説明

証明用データ生成装置および認証用データ生成装置

【課題】利用者が煩雑な手続きを行うことなく、また簡単なシステム構成による正確な時刻、位置の証明を行うことができる証明用データ生成装置および認証用データ生成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】まず、受信部11および受信部21が受信した測位用衛生から送信される信号に含まれる情報を利用して、証明用データ生成部13は証明用データを、認証用データ生成部24は認証用データを生成する。続いて、カメラなどの撮像装置301はその証明用データと証明の対象となる情報を合成し、証明証付情報を生成する。最後に、認証部28は、証明証付情報に含まれている証明用データを認証用データと比較して、認証を行い、その証明用データの生成された位置または時刻を証明する。したがって、証明の対象となる情報が合成された位置または時刻を証明することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置または時刻を証明するための証明用データ生成装置および認証用データ生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の発達に伴い、商品の出荷情報や物流管理、事象の証明および記録といった様々な分野において位置または時刻の正確な情報が重要視されている。従来、これらの位置または時刻を証明するシステムとして、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載の時刻情報設定装置及び時刻証明検証装置では、事前に予期できない事象(例えば株価情報や気象情報のような時々刻々と変化する情報)についての公開情報を利用する。この装置では、図11に示すように、時刻証明の対象となる対象情報を受信する情報受信手段1004と、情報公開機関1003から公開情報を受信する公開情報受信手段1005と、受信した対象情報および公開情報を連結して連結データを生成するデータ連結手段1006と、連結データに電子署名を付加する電子署名手段1007と、連結データおよび電子署名を含む時刻証明情報を出力する時刻証明情報出力手段1008とを有する。この構成により、情報がその公開情報以前には存在もしくは生成されていないことに基づいて、時刻証明を行うことができる。
【特許文献1】特開2002−215825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の場合、利用者は将来的に時刻証明が必要と思われるすべての情報を一旦、タイムスタンプ機関に送信して、時刻証明書を得ておく必要がある。そのため利用者の作業量の増加や、蓄積しておかなければならない余分なデータも膨大な量となる。また、タイムスタンプ機関は、時刻証明に使用する公開情報をインターネット等の外部通信媒体を介して入手するため、タイムスタンプ機関に別途、通信手段を付加させなければならず、装置が複雑化および大型化する。さらに、外部通信媒体を準備することができない場所では、公開情報を入手することができないため、時刻証明が出来ないといった地理的制約も生ずる
また、利用者が証明を受けたい情報等を生成してから、時刻証明書を出力するまでに相当の時間を要し、また公開情報の更新頻度も低いため、証明時刻は正確性に欠けるといった問題点もある。
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、利用者が煩雑な手続きを行うことなく、また簡単なシステム構成による正確な位置または時刻の証明を行うことができる証明用データ生成装置および認証用データ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一に、前記課題を解決するために本発明による証明用データ生成装置は、測位用衛星から送信される信号を受信する受信部と、前記信号に含まれる情報から所定の情報を抽出する抽出部と、前記抽出部で抽出した情報を用いて証明用データを生成する証明用データ生成部を備えることを特徴とする。
さらに、前記証明用データ生成装置は、証明の対象となる証明対象情報を外部から取得するインターフェイスと、前記インターフェイスを介して前記証明対象情報を取得する証明対象情報取得部と、前記証明対象情報と前記証明用データとを合成して証明証付情報を生成する合成部、を備えることを特徴とする。
さらに、前記証明用データ生成装置は、証明の対象となる証明対象情報を生成する証明対象情報生成部と、前記証明対象情報と前記証明用データとを合成して証明証付情報を生成する合成部、を備えることを特徴とする。
また、前記何れかの証明用データ生成装置は、前記受信部で受信した信号を用いて位置または時刻を演算する演算部を備え、前記合成部は、前記演算部で演算した位置または時刻の情報と前記証明対象情報と前記証明用データとを合成して証明証付情報を生成することを特徴とする。
【0006】
第二に、前記課題を解決するために本発明による認証用データ生成装置は、測位用衛星から送信される信号を受信する受信部と、前記信号に含まれる情報から所定の情報を抽出する抽出部と、前記抽出部で抽出した情報を記憶する記憶部と、前記記憶部で記憶した情報を用いて認証用データを生成する認証用データ生成部、を備えることを特徴とする。
