説明

試料の画像形成のための光ファイバ回転装置、光学システム及び方法

【課題】臨床分野では、r−φ断面画像を生成するために回転する光学カテーテルを必要とする。このため、回転するカテーテルを長手方向に沿って引き戻し、対象となる組織塊の三次元画像を得ることができる装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2つの分離したファイバ間で電磁放射を伝送させるための装置であって、少なくとも一方が回転可能とされる第1の光ファイバ20及び第2の光ファイバ30と、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の一端部と通信する、1つ以上の第1の光学装置部と、1つ以上の光学装置部の位置を制御して、第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を、少なくともそれらの端部で位置合わせするように構成された1つ以上の第2の装置部と、光ファイバを、毎秒10回転より大きな速度で回転させる、1つ以上の第3の装置部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、米国特許出願番号60/624,282(2004年11月2日出願)の優先権を主張するものであり、その全開示内容を本明細書の一部としてここに援用する。
【0002】
本発明は、光学画像形成に関し、詳しくは、光学ロータリ接合装置と、生物学的試料の画像形成のために、このロータリ接合装置を利用する光学画像形成システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
患者の内臓の生体内光学画像形成は通常、光ファイバカテーテルによって行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心臓病学、神経心臓病学、インターベンショナル・ラジオロジ(介入放射線医学)、消化器病学等の多くの臨床分野では、r−φ断面画像を生成するために回転する光学カテーテルを必要とする。また、回転するカテーテルを長手方向に沿って引き戻し、対象となる組織塊の三次元画像を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、本装置は、好ましくはロータリ接合を含み、これはカテーテルに機械的な作動をもたらし、そしてカテーテルと光学画像形成エンジンとの間の光学的な接続性をもたらす。この光学画像形成エンジンは、光周波数領域画像形成(「OFDI」)、及び、光学コヒーレンス・トモグラフィを実行することが可能であり、それぞれ米国特許仮出願番号60/514,769(2003年10月27日出願)及び国際特許出願番号PCT/US03/02349(2003年1月24日出願)に記載されている。
【0006】
よって、生物学的試料の画像形成を行うために、光学ロータリ接合装置と、このロータリ接合装置を用いた光学画像形成システム及び方法についての例示的な実施形態が提供される。このロータリ接合を用いて、静止した光ファイバポートと回転する光ファイバポートの間で光を伝送することができる。静止したファイバポートが画像形成エンジンに接続され、回転する光ファイバが光学的及び機械的に光ファイバカテーテルに接続されることで、カテーテルの末端において回転するプローブビームを生成できる。更に、このロータリ接合は並進ステージを含み、生物学的試料の3次元画像を得ることができる。このロータリ接合を使用する、例示的な画像形成システムは、血管の画像形成、心臓血管の画像形成、神経管の画像生成、及び消化器系の画像形成を包含する。
【0007】
従って、本発明の例示的な実施形態によると、少なくとも2つの分離したファイバ間に電磁放射を伝送するための(並びに試料の画像形成のための)装置、システム及び方法が提供される。例えば、第1の光ファイバと第2の光ファイバについては、第1の光ファイバ及び/又は第2の光ファイバが回転可能に設けられる。第1の光ファイバ及び/又は第2の光ファイバの少なくとも一方の端部と通信する、少なくとも1つの第1の光学装置部を含むことができる。更に、この光学装置部の位置を制御して、第1及び第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせするように構成された、少なくとも1つの第2の装置部を含むことができる。また、第1及び/又は第2の光ファイバを毎秒10回転よりも大きな速度で回転させる、1つ以上の第3の光学装置部を提供することができる。第1の光ファイバ及び/又は第2の光ファイバをカテーテル装置部に接続するための、少なくとも1つの更なる装置部を含むことも可能であり、この更なる装置部は、少なくともその1つの端部に設けられた保護具を含むことができ、この保護具は、第1及び/又は第2の光ファイバを、第4の装置部を介してカテーテル装置部に接続する際に自動的に取り外される。
【0008】
