説明

設置物用基礎ブロック

【課題】基礎ブロックに汎用性を持たせるとともに、設置物に見合った重量と設置面積に組立式の要領で容易に変更できるようにして、設置物の耐震性を向上できる設置物用基礎ブロックを提供する。
【解決手段】少なくとも2個の固定ブロック9と、少なくとも1個の可動ブロック10とを備えている。各固定ブロック9の長穴9a,9bと可動ブロック10の差し込み部10aの貫通穴10bとを一連に貫通する固定用ボルト14にナット15がねじ込まれることで、各固定ブロック9の間に可動ブロック10の差し込み部10aが締め付け固定される。可動ブロック10の上面に、設置物20の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルト12の頭部を幅方向に移動可能にガイドするレール溝10cが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置物の耐震性を向上できる設置物用基礎ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯設備、自動販売機、空調設備の室外機のような設置物を屋外(または屋内)の設置面に設置するに際して、プレキャストコンクリート製の基礎ブロックの上面に載置して設置するものが提案されている。
【0003】
この場合、設置物の倒れを防止するために、基礎ブロックから突出させた取付け用ボルトに、設置物の脚部のボルト用穴を差し込んで、取付け用ボルトにナットをねじ込むことにより、設置物を基礎ブロックの上面に固定するようになっている。
【0004】
ところで、前記のような設置物の脚部のボルト用穴の位置は、設置物毎に異なることが多いことから(例えば、給湯設備だけでも何種類ある。)、そのボルト用穴の位置に合致する取付け用ボルトを設けた専用の基礎ブロックを用意する必要があった。
【0005】
そのため、レールで長さ方向に移動可能なベースブロックに、幅方向に移動可能な取付けボルトを設けることで、基礎ブロックに汎用性を持たせるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、一対のベース材の上面と嵌合する嵌合凹部を有する水平連結部材を設けた基礎ブロック(特許文献2参照)、並べて設置される第1〜第3ブロックの側面どうしを連結手段(ボルト)で連結する基礎ブロックも提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3133011号公報
【特許文献2】特開2008−223399号公報
【特許文献3】特開2008−31826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献の基礎ブロックは、いずれも、その重量や設置面積を増加することを考慮されていないから、重量のある嵩高の設置物が設置されたような場合、地震等の振動で設置物が倒れるおそれがあるという問題があった。
【0009】
本発明は、前記問題を解消するためになされたもので、基礎ブロックに汎用性を持たせるとともに、設置物に見合った重量と設置面積に組立式の要領で容易に変更できるようにして、設置物の耐震性を向上できる設置物用基礎ブロックを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の第1の手段は、長さ方向に延在され、幅方向に所定の間隔で設置される、少なくとも2個の固定ブロックと、幅方向に延在され、前記2個の固定ブロックの間の差し込まれる差し込み部が下面に形成された、1個の可動ブロックとを備え、前記各固定ブロックの側面に、長さ方向に延在する長穴が形成されるとともに、前記可動ブロックの差し込み部に、前記長穴に合致する貫通穴が形成されて、前記各固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とを一連に貫通する固定用ボルトにナットがねじ込まれることで、各固定ブロックの間に可動ブロックの差し込み部が締め付け固定される一方、前記可動ブロックの上面に、設置物の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルトの頭部を幅方向に移動可能にガイドするレール溝が形成されていることを特徴とする設置物用基礎ブロックを提供するものである。
【0011】
本発明の第2の手段は、長さ方向に延在され、幅方向に所定の間隔で設置される、少なくとも2個の固定ブロックと、幅方向に延在され、前記2個の固定ブロックの間の差し込まれる差し込み部が下面に形成された、少なくとも2個の可動ブロックとを備え、前記各固定ブロックの側面に、長さ方向に延在する、少なくとも2個の長穴が形成されるとともに、前記各可動ブロックの差し込み部に、前記長穴に合致する貫通穴が形成されて、前記各固定ブロックの長穴と、対応する可動ブロックの差し込み部の貫通穴とを一連に貫通する固定用ボルトにナットがねじ込まれることで、各固定ブロックの間に各可動ブロックの差し込み部が締め付け固定される一方、前記各可動ブロックの上面に、設置物の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルトの頭部を幅方向に移動可能にガイドするレール溝が形成されていることを特徴とする設置物用基礎ブロックを提供するものである。
