説明

設備機器制御装置、設備機器制御サーバ、設備機器制御方法、設備監視制御システム、および制御機器制御プログラム

【課題】 中央監視制御装置の保守点検時における、中央監視制御装置に接続された各設備機器制御装置での誤動作を簡易な操作で防止することができる設備監視制御装置を提供する。
【解決手段】 設備機器を制御する制御信号を中央監視制御装置(HIS)1から取得して設備機器に出力する制御信号出力モジュール(DO)113と、設備機器への制御信号の出力をロックする出力禁止信号をHIS1から取得すると電源が投入された状態に遷移するキープリレー115と、キープリレー115の電源が投入されると設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック回路116と、キープリレー115に電源が投入された状態であることが検知されるとこの状態を示すキープリレー状態信号を生成してHIS1に通知するDI112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルや工場などの設備機器である負荷装置や開閉器の監視および制御を行う設備機器制御装置、設備機器制御サーバ、設備機器制御方法、設備監視制御システム、および制御機器制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルや工場などの大規模な施設においては、電力供給設備として種々の機器が設置されている。
【0003】
この電力供給設備として設置される機器には、電力会社からの特高電圧を供給用電圧に降下する変圧器、変圧器や負荷装置の保護および保守点検のための遮断機、断路器等の開閉器、これらの機器の電流、電圧、力率測定などに用いる計測器、および機器異常を検出する保護継電器などがある。
【0004】
これらの装置の数は、施設の規模にもよるが、数百から数万に上る場合もある。
【0005】
大規模な施設においてこのように多数の電源供給設備機器が設置されている場合、これらの機器の動作を制御する複数の機器制御装置と、この複数の機器制御装置を統括して監視・制御する中央監視制御装置がさらに設置されることにより、施設内の設備を管理するシステムが構成される。
【0006】
このように構成された管理システムの一例として、特許文献1に記載のビル管理システムがある。
【0007】
このビル管理システムでは、中央監視制御装置として機能する自立分散コントローラに、設備負荷を制御する制御用端末やセンサやスイッチ等の入力要素の状態を監視する監視用端末がネットワークを介して接続されることにより、施設内の設備負荷等の監視および制御を行っている。
【0008】
このように施設内を監視制御するシステムを構築することにより、例えば中央監視制御装置において施設内に点在する各開閉器の開閉状態の監視信号、故障信号等を取り込むとともに開閉制御信号の出力や故障時の警報発令を行うことが可能であり、一括して施設内の多数の各設備機器を管理することができ、安定した電力供給を行うことができる。
【0009】
また、これらの施設の各機器に対する保守・点検を行う際に、操作員が中央監視制御装置から遠隔操作を行うことにより、対象となる装置を無電圧、無電流状態に設定することができる。
【特許文献1】特開2003−284160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、この中央監視制御装置自身の保守点検を行う場合、この中央監視制御装置の電源を遮断、再投入する必要があり、電源が再投入された際に末端の機器制御装置において誤動作が起こる可能性があるという問題があった。
【0011】
この誤作動とは具体的には、受電用開閉器を制御する機器制御装置における初期化処理時の不備により起こる、予期せぬ電源の遮断等である。
【0012】
予期せぬ電源の遮断等により停電が起こると、機器制御装置の位置によっては施設運用上の損害や電子機器(発電機、エレベータ等)のトラブル、火災など、設備だけでなく人命にも関わる大事故の発生原因にもなりかねないため、これらの電子機器や特高受電部など施設全体の電力供給に大きな影響を及ぼす部位に設置された設備制御装置では、特に信頼性および確実性が要求される。
【0013】
そこで、中央監視制御装置の保守点検を行う際に、予め設備制御装置において外部から信号を受け付けないようにモードを切り替えることにより誤作動を確実に防止することができるが、このモードの切り替えは操作員が各設備制御装置の場所に行って手動で行わなければならず、手間がかかるという問題があった。
【0014】
よって本発明の目的は、施設内の複数の設備機器制御装置を中央監視制御装置で統括して管理する管理システムにおいて、中央監視制御装置の保守点検時における各設備機器制御装置での誤動作を簡易な操作で防止することができる設備機器制御装置、設備機器制御サーバ、設備機器制御方法、設備監視制御システム、および制御機器制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明の設備機器制御装置は、施設内に設置された設備機器に接続されるとともに、複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する中央監視制御装置に接続されたものであり、前記設備機器を制御する制御信号を前記中央監視制御装置から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力モジュールと、前記制御信号出力モジュールから前記設備機器への前記制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を前記中央監視制御装置から取得すると、電源が投入された状態に遷移するキープリレーと、前記キープリレーが電源が投入された状態に遷移すると、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック回路と、前記キープリレーに電源が投入されると閉路する第1状態入力回路と、前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記中央監視制御装置に前記第1の状態信号を送信する状態信号入力モジュールとを備えることを特徴とする。
【0016】
また、この設備機器制御装置は、前記ロック回路が前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると、電源が切断された状態に遷移する補助リレーを有し、前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第2状態入力回路をさらに有し、前記状態信号入力モジュールは、前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記第1の状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号および前記第2の状態信号を前記中央監視制御装置に送信するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の設備機器制御サーバは、施設内に設置された複数の設備機器を制御する前記各設備機器に対応した設備機器制御装置に接続されるとともに、前記複数の設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置にネットワークを介して接続されたものであり、一の前記中央監視制御装置において選択された前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、前記中央監視制御装置から取得すると前記選択された設備機器制御装置に送信し、前記選択された設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると前記設備機器制御装置に送信する信号送信部と、前記信号送信部から送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信したか否かに基づいて、前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態判断部と、前記ロック状態判断部における判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信部とを備える。
【0018】
また、本発明の設備機器制御方法は、施設内に設置された設備機器に接続されるとともに、複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する中央監視制御装置に接続された設備機器制御装置が、前記設備機器を制御する制御信号を前記中央監視制御装置から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力ステップと、前記制御信号出力ステップにおける前記設備機器への前記制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を前記中央監視制御装置から取得すると、自装置内のキープリレーの電源を投入された状態に遷移させる第1遷移ステップと、前記第1遷移ステップにおいて前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると、前記制御信号出力ステップを実行させる制御信号出力モジュールに供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック処理ステップと、前記キープリレーに電源が投入されると自装置内の第1状態入力回路を閉路する第1回路制御ステップと、前記第1回路制御ステップにより前記第1状態入力回路が閉路されると、前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する状態信号入力ステップと、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、この設備機器制御方法は、前記ロック処理ステップでは、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると自装置内の補助リレーの電源を切断した状態に遷移させ、前記補助リレーの電源が切断されると自装置内の第2状態入力回路を閉路する第2回路制御ステップをさらに有し、前記状態信号入力ステップでは、前記第1状態入力回路が閉路されたときに前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記キープリレー状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されたときにこの補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号および前記第2の状態信号を前記中央監視制御装置に送信するようにしてもよい。
