説明

設計支援装置および設計支援方法およびプログラム

【課題】処理順や操作等多くの理解を必要としたCADを用いた設計作業が、経験の少ない設計者でも完成度の高い形状を短時間に、より簡単に作成できるように支援し、また、CADアプリケーションへの大量のコマンドの処理が定義されていたとしても、処理が停止してしまうといった事態の発生を抑えること。
【解決手段】コマンドDB102に記憶された各コマンド定義ファイルで定義されている複合コマンドの呼び出し順が指定されたコマンド処理順を、コマンド処理順DB101から指定すると、該複合コマンドを構成する複数のCADコマンドを前記コマンド定義ファイルで定義された実行順序で順次CADアプリケーション104に実行させるものであり、この際、CADアプリケーション104からのコマンド終了通知に応じて、次のCADコマンドをCADアプリケーションに実行させるように制御する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CADアプリケーションを用いた設計作業を支援する設計支援装置および設計支援方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CADシステムは、実際の製品をイメージして、加工設計し、適正な設定条件を与えて、どのような形態になるかを示してくれる点で便利なソフトウェアである。このため、当初は経験の少ない設計者向けに提供されたものであったが、最近のCADシステムは多くの機能が付加され、高度化してくると、これを使いこなすこと自体に熟練が必要となってきた。機能が高くなれば、短期間に複雑な設計も可能であるため、経験の少ない設計者には更に負担が加わることとなる。
【0003】
この問題に対して、操作者や設計者を支援する発明が求められており、特許文献1では、パラメータを設定する際、必要な知識やノウハウをナレッジデータベースに蓄積し、これを活用する事により、設計経験の浅い者でも短期間に一定レベル以上の設計を行うことが可能にしている。また、同じシステム内で最適化ツールを呼び出し、支援もしている。
【特許文献1】特開2002―230041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、予め設定した特定の設計環境について、支援システムが利用者を誘導して必要な操作をさせることに主眼点があり、設計対象や設計者の特徴に合わせた柔軟な変更ができない。また、ナレッジデータベースの範囲内で手厚い支援を行ってはいるが、処理順に従って、作業を進めていくところは支援しておらず、経験の浅い設計者が次に何をすべきかまでは含めていない。
【0005】
また、他ツール等とのインタフェースを持たないため、他のツールと連携した設計作業には応えることができないという問題があった。
【0006】
さらに、CADシステム一般の問題であるが、一度に大量のコマンドを投入すると処理が停止してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、CADアプリケーションが実行可能な複数のコマンドを実行順序とともに定義して1つの複合コマンドとして定義したコマンド定義データを複数記憶する記憶手段に記憶された前記各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定し、該指定された前記呼び出し順に従って前記複合コマンドを実行するものであり、この複合コマンドの実行は、該複合コマンドを構成する複数のコマンドを前記コマンド定義データで定義された実行順序で順次CADアプリケーションに実行させるものであり、この際、前記CADアプリケーションからのコマンド終了通知に応じて、次のコマンドを前記アプリケーションに実行させるように制御することにより、従来、処理順や操作等多くの理解を必要としたCADを用いた設計作業が、経験の少ない設計者でも完成度の高い形状を短時間に、より簡単に作成することができ、また、CADアプリケーションに投入したコマンドに対して、処理の開始/終了を順に確実に処理していくのため、大量のコマンドの処理が定義されていたとしても、処理が停止していまうといった事態の発生を抑えることができる設計支援装置および設計支援方法およびプログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、CADアプリケーションを用いた設計作業を支援する設計支援装置において、前記CADアプリケーションが実行可能な複数のコマンドを1つの複合コマンドとして定義したコマンド定義データを複数記憶可能な第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された前記呼び出し順に従って前記複合コマンドを実行する制御手段とを有し、前記コマンド定義データは、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドの実行順序の定義を含むものであり、前記制御手段は、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドを前記コマンド定義データで定義された実行順序で順次CADアプリケーションに実行させるものであり、さらに、前記制御手段は、前記CADアプリケーションからコマンド終了通知に応じて、次のコマンドを前記アプリケーションに実行させるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、CADアプリケーションが実行可能な複数のコマンドを実行順序とともに定義して1つの複合コマンドとして定義したコマンド定義データを複数記憶する記憶手段に記憶された前記各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定し、該指定された前記呼び出し順に従って前記複合コマンドを実行するものであり、この複合コマンドの実行は、該複合コマンドを構成する複数のコマンドを前記コマンド定義データで定義された実行順序で順次CADアプリケーションに実行させるものであり、この際、前記CADアプリケーションからのコマンド終了通知に応じて、次のコマンドを前記アプリケーションに実行させるように制御するので、従来、処理順や操作等多くの理解を必要としたCADを用いた設計作業が、経験の少ない設計者でも完成度の高い形状を短時間に、より簡単に作成することができる。
【0010】
