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試料測定装置および試料測定システム
説明

試料測定装置および試料測定システム

【課題】 装置に係る機能を簡素化するとともに、適切な状態での測定を促すことが可能な試料測定装置および試料測定システムを提供すること。
【解決手段】 試料測定装置201は、試料に含まれる特定成分に関する測定を行う測定部220と、上記測定に必要とされる測定条件の適否を判定し、かつ、この測定条件の適否の判定結果を含む測定条件データを生成する測定条件判定部261と、無線通信を介して上記測定条件データを送信する通信部280と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料測定装置および試料測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、従来の試料測定システムの一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示された試料測定システム900は、試料測定装置91およびパーソナルコンピュータ93からなる。試料測定装置91は、たとえば自身の血液中の血糖値を測定する血糖自己測定装置(SMBG装置)である。試料測定装置91による測定は、試料測定装置91にセンサ片92を挿入し、このセンサ片92に血液を点着させることにより行う。この測定に先立ち、またはこの測定の後に、試料測定装置91とパーソナルコンピュータ93とは、ケーブル94によって接続されている。試料測定装置91の上記測定によって得られた測定データは、ケーブル94を介してパーソナルコンピュータ93へと送信される。パーソナルコンピュータ93は、上記測定データを記憶する。パーソナルコンピュータ93には、複数回の測定データを記憶させることができる。たとえば医者がこれらの測定データを閲覧することにより、使用者の糖尿病の病状に適した治療および投薬を行うことができる。
【0003】
近年、簡素化した構成の試料測定装置91が好まれる傾向にある。SMBG装置として構成された試料測定装置91を使用する患者は、概ね糖尿病患者であるため、医療費の一部となる試料測定装置91に発生する費用を削減したい等の理由からである。そのため、試料測定装置91の提供者は、尚一層のコスト削減に鋭意工夫を行っている。このコスト削減のために試料測定装置91の表示部91aも簡素化される傾向にあり、7セグメント表示91bと、簡単なマーク91cとがパターンニングされたセグメント電極による表示によるものが多い(たとえば特許文献2参照)。また、近年では表示部そのものを備えないSMBG装置も提案されている。
【0004】
試料測定装置91においては、エラー状態である場合にマーク91cによってエラーである旨を表示することができる。しかしながら、簡素化された表示部91aに表示されるマーク91cは目立ちにくいため、使用者は見落としやすい。特に、SMBG装置の使用者である糖尿病患者には視力が弱い患者が多いため、尚更そのような傾向が強い。このため、エラーが発生したことをマーク91cによって表示していても、使用者が正しく認識できない場面が多く、改善の余地がある。エラー表示のためのマーク91cを目立たせる方策として、表示部91aの大画面化や表示色数を増やすことが考えられるが、試料測定装置91のコストを増大させるため、好ましくない。
【0005】
また、このようなエラー表示は測定前に実施されることが望ましい。従来のSMBG装置によっては、エラーが発生した状態であっても使用可能とされているものがあるからである。例えば、測定後に表示してしまったのでは、使用者が血液を採取するための穿刺後となるため、センサ片92を無駄にしてしまうと共に、使用者においては無駄な出血に伴う身体的ストレスが掛かってしまう。これに加えて、使用者の作業負担の観点から、測定前に試料測定装置91とパーソナルコンピュータ93とをケーブル94によって接続することを強いられることは、不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】再表2008−136437号公報
