説明

診断テスト装置

【課題】コストを削減し、少量のサンプル量で診断できる診断スワブまたは生検パンチを提供する。
【解決手段】診断テスト装置は、第1端および第2端を有するシャフト1、シャフトの第1端に取り付けられたスワブ2または生検パンチ、ならびに、シャフトの第1端上に嵌め込むためのキャップ3,4を含む。キャップは少なくとも1つの診断テスト試薬16,22,23を含み、シャフトは第1端に近接して配置された少なくとも1つのキャップ係合要素6を含む。係合要素はシャフト上にキャップを保持するためにキャップと係合するようにスワブまたは生検パンチの放射状外側に延びている。サンプル受容ポートから延びるハウジングを有するテスト装置で使用する診断キャップも提供する。ハウジングはサンプルのために側方流路を画定する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は診断スワブおよび生検パンチシステムに関し、ならびに、そのようなシステムで使用するための診断キャップに関する。
【0002】
〔発明の技術背景〕
吸収性スワブは一般に、さらなる分析のために患者から流体標本を収集するのに使用されることが、医術において知られている。医療スワブは一般に、患者の選択された部分、例えば外傷の表面に、スワブの先端を接触するために手動で扱われる細長いスティックあるいはシャフトの一端に繊維性のスワブ先端部を含む。結果として、細胞物質を含む組織液がスワブ先端部に付着し、そのスワブ先端部を1つ以上の選択された試薬に接触させることよって、感染の存在あるいは患者の状況に関する他の情報を示すことができる。スワブ標本を行う試験は一般に、蛍光検査、酵素試験、モノクローナル抗体による試験、および、凝集試験を含む。
【0003】
さらにより精度の高い診断を、生検サンプルの分析により達成することもできる。典型的に、生検サンプルは円柱状の尖った生検パンチを用いて得ることができ、生検パンチは細長いスティックまたはシャフトの一端に配置され、目的の組織に手動で穿孔される。パンチサンプルはその後、均質化され適切な試薬で分析され、診断にたどり着く。
【0004】
標準的な技術にしたがって、収集された体液標本(スワブあるいは生検)は通常、スワブ先端部あるいは生検パンチからスライドあるいは試験管または同様な他の実験室装置へ移され、選択された試薬に接触させられて、さらなる分析が行われる。しかしながら、正確な試験結果を保証するために十分な量の標本をスワブ先端部から実験スライドあるいは試験管へ移すことを確実にするのは困難な場合がある。移送中、サンプルの汚染が偶発的に起こる可能性があり、また、標本収集と実際の試験実行の間の時間の遅延がテストの信頼性を落とす結果にもなりえる。別個の分析ステップが必要なことも診断手順全体のコストを増加させる。
【0005】
米国特許第5,266,266A号では、目的標本を収集するように構成されたスワブ先端部と、試薬液の容器の中へ突き出る分離先端部との間に延在する中空スワブシャフトを有する診断用スワブを開示している。スワブ先端部のサンプルの収集に続いて、容器の変形が生じ、スワブから先端部を切断し、スワブシャフトの後端部を開き、試薬が試薬チャンバーからスワブシャフトを介してスワブ先端部へ流れることを可能にする。スワブはキャップを有するハウジング内に完全に囲まれており、スワブ先端部からの溶出液と反応させるため、処理されたビーズのような、さらなる試薬がハウジング内に提供される。このスワブ装置は構造上、かなり大量の熱可塑性成型材料、および、満足のいく作用を与えるために、かなり大量の試薬液を必要とする。結果として、コストが増大し、スワブサンプルの希釈によって感度が減少する。
【0006】
米国特許第6,248,294A号は従来のスワブ、および、サンプルの収集後、スワブを受け取って取り囲むための診断ハウジングを含む診断用スワブ内蔵型装置(self-contained diagnostic swab arrangement)を開示している。診断用ハウジングは試薬液用容器、および、ハウジングの一側面に延びている診断検査ストリップを含む。この診断用スワブ装置は構造上、かなり大量の熱可塑性成型材料、および、満足のいく作用を与えるため過剰な量の試薬液を必要とする。
【0007】
〔発明の概要〕
第1の態様において、本発明は診断テスト装置を提供し、この診断テスト装置は、第1端部および第2端部を有するシャフトと、シャフトの第1端部上に取り付けられたスワブまたは生検パンチと、前記シャフトの第1端部上にはめ込むためのキャップであって、少なくとも1つの診断テスト試薬を含む、前記キャップと、を含み、前記シャフトは前記第1端部に近接して配置された少なくとも1つのキャップ係合要素を含み、前記要素は前記キャップと係合するため、スワブまたは生検パンチの放射方向外側に伸びて、前記シャフト上にキャップを保持する。
【0008】
第1端部の近くにキャップをはめ込むことができる方法でこのように構成されたシャフトを使用することによって、小さな診断キャップをこの装置と共に使用することができる。これによって材料使用の節約を提供する。
【0009】
第2の態様において、本発明は、実質的にカップ型の本体、前記本体の内部に配置された吸収性プラグ、および、前記吸収性プラグ内または周りに配置された少なくとも1つの診断テスト試薬を含む、診断用キャップを提供する。
【0010】
非常に小型の診断測定および表示構造をそのような小さなキャップの内側に嵌め込むことができ、それによって装置全体の大きさ、試薬使用、および、サンプル希釈剤を最小にできる。このことは以下の解説で明らかになるであろう。
【0011】
第3の態様において、本発明は、診断装置において使用するための診断キャップを提供し、前記キャップはシャフト上のキャップ係合要素に係合するように構成された内部表面を有するサンプル受容ポート、および、液体サンプル用側方流路を画定するハウジング、を含み、前記側方流路は前記サンプル受容ポートに流体連通している注入端部を有する。
【0012】
第4の態様において、本発明はスワブシャフト、生検パンチシャフト、および、本発明に従った診断キャップを含む診断検査システムを提供し、前記キャップは2つの異なったシャフト間で交換可能に使用されることができる。
【0013】
〔発明の詳細な説明〕
スワブ/生検パンチおよびシャフト
キャップをはめ込むためのシャフト上のキャップ係合要素は、典型的には、スワブまたは生検パンチの基部(先端部)から1mm〜約30mmに配置されている。これは前述の比較的小型の診断キャップの使用と一貫性がある。
【0014】
キャップをはめ込むためのシャフト上のキャップ係合要素は、キャップと締りばめを形成するためのシャフトのテーパー部分であることができ、例えば、シャフトと同軸であり、シャフトの第1端部に向かって先細になっている円錐台のようでもよい。あるいは、シャフト全体がスワブあるいは生検パンチの直径よりも大きい直径を有し、第1端部に近接したテーパー部分を有しても良い。いかなる場合でも、キャップと係合するテーパー部分の直径は、スワブあるいは生検パンチの直径よりも大きく、それによりキャップをスワブあるいは生検パンチ上にはめ込むことができる。
【0015】
他の実施形態において、キャップ係合要素はキャップの内表面上にある1つ以上の相補的な突出部とスナップフィットを形成するためのスナップフィット突出部を、あるいは、キャップの内表面上にある1つ以上の補足的なネジ山とネジ嵌合(screw fit)を形成するためにネジ付き突出部を含む。バイオネットネジ山(bayonet threads)あるいはルアーロック(Luer lock)のようなクイックフィットネジ山は、キャップおよびシャフト上の係合要素として使用するのに特に適している。
【0016】
スワブはいかなる吸収性スワブ、例えば不織布繊維性スワブであってもよい。典型的にスワブの直径は約2mmから約5mmであり、例えば約3mmである。ある実施形態において、スワブは医療的に容認可能な連続気泡フォーム(open-celled foam)、例えばポリウレタンフォームから、形成されてもよい。これは、そのようなフォームは高い吸収性を有し、容易に圧搾して吸収されている流体を放出できるからである。生検パンチは典型的に直径が約1mmから約10mm、例えば約3mmから約8mm、ふさわしくは約6mmであるステンレス鋼の円筒形のパンチであろう。
【0017】
ある実施形態において、シャフトは中空であって、それにより、流体が第2の端部からシャフトを通って、診断分析のためにスワブあるいは生検パンチからキャップへ生体サンプルを放出することができる。シャフトは注射器あるいは他の流体源を取り付けるため第2の端部に取り付け部を含む。ある実施形態において、装置はシャフトの第2の端部に取り付けられた液体の貯蔵室を含む。液体の貯蔵室は例えば液体を含む圧縮球であり、スワブあるいは生検パンチの使用後に、稼動させることができる。この種類の適している装置は、例えば米国特許第5,266,266A号に記述されており、参照することによって全体を本明細書に組み入れる。他の実施形態において、装置はプランジャを含んでもよく、このプランジャをシャフトの中空孔で押し下げ、スワブあるいは生検パンチから流体あるいは他の標本を放出することができる。
【0018】
中空シャフトの別の利点は、装置が生検パンチの場合、生検サンプルはより容易にパンチから押し出されるまたは吹き出されることができる。生検パンチ装置は均質化手段をさらに含むことができる。この均質化手段は中空シャフトを通り、生検パンチ内の組織サンプルを均質化することができる。均質化の工程は、必要な場合には、第2の端部から液体がシャフトを通る工程の後に続き、診断分析のために、生検パンチからキャップへ均質化した組織を放出する。
【0019】
キャップ構造‐一般
本発明の様々な態様に従えば、診断キャップは一般的にキャップの形をした本体部分(サンプル受容ポート)を含む、および、この本体部分から本質的に構成されることができる。この本体部分はスワブまたは生検パンチを受け入れるため、一端で開口している短い管であると言える。
【0020】