また、CADアプリケーションに投入したコマンドに対して、処理の開始/終了を順に確実に処理していくのため、大量のコマンドの処理が定義されていたとしても、処理が停止していまうといった事態の発生を抑えることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す設計支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1において、100は設計支援装置である。設計支援装置100において、103は設計支援プログラムであり、コマンド処理順DB101の内容に従い、コマンドDB102の内容を検索しながら、CADアプリケーション104に対してDDE108を経由して処理命令を送ることにより、CADアプリケーション104を用いた三次元形状の作成を支援する。また、設計支援プログラム103は、必要があればCADアプリケーション104の処理の結果を結果保存DB107に保存させる。
【0013】
設計支援100は、DDE(Dynamic Data Exchange:Windows(登録商標)上でアプリケーションソフト同士がデータやコマンドの交換を行うための手順の一つ)108に対応しているものとする。
【0014】
105は表示装置であり、具体的にはディスプレイ等である。106は入力装置であり、具体的には、キーボードやマウス等のポインティングデバイスである。
【0015】
図2は、図1に示した設計支援装置100の装置構成を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0016】
図2において、201はCPUであり、ROM203、外部メモリ204、又は、その他の記録媒体に格納されたプログラムを、RAM202上で実行することにより、設計支援装置100全体を統括制御する。RAM202は、CPU201のワーク領域として使用される。
【0017】
外部メモリ204上には、データベース(DB)205が保持されている。このDB205は、図3に示すように、図1に示したコマンド処理順DB101,コマンドDB102,結果保存DB107を備えている。
【0018】
また、外部メモリ204上には、例えば図1に示した設計支援プログラム103,CADアプリケーション104,DDE108を実装するOSに対応する機能をコンピュータに実行させるためのプログラムがコンピュータにより読み出し可能に格納されている。
【0019】
209は通信インタフェースであり、通信ネットワーク210との等の伝送路と接続する部分である。
【0020】
図3は、図2に示したDB205のDB構成を示す図である。
【0021】
コマンド処理順DB101には、後述する図4に示すコマンド処理順序ファイルが複数格納されている。コマンドDB102には、後述する図5に示すコマンド定義ファイルが複数格納されている。結果保存DB107には、CADアプリケーション104の処理の結果が保存される。
【0022】
以下、図4,図5を参照して、コマンド処理順DB101に格納されるコマンド処理順序ファイル,コマンドDB102に格納されるコマンド定義ファイルについて具体的に説明する。
【0023】
図4は、図1,図3に示したコマンド処理順DB101に格納されるコマンド処理順ファイルのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。
【0024】
コマンド処理順ファイルは、図5に示すコマンド定義ファイルで定義されているコマンドの処理順を管理するものである。
【0025】
このコマンド処理順ファイルは、コマンドの日本語名1001と、コマンド定義ファイル名1002とを一組としたもの、もしくは、ドキュメントのファイル名1003を、複数保持している(順序構造をもって保持している)。
【0026】
なお、コマンド定義ファイル名1002は、コマンドDB102内のコマンド定義ファイル(図5)のファイル名に対応する。なお、このコマンド定義ファイルは、予めCADアプリケーション104が保持している物でも、設計者が自作した物でも構わない。
【0027】
ドキュメントのファイル名1003は、外部メモリ204に格納される任意のドキュメントのファイル名に対応する。なお、このドキュメントファイルは、他ツール、例えば、ワープロソフト、表計算ソフト等のドキュメントであっても良いし、CAM,CAE等の他アプリケーションであっても良い。
【0028】
設計支援プログラム103は、このコマンド処理順ファイルが指定されると、該指定されたコマンド処理順ファイルに従い、コマンドDB102内のコマンド定義ファイルや外部メモリ205内のドキュメントファイルを順次呼び出し実行制御する。
【0029】
なお、このコマンド処理順ファイルは、CADアプリケーション104に対応して作成される。即ち、CADアプリケーション104は、特定のCADアプリケーションに限られるものではなく、DDE108等によりコマンド交換可能な一般的なCADアプリケーションであれば適用可能であり、設計者は、このCADアプリケーションに応じて、コマンド処理順ファイルを用意する。
【0030】
図5は、図1,図3に示したコマンドDB102に格納されるコマンド定義ファイルのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。
【0031】
コマンド定義ファイルは、コマンドの日本語名を示すコマンド名901と、コマンドの実際のソースを保持しているフォルダ名902と、コマンドのパッケージ名903と、コマンドの内容の解説(コメント)904と、実際にCADアプリケーション104を呼び出す際の呼び出し名(CADコマンド)908,909と、コマンドを呼び出す際のパラメータ(コマンドの実行に必要なパラメータ)の種類906,初期値907を保持している。
【0032】
なお、このコマンド定義ファイルは、例えば、CSVファイル形式で生成されるものとするが、ファイル形式はいかようなものであってもよい。また、このコマンド定義ファイルは、予め管理者や各設計者等により生成されて、コマンドDB102に登録される。
【0033】
設計支援プログラム103は、このコマンド定義ファイルに従い、CADコマンド908,909を順次呼び出す。この際、設計支援プログラム103はコマンドと同時にパラメータ(906,907で特定される)をCADアプリケーション104に与える。これにより、CADアプリケーション104を用にて設計処理が実行されることになる。
【0034】
なお、CADコマンド908(csi_create_rectangle)は、CADコマンド905で作成されたワークプレーン上に長方形作成コマンドに対応する。このCADコマンド908は、パラメータ(縦「5」,横「10」)とともにCADアプリケーション104に送られ実行される。即ち、CADアプリケーション104上で、縦「5」,横「10」の長方形が作成されることとなる。