これらの例示的な装置、システム及び方法では並進装置を含んでもよい。この並進装置は、第1の光ファイバ、第2の光ファイバ及び/又は少なくとも1つの第2の装置部を、これらの長手方向の軸のうち、少なくとも1つにほぼ沿って平行移動させるように構成される。その速度は毎秒1ミリメートルよりも大きくされる。第3の装置部は、第1の光ファイバ及び/又は第2の光ファイバをその内部に位置付けることができる。第3の装置部(例えば、直流モータ又はステッピングモータ)は、その速度を検出するように構成されたエンコーダを含むことができる。また、第3の装置部を回転させるように構成されたモータは、第3の装置部に接続することができる。このようなモータは、その速度を検出するように構成されたエンコーダを含んでもよい。
【0009】
本発明の他の例示的な実施形態によると、第2の装置部は第1及び第2のコリメータレンズを含むことができる。更には、第1及び/又は第2のコリメータレンズの焦点距離と、これに対応する第1及び第2の光ファイバの少なくとも一方の開口数との数値積が、約100μm(マイクロメートル)と1000μmとの間とされる。第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の光学的な伝送効率は約80%よりも大きくされる。この伝送効率は、第2のファイバの一回転周期内で、1%よりも高い精度を保つことができる。また、この装置は、後方反射が−55dBよりも小さい。
【0010】
更に本発明の他の例示的な実施形態においては、少なくとも1つの第4の装置部(例えば波長掃引レーザ)が、少なくとも1つの第1電磁放射を試料に与え、少なくとも1つの第2電磁放射を参照物に与える。この少なくとも1つの第4の装置部によって与えられる放射の周波数は時間に伴って変化してもよい。また、第1電磁放射に関連する少なくとも1つの第3電磁放射と、第2電磁放射に関連する少なくとも1つの第4電磁放射との間の干渉を検出するために、1つ以上の第6の装置部を設けることができる。第1電磁放射及び第3電磁放射は第1及び/又は第2の光ファイバを介して伝送することができる。第4の装置部の時間に伴う変化は、特有の反復速度を有し、第1及び/又は第2の光ファイバは、第3の装置部によって、第4の装置部の特有の反復速度を250と5000との間の整数で除した速度にほぼ等しい、実質的に均一な回転速度で回転する。
【0011】
また、試料から少なくとも1つの第1電磁放射を受け、参照物から少なくとも1つの第2電磁放射を受けるために、第5の装置部を設けることができる。第1電磁放射及び/又は第2電磁放射のスペクトルを周波数成分に分離する、少なくとも1つのスペクトル分離装置を含んでもよい。更に、それぞれの検出器が1つ以上の周波数成分のうちの少なくとも一部を検出可能な複数の検出器を含む、1つ以上の第8の検出装置部を設けることができる。第1電磁放射は、第1の光ファイバ及び/又は第2の光ファイバを介して伝送できる。第5の装置部は特有の読み出し反復速度を有し、第1及び/又は第2の光ファイバは、第3の装置部によって、第5の装置部の特有の読み出し反復速度を250と5000との間の整数で除した速度とほぼ等しい、実質的に均一な回転速度で回転することができる。このカテーテル装置部は、冠状動脈の中に挿入するように構成できる。
【0012】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点は、付属する請求項と関連して、以下に詳細に説明した本発明の実施形態を読むことで明らかとなる。そして、本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面と併せて、以下に詳述する本発明の記載から明らかとなる。
【0013】
別段の説明がない限りは、これらの図面を通して同じ符号や文字が、例示した実施形態について同様の特徴、要素、部品又は部分を示すために用いられる。更に、図面を参照して本発明を詳細に説明するが、これは例示した実施形態と関連して行う。
【発明を実施するための形態】
【0014】
光ファイバコリメータは従来からある部品であり、図1(a)乃至図1(c)に示すように、光ファイバ10の先端から出射された光を集光ビーム16へと変化させるため、又は集光ビームの光を光ファイバに入射させるために用いられる。通常、非球面レンズ11又は勾配屈折率(GRIN又はSELFOC)レンズ12を用いることができる(図1(a)及び図1(b)参照)。一対のコリメータを用いて、あるファイバ10から、他のファイバ20へと光学ビームを最小限の挿入損失及び後方反射で伝送することが可能である(図1(c)参照)。この従来の装置構成は、偏光子、フィルタ及びアイソレータのような、他の自由空間光学素子をファイバ化するために広く用いられてきた。
【0015】
図2は、一対のコリメータ12、28を用いた、本発明によるロータリ接合の一実施形態を例示した側面図である。一方のコリメータレンズ18は、管状構造体26に取り付けられている。ファイバ20の末端は、スリーブ34内に位置するコネクタ・フェルール28へと挿入される。コネクタ・ハウジングケース33とフェルール32を備えたマッチング・コネクタがスリーブ34に挿入される。この例示的な構成により、2つのファイバ20と30との間の光伝送を円滑に行える。管状構造体26は、ベアリング36を介してハウジング39に接続される。また、管状構造体26は、ベルト又はギア38を介して回転モータ37に接続される。モータ37は管状構造体26を回転させ、従って、コリメータ18を回転させる。ハウジング39は、引き戻し操作のために、固定レール41上に設置される並進ステージ40に取り付けられる。このロータリ接合によって、回転しないファイバ10と回転するファイバ30との間の光伝送がもたらされる一方で、代替のファイバ30をコネクタハウジング33において交換できるようになる。
