説明

設定可能な生理学的測定システム

生理学的測定システムは、センサ、プロセッサ、通信リンクおよび情報エレメントを有している。センサは、組織部位の中に複数の波長を有する光を透過させ、かつ組織による減衰後の透過光に応じたセンサ信号を生成するように構成されている。プロセッサは、少なくとも1つの生理学的パラメータを導き出すためにセンサ信号上で動作するように構成されている。通信リンクは、センサとプロセッサ間の通信を提供するように適合されている。情報エレメントは、センサ、プロセッサおよび通信リンクのうちの少なくとも1つにわたって配置されていて、センサ、プロセッサおよび通信リンクのうちの少なくとも1つに対応する動作情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の下で、2005年3月1日に出願された"Multiple Wavelength Sensor"という題の米国仮特許出願第60/657,596号、2005年3月1日に出願された"Physiological Parameter Confidence Measure"という題の第60/657,281号、2005年3月1日に出願された"Configurable Physiological Measurement System"という題の第60/657,268号、および2005年3月1日に出願された"Noninvasive Multi-Parameter Patient Monitor"という題の第60/657,759号に対する優先権の利益を請求する。本願は、ここでの参照により前述の開示を組み込むものとする。
【0002】
本願は、以下の同時係属中の米国実用特許出願と関連している。
【0003】
【表1】

【0004】
本願は、ここでの参照により前述の開示を組み込むものとする。
【背景技術】
【0005】
分光法は、溶液の有機およびいくつかの無機の成分の濃度を測定するための一般的な技術である。この技術の理論的な基礎は、ランベルト・ベールの法則であり、これは、特定の波長λにおける経路長dλ、入射光の強度I0,λ、吸光係数εi,λが分かっているとき、溶液中の吸光物質の濃度ciが、溶液を透過する光の強度によって測定され得ることを述べている。一般化した形で、ランベルト・ベールの法則は、以下のように表される。
【0006】
【数1】

【0007】
ここで、μa,λはバルク吸収係数であり、単位長さ当たりの吸収の確率を表している。式1〜2を解くのに必要な別々の波長の最小数は、溶液中に存在する有意の吸収体の数である。
【0008】
この技術の実用的な応用は、パルスオキシメトリであり、これは、非侵襲性センサを利用して、酸素飽和度(SpO2)および脈拍数を測定する。一般に、センサは、組織部位の中に赤および赤外波長の光学的放射を透過させる発光ダイオード(LED)と、組織部位の中を流れている脈動する動脈血による(例えば、透過または透過反射率(transreflectance)による)吸収後の光学的放射の強度に反応する検出器とを備えている。この反応に基づいて、プロセッサは、SpO2、脈拍数の測定値を求め、代表的なプレチスモグラフ(plethysmographic)波形を出力することができる。従って、ここで用いられる「パルスオキシメトリ」は、当業者に知られている、その幅広い通常の意味を含み、これは、少なくとも、分光法によって循環している血液のパラメータを測定するための、それらの非侵襲性の手順を含む。さらに、ここで用いられる「プレチスモグラフ」(一般に「フォトプレチスモグラフ」と呼ばれる)は、当業者に知られている、その幅広い通常の意味を含み、これは、少なくとも、脈打っている血液から生じる、体組織における変化の関数としての、光の特定の波長の吸収における変化を表わすデータを含む。動きによって引き起こされるノイズを通して読み取ることが可能なパルスオキシメータは、カリフォルニア州アーヴィンのMasimo社("Masimo")から入手可能である。さらに、動きによって引き起こされるノイズを通して読み取ることが可能な携帯用の他のオキシメータは、少なくとも、Masimoが所有する米国特許第6,770,028号、第6,658,276号、第6,157,850号、第6,002,952号、第5,769,785号、および第5,758,644号の中で開示されていて、これらは、ここでの引用により本願明細書に組み込まれるものとする。動きオキシメータを通してのこのような読み取りは、外科病棟、集中治療および新生児装置、一般病棟、在宅治療、体育、および実質的に全種類の監視シナリオを含む、様々な医学的応用の中で迅速に受け入れられた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
