説明

記録装置

【課題】印刷ヘッド搬送手段に紫外線照射源を設けるときの設置スペースの増大や搭載重量の増大を最小限に抑えつつ、印刷ヘッドの往復動時の両方において紫外線照射を実行する。
【解決手段】記録装置1は、載置テーブル2と、紫外線の露光により硬化するインクを吐出する印刷ヘッド3と、印刷ヘッド3を、走査方向一方側及び他方側に往復移動させるキャリッジ4と、印刷ヘッド3の載置テーブル2側の端面に、上記走査方向と直交する直交方向に沿って配列された複数のノズル孔9と、印刷ヘッド3の上記端面とは反対側に上記直交方向に亘って配列され、紫外線を発生する複数の発光素子11と、印刷ヘッド3の上記反対側に設けられ、紫外線の光路30の終端部を、印刷ヘッド3の走査方向一方側を通過する第1光路31と走査方向他方側を通過する第2光路32とに切替可能な光路切替機構20と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に対しインクを吐出し所望の記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被記録媒体に対してインクを吐出し、そのインクに対して紫外線を照射して硬化させる記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この記録装置では、被記録媒体である記録用紙がセットされると、印刷ヘッド(記録ヘッド)が走査方向一方側と走査方向他方側とに交互に往復移動する。移動する印刷ヘッドから記録用紙に対しインクが吐出され、その後紫外線が照射されることによりインクが硬化する。
【0003】
例えば、この従来技術のプリンタにおいて、印刷ヘッドを搬送する印刷ヘッド搬送手段(キャリッジ)に、紫外線発生源としての放電管と、可動平面反射鏡とが搭載されている構成を想定してみる。印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動している場合には、可動平面反射鏡が放電管からの光路を印刷ヘッドの走査方向他方側へ切り替える。これにより、走査方向一方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において、記録用紙に吐出された直後のインクに対し照射を行うことが想定される。印刷ヘッドが走査方向他方側へと移動している場合には、可動平面反射鏡が上記光路を印刷ヘッドの走査方向一方側へと切り替える。これにより、走査方向他方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において、記録用紙に吐出された直後のインクに対し照射を行うことが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−132767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記可動平面反射鏡が放電管からの光路を切り替えることにより、印刷ヘッドが走査方向一方側及び他方側のいずれへ移動している間でも、印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射を行う。しかしながら、上記従来技術は、紫外線発生源として、1つの大きな放電管が印刷ヘッド搬送手段に搭載されている。この結果、印刷ヘッド搬送手段において広い設置スペースが必要となるとともに、搭載重量が大きく増大するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、印刷ヘッド搬送手段に紫外線照射源を設けるときの設置スペースの増大や搭載重量の増大を最小限に抑えつつ、印刷ヘッドの往復動時の両方において紫外線照射を実行できる、記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被記録媒体を載置可能な載置手段と、紫外線の露光により硬化するインクを、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対して吐出するための印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを、載置手段とは所定距離離れた移動面内の走査方向一方側及び他方側に往復移動させるための印刷ヘッド搬送手段と、前記印刷ヘッドの端面に、前記移動面内において前記走査方向と直交する直交方向に沿って配列され、前記インクをそれぞれ吐出する複数のノズル孔と、前記印刷ヘッドのノズル孔よりも前記端面とは反対側に前記直交方向に亘って配列され、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に照射するための紫外線を発生する複数の発光素子と、前記印刷ヘッドの前記反対側に設けられ、前記複数の発光素子から発生された前記紫外線の前記被記録媒体へ至るまでの光路の終端部を、前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側を通過する第1光路と前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側を通過する第2光路とに切替可能な光路切替手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、載置手段に被記録媒体が載置されると、印刷ヘッド搬送手段により、印刷ヘッドが走査方向一方側と走査方向他方側とに交互に往復移動する。移動する印刷ヘッドの端面に設けられた複数のノズル孔から、被記録媒体に対しインクが吐出される。
【0009】
上記のように印刷ヘッドから吐出されたインクは、その後紫外線が照射されることにより硬化する。本願第1発明においては、印刷ヘッドの前記反対側の、走査方向と直交する直交方向に亘って複数の発光素子が配列されている。複数の発光素子から紫外線が発生された紫外線が被記録媒体へ導かれることによって上記インクへの照射が行われる。紫外線の上記複数の発光素子から被記録媒体への光路は、印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動しているか走査方向他方側へ移動しているかに応じて、印刷ヘッドの前記反対側に設けた光路切替手段によって切り替えられる。
【0010】
印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動している場合には、光路切替手段が上記光路の終端部を第2光路へと切り替える。第2光路は印刷ヘッドの走査方向他方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向一方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。印刷ヘッドが走査方向他方側へと移動している場合には、光路切替手段が上記光路の終端部を第1光路へと切り替える。第1光路は印刷ヘッドの走査方向一方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向他方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0011】