適切には、キャップ本体部分(サンプル受容ポート)は、(キャップがシャフトにしっかり固定されている時のシャフトの軸に沿って測定した場合)約1cm〜約4cm、例えば約15mm〜約25mmの長さを有する。適切には、キャップ本体部分(サンプル受容ポート)は約1mm〜約10mm、例えば、約2mm〜約6mmの内径を有する。従って、キャップ(およびサンプル受容ポート)がシャフトにしっかりと固定されているとき、キャップ(およびサンプル受容ポート)の内部体積は小さく、適切には約10mm3〜約1000mm3、例えば約50mm3〜約300mm3である。この小さい体積により、診断テストを少量のサンプルで、例えば、典型的なスワブまたは生検パンチで収集したサンプルをほとんど希釈しないで行うことができる。
【0021】
キャップ本体の内表面にキャップをシャフトにしっかりと固定するためのキャップ取り付け要素を提供するのが好ましい。キャップ取り付け要素は、シャフトの外表面上にある1つ以上の補足的な突出部とスナップフィットを形成するためのスナップフィット突出部を、あるいは、シャフトの外表面上にある1つ以上の補足的なネジ山とネジ嵌合(screw fit)を形成するためにネジ付き突出部を含む。バイオネットネジ山(bayonet threads)あるいはルアーロック(Luer lock)のようなクイックフィットネジ要素は、キャップおよびシャフト上の係合要素として使用するのに特に適している。キャップおよびシャフトの補足的な取り付け要素はキャップおよびシャフトの間の実質的な液密シールを提供するように構成されることが好ましい。それによって、キャップのサンプル受容ポートからの液体サンプルの漏れが、キャップを介して出口へ液体が通ることによって行われることを確実にする。この出口は1つ以上の診断テスト材料の下流にある。
【0022】
テーパー突出部はキャップ本体の基部から、スワブまたは生検パンチが挿入されているキャップの開口部に向かって上方に延びてもよい。ある実施形態において、テーパー突出部は、キャップへ挿入した生検パンチ内の組織サンプルを柔らかくするために、鋭利な、研磨可能な、または、のこぎり歯状の表面を有してもよい。
【0023】
適切には、キャップは少なくとも部分的に透明である。これによって、キャップを取り除くことなく、キャップを介して可視的に診断インジケータを観察できる。いくつかの実施形態においては、キャップが少なくとも部分的に紫外線を、例えば、300〜350nmの波長を有する光を、通す。これらあるいは他の実施形態において、キャップの内側の診断インジケータの観察ができるように、キャップに窓があってもよい。
【0024】
キャップは、前述したように小さなキャップ内に嵌め込むことができ、1つ以上の診断インジケータ、特に小さな体積を有するサンプルを分析するために使用されうる小型診断テスト装置を含む。
【0025】
本発明の第2の態様に従う実施形態において、キャップはキャップの本体内に配置された吸収性プラグ内またはその周囲に提供された少なくとも1つの診断テスト試薬を含む。適切には、吸収性プラグは約10〜約1000mm3の、例えば約50〜300mm3の非圧縮体積を有する。吸収性プラグは分析溶液をキャップ本体内の診断インジケータへ効果的に運ぶ。
【0026】
例えば、本発明の第2の態様に従ういくつかの実施形態において、少なくとも1つの診断テスト試薬は環状診断ストリップ内または環状診断ストリップ上に備えられる。この環状診断ストリップはキャップ本体の内周の少なくとも1部分、好ましくはキャップ本体の全内周に延在している。ストリップ(または複数のストリップ)は異なる診断インジケータを検知するために構成された複数の部分に分割されていてよく、これらの部分はキャップ本体の内周に放射状に間隔を置いて配置されている。ストリップ(または複数のストリップ)でキャップの本体内に配置された吸収性プラグを包んでよく、吸収性プラグはテスト中の流体をストリップまたは複数のストリップへ運ぶ。この種の運搬に特に適切なプラグは、親水性のポリエステル繊維のような親水性繊維の円柱状の束によって提供されることが、分かっている。
【0027】
本発明の第2の態様に従う他の実施形態において、少なくとも1つの診断テスト試薬はキャップ本体の内側を横切って延びる診断シート内または診断シート上に提供される。そしてシートの端部はキャップ本体の側壁を通して見ると、リングのように見える。そのようなシートの積み重ねはキャップ本体の内側でプラグを作り上げてよく、その積み重ねの中の異なったシートは異なった生物学的マーカーの存在を示すように構成されていてよい。好ましくは、シートはろ紙のような吸収性材料から作られ、それによってスワブまたは生検パンチから流体サンプルを抜き出す。
【0028】
上記の実施形態において、診断キャップ本体、それ自体は(例えば、サンプル受容ポート)はキャップの内側の診断材料の異なる部分または層に対応して放射状におよび/または軸方向に間隔を置いたしるし(indicia)を提供してよい。
【0029】
本発明の第2の態様に従う上記の実施形態において、排出装置をキャップ本体の基部に備えてよい。これによって、診断テストのための、スワブまたは生検パンチからキャップ本体への生体サンプルの円滑な流れを助ける。
【0030】
本発明の第2の態様に従うある実施形態において、診断キャップは本質的にカップ型の本体コンポーネントからなる。これらの実施形態では、特に、材料が小型で、サンプル処理が経済的である。
【0031】
好ましくは、本発明の第2の態様に従う診断キャップは本発明の第1の態様に従う装置での使用に適している。
【0032】
側方流動
本発明の第3の態様に従う実施形態の診断キャップにおいて、キャップはシャフト上のキャップ係合要素と係合するように構成された内部表面を有するサンプル受容ポート、および、液体サンプルのための流体流路を画定するハウジング、を適切に含み、この流体流路はサンプル受容ポートと流体連通状態にある注入端部を有する。
【0033】
サンプル受容ポートの大きさ、形、および、構成は、本発明の他の態様に関連して上記したようにするのが好ましい。本発明のこの態様および他の態様に従う実施形態において、ハウジングは、キャップの基部をさらに含むのが好ましく、それによって、キャップは、シャフトを受け入れるために上方向に開口しているサンプル受容ポートと共に、水平面上の前記基部に載ることができる。好ましくは、サンプル受容ポートの軸は垂直、または、ほぼ垂直(垂直から約30°)であり、いかなる場合でも、サンプル受容ポートにしっかり固定されている場合はスワブまたは生検パンチは垂直な状態を保つことができるように、基部とポートは構成されている。このことは、単に装置をキャップ基部上に置くだけで、サンプルが、重力の影響の下、スワブまたは生検パンチから診断装置へ流れ出ることができる、という利点がある。
【0034】
適切には、ハウジングはハウジングの基部を形成する実質的に平坦な下表面を有し、サンプル受容ポートは前記平坦な下表面と向かい合うハウジングの上表面から上方向に開口している。例えば、基部は、基部から、好ましくは基部の中央部から上方向に突き出しているサンプル受容ポートを有する、実質的に薄片状の構造であってよく、スワブシャフトが受け入れられている場合、最大の安定性を提供する。
【0035】
従って、流体流路は、サンプル受容ポートの軸に対して実質的に垂直な面に、実質的に延びていることが好ましい。「実質的に垂直」という用語は一般的にサンプル受容ポートの軸の約30°以内の垂直な軸を有する面を示している。これによって、上記したように、流路の側壁は、サンプル受容ポートの軸に垂直な、ハウジングの基部の少なくとも一部を形成する。
【0036】
アッセイ装置の流体流路は典型的に、水性液体の側方流動を支持することができる。「側方流動」とは、溶解しているまたは分散しているすべての液体の構成成分が、好ましくは同じ比率で、キャリアを介して横方向に、比較的支障のない流れで運ばれる、液体の流れを意味する。適切には、流体流路は1つ以上の多孔性のキャリア材料を含む。多孔性のキャリア材料は実質的に全流体流路に沿って流体連通状態にあることが好ましい。これによって、毛管作用(capillary action)による流路に沿った流体の移動を助ける。適切には、多孔性のキャリア材料は親水性であるが、多孔性のキャリア材料自体は水を吸収しないことが好ましい。多孔性のキャリア材料は反応ゾーンの試薬部分、および/または、検知ゾーンの検知部分の取り付けのための固体基質として機能してよい。
【0037】
多孔性のキャリア材料を形成するために適切な材料は、いかなる天然または合成ポリマーを含む。天然または合成ポリマーはセルロースのような多糖類と、ポリアクリレート、高密度多孔性ポリエチレンシート材料、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルおよび塩化ビニルのコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ナイロン、ガラス繊維、オーロン、ポリエステル、ポリスチレン、ならびに、これらの混合物および組合せ等の合成ポリマーとを含む。適切な材料はPOREX(商標)側方流動膜であり、これはアメリカ合衆国ジョージア州フェアバーンのポレックステクノロジーコーポレーション(Porex Technologies Corp.,Fairburn Georgia, USA)より入手可能である。適切には、キャリア材料は結合をたすけるために、ペンダントアミン(pendant amine)、エステル、または、カルボキシル基を含む。
【0038】
診断キャップは、流体流路中に反応ゾーンを含んでよく、流体流路は、インジケータ部分を放出するために創傷液中の分析物と反応する試薬部分、および、流体流路の反応ゾーンから下流の検知ゾーン中に配置された検知部分、を含む。ここで、検知部分はインジケータ部分と相互に作用することができ、検知ゾーンの検知可能な変化を生じさせる。試薬部分および/または検知部分を少なくとも初めは適切な固体キャリア材料に結合して、それによって固定化する。
【0039】
キャリアのサイズおよび型は決定的なものではなく変えることができる。キャリアは側方流路を画定する。適切には、多孔性キャリアは1つ以上の細長いストリップまた柱状の物という形状である。ある実施形態において、多孔性キャリアは1つ以上のシート材料からできた細長いストリップ、あるいは、細長いストリップの組合せを作りあげる複数のシートである。さらに、普通は、反応ゾーンおよび検知ゾーンはストリップの長軸に沿って間隔を置いて配置されるであろう。しかしながら、ある実施形態において、多孔性キャリアは例えば、ディスクのような、他のシート形状であることもできる。これらのケースにおいて、反応ゾーンおよび検知ゾーンは普通、シートの中心の周りに同心円状に配置され、シートの中心にサンプル適用ゾーンを有するであろう。さらに他の実施形態において、キャリアはキャリアビーズ、例えば、上記のいかなる材料から作られたビーズから形成されている。ビーズは適切には約1μm〜約1mmの大きさであることができる。ビーズはハウジング内部の流路内へ詰め込まれる、あるいは、ガラス繊維パッドのような適切な多孔性基質上に捕らえられすなわち支持されてよい。