生理学的測定システムは、パルスオキシメータで利用される、赤および赤外波長を含む、またはこれら以外の、様々な波長の光学的放射を透過させるセンサを有している。このシステムは、HbO2およびHbに加えて、またはこれら以外の血液成分、例えば、少し例を挙げれば、カルボキシヘモグロビン(HbCO)、メトヘモグロビン(MetHb)、分数の(fractional)酸素飽和度の、全(total)ヘモグロビン(Hbt)および血糖の相対濃度を判定するプロセッサも有している。更に、このようなシステムは、他の生理学的パラメータ、例えば、非侵襲性の血圧(NIBP)を組み込むことができる。様々な生理学的パラメータを測定可能な互換性があるコンポーネントから、このような生理学的測定システムを容易に構成する必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この出願の中では、多くの血液パラメータが参照される。共通の短縮形の呼称を有するいくつかの参照は、このような短縮形の呼称によって参照される。例えば、ここで用いられるように、HbCOはカルボキシヘモグロビンを示し、HbMetはメトヘモグロビンを示し、かつHbtは全ヘモグロビンを示す。これらの同じ成分に対する他の短縮形の呼称、例えば、COHb、MetHb、およびtHbも、この分野では一般的である。これらの成分は、通常、しばしば飽和度、相対濃度または分数の飽和度と呼ばれるパーセンテージによって報告される。全ヘモグロビンは、通常、g/dLでの濃度として報告される。この出願の中で示される特定の短縮形の指示子の使用は、用語を、示された成分が報告されるいかなる特定の方法にも限定しない。
【0011】
図1は、プロセッサ110、センサ120および通信リンク130を有する設定可能な生理学的測定システム100を示している。一実施形態において、センサ120は、組織部位の中に2つ以上の波長の光学的放射を透過させる2つ以上の発光体と、組織部位による減衰後の光学的放射に応じた信号を生成する少なくとも1つの検出器とを有している。複数の波長のセンサは、カリフォルニア州アーヴィンのMasimo社に与えられたBlood Parameter Measurement Systemという題の米国特許出願番号第10/719,928号に記載されており、ここでの引用により本願明細書に組み込まれるものとする。
【0012】
プロセッサ110は、センサの発光体を発光させるための駆動信号を生成し、かつ2つ以上の血液成分の相対濃度を判定するために、対応する検出器信号を入力して処理する。通信リンク130は、プロセッサ110からセンサ120に駆動信号を送信し、かつセンサ120からプロセッサ110に検出器信号を送信することを含む、プロセッサ110とセンサ120間の通信を提供する。一実施形態において、通信リンク130は、ケーブルと、対応するセンサおよびプロセッサのコネクタであり、これはプロセッサ110とセンサ120の間に有線接続を提供する。別の実施形態では、通信リンク130は、プロセッサ110とセンサ120の間に無線接続を提供する。無線接続は、ブルートゥース(登録商標)、IEEE802.11または同様の無線技術を利用することができる。
【0013】
図1に示すように、設定可能な生理学的測定システム100は、プロセッサ110、センサ120および通信リンク130にわたって配置された情報エレメント112、122、132も有していて、これは、後述するようなシステム設定情報を提供する。情報エレメント112、122、132は、メモリデバイス、例えば、後述するような、または他のアクティブまたはパッシブ電気コンポーネントであってもよい。情報エレメント112、122、132によって提供される情報は、メモリに保存されるデジタルデータ、又は、DC、AC、若しくはDCとACの組合せの電圧若しくは電流によって決定されるコンポーネント値であってもよい。情報エレメント112、122、132の情報は、プロセッサ110によって、または情報エレメント112、122、132およびプロセッサ110と通信するリーダまたは他のデバイスによって判定され得る。
【0014】
図2は、プロセッサ210、センサ220およびケーブル230のコンポーネントを有する設定可能な生理学的測定システムの実施形態を示している。一実施形態において、プロセッサ210は、プロセッサプリント回路基板「ボード」212と、オプションのドーターボード214とを備えていて、ドーターボード214は、プロセッサボード212の機能にアクセスしてこれを拡張する。例えば、ドーターボード214は、非侵襲性血圧(NIBP)コントローラであってもよく、これは、血圧パラメータを測定するために、血圧センサおよびプロセッサボード212と通信する。
【0015】
また、図2に示すように、一実施形態において、センサ220は、再使用可能な(reusable)部分222と、使い捨ての(disposable)部分224とを有する“resposable”なセンサである。特定の実施形態では、再使用可能な部分は、再使用可能な発光体部と再使用可能な検出器部とのうちの少なくとも1つを有していて、使い捨ての部分224は、使い捨ての発光体部、使い捨ての検出器部および再使用可能なセンサ222を組織部位に取付けるための使い捨てのテープのうちの少なくとも1つを有している。resposableなセンサは、Masimo社に与えられたResposable Pulse Oximetry Sensorという題の米国特許第6,725,075号に記載されていて、この記載は、ここでの引用により本願明細書に組み込まれるものとする。