さらに、前記認証用データ生成装置は、証明の対象となる証明証付情報を外部から取得するインターフェイスと、前記インターフェイスを介して前記証明証付情報を取得する証明証付情報取得部と、前記証明証付情報から証明用データを抽出する証明用データ抽出部と、前記認証用データと前記証明用データの認証を行う認証部、を備えることを特徴とする。
【0007】
第三に、前記課題を解決するために本発明による認証用データ生成装置は、証明の対象となる証明証付情報、及び前記証明証付情報の認証に用いる認証用データを外部から取得するインターフェイスと、前記インターフェイスを介して前記証明証付情報を取得する証明証付情報取得部と、前記証明証付情報から証明用データを抽出する証明用データ抽出部と、前記インターフェイスを介して前記認証用データを取得する認証用データ取得部と、前記証明用データと前記認証用データの認証を行う認証部を備え、前記証明用データ及び前記認証用データは、信号に含まれる情報から生成されたものである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明における証明用データ生成装置および認証用データ生成装置により、利用者が煩雑な手続きを行うことなく、また簡単なシステム構成による正確な位置または時刻の証明を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による証明用データ生成装置101、および認証用データ生成装置装置201の構成の一例を示す図である。
【0010】
証明用データ生成装置101は、受信部11と、抽出部12と、証明用データ生成部13と、表示部14と、演算部15とから構成される。
【0011】
ここで、受信部11は、GPSなどの測位用衛星から送信される信号を受信し、抽出部12は、受信した信号に含まれる情報から所定の情報を抽出する。この所定の情報には、衛星軌道情報(ephemeris)や、電離層補正データ、他の衛星の位置情報(almanac)、衛星時計の補正係数などがある。
【0012】
証明用データ生成部13は、抽出した情報を用いて位置または時刻を証明するための証明証となる証明用データを生成する。この証明用データの生成に用いられる情報は、受信した信号に含まれる情報のうち、一つの情報、もしくは複数の情報の組み合わせである。なお、証明用データは、捏造防止の観点から、測位用衛星から送信される信号に含まれる情報のうち、どの情報が証明用データに使用されているかを秘匿化すること、また証明用データを暗号化することなどが望ましい。
【0013】
また、演算部15は、受信部11が受信した信号から位置または時刻を演算する。表示部14は、証明用データ生成部13で生成した証明用データと、演算部15で演算した位置または時刻とを液晶画面などに表示する。ここで、演算された位置または時刻を共に表示することは、利用者に証明用データが生成された位置または時刻を容易に把握させることを目的としている。したがって、必ずしも位置または時刻は、演算部15により求め、また表示部14よりに表示させなくても本発明の効果は得られる。
【0014】
また、表示部14で表示された情報と、位置または時刻の証明を行う対象である証明対象情報(工事現場の作業状況など)と、表示された証明用データ、および時刻、位置とをカメラ等の撮像装置301によって両者を同時に写し込むことにより、証明証付情報を生成する。
【0015】
認証用データ生成装置201aは、受信部21と、抽出部22と、記憶部23と、認証用データ生成部24とから構成される。
【0016】
ここで、受信部21は、GPSなどの測位用衛星から送信される信号を受信し、抽出部22は、その受信した信号に含まれる情報から所定の情報を抽出する。この所定の情報には、証明用データ生成装置101に具備されている抽出部12で抽出した情報を含むことが要され、抽出部12で抽出した情報と同じであることが最も望ましい。
【0017】
記憶部23は、抽出された所定の情報を逐次記憶する。そして、記憶されている情報のうち、証明したい位置または時刻における情報を用いて認証用データ生成部24は認証用データを生成する。この認証用データは、証明用データ生成装置101により生成された証明用データの認証に用いられる。なお、記憶部23は、抽出された情報を逐次記憶するのに代えて、情報を抽出した都度生成された認証用データを逐次記憶しても良い。
【0018】
認証用データ生成装置201bは、インターフェイス25と、証明証付情報取得部26と、証明用データ抽出部27と、認証部28とから構成される。
【0019】
ここで、証明証付情報取得部26は、インターフェイス25を介して、証明の対象となる証明証付情報を取得し、証明用データ抽出部27は、取得した証明証付情報から証明用データを抽出する。認証部28は、抽出した証明用データと、認証用データ生成部201aで生成された認証用データとの比較を行い、その一致度などに基づいて認証を行う。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態1による証明用データ生成装置101の処理内容の一例を示すフローチャートである。
次に、その各ステップを説明する。
【0021】
(S11)受信部11により、測位用衛星から送信される信号が受信される。ここで、測位用衛星から送信される信号を正常に受信できなければ、再度受信を行う。この受信された信号には、衛星軌道情報(ephemeris)や、電離層補正データ、他の衛星の位置情報(almanac)、衛星時計の補正係数などの情報が含まれている。