【0040】
標準的に、流体流路は反応ゾーンの上流に、キャップ本体の内部と流体連通状態にあるサンプル適用ゾーンをさらに含む。装置は、使用において、流体サンプルがサンプル適用ゾーンから反応ゾーンへ、その後、検知ゾーンへ横方向に流れるように構成されている。
【0041】
本発明に従う装置は1つ以上の分析物を検知するように構成されてよいことは、理解されるであろう。このことは、異なる分析物を検知するために、単一の反応ゾーンにいくつかの異なる試薬部分を用いることに、あるいは、好ましくは、それぞれ反応ゾーンに異なる試薬部分をそれぞれ有する複数の側方流路からなる単一装置を提供することによって、行われる。例えば、複数の側方流路をキャップ本体周りに放射状に分配することができる。ある実施形態において、複数の流体流路は、ハウジングによって物理的に分離されている。他の実施形態において、通路間にワックスまたは同様の疎水性材料の境界線を置くことによって、単一の側方流膜に多数の側方流路(通路)を画定することができる。
【0042】
適切には、複数の側方流路はハウジング内の個別の流体流路として画定されていて、好ましくは、複数の側方流路はサンプル受容ポートの軸と実質的に垂直な面内でサンプル受容ポートの周りに放射状に間隔を置いて配置される。従って、複数の放射状に間隔を置いて配置された流路からなるハウジングはサンプル受容ポート周りに放射状に延びる安定した基部を提供できる。
【0043】
ハウジングは普通、熱可塑性材料から作られ、好ましくは、ハウジングの少なくとも1部はキャップ本体と一体に成型される。適切な材料はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリアミド、または、ポリスチレンを含む。適切には、ハウジングは、それぞれハウジングの上部および底部を形成する2つのプラスチック製構成部分を一緒に合わせることによって作られる。ハウジングの構成部分を作る適切な方法は射出成型、および、光造形法を含む。適切には、ハウジングは少なくとも部分的に透明である。これによって、ハウジングを通して可視的に診断インジケータを観察することができる。ある実施形態において、ハウジングは紫外線、例えば、300〜350nmの波長を有する光を少なくとも部分的に通す。ある実施形態において、ハウジングは検知ゾーンを観察するための窓を含む。
【0044】
好ましくは、本発明の第3の態様に従う診断キャップは、本発明の第1の態様に従う診断装置における使用に適している。
【0045】
上記の全ての実施形態において、キャップがシャフトにしっかり固定されている時は、スワブまた生検は、流体をスワブまた生検から1つ以上の診断試薬へ運ぶことができる吸収性材料と接触しているのが好ましい。このことによって、上記した先行技術において必要とされていたような、スワブまた生検からサンプルを診断材料へ洗い出す希釈液体の必要性を最小限にする。ある実施形態において、診断キャップはキャップがシャフトにしっかり固定されている時、スワブを圧縮して、それによって、液体サンプルをスワブから診断材料へ搾り出すように成形、および、構成されている。この実施形態はスワブが連続気泡フォーム材料を含む場合に特に適している。
【0046】
適切には、使用において、キャップがシャフト上にしっかり固定されている時に、スワブまたは生検パンチと診断材料との間に配置されたフィルターをキャップに提供してよい。フィルターは、診断材料へ通過する分析物溶液から固形細片を分離するのに適したいかなる紙のフィルムまたは微小孔性フィルムであってよい。
【0047】
適切には、キャップにフィルインジケータ(fill indicator)を提供してよい。すなわち、診断材料が全て分析物溶液によって湿らされたことを示す手段である。例えば、フィルインジケータはキャップの基部、あるいは、側方流路の遠位端にある、分析物溶液によって湿らされたとき色を変えるように処理された、ろ紙からできたシートであることができる。
【0048】
診断化学
キャップの中の診断材料の少なくとも一部は1つ以上の分析物の存在下で、色変化を起こすことが好ましく(用語「色変化」は化学発光および/または紫外光の下での見かけの変化を含む)、この色変化はキャップの側壁を通して見えることが好ましい。
【0049】
本発明に従う診断キャップにより検知できうる分析物は、水素イオン濃度、酸化還元電位、フリー・ラジカル活性、活性化酸素、Fe3+、下記に詳述されるプロテアーゼ酵素、他の酵素(例えば、リゾチーム、酸性加水分解酵素、乳酸脱水素酵素、グリコシダーゼ、カテプシンB,L,D,G、プラスミン、および、プラスミノーゲン活性化因子)、リポ多糖類(特にホスホリパーゼAプロテイン)または外膜タンパク質(例えばompT)のような創傷感染のインジケータ、 プロテアーゼ阻害剤(例えば組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMPs))、 プラスミノーゲン活性化因子阻害薬(PAIs)、α1アンチトリプシン(alpha 1 antitrypsin)、マクログロブリン(macroglobulin)、サイトカイン(例えば腫瘍壊死因子α)、インターロイキン(例えば、インターロイキン1、インターロイキン6、および、インターロイキン10)、 成長因子(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-beta)、および、インシュリン様成長因子(IGF)を含む)、可溶性増殖因子受容体(soluble growth factor receptors)、サイトカイン拮抗剤(cytokine antagonists)、可溶性血管内皮増殖因子受容体インターロイキン1受容体拮抗剤(soluble VEGF receptor IL-1receptor antagonist)、基質成分またはその断片(例えば、ヒアルロン酸、コラーゲンペプチド類、フィブロネクチン断片、フィブリン(フィブリノゲン)断片を含むグリコサミノグリカン)、細胞表面受容体(特に組織生検用)(例えば、CD44、インテグリン、血小板由来成長因子受容体(PDGF-receptor)、プラスミノーゲン/ウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子受容体(plasminogen/u-PA receptors)、ならびに、化学誘引物質分子(chemotractant molecules)(ロイコトリエンB4、C5A、および、ホルミル化ペプチド(formylated peptides))からなる群を含むが、これらに限定されない。
【0050】
分析物は酵素でありえる。例えば、酵素は哺乳類宿主由来酵素および微生物酵素からなる群から選択されえる。用語「哺乳類宿主由来酵素」は哺乳類創傷液中に見られる内因性酵素を言う。用語「微生物酵素」は微生物によって分泌された、あるいは、細菌または真菌のような微生物の細胞表面上に現れる、プロテアーゼ酵素を含む。酵素はプロテアーゼ酵素でありうる。用語「プロテアーゼ酵素」はペプチド、ポリペプチド、または、タンパク質を特異的にまたは非特異的に切断する酵素を言う。
【0051】
本発明の装置およびシステムによって検知される可能性のある内因性(すなわち宿主由来の)プロテアーゼ酵素は基質メタロプロテイナーゼ(MMP's)、エラスターゼ(elastase)、ストロメライシン(stromelysin)、カリクレイン(kallikrein)およびトロンビン(thrombin)からなる群から適切に選択される。適切には、内因性プロテアーゼは好中球プロテアーゼ(neutrophil proteases)およびマクロファージプロテアーゼ(macrophage proteases)からなる群から選択される。好ましいプロテアーゼ酵素はコラゲナーゼ(collagenases)(例えば、MMP−1およびMMP−8)、ゼラチナーゼ(gelatinases)(例えば、MMP−9)および好中球エラスターゼ(neutrophil elastase)、MMP−2、MMP−12、プロテイナーゼ3(proteinase 3)、プラスミン(plasmin)、低分子量ゼラチナーゼおよび潜在性または活性エラスターゼ(elastases)、インターロイキン変換酵素(interleukin converting enzymes)、ならびに、腫瘍壊死因子(TNFa)変換酵素を含む。
【0052】