【0016】
更に、図2に示すように、一実施形態において、ケーブル230は、受診者(patient)ケーブル232か、又はセンサケーブル234か、又は受診者ケーブル232とセンサケーブル234の組合せである。センサケーブル234は、一端がセンサに固定的に取付けられていて、かつ他端にはモニタまたは受診者ケーブルに接続するためのコネクタを有している。受診者ケーブル232は、センサまたはセンサケーブルをモニタに連結するために、両端にコネクタを有している。
【0017】
図3は、情報エレメント(IE)ネットワーク300を示していて、これは、好都合にも、上述したような、おそらく異なるパラメータ測定能力を有する様々なコンポーネント214〜234(図2)から成る生理学的測定システム200(図2)を可能にする。IEネットワーク300は、また、様々なコンポーネントが「プラグ・アンド・プレイ」する、すなわちハードウェアまたはソフトウェアの修正なしで協働する(interoperate)ことを可能にするが、このことは図4に関して下記で述べる。更に、IEネットワーク300は、センサとプロセッサ間の前方と後方の互換性を提供するが、このことは図5A〜Bに関して下記で述べる。
【0018】
図3に示すように、IEネットワーク300は、情報エレメント314〜334と、ネットワークコントローラ301と、通信パス305とを有している。一実施形態において、ネットワークコントローラ301は、プロセッサボード212(図2)上にあるか、さもなければプロセッサボード212内に組み込まれている。情報エレメント314〜334は、生理学的測定システムのコンポーネント210〜230(図2)に対応している。一実施形態において、各生理学的測定システムのコンポーネント214〜224(図2)上またはこれらの中に、0、1、2またはそれ以上の情報エレメント314〜334があってもよい。例えば、情報エレメント314〜324は、ドーターボード214(図2)上に搭載されたDBエレメント314と、再使用可能なセンサ部222(図2)の中に搭載されたRSエレメント322と、使い捨てのセンサ部224(図2)の中に搭載されたDSエレメント324と、受診者ケーブル232(図2)の中に搭載されたPCエレメント332またはそのコネクタと、センサケーブル234(図2)の中に搭載されたSCエレメント334またはそのコネクタとを含んでいてもよい。
【0019】
また、図3に示した一実施形態において、情報エレメント314〜334は、特定のコンポーネント210〜230(図2)の中のEPROMか、又はEEPROMか、又はEPROMとEEPROMの組合せである。有利な実施形態において、通信パス305は、共有された単一の導線である。これは、コンポーネント210〜230(図2)および関連するコネクタの負担を減らす。コネクタは、多数のセンサ発光体が複数のパラメータの測定のために利用される場合の駆動信号および検出器信号にちょうど適した比較的多数の導体を有していてもよい。情報エレメント314〜324は、例えば、カリフォルニア州サニーヴェールのMaxim Integrated Products社から入手可能なダラス半導体のDS2506 EPROMまたはこの同等品であってもよい。
【0020】
図4は、生理学的測定システム200(図2)のための設定手順400を示している。この手順は、ネットワーク305(図3)上に存在する情報エレメント314〜334(図3)に関して、ネットワークコントローラ301(図3)またはプロセッサ210(図2)または両方によって実行される。システムの電源オンの後、ネットワーク上の任意の情報エレメントがポーリングされる(410)ので、それらは、それら自体を識別する。次に、情報が、応答している情報エレメントからダウンロードされる(420)。一実施形態において、ダウンロード情報は、識別(ID)、寿命、パラメータ、キャラクタリゼーション(Characterization)およびフィーチャー(Features)の情報のうちのいくつか又は全部であってもよい。IDは、ネットワーク上のコンポーネントを識別する。少し例を挙げれば、センサ若しくはケーブルのような一般的なコンポーネントのタイプ、又は、特定の部品番号、モデル及びシリアル番号を識別する。別の例として、使い捨てのセンサ部224(図2)に対するIDは、受診者上での取付け位置であってもよく、かつ再使用可能なセンサ部222(図2)に対するIDは、受診者のタイプであってもよい。
【0021】
寿命は、例えば、特定のコンポーネントの使用回数または使用の長さを示すための、EEPROMの中に書き込まれた予め定められたカウンタであってもよい。そして、寿命は、電源が入れられるたびに、コンポーネントの期限切れを示すゼロ値に達するまでカウントダウンされる。
【0022】