【0035】
さらに、CADコマンド909(csi_extend)は、CADコマンド908で作成した長方形を押し出すコマンドに対応する。このCADコマンド909は、パラメータ(高さ「20」)とともにCADアプリケーション104に送られ実行される。即ち、CADアプリケーション104上で、長方形が高さ「20」だけ押し出される。結果として、縦「5」,横「10」,高さ「20」の角柱が作成されることとなる。
【0036】
なお、このコマンド定義ファイルは、CADアプリケーション104に対応して作成されるものであり、設計者は、CADアプリケーションに応じて、コマンド定義ファイルを用意する。
【0037】
以上示したように、図5に示したコマンド定義ファイルは、CADアプリケーション104が実行可能な複数のコマンド(CADアプリケーション104に対応するコマンド)を実行順序も含めて1つの複合コマンドとして定義したものである。
【0038】
また、図4に示したコマンド処理ファイルは、図5に示した各コマンド定義ファイルで定義されている複合コマンドの実行順序を指定したものである。
【0039】
以下、図6〜図16を参照して、本発明の設計支援装置におけるCADコマンド実行処理について説明する。
【0040】
図6は、本発明の設計支援装置における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、図2に示した外部メモリ204内に記憶されたプログラムをCPU201がRAM202にロードして実行することにより実現される。また、図中、S401〜S407は設計支援プログラム103における処理に対応する。さらに、S411〜S412はDDE108における処理に対応する。また、S421〜S427はCADアプリケーション104における処理に対応する。
【0041】
まず、ステップS401において、設計支援プログラム103は、図7,図8に示すコマンド処理順選択画面を表示装置105上に表示するように制御し、設計者からの、コマンド処理順の選択を受け付ける。
【0042】
図7,図8は、本発明の設計支援装置におけるコマンド処理順選択画面の一例を示す図である。
【0043】
図7,図8において、701はコマンド一覧であり、コマンドDB102に登録されているコマンド(コマンドDB102に登録されているコマンド定義ファイル内のコマンド名901(図5))の一覧が表示される。702はコマンド処理順(シーケンス)名選択欄であり、コマンド処理順(シーケンス)名を新規に入力又は選択(コマンド処理順DB101に登録されているコマンド処理順名から選択)するためのものである。703はコマンド処理順(シーケンス)内容であり、コマンド処理順名選択欄702に表示されているコマンド処理順の内容が表示される。なお、コマンド処理順(シーケンス)内容703に表示されるコマンドは上から順に実行されるように順序指定されることとなる。
【0044】
704は追加ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド一覧701で選択されているコマンドをコマンド処理順(シーケンス)内容703の一番下に追加する。705は削除ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順(シーケンス)内容703で選択されているコマンドをコマンド処理順(シーケンス)内容703から削除する。
【0045】
706は登録ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順(シーケンス)内容703に表示されているコマンドが該表示順序(上から)で実行されるようなコマンド処理順ファイル(図4)を作成して、コマンド処理順名選択欄702に表示された名称で、コマンド処理順DB101に登録するように制御する。即ち、コマンド処理順(シーケンス)内容703に表示されているコマンドが表示順に追加されるようにコマンド処理順ファイル(図4)を作成する。
【0046】
707はコマンド解説欄であり、設計支援プログラム103は、コマンド一覧701で選択されているコマンドの解説(コメント904)を表示する。
【0047】
708は閉じるボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順選択画面を閉じるように制御する。
【0048】
709は実行ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順(シーケンス)内容703に表示されているコマンドが該表示順序(上から)で実行されるようなコマンド処理順ファイル(図4)を作成して、コマンド処理順名選択欄702に表示された名称で、コマンド処理順DB101に登録するように制御するとともに、該コマンド処理順(シーケンス)を実行するように制御する(即ち、ステップS402に処理を以降させる)。
【0049】
710は途中から実行ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順(シーケンス)内容703に表示されているコマンド処理順(シーケンス)を、コマンド処理順(シーケンス)内容703で選択されているコマンドから実行するように制御する。
【0050】
711はシーケンスの削除ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順名選択欄702に表示されているコマンド処理順(シーケンス)に対応するコマンド処理順ファイル(図4)をコマンド処理順DB101から削除するように制御する。
【0051】
803はオプションボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順選択画面を変更表示(図7から図8に示すように、又は、図8から図7に示すように変更)するように制御する。即ち、オプション領域の表示/非表示を指示するためのものである。
【0052】
805はドキュメント設定ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、外部メモリ204内の任意のドキュメントを、コマンド処理順名選択欄702に追加するための図示しないドキュメント設定用ダイアログを表示する。
【0053】
801はドキュメントの表示指示チェックボックスであり、このチェックボックスがチェックされていると、設計支援プログラム103は、処理実行時に、コマンド処理順(シーケンス)内容703内に表示されているドキュメントを、表示方法802で選択されている表示方法(アイコン又はウィンドウ)で表示するように制御する。なお、ドキュメントの表示指示チェックボックス801がチェックされていない場合には、処理実行時に、コマンド処理順名選択欄702内に表示されているドキュメントは、無視される。