本発明によって検知可能でありうる病原菌の例は、ブドウ球菌(例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、または腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus))、 レンサ球菌(例えば、化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、肺炎レンサ球菌(streptococcus pneumoniae)、または、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae))、腸球菌(enterococcus)(例えば、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)またはエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium))、コリネバクテリウム種(corynebacteria species) (例えば、ジフテリア菌(Corynebacterium diptheriae))、 桿菌(例えば、炭疽菌(Bacillus anthracis))、リステリア(listeria)(例えば、リステリアモノサイトジェネス(Listeria monocytogenes))、クロストリジウム種(Clostridium species)(例えば、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetanus)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile))、ナイセリア種(Neisseria species)(例えば、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)または淋菌(Neisseria gonorrhoeae))、大腸菌(E. coli)、赤痢菌種(Shigella species)、サルモネラ菌種(Salmonella species)、エルシニア種(Yersinia species)(例えば、ペスト菌(Yersinia pestis)、仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)、またはエンテロコリチカ菌(Yersinia enterocolitica)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、カンピロバクター種(Campylobacter species)(例えば、カンピロバクタージェジュニ(Carnpylobacter jejuni)またはカンピロバクター・フェタス(Campylobacter fetus))、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、シュードモナス(pseudomonas)(例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)またはバークホリデリア・マレイ(Pseudomonas mallei))、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)(例えば、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus))、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、ウレアプラズマ・ウレアリティクム(Ureaplasma urealyticum)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、ライム病菌(Borrelia burgdorferi)、放線菌(mycobacteria)(例えば、結核菌(Mycobacterium tuberculosis))、ライ菌(Mycobacterium leprae)、アクチノミセス種(Actinomyces species)、ノカルジア種(Nocardia species)、クラミジア(chlamydia)(例えば、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)、トラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)、またはクラミジアニューモニエ(Chlamydia pneumoniae))、リケッチア(Rickettsia)(例えば、リケッチア・リケッチ(Rickettsia ricketsii)、発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)またはリケッチア・アカリ(Rickettsia akari))、ブルセラ(brucella)(例えば、ウシ流産菌(Brucella abortus)、マルタ熱菌(Brucella melitensis)、またはブタ流産菌( Brucella suis))、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、霊菌(Serratia marcescens)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter clocae)、アシネトバクター・アニトラタス(Acetinobacter anitratus)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ならびに、野兎病菌(Francisella tularensis)を含むが、これらに限定されない。
【0053】
ある実施形態において、微生物酵素分析物は、緑膿菌、エンテロコッカス・フェカーリス、大腸菌(Escherichia Coli)、化膿性レンサ球菌(Streptococcus Pyogenes)、および、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus Aureus)の細菌性酵素からなる群から選択される細菌性プロテアーゼを含む。酵素は、種特異的であり、あるケースにおいて、検知される実際の酵素マーカーは知られていない。
【0054】
適切な実施形態において、本発明の装置における診断材料はpH指示薬またはレドックス指示薬を含む。低pHおよび高酸化ストレスは両方とも感染または慢性的な創傷の特徴である。一般的な指示薬紙のような、固体基板と結合した比色分析pH指示薬は従来技術においてよく知られている。レドックス指示薬はスーパーオキシドまたはヒドロキシラジカルのような活性酸素種の存在下、色変化を起こす物質を含む。そのような指示薬分子の1つはジフェニルピクリルヒドラジルであり、これはフリー・ラジカルの存在下、紫色から無色に色変化を起こす。
【0055】
適切な実施形態において、本発明の装置において診断材料はサンプル中に存在する1つ以上の分析物分子に結合するため1つ以上の免疫学的結合パートナーを含む。免疫学的結合パートナーは例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片、または、キメラ抗体を含む。代替的に、免疫学的結合パートナーは、サンプル中の所定の抗体の存在が示された場合、抗原を含みうる。好ましくは、免疫学的結合パートナーはモノクローナル抗体を含む。好ましくは、免疫学的または他の結合パートナーは、例えば、アビジン-ビオチン結合によって、あるいは、担体(キャリア)材料のジアルデヒド誘導体化によって、個体キャリア材料上に固定化され、その後、ペプチド結合パートナーと架橋結合する。他の免疫学的結合パートナーおよび/または試薬もしくは指示薬分子は、前述したようにスワブまたは生検パンチからサンプルを放出するために任意的に使用される、溶液中に存在しうる。
【0056】
固体支持材料の免疫学的または他の結合パートナーは、生物活性分子の存在を示すための免疫測定法の範囲内で使用されうる。例えば、そこに結合している抗体または抗体断片を有する担体はサンドイッチ免疫測定法タイプマッピング(sandwich immunoassay-type mapping)に用いることができる。代替的に、担体は抗体に結合した類似体リガンドを有することができ、それによって、創傷液中に存在する分子はアフィニティー置換免疫測定法によって検知される。様々な他の免疫測定法は当業者には明らかであろう。
【0057】
側方流動免疫測定装置は、例えば、WO95/04280号に記述されており、これを参照することによって本明細書に組み込む。
【0058】
すでに、言及したように、標的分析物は基質、例えば、タンパク質またはポリペプチドを切断することによって改変できる酵素を含みうる。そのようなペプチド基質の改変が検知されて、サンプル中に分析物があるかないかを決定することができる。従って、適切な実施形態において、本発明の装置における診断材料はサンプル中に存在する酵素分析物に対する化学発光、色素生産性、あるいは、蛍光発生的な基質を含む。
【0059】
酵素による基質改変を検知する1つの方法は、2つの異なる色素で基質を標識化することで、1つの色素は、色素分子が近接している場合、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によってもう1つの色素の蛍光を消光するのに利用する。共鳴エネルギー移動用の典型的な受容体および供与体の対は、4−[[−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]安息香酸(4-[[-(dimethylamino) phenyl] azo] benzoic acid )(DABCYL)および5−[(2−アミノエチルアミノ]ナフタレンスルホン酸(5-[(2-aminoethylamino] naphthalene sulfonic acid)(EDANS)からなる。EDANSは336nmの照明によって励起され、490nmの波長を有する光子を放射する。DABCYL部分はEDANSの2nm内に配置される場合には、この光子は効率的に吸収される。DABCYLおよびEDANSは、本発明のシステムに用いられる診断材料中のペプチドの両端に結合することができる。ペプチドが無処理であるならば、FRETは非常に効率的である。ペプチドは酵素分析物によって切断されたら、2つの色素はもはや近接してはおらず、FRETは非効率的である。切断反応の後に、DABCYL蛍光の減少またはEDANS蛍光の増加(消光の減少)のどちらかを観察することが続くことができる。
【0060】
別の適切な診断材料は、ペプチドのような、適切な切断基質部分によって固体担体に結合された色素生産性色素を含む。色素生産性色素はリンカー基が標的の分析物によって切断されたとき、色を変化する。例えば、パラ−ニトロフェニルは担体に結合されているときは無色であるが、切断されると黄色に変わる。分析物濃度は415nmでの吸光度を測定することによって決定することができる。切断すると検知可能な色変化を生み出す他の色素は、当業者に公知である。
【0061】
さらにべつの実施形態において、診断材料は、例えばサンプル中の酵素のような分析物によって切断されうるリンカー部分によって結合されている、異なった色に着色した分子を有する有色の担体を含みうる。有色の担体から色素を切断すると、それによって、診断材料の色変化をもたらすことができる。
【0062】
上述の酵素活性および免疫測定法の同定アッセイ(identified assay)に使用する固体担体材料は、上述したいかなる適切な固形材料を含みうる。存在する場合、切断可能な架橋は概して切断可能なオリゴペプチド配列または切断可能なオリゴ糖を含み、それぞれ典型的に20残基以下、例えば3〜15残基を有する。