以上のようにして、本願第1発明においては、印刷ヘッドが走査方向一方側へ移動している間でも他方側へ移動している間でも、印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われ、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。これにより、被記録媒体に対し迅速な記録を行うことができる。また、印刷ヘッドに搭載する紫外線照射源として複数の発光素子を用いることにより、大型の1つの放電管等を用いる場合に比べ、印刷ヘッド搬送手段に紫外線照射源を設けるときの設置スペースや搭載重量の増大や発熱を必要最小限に抑えることができる。特に、複数の発光素子を走査方向と直交する方向に亘って配列することにより、印刷ヘッドの走査方向への往復運動を利用して被記録媒体への均一な照射を確保しつつ、発光素子の設置のために必要なスペースを極力低減することができる。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記複数の発光素子を設けた基板の、前記直交方向の一方側又は他方側に接続された放熱体を有することを特徴とする。
【0013】
本願第2発明においては、発光素子をもうける基板に放熱体を設ける。これにより、発光素子が紫外線を出射するときに発生する熱を放熱体から逃がし、冷却することができる。また、放熱体を移動面内における走査方向と直交する方向に接続する。これにより、例えば載置手段に載置された被記録媒体が上記直交方向に沿って移動するとき、放熱体は、上記移動方向に沿って上記基板よりも上流側又は下流側に位置することとなる。放熱体が基板よりも上流側に位置する場合には、被記録媒体が印刷ヘッドへ到達する直前に放熱体の近傍を通過するので、放熱中の放熱体の周囲の昇温雰囲気によって被記録媒体を予熱し、直後に印刷ヘッドのノズル孔から吐出されるインクの硬化を早めることができる。放熱体が基板よりも下流側に位置する場合には、被記録媒体に対し印刷ヘッドがインクを吐出した直後に放熱体の近傍を通過するので、放熱中の放熱体の周囲の昇温雰囲気によって被記録媒体を後加熱し、確実なインクの硬化を図ることができる。
【0014】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記複数の発光素子は、前記印刷ヘッド前記反対側において、前記端面とは略反対方向に前記紫外線を出射し、前記光路切替手段は、前記複数の発光素子の前記反対側に設けられ、前記略反対に出射された紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側の前記反対側へ所定の反射角で反射する第1の回動状態、及び、前記略反対に出射された紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側の前記反対側へ所定の反射角で反射する第2の回動状態、へ切り替え可能に回動する回動反射手段と、前記第1の回動状態にある前記回動反射手段から反射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側へ所定の反射角で反射して前記第1光路を生成する第1反射手段と、前記第2の回動状態にある前記回動反射手段から反射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側へ所定の反射角で反射して前記第2光路を生成する第2反射手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本願第3発明においては、光路切替手段は、回動反射手段と、第1反射手段と、第2反射手段とを備える。印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動している場合には、回動反射手段が回動して第2の回動状態に切り替えられる。これにより、複数の発光素子から略反対へ出射された紫外線が、第2の回動状態の回動反射手段を介し、第2反射手段へと導かれる。第2反射手段は入射した紫外線を所定の反射角で反射して第2光路を生成する。第2光路は印刷ヘッドの走査方向他方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向一方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0016】
印刷ヘッドが走査方向他方側へと移動している場合には、回動反射手段が回動して第1の回動状態に切り替えられる。これにより、複数の発光素子から略反対へ出射された紫外線が、第1の回動状態の回動反射手段を介し、第1反射手段へと導かれる。第1反射手段は入射した紫外線を所定の反射角で反射して第1光路を生成する。第1光路は印刷ヘッドの走査方向一方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向他方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0017】
以上のようにして、本願第3発明においては、印刷ヘッドが走査方向一方側へ移動している間でも他方側へ移動している間でも、印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われ、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。また、回動反射手段の回動を利用して光路の切替を行うことにより、複数の発光素子自体を回動させる必要がない。
【0018】
第4発明は、上記第3発明において、前記回動反射手段が前記第1の回動状態と前記第2の回動状態との間で切り替えられている途中では前記紫外線の照射を中止するように、前記複数の発光素子を制御する照射制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
本願第4発明においては、回動反射手段が第1の回動状態と第2の回動状態との間の相互間で切り替えられている間は、複数の発光素子からの照射が中止される。これにより、回動反射手段から不特定な方向に紫外線が反射されることで誤ってノズルに紫外線が照射され、種々の不具合が起こるのを確実に防止することができる。
【0020】
第5発明は、上記第1又は第2発明において、前記複数の発光素子は、前記印刷ヘッドの前記反対側において、略反対に前記紫外線を出射し、前記光路切替手段は、前記複数の発光素子を、前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側の前記反対側へ紫外線を出射する第1の回動位置、及び、前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側の前記反対側へ紫外線を出射する第2の回動位置、へ切り替え可能に回動する光源回動機構と、前記第1の回動位置にある前記複数の発光素子から出射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側へ所定の反射角で反射して前記第1光路を生成する第3反射手段と、前記第2の回動位置にある前記複数の発光素子から出射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側へ所定の反射角で反射して前記第2光路を生成する第4反射手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本願第5発明においては、光路切替手段は、光源回動機構と、第3反射手段と、第4反射手段とを備える。印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動している場合には、光源回動機構により複数の発光素子が回動して第2の回動位置に切り替えられる。これにより、第2の回動位置にある複数の発光素子から出射された紫外線が第4反射手段へと導かれる。第4反射手段は入射した紫外線を所定の反射角で反射して第2光路を生成する。第2光路は印刷ヘッドの走査方向他方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向一方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0022】