【0020】
また、本発明の別の形態の設備機器制御方法は、施設内に設置された複数の設備機器を制御する前記各設備機器に対応した設備機器制御装置に接続されるとともに、前記複数の設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置にネットワークを介して接続された設備機器制御サーバが、一の前記中央監視制御装置において選択された前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、前記中央監視制御装置から取得すると前記選択された設備機器制御装置に送信し、前記選択された設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると前記設備機器制御装置に送信する信号送信ステップと、前記信号送信ステップで送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信すると、この状態信号に基づいて前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態判断ステップと、前記ロック状態判断ステップにおける判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信ステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の設備監視制御システムは、施設内に設置された設備機器を制御する設備機器制御装置と、この設備機器制御装置に接続された設備機器制御サーバと、この設備機器制御サーバにネットワークを介して接続された複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置とを備えたものであり、前記設備機器制御サーバは、前記設備機器に対する制御信号をいずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、いずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された前記設備機器制御装置に送信する信号送信部と、前記信号送信部から送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号が受信されたか否かに基づいて、前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態サーバ判断部と、前記ロック状態サーバ判断部における判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信部とを有し、前記設備機器制御装置は、前記設備機器を制御する制御信号を前記設備機器制御サーバの前記信号送信部から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力モジュールと、前記出力禁止信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が投入された状態に遷移し、前記ロック解除信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が切断された状態に遷移するキープリレーと、前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせ、前記キープリレーの電源が切断された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへの電源を投入して前記設備機器への制御信号の出力を可能にするロック回路と、前記キープリレーに電源が投入されると閉路する第1状態入力回路と、前記第1状態入力回路が閉路されるとこのキープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成して前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記設備機器制御サーバに送信する状態信号入力モジュールとを有することを特徴とする。
【0022】
また、この設備監視制御システムは、前記ロック回路が、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると、電源が切断された状態に遷移する補助リレーを有し、前記設備機器制御装置は、前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第2状態入力回路をさらに有し、前記状態信号入力モジュールは、前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記キープリレー状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す補助リレー状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記キープリレー状態信号および前記補助リレー状態信号を前記設備機器制御サーバに送信するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明の別の形態の設備監視制御システムは、施設内に設置された設備機器を制御する複数の設備機器制御装置と、これらの設備機器制御装置のいずれかに接続された複数の設備機器制御サーバと、これらの設備機器制御サーバにネットワークを介して接続された複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置とを備えたものであり、前記複数の設備機器制御サーバの中の第1設備機器制御サーバは、接続された前記設備機器に対する制御信号をいずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、いずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された前記設備機器制御装置に送信する第1制御信号送信部と、前記信号送信部から送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信したときには前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置にこの状態信号を送信する第1状態信号送信部とを有し、前記第1設備機器制御サーバに接続された第1設備機器制御装置は、前記設備機器を制御する制御信号を前記設備機器制御サーバの前記信号送信部から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する第1制御信号出力モジュールと、前記出力禁止信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が投入された状態に遷移し、前記ロック解除信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が切断された状態に遷移するキープリレーと、前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるとともに自装置内の補助リレーの電源を切断し、前記キープリレーの電源が切断された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへの電源を投入して前記設備機器への制御信号の出力を可能にするとともに前記補助リレーの電源を投入する第1ロック回路と、前記キープリレーに電源が投入されると閉路する第1状態入力回路と、前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第2状態入力回路と、前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第3状態入力回路と、前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記第1の状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成して前記第1設備機器制御サーバに送信する第1状態信号入力モジュールとを有し、前記第1設備機器制御サーバとは異なり、前記複数の設備機器制御装置の中の第2設備機器制御装置に接続された第2設備機器制御サーバは、接続された前記第2設備機器制御装置から前記第1設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信したときには前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置にこの状態信号を送信する第2状態信号送信部を有し、前記第2設備機器制御装置は、前記第3状