【0016】
光ファイバ10、20、30はシングルモード光ファイバが好ましいが、マルチモードファイバ、偏光保持ファイバ、又はフォトニック結晶ファイバでもよい。ファイバ10、20はレンズ12、18に融着され、これにより、大幅に後方反射を減少させてスループットを高める可能性をもつ。これに代わって、コリメータレンズ12、18は、非球面屈折レンズでもよいし、又は軸方向の勾配屈折率レンズでもよい。レンズ12、18の光学面には、使用する光の波長範囲において反射防止コーティングを施してもよい。この波長範囲は、800±100nm(ナノメートル)、1000乃至1300nm、1600乃至1800nm、又は他の範囲である。レンズ12、18の焦点距離については、100μmから1000μmのビーム径を与えるように選択することができる。ファイバ10、20、30からの全スループットは70%より大きく、後方反射は−55dBより小さい。2つのコリメータが正確に同軸となるように位置合わせを行うことにより、スループットの均一性と、一回転周期に亘って約1%よりも良好な後方反射が得られる。管状構造体26は中空モータ軸でもよく、該モータ37は管状構造体26と同軸に位置され、この場合に、ベルト又はギア38は不要である。コネクタ28、32の研磨角度については通常、面の法線に対して4°と10°との間とし、後方反射を最小限に抑える。コネクタハウジング33は、好ましくは、SCタイプと同様のスナップ式接続を提供し、組み込み式の端部保護ゲートを備える。図3は、本発明によるロータリ接合部の例示的な実施形態を、より詳細に示している。
【0017】
図4は、本発明による、生体外や生体内で生物医学的な画像形成を行うための、光ファイバカテーテルの例示的な実施形態を示す。例えば、光ファイバはシャフト45に挿入され、この末端には、スペーサ50、レンズ52、及びプリズム60等のビーム集光用光学部品が取り付けられ、焦点を結ぶビーム62が生成される。光ファイバは、好ましくはシングルモードファイバであり、コア42、クラッド43及びジャケット44から構成される。ビーム集光用光学部品50、52、60及びシャフト45は、互いに強固に結合されることで、プローブビーム62が均一な回転速度をもって回転できるようにする。保護シース48はロータリ接合部のハウジング39に接続されることで、試料70内部で相対的に静止して回転軸による損傷から試料を保護し、またその逆も同様である。シャフト45とシース48との間隙46は、屈折率を整合させる液体で満たすことができる。血管内又消化管の画像形成等の用途ではバルーンを用いるが、これは、カテーテルを管状の器官の中心に正確に位置決めし、及び/又は血流を一時的に阻止するためである。
【0018】
図5は、光周波数領域画像形成(OFDI)システムの例示的な実施形態を示し、該システムは、本発明によるロータリ接合及びカテーテルを使用することができる。例えば、光源は波長掃引レーザ80とされる。ロータリ接合部39は干渉計の試料アームに接続することができ、この干渉計は、10/90カプラ82、減衰器84、偏光コントローラ86、サーキュレータ88、89、長さ整合ファイバ90、コリメータレンズ92、及び参照ミラー94を含む。検出回路は、50/50カプラ96、偏光コントローラ98、偏光ビームスプリッタ100、101、双平衡受光器103、104、電気フィルタ106、107、及びデータ取得基板110を含むことができる。このデータ取得基板110は、コンピュータ112に接続され、トリガー回路114、モータコントローラ94、及び並進ステージ41、42と通信することができる。OCTの動作原理は当分野では周知である。また、双平衡検出と偏光分岐検出(Polarization Diverse Detection)を同時に提供するために、偏光コントローラ98は、カプラからの2つのファイバ経路の複屈折を整合させることができるように構成される。参照アームの他の偏光コントローラ86を調整し、偏光ビームスプリッタ101、102のそれぞれにおいて参照光を等しい比率に分離することができる。スプリッタの後段における、対応する偏光状態(x又はyで示す)については、双平衡受光器103、104へと向けられる。
【0019】
図5に示すシステムの例示的な実施形態を用いて、生体内でのヒトの冠状動脈の血管内OFDIを実施することができる。PCデータ取得基板(例えば、National Instruments社の6115)を用い、ローパスフィルタ処理後の受信信号が10MHzのサンプリング周波数でデジタル化される。レーザのチューニングレート36kHzにおいて、本システムの検出感度は、任意の偏光状態で105dB(デシベル)よりも大きく、距離分解能は(例えば空気中で)12μmとされる。ロータリ接合部39には、毎秒100回転より大きな動作範囲をもつ高速直流モータを用いることができる。カテーテル30には、その末端に勾配屈折率レンズ及び90度プリズムを用い、25μmの横分解能を得ることができる。