【0012】
第1,2の手段において、前記各固定ブロックの外側に、追加の固定ブロックが幅方向に並べて設置され、前記各固定ブロックおよび追加の固定ブロックの長穴と、対応する可動ブロックの差し込み部の貫通穴とを一連に貫通する固定用ボルトにナットがねじ込まれることで、固定ブロックの個数を幅方向に増加可能である構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の手段によれば、少なくとも2個の固定ブロックの間に1個の可動ブロックの差し込み部を差し込んで、固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とに固定用ボルトを貫通させて、ナットをねじ込む。これにより、各固定ブロックの間に、長穴で長さ方向の位置調整をした可動ブロックの差し込み部が締め付け固定されるようになる。その後、可動ブロックのレール溝で、設置物の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルトを幅方向に移動させることで、幅方向の位置調整をすることができる。
【0014】
このようにして、設置物の脚部のボルト用穴の位置に合致するように、取付け用ボルトを長さ方向と幅方向に移動させることができるので、基礎ブロックに汎用性を持たせることができる。
【0015】
そして、重量のある嵩高の設置物が設置されるような場合には、各固定ブロックの外側に、追加の固定ブロックを幅方向に並べて設置し、各固定ブロックおよび追加の固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とに、固定ブロックの全幅に見合う長さの固定用ボルトを貫通させて、ナットをねじ込むようにできる。これにより、固定ブロックの個数を組立式の要領で幅方向に増加させることができる。
【0016】
このようにして、固定ブロックは、設置物に見合った重量と設置面積に容易に増加変更できることになるから、設置物の耐震性が向上するようになる。
【0017】
本発明に第2の手段によれば、少なくとも2個の固定ブロックの間に少なくとも2個の可動ブロックの差し込み部をそれぞれ差し込んで、固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とに固定用ボルトをそれぞれ貫通させて、ナットをそれぞれねじ込む。これにより、各固定ブロックの間に、長穴で長さ方向の位置調整をした各可動ブロックの差し込み部が締め付け固定されるようになる。その後、可動ブロックのレール溝で、設置物の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルトを幅方向に移動させることで、幅方向の位置調整をすることができる。
【0018】
このようにして、設置物の脚部のボルト用穴の位置に合致するように、取付け用ボルトを長さ方向と幅方向に移動させることができるので、基礎ブロックに汎用性を持たせることができる。
【0019】
そして、重量のある嵩高の設置物が設置されるような場合には、各固定ブロックの外側に、追加の固定ブロックを幅方向に並べて設置し、各固定ブロックおよび追加の固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とに、固定ブロックの全幅に見合う長さの固定用ボルトを貫通させて、ナットをねじ込むようにできる。これにより、固定ブロックの個数を組立式の要領で幅方向に増加させることができる。
【0020】
このようにして、固定ブロックは、設置物に見合った重量と設置面積に容易に増加変更できることになるから、設置物の耐震性が向上するようになる。
【0021】
第1,2の手段において、各固定ブロックの外側に、追加の固定ブロックを幅方向に並べて設置し、各固定ブロックおよび追加の固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とに、固定ブロックの全幅に見合う長さの固定用ボルトを貫通させて、ナットをねじ込むようにできる。これにより、固定ブロックの個数を組立式の要領で幅方向に増加させることができる。
【0022】
このようにして、固定ブロックは、固定用ボルトの長さを変えるだけで、設置物に見合った重量と設置面積に容易に増加変更できることになるから、設置物の耐震性が向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態の組立式耐震基礎ブロックの施工要領を示し、(a)は掘削・基礎材転圧の斜視図、(b)はRECベース設置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の組立式耐震基礎ブロックの施工要領を示し、(a)は固定ブロック設置の斜視図、(b)は可動ブロック設置・固定用ボルト締結の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の組立式耐震基礎ブロックの施工要領を示し、埋戻し・完成の斜視図である。