印刷ヘッドが走査方向他方側へと移動している場合には、光源回動機構により複数の発光素子が回動して第1の回動位置に切り替えられる。これにより、第1の回動位置にある複数の発光素子から出射された紫外線が第3反射手段へと導かれる。第3反射手段は入射した紫外線を所定の反射角で反射して第1光路を生成する。第1光路は印刷ヘッドの走査方向一方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向他方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0023】
以上のようにして、本願第5発明においては、印刷ヘッドが走査方向一方側へ移動している間でも他方側へ移動している間でも、印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われ、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。また、光源回動機構が複数の発光素子自体を回動させて光路の切替を行うことにより、固定された複数の発光素子からの紫外線を入射して第3反射手段及び第4反射手段に振り分けるためのミラー等を別途設ける必要がない。
【0024】
なお、本願第5発明において、特に、複数の発光素子を設けた基板に放熱体を接続し放熱を行う場合には、光源回動機構が複数の発光素子を回動させるときに放熱体も一体となって回動することとなる。その際、基板の上記直交方向の一方側(又は他方側)に放熱体を接続することで、回動体である基板及び放熱体全体の高さ方向の寸法を抑制することができる。この結果、回動に必要な回転モーメントが小さくなり、光源回動機構に必要な駆動力を低減できる効果がある。
【0025】
第6発明は、上記第3乃至第5発明のいずれかにおいて、前記複数の発光素子の近傍に設けられ、各発光素子から広がりながら発光された光を略平行光へと変換する変換手段と、前記第1光路及び前記第2光路にそれぞれ設けられた、前記略平行光を所定の角度で広げる拡散手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
本願第6発明においては、紫外線は、変換手段で変換された以降、第1光路及び第2光路の拡散手段に到達するまでは、略平行光の態様で導かれる。これにより、記録装置の製造時における各部品の組み付け時に生じうる誤差により上記略平行光の光線方向における距離が変動したとしても、ビーム径は変化しない。この結果、記録装置の製造時における部品の加工精度や組立精度を比較的低く抑えることが可能となり、製造コストを低減することができる。
【0027】
第7発明は、上記第6発明において、前記発光素子の光源部分が間隔をあけて複数あり、前記変換手段が複数あることを特徴とする。
【0028】
これにより、変換手段を1つだけ設けその唯一の変換手段で間隔のあいた複数の発光素子の光源部分の全ての紫外線を平行光にする構成する場合よりも、変換手段が小型化ものですみ、配置の自由度が増す。
【0029】
第8発明は、上記第7発明において、複数の前記変換手段が、別々の前記発光素子から照射された紫外線を略平行光へと変換することを特徴とする。
【0030】
複数の変換手段がそれぞれ別々の発光素子からの紫外線を略平行光とすることにより、変換手段が小型化する。
【0031】
第9発明は、上記第8発明において、複数の前記変換手段が、前記光路切替手段による光路切替よりも上流側の光路に設けられ、別々の前記発光素子から照射された紫外線を略平行光へと変換することを特徴とする。
【0032】
変換手段による光路切替の下流側において、双方の光路に同数の変換手段を設けた構成に比べ、変換手段の数が半分で済む。
【0033】
第10発明は、上記第8発明において、複数の前記変換手段が、前記発光素子と同数配置され、別々の前記発光素子から照射された紫外線を略平行光へと変換することを特徴とする。
【0034】
これにより、変換手段を1つだけ設けその唯一の変換手段で、間隔のあいた複数の発光素子の光源部分の紫外線を平行光にする構成する場合よりも、変換手段が確実に小型化ものですみ、配置の自由度が増す。
【0035】
第11発明は、上記第6発明において、前記発光素子が複数あり、前記変換手段が1つ設けられることを特徴とする。
【0036】
複数の変換手段を設ける場合よりも、変換手段の設置が容易である。
【0037】
第12発明は、上記第2乃至第11発明のいずれかにおいて、前記発光素子による前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対する照射領域の形状が前記走査方向に直交する線に関して対象形状であることを特徴とする。
【0038】
これにより、均一な照射を行うことができる。
【0039】
第13発明は、上記第2乃至請求項12発明において、前記発光素子による前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対する照射領域の形状が、前記第1光路を経由した発光素子による照射領域と前記第2光路を経由した発光素子による照射領域とで同じであることを特徴とする。
【0040】
これにより、印刷ヘッドが走査方向一方側へ移動している間でも他方側へ移動している間でも、同等の照射領域を確保することができる。
【0041】
第14発明は、上記第1乃至第13発明のいずれかにおいて、前記印刷ヘッドのノズル孔より前記端面とは反対側は上方であり、前記略反対側は略上方であることを特徴とする。
【0042】
これにより、印刷ヘッドの上方に設けた複数の発光素子からの紫外線の光路を光路切替手段により第1光路又は第2光路に切り替え、印刷ヘッドの移動方向の背後側で照射を行うことができる。
【0043】
第15の発明は、被記録媒体を載置可能な載置手段と、紫外線の露光により硬化するインクを、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対して吐出するための印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを、載置手段とは所定距離離れた移動面内の走査方向一方側及び他方側に往復移動させるための印刷ヘッド搬送手段と、前記印刷ヘッドの端面に、前記移動面内において前記走査方向と直交する直交方向に沿って配列され、前記インクをそれぞれ吐出する複数のノズル孔と、前記印刷ヘッドのノズル孔よりも前側に前記直交方向に亘って配列され、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に照射するための紫外線を発生する複数の発光素子と、前記印刷ヘッドの前記前側に設けられ、前記複数の発光素子から発生された前記紫外線の前記被記録媒体へ至るまでの光路の終端部を、前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側を通過する第1光路と前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側を通過する第2光路とに切替可能な光路切替手段と、を有することを特徴とする。
【0044】
本願第15発明においては、載置手段に被記録媒体が載置されると、印刷ヘッド搬送手段により、印刷ヘッドが走査方向一方側と走査方向他方側とに交互に往復移動する。移動する印刷ヘッドの端面に設けられた複数のノズル孔から、被記録媒体に対しインクが吐出される。
【0045】