ロータリ接合部は、モータが付設された直動並進ステージ41、42に取り付けられ、長手方向における3次元の引き戻し(pull−back)画像化を行うことが可能である。このような実験に用いられる取得基板での比較的遅いデジタル化レートでは、OFDIの掃引源の潜在能力を全て発揮させるには十分でない虞がある。最大10MHzのサンプリングレートでは、画像形成速度と軸方向の画像サイズがともに損なわれる虞がある。OFDIシステム及びカテーテルを用いる画像形成を実証するために、レーザは18kHzの減少したレートで動作可能であり、2.2mmの軸走査深さに対応するレーザのスペクトル掃引について512個のサンプルが得られた(例えば空気中)。カテーテルを毎秒36回転で回転させ、7.2mm/秒の速度で長手方向に引き戻す際に、3秒間の時間に亘って、固定されたヒト冠状動脈70の画像を毎秒36フレームで取得することができる。図6の断面Aは、図5のOFDIシステムを用いて得られる、256個の半径方向ピクセルをもつ500A−linesで構成される典型的な画像を示している。3秒間で得られた例示的な3次元画像を図6Bに示す。
【0020】
図7は、本発明によるロータリ接合部及びカテーテルを用いた、スペクトル領域OCTシステム(SD−OCT)の例示的な実施形態を示す。例えば、光源120は、低コヒーレンス広帯域光源、パルス性広帯域光源、又はカメラ122の読み出し速度に同期して反復動作する可変波長光源を含むことができる。カメラ122は、電荷結合素子又はCMOS撮像素子に基づく検出器アレイ124を用いる。干渉信号は、コリメータ126、グレーティング(回折格子)128等の回折素子、及びフォーカシングレンズ130を用いて検出器アレイ124に導かれる。OCTの動作原理は当分野で周知である。
【0021】
一例として、ヒト冠状動脈70の画像形成を、光ファイバカテーテルを用いて実施できる。図8は、例えばCW増幅自然放出光源(A及びB)、及び、同じ18.94kHzのAライン取得レートの掃引源(C及びD)を用いて得ることが可能な画像を示す。画像Aと画像Bとの相違、及び画像Cと画像Dとの相違は、カテーテルの回転速度であり、A及びCの場合は9.5rpsであり、1画像当たり2000A−linesに相当し、またB及びDの場合は37.9rpsであり、1画像当たり500A−linesに相当する。
【0022】
前述の説明は単に本発明の原理を例示したに過ぎない。本明細書の説明を考慮して、記載された実施形態に種々の変更や改変を加えることは、当業者にとって明白である。例えば、ここに説明した本発明は、米国特許仮出願番号60/514,769(2003年10月27日出願)及び国際特許出願番号PCT/US03/02349(2003年1月24日出願)に説明した例示的な方法、システム、及び装置に有用であり、これらの開示内容については、その全体をここに援用する。
【0023】
実際、本発明の例示的な実施形態による装置、システム及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム又は他の画像形成システムに用いることが可能である。従って、当業者にとっては、本明細書に明確に提示又は説明されていなくとも、本発明の原理を具現化する数多くのシステム、装置、及び方法に工夫を凝らすことが可能であり、これは本発明の趣旨と範囲内に含まれることが理解されるであろう。また、上記に引用した文献、特許及び特許出願については、本明細書の一部としてその全体をここに援用する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】非球面レンズを用いた従来の光ファイバのコリメータを示す拡大図である。
【図1b】グレーデッド・インデックス・レンズを用いた従来の光ファイバのコリメータを示す拡大図である。
【図1c】一対のレンズを用いた従来の光ファイバのコリメータを示す拡大図である。
【図2】一対のファイバコリメータを用いた、本発明による光学ロータリ接合について実施形態の一例を切り欠いて示す側面図である。
【図3】本発明によるロータリ接合部の一実施形態を例示した図である。
【図4】本発明による生物医学的画像形成用の光ファイバカテーテルの一実施形態を例示した側面図である。
【図5】光周波数領域画像形成(OFDI)法に基づく、本発明による光学システムの一実施形態を示す概略図である。
【図6】OFDI法を用いて取得した、生体内冠状動脈の画像例を示す図である。
【図7】スペクトル領域光学コヒーレンス・トモグラフィ(SD−OCT)法に基づく、本発明による光学システムの実施形態の別例を示す概略図である。
【図8】SD−OCT法を用いて取得した、生体内冠状動脈の画像例を示す図である。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの分離したファイバ間で電磁放射を伝送させるための装置であって、
第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのうち、少なくとも一方が回転可能とされる、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバと、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の一端部と通信する、1つ以上の第1の光学装置部と、