【図4】別実施形態の組立式耐震基礎ブロックの斜視図である。
【図5】固定ブロックであり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図6】可動ブロックであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】RECベースであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図8】(a)は施工が完了した基礎ブロックの平面図、(b)は(a)のI−I線断面図である。
【図9】(a)は図8(a)のII−II線断面図、(b)は別実施形態の組立式耐震基礎ブロックの図9(a)に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は組立式耐震基礎ブロック1の施工要領を示す図である。図1(a)は掘削・基礎材転圧の斜視図、同図(b)はRECベース設置の斜視図、図2(a)は固定ブロック設置の斜視図、同図(b)は可動ブロック設置・固定用ボルト締結の斜視図、図3は埋戻し・完成の斜視図である。
【0025】
図8(a)は施工が完了した基礎ブロック1の平面図、同図(b)は(a)のI−I線断面図、図9(a)は図8(a)のII−II線断面図である。
【0026】
図3のように、給湯設備等の設置物20は、具体的に図示しないが、長さ方向Lに2個(2列)、幅方向Wに2個で、計4個の脚部を4隅の下部に有し、各脚部にボルト用穴が形成されているものとする。
【0027】
設置物20を屋外の地面(設置面)2に設置するに際しては、図1(a)のように、RECベース3(後述)の長さと幅(二点鎖線c参照)よりもやや大きめの長さL1と幅W1で地面2を掘削する。また、深さH1は固定ブロック9(後述)の設置高さとほぼ同じに掘削して、掘削部2aの底に砕石(基礎材)6を敷き詰めて転圧する。
【0028】
ついで、図1(b)のように、砕石6の上に、図7(a)(b)のような盆形のRECベース3を空練モルタル4で高さを調整しながら水平となるように設置する。掘削部2aの底からは、設置物20が給湯設備であれば、給湯設備に接続する給湯管5等を突出させており、RECベース3には、給湯管5等を貫通させる開口3aが形成されている。
【0029】
RECベース3とは、レジンコンクリート(樹脂製コンクリート)であり、砕石6の敷き詰めだけでは水平とならないような場合にだけ設置すればよい。なお、図1(a)(b)の施工工程は、設置面が屋内外の硬質のコンクリート面等であれば不要である。
【0030】
プレキャストコンクリート製の基礎ブロック1は、固定ブロック9と可動ブロック10とを組み合わせて構成されている。
【0031】
図5(a)は固定ブロック9の側面図、同図(b)は固定ブロック9の正面図である。固定ブロック9は、長さ方向Lに延在し、例えば、長さL2は1100mm、幅W2・高さH2は100mmである。固定ブロック9の側面には、長さ方向Lに延在する2個の長穴9a,9bが一定の間隔を隔てて形成されている。例えば長穴9a,9bの間隔L3は500mm、長さL4は200mmである。また、固定ブロック9の1個の重量は、例えば25Kgである。固定ブロック9の長さ方向Lの両端面には、手掛け用凹部9cがそれぞれ形成されている。
【0032】
本実施形態では、図2(a)(b)のように、計4個の固定ブロック9を用いる。そのため、RECベース3の長さは、固定ブロック9を収納できる長さに設定されるとともに、RECベース3の幅は、固定ブロック9の幅W2の5倍(W2×5)よりやや大きめに設定されている。
【0033】
そして、固定ブロック9は、図2(a)(b)のように、RECベース3の幅方向Wの両側部分に、間隔を開けずに2個を並べ置くことで、中央部分に固定ブロック9の1個分だけ間隔Sをあけるようにしている。
【0034】
図6(a)は可動ブロック10の正面図、同図(b)は可動ブロック10の側面図である。可動ブロック10は、幅方向Wに延在し、例えば、幅W3は500mm、長さL5・高さH3は100mmである。可動ブロック10の幅方向の中央部の下面には、固定ブロック9の中央部分の間の間隔Sに差し込まれる差し込み部10aが略T字形状となるように形成されている。この差し込み部10aには、固定ブロック9の長穴9a(または9b)に合致する貫通穴10bが形成されている。
【0035】
また、可動ブロック10の上面には、設置物20の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルト(図3参照)12の頭部を幅方向に移動可能にガイドするレール溝10cが形成されている。このレール溝10cは、図6(b)のように、金属製レール材13をコンクリートに埋め込むことで形成されている。可動ブロック10の幅方向Wの両端面には、手掛け用凹部10dがそれぞれ形成されている。