【0022】
(S12)受信された信号に含まれる情報から、抽出部12により、所定の情報が抽出される。この所定の情報は、受信された信号に含まれる情報のうち、一つの情報、もしくは複数の情報の組み合わせである。また、(S13)で示す証明用データの捏造を防止する観点から、受信された信号に含まれる情報のうち、どの情報が抽出されたかは秘匿化されることが望ましい。
【0023】
(S13)抽出された所定の情報から、証明用データ生成部13により、証明用データが生成される。この証明用データは、証明用データ自体が生成された位置または時刻を証明するための証明証であり、本発明の実施の形態1では、証明の対象となる情報に合成されて用いられる。
【0024】
(S14)抽出された所定の情報から、演算部15により、位置または時刻が演算される。
【0025】
(S15)生成された証明用データと、演算された位置または時刻が、表示部14により、表示される。ここで、演算された位置または時刻を共に表示部14に表示することは、利用者に証明用データが生成された位置または時刻を容易に把握させることを目的としている。したがって、必ずしも位置または時刻を、演算部15により求め、また表示部14に表示させなくても本発明の効果は得られる。
【0026】
図3は、本発明の実施の形態1による認証用データ生成装置201aの処理内容の一例を示すフローチャートである。
次に、その各ステップを説明する。
【0027】
(S21)受信部21により、測位用衛星から送信される信号が受信される。ここで、測位用衛星から送信される信号を正常に受信できなければ、再度受信を行う。この受信された信号には、衛星軌道情報(ephemeris)や、電離層補正データ、他の衛星の位置情報(almanac)、衛星時計の補正係数などの情報が含まれている。
【0028】
(S22)受信された信号に含まれる情報から、抽出部22により、所定の情報が抽出される。この所定の情報は、抽出部12により抽出された情報が含まれることが要され、抽出部12により抽出された情報と同じであるときが最も望ましい。
【0029】
(S23)記憶部23により、抽出された所定の情報が逐次記憶される。
【0030】
(S24)記憶されている情報から、認証用データ生成部24により、認証用データが生成される。この認証用データは、証明用データ生成装置101により生成された証明用データの認証に用いられる。なお、記憶部23は、抽出された情報を逐次記憶するのに代えて、情報を抽出した都度生成された認証用データを逐次記憶しても良い。
【0031】
図4は、本発明の実施の形態1による認証用データ生成装置201bの処理内容の一例を示すフローチャートである。
次に、その各ステップを説明する。
【0032】
(S31)インターフェイス25を介して証明証付情報取得部26により、証明証付情報が取得される。ここで、証明証付情報とは、証明用データ生成装置101に具備されている表示部14で表示された証明用データと、位置または時刻と、証明の対象となる情報が合成されたものである。
【0033】
(S32)取得された証明証付情報から、証明用データ抽出部27により、証明用データが抽出される。
【0034】
(S33)認証部28により、生成された認証用データが認証用データ生成装置201aから読み出される。
【0035】
(S34)さらに、認証部28により、抽出された証明用データと読み出された認証用データが比較され、それらの一致度などに基づいて認証される。ここで、一致度とは、証明用データと認証用データの生成に用いられた時々刻々と変化する情報の適合率や、証明用データと認証用データ自体の一致の有無などである。この認証により、証明用データが生成された位置または時刻の証明がされる。つまり、証明の対象となる情報と証明用データとが合成された位置または時刻の証明が為される。
【0036】
図5は、本発明の実施の形態1による表示部14の一例を示す図である。また図6は、本発明の実施の形態1による証明用データ生成装置101および認証用データ生成装置201で行われる処理の一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、表示部14は、証明用データ生成部13により生成された証明用データと、演算部15により演算された位置または時刻を表示する。また、図6における認証用GPS受信機は、認証用データ生成装置201の受信部21と、抽出部22と、記億部23と、認証用データ生成部24とから構成される認証用データ生成装置201aに相当し、認証端末は、インターフェイス25と、証明証付情報取得部26と、証明用データ抽出部27と、認証部28とから構成される認証用データ生成装置201bに相当する。
【0038】
利用者は、表示部14により表示されたデータを、カメラなどを用いて証明したい対象と共に写し込む。証明したい対象には、例えば、工事現場の作業状況などがある。これにより、利用者は、証明証付情報を生成することができる。その後、生成された証明証付情報の証明が必要となったとき、証明証付情報を認証端末を用いて認証する。認証端末での認証は、証明証付情報から証明用データを抽出するとともに、認証用GPS受信機において証明用データが生成された時刻に生成された認証用データを読み出し、認証を行う。そして、その認証結果を認証端末の表示画面上に表示させる。