【0054】
804はパラメータ設定ボタンであり、このボタンが押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、図示しないパラメータ設定用ダイアログ(操作者が容易にパラメータを指定できるように、コマンドの意味、及び、各パラメータの意味等を表示してガイドするUI)を表示装置105上に表示して、パラメータの設定を受け付ける。なお、ここで設定されたパラメータは、登録ボタン706又は実行ボタン709が押下された際に、対応するコマンドのコマンド定義ファイル内に格納されるものとする(例えば、図5の906,907)。また、パラメータが設定されなかったコマンドに関しては、外部メモリ204に格納されているパラメータファイルからデフォルトのパラメータが読み出されて、該パラメータが対応するコマンドのコマンド定義ファイル内に格納されるものとする。
【0055】
806はループチェックボックスであり、このループチェックボックスがチェックされている状態で実行ボタン709が押下されると、設計支援プログラム103は、コマンド処理順内容703で選択されている一つ又は複数のコマンドを複数回呼び出す。
【0056】
以下、図6のフローチャートの説明にもどる。
【0057】
図7,図8に示したコマンド処理順選択画面で実行ボタン709が押下(入力装置106により指示)されると、設計支援プログラム103は、ステップS402に処理を遷移させ、CADアプリケーション104を起動させる。なお、ここで起動されるCADアプリケーションは、図7,図8に示したコマンド処理順名選択欄702に表示されているコマンド処理順名に対応するコマンド処理順ファイルと紐付けられて、コマンド処理順DB101に登録されているように構成してもよい。即ち、図7,図8に示したコマンド処理順名選択欄702で選択されるコマンド処理順名に応じて、ステップS402で起動されるCADアプリケーションが変更されるように構成してもよい。
【0058】
次に、ステップS403において、設計支援プログラム103は、コマンド処理順選択画面のコマンド処理順名選択欄702に表示されているコマンド処理順(シーケンス)に対応するコマンド処理順ファイル(図4)からコマンド処理順の内容(例えば、1001,1002)を一行読み込む。
【0059】
次に、ステップS404において、設計支援プログラム103は、ステップS403で読み込んだコマンド処理順の内容が、コマンド(コマンド定義ファイル)を示しているか否かを判定し、コマンドを示していると判定した場合には、ステップS405に処理を遷移させる。
【0060】
次に、ステップS405において、設計支援プログラム103は、該コマンドに対してCADコマンドの呼び出し処理(詳細は図9に示す)を実行する。
【0061】
以下、図9のフローチャートを参照してステップS405のCADコマンド呼び出し処理について詳細に説明する。
【0062】
図9は、本発明の設計支援装置における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS405のCADコマンド呼び出し処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、図2に示した外部メモリ204内に記憶されたプログラムをCPU201がRAM202にロードして実行することにより実現される。また、図中、S501〜S507は設計支援プログラム103における処理に対応する。
【0063】
まず、ステップS501において、設計支援プログラム103は、コマンドDB102内を検索し、ステップS403で読み出されたコマンドに対応するコマンド定義ファイル(図5)を検索する。
【0064】
そして、ステップS502において、設計支援プログラム103は、ステップS501の検索結果に基づいて、対応するコマンド定義ファイル(図5)がコマンドDB102内に存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合には、そのまま処理を終了させて、図6のフローチャートに処理を戻す。エラーメッセージを表示するようにして、処理の継続の有無を操作者に指示させるように構成してもよい。
【0065】
一方、ステップS502で、設計支援プログラム103が、対応するコマンド定義ファイル(図8)がコマンドDB102内に存在すると判定した場合には、該コマンド定義ファイルを取得して、ステップS504に処理を遷移させて、該コマンド定義ファイルからCADコマンドを1つ読み出す(対応するパラメータも読み出す)。
【0066】
次に、ステップS504において、設計支援プログラム103は、ステップS503で読み出したCADコマンドを、DDE108に送信する。このとき、パラメータも送信する。
【0067】
そして、ステップS505において、設計支援プログラム103は、DDE108を介して返送されるCADコマンドの終了信号又はエラー信号を待機する。
【0068】
以下、図6のフローチャートの説明に戻す。
【0069】
ステップS405のCADコマンドの呼び出し処理により、CADコマンドがDDE108に送信されると、ステップS411において、DDE108は、設計支援プログラム103から受け取ったCADコマンドCADアプリケーション104に対して送信する。このとき、パラメータも送信する。これにより、CADアプリケーション104でCADコマンドが呼び出される。
【0070】
ステップS421において、CADアプリケーション104は、呼び出されたCADコマンドに従い、図10に示すようなCADダイアログを表示装置105上に表示するように制御し、該CADダイアログでの了解入力があるまで待機する(S422)。なお、CADダイアログが存在しないCADコマンドに関しては、そのままステップS423に処理を進めるように制御する。
【0071】
図10は、本発明の設計支援装置におけるCADダイアログの一例を示す図であり、(a)は図9に示したCADコマンド908(長方形作成コマンド)に対応し、(b)は図9に示したCADコマンド909(長方形押し出しコマンド)に対応する。
【0072】
図10において、1301はパラメータ入力欄であり、DDE108からCADコマンドともに受け取ったパラメータが表示される。ユーザは、このパラメータ入力欄1301のパラメータを入力装置106で編集可能である。1302は了解ボタン(レ)であり、了解ボタン(レ)1302を押下(入力装置106で指示)することで処理を進めることができる。