上記のように印刷ヘッドから吐出されたインクは、その後紫外線が照射されることにより硬化する。本願第1発明においては、印刷ヘッドの前記前側の、走査方向と直交する直交方向に亘って複数の発光素子が配列されている。複数の発光素子から紫外線が発生された紫外線が被記録媒体へ導かれることによって上記インクへの照射が行われる。紫外線の上記複数の発光素子から被記録媒体への光路は、印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動しているか走査方向他方側へ移動しているかに応じて、印刷ヘッドの前記前側に設けた光路切替手段によって切り替えられる。
【0046】
印刷ヘッドが走査方向一方側へと移動している場合には、光路切替手段が上記光路の終端部を第2光路へと切り替える。第2光路は印刷ヘッドの走査方向他方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向一方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。印刷ヘッドが走査方向他方側へと移動している場合には、光路切替手段が上記光路の終端部を第1光路へと切り替える。第1光路は印刷ヘッドの走査方向一方側を通過して被記録媒体に到達することから、走査方向他方側へ移動する印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0047】
以上のようにして、本願第15発明においては、印刷ヘッドが走査方向一方側へ移動している間でも他方側へ移動している間でも、印刷ヘッドの移動方向の背後側において照射が行われ、被記録媒体に吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。これにより、被記録媒体に対し迅速な記録を行うことができる。また、印刷ヘッドに搭載する紫外線照射源として複数の発光素子を用いることにより、大型の1つの放電管等を用いる場合に比べ、印刷ヘッド搬送手段に紫外線照射源を設けるときの設置スペースや搭載重量の増大や発熱を必要最小限に抑えることができる。特に、複数の発光素子を走査方向と直交する方向に亘って配列することにより、印刷ヘッドの走査方向への往復運動を利用して被記録媒体への均一な照射を確保しつつ、発光素子の設置のために必要なスペースを極力低減することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、印刷ヘッド搬送手段に紫外線照射源を設けるときの設置スペースの増大や搭載重量の増大を最小限に抑えつつ、印刷ヘッドの往復動時の両方において紫外線照射を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の記録装置の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1の記録装置に設置された印刷ヘッドのノズル面におけるノズル孔の配列を示す説明図である。
【図3】図1の記録装置に設置された発光素子の配置を示す平面図である。
【図4】紫外線発生源の発光素子に設けられたコリメータレンズの配置を示す平面図である。
【図5】紫外線発生源からの紫外線の光路に設けられる拡散ミラーを示す正面図である。
【図6】記録装置の印刷ヘッドの走査時のタイミングチャートである。
【図7】素子基板に放熱体を接続した変形例を表す平面図である。
【図8】発光素子の回動により光路を切り替える変形例の記録装置を示す正面図である。
【図9】図8の記録装置の光源回動機構を示す平面図である。
【図10】凸レンズを用いる変形例の記録装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0051】
図1は、本発明の記録装置の一実施の形態を示す正面図である。本実施形態の記録装置1は、紙や布等の被記録媒体Pを載置して水平方向に支持する載置テーブル2(載置手段)と、紫外線の露光により硬化するインクを、載置テーブル2が載置した被記録媒体Pに対して吐出する印刷ヘッド3と、この印刷ヘッド3を搭載して、印刷ヘッド3を略水平面内の図1中左側(=走査方向一方側。以下適宜、単に「左側」という)及び図1中の右側(=走査方向他方側。以下適宜、単に「右側」という)に往復移動させるキャリッジ4(印刷ヘッド搬送手段)と、このキャリッジ4に設けられ、紫外線を発光する複数の発光素子11を備えた紫外線発生源10と、キャリッジ4に設けられた、光路切替機構20(光路切替手段)とを有している。
【0052】
載置テーブル2の例えば左側には、適時、印刷ヘッド3のノズル孔からインクを噴出してノズル孔のインク詰まり等を噴射除去するフラッシング部7が設けられ、載置テーブル2の上記走査方向の例えば他方側には、印刷ヘッド3のノズル孔の残りのインク等を吸引除去するパージング部8が設けられている。
【0053】
印刷ヘッド3は、図2に示すように、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色のインクを各別に吐出する複数のノズル孔9Y,9M,9C,9Bkを備えている。各色のノズル孔9(9Y,9M,9C,9Bk)は、印刷ヘッド3の下面(載置テーブル2側の面)のノズル面3aに上記走査方向と直交する直交方向(図2参照)に沿って配列され開口されている。
【0054】
キャリッジ4は、上記走査方向に延びる複数本(この例では2本)のガイドバー5に摺動自在に支持されている。キャリッジ4には、無端ベルト駆動方式等の図示しない駆動機構が具備されている。キャリッジ4は、駆動機構による駆動によってガイドバー5を案内として走査方向に沿って往復移動され、これにともない印刷ヘッド3が走査方向に沿って往復移動する。
【0055】
紫外線発生源10は、載置テーブル2が載置した被記録媒体Pに照射する紫外線を発生する。この紫外線発生源10は、キャリッジ4における印刷ヘッド3の上方位置に設置されている。この紫外線発生源10は、紫外線を発光する光源部(図示せず)を備えたUVLED等の発光素子11を、少なくとも1個(この例では7個)備えている。
【0056】
7個の発光素子11は、図3に示すように、素子基板11aに実装されている。この発光素子11は、印刷ヘッド3の走査方向と直交する上記直交方向に配列されている。また、発光素子11は、この例では、素子基板11aに対し上下・左右方向に互い違いになるよういわゆる千鳥配置状に設置されている。これにより、略上方に出射された紫外線と直交する断面における、光密度のムラを小さくすることができる。
【0057】
発光素子11の紫外線出射側の直近位置には、発光素子11から広がりながら発光される紫外線を発光素子11の光軸と略平行な平行光に変換するために、コリメータレンズ12(変換手段)が配置されている。この例では、7個の発光素子11それぞれに対応するように、7個のコリメータレンズ12が設けられている。また発光素子11は、それぞれの上記光源部が互いに略等間隔となるように配置されており、これに対応して、上記コリメータレンズ12も互いに略等間隔となるように配置されている。
【0058】
発光素子11から出射された紫外線は、コリメータレンズ12による変換を経ることによって、被記録媒体Pへ至るまでの光路30中に介挿された左拡散ミラー22、右反射ミラー23(後述)に到達するまでは、光路30を略平行光の態様で導かれる。
【0059】
なお、コリメータレンズ12は、複数の発光素子11の全てを1つでカバーする大きい形状のもの、複数の発光素子11の全てを1つずつ同数個でカバーする小さい形状のもの(本実施形態の例)、複数の発光素子11の全てを数個ずつに分けて幾つかの個数でカバーする中程度の大きさのもの、これらのいずれでもよい。大きい形状のコリメータレンズを用いれば、変換手段の設置が容易になる利点はあるが、本実施形態では、図4に示すように、複数の発光素子11の全てを1つずつ同数個でカバーする小さい形状のコリメータレンズ12を使用している。これにより、大型の唯一のコリメータレンズを用い、間隔を開けて配置された複数の発光素子11の全てをカバーする場合に比べ、変換手段が小型化でき、配置の自由度が増す効果がある。
