説明

記録装置

【課題】廃熱を有効利用することを目的としている。
【解決手段】前記定着部において発生した熱を含む当該記録装置内の廃熱を電力に変換して出力する熱電変換部と、前記熱電変換部の出力を昇圧する昇圧部と、前記昇圧部を介して前記熱電変換部より得られた電力を蓄電する蓄電池と、前記昇圧部を介して前記熱電変換部より得られた電力と前記蓄電池に蓄電された電力とを結合して前記定着部へ電力を供給する合成部と、前記昇圧部の出力先として、前記蓄電池又は前記合成部の何れか一方を選択させる第一の切換部と、前記蓄電池の充放電を選択させる充放電切換部と、前記定着部の電力源として、商用電源から得た電力又は前記合成部により合成された電力の何れか一方か、又はオフとするかを選択させる第二の切換部と、前記第一の切換部と、前記第二の切換部と、前記充放電切換部とを制御する制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を記録紙に熱定着させる定着部を有する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の複写機、ファクシミリ、プリンタ、コピー・ファクシミリ複合機等の画像形成装置には、CPU内のマイクロプロセッサ、画像形成装置の有すね記録装置内の定着器等、それ自身の処理動作を行う際に熱を発生する種々の発熱機器がある。
【0003】
これらの発熱機器が発生させた廃熱は、装置内部の温度上昇による装置の誤動作を防ぐために、通気孔から装置外へ放出されたり、ファン等を使用して装置外へ排出されることが一般的である。
【0004】
従来では、廃熱を有効利用することが考えられていた。例えば特許文献1には、装置の廃熱を熱電変換して蓄電池に蓄電し、起動時に放電する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のように、例えば熱電変換素子の出力をそのまま蓄電池に充電する場合、廃熱温度が低くなると熱電変換素子からの出力電圧が蓄電池の出力電圧より低くなり、蓄電池への充電ができなくなる。したがって廃熱の有効利用ができていない。尚廃熱温度が低くなるときとは、例えば画像形成装置が省エネルギーモードへ移行した場合等である。
【0006】
また上記従来のように、省エネルギーモードを有する画像形成装置では、廃熱から変換したエネルギーを画像形成装置の起動時に放電するだけでは、十分に廃熱エネルギーの有効利用ができていないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、廃熱を有効利用することが可能な記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成すべく以下の如き構成を採用した。
【0009】
本発明は、トナー像を記録紙に熱定着させる定着部を有する記録装置であって、前記定着部において発生した熱を含む当該記録装置内の廃熱を電力に変換して出力する熱電変換部と、前記熱電変換部の出力を昇圧する昇圧部と、前記昇圧部を介して前記熱電変換部より得られた電力を蓄電する蓄電池と、前記昇圧部を介して前記熱電変換部より得られた電力と前記蓄電池に蓄電された電力とを結合して前記定着部へ電力を供給する合成部と、前記昇圧部の出力先として、前記蓄電池又は前記合成部の何れか一方を選択させる第一の切換部と、前記蓄電池の充放電を選択させる充放電切換部と、前記定着部の電力源として、商用電源から得た電力又は前記合成部により合成された電力の何れか一方か、又はオフとするかを選択させる第二の切換部と、前記第一の切換部と、前記第二の切換部と、前記充放電切換部とを制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、廃熱を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第一の実施形態の画像形成装置の構成の概略を説明する図である。
【図2】第一の実施形態の画像形成装置の熱電変換制御部を説明する図である。
【図3】第一の実施形態の熱電変換制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第一の実施形態の熱電変換制御部における切換制御を説明する第一の図である。
【図5】第一の実施形態の熱電変換制御部における切換制御を説明する第二の図である。
【図6】第二の実施形態の熱電変換制御部の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、熱電変換された電圧を昇圧する。また本発明では、画像形成装置の待機状態にあるときに定着ヒータの電力源を蓄電池に蓄電された電力とする。
【0013】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態を説明する。図1は、第一の実施形態の画像形成装置の構成の概略を説明する図である。