【特許文献2】再表2006−003919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、装置に係る機能を簡素化するとともに、適切な状態での測定を促すことが可能な試料測定装置および試料測定システムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される試料測定装置は、試料に含まれる特定成分に関する測定を行う測定手段と、上記測定に必要とされる1以上の測定条件の適否を判定し、かつ、この測定条件の適否の判定結果を含む測定条件データを生成する測定条件判定手段と、無線通信を介して上記測定条件データを送信するデータ送信手段と、を備える。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記試料の測定に関与する場の温度を測定する温度測定手段を備え、上記測定条件判定手段は、上記温度測定手段によって測定された温度の上記試料の測定に対する適否を判定し、その判定結果を温度適否データとして上記測定条件データに含ませる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、動力源としての蓄電手段と、上記蓄電手段の蓄電量を測定する蓄電量測定手段と、を備えており、上記測定条件判定手段は、上記蓄電量測定手段によって測定された蓄電量の上記試料の測定に対する適否を判定し、その判定結果を蓄電量適否データとして上記測定条件データに含ませる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、時計機能を有し、測定日時を特定するための測定日時生成手段を備えており、上記測定条件判定手段は、上記測定日時生成手段の上記時計機能の運針状態の上記試料の測定に対する適否を判定し、その判定結果を運針適否データとして上記測定条件データに含ませる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記試料が点着されたセンサ片が挿入された状態で、上記試料の測定を行う。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記特定成分は血糖であり、血糖自己測定装置として構成されている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記センサ片の挿入および抜き取りを検知するセンサ片検知手段を備えており、上記センサ片検知手段によって上記センサ片の挿入が検知されることにより、上記試料の測定が不可である待機状態から、上記試料の測定が可能である稼働状態となる。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記測定条件判定手段は、上記センサ片が挿入された後、自動的に上記測定条件の適否判定を行う。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記データ送信手段は、上記測定条件判定手段による上記測定条件の適否判定がなされた後、自動的に上記測定条件データを送信する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記データ送信手段は、上記センサ片が挿入された後、上記測定条件データを送信する前に、自動的に無線通信確立処理を行う。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記測定手段の測定結果および上記測定条件判定手段の判定結果の少なくともいずれかを表示する測定装置側表示手段を備える。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記測定手段の測定結果および上記測定条件判定手段の判定結果を表示する機能を備えない。
【0020】
本発明の第2の側面によって提供される試料測定システムは、本発明の第1の側面によって提供される試料測定装置と、上記試料測定装置の上記データ送信手段から送信された上記測定条件データを無線通信を介して受信するデータ受信手段、および上記測定条件データに基づく測定条件情報を表示する通信機器側表示手段を有する通信機器と、を備える。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記通信機器は、上記測定条件データに基づいて上記試料測定装置の状態を改善するための改善方策データを記憶する改善方策記憶手段を備えており、上記通信機器側表示手段には、上記測定条件情報とともに、または上記測定条件情報が表示された後に、上記改善方策データが表示される。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記試料測定装置においては、上記測定手段によって生成される測定データが、上記データ送信手段によって送信され、上記通信機器においては、上記データ受信手段によって受信された上記測定データが、上記通信機器側表示手段に表示される。
【0023】
このような構成によれば、上記試料測定装置の状態が測定に適していない場合、上記通信機器によって不適な状態であることが出力される。これにより、たとえば上記試料測定装置のみに不適な状態であることが出力される場合と比べて、使用者が不適な状態であることに気付く可能性が高くなる。したがって、治療や投薬の判定には適さない測定環境で測定してしまうことを防止することができる。