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第3の状態信号を生成して前記第2設備機器制御サーバに送信する第2状態信号入力モジュールを有し、前記中央監視制御装置は、前記第1設備機器制御サーバの前記第1状態信号送信部から取得した第1の状態信号および第2の状態信号と、前記第2設備機器制御サーバの前記第2状態信号送信部から取得した第3の状態信号とを受信したときに、これらの状態信号に基づいて前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断するロック状態中央判断部を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の設備機器制御プログラムは、施設内に設置された設備機器に接続されるとともに、複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する中央監視制御装置に接続された設備機器制御装置に、前記設備機器を制御する制御信号を前記中央監視制御装置から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力機能と、前記制御信号出力機能における前記設備機器への前記制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を前記中央監視制御装置から取得すると、自装置内のキープリレーの電源を投入された状態に遷移させる第1遷移機能と、前記第1遷移機能において前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると、前記制御信号出力機能を実行させる制御信号出力モジュールに供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック処理機能と、前記キープリレーに電源が投入されると自装置内の第1状態入力回路を閉路する第1回路制御機能と、前記第1回路制御機能により前記第1状態入力回路が閉路されると、前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する状態信号入力機能とを実行させることを特徴とする。
【0025】
また、この設備機器制御プログラムは、前記ロック処理機能において、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると自装置内の補助リレーの電源を切断した状態に遷移させ、前記補助リレーの電源が切断されると自装置内の第2状態入力回路を閉路する第2回路制御機能をさらに有し、前記状態信号入力機能では、前記第1状態入力回路が閉路されたときに前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記キープリレー状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されたときにこの補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号および前記第2の状態信号を前記中央監視制御装置に送信するようにしてもよい。
【0026】
また、本発明の別の形態の設備機器制御プログラムは、施設内に設置された複数の設備機器を制御する前記各設備機器に対応した設備機器制御装置に接続されるとともに、前記複数の設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置にネットワークを介して接続された設備機器制御サーバに、一の前記中央監視制御装置において選択された前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、前記中央監視制御装置から取得すると前記選択された設備機器制御装置に送信し、前記選択された設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると前記設備機器制御装置に送信する信号送信機能と、前記信号送信機能で送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信すると、この状態信号に基づいて前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態判断機能と、前記ロック状態判断機能における判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信機能とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の設備機器制御装置、設備機器制御サーバ、設備機器制御方法、設備監視制御システム、および制御機器制御プログラムによれば、中央監視制御装置の保守点検時における各機器制御装置での誤動作を簡易な操作で防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態では、施設内に設置された受電用開閉器等の複数の設備機器を統括して管理する中央監視制御装置の保守点検を行うときに、この中央監視制御装置に接続され受電用開閉器を遠隔で制御する各遠隔制御装置において受電用開閉器を制御する制御信号を受け付けないようにロックすることにより、遠隔制御装置で誤動作が起こらないように設定する設備監視制御システムについて説明する。
【0029】
〈第1実施形態による設備監視制御システムの構成〉
本実施形態による設備監視制御システムの構成について、図1を参照して説明する。
【0030】
本実施形態による設備監視制御システムは、中央監視制御装置としてのヒューマンインタフェースステーション(HIS)1と、このHIS1に接続された設備機器制御装置としての遠隔制御装置(RS)110とにより構成されている。なお、図1においては遠隔制御装置(RS)は1台のみ記載されているが、実際には複数の遠隔制御装置(RS)がHIS1に接続されている。
【0031】
HIS1は、監視員により操作されることにより、受電用開閉器に対する開閉制御信号や制御対象の受電用開閉器への開閉を制御する開閉制御信号を出力させないためのDO禁止信号をRS110に送信する。
【0032】
またHIS1は、後述するRS110から受信する情報に基づいて、制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされているか否かを判断し、内蔵する表示モニタに判断結果を表示する。
【0033】
RS110は、施設内に設置された設備機器である受電用開閉器(図示せず)を遠隔で制御する装置であり、プログラマブルコントローラ(PLC)111と、信号入力用モジュール(DI)112と、信号出力用モジュール(DO)113と、信号出力用モジュール(DO)114と、キープリレー115と、ロック回路116と、第1状態入力回路117とを有する。
【0034】
PLC111は、HIS1に接続され、HIS1から送信される開閉制御信号またはDO禁止信号を受信したときには、この開閉制御信号またはDO禁止信号を受け付けてDO113に出力する。
【0035】
また、PLC111は、後述する信号入力用モジュール(DI)112から取得されるキープリレー状態信号をHIS1に送信する。
【0036】
信号入力用モジュール(DI)112は、後述する第1状態入力回路117からキープリレー115の電源のON/OFF状態を示すキープリレー状態信号を入力し、PLC111に出力する。
【0037】
信号出力用モジュール(DO)113は、HIS1からPLC111を介して開閉制御信号を取得したときには、この開閉制御信号を制御対象の受電用開閉器に出力する。
【0038】
信号出力用モジュール(DO)114は、HIS1からPLC111を介してDO禁止信号を取得したときには、キープリレー115の電源をONにさせるためのキープリレーON信号をキープリレー115に出力する。
【0039】
キープリレー115は、DO114からキープリレーON信号を取得したときには電源がONに遷移し、電源をOFFにさせるためのキープリレーOFF信号を取得するまでキープし、それ以外のときには電源をOFFにする。
【0040】
ロック回路116は、DO113に電力を供給するDO電源116Aと、キープリレー115の電源がONに遷移するとDO電源116AからDO113への電力を遮断して電力供給をロックするために開路するb接点116Bとを有する。
【0041】
第1状態入力回路117は、キープリレー115の電源がONに遷移すると閉路し、キープリレー115の電源がONに遷移したことを示すキープリレー状態信号をDI112に入力させる第1a接点117Aを有する。
【0042】
〈第1実施形態による設備監視制御システムの動作〉
次に、本実施形態による設備監視制御システムの動作について説明する。
【0043】
まず、監視員の操作によりHIS1の表示モニタ上で、HIS1の電源の遮断による誤動作を防止したい設備機器である受電用開閉器が選択され、選択された受電用開閉器を制御する遠隔制御装置に対して受電用開閉器へ開閉制御信号を出力させないためのDO禁止信号がHIS1から送信される。
【0044】
ここでは、誤作動を防止したい受電用開閉器として、RS110で制御されている受電用開閉器が選択されたものとする。
【0045】
DO禁止信号が送信された遠隔制御装置の動作を、図2のフローチャートに示す。
【0046】
HIS1からDO禁止信号が送信されると、RS110のPLC111で受信され(S1)、受信されたDO禁止信号がDO114に出力される(S2)。
【0047】
DO114でDO禁止信号が取得されると、キープリレー115の電源をONにさせるためのモメンタリON/OFF信号による電源ON信号がキープリレー115に出力される(S3)。
【0048】
キープリレー115では、電源ON信号が取得されると電源ON状態に遷移してキープされる(S4)。
