説明

設備仮設装置

【課題】 仮設用設備を容易に設置することができるとともに、設置場所の自由度を高めることができる設備仮設装置を提供する。
【解決手段】 仮設用設備12が取り付けられるポール4と、ポール4を支持するための支持手段6と、を備える。支持手段6は、ベースフレーム16と、ベースフレーム16に回転自在に取り付けられた支持フレーム18と、を有し、支持フレーム18は、ベースフレーム16に沿って折り畳まれる折畳位置と、ベースフレーム16より立設される使用位置との間を回転自在に構成されている。支持フレーム18が使用位置に位置付けられた状態で、ポール4の下端部はベースフレーム16に着脱自在に支持され、ポール4の下端部よりも上側の部位は支持フレーム18に着脱自在に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば照明器具等の仮設用設備を設置するための設備仮設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば地震等の被災地や屋外のイベント会場等においては、暗がりを照らすための仮設用街路灯を設置する場合がある。従来の仮設用街路灯は、支柱と、支柱の上端部に取り付けられた仮設用設備としての照明器具と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この仮設用街路灯を設置する際には、まず、設置場所となる地面を所定深さまで掘削し、支柱を略垂直に立てた状態で、その下端部を地中に埋め込んで固定する。その後、照明器具から延びる配線を非常用電源等に電気的に接続する。非常用電源等からの所定の電力が配線を介して照明器具に供給されることにより、照明器具が点灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−116889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の仮設用街路灯では、次のような問題がある。支柱の大きさや重量は大がかりなものであるため、支柱を設置場所まで運搬する作業や、支柱を略垂直に立ててその下端部を地中に埋め込む作業等を容易に行うことができない。また、支柱の下端部を地中に固定するために地面を掘削しなければならないため、地面が例えばアスファルトや泥濘である場所には支柱を設置することができず、設置場所の自由度が低下してしまう。
【0006】
本発明の目的は、仮設用設備を容易に設置することができるとともに、設置場所の自由度を高めることができる設備仮設装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の設備仮設装置では、仮設用設備が取り付けられるポールと、前記ポールを支持するための支持手段と、を備えた設備仮設装置であって、
前記支持手段は、ベースフレームと、前記ベースフレームに回転自在に取り付けられた支持フレームと、を有し、前記支持フレームは、前記ベースフレームに沿って折り畳まれる折畳位置と、前記ベースフレームより立設される使用位置との間を回転自在に構成されており、
前記支持フレームが前記使用位置に位置付けられた状態で、前記ポールの下端部は前記ベースフレームに着脱自在に支持され、前記ポールの下端部よりも上側の部位は前記支持フレームに着脱自在に支持されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の設備仮設装置では、前記ベースフレームには、前記ポールの下端部を着脱自在に支持するための第1ポール支持部が設けられ、前記支持フレームには、前記ポールの下端部よりも上側の部位を着脱自在に支持するための第2ポール支持部が設けられており、
前記第1ポール支持部は、前記ベースフレームに対して回転自在に構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の設備仮設装置では、前記支持フレームは第1支持フレーム及び第2支持フレームを有し、前記第1支持フレーム及び前記第2支持フレームはそれぞれ、前記折畳位置と前記使用位置との間を回転自在に構成されており、
前記支持フレームに関連して、前記第1支持フレームと前記第2支持フレームとを相互に連結する連結部材が設けられ、前記連結部材には、前記仮設用設備に電力を供給するための太陽電池パネルが着脱自在に支持されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の設備仮設装置では、前記仮設用設備は照明器具であり、前記ベースフレーム又は前記支持フレームには、前記太陽電池パネルからの電力を蓄えるための蓄電手段が取り付けられ、前記蓄電手段に蓄えられた電力は、前記照明器具に供給されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の設備仮設装置では、前記ベースフレームは、第1ベースフレームと、前記第1ベースフレームに引き出し自在に収容される第2ベースフレームと、を有し、前記第1ベースフレームには、前記支持フレームが回転自在に取り付けられ、