パラメータは、そのコンポーネントがサポート可能な測定値を特定し、これは、例えば、ほんの少し例を挙げれば、SpO2、HbCO、MetHb、分数のSpO2、Hbt、NIBPおよび血糖のうちの1つ以上を含んでいてもよい。例えば、センサに関しては、パラメータは、発光体の数、発光体の波長および発光体の構成による。例えば、ケーブルに対しては、パラメータは、導体の数およびコネクタのピンアウト(pinouts)による。また、特定のシステム構成に関しては、パラメータは、コンポーネントを用いるためのライセンス、例えば使い捨てのテープを単に表していてもよい。
【0023】
フィーチャーは、プロセッサまたは他のシステムエレメントのモードを設定する。一例として、フィーチャーは、1つ以上のアルゴリズム、例えば平均算出のモードを特定する。
【0024】
キャラクタリゼーションは、プロセッサが、特定のコンポーネントとの「プラグ・アンド・プレイ」を行うことを可能にする。例えば、コンポーネントがセンサである場合、キャラクタリゼーションは、発光体を駆動するために必要な情報、例えばLEDの波長および駆動パターンを含んでいてもよい。また、キャラクタリゼーションは、測定されるパラメータのための較正データを含んでいてもよい。別の例として、センサコンポーネント220(図2)のためのキャラクタリゼーションは、センサタイプに依存するプローブオフ(probe-off)状態での感度を示していてもよい。プローブオフ検出は、Pulse Oximeter Probe-Off Detectorと題された米国特許第6,654,624号と、Pulse Oximeter Probe-Off Detection Systemと題された米国特許第6,771,994号とに記載されていて、両者はMasimo社に与えられていて、ここでの引用により本願明細書に組み込まれるものとする。
【0025】
図4に示すように、コンポーネントが、ダウンロードされたID情報から識別される(430)。もし情報エレメントのうちのいずれかが寿命情報を提供すれば、対応するコンポーネントが期限切れかどうかを判定するためにチェックがなされる(440)。もしそうであれば、エラーメッセージが表示される(480)。メッセージは、部品を交換する警告であってもよいし、システムが機能しないことを示してもよい。次に、パラメータの最小公分母(least common denominator;LCD)が、パラメータ情報から求められる(450)。これは、図5A〜Bに関して、更に詳細に説明する。特定のコンポーネント、例えばドーターボードまたはセンサのために必要であれば、キャラクタリゼーションが求められる(460)。最後に、プロセッサが設定され(470)、システムは、パラメータ測定を開始する準備ができる。
【0026】
図5A〜Bは、設定可能な生理学的測定システム200の実施形態を示していて、前方(forward)センサ互換性(図5A)および後方(backward)センサ互換性(図5B)の両方を示している。更に、各システム200のパラメータ測定能力(capability)が、プロセッサ210およびセンサ220のパラメータ能力の最小公分母(LCD)によって判定される。
【0027】
図5Aに示すように、設定可能な生理学的測定システム200は、プロセッサ(P0、P1、P2)210のファミリを有していて、これらは、SpO2 510〜530、HbCO 520〜530およびMetHb 530を計算することが可能なものを含んでいる。システム200は、また、センサ220(S0、S1、S2)のファミリを有していて、これらは、SpO2 550〜570、HbCO 560〜570およびMetHb 570を検出することが可能なものを含んでいる。ここで、より小さい番号を付けられたプロセッサおよびセンサは、より劣る能力を表している。これは、例えば、より古い世代のプロセッサおよびセンサまたは電流発生器を表しているが、より低コストのプロセッサおよびセンサである。示されているのは、前方センサ互換性である。すなわち、より能力がないセンサは、より能力があるプロセッサ上で動作することができる。例えば、SpO2のみのセンサ550は、複数のパラメータ(SpO2、HbCO、MetHb)のプロセッサ530と共に働くことができる。LCD機能も示されている。P2プロセッサ530とS0センサ550を有するシステム200は、機能するが、SpO2を測定することができるだけである。
【0028】
図5Bは、後方センサ互換性を示している。すなわち、より能力があるセンサは、より能力がないプロセッサ上で動作することができる。例えば、複数のパラメータ(SpO2、HbCO、MetHb)のセンサ570は、SpO2のみのプロセッサ510と共に働くことができる。また、P0プロセッサ510とS2センサ570を有するシステム200は、機能するが、SpO2を測定することができるだけである。
【0029】
以上、前方と後方のセンサ互換性を、様々なプロセッサ210の能力とセンサ220の能力を有する、設定可能な生理学的測定システム200に関して説明した。設定可能な生理学的測定システム200は、上記で図2に関して説明したプロセッサ210、センサ220およびケーブル230のコンポーネントのうちのいずれか又は全てを有していてもよい。このような前方と後方の互換性は、図2に関して説明したコンポーネントを含む、プロセッサ210とケーブル230の組合せ、またはセンサ220とケーブル230の組合せに、等しく適用でき、このような組合せの能力は、上述したように、LCD機能によって判定される。