【0014】
本実施形態の画像形成装置100は、熱定着式の記録装置である。本実施形態の画像形成装置100は、スキャン部21により光源を原稿に照射しながら原稿を走査し、原稿からの反射光を3ラインCCD(Charge Coupled Device)センサにより画像を読み取る。読み取られた画像は、画像処理ユニットによりスキャナγ補正、色変換、画像分離、階調補正処理等の画像処理が施された後、画像書き込みユニット20へ送られる。画像書き込みユニット20では、画像データに応じてLD(Laser Diode)の駆動を変調する。感光体ユニット30では、一様に帯電された回転する感光体ドラム31にLDからのレーザビームにより静電潜像が書き込まれ、現像ユニット40によりトナーが付着されて顕像化される。
【0015】
感光体ドラム上に形成された画像は、中間転写部50の中間転写ユニットの中間転写ベルト51上に転写される。画像形成装置100においてフルカラーコピーが実行された場合、中間転写ベルト51上には4色(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)のトナー像が順次重ねられる。全ての色の作像と転写が終了した時点で、中間転写ベルト51とタイミングを合わせて給紙トレイ60から記録紙が給紙され、二次転写部70で中間転写ベルト51から記録紙へトナー像が二次転写される。トナー像が転写された記録紙は、搬送部80を経て定着部90へ送られ、トナー像が記録紙に定着された後に排紙される。
【0016】
本実施形態の定着部90においてトナー像を記録紙に定着させる場合、例えば後述する定着ヒータ91により定着ローラ92を加熱し、加熱された定着ローラ92と加圧ローラとによりトナー像を記録紙に定着させる。また本実施形態の定着部90は、定着ローラ92の温度を検出する温度センサ93を有する。
【0017】
本実施形態では、定着部90において生じる画像形成装置100内の廃熱をエネルギーとして蓄電池に充電する熱電変換制御部を有しており、熱電変換制御部により廃熱を有効に利用する。
【0018】
図2は、第一の実施形態の画像形成装置の熱電変換制御部を説明する図である。本実施形態の画像形成装置100の有する熱電変換制御部300は、定着部90と接続されている。
【0019】
本実施形態の定着部90の定着ヒータ91はAC(Alternating Current)駆動型で、定着ローラ92の中に収められている。また定着ローラ92には、温度検出素子93が取り付けられている。
【0020】
本実施形態の熱電変換制御部300は、熱電変換部310、昇圧回路320、合成部330、DC(Direct Current)/ACコンバータ340、制御部350、蓄電池360、充電量検出部370、逆流防止部D1、換スイッチSW1、切換スイッチSW2、制御スイッチSW3、充放電切換スイッチSW4を有する。
【0021】
熱電変換部310は、画像形成装置100内の廃熱を電力に変換する。昇圧回路320は、熱電変換部310から出力される電圧を昇圧する。逆流防止部D1は、昇圧回路320の出力の逆流を防止するダイオードである。
【0022】
合成部330は、昇圧回路320からの出力と、蓄電池360からの出力とを合成する。DC/ACコンバータ340は、合成部330の出力を直流から交流へ変換する。制御部350は、各切換スイッチの切換制御、蓄電池360の状態の制御等を行う。蓄電池360は、熱電変換部310により変換された電力を蓄電する。充電量検出部370は、蓄電池360に蓄電された電力の蓄電量(充電量)を検出する。
【0023】
切換スイッチSW1の入力は、逆転防止部D1の出力と接続されている。切換スイッチSW1の一方の出力が合成部330と接続されており、他方の出力は充放電切換スイッチSW4を介して蓄電池360に接続されている。本実施形態の切換スイッチSW1は、制御部350からの制御信号に基づき、昇圧回路320の出力を合成部330に供給するか、又は蓄電池360に供給するかを切り換える。
【0024】
切換スイッチSW2の一方の入力は、商用電源(AC)に接続されており、他方の入力はDC/AC340の出力と接続されている。切換スイッチSW2の出力は、制御スイッチSW3を介して定着部90の定着ヒータ91に接続されている。切換スイッチSW2は、制御部350からの制御信号に基づき、定着部90の電力の供給源を商用電源とするか、又は熱変換制御部300とするかを切り換える。
【0025】
制御スイッチSW3の入力は切換スイッチSW2の出力と接続されており、制御スイッチSW3の出力は定着ヒータ91と接続されている。制御スイッチSW3は、制御部350からの制御信号に基づき、切換スイッチSW2と定着ヒータ91との接続/遮断を切り換える。
【0026】