【0036】
本実施形態では、図2(b)、図3のように、2個の可動ブロック10を用いる。そして、2個の可動ブロック10の内の1個は、固定ブロック9の長穴9aに合致するように、固定ブロック9の間隔Sに差し込み、残りの1個は、固定ブロック9の長穴9bに合致するように、固定ブロック9の間隔Sに差し込む。なお、差し込み時の貫通穴10bの位置は、各長穴9a,9bの長さ方向Lのどの位置であってもかまわない。
【0037】
そして、設置物20の脚部のボルト用穴の長さ間隔がL6(図3参照)であるとすると、2個の可動ブロック10を各固定ブロック9の上で長さ方向Lに移動させることで〔図8(b)の矢印a参照〕、可動ブロック10の取付け用ボルト12の長さ間隔がL6となるように調整する。取付け用ボルト12の長さ間隔L6は、図8(b)のように、前述の寸法例では、最大(max)で900mm、最小(min)で500mmの範囲で調整可能である。
【0038】
その後、図2(b)のように、各固定ブロック9の長穴9a,9bと各可動ブロック10の差し込み部10aの貫通穴10bとにそれぞれ固定用ボルト14を一連に貫通させて、反対側からナット15〔図8(a)参照〕をねじ込む。これにより、各固定ブロック9の間に各可動ブロック10の差し込み部10aが締め付け固定されるようになって、可動ブロック10の取付け用ボルト12の長さ間隔L6が本固定される。
【0039】
また、設置物20の脚部のボルト用穴の幅間隔がW4(図3参照)であると、各可動ブロック10のレール溝10cに頭部を嵌め込んだ4本の取付け用ボルト12を、レール溝10cに沿って幅方向Wに移動させることで〔図9(a)の矢印b参照〕、可動ブロック10の取付け用ボルト12の幅間隔がW4となるように調整する。これにより、可動ブロック10の取付け用ボルト12の幅間隔W4が仮固定される。取付け用ボルト12の幅間隔W4は、図9(a)のように、前述の寸法例では、100〜450mmの範囲で調整可能である。
【0040】
その後、図3のように、地面2の掘削部2aの空洞部分に掘削土等を埋め戻すことで基礎ブロック1の施工が完了する。
【0041】
そして、設置物の脚部の計4つのボルト用穴(長さ間隔L6、幅間隔W4)を各取付け用ボルト12に上方から挿通させて、ナット(不図示)をねじ込むことにより、可動ブロック10に上面に設置物20の脚部がそれぞれ締め付け固定されるようになる。これにより、可動ブロック10の取付け用ボルト12の幅間隔W4が本固定されるとともに、設置物20の設置作業が完了する。
【0042】
前記のような基礎ブロック1であれば、少なくとも2個の固定ブロック9(図3において、最低でも内側2個の固定ブロック9が必要であることを意味する。図3では、加えて外側2個の固定ブロック9を設置している。)の間に2個の可動ブロック10の差し込み部10aをそれぞれ差し込む。そして、固定ブロック9の長穴9a,9bと可動ブロック10の差し込み部10aの貫通穴10bとに固定用ボルト14をそれぞれ貫通させて、ナット15をそれぞれねじ込む。
【0043】
これにより、各固定ブロック9の間に、長穴9a,9bで長さ方向Lの位置調整をした2個の可動ブロック10の差し込み部10aが締め付け固定されるようになる。その後、可動ブロック10のレール溝10cで、設置物20の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルト12を幅方向Wに移動させることで、幅方向Wの位置調整をすることができる。
【0044】
このようにして、設置物20の脚部のボルト用穴の位置に合致するように、取付け用ボルト12を長さ方向Lと幅方向Wに移動させることができるので、基礎ブロック1に汎用性を持たせることができる。
【0045】
そして、重量のある嵩高の設置物20が設置されるような場合には、各固定ブロック9の外側に、追加の固定ブロック9を幅方向Wに並べて設置し、各固定ブロック9および追加の固定ブロック9の長穴9a,9bと可動ブロック10の差し込み部10aの貫通穴10bとに、固定ブロック9の全幅に見合う長さの固定用ボルト14を貫通させて、ナットをねじ込むようにすることができる。これにより、固定ブロック9の個数を幅方向Wに増加させることができる。
【0046】
例えば、前述のように、少なくとも2個の固定ブロック9の場合には、外側2個の固定ブロック9を追加設置することができる。
【0047】
また、図9(b)のように、4個の固定ブロック9の外側に、左側2個、右側1個の計3個の追加の固定ブロック9(二点鎖線d参照)を幅方向Wに並べて設置し、各固定ブロック9および追加の固定ブロック9の長穴9a,9bと、対応する可動ブロック10の差し込み部10aの貫通穴10bとを一連に貫通する固定用ボルト14にナット15をねじ込むことで、固定ブロック9の個数を幅方向Wに増加可能である〔本例では、4個(100Kg)から7個(175Kg)〕。なお、固定用ボルト14は、7個の固定ブロック9の幅に見合った長さのものを用いる。また、RECベース3を使用する場合には、その幅は、固定ブロック9の幅W2の8倍(W2×8)よりやや大きめに設定されたものを用いる。