【0049】
キープリレー115が電源ON状態に遷移するとロック回路116のb接点116Bが開路され(S5)、DO電源116AからDO113に供給されていた電源が遮断される。
【0050】
DO113では、DO電源116Aから供給される電源が遮断されると、外部からの開閉制御信号の受け付けおよび制御対象の受電用開閉器への出力がロックされる(S6)。
【0051】
また、ステップS4においてキープリレー115が電源ON状態に遷移すると第1状態入力回路117の第1a接点117Aが閉路され(S7)、キープリレー115の電源がONに遷移したことを示すキープリレー状態信号がDI112に入力される(S8)。
【0052】
DI112でキープリレー115の電源がONに遷移したことを示すキープリレー状態信号が入力されると、このキープリレー状態信号がDI112からPLC111に出力される。
【0053】
PLC111でこのキープリレー状態信号が受信されると、HIS1に送信される(S9)。
【0054】
HIS1では、RS110からキープリレー状態信号が受信されると、このキープリレー状態信号に基づいてキープリレー115の電源がONであることにより制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がDO113においてロックされていると判断されてこの判断結果が表示モニタに表示され、監視員により確認される。
【0055】
また、HIS1の保守点検が終了しDO113のロック状態が解除される際は、ロックを解除するためのDOロック解除信号がHIS1からRS110に送信され、RS110において図2のフローチャートと同様の順序で処理が行われることにより、ステップS3において電源OFF信号がキープリレー115に出力されてキープリレー115がOFF状態に遷移し、第1a接点117Aが開路されるとともにb接点116Bが閉路されてDO113のロックが解除され、さらにキープリレー115の電源がOFFであることがHIS1に送信されてHIS1においてDO113のロックが解除されたと判断され、表示モニタにロックが解除状態であることが表示されて監視員により確認される。
【0056】
以上の第1実施形態の設備監視制御システムによれば、中央監視制御装置であるHIS1からの操作により制御対象の受電用開閉への開閉制御信号の出力が制御されるとともに、この制御状態がHIS1にフィードバックされるため、監視員はHIS1を操作するのみで制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力を制御することが可能であるとともに制御状態の確認も行うことができる。
【0057】
そのため、HIS1の保守点検時にHIS1の電源を遮断および再投入する際に制御対象の受電用開閉への開閉制御信号の出力が禁止されることにより、RS110における誤動作を確実に防止することができる。
【0058】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態では、複数のHIS1〜3とRS110とがネットワーク100およびサーバステーション(SVS)10を介して接続された設備監視制御システムについて説明する。
【0059】
〈第2実施形態による設備監視制御システムの構成〉
本実施形態による設備監視制御システムの構成について、図3を参照して説明する。
【0060】
本実施形態による設備監視制御システムは、ヒューマンインタフェースステーション(HIS)1〜3と、HIS1〜3にネットワーク100を介して接続された設備機器制御サーバとしてのサーバステーション(SVS)10と、SVS10に接続された遠隔制御装置(RS)110とにより構成されている。なお、図3においてはサーバステーション(SVS)、および遠隔制御装置(RS)はそれぞれ1台のみ記載されているが、実際にはこれらの装置は複数台接続されていてもよい。
【0061】
HIS1〜3の機能は、第1実施形態で説明したHIS1の機能と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0062】
RS110の機能は、通信先がHIS1に代わってSVS10であることを除いては、第1実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0063】
SVS10はネットワーク100を介してHIS1〜3に接続され、HIS1〜3のいずれかから受電用開閉器に対する開閉制御信号またはDO禁止信号を受信したときに対象となるRSを判定してこれらの信号を送信するとともに、送信履歴を記憶するCPU11と、接続されている設備機器への信号の入出力を制御するPLC12と、接続されている設備機器から信号を入力するDI13と、接続されている設備機器へ信号を出力するDO14とを有する。
【0064】
〈第2実施形態による設備監視制御システムの動作〉
次に、本実施形態による設備監視制御システムの動作について説明する。
【0065】
まず、監視員の操作によりHIS1の表示モニタ上で、HIS1の電源の遮断による誤動作を防止したい設備機器である受電用開閉器が選択され、選択された受電用開閉器を制御する遠隔制御装置に接続されたSVS10に対して受電用開閉器へ開閉制御信号を出力させないためのDO禁止信号がHIS1から送信される。
【0066】
ここでは、誤作動を防止したい受電用開閉器として、RS110で制御されている受電用開閉器が選択されたものとする。
【0067】
DO禁止信号が送信されたSVS10の動作を、図4のフローチャートに示す。
【0068】
SVS10のCPU11ではDO禁止信号が受信されたか否かが監視されており(S11)、HIS1からDO禁止信号が受信されると(S11の「YES」)、このDO禁止信号による制御対象のRSが特定される(S12)。ここでは、制御対象のRSとしてRS110が特定される。
【0069】
CPU11において制御対象のRSが特定されると、このDO禁止信号の送信元のHIS1および送信先のRS110の情報が記憶され(S13)、特定されたRS110に受信したDO禁止信号が送信される(S14)。
【0070】
DO禁止信号が受信されたときのRS110における処理は、図2のフローチャートのステップS1〜ステップS9と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0071】
ステップS8においてキープリレー115の電源がONに遷移したことを示すキープリレー状態信号がDI112に入力されさらにPLC111に出力されると、このキープリレー状態信号がSVS10のCPU11に送信される。
【0072】
CPU11ではキープリレー状態信号が受信されたか否かが監視されており(S15)、キープリレー状態信号が受信されたと判断されると(S15の「YES」)、このキープリレー状態信号に基づいてキープリレー115の電源がONであることにより制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされていると判断されロック状態信号が生成される(S16)。
【0073】
また、CPU11では、この受信されたキープリレー状態信号の送信元がRS110であることから、ステップS13で記憶された情報に基づいて、RS110に送信されたDO禁止信号の送信元であるHIS1がロック状態信号の送信先として特定される(S17)。
【0074】
CPU11においてロック状態信号の送信先としてHIS1が特定されると、受信したロック状態信号がHIS1に送信される(S18)。
【0075】
HIS1では、SVS10のCPU11からロック状態信号が受信されると、RS110のDO113がロック状態であることが表示モニタに表示され、監視員により確認される。
【0076】
次に、HIS1の保守点検が終了しDO113のロック状態が解除される際に、ロックを解除するためのDOロック解除信号がHIS1からSVS10に送信される。
【0077】
SVS10のCPU11ではDOロック解除信号が受信されたか否かが監視されており(S19)、DOロック解除信号が受信されたと判断されると(S19の「YES」)、ステップS13で記憶された情報に基づいて、この受信されたDOロック解除信号の送信元がステップS11でロック禁止信号が受信されたときの送信元と同一であるか否かが判断される(S20)。
【0078】
ここではDOロック解除信号の送信元とロック禁止信号の送信元とが同じHIS1であると判断され(S20の「YES」)、当該ロック禁止信号を送信したときの送信先であるRS110に、受信したDOロック解除信号が送信され、ロック解除処理が実行される(S21)。
【0079】
ロック解除処理が実行されるとRS110では、第1実施形態においてDOロック解除信号が受信されたときと同様に電源OFF信号がキープリレー115に出力されてキープリレーがOFF状態に遷移し、第1a接点117Aが開路されるとともにb接点116Bが閉路されてDO113のロックが解除され、さらにロックが解除されたことを示す解除状態信号がRS110からSVS10のCPU11に送信されてCPU11においてDO113のロックが解除されたと判断され、HIS1の表示モニタにロックが解除状態であることが表示されて監視員により確認される。
【0080】
なお、ステップS20において、CPU11で受信されたDOロック解除信号の送信元がステップS11でロック禁止信号が受信されたときの送信元であるHIS1ではなくHIS2またはHIS3であると判断されたとき(S20の「NO」)は、DOロックを解除する処理は行われず、ステップS19に戻ってさらにDOロック解除信号が受信されるまで監視される。
【0081】
