを矯正するようにしてもよいし、処理が施された後にカールを矯正するようにしてもよい。
【００７９】
上記実施形態では、記録方式としてインクジェット方式を採用した記録装置について記載したが、電子写真方式や熱転写方式など、任意の記録方式の記録装置に変更することもできる。また、記録装置はプリンターに限らず、ＦＡＸ装置、コピー装置、あるいはこれら複数機能を備えた複合機等であってもよい。さらに、記録装置として、インク以外の他の液体の微小量の液滴を噴射したり吐出したりする液体噴射ヘッド等を備える液体噴射装置を採用してもよい。
【００８０】
なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属（金属融液）のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。
【００８１】
ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置等であってもよい。
【符号の説明】
【００８２】
ＰＲＴ…印刷装置 ＳＴ…シート ＤＣ…矯正部 ＥＸ…シート排出部 ＲＴ…搬送経路 Ｈ…ヘッド ＣＳ…カットシート ＥＲ…排出ローラー Ｐ１…挟持位置 Ｐ２…離間位置 ＳＷ…動力伝達切替装置 ＳＷ２…第二動力伝達切替装置 ＭＴ１…第一モーター ＭＴ２…第二モーター ＭＴ３…第三モーター ７１…第一ローラー ７２…第二ローラー ７３…矯正ローラー ８１…開口部 ８２…排出トレイ ８３…搬入口 ８４…排出ケース ８５…排出口 １０３〜１０８…モーター駆動回路
【特許請求の範囲】
【請求項１】
搬送媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送媒体に対して記録を行う記録部と、
前記記録が行われた前記搬送媒体を矯正する矯正部と、
矯正された前記搬送媒体を排出する排出部と、
前記搬送部、前記記録部、前記矯正部及び前記排出部による動作を制御する制御部と
を備え、
前記矯正部は、
前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第一ローラーと、
前記第一ローラーとの間に間隔を空けるように前記第一ローラーに対して前記搬送方向の上流側に設けられ、前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第二ローラーと、
所定の駆動源に連結可能に設けられ、前記搬送媒体が前記第一ローラーと前記第二ローラーとの前記間隔へ押圧されて湾曲されるように前記第一ローラーとの間で前記搬送媒体を挟持可能であり、前記搬送媒体を挟持する挟持位置と前記搬送媒体から離れた離間位置との間を移動可能な矯正ローラーと
を有し、
前記制御部は、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能である
記録装置。
【請求項２】
前記排出部は、前記搬送媒体を排出する第一排出口を有し、
前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが少なくとも前記挟持位置に配置される場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結状態とする
請求項１に記載の記録装置。
【請求項３】
前記第一ローラー及び前記第二ローラーは、第三の駆動源に連結可能に設けられ、
前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが前記離間位置に配置される場合には、前記第一ローラー及び前記第二ローラーと前記第三の駆動源とを連結状態とする
請求項２に記載の記録装置。
【請求項４】
前記排出部は、
前記搬送媒体を排出する第二排出口と、
第二の駆動源に接続され、前記矯正部を介した前記搬送媒体を前記第二排出口へ搬送する排出ローラーと、
を有し、
前記制御部は、前記矯正部から前記第二排出口へ前記排出ローラーを介して前記搬送媒体を搬送する場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結解除状態とする
請求項１から請求項３のうちいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項１】
搬送媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送媒体に対して記録を行う記録部と、
前記記録が行われた前記搬送媒体を矯正する矯正部と、
矯正された前記搬送媒体を排出する排出部と、
前記搬送部、前記記録部、前記矯正部及び前記排出部による動作を制御する制御部と
を備え、
前記矯正部は、
前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第一ローラーと、
前記第一ローラーとの間に間隔を空けるように前記第一ローラーに対して前記搬送方向の上流側に設けられ、前記搬送媒体を前記搬送方向に送る第二ローラーと、
所定の駆動源に連結可能に設けられ、前記搬送媒体が前記第一ローラーと前記第二ローラーとの前記間隔へ押圧されて湾曲されるように前記第一ローラーとの間で前記搬送媒体を挟持可能であり、前記搬送媒体を挟持する挟持位置と前記搬送媒体から離れた離間位置との間を移動可能な矯正ローラーと
を有し、
前記制御部は、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を、連結状態及び連結解除状態となるように切り替え可能である
記録装置。
【請求項２】
前記排出部は、前記搬送媒体を排出する第一排出口を有し、
前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが少なくとも前記挟持位置に配置される場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結状態とする
請求項１に記載の記録装置。
【請求項３】
前記第一ローラー及び前記第二ローラーは、第三の駆動源に連結可能に設けられ、
前記制御部は、前記矯正部から前記第一排出口へ前記搬送媒体を直接搬送する場合であって前記矯正ローラーが前記離間位置に配置される場合には、前記第一ローラー及び前記第二ローラーと前記第三の駆動源とを連結状態とする
請求項２に記載の記録装置。
【請求項４】
前記排出部は、
前記搬送媒体を排出する第二排出口と、
第二の駆動源に接続され、前記矯正部を介した前記搬送媒体を前記第二排出口へ搬送する排出ローラーと、
を有し、
前記制御部は、前記矯正部から前記第二排出口へ前記排出ローラーを介して前記搬送媒体を搬送する場合には、前記矯正ローラーと前記所定の駆動源との間を連結解除状態とする
請求項１から請求項３のうちいずれか一項に記載の記録装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１２−１７１７２１（Ｐ２０１２−１７１７２１Ａ）
【公開日】平成２４年９月１０日（２０１２．９．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−３３３７４（Ｐ２０１１−３３３７４）
【出願日】平成２３年２月１８日（２０１１．２．１８）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月１０日（２０１２．９．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年２月１８日（２０１１．２．１８）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
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