【0063】
診断材料の感応性は切断可能なリンカー配列の長さを含む、多くの要因に依存する。立体障害は、切断可能なオリゴペプチド配列を適したスペーサー手段によってポリマーに結合することによって減少させることが可能である。したがって、オリゴペプチド配列は直接(この場合は、架橋結合はオリゴペプチド配列からなる)、あるいは、適したスペーサー手段によって、ポリマーに結合できる。スペーサーを組み込んだ適切な結合方法は米国特許第5,770,229A号に記述されている。
【0064】
以下の論文は、製薬化学において使用する生物学的接合(bioconjugation)技術の有益な報告をしている。すなわち、ヴェロネーゼ・エフ.エム(Veronese, F. M.)およびモーパーゴ・エム(Morpurgo, M)による「製薬化学における生物学的接合Ilファーマコ(Bioconjugation in Pharmaceutical chemistry Il Farmaco)(1999年)54、497-516、ならびに、ウルブリッヒ・ケーらによる(Ulbrich, K., et al)「ジャーナル・オブ・コントロールド・リリース(Journal of controlled release)」(2000年)64、63-79である。これらの論文は参照することにより全体を本明細書に組み込む。
【0065】
本発明は生物サンプル中の幅広い種類の酵素の検知に特に適している。典型的に、酵素は、創傷液中の高いレベルの酵素は、痛み、創傷感染、あるいは、創傷の慢性化に関連するように選択される。大抵、酵素はプロテアーゼであり、リンカー基はプロテアーゼ基質であるオリゴペプチド配列を含む。
【0066】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼはエラスターゼを含むことができる。エラスターゼレベルは感染創および慢性創傷を含む創傷治癒疾患の範囲で増加する。そのような実施形態において、適切な基質リンカーは1つ以上のオリゴペプチド配列、lys-gly-ala-ala-ala-lys-Ala-Ala-Ala-、Ala-Ala-Pro-Val、Ala-Ala-Pro-Leu、Ala-Ala-Pro-Phe、Ala-Ala-Pro-Ala、または、Ala-Tyr-Leu-Val、を含むことができる。
【0067】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼは、基質メタロプロテイナーゼ、特に、MMP−2またはMMP−9を含むことができる。これらの基質メタロプロテイナーゼは静脈性潰瘍(venous ulcers)、糖尿病潰瘍(diabetic ulcers)、および、褥瘡(pressure sores)のような慢性的な創傷中に増加する。これらの実施形態において、切断可能なリンカーはオリゴペプチド配列、-Gly-Pro-Y-Gly-Pro-Z-、-Gly-Pro-Leu-Gly-Pro-Z-、-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Z-、または、-Ala-Pro-Gly-Leu-Z-、を含むことができ、ここで、YおよびZはアミノ酸である。
【0068】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼはコラゲナーゼを含むことができる。コラゲナーゼは静脈性潰瘍(venous ulcers)、糖尿病潰瘍(diabetic ulcers)、および、褥瘡(pressure sores)のような慢性的な創傷中に増加する。これらの実施形態において、切断可能なリンカーはオリゴペプチド配列、-Pro-Leu-Gly-Pro-D-Arg-Z-、-ProLeu-Gly-Leu-Leu-Gly-Z-、-Pro-Gln-Gly-Ile-Ala-Gly-Trp-、-Pro-Leu-Gly-Cys (Me)-His-、-Pro-Leu-Gly-Leu-Trp-Ala-、-Pro-Leu-Ala-Leu-Trp-Ala-Arg-、または、-Pro-Leu-Ala-Tyr-Trp-Ala-Arg-、を含むことができ、ここで、Zはアミノ酸である。
【0069】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼはゼラチナーゼを含むことができる。ゼラチナーゼは静脈性潰瘍(venous ulcers)、糖尿病潰瘍(diabetic ulcers)、および、褥瘡(pressure sores)のような慢性的な創傷中に増加する。これらの実施形態において、切断可能なリンカーはオリゴペプチド配列、-Pro-LeuGly-Met-Trp-Ser-Arg-、を含むことができる。
【0070】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼはトロンビンを含むことができる。これらの実施形態において、切断可能なリンカーはオリゴペプチド配列、-Gly-Arg-Gly-Asp-、-Gly-Gly-Arg-、-Gly-Arg-Gly-Asp-Asn-Pro-、-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-、-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Lys-、-Gly-Pro-Arg-、-Val-Pro-Arg-、 または、-Phe-Val-Arg-、を含むことができる。
【0071】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼはストロメライシンを含むことができる。これらの実施形態において、切断可能なリンカーはオリゴペプチド配列、-Pro-TyrAla-Tyr-Trp-Met-Arg-、を含むことができる。
【0072】
ある実施形態において、検知されるプロテアーゼはカリクレインを含むことができる。用語「カリクレイン」は、活性化がキニンを形成するためのキニノーゲンの分解に関連している、全てのセリンプロテアーゼを言い、キニンは痛みの発現に関連している。カリクレインのための切断可能な基質で使用する適切なペプチド配列は、-Phe-Arg-Ser-Ser-Arg-Gln- or -Met-Ile-Ser-Leu-Met-Lys-Arg-Pro-Gln-、を含み、Lys-Arg結合、または Arg-Ser結合でカリクレインによって分解されることができる。
【0073】
プロテアーゼに加えて、酵素は、例えば、抗菌性キチナーゼ、または、(感染創中に増加した)リゾチームのようなキトサナーゼであることができ、そのような場合、酵素の基質はD−グルコサミン(D-glucosamine)またはN−アセチルD−グルコサミン(N-acetyl D-glucosamine)残基を含む、多糖(polysaccharide)またはオリゴ糖(oligosaccharide)でありえる。
【0074】
特定の微生物プロテアーゼ酵素を検知するためのペプチドリンカーは、酵素の天然基質と実験的スクリーニングについての参考文献を含む、様々な技術を使用して測定される。細菌酵素およびペプチド基質の同定方法は、WO03/063693号、米国特許出願第2003/0096315A号、および、WO2004/047614号に記述されており、これらは参照することによって全体を本明細書に組み込む。適切なペプチドリンカーは以下を含む;
配列1:ETKVEENEAIQK
配列2:VTLENTALARC
配列3:QADALHDQASALKC
配列4:KVSRRRRRGGDKVSRRRRRGGD
上記の配列1および2は、ブドウ球菌に対して特異であり、配列3はシュードモナスに対して特異であり、配列4は大腸菌に対して特異である。
【0075】
ある実施形態において、ペプチドは、本明細書に記述した配列比較プログラムおよびパラメータを使用して測定したように、本明細書のシーケンスリストのうちの1つに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、または、99%の配列同一性を有する配列である。
【0076】
側方流動の実施形態において、インジケータ部分は指標酵素を含むことができ、従って、検知ゾーンは指標酵素の存在下、可視の変化を起こす試薬を含むことが好ましい。例えば、指標酵素はレドックス酵素でありえる。適切な指標酵素はラッカーゼ(laccase)(CotA)、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein)(GFP)、ルシフェラーゼ(luciferase)、アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase)(ALP)、p−ガラクトシダーゼ(p-galactosidase)、アセチルコリンエステラーゼ(acetylcholinesterases)、および特に、西洋わさびペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)(HRP)を含む。
【0077】
検知ゾーンの検知部分は、1つ以上のインジケータ部分の存在下、色変化(用語「色変化」は化学発光および/または紫外光下での見かけの変化を含む)を起こすことが好ましい。また、この色変化はハウジングの窓または側壁を通して見えることが好ましい。本発明のこれらおよび他の実施形態において、色変化は、視覚的(例えば、カラーキーとの比較により)、あるいは、反射率分析器、ビデオ画像分析器などの光学的検知装置のどちらかによって評価されえる。従って、標的分析物レベルは本発明の装置によって測定されることができる。
【0078】
適切には、インジケータ部分はレドックス酵素であり、それによってこれらの実施形態において、検知ゾーンにある試薬がレドックス指示薬でありうる。例えば、インジケータ部分は西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)の場合、インジケータ部分は4−クロロ−1−ナフトール(4-chloro-1-naphthol)を含むことができ、4−クロロ−1−ナフトールはHRPおよび過酸化水素の存在下、無色から青色へ色変化を起こす。他のHRP基質も使用されることが可能である。これらは、TBM(3,3,5,5−テトラメチルベンジジン)(3,3, 5,5- tetramethylbenzidine)、DAB(3,3−ジアミノベンジジン)(3,3-Diaminobenzidine)、コバルトおよびニッケルのような金属強化を有するDAB、AEC(3−アミノ−9エチルカルバゾール(3-amino-9 ethylcarbazole)、または、これら基質の組合せ、を含む。