以上の第2実施形態の設備監視制御システムによれば、監視員はHISを操作するのみで制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力を制御することができ、この制御状態の確認も行うことも可能であるとともに、複数のHISが接続された状態でもDO禁止信号を送信したHISを特定して処理を実行するため、他のHISから送信される信号によりRSにおいて誤作動を起こすことを防止することができる。
【0082】
なお、本実施形態においては、DO113において制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされているか否かの判断をCPU11で実行する場合について説明したが、この判断をHIS1で行うように設定してもよい。
【0083】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態においては、CPU11におけるDO113がロック状態にあるか否かの判断を、より正確に実行する設備監視制御システムについて説明する。
【0084】
〈第3実施形態による設備監視制御システムの構成〉
本実施形態による設備監視制御システムの構成について、図5を参照して説明する。
【0085】
本実施形態による設備監視制御システムは、中央監視制御装置としてのヒューマンインタフェースステーション(HIS)1〜3と、HIS1〜3にネットワーク100を介して接続されたサーバステーション(SVS)10と、SVS10に接続された遠隔制御装置(RS)110とにより構成されている。なお、図5においてはサーバステーション(SVS)、および遠隔制御装置(RS)はそれぞれ1台のみ記載されているが、実際にはこれらの装置は複数台接続されていてもよい。
【0086】
HIS1〜3およびSVS10の機能は、第2実施形態で説明した各装置の機能と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0087】
RS110は、プログラマブルコントローラ(PLC)111と、信号入力用モジュール(DI)112と、信号出力用モジュール(DO)113と、信号出力用モジュール(DO)114と、キープリレー115と、ロック回路116と、第1状態入力回路117と、第2状態入力回路118とを有する。
【0088】
このうち、ロック回路116および第2状態入力回路118を除いては、第1実施形態および第2実施形態のRS110と同様であるため、同一部分の詳細な説明は省略する。
【0089】
ロック回路116は、DO113に電力を供給するDO電源116Aと、キープリレー115の電源がONに遷移するとDO電源116AからDO113への電力を遮断して電力供給をロックするために開路するb接点116Bと、DO電源116Aから電源が供給されているときには電源がON状態でありb接点116Bが開路したときには電源がOFF状態に遷移してb接点が閉路するまでキープする補助リレー116Cとを有する。
【0090】
第2状態入力回路118は、補助リレー116Cの電源がOFF状態に遷移すると閉路し、補助リレー116Cの電源がOFFに遷移したことを示す補助リレー状態信号をDI112に入力させる第2a接点118Aを有する。
【0091】
〈第3実施形態による設備監視制御システムの動作〉
次に、本実施形態による設備監視制御システムの動作について説明する。
【0092】
まず、監視員の操作によりHIS1の表示モニタ上で、HIS1の電源の遮断による誤動作を防止したい設備機器である受電用開閉器が選択され、選択された受電用開閉器を制御する遠隔制御装置に接続されたSVS10に対して受電用開閉器へ開閉制御信号を出力させないためのDO禁止信号がHIS1から送信される。
【0093】
ここでは、誤作動を防止したい受電用開閉器として、RS110で制御されている受電用開閉器が選択されたものとする。
【0094】
DO禁止信号が送信された際のSVS10の動作は、第2実施形態において図4のフローチャートのステップS11〜S17で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
図4のステップS14においてDO禁止信号が受信されたときのRS110の処理について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0096】
図6のフローチャートのステップS31〜S35の処理は、図2におけるステップS1〜S5の処理と同様であるため、詳細は説明は省略する。
【0097】
ステップS35においてロック回路116のb接点116Bが開路されてDO電源116AからDO113に供給されていた電源が遮断されると、常時電源がON状態である補助リレー116Cが電源OFF状態に遷移する(S36)。
【0098】
DO113では、DO電源116Aから供給される電源が遮断されると、外部からの開閉制御信号の受け付けおよび制御対象の受電用開閉器への出力がロックされる(S37)。
【0099】
また、ステップS36において補助リレー116Cが電源OFF状態に遷移すると第2状態入力回路118の第2a接点118Aが閉路され(S38)、補助リレー116Cの電源がOFFに遷移したことを示す補助リレー状態信号がDI112に入力される(S39)。
【0100】
また、ステップS34においてキープリレー115が電源ON状態に遷移すると第1状態入力回路117の第1a接点117Aが閉路され(S40)、キープリレー115の電源がONに遷移したことを示すキープリレー状態信号がDI112に入力される(S41)。
【0101】
DI112でキープリレー115の電源がONに遷移したことを示すキープリレー状態信号と、補助リレー116Cの電源がOFFに遷移したことを示す補助リレー状態信号とが入力されると、このキープリレー状態信号および補助リレー状態信号がDI112からPLC111に出力される。
【0102】
PLC111でこのキープリレー状態信号および補助リレー状態信号が受信されると、SVS10のCPU11に送信される(S42)。
【0103】
CPU11では受信したキープリレー状態信号および補助リレー状態信号により制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされているか否かが判断される。
【0104】
この判断は、CPU11に予め記憶されている図7のテーブルに基づいて行われる。
【0105】
ここでは、ステップS39において補助リレー状態信号により補助リレー116Cが電源OFF状態に遷移したことが入力され、ステップS41においてキープリレー115が電源ON状態に遷移したことが入力されたため、図7のテーブルに基づいてDO113がロックされた状態であると判断される。
【0106】
CPU11においてDO113がロックされた状態であると判断されると、HIS1に対して制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされていることを示すロック状態信号が送信される。
【0107】
HIS1では、SVS10のCPU11からロック状態信号が受信されると、RS110のDO113がロック状態であることが表示モニタに表示され、監視員により確認される。
【0108】
またCPU11において、キープリレー115が電源ON状態に遷移した信号が入力されたにもかかわらず補助リレー116Cが電源ONのままの信号が入力されたときにはロック回路の異常であると判断され、キープリレー115が電源OFF状態である信号が入力され補助リレー116Cが電源ONである信号が入力されたときにはDO113のロックが解除された状態であると判断され、キープリレー115が電源OFF状態のままであるにもかかわらず補助リレー116Cが電源OFFに遷移した信号が入力されたときにはDO電源116Aの異常であると判断され、これらの状態がHIS1に送信され表示モニタに表示される。
【0109】
HIS1の保守点検が終了しDO113のロック状態が解除される際のSVS10における処理は、第2実施形態で図4のフローチャートのステップS18〜S21で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0110】
また、DOロック解除が実行されるときのSVS10およびRS110における処理は、CPU11において、キープリレー115から入力された信号と、補助リレー116Cから入力された信号とから、図7のテーブルを参照してDO113がロック解除された状態であるか否かが判断されることを除いては、第2実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0111】
以上の第3実施形態の設備監視制御システムによれば、CPU11は、キープリレー115から入力された信号だけではなく、補助リレー116Cから入力される信号も参照してDO113がロックされた状態であるか否かを判断するため、ロック回路の異常やDO電源の異常も検知することができ、より正確にDO113の状態をHISで把握することができる。
【0112】
なお、本実施形態においては、DO113において制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされているか否かの判断をCPU11で実行する場合について説明したが、この判断をHIS1で行うように設定してもよい。
【0113】
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態においては、CPU11におけるDO113がロック状態にあるか否かの判断を、第3実施形態における場合よりもさらに正確に実行する設備監視制御システムについて説明する。
【0114】
〈第4実施形態による設備監視制御システムの構成〉
本実施形態による設備監視制御システムの構成について、図8を参照して説明する。
【0115】