【0030】
設定可能な生理学的測定システムが、様々な実施形態に関して詳細に開示された。これらの実施形態は、例示のためだけに開示され、請求項の範囲を限定するものではない。当業者であれば、多くの変形および修正を認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】設定可能な生理学的測定システムの概略ブロック図である。
【図2】設定可能な生理学的測定システムの実施形態の詳細ブロック図である。
【図3】設定可能な生理学的測定システムにおけるネットワーク化された情報エレメントの詳細ブロック図である。
【図4】生理学的測定システムの設定手順のフローチャートである。
【図5A】様々なプロセッサとの前方と後方のセンサの互換性を示しているブロック図である。
【図5B】様々なプロセッサとの前方と後方のセンサの互換性を示しているブロック図である。
【符号の説明】
【0032】
100 設定可能な生理学的測定システム
110 プロセッサ
120 センサ
130 通信リンク
112、122、132 情報エレメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的測定システムにおいて、
組織部位の中に複数の波長を有する光を透過させ、かつ組織による減衰後の透過光に応じたセンサ信号を生成するように構成されたセンサと、
少なくとも1つの生理学的パラメータを導き出すために前記センサ信号上で動作するように構成されたプロセッサと、
前記センサとプロセッサ間の通信を提供するように適合された通信リンクと、
前記センサ、プロセッサおよび通信リンクのうちの少なくとも1つにわたって配置された複数の情報エレメントとを備えていて、
前記情報エレメントは、センサ、プロセッサおよび通信リンクのうちの少なくとも1つに対応する動作情報を提供することを特徴とする生理学的測定システム。
【請求項2】
前記情報エレメントを読み出して、その情報をプロセッサに提供することが可能なネットワークコントローラを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の生理学的測定システム。
【請求項3】
前記動作情報は、センサ、プロセッサおよび通信リンクのパラメータ測定能力の最小公分母であることを特徴とする請求項2に記載の生理学的測定システム。
【請求項4】
前記センサは、再使用可能な部分と使い捨ての部分とを備えていて、各々は情報エレメントのうちの少なくとも1つを有していることを特徴とする請求項3に記載の生理学的測定システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、プロセッサボードとドーターボードとを備えていて、各々は情報エレメントのうちの少なくとも1つを有していることを特徴とする請求項4に記載の生理学的測定システム。
【請求項6】
前記通信リンクは、受診者ケーブル部とセンサケーブル部とを有するケーブルであり、各部は情報エレメントのうちの少なくとも1つを有していることを特徴とする請求項5に記載の生理学的測定システム。
【請求項7】
前記使い捨ての部分と関連している第1の情報エレメントによって提供される取付けデータは、センサがどこに取付けられているかを記述していて、
前記再使用可能な部分と関連している第2の情報エレメントによって提供される受診者データは、受診者のタイプを記述していることを特徴とする請求項4に記載の生理学的測定システム。
【請求項8】
前記センサと関連している少なくとも1つのセンサ情報エレメントを更に備えていて、
センサタイプデータが前記センサ情報エレメントから読み出し可能となっており、
前記プロセッサは、前記センサタイプデータを利用して、センサが組織部位に関して適切に配置されていないプローブオフ状態での感度を判定することを特徴とする請求項3に記載の生理学的測定システム。
【請求項9】
組織部位の中に複数の波長を有する光を透過させ、かつ組織による減衰後の透過光に応じたセンサ信号を生成するように構成されたセンサと、少なくとも1つの生理学的パラメータを導き出すために前記センサ信号上で動作するように構成されたプロセッサと、センサとプロセッサ間での通信を提供するように適合された通信リンクとを備えた生理学的測定システムの中のセンサであって、前記センサは、
第1の情報エレメントを有するセンサの使い捨ての部分と、
第2の情報エレメントを有するセンサの再使用可能な部分とを備えていて、
使い捨ての部分は、再使用可能な部分への着脱可能な取付けができ、
第1の情報エレメントおよび第2の情報エレメントは、センサの動作能力を判定するためにプロセッサによって読み出すことができることを特徴とするセンサ。
【請求項10】