【0079】
インジケータ部分はアルカリ性ホスファターゼ(alkaline phosphatase)を含むとき、検知部分はBCIP/NBT、または、p−ニトロフェニルリン酸(p-nitrophenylphosphate)を含みうる。インジケータ部分がCotAを含むとき、検知部分はナフトールを含むことができ、ナフトールはCotAの存在下で無色から濃青色に変わる。インジケータ部分がルシフェラーゼ(luciferase)を含むとき、検知部分はルシフェリン(luciferin)を含むことができ、ルシフェリンはルシフェラーゼと化学発光反応を起こす。
【0080】
本発明に従った装置の使用は、所望の分析物を検知するために追加の反応ステップを加えることができることは明らかであろう。例えば、キャップはシャフトから取り外して更なる試薬で処理してもよいし、あるいは、キャップは中空シャフトを介して試薬を通すことにより、シャフト上の原位置で1つ以上の試薬で処理されてもよい。
【0081】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載のいずれかの請求項に従った第1の診断テスト装置であって、シャフトにはスワブが取り付けられた、第1の診断テスト装置と、本明細書に記載のいずれかの請求項に従った第2の診断テスト装置であって、シャフトには生検パンチが取り付けられており、単一の診断キャップは第1および第2装置のシャフト上に交換可能に固定されることができる、第2の診断テスト装置と、を含む診断テストシステムを提供する。この種のシステムによって、医学施術者が臨床的選択に従ってスワブサンプリングか生検サンプリングかの選択を可能にするとともに、いずれかの方法によって得られたサンプルに同じ診断テストを行うことができ、さらに、単一型診断キャップを使用するだけである。
【0082】
本発明の全ての態様において、スワブまたは生検パンチを取り付けたシャフトは殺菌され、微生物不透過性容器に包装することができる。診断キャップを殺菌してもよいが、キャップは診断される患者に接触しないので、殺菌しないことが好ましい。診断キャップをスワブ/生検パンチと同様に殺菌する必要がないことは本発明の重要な利点である。この特徴は、抗体に基づいたアッセイのような多くのアッセイ化学は医療機器を殺菌するのに用いられる条件によって分解されうるので、利用可能な診断化学の範囲を大いに拡大する。
【0083】
本発明のいかなる1つ以上の態様に関連して記述されたいかなる特徴または実施形態は本発明のいかなる他の態様に使用するのに同様に適していることは明らかであろう。
【0084】
本発明の特定の実施形態は、例示として添付の図を参照して、さらに説明される。
【0085】
〔好適な実施形態の説明〕
図1および図2を参照すると、装置は、概して熱可塑性ポリマーから一体に成型された中空シャフト1を含む。医療的に許容可能なスポンジまたは不織布繊維からなる従来のスワブ2は、シャフト1の中空内部と流体連通状態にある、シャフト1の第1端部にしっかり固定されている。
【0086】
装置は2つの代替診断キャップ3、4をさらに含む。キャップ3、4はそれぞれ、スワブシャフトの膨張部分6と捩込み締まり嵌め(snug interference fit)を形成することができる。膨張部分6はキャップ3、4の開口部の内部断面に相補的な切頭円錐形断面(frusto-conical cross-section)を有する。特に、突出部6はスワブ2から半径方向に外側に向かって延出していることを見出すことができる。結果として、相当に小さなキャップ3,4を、本発明に従う装置に使用できる。
【0087】
中空シャフト1の上端には、シリンジ5のノズル8と液密の締まり嵌め(liquid-tight interference fit)を形成できる開口部7がある。シリンジ5は気体で充填されていて、スワブ2から診断キャップ3,4へ液体サンプルを単純に吹き出すために使用できる。代替的に、シリンジ5はスワブ2からキャップ3,4、へサンプルを洗い出すために水、生理食塩水、または、緩衝食塩水を含んでいてよい。さらに別の実施形態において。シリンジ5は水性溶液中に診断試薬を収容してよい。さらに他の実施形態において、装置は、キャップ中で所望の分析を行うため、例えば、異なる水性試薬のような、異なる水性溶液を収容する複数のシリンジ5を含んでよい。シリンジ5は患者に接触させないので、殺菌する必要はないことは理解されるであろう。
【0088】
図3を参照すると、代替実施形態の構造は、スワブ2がステンレス鋼生検パンチ9で置き換えられていることを除き、図1および図2に示されている実施形態の構造と実質的に同一である。使用において、ホモジナイザー(不図示)が、診断キャップ12を取り付ける前あるいは後に、生検パンチサンプルを均質化するため、シャフト11の孔10を通り抜けてよい。
【0089】
診断キャップ3の構造をより詳細に記述する。診断キャップ3は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)(PET)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)(PMMA)、または、透明なポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)(PVC)のような、透明なポリマーから射出成形によって形成される。ある好ましい実施形態において、キャップは、紫外線および300〜350nmの両方、ならびに可視光を通す。このことは、例えば、透明なポリ塩化ビニルプラスチックを用いることによって達成することができる。キャップ3は、上部に開口部13を有し、その上部はスワブシャフト1の突出部6に液密の締まり嵌めを形成するように成形されている。小さなガス抜き装置14が、スワブ2からキャップ3へサンプルの流れを助けるために、キャップ3の底に提供されている。キャップ3の下部は、液体浸透性ディスク15,16,17の積み重ねによって占められている。これらのディスクは、サンプルから固形物および細胞残屑を取り除くためのろ過層15、異なる所定の分析物の存在下で色変化を起こすそれぞれの層からなる診断層16、ならびに、ぬれたとき色変化を起こすフィルインジケータ層17、を含む。診断層16およびインジケータ層17の全てをぬらすのに必要とされる総液量はたったの約100μLであり、それによって、多数の分析物の診断分析を行うために、スワブから収集されるサンプルの希釈はほとんど必要ない。さらに、図2および3から見て取れるように、使用において、診断スワブはキャップ3内の吸収性診断層と接触し、それによって、スワブ中の液体サンプルは直接、これらの層に送られることができる。
【0090】
診断キャップ4はキャップ3と同様に、透明なキャップ本体を含む。しかしながら、キャップ3に示されたようなセンサーディスク16の積み重ねの代わりに、キャップ4は、キャップ4の下部に挿入された分節のある環状診断ストリップ20を有する。環状ストリップ20はサンプル中の異なる分析物に対して感応性のある、放射状に間隔を置いた複数のストリップ22、23を含む。これらのストリップ22,23における色変化は、キャップの透明な側面を通して読み取れる。プラグ21は、環状診断ストリップ20内部に挿入され、液体サンプルをスワブから診断ストリップ20に移す。プラグ21は、キャップと実質的に同軸に整列された親水性ポリエステルフィラメントの束から作り上げられている。この束は、また、サンプルが診断ストリップ20に達する前に、サンプルから固形物および細胞残屑をろ過して取り除くために役立つ。この配列の利点はキャップ3の利点と同様であるが、ストリップ20を形成するために必要となる比較的高価な診断試薬がさらに少なくてすむ。また、より少ない流体サンプルに適するさらに小型のキャップも、プラグ21の中心に円柱形の穴を提供することによって作ることが可能であり、その円柱形の穴にスワブ2を挿入することができる。
【0091】
図5から図8を参照すると、アッセイシステムは側方流動検知キャップ30、スワブ32または生検パンチ44、およびシリンジ34を含む。検知キャップ30は概して、ディスク型であり、概して円柱形の構造で、ディスクの中心から上向きに突き出ている管状サンプル受容ポート38を有している。図5から図8の実施形態はシャフトの膨張部分およびサンプル受容ポートの内側表面に、相補的なルアーロックネジ山42、46を含むことを除いて、スワブ32または生検パンチ44、および、シリンジ34は、概して、図1の実施形態の構造と同様である。
【0092】
図6および7に示されている実施形態におけるサンプル受容ポートは、ポートの基部から上向きに突き出している円錐形突起48を備えている。使用において、円錐形突起48は、図7に示されているように、パンチがキャップ上にしっかり固定される時、サンプルからキャップへ液体を放出するために、パンチ44内の生検サンプルを押しつぶす。
【0093】
図8から図10を参照すると、診断キャップ30は、上部50および実質的にディスク型の下部52から形成されたハウジングを含む。それぞれの部分は熱可塑性プラスチックの射出成形により作られうる。ハウジング上部は、それ自体、2つの別個の部分から作られる。ハウジングの上部および下部はスナップ式部品54を手段として、互いに嵌め込む。図10に示すように、ハウジングの上部50の下表面は、多孔性キャリア材料からなるそれぞれのテストストリップ64を受け入れるため、放射状に間隔を置いた浅い5つの凹部59を含む。それぞれのテストストリップは、例えば異なる創傷の症状における分析物の特徴といった、異なる分析物を検査するように構成されている。テストストリップ64はハウジング下部52によって凹部内に保持される。ハウジング下部52およびハウジング上部50は互いにスナップ式に嵌め込まれているとき、サンプルのための流体流路は凹部59に沿ってハウジング上部および下部の間に伸びている。
【0094】