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に基づく試料測定装置および試料測定システムの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に基づく試料測定装置を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器を示すシステム構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に基づく試料測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に基づく試料測定装置におけるセンサ片の抜き差しを示す正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器に表示されるエラーメッセージの一例を示す正面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器に表示されるヘルプメッセージの一例を示す正面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器に表示されるエラーメッセージの他の例を示す正面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器に表示されるヘルプメッセージの他の例を示す正面図である。
【図11】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムに用いられる通信機器に表示されるエラーメッセージのさらに他の例を示す正面図である。
【図12】本発明の第1実施形態に基づく試料測定システムの一例に用いられる通信機器に表示されるヘルプメッセージのさらに他の例を示す正面図である。
【図13】本発明の第2実施形態に基づく試料測定装置を示す正面図である。
【図14】本発明の第3実施形態に基づく試料測定装置を示す正面図である。
【図15】従来の試料測定装置および試料測定システムの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に基づく試料測定装置および試料測定システムの一例を示している。本実施形態の試料測定システム101は、試料測定装置201および通信機器301を備えている。
【0028】
試料測定装置201は、たとえば使用者が自身の血糖値を測定するために用いる血糖自己測定装置(SMBG装置)として構成されており、図1および図2に示すように、ケース210、測定部220、測定データ記憶部225、ディスプレイ230、センサ片検知部240、バッテリ250、制御部260、温度測定部262、蓄電量測定部263、測定日時生成部264、通信部280を備えている。試料測定装置201による測定には、センサ片290が用いられる。センサ片290には、点着部291が形成されている。試料測定装置201による測定においては、試料測定装置201にセンサ片290が挿入される。点着部291には、使用者の血液が点着される。
【0029】
ケース210は、たとえば樹脂からなり、試料測定装置201の外形を規定している。ケース210には、挿入口211が形成されている。挿入口211は、センサ片290を挿入するためのものである。センサ片検知部240は、挿入口211の奥方に設けられており、センサ片290が挿入されたことを検知する。センサ片検知部240の構成としては、機械的なレバー(図示略)をセンサ片290が揺動させることによって検知する構成や、1対の検知電極(図示略)にセンサ片290が当接することによってこれらの検知電極どうしが導通することによって検知する構成などが挙げられる。
【0030】
測定部220は、血糖値を測定する部位である。測定部220は、たとえば点着部291に血液が点着されたセンサ片290と導通する端子(図示略)を有しており、電気的手法により血糖値を測定する。測定データ記憶部225は、たとえばメモリであり、測定部220によって得られた測定データを記憶する。ディスプレイ230は、測定データなどを表示するための部位であり、たとえば液晶ディスプレイパネルである。ディスプレイ230は、本発明で言う測定装置側表示手段の一例である。図1および図6に示すように、本実施形態においては、ディスプレイ230は、7セグメント表示形式とされており、複数桁の数字および文字を表示可能である。バッテリ250は、本発明でいう蓄電手段の一例であり、試料測定装置201を駆動するための駆動源である。
【0031】