充放電切換スイッチSW4は、蓄電池360と接続されており、蓄電池360は充放電を切り換える。充放電切換スイッチSW4により、蓄電池360と切換スイッチSW1の出力とが接続されると、蓄電池360には熱電変換部310により変換された電力が蓄電される。充放電切換スイッチSW4により、蓄電池360と合成部330の入力とが接続されると、蓄電池360に蓄電された電力が合成部330へ放電される。
【0027】
以下に図3を参照して本実施形態の熱電変換制御部300の動作を説明する。図3は、第一の実施形態の熱電変換制御部の動作を説明するフローチャートである。図3の例では、画像形成装置100が省エネルギーモードにある場合に印刷命令を受けた場合を示している。
【0028】
画像形成装置100の省エネルギーモードにおいて印刷命令を受けると(ステップS301)、画像形成装置100はウォームアップを行う(ステップS302)。尚本実施形態における省エネルギーモードとは、電力消費を抑えた状態であり、画像形成装置100が待機状態のまま一定時間が経過すると自動的に移行するモードである。また本実施形態のウォームアップとは、省エネルギーモードからの復帰時又は電源投入時から印刷が可能な状態になるまでの一連の処理である。
【0029】
ウォームアップが終了すると、画像形成装置100は印刷動作を開始する(ステップS303)。印刷動作が開始されると、本実施形態の熱電変換制御部300は、制御部350は、熱電変換部310により変換された電力により蓄電池360を充電する(ステップS304)。
【0030】
具体的には制御部350は、切換スイッチSW1の出力を充放電切換スイッチSW4と接続させ、充放電切換スイッチSW4により蓄電池360を切換スイッチSW1と接続させる。また制御部350は、切換スイッチSW2の入力を商用電源と接続させる。本実施形態では、この切換制御により、熱電変換部310にて変換された電力は、昇圧回路320にて昇圧され、逆流防止部D1と切換スイッチSW1、充放電切換スイッチSW4を介して蓄電池360へ蓄電される。また定着ヒータ91には、切換スイッチSW2と制御スイッチSW3を介して商用電源から電力が供給される。
【0031】
すなわち本実施形態の熱電変換制御部300では、画像形成装置100が印刷動作を行っている場合は、商用電源を定着ヒータ91の電力源とする。
【0032】
続いて画像形成装置100は、印刷動作が終了すると(ステップS305)、待機状態となる(ステップS306)。尚本実施形態では、待機状態となることを省エネルギーモードへの移行の開始とする。本実施形態の熱電変換制御部300は、画像形成装置100が待機状態になると、蓄電池360に蓄電された電力を放電する(ステップS307)。
【0033】
具体的には制御部350は、切換スイッチSW1の出力を合成部330の一方の入力と接続させ、充放電切換スイッチSW4により蓄電池360を合成部330の他方の入力と接続させる。また制御部350は、切換スイッチSW2の入力をDC/ACコンバータ340の出力と接続させる。
【0034】
本実施形態では、この切換制御により、熱電変換部310にて変換された電力は、昇圧回路320にて昇圧され、逆流防止部D1と切換スイッチSW1を介して合成部330へ供給される。また蓄電池360に蓄電された電力は、充放電切換スイッチSW4を介して合成部330へ供給される。合成部330は、これらの電力を合成し、DC/ACコンバータ340へ出力する。DC/ACコンバータ340の出力は、切換スイッチSW2を介して定着ヒータ91に供給される。
【0035】
すなわち本実施形態の熱電変換制御部300では、画像形成装置100が待機状態である場合は、熱電変換部310で変換された電力と蓄電池360に蓄電された電力とを定着ヒータ91の電力源とする。
【0036】
続いて熱電変換制御部300は、制御部350により、温度センサ93の出力に基づき定着ローラ92の温度が所定温度Tより低いか否かを判断する(ステップS308)。ステップS308において所定温度Tより低い場合、熱電変換制御部300は、制御部350により定着ヒータ91の電源を商用電源に切り換えて(ステップS309)、後述するステップS310へ進む。
【0037】
具体的には制御部350は、切換スイッチSW1の出力を充放電切換スイッチSW4と接続させ、充放電切換スイッチSW4により蓄電池360を切換スイッチSW1と接続させる。また制御部350は、切換スイッチSW2の入力を商用電源と接続させる。この切換制御により、定着ヒータ91の電源は商用電源となる。
【0038】
ステップS308において所定温度T以下の場合、ステップS310へ進む。画像形成装置100は、待機状態となってから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS310)。ステップS310において所定時間が経過した場合、画像形成装置100は、待機状態から省エネルギーモードへ移行する(ステップS311)。ステップS310において所定時間が経過していない場合、ステップS308へ戻る。
【0039】