前記第2ベースフレームは、前記第1ベースフレームに収容される収容位置と、前記第1ベースフレームから引き出される引出位置とに保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の設備仮設装置によれば、支持手段の支持フレームは、ベースフレームに沿って折り畳まれる折畳位置と、ベースフレームより立設される使用位置との間を回転自在に構成されている。これにより、支持フレームを折畳位置から使用位置に回転させた状態で、ポールをベースフレーム及び支持フレームに支持させることにより、設備仮設装置の設置を容易に行うことができる。また、ポールの下端部がベースフレームに支持されるとともに、ポールの下端部よりも上側の部位が支持フレームに支持されるので、ポールを支持手段に安定して支持させることができる。また、設備仮設装置の設置場所となる地面に支持手段のベースフレームを設置(載置)すればよく、地面が例えばアスファルトや泥濘等であっても容易に設置することができ、設備仮設装置の設置場所の自由度を高めることができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の設備仮設装置によれば、ベースフレームに設けられた第1ポール支持部は、ベースフレームに対して回転自在に構成されている。ポールを支持手段に支持させる際には、第1ポール支持部をベースフレームに対して所定方向に回転させることにより、ポールを傾斜させた状態でその下端部を第1ポール支持部に支持させることができる。その後、第1ポール支持部をベースフレームに対して上記所定方向と反対方向に回転させることにより、ポールを傾斜状態から直立状態にすることができる。これにより、ポールの長さが比較的長い場合であっても、ポールを支持手段に支持させる作業を容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の設備仮設装置によれば、第1支持フレームと第2支持フレームとを相互に連結する連結部材が設けられ、この連結部材には、仮設用設備に電力を供給するための太陽電池パネルが着脱自在に支持される。このように、連結部材を太陽電池パネルの支持手段として用いることによって、太陽電池パネルを支持するための専用部品等を省略することができ、設備仮設装置の構造を簡素化することができる。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載の設備仮設装置によれば、ベースフレーム又は支持フレームには、太陽電池パネルからの電力を蓄えるための蓄電手段が取り付けられ、蓄電手段に蓄えられた電力は、仮設用設備としての照明器具に供給される。これにより、設備仮設装置を仮設用街路灯として用いることができる。また、日中には、太陽電池パネルにて発電された電力が蓄電手段に蓄えられ、夜間には、蓄電手段に蓄えられた電力が照明器具に供給されるので、電力確保の困難な場所であっても照明器具を点灯させることができる。
【0016】
また、本発明の請求項5に記載の設備仮設装置によれば、第2ベースフレームは、第1ベースフレームに収容される収容位置と、第1ベースフレームから引き出される引出位置とに保持されるので、第2ベースフレームを引出位置に保持することにより、ベースフレームと地面との接触面積が大きくなり、ベースフレームを地面に安定して支持させることができる。また、第2ベースフレームを収容位置に保持することにより、ベースフレーム全体の大きさをコンパクトにすることができ、支持手段の運搬や保管等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による設備仮設装置を示す斜視図である。
【図2】支持手段を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図3】第2ベースフレームを引出位置に位置付けた状態を示す斜視図である。
【図4】第1支持フレームを使用位置に位置付けた状態を示す斜視図である。
【図5】第2支持フレームを使用位置に位置付けた状態を示す斜視図である。
【図6】第1支持フレームと第2支持フレームとを連結アーム部により連結した状態を示す斜視図である。