【0073】
以下、図6のフローチャートの説明に戻す。
【0074】
ステップS422において、図10の了解ボタン(レ)1302が押下(入力装置106で指示)されると、CADアプリケーション104は、ステップS423に処理を遷移させ、DDE108から呼び出されたCADコマンドを実行する。
【0075】
図11,図12は、本発明の設計支援装置におけるCADコマンド実行結果の一例を示す図である。なお、図11は図5に示したCADコマンド908(csi_create_rectangle)の実行結果に対応する。さらに、図12は図5に示したCADコマンド909(csi_extend)の実行結果に対応する。
【0076】
図5に示したCADコマンド908(csi_create_rectangle)がCADアプリケーション104に与えられると、ステップS421において、図10(a)に示したCADダイアログが表示され、必要に応じてパラメータ入力欄1301でパラメータが変更され、了解ボタン(レ)1302が押下されると、CADアプリケーション104上でCADコマンド908(csi_create_rectangle)が実行されて、図11に示すように、CADアプリケーション104上で長方形1101が作成される。
【0077】
また、図5に示したCADコマンド909(csi_extend)がCADアプリケーション104に与えられると、ステップS421において、図10(b)に示したCADダイアログが表示され、必要に応じてパラメータ入力欄1301でパラメータが変更され、了解ボタン(レ)1302が押下されると、CADアプリケーション104上でCADコマンド909(csi_extend)が実行されて、図12に示すように、CADアプリケーション104上で長方形が押し出されて角柱(直方体)1201が作成される。
【0078】
以下、図6のフローチャートの説明に戻る。
【0079】
ステップS424で、CADアプリケーション104が、エラー終了したと判定した場合には、直ちにステップS427に処理を遷移させ、エラー信号をDDE108に送信する。
【0080】
一方、ステップS424で、CADアプリケーション104が、エラー終了していない(正常終了した)と判定した場合には、ステップS425に処理を遷移させ、CADコマンドの実行結果をRAM202上に保存する。そして、ステップS426において、CADアプリケーション104は、CADコマンド終了と同時に終了信号をDDE108に送信する。
【0081】
そして、DDE108は、ステップS412において、CADアプリケーション104から送信されたエラー信号又は終了信号を、設計支援プログラム103に送信する。
【0082】
以下、図9のフローチャートの説明に戻る。
【0083】
次に、ステップS505において、設計支援プログラム103は、ステップS504で送信したCADコマンドに対応する終了信号又はエラー信号をDDE108から受信したと判定した場合には、ステップS506に処理を遷移させる。
【0084】
ステップS506において、設計支援プログラム103は、ステップS505で受信した信号がエラー信号であるか否かを判定し、エラー信号であったと判定した場合には、ステップS504に処理を戻し、再度、同一のCADコマンドをDDE108に送信するように制御する。
【0085】
一方、ステップS506で、設計支援プログラム103が、ステップS505で受信した信号がエラー信号でない(終了信号である)と判定した場合には、ステップS507に処理を遷移させる。
【0086】
そして、ステップS507において、設計支援プログラム103は、対応するコマンド定義ファイル(図5)内に、残りCADコマンドがあるか否かを判定し、残りCADコマンドがあると判定した場合には、ステップS503に処理を戻し、次のCADコマンドを読み出す。
【0087】
一方、ステップS507で、設計支援プログラム103が、対応するコマンド定義ファイル(図5)内に、残りCADコマンドがないと判定した場合には、そのままCADコマンドの呼び出し処理を終了し、図6のフローチャートに処理を戻す。
【0088】
図6のステップS405で実行したCADコマンドの呼び出し処理が終了すると、設計支援プログラム103は、ステップS407に処理を遷移させる。
【0089】
一方、ステップS405で、設計支援プログラム103が、ステップS403で読み込んだコマンド処理順の内容が、コマンド(コマンド定義ファイル)を示していない(ドキュメントファイル等を示している(例えば、図4の1003))と判定した場合には、ステップS406に処理を遷移させる。
【0090】
ステップS406において、設計支援プログラム103は、ドキュメントファイルを展開する。即ち、該ドキュメントファイルに対応するアプリケーションを起動して該ドキュメントファイルを表示装置105上に表示するように制御する。そして、ステップS407に処理を遷移させる。
【0091】
そして、ステップS407において、設計支援プログラム103は、対応するコマンド処理順ファイル(図4)内に、残りコマンドがあるか否かを判定し、残りコマンドがあると判定した場合には、ステップS404に処理を戻し、次のコマンドを対応するコマンド処理順ファイルから読み出す。
【0092】
一方、ステップS407で、設計支援プログラム103が、対応するコマンド処理順ファイル(図4)内に、残りコマンドがないと判定した場合には、処理を終了する。
【0093】
なお、処理を終了する前に、設計支援プログラム103は、結果保存DB107)を保存場所に指定した終了結果の保存命令をDDE108に送信するように構成してもよい。これにより、DDE108は、この保存命令をCADアプリケーション104に送信する。CADアプリケーション104は、この保存命令を実行して、指定された保存場所(結果保存DB107)に、結果を保存するように制御する。
【0094】
以下、図13〜図16を参照して、図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスを実行した際のCADアプリケーション104の画面イメージを模式的に示す。
【0095】
図13〜図16は、図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスを実行した際のCADアプリケーション104の画面イメージを示す模式図である。
【0096】