画像形成装置100が省エネルギーモードへ移行すると、制御部350は、熱電変換部310により変換された電力により蓄電池360を充電する(ステップS312)。ステップS312における切換制御は、ステップS304と同様である。
【0040】
以下に図4、図5を参照して本実施形態の切換制御について説明する。図4は、第一の実施形態の熱電変換制御部における切換制御を説明する第一の図である。図4は、省エネルギーモード中に印刷命令を受けて印刷動作し、省エネルギーモードへ移行するまで待機状態が維持されて再び省エネルギーモードへ移行する場合の動作を示す。
【0041】
図4のタイミングT1において、画像形成装置100が印刷命令を受けると、画像形成装置100はウォームアップを開始する。画像形成装置100は、タイミングT2でウォームアップが終了し、印刷動作を開始する。このタイミングT2で、熱電変換制御部300は、制御部350により切換スイッチSW2の入力を商用電源と接続させる。この切換により、定着ヒータ91の電力源は商用電源となる。またタイミングT2では、切換スイッチSW1の出力は充放電切換スイッチSW4と接続されており、充放電切換スイッチSW4は蓄電池360と切換スイッチSW1とを接続している。よって熱電変換部310により廃熱から変換された電力は、蓄電池360へ充電される。
【0042】
タイミングT2から開始した印刷動作がタイミングT3において終了すると、画像形成装置100は待機状態に入る。このタイミングT3において、熱電変換制御部300は、制御部350により、図3のステップS307で説明した切換制御を行う。この切換制御により、定着ヒータ91の電力源は熱電変換部310により廃熱から変換された電力と、蓄電池360に蓄電された電力となる。すなわち本実施形態では、画像形成装置100が待機状態となったときに、蓄電池360に蓄電された電力が放電される。
【0043】
画像形成装置100がタイミングT3で待機状態となってから所定時間が経過し、タイミングT4で省エネルギーモードに移行すると、熱電変換制御部300は、制御部350により図3のステップS312で説明した切換制御を行う。すなわち本実施形態では、画像形成装置100が省エネルギーモードへ移行したときに、蓄電池360の充電が開始され、定着ヒータ91への通電を停止させる。本実施形態では、これにより、省エネルギーモードにおける画像形成装置100の消費電力を削減することができる。
【0044】
図5は、第一の実施形態の熱電変換制御部における切換制御を説明する第二の図である。図5では、省エネルギーモード中に印刷命令を受けて印刷動作し、待機状態の後に再び省エネルギーモードへ移行する前に、印刷命令を受けて印刷動作をする場合を示す。
【0045】
図5では、画像形成装置100においてウォームアップが終了した後は、省エネルギーモードに移行しない。ここで本実施形態では、画像形成装置100が待機状態となったとき蓄電池360に蓄電された電力を放電する。尚待機状態から省エネルギーモードへ移行するまでの所定時間(以下、省エネ移行時間)は、画像形成装置100において任意に設定することができる。
【0046】
以上に説明したように、本実施形態によれば、例えば起動時にのみ蓄電池から放電する構成の従来の画像形成装置と比べて、蓄電池360に蓄電された電力を放電する機会が十分に与えられることになり、廃熱から変換された電力を効率的に利用することができる。
【0047】
また本実施形態では、昇圧回路320を有するため、廃熱温度が低くなった場合でも、熱電変換分310からの出力電圧が蓄電池360の出力電圧より低くなり、蓄電池への充電ができなくなる。したがって廃熱を効率的に電力へ変換することができる。
【0048】
尚本実施形態の蓄電池360の電池容量は、省エネ移行時間内に定着ヒータ91を所定の温度まで上昇させるのに必要な電力以上の容量であることが好ましい。
【0049】
このようにすれば、本実施形態の画像形成装置100は、国際エネルギスタプログラムで定められた試験方法による消費電力の測定において、消費電力を削減できる。尚国際エネルギスタプログラムで定められた試験方法とは、画像形成装置100の出荷時の省エネ移行時間の消費電力を測定する方法である。
【0050】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態では、待機状態において、蓄電池360の充電量が所定電圧より少なくなると、定着ヒータ91の電力源を商用電源側に切り換える点のみ、第一の実施形態と相違する。よって以下の本実施形態の説明では、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0051】
図6は、第二の実施形態の熱電変換制御部の動作を説明するフローチャートである。図6のステップS601からステップS607までの処理は、図3のステップS301からステップS307までの処理と同様であるから説明を省略する。