【図7】ポールを支持手段に支持させる方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う設備仮設装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による設備仮設装置を示す斜視図であり、図2は、支持手段を折り畳んだ状態を示す斜視図であり、図3は、第2ベースフレームを引出位置に位置付けた状態を示す斜視図であり、図4は、第1支持フレームを使用位置に位置付けた状態を示す斜視図であり、図5は、第2支持フレームを使用位置に位置付けた状態を示す斜視図であり、図6は、第1支持フレームと第2支持フレームとを連結アーム部により連結した状態を示す斜視図であり、図7は、ポールを支持手段に支持させる方法を説明するための斜視図である。
【0019】
図1を参照して、図示の設備仮設装置2は、ポール4と、ポール4を着脱自在に支持するための支持手段6と、を備えている。本実施形態では、設備仮設装置2を仮設用街路灯から構成する場合について説明する。以下、設備仮設装置2の構成について詳細に説明する。
【0020】
ポール4は、パイプ状に構成された第1ポール体8及び第2ポール体10を有している。第2ポール体10の外径は第1ポール体8の内径よりも幾分小さく構成され、第2ポール体10は、第1ポール体8の内部に引き出し自在に収容されている。これによりポール4は、第2ポール体10が第1ポール体8の内部に収容される収縮状態(図1において二点鎖線で示す)と、第2ポール体10が第1ポール体8から引き出される伸長状態(図1において実線で示す)とに保持される。なお、ポール4が収縮状態に保持されると、ポール4全体の長さは例えば約2mとなり、ポール4が伸長状態に保持されると、ポール4全体の長さは例えば約4mとなる。
【0021】
ポール4の上端部、即ち第2ポール体10の上端部には、照明器具12(仮設用設備を構成する)が取り付けられている。本実施形態では、照明器具12はLEDタイプの照明器具から構成されており、ケーシング14と、ケーシング14に取り付けられた複数のLED(図示せず)と、を有している。
【0022】
支持手段6は、ベースフレーム16及び支持フレーム18を有している。ベースフレーム16は、第1ベースフレーム20及び第2ベースフレーム22を有している。第1ベースフレーム20は、パイプ状に構成されたフレーム部24a〜24eを有し、これらフレーム部24a〜24eは全体として略日の字状に組み合わされている。フレーム部24a〜24dは全体として略ロの字状に組み合わされ、フレーム部24a及びフレーム部24b、フレーム部24c及びフレーム部24dはそれぞれ相互に対向して配置されている。フレーム部24eは、フレーム部24cとフレーム部24dとの間に架け渡されている。フレーム部24c,24dの各一端部は、外側に幾分突出されている。
【0023】
フレーム部24aの長手方向中央部には、第1ポール支持部26が回転自在に設けられている。この第1ポール支持部26は、可動プレート28と、可動プレート28の片面に設けられた支持筒部30と、を有している。可動プレート28の一端部は、フレーム部24aに回転自在に取り付けられ、その他端部は、フレーム部24eに離脱自在に支持されている。これにより、第1ポール支持部26は、フレーム部24aを中心として第2ベースフレーム22側に回転させることができる(図7参照)。支持筒部30には、ポール4の下端部、即ち第1ポール体8の下端部が着脱自在に挿入されている。
【0024】
フレーム部24bの長手方向両端部にはそれぞれ、支持ブラケット32a,32bが設けられている。また、フレーム部24eの長手方向両端部にはそれぞれ、支持ブラケット34a,34bが設けられている。フレーム部24a及びフレーム部24eには、バッテリ36(蓄電手段を構成する)が着脱自在に支持されている。
【0025】
第2ベースフレーム22は、パイプ状に構成されたフレーム部38a〜38dを有している。第2ベースフレーム22の外径は、第1ベースフレーム20の内径よりも幾分小さく構成されている。フレーム部38a〜38cは全体として略コの字状に組み合わされ、フレーム部38a,38bは相互に対向して配置されている。フレーム部38dは、フレーム部38aとフレーム部38bとの間に架け渡されている。フレーム部38a,38bの各一端部はそれぞれ、第1ベースフレーム20のフレーム部24c,24dの各一端部にスライド移動自在に挿入されている。これにより、第2ベースフレーム22は、第1ベースフレーム20に収容される収容位置(図2参照)と、第1ベースフレーム20から引き出される引出位置(図1及び図3〜図7参照)との間を自在にスライド移動される。
【0026】