まず、図13に示すように、表示装置105上に表示されたコマンド処理順選択画面1201上で、図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスが選択され実行が指示されると、まず、コマンド「角柱作成」が実行されて、ユーザからの入力に従い、図14に示すようにCADアプリケーション上に角柱1202が作成される。
【0097】
さらに、図4に示したドキュメント「Holesize.xls」が図15の1203に示すように表示装置105上に展開される。ユーザは、「Holesize.xls」の内容を参照して、以後の入力に役立てることができる。例えば、「Holesize.xls」に熟練者が設計に用いたデータを格納しておくことにより、該データを参照することにより、経験の浅い設計者でも、完成度の高い設計を行うことができる。
【0098】
さらに、図4に示したコマンド「穴作成」が実行されて、ユーザからの入力に従い、図16に示すようにCADアプリケーション上の角柱1202に穴1204が作成される。
【0099】
以下、設計支援プログラム103を用いることなく、直接、CADアプリケーション104を操作して設計を行う場合と、設計支援プログラム103を用いて設計を行う場合とで、設計者(ユーザ)の操作手順を比較する。なお、ここでは、図14に示した角柱の作成(即ち、上述した図11,図12に示した角柱作成)を行う場合を例にして説明する。
【0100】
まず、設計支援プログラム103を用いることなく、直接、CADアプリケーション104を操作して行うと、設計者は、以下のような(1)〜(10)に示すような操作を行う必要がある。
【0101】
(1)まず、ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、ワークプレーンのボタンを押す。(2)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、新規のボタンを押す。(3)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、2D作成ボタンを押す。
【0102】
(4)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、長方形ボタンを押す。(5)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、長方形の左上の1点を選択する。(6)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、対角線上のもう一つの点である右下の点を選択する。
【0103】
(7)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、マシニングボタンを押す。(8)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、押し出しボタンを押す。(9)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、押し出し距離を入力する。(10)ユーザは、CADアプリケーション104の画面上で、了解ボタンを押す。
【0104】
以下、設計支援プログラム103を用いて操作して行うと、設計者は、以下のような(11)〜(10)に示すような操作を行う必要がある。
【0105】
(11)ユーザは、図7,図8に示したコマンド処理順選択画面にて、コマンド処理順(シーケンス)を選択して処理の実行を指示する。(12)ユーザは、図10(a)に示したCADダイアログにて、長方形の縦,横の値を入力する。(13)CADダイアログにて、了解ボタンを押す。
【0106】
(14)ユーザは、図10(b)に示したCADダイアログにて、角柱の高さ値を入力する。(15)CADダイアログにて、了解ボタンを押す。
【0107】
このように、設計支援プログラム103を用いて操作して行うと、設計者は、少ない手順で、設計を行うことができる。このように、設計支援プログラム103は、経験の少ない設計者であっても確実且つ容易に設計できるように、操作を通常より少ない手順で誘導する。
【0108】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、図1に示したように、設計支援プログラム103,CADアプリケーション104,DDE108,コマンド処理順DB101,コマンドDB102が、同一の装置上に設けられた構成について説明したが、設計支援プログラム103,コマンド処理順DB101,コマンドDB102と、CADアプリケーション104とを異なる装置上に設けるように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
【0109】
図17は、本発明の第2実施形態を示す設計支援装置の構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0110】
図17において、200はサーバ装置、220はクライアント装置である。本実施形態の設計支援システムは、サーバ装置200とクライアント装置220がネットワーク210を介して通信可能に接続されている。
【0111】
サーバ装置200には、設計支援プログラム103,DDE108,コマンド処理順DB101,コマンドDB102が備えられている。
【0112】
また、クライアント装置220には、CADアプリケーション104,DDE108が備えられている。
【0113】
なお、本実施形態では、サーバ装置200上の設計支援プログラム103と、クライアント装置220上のCADアプリケーション104とが、DDE108及び通信インタフェース209を介して、コマンドの交換を行うことが可能となる。
【0114】
以上示したように、CADアプリケーションの機能(CADコマンド)と設定するべきパラメータの種類や値、パラメータに関する解説文(コメント)等を設定したコマンドをコマンド定義ファイル(図5)として予めコマンドDB102に登録しておき、設計者が、コマンド処理順ファイル(図4)でコマンドDB102内のコマンドの処理順を設定し実行させることにより、経験の浅い設計者でも熟練者と同じ手順で短期間にモデルを作成することを可能とする。
【0115】
また、上記コマンド処理順序には、コマンドDB102に登録されたコマンドのみでなく、設計文書,解析ツール等の他のドキュメントやアプリケーション等を任意の順序で呼び出すように設定できるので、CADアプリケーションの持つ機能の処理の間で、設計者が参照したいドキュメントや使用したい他のアプリケーションを容易に呼び出すことができる。
【0116】
これにより、経験の浅い設計者でも熟練者の用いたドキュメント等を参照しながら、完成度の高い設計を行うことができる。