制御部260は、試料測定装置201の測定動作において各部位を制御するものであり、たとえばCPUによって構成されている。本実施形態においては、制御部260に、測定条件判定部261が設けられている。測定条件判定部261は、試料測定装置201の各測定条件があらかじめ定められた判定基準に照らして適切であるか否かを判定し、測定条件データを生成する。温度測定部262は、試料測定装置201による測定においてセンサ片290の近傍領域の温度を測定する。蓄電量測定部263は、バッテリ250の蓄電量を測定する。測定日時生成部264は、時計機能を有しており、測定部220が測定した日時情報を含む測定日時データを生成する。
【0032】
通信部280は、本発明でいうデータ送信手段の一例であり、無線通信を介してデータ送受信を行う。本実施形態においては、通信部280は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行う。これにより、通信部280は、双方向無線通信が可能である。
【0033】
通信機器301は、たとえば携帯型電話機であり、試料測定装置201から送信された測定データを受信、記憶し、またこれを公衆通信回線を介してたとえばサーバ装置(図示略)に送信する機能を有する。図1および図3に示すように、通信機器301は、通信部310、通信部315、制御部320、ディスプレイ330、スピーカ340、バイブレータ350、操作ボタン360、ヘルプ記憶部370を備えている。
【0034】
通信部310は、本発明でいうデータ受信手段の一例であり、無線通信を介してデータ送受信を行う。本実施形態においては、通信部310は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行う。これにより、通信部310は、双方向無線通信が可能である。通信部315は、無線通信を介して携帯電話通信網にアクセスするための部位である。これにより、通信機器301は、携帯電話通信網、およびこれを介したインターネットへのアクセスが可能となっている。
【0035】
制御部320は、通信機器301の通信動作において各部位を制御するものであり、たとえばCPUによって構成されている。ディスプレイ330は、たとえば液晶ディスプレイパネルによって構成されており、本発明で言う通信機器側表示手段の一例である。スピーカ340は、通話時の音声出力や、操作音、警告音を発するものである。操作ボタン360は、ダイヤルキーや方向キーなどである。バイブレータ350は、たとえば小型モータが組み込まれており、通信機器301全体を振動させるためのものである。
【0036】
ヘルプ記憶部370は、本発明でいう改善方策記憶手段の一例であり、たとえばメモリによって構成されている。ヘルプ記憶部370には、試料測定装置201の測定条件ごとに、エラーが発生した場合の改善方策が記憶されている。
【0037】
次に、試料測定装置201および試料測定システム101の動作について、図4〜図12を参照しつつ以下に説明する。
【0038】
図4は、試料測定装置201の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS0で試料測定装置201の動作が開始する。ステップS1においては、ディスプレイ230などは非表示の状態であり、試料測定装置201は、一般的に電源OFFと呼ばれる状態にある。ただし、このときには、センサ片検知部240はセンサ片290を検知可能な状態にある。センサ片検知部240が電気的手法によってセンサ片290を検知する場合、センサ片検知部240には電力が供給されている。これとは異なり、センサ片検知部240が電力を要しない場合、バッテリ250からの電力供給が完全に遮断されていてもよい。このように、電源OFFと呼ばれる状態であり、かつセンサ片検知部240が検知可能な状態を、本発明においては待機状態と定義する。
【0039】
ついで、ステップS1において、センサ片検知部240によってセンサ片290が挿入されているか否かを判定する。図6に示すように、センサ片290が挿入されると、図2においてセンサ片検知部240から挿入検知信号が制御部260へと送られる。制御部260は、バッテリ250に対して試料測定装置201全体への電源供給を指示する。これにより、図4に示すようにステップS2において、試料測定装置201は、一般的に電源ONと称される状態となる。本発明においては、この状態を稼働状態と定義する。
【0040】
電源ONになると、ステップS31,S32,S33が実行される。ステップS31においては、温度測定部262によって温度測定が行われ、測定温度が制御部260に送られる。制御部260に設けられた測定条件判定部261は、あらかじめ定められた測定をするのに好ましい温度範囲に上記測定温度が含まれているか否かを判定する。上記測定温度が上記温度範囲に含まれていない場合、温度条件がエラーであると判定し、ステップS311において、温度適否データを生成する。この温度適否データは、測定温度が測定に適していないという情報を含んでいる。ステップS311を終えた後、またはステップS31の判定結果が正常であった場合、ステップS32に進む。
【0041】