支持フレーム18は、第1支持フレーム40及び第2支持フレーム42を有している。第1支持フレーム40は、パイプ状に構成されたフレーム部44a〜44dを有している。フレーム部44a〜44cは全体として略コの字状に組み合わされ、フレーム部44a,44bは相互に対向して配置されている。フレーム部44dは、フレーム部44aとフレーム部44bとの間に架け渡されている。フレーム部44a,44bはそれぞれ伸縮自在に構成され、それらの一端部はそれぞれ、第1ベースフレーム20のフレーム部24eの長手方向両端部に回転自在に取り付けられている。フレーム部44a,44bにはそれぞれ、パイプ状に構成された支持アーム部46a,46bが回転自在に取り付けられている。これら支持アーム部46a,46bの各一端部はそれぞれ、第1ベースフレーム20の第2フレーム部24bに設けられた支持ブラケット32a,32bに固定用ボルト48により着脱自在に固定されている。また、フレーム部44cの長手方向両端部にはそれぞれ、アングル材から構成された連結アーム部50a,50b(連結部材を構成する)が回転自在に構成されている。
【0027】
また、フレーム部44c及びフレーム部44dには、第2ポール支持部52が設けられている。この第2ポール支持部52は、固定プレート54及び支持カバー56を有している。固定プレート54は、フレーム部44c及びフレーム部44dに固定されている。支持カバー56は半円筒状に構成され、固定プレート54に固定用ボルト58により着脱自在に取り付けられている。支持カバー56と固定プレート54との間には、ポール4の下端部よりも上側の部位が着脱自在に支持されている。
【0028】
上述した第1支持フレーム40は、第1ベースフレーム20に沿って折り畳まれる折畳位置(図2及び図3参照)と、第1ベースフレーム20から略垂直に立設される使用位置(図1及び図4〜図7参照)との間を回転自在に構成されている。
【0029】
第2支持フレーム42は、パイプ状に構成されたフレーム部60a〜60cを有している。フレーム部60a〜60cは全体として略コの字状に組み合わされ、フレーム部60a,60bは相互に対向して配置されている。フレーム部60a,60bの各一端部はそれぞれ、第1ベースフレーム20のフレーム部24bの長手方向両端部に回転自在に取り付けられている。フレーム部60a,60bの各他端部にはそれぞれ、パイプ状に構成された支持アーム部62a,62bが回転自在に設けられている。これら支持アーム部62a,62bの各一端部はそれぞれ、第1ベースフレーム20のフレーム部24eに設けられた支持ブラケット34a,34bに固定用ボルト64により着脱自在に固定されている。これにより、第1支持フレーム40及び第2支持フレーム42は、筋交い状に延びる支持アーム部46a,46b及び支持アーム部62a,62bによって支持されるようになる。
【0030】
フレーム部62cの長手方向両端部にはそれぞれ支持ブラケット66a,66bが設けられている。これら支持ブラケット66a,66bにはそれぞれ、連結アーム部50a,50bの各一端部が固定用ボルト67により着脱自在に固定されている。これにより、第1支持フレーム40のフレーム部44cと第2支持フレーム42のフレーム部60cとは、略平行に延びる一対の連結アーム部50a,50bによって相互に連結されるようになる。これら一対の連結アーム部50a,50bには、太陽電池パネル68が着脱自在に支持されている。太陽電池パネル68の裏面には取付金具70が設けられており(図7参照)、この取付金具70を連結アーム部50a,50bに着脱自在に装着することにより、太陽電池パネル68が一対の連結アーム部50a,50bに支持される。太陽電池パネル68からの電力は、バッテリ36に供給されて蓄えられる。
【0031】
上述した第2支持フレーム42は、第1支持フレーム40と同様に、第1ベースフレーム20に沿って折り畳まれる折畳位置(図2〜図4参照)と、第1ベースフレーム20から略垂直に立設される使用位置(図1及び図5〜図7参照)との間を回転自在に構成されている。
【0032】
第1支持フレーム40のフレーム部44cには、コントロールボックス72が着脱自在に支持されている。コントロールボックス72の内部には、電力変換装置(図示せず)が収容されている。この電力変換装置は、バッテリ36に蓄えられた電力を所定の電力に変換した後に、照明器具12の各LEDに供給する。更に、コントロールボックス72には点灯スイッチ74が設けられている。点灯スイッチ74を手動でオンすると、バッテリ36に蓄えられた電力が電力変換装置を介して照明器具12に供給され、照明器具12が点灯される。点灯スイッチ74を手動でオフすると、バッテリ36から照明器具12への電力の供給が遮断され、照明器具12が消灯される。
【0033】