本実施形態による設備監視制御システムは、中央監視制御装置としてのヒューマンインタフェースステーション(HIS)1〜3と、HIS1〜3にネットワーク100を介して接続されたサーバステーション(SVS)10および20と、SVS10に接続された遠隔制御装置(RS)110と、SVS20に接続された遠隔制御装置(RS)210とにより構成されている。なお、図7においては各サーバステーション(SVS)に遠隔制御装置(RS)がそれぞれ1台のみ接続された状態が記載されているが、実際にはこの遠隔制御装置(RS)は複数台接続されていてもよい。
【0116】
HIS1〜3、SVS10、およびRS110の機能は、第3実施形態で説明した各装置の機能と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0117】
また、SVS20の機能は、SVS10の機能と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0118】
RS210は、プログラマブルコントローラ(PLC)211と、信号入力用モジュール(DI)212と、信号出力用モジュール(DO)213と、第3状態入力回路214とを有する。
【0119】
PLC211は、HIS2に接続され、HIS2から送信される開閉制御信号を受信したときには、この開閉制御信号を受け付けてDO213に出力する。
【0120】
また、PLC211は、後述する信号入力用モジュール(DI)212から取得される第3キープリレー状態信号をHIS2に送信する。
【0121】
信号入力用モジュール(DI)212は、後述する第3状態入力回路214から補助リレー116Cの電源のON/OFF状態を示す第3キープリレー状態信号を入力し、PLC211に出力する。
【0122】
信号出力用モジュール(DO)213は、HIS2からPLC211を介して開閉制御信号を取得したときには、この開閉制御信号を制御対象の受電用開閉器に出力する。
【0123】
第3状態入力回路214は、補助リレー116Cの電源がOFF状態に遷移すると閉路し、補助リレー116Cの電源がOFFに遷移したことを示す第3キープリレー状態信号をDI212に入力させる第3a接点214Aを有する。
【0124】
〈第4実施形態による設備監視制御システムの動作〉
次に、本実施形態による設備監視制御システムの動作について説明する。
【0125】
まず、監視員の操作によりHIS1の表示モニタ上で、HIS1の電源の遮断による誤動作を防止したい設備機器である受電用開閉器が選択され、選択された受電用開閉器を制御する遠隔制御装置に接続されたSVS10に対して受電用開閉器へ開閉制御信号を出力させないためのDO禁止信号がHIS1から送信される。
【0126】
ここでは、誤作動を防止したい受電用開閉器として、RS110で制御されている受電用開閉器が選択されたものとする。
【0127】
DO禁止信号が送信された際のSVS10の動作は図4のフローチャートのステップS11〜S15で説明した処理については第2実施形態と同様であるため詳細な説明は省略するが、本実施形態においては、ステップS15においてCPU11でキープリレー状態信号が受信されるとHIS1に送信され、DO113の開閉制御信号の出力がロックされているか否かの判断はHIS1で行われる。
【0128】
また、RS110の動作は第3実施形態において図6のフローチャートのステップS31〜S42で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
本実施形態においては、図6のステップS36において補助リレー116Cが電源OFF状態に遷移すると、第2状態入力回路118の第2a接点118Aに加えて、RS110とは別のサーバステーションであるSVS20に接続されたRS210の第3状態入力回路214の第3a接点214Aも閉路され、補助リレー116Cの電源がOFFに遷移したことを示す第3キープリレー状態信号がDI212に入力される。
【0130】
DI212で補助リレー116Cの電源がOFFに遷移したことを示す第3キープリレー状態信号が入力されると、この第3キープリレー状態信号がDI212からPLC211に出力される。
【0131】
PLC211でこの第3キープリレー状態信号が受信されると、SVS20のCPU21に送信される。
【0132】
CPU21で受信した第3キープリレー状態信号はHIS1に送信され、HIS1においてCPU11から受信したキープリレー状態信号および補助リレー状態信号と、CPU21から受信した第3キープリレー状態信号とにより制御対象の受電用開閉器への開閉制御信号の出力がロックされているか否かが判断される。
【0133】
この判断は、HIS1に予め記憶されている図9のテーブルに基づいて行われる。
【0134】
ここでは、補助リレー状態信号により補助リレー116Cが電源OFF状態に遷移したことが入力され、キープリレー115が電源ON状態に遷移したことが入力され、さらに第3キープリレー状態信号により補助リレー116Cが電源OFF状態に遷移したことが入力されたため、図9のテーブルに基づいてDO113がロックされた状態であると判断される。
【0135】
HIS1においてDO113がロックされた状態である判断されると、この判断結果が表示モニタに表示され、監視員により確認される。
【0136】
またHIS1において、キープリレー115が電源ON状態に遷移した信号が入力されたにもかかわらず補助リレー116Cが電源ONのままの補助リレー状態信号または第3キープリレー状態信号が入力されたときおよびキープリレー115が電源OFF状態に遷移した信号が入力され補助リレー状態信号において補助リレー116Cが電源ON状態に遷移した信号が入力されたにもかかわらず第3キープリレー状態信号において補助リレー116Cが電源OFFのままである信号が入力されたときにはロック回路またはいずれかの状態入力回路の異常であると判断され、キープリレー115が電源OFF状態である信号が入力され補助リレー116Cが電源ONである信号が補助リレー状態信号および第3キープリレー状態信号により入力されたときにはDO113のロックが解除された状態であると判断され、キープリレー115が電源OFF状態のままであるにもかかわらず補助リレー116Cが電源OFFに遷移した信号が補助リレー状態信号により入力されたときにはDO電源116Aの異常であると判断され、これらの状態がHIS1に送信され表示モニタに表示される。
【0137】
また、DOロック解除が実行されるときのHIS1、SVS10、およびRS110における処理は、HIS1において、キープリレー115から入力されたキープリレー状態信号と、補助リレー116Cから入力された補助リレー状態信号および第3キープリレー状態信号とから、図9のテーブルを参照してDO113がロック解除された状態であるか否かが判断されることを除いては、第2実施形態および第3実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0138】
以上の第4実施形態の設備監視制御システムによれば、HIS1は、RS110内に入力された状態信号だけではなく、RS110が接続されているSVS10とは別のSVS20に接続されたRS210内に入力された状態信号も参照してDO113がロックされた状態であるか否かを判断するため、ロック回路や状態入力回路の異常やDO電源の異常も検知することができ、より正確にDO113の状態をHISで把握することができる。
【0139】
また、上記第1実施形態〜第4実施形態のRSの機能構成をプログラム化してコンピュータに組み込むことにより、当該コンピュータをRSとして機能させる設備機器制御プログラムを構築することも可能である。
【0140】
また、上記第2実施形態〜第4実施形態のSVSの機能構成をプログラム化してコンピュータに組み込むことにより、当該コンピュータをSVSとして機能させる設備機器制御プログラムを構築することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の第1実施形態による設備監視制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態による設備監視制御システムの遠隔制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態による設備監視制御システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施形態による設備監視制御システムのサーバステーションの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施形態による設備監視制御システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態による設備監視制御システムの遠隔制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態による設備監視制御システムのサーバステーションに記憶されているテーブルを示す表である。
【図8】本発明の第4実施形態による設備監視制御システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4実施形態による設備監視制御システムのヒューマンインタフェースステーションに記憶されているテーブルを示す表である。
【符号の説明】
【0142】
1〜3…HIS
10…SVS
11…CPU
12…PLC
13…DI
14…DO
20…SVS
21…CPU
100…ネットワーク
110…RS
111…PLC
112…DI
113…DO
114…DO
115…キープリレー
116…ロック回路
116A…DO電源
116B…b接点
116C…補助リレー
117…第1状態入力回路
117A…第1a接点
118…第2状態入力回路
118A…第2a接点
210…RS
211…PLC
212…DI
213…DO
214…第3状態入力回路