すでに述べたように、ハウジング上部50はスワブを受け取るために上向きに突き出た管状サンプル受容ポート38を含む。フィルター膜を、サンプルから粒子および細胞を取り除くために、部分60内の注入ポートの底に配置することができる。しかし、この実施形態においては、細胞表面の酵素分析物への自由な通過を可能にするため、膜を除いている。したがって、サンプルは円柱形(環状)注入溝62を介して5つのテストストリップ64の上流端へ流れる。
【0095】
ハウジングの下部52はテストストリップを見るための装置を含む。放射状に配置されたテストストリップそれぞれのために、ストリップの検知ゾーンの上に検知窓56があり、テストストリップのアッセイ終了インジケータ部分の上に制御窓58がある。第2のハウジング部の下表面に、エンボス加工、あるいは、そのストリップに検知された特定の分析物を同定する他のしるしをさらに提供する。装置の上部から見ることが好ましい場合は、窓56,58、および任意のしるしは代替的にハウジング上部50に備えることができることを理解されたい。
【0096】
図11を参照すると、図5のものと同様の装置の側方流路の1つに垂直な概略拡大断面図が示されている。この装置の流路はプラスチックハウジングによって保持される多数の要素を含んでいる。流路内の第1の要素は不織布材料のウィッキングパッド(wicking pad)66である。これは流路の放射状にもっとも内側の端部に配置され、装置の注入溝62の下に直接に位置づけられている。ウィッキングパッド66は流路の反応ゾーン68と毛管接触(capillary contact)している。
【0097】
反応ゾーン68は、厚さ約1mm、幅約1cm、および、長さ約3cm(すなわち、注入口62から外側に放射状に約3cm延びている)の多孔性ガラス繊維パッドである。ガラス繊維パッドは、前述したように、ペプチド含有リンカーによって結合された西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を有する支持ビーズを組み込む。ペプチドは10〜15残基を有し、エラスターゼに特異なala-ala-pro-val配列を含む。
【0098】
HRPの基質結合ペプチドとの結合は、例えば、二官能性架橋剤であるsulfo-SMCCを介して達成されることができる。反応は、1)HRP−マレイミド(HRP-maleimide)の形成、続いて、2)従来技術を用いて、基質表面に結合したペプチドとの反応、の2段階工程を含む。
【0099】
HRP結合の典型的な様態は、ミッチェル・シー・サンダースら(Mitchell C. Sanders et al.)による前掲書中に記述されたように、(1)HRP−マレイミド結合:2.5mgのロシュ社製HRP(Roche HRP)を500μLの1Mリン酸ナトリウム(Na phosphate)(pH7.4)に溶かす。sulfo-SMCCを50μLのDMSOに溶かし、室温で20分間HRPと結合させる。マレイミド結合緩衝液中でゲルろ過を用いて分離を達成する。(2)HRP−ペプチド膜結合(HRP-Peptide-Membrane Conjugation):sulfo-SMCCがない部分(〜1mL)は基質結合ペプチドと化合して、回転させながら一晩、〜4℃で反応させる。PBS中0.1%トリトン(triton)の100mL溶液で20分間洗浄を2回行い、続いて0.1%PEG5000溶液で20分間洗浄を2回行い、そして、250mLの10%スクロース溶液中で1時間洗浄し、続いて、一晩スピードバキューミング(speed vacuuming)を行う、といったことを含む、数回の洗浄を行った。
【0100】
その後、10μLの10%結合ビーズ溶液を含む一定分量をピペットでとってガラス繊維ストリップ上にのせ、反応ゾーンを形成する。
【0101】
反応ゾーンパッド68の放射状の最も外側の端部は検知ストリップ70と毛管接触している。検知ストリップ70は全長約4cmのPOREX膜から形成される。POREX膜はPOREX膜上に配置された検知部分74を有し、検知部分74はHRPの存在下で色変化を起こす4−クロロ−1−ナフトールからなる。検知ゾーン74は、エタノール中に4−クロロ−1−ナフトールを溶かした40mg/mL溶液を0.5μL、検知ストリップの1cm部分に置くことによって作成される。
【0102】
検知ストリップ70に、ニトロセルロースの制御ライン72をさらに提供する。ニトロセルロースは、所定の閾値の遊離HRPと反応して、偽陽性結果の発生を減らす。制御ライン72を形成するため、メタノールの2%ニトロセルロース溶液を作り、0.5μLをテストラインから1cmのとろにある、1cmライン上に置く。
【0103】
最終的に、検知ストリップ70の放射状の外側端は吸収性容器76と毛管接触し、吸収性容器76はテストストリップを介して液体サンプルを引き込み、その液体をストリップの端部で捕獲するように働く。吸収性容器76は長さ約3cmの不織布レーヨン/ポリアクリレートストリップであり、そのストリップに蒸留水中に1%テトラブロモフェノールブルー(tetrabromophenol blue)の溶液をしみ込ませ、その後、乾燥させた。吸収性容器76中のインジケータは、テスト溶液に浸かると色が変化し、この色変化はハウジングの窓を通して見ることができる。色変化を利用して液体サンプルの所定の最大量が検知ゾーンを通ったことを確証する。それによって、偽陰性結果の可能性を減らす。
【0104】
代替実施形態において、スワブを生検パンチに取って代わることができ、任意にサンプルをふやかすための手段に取って代わることもできる。
【0105】
使用において、スワブを創傷液のサンプルを得るのに使用する。典型的に、サンプルは創傷液の約100μLの体積を有するであろう。スワブをルアーロック手段によって装置のサンプル受容ポートの中に挿入する。その後、シリンジからスワブの中央溝を通して生理食塩水(滅菌PBS)を注入することによってスワブからサンプルを放出する。サンプルは注入溝を介して、テストストリップに沿って通る。所定時間後、装置の下側を見て、分析の結果を評価する。
【0106】
上記の実施形態は、例示のみを目的として記述された。添付の特許請求の範囲に含まれる多くの他の実施形態は当業者にとっては明らかであろう。
【0107】
〔実施の態様〕
(1)診断テスト装置において、
第1端部および第2端部を有するシャフトと、
シャフトの前記第1端部に取り付けられたスワブまたは生検パンチと、
前記シャフトの前記第1端部上に嵌め込むキャップであって、少なくとも1つの診断テスト試薬を収容する、前記キャップと、
を含み、
前記シャフトは前記第1端部に近接して配置された少なくとも1つのキャップ係合要素を含み、前記要素は前記スワブまたは前記生検パンチから放射方向外側に延びて、前記シャフト上に前記キャップを保持するため前記キャップと係合する、
装置。
(2)実施態様(1)に記載の装置において、
前記キャップ係合要素は、前記キャップと締りばめを形成するための前記シャフトのテーパー部分、前記キャップの内表面上にある1つ以上の相補的な突出部とスナップフィットを形成するためのスナップフィット突出部、および、前記キャップの内表面上にある1つ以上の相補的なネジ山とネジ嵌合を形成するためのネジ付き突出部、からなる群から選択される、装置。
(3)実施態様(1)または(2)に記載の装置において、
前記シャフトは中空で、それによって流体が前記シャフトを通り、前記スワブまたは前記生検パンチから生体サンプルを放出する、装置。
(4)実施態様(1)〜(3)のいずれかに記載の装置において、
前記キャップおよび前記シャフト上の前記相補的な取り付け要素は、前記キャップと前記シャフトとの間に実質的に液密なシールを提供するように構成されている、装置。
(5)実施態様(1)〜(4)のいずれかに記載の装置において、
前記キャップが前記シャフト上に固定されているとき、前記スワブまたは前記生検は吸収性材料と接触しており、前記吸収性材料は前記スワブまたは前記生検から前記1つ以上の診断試薬へ流体を運ぶ、装置。
(6)実施態様(1)〜(5)のいずれかに記載の装置において、
スワブは前記シャフトの前記第1端部に取り付けられており、前記キャップが前記シャフトに固定されているとき、前記スワブが前記診断キャップによって圧縮され前記スワブから流体を搾り出すように、前記キャップの前記サンプル受容ポートは寸法付けられている、装置。
(7)実施態様(1)〜(6)のいずれかに記載の装置において、
生検パンチは前記シャフトの前記第1端部に取り付けられており、前記キャップは内側突出部をさらに含み、前記内側突出部は、前記パンチが前記キャップに固定されているとき、前記生検パンチ内の組織サンプルを押しつぶすかあるいは柔らかくするように構成されている、装置。
(8)実施態様(1)〜(7)のいずれかに記載の装置において、
前記キャップは少なくとも部分的に透明であるか、あるいは、前記キャップは1つ以上の窓開口部を含み、前記キャップ内の診断インジケータを可視的に観察できる、装置。
(9)実施態様(1)〜(8)のいずれかに記載の装置で使用するための診断キャップにおいて、
実質的にカップ型の本体、
前記本体内に配置された吸収性プラグ、および、
前記吸収性プラグ内または周りに配置された少なくとも1つの診断テスト試薬、
を含む、診断キャップ。
(10)実施態様(9)に記載の診断キャップにおいて、
前記少なくとも1つの診断テスト試薬は、前記キャップの前記内側の周りに放射状に延びる環状診断ストリップの中または上に提供される、診断キャップ。
(11)実施態様(9)に記載の診断キャップにおいて、
前記少なくとも1つの診断テスト試薬は、前記キャップの前記内側を横切って延びる診断シート内または上に提供される、診断キャップ。
(12)実施態様(9)に記載の診断キャップにおいて、
前記吸収性プラグは10〜1000mm3の、好ましくは50〜300mm3の非圧縮体積を有する、診断キャップ。
(13)実施態様(1)〜(8)のいずれかに記載の装置で使用するための診断キャップにおいて、
前記キャップは、
前記シャフト上の前記キャップ係合要素と係合するように構成されている内表面を有するサンプル受容ポート、および、
液体サンプル用の側方流路を画定するハウジング、
を有し、
前記側方流路は前記サンプル受容ポートと流体連通状態にある注入端部を有する、
診断キャップ。
(14)実施態様(13)に記載の診断キャップにおいて、