【0117】
また、本実施形態の設計支援プログラム103は、DDE(Dynamic data exchange)108等を介して通信することにより、CADアプリケーションを含め、CADアプリケーション外の他アプリケーションも自由に呼び出して処理を指示し、その結果を、コマンド処理順ファイル(図4)に定めた順に、設計者が処理結果を確認しながら、図10に示したようなダイアログから逐次指示して、1CADコマンド毎に、確実に実行させることができる。
【0118】
従って、正しい処理順、操作支援、他のツールの呼び出し等の機能を提供することにより、従来、処理順や操作等多くの理解を必要としたCADを用いた設計作業が、経験の少ない設計者でも完成度の高い形状を短時間に、より簡単に作成する事が出来るという効果を奏する。
【0119】
また、CADアプリケーションの機能を完全に外部から呼び出すことができ、アプリケーションや他の解析ツールなども簡単にシナリオに定義できるという柔軟な仕組みがあるため、様々な設計形態に利用できる効果を奏する。
【0120】
さらに、CADアプリケーションに投入したCADコマンドに対して、CADアプリケーションから1コマンド毎に終了信号を受け取りながら、処理の開始/終了を順に確実に処理していくので、大量のコマンドの処理が定義されていたとしても、処理が停止するといった事態の発生を抑えることができる。
【0121】
従って、CADアプリケーションの操作を行う際にCAD機能の呼び出しを管理すること、入力する数値の意味や結果の例などを表示することにより、設計者による操作を最小限に押え、短時間で一定以上のレベルのモデリングを行うことができるように、CADアプリケーションによる設計を支援することができる。
【0122】
なお、上記実施形態では、1CADコマンド毎に、ユーザにCADダイアログでの了解入力をさせる構成であったが、ユーザに了解入力をさせることなく、コマンド定義ファイル内で定義されたパラメータ値で全てコマンド実行させるように構成してもよい。この場合、ユーザは、図7,図8に示したコマンド処理順選択画面において、コマンド処理順(シーケンス)名選択欄702で、コマンド処理順を選択し、必要に応じてコマンド処理順(シーケンス)内容703で編集し、実行ボタン709を押下(入力装置106により指示)するのみで、選択したコマンド処理順に記載された複合コマンドを全てCADアプリケーション104に実行させることができる。
【0123】
上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0124】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0125】
以下、図18に示すメモリマップを参照して本発明に係る設計支援装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0126】
図18は、本発明に係る設計支援装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0127】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0128】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0129】
本実施形態における図6,図9に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0130】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0131】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0132】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0133】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0134】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0135】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0136】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0137】
なお、上述した各実施形態、及び、上述した各実施形態の各変形例等を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の第1実施形態を示す設計支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した設計支援装置の装置構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したDBのDB構成を示す図である。
【図4】図1,図3に示したコマンド処理順DBに格納されるコマンド処理順ファイルのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。
【図5】図1,図3に示したコマンドDBに格納されるコマンド定義ファイルのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。
【図6】本発明の設計支援装置における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の設計支援装置におけるコマンド処理順選択画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の設計支援装置におけるコマンド処理順選択画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の設計支援装置における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の設計支援装置におけるCADダイアログの一例を示す図である。
【図11】本発明の設計支援装置におけるCADコマンド実行結果の一例を示す図である。
【図12】本発明の設計支援装置におけるCADコマンド実行結果の一例を示す図である。
【図13】図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスを実行した際のCADアプリケーションの画面イメージを示す模式図である。