214A…第3a接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に設置された設備機器に接続されるとともに、複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する中央監視制御装置に接続された設備機器制御装置において、
前記設備機器を制御する制御信号を前記中央監視制御装置から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力モジュールと、
前記制御信号出力モジュールから前記設備機器への前記制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を前記中央監視制御装置から取得すると、電源が投入された状態に遷移するキープリレーと、
前記キープリレーが電源が投入された状態に遷移すると、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック回路と、
前記キープリレーに電源が投入されると閉路する第1状態入力回路と、
前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記中央監視制御装置に前記第1の状態信号を送信する状態信号入力モジュールと、
を備えることを特徴とする設備機器制御装置。
【請求項2】
前記ロック回路は、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると、電源が切断された状態に遷移する補助リレーを有し、
前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第2状態入力回路をさらに有し、
前記状態信号入力モジュールは、前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記第1の状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号および前記第2の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の設備機器制御装置。
【請求項3】
施設内に設置された複数の設備機器を制御する前記各設備機器に対応した設備機器制御装置に接続されるとともに、前記複数の設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置にネットワークを介して接続された設備機器制御サーバにおいて、
一の前記中央監視制御装置において選択された前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、前記中央監視制御装置から取得すると前記選択された設備機器制御装置に送信し、前記選択された設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると前記設備機器制御装置に送信する信号送信部と、
前記信号送信部から送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信したか否かに基づいて、前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態判断部と、
前記ロック状態判断部における判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信部と、
を備えることを特徴とする設備機器制御サーバ。
【請求項4】
施設内に設置された設備機器に接続されるとともに、複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する中央監視制御装置に接続された設備機器制御装置が、
前記設備機器を制御する制御信号を前記中央監視制御装置から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力ステップと、
前記制御信号出力ステップにおける前記設備機器への前記制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を前記中央監視制御装置から取得すると、自装置内のキープリレーの電源を投入された状態に遷移させる第1遷移ステップと、
前記第1遷移ステップにおいて前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると、前記制御信号出力ステップを実行させる制御信号出力モジュールに供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック処理ステップと、
前記キープリレーに電源が投入されると自装置内の第1状態入力回路を閉路する第1回路制御ステップと、
前記第1回路制御ステップにより前記第1状態入力回路が閉路されると、前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する状態信号入力ステップと、
を備えることを特徴とする設備機器制御方法。
【請求項5】
前記ロック処理ステップでは、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると自装置内の補助リレーの電源を切断した状態に遷移させ、
前記補助リレーの電源が切断されると自装置内の第2状態入力回路を閉路する第2回路制御ステップをさらに有し、
前記状態信号入力ステップでは、前記第1状態入力回路が閉路されたときに前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記キープリレー状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されたときにこの補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号および前記第2の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の設備機器制御方法。
【請求項6】
施設内に設置された複数の設備機器を制御する前記各設備機器に対応した設備機器制御装置に接続されるとともに、前記複数の設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置にネットワークを介して接続された設備機器制御サーバが、
一の前記中央監視制御装置において選択された前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、前記中央監視制御装置から取得すると前記選択された設備機器制御装置に送信し、前記選択された設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると前記設備機器制御装置に送信する信号送信ステップと、
前記信号送信ステップで送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信すると、この状態信号に基づいて前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態判断ステップと、
前記ロック状態判断ステップにおける判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信ステップと、
を備えることを特徴とする設備機器制御方法。
【請求項7】
施設内に設置された設備機器を制御する設備機器制御装置と、この設備機器制御装置に接続された設備機器制御サーバと、この設備機器制御サーバにネットワークを介して接続された複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置とを備えた設備監視制御システムにおいて、
前記設備機器制御サーバは、
前記設備機器に対する制御信号をいずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、いずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された前記設備機器制御装置に送信する信号送信部と、
前記信号送信部から送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号が受信されたか否かに基づいて、前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態サーバ判断部と、
前記ロック状態サーバ判断部における判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信部と、
を有し、
前記設備機器制御装置は、
前記設備機器を制御する制御信号を前記設備機器制御サーバの前記信号送信部から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力モジュールと、
前記出力禁止信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が投入された状態に遷移し、前記ロック解除信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が切断された状態に遷移するキープリレーと、
前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせ、前記キープリレーの電源が切断された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへの電源を投入して前記設備機器への制御信号の出力を可能にするロック回路と、
前記キープリレーに電源が投入されると閉路する第1状態入力回路と、
前記第1状態入力回路が閉路されるとこのキープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成して前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記設備機器制御サーバに送信する状態信号入力モジュールと、