ステップS32においては、蓄電量測定部263によってバッテリ250の蓄電量が測定され、測定蓄電量が制御部260に送られる。制御部260に設けられた測定条件判定部261は、あらかじめ定められた蓄電量下限値と上記測定蓄電量とを比較する。上記測定蓄電量が上記蓄電量下限値を下回っている場合、蓄電量がエラーであると判定し、ステップS321において、蓄電量適否データを生成する。この蓄電量適否データは、蓄電量が不足しているという情報を含んでいる。ステップS321を終えた後、またはステップS32の判定結果が正常であった場合、ステップS33に進む。
【0042】
ステップS33においては、測定日時生成部264の運針状況を測定条件判定部261によって判定する。この判定は、測定日時生成部264が正常に運針していれば、正常と判定され、測定日時生成部264の運針が停止していれば、エラーと判定される。エラーと判定された場合、ステップS331において運針適否データが生成される。この運針適否データは、測定日時生成部264の運針が停止しているという情報を含んでいる。ステップS331を終えた後、またはステップS33の判定結果が正常であった場合、ステップS34に進む。なお、同図においては、ステップS31,S32,S33の順に実行されているが、この順序に限定されずいずれを最先に実行してもよい。
【0043】
ステップS34においては、ステップS31,S32,S33のいずれかにおいてエラーと判定されたか否かを判定する。ステップS31,S32,S33のいずれかにおいてエラーと判定されていた場合、ステップS341を実行する。ステップS341においては、上述した温度適否データ、蓄電量適否データ、運針適否データのうちステップS311,S321,S331のいずれかが実行された結果実際に生成されたものから、測定条件データを生成する。この測定条件データには、いずれの測定条件にエラーがあったかが含まれる。なお、温度適否データ、蓄電量適否データ、運針適否データに、適切または不適切の情報を含ませ、測定条件データに温度適否データ、蓄電量適否データ、運針適否データすべての適切または不適切の情報を含ませてもよい。そして、ステップS342においては、測定条件データを通信部280によって送信する。本実施形態においては、この送信は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を介して行われ、通信機器301に送信される。
【0044】
測定条件が適切であった場合、ステップS5において、測定部220により血糖値測定が行われる。得られた血糖値測定データは、測定データ記憶部225に記憶される。また、ステップS6においては、血糖値測定データが、通信部280によって通信機器301に送信される。この送信は、試料測定装置201と通信機器301との通信が確立されていることを条件に自動的に行ってもよいし、使用者の選択操作により行ってもよい。そして、ステップS7において、センサ片290の抜き取りがセンサ片検知部240によって検知されると、ステップS8において、試料測定装置201は電源OFFの状態とされる。
【0045】
一方、図5は、通信機器301の動作を示すフローチャートである。ステップS35において通信可能な状態とされると、通信機器301は、ステップS36において試料測定装置201からの測定条件データを受信可能な状態で待機する。図4を参照して説明したステップS342によって測定条件データが送信されると、通信機器301の通信部310は、ステップS36において測定条件データを受信する。制御部320は、測定条件データから各測定条件の適否情報を読み取る。そして、いずれの測定条件が不適切(エラー)であったかを認識し、ステップS361において、エラーメッセージを表示する。
【0046】
具体的には、温度測定部262による測定温度が所定の温度範囲よりも低かった場合、図7に示すようにディスプレイ330にその旨を告げるエラーメッセージが表示される。また、蓄電量測定部263による測定蓄電量が所定の蓄電量下限値よりも低かった場合、図9に示すようにディスプレイ330にその旨を告げるエラーメッセージが表示される。また、測定日時生成部264の運針が停止していた場合、図11に示すようにディスプレイ330にその旨を告げるエラーメッセージが表示される。
【0047】
ステップ361においてエラーメッセージが表示されると、ステップ362においてスピーカ340から警告音が発せられる。また、ステップ363においてバイブレータ350が発振することにより、通信機器301全体が振動する。なお、たとえば、通信機器301が、一般的な携帯型電話機に備えられているマナーモードに設定されている場合、ステップ362をスキップしてもよい。
【0048】