【0060】
光路切替機構20は、複数の発光素子11から出射された被記録媒体Pへ至るまでの紫外線の光路30の終端部を、印刷ヘッド3の左側を通過する第1光路31と印刷ヘッド3の右側を通過する第2光路32とに切替えるためのものである。この光路切替機構20は、キャリッジ4の複数の発光素子11の上方に支軸21aを支点として回動可能に設けられた回転ミラー21(回動反射手段)と、キャリッジ4に固定的に設けられ、回転ミラー21の上記左側に配置された左拡散ミラー22(第1反射手段、拡散手段)と、キャリッジ4に固定的に設けられ、回転ミラー21の上記右側に配置された右反射ミラー23(第2反射手段)とを備えている。
【0061】
回転ミラー21は、平板状の両面反射板からなり、複数の発光素子11から上記走査方向と直交する鉛直方向(上下方向)の、当該複数の発光素子11から略上方に出射された紫外線の光路30上に配置されている。そして、回転ミラー21は、その中心に設けられた支軸21aを支点として回動することにより、第1の回動状態、及び、第2の回動状態へ切り替え可能である。
【0062】
第1の回動状態では、回転ミラー21は、印刷ヘッド3の左側へ所定の角度θ(=45°)で前傾し、紫外線発生源10の複数の発光素子11からの紫外線を入射し、上記左側へ所定の反射角(前傾角度θと略同じ角度)で反射する。第2の回動状態では、回転ミラー21は、印刷ヘッド3の右側へ所定の角度θ(=45°)で前傾し、紫外線発生源10の複数の発光素子11からの紫外線を入射し、上記右側へ所定の反射角(前傾角度θと略同じ角度)で反射する。
【0063】
左拡散ミラー22は、図5に示すように、例えば、アルミ板25aの表面に二フッ化マグネシウム(MgF)コートした凸面の複数のアルミ鏡面25を設けたものである。アルミ鏡面25は、好ましくは、紫外線発生源10の発光素子11と同数とし、1個の発光素子11に1個のアルミ鏡面25が対応するように、発光素子11と対応した配置とする。
【0064】
この左拡散ミラー22は、印刷ヘッド3の左側において走査方向に直交する鉛直方向で、上記右側へ所定の角度θ(=45°)で前傾している。そして、左拡散ミラー22は、上記のように回動して第1の回動状態にある回転ミラー21から反射された紫外線を入射し、印刷ヘッド3の左側へ所定の反射角(前傾角度θと略同じ角度)で反射して、第1光路31を生成する。これにより、発光素子11から被記録媒体Pへ到達する紫外線の光路30の終端部が、第1光路31に切り替えられる。
【0065】
この第1光路31への切替は、印刷ヘッド3が右側へ向かって移動しているときに行われる。複数の発光素子11から略上方へ出射された紫外線は、光路30を回転ミラー21まで進んだ後、回転ミラー21及び左拡散ミラー22を介して第1光路31に進み、印刷ヘッド3の左側を通過して、右側へ向かって移動している印刷ヘッド3の移動方向の背面側において載置テーブル2上の被記録媒体Pに照射される。
【0066】
右反射ミラー23は、平板状の反射板からなる。右反射ミラー23は、印刷ヘッド3の右側において走査方向に直交する鉛直方向(上下方向)で、上記左側へ所定の角度θ(=45°)で前傾している。そして、右反射ミラー23は上記のように回動して第2の回動状態にある回転ミラー21から反射された紫外線を入射し、印刷ヘッド3の右側へ所定の反射角(前傾角度θと略同じ角度)で反射して、第2光路32を生成する。これにより、複数の発光素子11から被記録媒体Pへ到達する紫外線の光路30の終端部が、第2光路32に切り替えられる。
【0067】
この第2光路32への切替は、印刷ヘッド3が左側へ向かって移動しているときに行われる。複数の発光素子11から略上方へ出射された紫外線は、光路30を回転ミラー21まで進んだ後、回転ミラー21及び右反射ミラー23を介して第2光路32に進み、印刷ヘッド3の右側を通過して、左側へ向かって移動している印刷ヘッド3の移動方向の背面側において載置テーブル2上の被記録媒体Pに照射される。
【0068】
図1に示すように、第2光路32の終端直前には、凹レンズ等の拡散レンズ24(拡散手段)が設けられている。この拡散レンズ24は、載置テーブル2に載置された被記録媒体Pへの紫外線の照射ムラを小さくするためのもので、第2光路32を進んだ略平行光の紫外線のスポットを円形のまま拡径するようになっている。あるいは、拡散レンズ24は、第2光路32を進んだ略平行光の紫外線のスポットを、印刷ヘッド3の走査方向と直交する方向にのみ楕円形に拡径してもよい。すなわち、被記録媒体Pに照射される紫外線のスポットは、上記走査方向では当該印刷ヘッド3の走査によって重なりが生じるので照射ムラが起こりづらい。これに対し、上記走査方向と直交する方向では、印刷ヘッド3の走査による重なりが生じにくいので照射ムラが起こりやすい。したがって、拡散レンズ24は、紫外線を上記走査方向と直交する方向にのみ楕円形に拡径して、当該直交方向で紫外線のスポットの重なりを生じさせるものが好ましい。
【0069】
これに対し、第1光路31に配置された左拡散ミラー22は、一種の凸面鏡として作用するアルミ鏡面25を備えているため、上述したように拡散レンズのような拡散手段を兼ねている。このため、回転ミラー21から入射した紫外線を所定角度で反射して第1光路31を生成する際、紫外線の散乱を伴い、第1光路31を進んで載置テーブル2上の被記録媒体Pに照射される紫外線のスポットは、拡径されている。したがって、第2光路32とは異なり、第1光路31には拡散レンズは不要である。左拡散ミラー22は、好ましくは、上記走査方向と直交する方向にのみ紫外線のスポットを楕円形に拡径するものがよい。
【0070】
なお、第1光路31による被記録媒体Pの上記左側の照射領域の形状と第2光路32による被記録媒体Pの上記右側の照射領域の形状とは、被記録媒体Pに対する照射を均等にするため、上記走査方向に直交する直交線(図1中の上下方向の線)に対し線対称とし、さらには同一形状であることが好ましい。
【0071】
以上のように構成した本実施形態の作用効果を以下に説明する。
【0072】
上記記録装置1において、載置テーブル2に被記録媒体Pが載置されると、キャリッジ4により印刷ヘッド3が左側と右側とに交互に往復移動し、移動する印刷ヘッド3のノズル面3aからは、被記録媒体Pに対しインクが吐出され、被記録媒体Pの表面に文字、画像等の記録像が描画される。そして、その後、印刷ヘッド3から吐出されたインクに紫外線が照射されることにより硬化して、被記録媒体Pへの記録像の定着が完了し、記録が終了する。その際、キャリッジ4の印刷ヘッド3の上方位置に紫外線発生源10が設置され、紫外線発生源10に上記走査方向と直交する直交方向に亘って複数の発光素子11が配列されている。その複数の発光素子11から発生された紫外線が被記録媒体Pへ導かれることによって上記インクへの照射が行われる。
【0073】
本実施形態では、上記発光素子11から被記録媒体Pへの紫外線の光路30は、印刷ヘッド3が左側へと移動しているか右側へ移動しているかに応じて、光路切替機構20によって切り替えられる。印刷ヘッド3が左側へと移動している場合には、回動ミラー21が回動して第2の回動状態に切り替えられる。これにより、複数の発光素子11から印刷ヘッド3の略上方へ出射された紫外線が、第2の回動状態の回転ミラー21を介し、右反射ミラー23へと導かれる。右反射ミラー23は、入射した紫外線を所定の反射角で反射して第2光路32を生成する。第2光路32は印刷ヘッド3の右側を通過して被記録媒体Pに到達することから、左側へ移動する印刷ヘッド3の移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体Pに吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。吐出後のインクをすぐに硬化することにより、インクの滲みの少なく、画像の劣化を低減できる。更に、従来技術のプリンタに、印刷ヘッドを搬送する印刷ヘッド搬送手段(キャリッジ)に、紫外線発生源としての放電管と、可動平面反射鏡とが搭載された構成と比較して、本実施形態の記録装置1においては、光エネルギーの効率を高めることができる。