次に、図2〜図7をも参照して、上述した設備仮設装置2の設置方法について説明する。設備仮設装置2を設置する前の状態では、ポール4、太陽電池パネル68、バッテリ36及びコントロールボックス72がそれぞれ支持手段6より取り外され、支持手段6は図2に示すようにして折り畳まれている。即ち、支持アーム部46a,46b(62a,62b)がそれぞれ支持ブラケット32a,32b(34a,34b)から取り外されるとともに、連結アーム部50a,50bがそれぞれ支持ブラケット66a,66bから取り外されている。更に、第1支持フレーム40及び第2支持フレーム42はそれぞれ折畳位置に位置付けられ、第2ベースフレーム22は収容位置に位置付けられている。
【0034】
この状態より、支持手段6を次のようにして組み立てる。まず、第2ベースフレーム22を第1ベースフレーム20から引き出して引出位置に位置付ける(図3参照)。次いで、第1支持フレーム40を第2ベースフレーム22側に(図4中の矢印Pで示す方向)回転させて折畳位置から使用位置に位置付けるとともに(図4参照)、第2支持フレーム42を第2ベースフレーム22側とは反対側(図5中の矢印Qで示す方向)に回転させて折畳位置から使用位置に位置付ける(図5参照)。その後、連結アーム部50a,50bの各一端部をそれぞれ固定用ボルト67により支持ブラケット66a,66bに固定する。更に、支持アーム部46a,46bの各一端部をそれぞれ固定用ボルト48により支持ブラケット32a,32bに固定するとともに、支持アーム部62a,62bの各一端部をそれぞれ固定用ボルト64により支持ブラケット34a,34bに固定する(図6参照)。このようにして、支持手段6の組み立てが完了する。
【0035】
次いで、ポール4を次のようにして支持手段6に支持させる。第2ポール支持部52の支持カバー56を固定プレート54から取り外し、第1ポール支持部26の可動プレート28を第2ベースフレーム22側(図7中の矢印Rで示す方向)に回転させる。この状態で、ポール4を収縮状態から伸長状態に保持させた後に、ポール4の下端部を第1ポール支持部26の支持筒部30に挿入する(図7参照)。その後、第1ポール支持部26の可動プレート28を第2ベースフレーム22側とは反対側(図7中の矢印Sで示す方向)に回転させて、ポール4を傾斜状態から直立状態にする。更にその後、第2ポール支持部52の支持カバー56と固定プレート54との間にポール4の下端部よりも上側の部位を挟み込み、支持カバー56を固定プレート54に固定用ボルト58により固定する。これにより、ポール4の下端部が第1ポール支持部26によりに支持されるとともに、ポール4の下端部よりも上側の部位が第2ポール支持部52により支持されるようになる。
【0036】
その後、太陽電池パネル68を一対の連結アーム部50a,50bに支持させるとともに、バッテリ36を第1ベースフレーム20に支持させ、更にコントロールボックス72を第1支持フレーム40に支持させる。太陽電池パネル68、バッテリ36、コントロールボックス72及び照明器具12を配線(図示せず)で電気的に接続することにより、設備仮設装置2の設置が完了する(図1参照)。
【0037】
日中には、太陽光が太陽電池パネル68に照射されることにより、太陽電池パネル68にて発電された電力がバッテリ36に蓄えられる。夜間には、コントロールボックス72に設けられた点灯スイッチ74を手動でオンすることにより、バッテリ36に蓄えられた電力が電力変換装置を介して照明器具12に供給され、これにより照明器具12が点灯される。
【0038】
設備仮設装置2を設置場所から撤去する際には、上述したのと逆の手順で設備仮設装置2を分解すればよい。まず、太陽電池パネル68、バッテリ36及びコントロールボックス72を支持手段6から取り外す。次いで、第2ポール支持部52の支持カバー56を固定プレート54より取り外し、ポール4を直立状態から第2ベースフレーム22側に傾斜させた状態にし、ポール4の下端部を第1ポール支持部26の支持筒部30より引き抜く。その後、連結アーム部50a,50bをそれぞれ支持ブラケット66a,66bから取り外すとともに、支持アーム部46a,46b(62a,62b)をそれぞれ支持ブラケット32a,32b(34a,34b)から取り外す。更にその後、第2支持フレーム42及び第1支持フレーム40をそれぞれ使用位置から折畳位置に回転させて折り畳み、第2ベースフレーム22を引出位置から収容位置にスライド移動させる。
【0039】
本実施形態の設備仮設装置2では、ポール4が支持手段6によって支持され、この支持手段6を設置場所となる地面に設置すればよいので、地面が例えばアスファルトや泥濘等である場合であっても容易に設置することができ、設置場所の自由度を高めることができる。なお、地面が泥濘である場合には、例えば地面に打ち込んだ杭にベースフレーム16をワイヤ等で括り付けることにより、支持手段6を地面に安定して設置することができる。
【0040】
以上、本発明に従う設備仮設装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0041】