使い捨ての部分、再使用可能な部分、および使い捨ての部分と再使用可能な部分の組合せのうちの少なくとも1つによってサポートされる生理学的パラメータの測定値を示す、第1の情報エレメントおよび第2の情報エレメントのうちの少なくとも1つと関連しているパラメータ情報を更に備えていることを特徴とする請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記パラメータ情報は、使い捨ての部分および再使用可能な部分のうちの少なくとも1つに組み込まれた発光体の特性に関する情報を含んでいることを特徴とする請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
受診者上のどこにセンサが取付けられているかを記述している第1の情報エレメントと関連した取付け情報と、
受診者のタイプを記述している第2の情報エレメントと関連した受診者情報とを更に備えていることを特徴とする請求項9に記載のセンサ。
【請求項13】
センサを用いた測定に従って更新される、第1の情報エレメントと関連しているセンサ寿命情報を更に備えていることを特徴とする請求項9に記載のセンサ。
【請求項14】
発光体の波長、発光体駆動の必要条件および較正データのうちの少なくとも1つを示している、第1の情報エレメントおよび第2の情報エレメントのうちの少なくとも1つと関連したキャラクタリゼーション情報を更に備えていることを特徴とする請求項9に記載のセンサ。
【請求項15】
組織部位の中に複数の波長を有する光を透過させるように構成されたセンサと、組織による減衰後の透過光に応じたセンサ信号上で動作するように構成されたプロセッサと、前記センサとプロセッサ間の通信を提供するように構成された通信リンクとを備えるシステムのための生理学的測定方法において、
センサ、プロセッサおよび通信リンクのうちの少なくとも1つの間に配置された複数の情報エレメントを読み出すステップと、
システムが測定可能な生理学的パラメータを判定するステップと、
生理学的パラメータを測定するようにプロセッサを設定するステップとを有していることを特徴とする生理学的測定方法。
【請求項16】
情報エレメントから読み出されたデータに基づいてシステムのコンポーネントを識別するステップを更に有していることを特徴とする請求項15に記載の生理学的測定方法。
【請求項17】
前記生理学的パラメータを判定するステップは、識別されたシステムコンポーネントのパラメータ測定能力の最小公分母を見つけるサブステップを有していることを特徴とする請求項16に記載の生理学的測定方法。
【請求項18】
情報エレメントから読み出されたデータに基づいてシステムコンポーネントのうちの少なくとも1つの特徴を記述するステップを更に有していることを特徴とする請求項17に記載の生理学的測定方法。
【請求項19】
システムコンポーネントのうちのいずれかが期限切れかどうかを判定するステップを更に有していることを特徴とする請求項18に記載の生理学的測定方法。
【請求項20】
前記読み出すステップは、
ネットワークに接続されたメモリデバイスをポーリングするサブステップと、
応答しているメモリデバイスから情報をダウンロードするサブステップとを有していることを特徴とする請求項19に記載の生理学的測定方法。
【請求項21】
組織部位の中を透過され、かつ組織による減衰後に検出された複数の波長を有する光に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを導き出すように構成された、センサ、通信およびプロセッサコンポーネントを備える生理学的測定システムにおいて、この生理学的測定システムは、修正なしで協働するためのコンポーネントの様々な設定を可能にするための情報エレメントネットワーク手段を備えていることを特徴とする生理学的測定システム。
【請求項22】
前記情報エレメントネットワーク手段は、ネットワークの個々の情報エレメントからデータを読み出すためのネットワークコントローラ手段を有していることを特徴とする請求項21に記載の生理学的測定システム。
【請求項23】
前記ネットワークコントローラ手段は、組み合わされたシステムコンポーネントのパラメータ測定能力を判定するためのパラメータ手段を有していることを特徴とする請求項22に記載の生理学的測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2008−531214(P2008−531214A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558237(P2007−558237)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/007506
【国際公開番号】WO2006/094155
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(507293664)マシモ・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (14)
【Fターム(参考)】