たとえば、使用者が操作ボタン360のいずれかを押すと、警告音および振動が停止される。そして、ステップ364において、ディスプレイ330にヘルプメッセージが表示される。このヘルプメッセージは、ヘルプ記憶部370に記憶されたものからエラーと判定された測定条件に対応するものを制御部320が選択する。
【0049】
具体的には、温度測定部262による測定温度が低いために図7に示すエラーメッセージが表示された場合には、図8に示すように、温度条件を改善するための方策がディスプレイ330に表示される。また、蓄電量測定部263による測定蓄電量が少ないために図9に示すエラーメッセージが表示された場合には、図10に示すように、バッテリ250の充電を促す旨のメッセージが表示される。また、測定日時生成部264の運針が停止しているために図11に示すエラーメッセージが表示された場合には、図12に示すように運針を開始させるための日時設定を促す旨のメッセージがディスプレイ330に表示される。使用者は、これらのヘルプメッセージにしたがった操作を行った後に、図4に示すステップS5の試料測定を行うことが望ましい。
【0050】
次に、試料測定装置201および試料測定システム101の作用について説明する。
【0051】
本実施形態によれば、試料測定装置201の状態が測定に適していない場合、通信機器301によって不適な状態であることが出力される。これにより、たとえば試料測定装置201のみに不適な状態であることが出力される場合と比べて、使用者が不適な状態であることに気付く可能性が高くなる。したがって、治療や投薬の判定には適さない条件で測定してしまうことを防止することができる。
【0052】
通信機器301が携帯型電話機であるため、試料測定装置201を用いた測定を行う時にも、通信機器301は使用者が身につけている可能性が高い。このため、通信機器301によるエラー出力に使用者がいち早く気づくことが期待できる。携帯型電話機として構成された通信機器301のディスプレイ330は、試料測定装置201のディスプレイ230よりも画面サイズが大きく、表示可能色数が多い場合がほとんどである。したがって、使用者にエラー出力を気付かせるのに適している。通信機器301のディスプレイ330を利用してエラー表示させることにより、試料測定装置201のディスプレイ230には、エラー表示させる機能および領域を備える必要がない。これにより、ディスプレイ230を簡素化することが可能であり、試料測定装置201のコストを低減することができる。
【0053】
また、スピーカ340から警告音を発することにより、ディスプレイ330を見ていない使用者にエラー出力を気付かせることができる。また、バイブレータ350の発振によって通信機器301を振動させることは、たとえば周囲の音が比較的うるさい場所で測定する場合、あるいは使用者の聴力が比較的弱い場合、などに使用者にエラー出力を気付かせるのに有利である。
【0054】
温度測定部262による測定温度が適切な温度範囲に含まれていないことを使用者に知らせることは、不正確な測定データを誤って蓄積してしまうことを回避するのに適している。蓄電量測定部263による測定蓄電量が蓄電量下限値を下回っていることを使用者に知らせることは、測定の途中に試料測定装置201の動作が停止してしまうことを回避するのに適している。測定日時生成部264の運針が停止していることを使用者に知らせることは、測定データが得られた日時がある日時に誤って集中してしまうことを防止するのに適している。
【0055】
Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を介して試料測定装置201と通信機器301との間でデータ送受信する構成とすることにより、試料測定装置201と通信機器301との距離が通信可能な距離以下となると、使用者が意識することなく自動的にデータ送受信を開始することができる。センサ片290の挿入および抜き取りによって試料測定装置201の電源ONと電源OFFとを切り替えることにより、血糖値測定に必須である操作を行えば、使用者の意図に沿って試料測定装置201の電源ON/OFFを切り替えることができる。これらの構成により、試料測定装置201は、使用者の意図に沿って、かつ使用者が不必要に意識することなく、測定動作および通信機器301との通信動作を開始することができる。そして、試料測定装置201が測定に不適な状態であれば、測定に先立って自動的に通信機器301からその旨が出力される。したがって、試料測定装置201が測定に適した状態であれば、スムーズに測定を行うことが可能であり、かつ試料測定装置201が測定に不適な状態であれば、そのことを測定に先立って使用者に速やかに気づかせることができる。
【0056】