を有する
ことを特徴とする設備監視制御システム。
【請求項8】
前記ロック回路は、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると、電源が切断された状態に遷移する補助リレーを有し、
前記設備機器制御装置は、前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第2状態入力回路をさらに有し、
前記状態信号入力モジュールは、前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記キープリレー状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す補助リレー状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記キープリレー状態信号および前記補助リレー状態信号を前記設備機器制御サーバに送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の設備監視制御システム。
【請求項9】
施設内に設置された設備機器を制御する複数の設備機器制御装置と、これらの設備機器制御装置のいずれかに接続された複数の設備機器制御サーバと、これらの設備機器制御サーバにネットワークを介して接続された複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置とを備えた設備監視制御システムにおいて、
前記複数の設備機器制御サーバの中の第1設備機器制御サーバは、
接続された前記設備機器に対する制御信号をいずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、いずれかの前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された設備機器制御装置に送信し、前記設備機器に対する制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると当該設備機器に接続された前記設備機器制御装置に送信する第1制御信号送信部と、
前記信号送信部から送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信したときには前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置にこの状態信号を送信する第1状態信号送信部と、
を有し、
前記第1設備機器制御サーバに接続された第1設備機器制御装置は、
前記設備機器を制御する制御信号を前記設備機器制御サーバの前記信号送信部から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する第1制御信号出力モジュールと、
前記出力禁止信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が投入された状態に遷移し、前記ロック解除信号を前記設備機器制御サーバから取得すると電源が切断された状態に遷移するキープリレーと、
前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるとともに自装置内の補助リレーの電源を切断し、前記キープリレーの電源が切断された状態に遷移すると前記制御信号出力モジュールへの電源を投入して前記設備機器への制御信号の出力を可能にするとともに前記補助リレーの電源を投入する第1ロック回路と、
前記キープリレーに電源が投入されると閉路する第1状態入力回路と、
前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第2状態入力回路と、
前記補助リレーの電源が切断されると閉路する第3状態入力回路と、
前記第1状態入力回路が閉路されると前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記第1の状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成して前記第1設備機器制御サーバに送信する第1状態信号入力モジュールと、
を有し、
前記第1設備機器制御サーバとは異なり、前記複数の設備機器制御装置の中の第2設備機器制御装置に接続された第2設備機器制御サーバは、
接続された前記第2設備機器制御装置から前記第1設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信したときには前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置にこの状態信号を送信する第2状態信号送信部
を有し、
前記第2設備機器制御装置は、
前記第3状態入力回路が閉路されると前記補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第3の状態信号を生成して前記第2設備機器制御サーバに送信する第2状態信号入力モジュール
を有し、
前記中央監視制御装置は、
前記第1設備機器制御サーバの前記第1状態信号送信部から取得した第1の状態信号および第2の状態信号と、前記第2設備機器制御サーバの前記第2状態信号送信部から取得した第3の状態信号とを受信したときに、これらの状態信号に基づいて前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断するロック状態中央判断部
を有する
ことを特徴とする設備監視制御システム。
【請求項10】
施設内に設置された設備機器に接続されるとともに、複数の前記設備機器の状態を統括して監視および制御する中央監視制御装置に接続された設備機器制御装置に、
前記設備機器を制御する制御信号を前記中央監視制御装置から取得すると、この制御信号を前記設備機器に出力する制御信号出力機能と、
前記制御信号出力機能における前記設備機器への前記制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を前記中央監視制御装置から取得すると、自装置内のキープリレーの電源を投入された状態に遷移させる第1遷移機能と、
前記第1遷移機能において前記キープリレーの電源が投入された状態に遷移すると、前記制御信号出力機能を実行させる制御信号出力モジュールに供給されていた電源を切断して前記設備機器への制御信号の出力をロックさせるロック処理機能と、
前記キープリレーに電源が投入されると自装置内の第1状態入力回路を閉路する第1回路制御機能と、
前記第1回路制御機能により前記第1状態入力回路が閉路されると、前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す第1の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する状態信号入力機能と、
を実行させるための設備機器制御プログラム。
【請求項11】
前記ロック処理機能では、前記制御信号出力モジュールへ供給されていた電源が切断されると自装置内の補助リレーの電源を切断した状態に遷移させ、
前記補助リレーの電源が切断されると自装置内の第2状態入力回路を閉路する第2回路制御機能をさらに有し、
前記状態信号入力機能では、前記第1状態入力回路が閉路されたときに前記キープリレーに電源が投入された状態であることを示す前記キープリレー状態信号を生成するとともに前記第2状態入力回路が閉路されたときにこの補助リレーの電源が切断された状態であることを示す第2の状態信号を生成し、前記キープリレーに電源が投入され且つ前記補助リレーの電源が切断されたことにより前記設備機器への制御信号の出力がロックされたものと判断させるために前記第1の状態信号および前記第2の状態信号を前記中央監視制御装置に送信する
ことを特徴とする請求項10に記載の設備機器制御プログラム。
【請求項12】
施設内に設置された複数の設備機器を制御する前記各設備機器に対応した設備機器制御装置に接続されるとともに、前記複数の設備機器の状態を統括して監視および制御する複数の中央監視制御装置にネットワークを介して接続された設備機器制御サーバに、
一の前記中央監視制御装置において選択された前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力をロックするための出力禁止信号を、前記中央監視制御装置から取得すると前記選択された設備機器制御装置に送信し、前記選択された設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力のロックを解除するためのロック解除信号を、前記出力禁止信号の送信元である前記中央監視制御装置から取得すると前記設備機器制御装置に送信する信号送信機能と、
前記信号送信機能で送信した前記出力禁止信号または前記ロック解除信号に対応して前記設備機器制御装置から前記設備機器制御装置の状態を示す状態信号を受信すると、この状態信号に基づいて前記設備機器制御装置から前記設備機器への制御信号の出力がロックされているか否かを判断するロック状態判断機能と、
前記ロック状態判断機能における判断結果を前記出力禁止信号または前記ロック解除信号の送信元である前記中央監視制御装置に送信するロック状態送信機能と、
を実行させるための設備機器制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−110071(P2009−110071A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278966(P2007−278966)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】