【図14】図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスを実行した際のCADアプリケーションの画面イメージを示す模式図である。
【図15】図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスを実行した際のCADアプリケーションの画面イメージを示す模式図である。
【図16】図4に示したコマンド処理順ファイルに対応するシーケンスを実行した際のCADアプリケーションの画面イメージを示す模式図である。
【図17】本発明の第2実施形態を示す設計支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図18】本発明に係る設計支援装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0139】
100 設計支援装置
101 コマンド処理順DB
102 コマンドDB
103 設計支援プログラム
104 CADアプリケーション
105 表示装置
106 入力装置
107 結果保存DB
108 DDE
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 外部メモリ
205 DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CADアプリケーションを用いた設計作業を支援する設計支援装置において、
前記CADアプリケーションが実行可能な複数のコマンドを1つの複合コマンドとして定義したコマンド定義データを複数記憶可能な第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された前記呼び出し順に従って前記複合コマンドを実行する制御手段とを有し、
前記コマンド定義データは、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドの実行順序の定義を含むものであり、
前記制御手段は、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドを前記コマンド定義データで定義された実行順序で順次CADアプリケーションに実行させるものであり、
さらに、前記制御手段は、前記CADアプリケーションからコマンド終了通知に応じて、次のコマンドを前記CADアプリケーションに実行させるように制御することを特徴とする設計支援装置。
【請求項2】
前記第1の記憶手段に記憶された各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定した呼び出し順データを複数記憶可能な第2の記憶手段を有し、
前記指定手段は、前記第2の記憶手段に記憶されるいずれかの呼び出し順データを指定し、該指定した呼び出し順データを編集して、前記第1の記憶手段に記憶された各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定することを特徴とする請求項1記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記コマンド定義データは、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドの実行に必要なパラメータとそのパラメータ値を含むものであり、
前記制御手段は、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドを前記コマンド定義データで定義されたパラメータと共にCADアプリケーションに与えて実行させることを特徴とする請求項1又は2記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記指定手段は、前記第1の記憶手段に記憶された各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定する際、該複合コマンドを構成する複数のコマンドの実行に必要な各パラメータに対するパラメータ値を指定可能なことを特徴とする請求項3記載の設計支援装置。
【請求項5】
前記指定手段は、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドの実行に必要な各パラメータに対するパラメータ値を指定する際に、各パラメータの意味を設定者に通知するガイド表示を行うことを特徴とする請求項4記載の設計支援装置。
【請求項6】
前記指定手段は、前記複合コマンドの呼び出し順を指定する際に、前記複合コマンドの呼び出し順内の任意の順序に、前記複合コマンドとは異なる所定のアプリケーションデータの呼び出しを指定可能なことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の設計支援装置。
【請求項7】
CADアプリケーションを用いた設計作業を支援する設計支援装置における設計支援方法において、
前記CADアプリケーションが実行可能な複数のコマンドを1つの複合コマンドとして定義したコマンド定義データを複数記憶する記憶手段に記憶された前記各コマンド定義データで定義されている前記複合コマンドの呼び出し順を指定する指定ステップと、
該指定された前記呼び出し順に従って前記複合コマンドを実行する実行ステップとを有し、
前記コマンド定義データは、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドの実行順序の定義を含むものであり、
前記実行ステップは、前記複合コマンドを構成する複数のコマンドを前記コマンド定義データで定義された実行順序で順次CADアプリケーションに実行させるものであり、
さらに、前記実行ステップは、前記CADアプリケーションからコマンド終了通知に応じて、次のコマンドを前記CADアプリケーションに実行させるように制御することを特徴とする設計支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載された設計支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項7に記載された設計支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2007−4239(P2007−4239A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180407(P2005−180407)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】