図7〜図12に示すように、ディスプレイ330にエラーメッセージに対応したヘルプメッセージを表示させることにより、使用者は試料測定装置201の取扱説明書を読むことなく、試料測定装置201のエラーを解除するための操作を適切に行うことができる。これは、使用者の負担を軽減し、いち早く試料測定装置201を測定に適した状態に復帰させるのに適している。また、あるエラーを解除するために誤った操作をしてしまうことにより、試料測定装置201の破損や機能障害を誘発することを防止することができる。また、試料測定装置201にヘルプメッセージを表示させる機能を持たせる必要がないため、試料測定装置201のコスト抑制に好ましい。
【0057】
図13および図14は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0058】
図13は、本発明の第2実施形態に基づく試料測定装置を示している。本実施形態の試料測定装置202は、上述した試料測定装置201におけるディスプレイ230に代えて、複数のLEDインジケータ231を備えている。複数のLEDインジケータ231は、本発明で言う測定装置側表示手段の一例である。たとえば、複数のLEDインジケータ231の発光色は、緑色、黄色、赤色など互いに異なっている。これらのLEDインジケータ231の動作形態の一例を述べる。上述したステップS34において、制御部260の測定条件判定部261によって測定条件が適切であると判定された場合、制御部260は、緑色のLEDインジケータ231を発光させる。一方、測定条件判定部261によって測定条件が不適であると判断された場合、制御部260は、赤色のLEDインジケータ231を発光させる。また、測定条件判定部261による判定の結果、測定結果に即座に支障をきたさないものの、支障をきたしうる要因が認められた場合、制御部260は、黄色のLEDインジケータ231を発光させる。測定に支障をきたしうる要因としては、たとえば、蓄電量測定部263によって測定された蓄電量が、数回程度の測定の後に不足すると想定される量であることが挙げられる。
【0059】
このような実施形態によれば、試料測定装置202の機器構成をさらに簡素化させることが可能である。このような構成であっても、通信を介して通信機器301のディスプレイ330に必要な情報を表示させることにより、使用者に十分な情報を伝達することができる。
【0060】
図14は、本発明の第2実施形態に基づく試料測定装置を示している。本実施形態の試料測定装置203は、試料測定装置201におけるディスプレイ230や試料測定装置202における複数のLEDインジケータ231を備えていない。すなわち、試料測定装置203は、測定部220による測定結果や測定条件判定部261による判定結果に基づく情報を表示する機能を備えていない。試料測定装置203の上記測定結果や上記判定結果は、通信を介して通信機器301のディスプレイ330に適宜表示される。
【0061】
このような実施形態によれば、試料測定装置203には情報を表示するための構成を備える必要がない。これにより、ディスプレイ230や複数のLEDインジケータ231に相当する機器コストを削減可能であることに加えて、制御部260の制御内容を簡素化することができる。
【0062】
本発明に係る試料測定装置および試料測定システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る試料測定装置および試料測定システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0063】
本発明でいう通信機器は、携帯型電話機に限定されず、試料測定装置と無線通信を介して可能な機器であればよく、たとえばBluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を介したデータ送受信が可能に構成されたパーソナルコンピュータであってもよい。本発明でいう試料測定装置は、SMBG機器に限定されず、測定データを通信機器に、または通信機器を介して収集することが好ましい様々な測定に供されるものに適用可能である。本発明でいう無線通信は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信機に限定されず、試料測定装置と通信機器とのデータ送受信を実現可能なものであればよい。
【符号の説明】
【0064】
101 試料測定システム
201,202,203 試料測定装置
210 ケース
211 挿入口
220 測定部(測定手段)
225 測定データ記憶部
230 ディスプレイ(測定装置側表示手段)
231 LEDインジケータ(測定装置側表示手段)
240 センサ片検知部(センサ片検知手段)
250 バッテリ(蓄電手段)
260 制御部
261 測定条件判定部(測定条件判定手段)
262 温度測定部(温度測定手段)
263 蓄電量測定部(蓄電量測定手段)
264 測定日時生成部(測定日時生成手段)
280 通信部(データ送信手段)
290 センサ片
291 点着部
301 通信機器
310 通信部(データ受信手段)