【0039】
以上のように、測位用衛星から送信される信号を受信できれば、測位用衛星から送信される信号を用いて証明用データ及び認証用データを生成し、両データを用いて生成したデータの位置または時刻の認証を行うようにしたことにより、何時でも何処でも利用者が証明証付情報を容易に作成することが可能になる。また、本発明では、位置または時刻の証明を行う対象である証明対象情報の生成時点と、それを証明する証明用データの生成時点とのタイムラグがなく、より正確な時刻証明を行うことができるという効果も得られる。
【0040】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を図面を参照しながら説明する。なお、本発明における実施の形態1と同じ構成に関しては説明を省略する。
図7は、本発明の実施の形態2による証明用データ生成装置102、および認証用データ生成装置装置202の構成の一例を示す図である。
【0041】
本発明の実施の形態1では、証明証付情報を撮像装置301において、証明したい対象となる状況と表示部14に表示されているデータとを合成することにより取得するが、本発明の実施の形態2では、証明証付情報を証明用データ生成装置102において生成する。
【0042】
ここで、証明用データ生成装置102は、受信部11と、抽出部12と、証明用データ生成部13と、インターフェイス16と、証明対象情報取得部17と、合成部18から構成される。
【0043】
証明対象情報取得部17は、インターフェイス16を介して、証明対象情報を取得する。証明対象情報とは、位置または時刻の証明を行う対象であり、例えば、デジタルカメラなどで撮影した工事現場の作業状況などの電子データである。また、合成部18は、証明用データ生成部13で生成した証明用データと、証明対象情報取得部17で取得した証明対象情報を合成し、証明証付情報を生成する。
【0044】
また、認証用データ生成装置202は、受信部21と、抽出部22と、記憶部23と、認証用データ生成部24と、インターフェイス25と、証明証付情報取得部26と、証明用データ抽出部27と、認証部28とから構成される。本発明の実施の形態1では、認証用データを生成する認証用データ生成装置201aと、証明用データと認証用データの認証を行う認証用データ生成装置201bが、それぞれ独立しているが、本発明の実施の形態2では、認証用データの生成、および証明用データと認証用データとの認証を認証用データ生成装置202が行う。
【0045】
図8は、本発明の実施の形態2による証明用データ生成装置102の処理内容の一例を示すフローチャートである。
次に、その各ステップを説明する。
【0046】
(S41)受信部11により、測位用衛星から送信される信号が受信される。ここで、測位用衛星から送信される信号を正常に受信できなければ、再度受信を行う。この受信された信号には、衛星軌道情報(ephemeris)や、電離層補正データ、他の衛星の位置情報(almanac)、衛星時計の補正係数などの情報が含まれている。
【0047】
(S42)インターフェイス16を介して証明対象情報取得部17により、証明対象情報が取得される。ここで、証明対象情報とは、位置または時刻の証明を行う対象であり、例えば、デジタルカメラなどで撮影した工事現場の状況などの電子データである。
【0048】
(S43)受信された信号に含まれる情報から、抽出部12により、所定の情報が抽出される。この所定の情報は、受信された信号に含まれる情報のうち、一つの情報、もしくは複数の情報の組み合わせである。また、(S44)で示す証明用データの捏造を防止する観点から、受信された信号に含まれる情報のうち、どの情報が抽出されたかは秘匿化されることが望ましい。
【0049】
(S44)抽出された所定の情報から、証明用データ生成部13により、証明用データが生成される。この証明用データは、証明用データ自体が生成された位置または時刻を証明するための証明証である。
【0050】
(S45)合成部18により、取得した証明対象情報と、生成された証明用データとが合成される。これにより、認証データ生成装置202で証明用データの証明を行ったとき、証明対象情報が証明用データと合成された位置または時刻を証明することができる。
【0051】
以上のように、測位用衛星から送信される信号を受信できれば、証明対象情報、および証明用データを同装置において取得または生成し、さらに合成することにより、証明対象情報であるデータから証明証付情報を機械的、または電子的に生成することが可能になる。さらに、認証用データの生成、および記憶、証明用データと認証用データとの認証を同装置において行うことにより、証明証付情報の証明に用いる認証用データを別の装置から取得するといった手間も省けるという効果も得られる。
【0052】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3を図面を参照しながら説明する。なお、本発明における実施の形態1および実施の形態2と同じ構成に関しては説明を省略する。
図9は、本発明の実施の形態3による証明用データ生成装置103、および認証用データ生成装置装置202の構成の一例を示す図である。
【0053】