【0074】
一方、印刷ヘッド3が右側へと移動している場合には、回転ミラー21が回動して第1の回動状態に切り替えられる。これにより、複数の発光素子11から印刷ヘッド3の略上方へ出射された紫外線は、第1の回動状態の回転ミラー21を介し、左拡散ミラー22へと導かれる。左拡散ミラー22は、入射した紫外線を所定の反射角で反射して第1光路31を生成する。第1光路31は印刷ヘッド3の左側を通過して被記録媒体Pに到達することから、右側へ移動する印刷ヘッド3の移動方向の背後側において照射が行われる。これにより、被記録媒体Pに吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0075】
以上のようにして、本実施形態の記録装置1においては、印刷ヘッド3が左側へ移動している間でも右側へ移動している間でも、印刷ヘッド3の移動方向の背後側において照射が行われ、被記録媒体Pに吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。これにより、被記録媒体Pに対し迅速な記録を行うことができる。
【0076】
図6は、上記のようにして印刷ヘッド3が左側(走査方向一方側)及び右側(走査方向他方側)へ交互に走査され往復動するときの、印刷ヘッド3及び紫外線発生源10の制御態様を表す、タイミングチャートである。上記したように、印刷ヘッド3が左側へ走査中のときには紫外線発生源10の複数の発光素子11から出射された紫外線が第2光路32へ導かれて照射され、印刷ヘッド3が右側へ走査中のときには紫外線発生源10の複数の発光素子から出射された紫外線が第1光路31へ導かれて照射される。なお、上記の第1光路31と第2光路32との間で光路切り替えを行うために回動ミラー21が第1の回動状態から第2の回動状態へ、第2の回動状態から第1の回動状態へ駆動されている途中では、図示のように、記録装置1に設けた照射制御手段(図示せず)が発光素子11を消灯するように制御し、紫外線の照射を中止する。これにより、無駄な電力消費を低減することができる。また、回動ミラー21から不特定な方向に紫外線が反射されることで誤ってノズル孔に紫外線が照射され、例えばインクが固まってノズル孔9が詰まる等の種々の不具合が起こるのを確実に防止することができる。
【0077】
このとき、本実施形態においては、印刷ヘッド3とともにキャリッジ4に搭載する紫外線照射源として複数の発光素子11を用いることにより、大型の1つの放電管等を用いる従来構造に比べ、キャリッジ4に紫外線照射源(複数の発光素子11)を設けるときの設置スペースや搭載重量の増大や発熱を必要最小限に抑えることができる。特に、複数の発光素子11を印刷ヘッド3の走査方向と直交する方向に亘って配列することにより、印刷ヘッド3の走査方向への往復運動を利用して被記録媒体Pへの均一な照射を確保しつつ、発光素子11の設置のために必要なスペースを極力低減することができる。また、回転ミラー21の回動を利用して光路の切替を行うことにより、複数の発光素子11自体を回動させる必要がない。
【0078】
また、本実施形態では特に、複数の発光素子11の近傍に平行光への変換手段としてのコリメータレンズ12を設け、各発光素子11から広がりながら発光された光を略平行光へと変換する。これにより、紫外線は、変換手段で変換された以降、第1光路31の左拡散ミラー22(上記のように拡散手段を兼ねている)及び第2光路32の拡散レンズ24に到達するまでは、略平行光の態様で導かれる。これにより、記録装置1の製造時における各部品の組み付け時に生じうる誤差により上記略平行光の光線方向における距離が変動したとしても、ビーム径は変化しない。この結果、記録装置1の製造時における部品の加工精度や組立精度を比較的低く抑えることが可能となり、製造コストを低減することができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0080】
(1)ヒートシンクを設ける場合
上記実施形態では、発光素子11からの放熱については特に説明をしなかったが、例えば図7に示すように、複数の発光素子11を実装した素子基板11aに放熱体15を設けることもできる。この例では、放熱体15は、素子基板11aに対し上記直交方向における一方側(図7中上側、図1中の紙面の奥側)に設けられている。素子基板11aは、その配置の放熱体15にヒートパイプ16を介して接続されている。なお、上記とは逆に、放熱体15を、素子基板11aに対し上記直交方向における他方側(図7中下側、図1中の紙面の奥側)に配置してもよい。
【0081】
本変形例においては、放熱体15を設けることにより、発光素子11が紫外線を出射するときに発生する熱を放熱体15から逃がし、冷却することができる。また、放熱体15を、発光素子11の上記直交する方向(上記の例では図中下側、図1中の紙面の奥側)に接続することにより、例えば載置テーブル2に載置された被記録媒体Pが上記直交方向に沿って図1中の手前側に移動するとき、放熱体15は、上記移動方向に沿って上記素子基板11aよりも上流側(上記の例)又は下流側(上記の例とは反対側の場合)に位置することとなる。更に、放熱体15においては、キャリッジ4の往復動による冷却効率を高めるため、走査方向に張り出す冷却ファンを多数設けてもよい。
【0082】
上記図7に示す例のように放熱体15が素子基板11aよりも上記上流側に位置する場合には、被記録媒体Pが印刷ヘッド3へ到達する直前に放熱体15の近傍(この例では放熱体15の下方)を通過する。これにより、放熱中の放熱体15の周囲の昇温雰囲気によって被記録媒体Pを予熱し、直後に印刷ヘッド3のノズル孔9から吐出されるインクの硬化を早めることができる。逆に、放熱体15が素子基板11aよりも下流側に位置する場合には、被記録媒体Pに対し印刷ヘッド3がインクを吐出した直後に放熱体15の近傍(放熱体15の下方)を通過するので、放熱中の放熱体15の周囲の昇温雰囲気によって被記録媒体Pを後加熱し、確実なインクの硬化を図ることができる。
【0083】
(2)紫外線発生源を移動可能に配置する場合
このような変形例による記録装置1を図8に示す。なお、上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化している。図8において、本変形例では、光路切替機構20は、複数の発光素子11を回動することによって光路を切り替える。
【0084】
すなわち、図8において、本変形例の光路切替機構20は、複数の発光素子11を備えた紫外線発生源10を回転自在に取り付けた光源回動機構17と、印刷ヘッド3より図8中の左側(=走査方向一方側。以下適宜、単に「左側」という)における上記走査方向に直交する鉛直方向(上下方向)において、複数の発光素子11よりも上方に設けられた左拡散ミラー26(第3反射手段、拡散手段)と、印刷ヘッド3の図8中の右側(=走査方向他方側。以下適宜、単に「右側」という)において上記走査方向に直交する鉛直方向(上下方向)で、複数の発光素子11よりも上方に設けられた右反射ミラー27(第4反射手段)とを備えている。
【0085】