前記1つ以上の光学装置部の位置を制御して、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を、少なくともそれらの端部で位置合わせするように構成された1つ以上の第2の装置部と、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方を、毎秒10回転より大きな速度で回転させる、1つ以上の第3の装置部と、を備える装置。
【請求項2】
前記第1の光ファイバ、前記第2の光ファイバ、及び前記1つ以上の第2の装置部のうちの少なくとも1つを、これらの長手方向の軸のうちの少なくとも1つにほぼ沿って平行移動させるように構成された、1つ以上の並進装置を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
並進速度が毎秒約1mmよりも大きい、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記速度が毎秒30回転よりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第3の装置部はその内部に、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方を位置付ける、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第3の装置部は前記速度を検出するように構成されたエンコーダを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第3の装置部は直流モータ又はステッピングモータの少なくとも一つを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方をカテーテル装置部に接続するための第4の装置部を更に備え、該第4の装置部は、少なくともその一端部に設けられた保護具を含み、前記保護具は、前記第1及び第2の光ファイバの少なくとも一方を前記カテーテル装置部に接続する際に、自動的に取り外される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の第2の装置部は、第1のコリメータレンズ及び第2のコリメータレンズを含み、前記第1のコリメータレンズ及び前記第2のコリメータレンズのうちの少なくとも一方の焦点距離と、これに対応する前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の開口数との数値積が、約50μmと2000μmとの間である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間の光伝送効率が約80%よりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置の後方反射が略−55dB未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの第1電磁放射を試料に与え、少なくとも1つの第2電磁放射を参照物に与える、1つ以上の第4の装置部であって、該装置部によって与えられる放射の周波数が時間とともに変化するようにされた、第4の装置部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射に関連する少なくとも1つの第3電磁放射と、前記少なくとも1つの第2電磁放射に関連する少なくとも1つの第4電磁放射との間の干渉を検出する、1つ以上の第5の装置部と、を更に備え、前記第1電磁放射及び前記第3電磁放射が、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方を介して伝送される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第4の装置部における時間に伴う変化が特有の反復速度を有し、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方は、前記1つ以上の第3の装置部によって、前記第4の装置部の前記特有の反復速度を250より大きな整数で除した速度にほぼ等しい、実質的に均一な回転速度でもって回転される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの第1電磁放射を試料から受け取り、少なくとも1つの第2電磁放射を参照物から受け取る第4の装置部と、
前記第1電磁放射、前記第2電磁放射、及び前記第1電磁放射と前記第2電磁放射の組み合わせのうち、少なくとも1つのスペクトルを周波数成分に分離する、1つ以上のスペクトル分離装置と、