【0052】
ステップ607に続いて制御部350は、充電量検出部370により検出された蓄電池360の充電量が所定値Vより小さいか否かを判断する(ステップS608)。
【0053】
ステップS608において充電量が所定値Vより小さい場合、制御部350は図3のステップS309と同様の切換制御を行う(ステップS609)。ステップS608において充電量が所定値V以上である場合、制御部350はステップS610へ進む。ステップS610からステップS612までの処理は、図3のステップS310からステップS312までの処理と同様であるから説明を省略する。
【0054】
したがって本実施形態では、第一の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0055】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0056】
90 定着部
91 定着ヒータ
92 定着ローラ
100 画像形成装置
300 熱電変換制御部
310 熱電変換部
320 昇圧回路
350 制御部
360 蓄電池
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2005−17658号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を記録紙に熱定着させる定着部を有する記録装置であって、
前記定着部において発生した熱を含む当該記録装置内の廃熱を電力に変換して出力する熱電変換部と、
前記熱電変換部の出力を昇圧する昇圧部と、
前記昇圧部を介して前記熱電変換部より得られた電力を蓄電する蓄電池と、
前記昇圧部を介して前記熱電変換部より得られた電力と前記蓄電池に蓄電された電力とを結合して前記定着部へ電力を供給する合成部と、
前記昇圧部の出力先として、前記蓄電池又は前記合成部の何れか一方を選択させる第一の切換部と、
前記蓄電池の充放電を選択させる充放電切換部と、
前記定着部の電力源として、商用電源から得た電力又は前記合成部により合成された電力の何れか一方か、又はオフとするかを選択させる第二の切換部と、
前記第一の切換部と、前記第二の切換部と、前記充放電切換部とを制御する制御部と、を有する記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記定着部による熱定着を行う場合は、
前記昇圧部の出力先が前記蓄電池となるように前記第一の切換部を制御し、
前記昇圧部の出力が前記蓄電池に充電されるように前記充放電切換部を制御し、
前記定着部の電力源が前記商用電源から得た電力となるように前記第二の切換部を制御する請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、当該記録装置が待機状態となったとき、
前記昇圧部の出力先が前記合成部となるように前記第一の切換部を制御し、
前記蓄電池に蓄電された電力が放電されるように前記充放電切換部を制御し、
前記定着部の電力源が前記合成部から得た電力となるように前記第二の切換部を制御する請求項1又は2記載の記録装置。
【請求項4】
前記定着部は、
定着ローラと、電力が供給されて前記定着ローラを加熱する定着ヒータと、前記定着ローラの温度を検出する温度検出部と、を有し、
前記制御部は、
前記定着ローラの温度が所定温度より小さいとき、前記定着部の電力源が前記商用電源から得た電力となるように前記第二の切換部を制御する請求項3記載の記録装置。
【請求項5】
前記蓄電池の充電量を検出する充電量検出部を有し、
前記制御部は、
前記充電量が所定量より小さいとき、前記定着部の電力源が前記商用電源から得た電力となるように前記第二の切換部を制御する請求項3記載の記録装置。
【請求項6】
前記制御部は、当該記録装置が省エネルギーモードとなったとき、
前記昇圧部の出力先が前記蓄電池となるように前記第一の切換部を制御し、
前記昇圧部の出力が前記蓄電池に充電されるように前記充放電切換部を制御し、
前記定着部の電力源がオフされるように前記第二の切換部を制御する請求項1ないし5の何れか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記蓄電池は、当該記録装置が待機状態となってから省エネルギーモードに移行するのまでの間に前記定着ローラを所定の温度まで上昇させることが可能な容量を備えている請求項6記載の記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−61456(P2013−61456A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199251(P2011−199251)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】