本発明の実施の形態1および実施の形態2では、証明の対象となる情報を外部から取得するが、本発明の実施の形態3では、証明の対象となる情報を、証明対象情報として証明用データ生成部103において生成する。
【0054】
ここで、証明用データ生成部103は、受信部11と、抽出部12と、証明用データ生成部13と、証明対象情報生成部31と、合成部32とから構成される。
【0055】
証明対象情報生成部31は、位置または時刻の証明を行う対象である証明対象情報を生成する。この証明対象情報は、例えば、本発明の実施の形態3による証明用データ生成部103を内蔵したデジタルカメラなどで撮影された工事現場の作業状況や、証明用データ生成部103を内蔵したパソコンなどで作成した文書などである。
【0056】
また、合成部32は、証明用データ生成部13で生成した証明用データと、証明対象情報生成部31で生成した証明対象情報を合成し、証明証付情報を生成する。
【0057】
以上のように、証明の対象となる情報を証明用データ生成装置において生成することにより、証明の対象となる情報を生成したと同時に、証明証付情報を生成することができる。したがって、証明用データ生成装置において生成できる情報ならば、外部から取得した情報よりも正確な位置または時刻の証明を行うことができる。
【0058】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4を図面を参照しながら説明する。なお、本発明における実施の形態1から実施の形態3と同じ構成に関しては説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態4による証明用データ生成装置101、および認証用データ生成装置203の構成の一例を示す図である。
【0059】
本発明の実施の形態1から実施の形態3では、測位用衛星から送信される信号を認証用データ生成装置201aに具備されている受信部21で受信し、その受信した信号に含まれる情報から所定の情報を抽出部22で抽出するが、本発明の実施の形態4では、基地局401から、所定の情報を認証用データ生成装置203において取得し、生成する。
【0060】
ここで、基地局401は、電子基準点等であり、測位用衛星から送信される信号に含まれている情報、および擬似距離補正値などの情報を有している。また、認証用データ生成装置203は、インターフェイス25と、証明証付情報取得部26と、証明用データ抽出部27と、認証部28と、インターフェイス51と、認証用データ生成部52とから構成される。
【0061】
ここで、認証用データ生成部52は、インターフェイス51を介して、基地局401が有している情報から所定の情報を取得し、認証用データを生成する。この認証用データの生成に用いられる所定の情報とは、証明したい位置または時刻において衛星から受信した信号に含まれている情報である。
【0062】
以上のように、認証用データ生成装置が測位用衛星から送信される信号を直接受信できない場合でも、基地局が有している情報を利用することにより、認証用データを生成することができる。さらに、基地局が有している測位用衛星から送信される信号に含まれている情報を取得するため、測位用衛星から送信される信号を認証用データ生成装置において受信する必要がなくなるため、認証用データ生成装置の構成をより簡易にすることができるという効果も得られる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態1から実施の形態3における認証用データ生成装置においても、測位用衛星から送信される信号に含まれている情報を有している基地局から所定の情報を取得し、本発明の実施の形態4と同様の効果を得ることができる。また、本発明の証明用データ生成装置に具備されている受信部も、衛星からの情報を直接受信しなくとも、同様の情報が送信される基地局などから該信号を受信しても良い。
【0064】
最後に、本発明の実施の形態1から実施の形態4では、一つの衛星または基地局を図示し、説明を行ったが、位置または時刻の算出などに複数の衛星または基地局が必要なとき、証明用データ生成装置または認証用データ生成装置に具備されている受信部は複数の衛星または衛星からの信号を受信することを断っておく。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1による証明用データ生成装置、および認証用データ生成装置装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1による証明用データ生成装置の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1による認証用データ生成装置の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1による認証用データ生成装置の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1による表示部の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1による証明用データ生成装置および認証用データ生成装置で行われる処理の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2による証明用データ生成装置、および認証用データ生成装置装置の構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2による証明用データ生成装置の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3による証明用データ生成装置、および認証用データ生成装置装置の構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態4による証明用データ生成装置、および認証用データ生成装置の構成の一例を示す図である。