315 通信部
320 制御部
330 ディスプレイ(通信機器側表示手段)
340 スピーカ
350 バイブレータ
360 操作ボタン
370 ヘルプ記憶部(改善方策記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に含まれる特定成分に関する測定を行う測定手段と、
上記測定に必要とされる1以上の測定条件の適否を判定し、かつ、この測定条件の適否の判定結果を含む測定条件データを生成する測定条件判定手段と、
無線通信を介して上記測定条件データを送信するデータ送信手段と、
を備える、試料測定装置。
【請求項2】
上記試料の測定に関与する場の温度を測定する温度測定手段を備え、
上記測定条件判定手段は、上記温度測定手段によって測定された温度の上記試料の測定に対する適否を判定し、その判定結果を温度適否データとして上記測定条件データに含ませる、請求項1に記載の試料測定装置。
【請求項3】
動力源としての蓄電手段と、
上記蓄電手段の蓄電量を測定する蓄電量測定手段と、を備えており、
上記測定条件判定手段は、上記蓄電量測定手段によって測定された蓄電量の上記試料の測定に対する適否を判定し、その判定結果を蓄電量適否データとして上記測定条件データに含ませる、請求項1または2に記載の試料測定装置。
【請求項4】
時計機能を有し、測定日時を特定するための測定日時生成手段を備えており、
上記測定条件判定手段は、上記測定日時生成手段の上記時計機能の運針状態の上記試料の測定に対する適否を判定し、その判定結果を運針適否データとして上記測定条件データに含ませる、請求項1ないし3のいずれかに記載の試料測定装置。
【請求項5】
上記特定成分は血糖であり、血糖自己測定装置として構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の試料測定装置。
【請求項6】
上記試料が点着されたセンサ片が挿入された状態で、上記試料の測定を行う、請求項1ないし5のいずれかに記載の試料測定装置。
【請求項7】
上記センサ片の挿入および抜き取りを検知するセンサ片検知手段を備えており、
上記センサ片検知手段によって上記センサ片の挿入が検知されることにより、上記試料の測定が不可である待機状態から、上記試料の測定が可能である稼働状態となる、請求項6に記載の試料測定装置。
【請求項8】
上記測定条件判定手段は、上記センサ片が挿入された後、自動的に上記測定条件の適否判定を行う、請求項7に記載の試料測定装置。
【請求項9】
上記データ送信手段は、上記測定条件判定手段による上記測定条件の適否判定がなされた後、自動的に上記測定条件データを送信する、請求項8に記載の試料測定装置。
【請求項10】
上記データ送信手段は、上記センサ片が挿入された後、上記測定条件データを送信する前に、自動的に無線通信確立処理を行う、請求項9に記載の試料測定装置。
【請求項11】
上記測定手段の測定結果および上記測定条件判定手段の判定結果の少なくともいずれかを表示する測定装置側表示手段を備える、請求項1ないし10のいずれかに記載の試料測定装置。
【請求項12】
上記測定手段の測定結果および上記測定条件判定手段の判定結果を表示する機能を備えない、請求項1ないし10のいずれかに記載の試料測定装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の試料測定装置と、
上記試料測定装置の上記データ送信手段から送信された上記測定条件データを無線通信を介して受信するデータ受信手段、および上記測定条件データに基づく測定条件情報を表示する通信機器側表示手段を有する通信機器と、
を備える、試料測定システム。
【請求項14】
上記通信機器は、上記測定条件データに基づいて上記試料測定装置の状態を改善するための改善方策データを記憶する改善方策記憶手段を備えており、
上記通信機器側表示手段には、上記測定条件情報とともに、または上記測定条件情報が表示された後に、上記改善方策データが表示される、請求項13に記載の試料測定システム。
【請求項15】
上記試料測定装置においては、上記測定手段によって生成される測定データが、上記データ送信手段によって送信され、
上記通信機器においては、上記データ受信手段によって受信された上記測定データが、上記通信機器側表示手段に表示される、請求項13または14に記載の試料測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−237737(P2012−237737A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23917(P2012−23917)
【出願日】平成24年2月7日(2012.2.7)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】