光源回動機構17は、この例では、図9に示すように、複数の発光素子11を回動するための駆動力を発生するステップモータ18と、減速機19と、を備えている。ステップモータ18は、素子基板11aの上記直交方向一方側の端部に、減速機19を介して取り付けられている。光源回動機構17は、ステップモータ18を正転方向又は逆転方向に駆動することにより、複数の発光素子11を備えた上記素子基板11aを、印刷ヘッド3の走査方向を含む鉛直面内で回動する。これにより、素子基板11a上の複数の発光素子11は、印刷ヘッド3の左側の上方へ紫外線を出射する第1の回動位置、及び、印刷ヘッド3の右側の上方へ紫外線を出射する第2の回動位置へ選択的に切り替えられる。
【0086】
左拡散ミラー26は、図1の左拡散ミラー22と同様、例えば、アルミ板の表面に二フッ化マグネシウム(MgF)コートした凸面の複数個のアルミ鏡面を設けたものである。左拡散ミラー26は、印刷ヘッド3の左側において走査方向に直交する鉛直方向で、上記走査方向を含む鉛直面内において右側へ所定の角度θ(=45°)で前傾している。また、左拡散ミラー26は、上記光源回動機構17により駆動されて回動し第1回動位置となった紫外線発生源10の複数の発光素子11から出射された紫外線を入射して、印刷ヘッド3の左側へ所定の反射角(前傾角度θと略同じ角度)で反射し、印刷ヘッド3の左側を通過する第1光路31を生成する。これにより、複数の発光素子11から被記録媒体Pへ到達する紫外線の光路30の終端部が、第1光路31に切り替えられる。
【0087】
この第1光路31への切替は、印刷ヘッド3が右側へ向かって移動しているときに行う。第1回動位置にある複数の発光素子11から出射された紫外線は、光路30を左拡散ミラー22まで進んだ後、左拡散ミラー22で反射かつ拡散されて第1光路31に進み、印刷ヘッド3の左側を通過して、右側へ向かって移動している印刷ヘッド3の移動方向の背面側において載置テーブル2上の被記録媒体Pに照射される。
【0088】
一方、右反射ミラー27は、図1の右反射ミラー23と同様、平板状の反射板からなる。右反射ミラー27は、印刷ヘッド3の右側において走査方向に直交する鉛直方向で、上記左側へ所定の角度θ(=45°)で前傾している。また、右反射ミラー27は、光源回動機構17により回動されて回動し第2回動位置となった紫外線発生源の複数の発光素子11から出射された紫外線を入射して、印刷ヘッド3の右側へ所定の反射角(前傾角度θと略同じ角度)で反射して、第2光路32を生成する。これにより、複数の発光素子11から被記録媒体Pへ到達する紫外線の光路30の終端部が、第2光路32に切り替えられる。
【0089】
この第2光路32への切替は、印刷ヘッド3が左側へ移動している場合に行う。第2回動位置にある複数の発光素子11から出射された紫外線は、光路30を右反射ミラー27まで進んだ後、右反射ミラー27で反射されて第2光路32に進み、印刷ヘッド3の右側を通過して、左側へ向かって移動している印刷ヘッド3の移動方向の背面側において載置テーブル2上の被記録媒体Pに照射される。
【0090】
なお、第2光路32の終端直前には、図1の記録装置1と同様、載置テーブル2に載置された被記録媒体Pへの紫外線の照射ムラを小さくするために、凹レンズ等の拡散レンズ24(拡散手段)が設けられている。
【0091】
以上のようにして、本変形例の記録装置1においても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、印刷ヘッド3が右側へと移動する場合にも左側へと移動する場合にも、印刷ヘッド3の移動方向の背後側において照射が行われ、被記録媒体Pに吐出された直後のインクに対し照射を行うことができる。
【0092】
また、本変形例においては、光源回動機構17が複数の発光素子11自体を回動させて光路の切替を行うことにより、固定された複数の発光素子からの紫外線を入射して左拡散ミラー26及び右反射ミラー27に振り分けるための、上記実施形態の回転ミラー21等を別途設ける必要がない。
【0093】
なお、本変形例において、前述の図7に示した(1)の変形例の構成を適用し、複数の発光素子11を設けた素子基板11aに放熱体15を接続し放熱を行う構成も考えられる(図9中の2点鎖線参照)。この場合、光源回動機構17が複数の発光素子11を備えた素子基板11aを回動させるときに放熱体15も一体となって回動することとなる。その際、素子基板11aの上記直交方向の一方側(図9の例では上方側。但し下方側でもよい)に放熱体15を接続することで、回動体である素子基板11a及び放熱体15全体の高さ方向の寸法を抑制することができる。この結果、放熱体15を含む紫外線発生源10全体を、その重心を通り上記走査方向と直交する水平線(図9中では上下方向の線)の周りに回動するのに必要な回転モーメントが小さくなるので、光源回動機構17に必要な駆動力を低減できる効果がある。
【0094】
(3)その他
以上においては、載置手段である載置テーブル2が載置して水平方向に支持した被記録媒体Pに対し、印刷ヘッド3のノズル面3aからインクを下方に吐出する場合を示したが、本発明はこれに限られない。載置手段が被記録媒体Pを鉛直方向に支持し、印刷ヘッド3のノズル面3aが当該鉛直方向の被記録媒体Pに対しインクを水平方向に吐出する構成に、本発明を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0095】
上述した構成では、印字ヘッド3のノズル孔よりもノズル面3aとは反対側(上方)に、紫外線発生源10を設けている。しかし、印刷ヘッド3の前側(図1における紙面手前側)の、走査方向と直交する直交方向に亘って複数の発光素子が配列され、上述の紫外線発生源10と同様に、紫外線を照射する紫外線発生源1110(図1に一点鎖線で示す)、その他の構成(回動反射手段など)を配置して、記録装置を構成してもよい。なお、紫外線発生源1110は、印字ヘッド3のノズル孔よりもノズル面3aより上方にある必要は必ずしもない。また、図1などに示す、拡散レンズ23については、図10に示すように、凸レンズ29に置き換えて、光を収束させてから、被記録媒体Pに到達させてもよい。
【0096】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0097】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0098】
1 記録装置
2 載置テーブル(載置手段)
3 印刷ヘッド
4 キャリッジ(印刷ヘッド搬送手段)
11 発光素子
12 コリメータレンズ(変換手段)
15 放熱体
17 光源回動機構
20 光路切替手段
21 回転ミラー(回動反射手段)
22 左拡散ミラー(第1反射手段、拡散手段)
23 右反射ミラー(第2反射手段)
24 拡散レンズ(拡散手段)
26 左拡散ミラー(第3反射手段、拡散手段)
27 右反射ミラー(第4反射手段)
30 光路
31 第1光路
32 第2光路
P 被記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を載置可能な載置手段と、
紫外線の露光により硬化するインクを、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対して吐出するための印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを、載置手段とは所定距離離れた移動面内の走査方向一方側及び他方側に往復移動させるための印刷ヘッド搬送手段と、
前記印刷ヘッドの端面に、前記移動面内において前記走査方向と直交する直交方向に沿って配列され、前記インクをそれぞれ吐出する複数のノズル孔と、