【図11】特許文献1に記載の時刻情報設定装置及び時刻証明検証装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
11 受信部
12 抽出部
13 証明用データ生成部
14 表示部
15 演算部
16 インターフェイス
17 証明対象情報取得部
18 合成部
21 受信部
22 抽出部
23 記憶部
24 認証用データ生成部
25 インターフェイス
26 証明対象情報取得部
27 証明用データ抽出部
28 認証部
31 証明対象情報取得部
32 合成部
51 インターフェイス
52 認証用データ生成部
101 証明用データ生成装置
102 証明用データ生成装置
103 証明用データ生成装置
201a 認証用データ生成装置
201b 認証用データ生成装置
202 認証用データ生成装置
203 認証用データ生成装置
301 撮像装置
401 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位用衛星から送信される信号を受信する受信部と、
前記信号に含まれる情報から所定の情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部で抽出した情報を用いて証明用データを生成する証明用データ生成部、
を備えることを特徴とする証明用データ生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の証明用データ生成装置において、
証明の対象となる証明対象情報を外部から取得するインターフェイスと、
前記インターフェイスを介して前記証明対象情報を取得する証明対象情報取得部と、
前記証明対象情報と前記証明用データとを合成して証明証付情報を生成する合成部、
を備えることを特徴とする証明用データ生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の証明用データ生成装置において、
証明の対象となる証明対象情報を生成する証明対象情報生成部と、
前記証明対象情報と前記証明用データとを合成して証明証付情報を生成する合成部、
を備えることを特徴とする証明用データ生成装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の証明用データ生成装置において、
前記受信部で受信した信号を用いて位置または時刻を演算する演算部を備え、
前記合成部は、前記演算部で演算した位置または時刻の情報と前記証明対象情報と前記証明用データとを合成して証明証付情報を生成することを特徴とする証明用データ生成装置。
【請求項5】
測位用衛星から送信される信号を受信する受信部と、
前記信号に含まれる情報から所定の情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部で抽出した情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部で記憶した情報を用いて認証用データを生成する認証用データ生成部と、
を備えることを特徴とする認証用データ生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の認証用データ生成装置において、
証明の対象となる証明証付情報を外部から取得するインターフェイスと、
前記インターフェイスを介して前記証明証付情報を取得する証明証付情報取得部と、
前記証明証付情報から証明用データを抽出する証明用データ抽出部と、
前記証明用データと前記認証用データの認証を行う認証部、
を備えることを特徴とする認証用データ生成装置。
【請求項7】
証明の対象となる証明証付情報、及び前記証明証付情報の認証に用いる認証用データを外部から取得するインターフェイスと、
前記インターフェイスを介して前記証明証付情報を取得する証明証付情報取得部と、
前記証明証付情報から証明用データを抽出する証明用データ抽出部と、
前記インターフェイスを介して前記認証用データを取得する認証用データ取得部と、
前記証明用データと前記認証用データの認証を行う認証部を備え、
前記証明用データ及び前記認証用データは、
測位用衛星から送信される信号に含まれる情報から生成されたものである、
ことを特徴とする認証用データ生成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−165973(P2007−165973A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355909(P2005−355909)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】