複数の検出器を含む1つ以上の第5の検出装置部であって、各検出器が1つ以上の前記周波数成分の少なくとも一部を検出可能な第5の検出装置部と、を更に備え、前記少なくとも1つの第1電磁放射が、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方を介して伝送される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第5の検出装置部は特有の読み出し反復速度を有し、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方は、前記1つ以上の第3の装置部によって実質的に均一な回転速度でもって回転され、該回転速度が、前記第5の検出装置部の前記特有の読み出し反復速度を250より大きな整数で除した速度にほぼ等しくされた、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記カテーテル装置部が冠状動脈内に挿入されるようにした、請求項8に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の光ファイバは前記電磁放射のモードフィールド領域を拡大させるように適合された部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも2つの分離したファイバの間で電磁放射を伝送させるための装置であって、
第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのうちの少なくとも一方が回転可能とされる第1の光ファイバ及び第2の光ファイバと、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の一端部と通信する、1つ以上の第1の光学装置部と、
前記少なくとも1つの光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせするように構成された、1つ以上の第2の装置部と、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方をカテーテル装置部に接続するように構成された、1つ以上の第3の装置部と、を備え、前記1つ以上の第3の装置部は少なくともその一端部に設けられた保護具を含み、該保護具は、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方を、前記1つ以上の第3の装置部を介して前記カテーテル装置部に接続する際に、自動的に取り外される装置。
【請求項19】
前記第1の光ファイバ、前記第2の光ファイバ、及び前記1つ以上の第2の装置部のうちの少なくとも1つを、これらの長手方向の軸のうちの少なくとも1つにほぼ沿って平行移動させるように構成された、1つ以上の並進装置を更に含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の光ファイバ及び第2の光ファイバの少なくとも一方を、毎秒10回転よりも大きな速度で回転させるように構成された、1つ以上の第4の装置部を更に含む、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記速度が毎秒30回転よりも大きい、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
第4の装置部はその内部に、前記第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのうちの少なくとも一方を位置付ける、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記第4の装置部は前記速度を検出するように構成されたエンコーダを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記第4の装置部は直流モータ又はステッピングモータの少なくとも一つを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第2の装置部は、第1のコリメータレンズ及び第2のコリメータレンズを含み、前記第1のコリメータレンズ及び前記第2のコリメータレンズのうちの少なくとも一方の焦点距離と、これに対応する前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の開口数との数値積が、約50μmと2000μmとの間である、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間の光伝送効率が約80%よりも大きい、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記装置の後方反射が略−55dB未満である、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの第1電磁放射を試料に与え、少なくとも1つの第2電磁放射を参照物に与える、1つ以上の第4の装置部であって、該装置部によって与えられる放射の周波数が時間とともに変化するようにされた第4の装置部と、
前記少なくとも1つの第1電磁放射に関連する少なくとも1つの第3電磁放射と、前記少なくとも1つの第2電磁放射に関連する少なくとも1つの第4電磁放射との間の干渉を検出する、1つ以上の第5の装置部と、を更に備え、前記第1電磁放射及び前記第3電磁放射が、前記第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのうちの少なくとも一方を介して伝送される、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