前記ハウジングは前記キャップのための基部をさらに含み、それによって、前記シャフトを受け入れるために前記サンプル受容ポートを上向き方向に開口させた状態で、前記キャップは水平表面上の前記基部に載ることができる、診断キャップ。
(15)実施態様(14)に記載の診断キャップにおいて、
前記ハウジングは、前記ハウジング用の前記基部を形成する、実質的に平坦な下表面を有し、前記サンプル受容ポートは前記平坦な下表面と向かい合う前記ハウジングの上表面から上向きに開口している、診断キャップ。
(16)実施態様(14)または(15)に記載の診断キャップにおいて、
前記側方流路は前記サンプル受容ポートの前記軸と実質的に垂直である面内に実質的に延びる、診断キャップ。
(17)実施態様(14)〜(16)のいずれかに記載の診断キャップにおいて、
前記ハウジングは、複数の異なる分析物を検知するために、複数の側方流路を収容する、診断キャップ。
(18)実施態様(17)に記載の診断キャップにおいて、
前記複数の側方流路は、前記サンプル受容ポートの周りに、好ましくは、前記サンプル受容ポートの前記軸に実質的に垂直な面内に、放射状に間隔をおいて配置されている、診断キャップ。
(19)診断テストシステムにおいて、
実施態様(1)〜(8)のいずれかに記載の第1の診断テスト装置であって、前記シャフトにはスワブが取り付けられている、前記第1の診断テスト装置と、
実施態様(1)〜(8)のいずれかに記載の第2の診断テスト装置であって、前記シャフトには生検パンチが取り付けられている、前記第2の診断テスト装置と、
を含み、
前記診断キャップは前記第1の装置および前記第2の装置の前記シャフトに交換可能に固定することができる、
システム。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】スワブ、2つの診断キャップ、および、スワブシャフトの中へ流体を導入するためのシリンジを含む、本発明に従う装置である。
【図2】診断キャップおよびスワブシャフトに固定されたシリンジを有する、図1の実施形態の長手方向断面図である。
【図3】生検パンチを有する代替実施形態を通る長手方向断面図である。
【図4】本発明の装置に使われる診断キャップの実施形態を通る長手方向断面図である。
【図5】本発明に従う第2の診断キャップおよびスワブシステムの斜視図である。
【図6】生検パンチをキャップのサンプル受容ポートへ挿入する前の、本発明に従うキャップおよび生検パンチシステムを通る長手方向断面図である。
【図7】生検パンチをキャップのサンプル受容ポートへ挿入した後、および、装置を使用する分析の間の、図6のシステムを通る長手方向断面図である。
【図8】図5の診断キャップを通る、より詳細な長手方向断面図である。
【図9】図5の診断キャップの底面図である。
【図10】底ハウジング部が取り除かれた状態の図5の診断キャップの底面図である。
【図11】図5と同様で、流体流路の異なるゾーンを示す、本発明に従った第2の側方流動診断キャップにおける流体流路の1つを通る概略部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断テスト装置において、
第1端部および第2端部を有するシャフトと、
シャフトの前記第1端部に取り付けられたスワブまたは生検パンチと、
前記シャフトの前記第1端部上に嵌め込むキャップであって、少なくとも1つの診断テスト試薬を収容する、前記キャップと、
を含み、
前記シャフトは前記第1端部に近接して配置された少なくとも1つのキャップ係合要素を含み、前記要素は前記スワブまたは前記生検パンチから放射方向外側に延びて、前記シャフト上に前記キャップを保持するため前記キャップと係合する、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記キャップ係合要素は、前記キャップと締りばめを形成するための前記シャフトのテーパー部分、前記キャップの内表面上にある1つ以上の相補的な突出部とスナップフィットを形成するためのスナップフィット突出部、および、前記キャップの内表面上にある1つ以上の相補的なネジ山とネジ嵌合を形成するためのネジ付き突出部、からなる群から選択される、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、
前記シャフトは中空で、それによって流体が前記シャフトを通り、前記スワブまたは前記生検パンチから生体サンプルを放出する、装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置において、
前記キャップおよび前記シャフト上の前記相補的な取り付け要素は、前記キャップと前記シャフトとの間に実質的に液密なシールを提供するように構成されている、装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置において、
前記キャップが前記シャフト上に固定されているとき、前記スワブまたは前記生検は吸収性材料と接触しており、前記吸収性材料は前記スワブまたは前記生検から前記1つ以上の診断試薬へ流体を運ぶ、装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置において、
スワブは前記シャフトの前記第1端部に取り付けられており、前記キャップが前記シャフトに固定されているとき、前記スワブが前記診断キャップによって圧縮され前記スワブから流体を搾り出すように、前記キャップの前記サンプルの受容ポートは寸法付けられている、装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置において、
生検パンチは前記シャフトの前記第1端部に取り付けられており、前記キャップは内側突出部をさらに含み、前記内側突出部は、前記パンチが前記キャップに固定されているとき、前記生検パンチ内の組織サンプルを押しつぶすかあるいは柔らかくするように構成されている、装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置において、
前記キャップは少なくとも部分的に透明であるか、あるいは、前記キャップは1つ以上の窓開口部を含み、前記キャップ内の診断インジケータを可視的に観察できる、装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置で使用するための診断キャップにおいて、
実質的にカップ型の本体、
前記本体内に配置された吸収性プラグ、および、
前記吸収性プラグ内または周りに配置された少なくとも1つの診断テスト試薬、
を含む、診断キャップ。
【請求項10】
請求項9に記載の診断キャップにおいて、
前記少なくとも1つの診断テスト試薬は、前記キャップの前記内側の周りに放射状に延びる環状診断ストリップの中または上に提供される、診断キャップ。
【請求項11】
請求項9に記載の診断キャップにおいて、
前記少なくとも1つの診断テスト試薬は、前記キャップの前記内側を横切って延びる診断シート内または上に提供される、診断キャップ。
【請求項12】
請求項9に記載の診断キャップにおいて、
前記吸収性プラグは10〜1000mm3の、好ましくは50〜300mm3の非圧縮体積を有する、診断キャップ。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置で使用するための診断キャップにおいて、
前記キャップは、
前記シャフト上の前記キャップ係合要素と係合するように構成されている内表面を有するサンプル受容ポート、および、
液体サンプル用の側方流路を画定するハウジング、
を有し、
前記側方流路は前記サンプル受容ポートと流体連通状態にある注入端部を有する、
診断キャップ。
【請求項14】
請求項13に記載の診断キャップにおいて、
前記ハウジングは前記キャップのための基部をさらに含み、それによって、前記シャフトを受け入れるために前記サンプル受容ポートを上向き方向に開口させた状態で、前記キャップは水平表面上の前記基部に載ることができる、診断キャップ。
【請求項15】
請求項14に記載の診断キャップにおいて、
前記ハウジングは、前記ハウジング用の前記基部を形成する、実質的に平坦な下表面を有し、前記サンプル受容ポートは前記平坦な下表面と向かい合う前記ハウジングの上表面から上向きに開口している、診断キャップ。
【請求項16】
請求項14または15に記載の診断キャップにおいて、
前記側方流路は前記サンプル受容ポートの前記軸と実質的に垂直である面内に実質的に延びる、診断キャップ。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか1項に記載の診断キャップにおいて、
前記ハウジングは、複数の異なる分析物を検知するために、複数の側方流路を収容する、診断キャップ。
【請求項18】
請求項17に記載の診断キャップにおいて、
前記複数の側方流路は、前記サンプル受容ポートの周りに、好ましくは、前記サンプル受容ポートの前記軸に実質的に垂直な面内に、放射状に間隔をおいて配置されている、診断キャップ。
【請求項19】
診断テストシステムにおいて、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の第1の診断テスト装置であって、前記シャフトにはスワブが取り付けられている、前記第1の診断テスト装置と、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の第2の診断テスト装置であって、前記シャフトには生検パンチが取り付けられている、前記第2の診断テスト装置と、
を含み、
前記診断キャップは前記第1の装置および前記第2の装置の前記シャフトに交換可能に固定することができる、
システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−526807(P2007−526807A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553687(P2006−553687)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000680
【国際公開番号】WO2005/082254
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】