前記印刷ヘッドのノズル孔よりも前記端面とは反対側に前記直交方向に亘って配列され、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に照射するための紫外線を発生する複数の発光素子と、
前記印刷ヘッドの前記反対側に設けられ、前記複数の発光素子から発生された前記紫外線の前記被記録媒体へ至るまでの光路の終端部を、前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側を通過する第1光路と前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側を通過する第2光路とに切替可能な光路切替手段と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録装置において、
前記複数の発光素子を設けた基板の、前記直交方向の一方側又は他方側に接続された放熱体を有する
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の記録装置において、
前記複数の発光素子は、
前記印刷ヘッド前記反対側において、前記端面とは略反対方向に前記紫外線を出射し、
前記光路切替手段は、
前記複数の発光素子の前記反対側に設けられ、前記略反対に出射された紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側の前記反対側へ所定の反射角で反射する第1の回動状態、及び、前記略反対に出射された紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側の前記反対側へ所定の反射角で反射する第2の回動状態、へ切り替え可能に回動する回動反射手段と、
前記第1の回動状態にある前記回動反射手段から反射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側へ所定の反射角で反射して前記第1光路を生成する第1反射手段と、
前記第2の回動状態にある前記回動反射手段から反射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側へ所定の反射角で反射して前記第2光路を生成する第2反射手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項3記載の記録装置において、
前記回動反射手段が前記第1の回動状態と前記第2の回動状態との間で切り替えられている途中では前記紫外線の照射を中止するように、前記複数の発光素子を制御する照射制御手段を有する
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の記録装置において、
前記複数の発光素子は、
前記印刷ヘッドの前記反対側において、略反対に前記紫外線を出射し、
前記光路切替手段は、
前記複数の発光素子を、前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側の前記反対側へ紫外線を出射する第1の回動位置、及び、前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側の前記反対側へ紫外線を出射する第2の回動位置、へ切り替え可能に回動する光源回動機構と、
前記第1の回動位置にある前記複数の発光素子から出射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側へ所定の反射角で反射して前記第1光路を生成する第3反射手段と、
前記第2の回動位置にある前記複数の発光素子から出射された前記紫外線を入射し前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側へ所定の反射角で反射して前記第2光路を生成する第4反射手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の記録装置において、
前記複数の発光素子の近傍に設けられ、各発光素子から広がりながら発光された光を略平行光へと変換する変換手段と、
前記第1光路及び前記第2光路にそれぞれ設けられた、前記略平行光を所定の角度で広げる拡散手段と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項6記載の記録装置において、
前記発光素子の光源部分が間隔をあけて複数あり、前記変換手段が複数あることを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項7記載の記録装置において、
複数の前記変換手段が、別々の前記発光素子から照射された紫外線を略平行光へと変換することを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8記載の記録装置において、
複数の前記変換手段が、前記光路切替手段による光路切替よりも上流側の光路に設けられ、別々の前記発光素子から照射された紫外線を略平行光へと変換することを特徴とする記録装置。
【請求項10】
請求項8記載の記録装置において、
複数の前記変換手段が、前記発光素子と同数配置され、別々の前記発光素子から照射された紫外線を略平行光へと変換することを特徴とする記録装置。
【請求項11】
請求項6記載の記録装置において、
前記発光素子が複数あり、前記変換手段が1つ設けられることを特徴とする記録装置。
【請求項12】
請求項2乃至請求項11のいずれか1項記載の記録装置において、
前記発光素子による前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対する照射領域の形状が前記走査方向に直交する線に関して対象形状であることを特徴とする記録装置。
【請求項13】
請求項2乃至請求項12記載の記録装置において、
前記発光素子による前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対する照射領域の形状が、前記第1光路を経由した発光素子による照射領域と前記第2光路を経由した発光素子による照射領域とで同じであることを特徴とする記録装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の記録装置において、
前記印刷ヘッドのノズル孔より前記端面とは反対側は上方であり、前記略反対側は略上方であることを特徴とする記録装置。
【請求項15】
被記録媒体を載置可能な載置手段と、
紫外線の露光により硬化するインクを、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に対して吐出するための印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを、載置手段とは所定距離離れた移動面内の走査方向一方側及び他方側に往復移動させるための印刷ヘッド搬送手段と、
前記印刷ヘッドの端面に、前記移動面内において前記走査方向と直交する直交方向に沿って配列され、前記インクをそれぞれ吐出する複数のノズル孔と、
前記印刷ヘッドのノズル孔よりも前側に前記直交方向に亘って配列され、前記載置手段が載置した前記被記録媒体に照射するための紫外線を発生する複数の発光素子と、
前記印刷ヘッドの前記前側に設けられ、前記複数の発光素子から発生された前記紫外線の前記被記録媒体へ至るまでの光路の終端部を、前記印刷ヘッドの前記走査方向一方側を通過する第1光路と前記印刷ヘッドの前記走査方向他方側を通過する第2光路とに切替可能な光路切替手段と、
を有することを特徴とする記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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