【0048】
このようにして、固定ブロック9は、固定用ボルト14の長さを変えるだけで、組立式の要領で設置物20に見合った重量と設置面積(本例では各75%増)に容易に増加変更できることになるから、設置物20の耐震性が向上するようになる。
【0049】
前記実施形態では、固定ブロック9に2個の長穴9a,9bを一定の間隔L3を隔てて形成し、2個の長穴9a,9bを利用して2個の可動ブロック10をそれぞれ締め付け固定するようにしている(可動ブロック10が2列)。
【0050】
これに対して、図4のように、長さL2が約半分の固定ブロック9’に1個の長穴9aだけを形成し、長さL2が約半分の固定ブロック9’’に1個の長穴9bだけを形成することができる。なお、長さL2は約半分に限るものではない。
【0051】
そして、一方の固定ブロック9’の間に1個の可動ブロック10の差し込み部10aを差し込んで固定用ボルト14で締め付け固定するとともに、他方の固定ブロック9’’の間に1個の可動ブロック10の差し込み部10aを差し込んで固定用ボルト14で締め付け固定することもできる(可動ブロック10が1列)。
【0052】
なお、脚部が2個だけであるような設置物20の場合には、固定ブロック9’と9’’のいずれか一方だけを用いることも可能である。
【0053】
また、設置物20が長さ方向Lに3個(3列)以上の脚部を有している場合には、固定ブロック9の長穴9a,9bの間に長穴を追加するとともに、この追加した長穴に対応する可動ブロック10を追加すればよい。
【符号の説明】
【0054】
1 基礎ブロック
2 地面(設置面)
9 固定ブロック
9a,9b 長穴
10 可動ブロック
10a 差し込み部
10b 貫通穴
10c レール溝
12 取付け用ボルト
14 固定用ボルト
15 ナット
20 設置物
L 長さ方向
W 幅方向
S 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に延在され、幅方向に所定の間隔で設置される、少なくとも2個の固定ブロックと、
幅方向に延在され、前記2個の固定ブロックの間の差し込まれる差し込み部が下面に形成された、1個の可動ブロックとを備え、
前記各固定ブロックの側面に、長さ方向に延在する長穴が形成されるとともに、前記可動ブロックの差し込み部に、前記長穴に合致する貫通穴が形成されて、
前記各固定ブロックの長穴と可動ブロックの差し込み部の貫通穴とを一連に貫通する固定用ボルトにナットがねじ込まれることで、各固定ブロックの間に可動ブロックの差し込み部が締め付け固定される一方、
前記可動ブロックの上面に、設置物の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルトの頭部を幅方向に移動可能にガイドするレール溝が形成されていることを特徴とする設置物用基礎ブロック。
【請求項2】
長さ方向に延在され、幅方向に所定の間隔で設置される、少なくとも2個の固定ブロックと、
幅方向に延在され、前記2個の固定ブロックの間の差し込まれる差し込み部が下面に形成された、少なくとも2個の可動ブロックとを備え、
前記各固定ブロックの側面に、長さ方向に延在する、少なくとも2個の長穴が形成されるとともに、前記各可動ブロックの差し込み部に、前記長穴に合致する貫通穴が形成されて、
前記各固定ブロックの長穴と、対応する可動ブロックの差し込み部の貫通穴とを一連に貫通する固定用ボルトにナットがねじ込まれることで、各固定ブロックの間に各可動ブロックの差し込み部が締め付け固定される一方、
前記各可動ブロックの上面に、設置物の脚部のボルト用穴に挿通される取付け用ボルトの頭部を幅方向に移動可能にガイドするレール溝が形成されていることを特徴とする設置物用基礎ブロック。
【請求項3】
前記各固定ブロックの外側に、追加の固定ブロックが幅方向に並べて設置され、前記各固定ブロックおよび追加の固定ブロックの長穴と、対応する可動ブロックの差し込み部の貫通穴とを一連に貫通する固定用ボルトにナットがねじ込まれることで、固定ブロックの個数を幅方向に増加可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の設置物用基礎ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−112965(P2013−112965A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258996(P2011−258996)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(390032104)植平コンクリート工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】