上記実施形態では、仮設用設備を照明器具12から構成したが、これに限られず、例えば防犯カメラやスピーカ、赤色灯、フラッグ(旗)等から構成することもできる。また、上記実施形態では、仮設用設備としての照明器具12をLEDタイプの照明器具から構成したが、蛍光灯タイプの照明器具や電球タイプの照明器具等から構成することもできる。
【0042】
また、上記実施形態では、コントロールボックス72に設けられた点灯スイッチ74を手動でオンすることにより照明器具12を点灯させるように構成したが、例えばコントロールボックス72に照度センサを設けるようにし、太陽が沈んで設備仮設装置2の周囲が暗くなると、照度センサがこれを感知して自動的に照明器具12を点灯させるように構成することもできる。
【0043】
また、コントロールボックス72に非常用コンセントを設けるように構成することもできる。かかる場合には、バッテリ36に蓄えられた電力が電力変換装置によりAC100Vの電力に変換された後に、非常用コンセントに供給される。これにより、例えば電力確保が困難な災害時等に携帯電話機の充電器を非常用コンセントに差し込むことにより、携帯電話機の充電を行うことができる。また、太陽電池パネル68からの電力をバッテリ36に供給する構成に代えて、商用電源からの電力をバッテリ36に供給するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0044】
2 設備仮設装置
4 ポール
6 支持手段
12 照明器具
16 ベースフレーム
18 支持フレーム
20 第1ベースフレーム
22 第2ベースフレーム
26 第1ポール支持部
36 バッテリ
40 第1支持フレーム
42 第2支持フレーム
50a,50b 連結アーム部
52 第2ポール支持部
68 太陽電池パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設用設備が取り付けられるポールと、前記ポールを支持するための支持手段と、を備えた設備仮設装置であって、
前記支持手段は、ベースフレームと、前記ベースフレームに回転自在に取り付けられた支持フレームと、を有し、前記支持フレームは、前記ベースフレームに沿って折り畳まれる折畳位置と、前記ベースフレームより立設される使用位置との間を回転自在に構成されており、
前記支持フレームが前記使用位置に位置付けられた状態で、前記ポールの下端部は前記ベースフレームに着脱自在に支持され、前記ポールの下端部よりも上側の部位は前記支持フレームに着脱自在に支持されることを特徴とする設備仮設装置。
【請求項2】
前記ベースフレームには、前記ポールの下端部を着脱自在に支持するための第1ポール支持部が設けられ、前記支持フレームには、前記ポールの下端部よりも上側の部位を着脱自在に支持するための第2ポール支持部が設けられており、
前記第1ポール支持部は、前記ベースフレームに対して回転自在に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の設備仮設装置。
【請求項3】
前記支持フレームは第1支持フレーム及び第2支持フレームを有し、前記第1支持フレーム及び前記第2支持フレームはそれぞれ、前記折畳位置と前記使用位置との間を回転自在に構成されており、
前記支持フレームに関連して、前記第1支持フレームと前記第2支持フレームとを相互に連結する連結部材が設けられ、前記連結部材には、前記仮設用設備に電力を供給するための太陽電池パネルが着脱自在に支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の設備仮設装置。
【請求項4】
前記仮設用設備は照明器具であり、前記ベースフレーム又は前記支持フレームには、前記太陽電池パネルからの電力を蓄えるための蓄電手段が取り付けられ、前記蓄電手段に蓄えられた電力は、前記照明器具に供給されることを特徴とする請求項3に記載の設備仮設装置。
【請求項5】
前記ベースフレームは、第1ベースフレームと、前記第1ベースフレームに引き出し自在に収容される第2ベースフレームと、を有し、前記第1ベースフレームには、前記支持フレームが回転自在に取り付けられ、
前記第2ベースフレームは、前記第1ベースフレームに収容される収容位置と、前記第1ベースフレームから引き出される引出位置とに保持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の設備仮設装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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