前記第4の装置部の時間に伴う変化は特有の反復速度を有し、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方は、前記1つ以上の第3の装置部によって、実質的に均一な回転速度で回転されるとともに、該回転速度が前記第4の装置部の前記特有の反復速度を略250より大きな整数で除した速度にほぼ等しくされた、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
少なくとも1つの第1電磁放射を試料から受け取り、少なくとも1つの第2電磁放射を参照物から受け取る第4の装置部と、
前記第1電磁放射、前記第2電磁放射、及び前記第1電磁放射と前記第2電磁放射の組み合わせのうち、少なくとも1つのスペクトルを周波数成分に分離する、1つ以上のスペクトル分離装置と、
複数の検出器を含む1つ以上の第5の検出装置部であって、各検出器が1つ以上の前記周波数成分の少なくとも一部を検出可能な第5の検出装置部と、を更に備え、前記少なくとも1つの第1電磁放射が、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方を介して伝送される、請求項18に記載の装置。
【請求項31】
前記第5の検出装置部は特有の読み出し反復速度を有し、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方は、前記1つ以上の第3の装置部によって実質的に均一な回転速度でもって回転され、該回転速度が、前記第5の検出装置部の前記特有の読み出し反復速度を略250より大きな整数で除した速度にほぼ等しくされた、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記カテーテル装置部が冠状動脈内に挿入されるようにした、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記第2の光ファイバは、前記電磁放射のモードフィールド領域を拡大させるように適合された部分を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項34】
試料の画像を形成するためのシステムであって、
電磁放射を生成する放射源と、
前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第1の光ファイバ及び第2のファイバの少なくとも一方が回転可能とされたファイバと、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の一端部と通信する、1つ以上の第1の光学装置部と、
前記1つ以上の光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせするように構成された、1つ以上の第2の装置部と、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方を、毎秒40回転よりも大きな速度で回転させるように構成された、1つ以上の第3の光学装置部と、を備えるシステム。
【請求項35】
試料の画像を形成するためのシステムであって、
電磁放射を生成する放射源と、
前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方が回転可能とされたファイバと、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバのうちの少なくとも一方の一端部と通信する、1つ以上の第1の光学装置部と、
前記1つ以上の光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせするように構成された、1つ以上の第2の装置部と、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方をカテーテル装置部に接続するための、1つ以上の第3の装置部と、を備え、前記1つ以上の第3の装置部は、少なくともその一端部に設けられた保護具を含み、該保護具は、前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの少なくとも一方を、前記1つ以上の第3の装置部を介して前記カテーテル装置部に接続する際に、自動的に取り外されるシステム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−255804(P2012−255804A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182412(P2012−182412)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【分割の表示】特願2007−539336(P2007−539336)の分割
【原出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SELFOC
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】