説明

試薬容器および試薬セット

【課題】従来よりも取り扱いが容易な試薬容器を提供する。
【解決手段】この試薬容器1001は、検体分析装置2において用いられる希釈液を収容するとともに、希釈液を吸引するための試薬吸引管103iが挿入される開口部130eを上部に有する希釈液容器130と、検体分析装置2において用いられた試薬および希釈液を廃液として回収するとともに、廃液を吐出するための廃液吐出管103jが挿入される開口部131eを上部に有する廃液容器131と、希釈液容器130および廃液容器131を収容する箱体110と、開口部130eおよび131eが所定位置に配置されるように希釈液容器130と廃液容器131とを保持するとともに、箱体110の内部の所定位置に保持される容器保持部材113とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試薬容器および試薬セットに関し、特に、試薬収容容器と廃液容器とを備えた試薬容器および試薬セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試薬収容容器と廃液容器とを備えた試薬容器および試薬セットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、上部に原液吸引用の管が挿入される開口部を有し、原液を収容する原液袋と、上部に廃液排出用の管が挿入される開口部を有し、原液使用装置において用いられた原液を廃液として回収する廃液袋と、原液袋と廃液袋とが隣り合うように格納され、原液袋の開口部および廃液袋の開口部と対応する位置にそれぞれ開口部が設けられた外函ケースとを備えた原液および廃液の置換容器が開示されている。この置換容器では、原液吸引用の管は、外函ケースの対応する開口部と原液袋の開口部とに挿入されるとともに、廃液排出用の管は、外函ケースの対応する開口部と廃液袋の開口部とに挿入されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平5−16110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の置換容器では、輸送などの際に置換容器が傾くことなどに起因して、原液袋および廃液袋が所定の位置からずれる場合がある。この場合、原液袋の開口部および廃液袋の開口部がそれぞれ対応する外函ケースの開口部に対してずれるため、原液吸引用の管および廃液排出用の管をそれぞれ原液袋の開口部および廃液袋の開口部に挿入しにくくなり、取り扱いが難しかった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、従来よりも取り扱いが容易な試薬容器および試薬セットを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による試薬容器は、検体分析装置において用いられる第1試薬を収容するとともに、第1試薬を吸引するための第1試薬吸引管が挿入される第1吸引口を上部に有する第1試薬収容容器と、検体分析装置において用いられた第1試薬を廃液として回収するとともに、廃液を吐出するための廃液吐出管が挿入される吐出口を上部に有する廃液容器と、第1試薬収容容器および廃液容器を収容する箱体と、第1吸引口および吐出口が所定位置に配置されるように第1試薬収容容器と廃液容器とを保持するとともに、箱体の内部の所定位置に保持される容器保持部材とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による試薬容器では、上記のように、第1吸引口および吐出口が所定位置に配置されるように第1試薬収容容器と廃液容器とを所定位置に保持する容器保持部材を設けることによって、輸送などの際に試薬容器が傾いた場合であっても、容器保持部材により第1試薬収容容器の第1吸引口および廃液容器の吐出口が所定の位置からずれるのを抑制することができる。これにより、第1試薬吸引管および廃液吐出管をそれぞれ第1吸引口および吐出口に挿入しにくくなるのを抑制することができ、従来よりも取り扱いが容易になる。
【0009】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、容器保持部材は、第1試薬収容容器と廃液容器とを保持する上面部と、上面部の縁部から下方に延びる側面部とを含み、側面部の少なくとも1つの下方の角部は、面取りされている。このように構成すれば、箱体の内部に固定および保持されるように容器保持部材を挿入する際に、箱体、第1試薬収容容器または廃液容器に側面部の少なくとも1つの下方の角部が引っ掛かるのを抑制することができる。これにより、容易に、容器保持部材を箱体に挿入することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、側面部の少なくとも1つの下方の角部は、曲線状に形成されている。このように構成すれば、直線状である場合と比べて、より容易に、容器保持部材を箱体に挿入することができる。
【0011】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、廃液容器は、柔軟性を有するとともに、吐出口を密封するための蓋をさらに含み、廃液容器は、使用前の状態において、内部に気体が封入された状態で、蓋により吐出口が密封されている。このように構成すれば、輸送などの際に第1試薬収容容器に加わる衝撃を内部に気体が封入された廃液容器のクッション作用によって緩和することができる。これにより、衝撃に起因して第1試薬収容容器が破損するのを抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、検体分析装置において用いられる第2試薬を収容するとともに、第2試薬を吸引するための第2試薬吸引管が挿入される第2吸引口を上部に有し、第1試薬収容容器よりも高さが低い第2試薬収容容器と、第2試薬収容容器の底部が第1試薬収容容器の底部よりも高い位置で箱体に収容されるように、第2試薬収容容器の底部を支持する容器支持部とをさらに備える。このように構成すれば、容器支持部により、第1試薬収容容器の第1吸引口の高さ位置と第2試薬収容容器の第2吸引口の高さ位置とを近づけることができる。これにより、高さ位置の差が大きく異なる場合と比べて、第1試薬吸引管および第2試薬吸引管をそれぞれ第1吸引口および第2吸引口に挿入しにくくなるのを抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、容器支持部は、第1試薬収容容器と箱体の側面との間に配置されている。このように構成すれば、輸送などの際に第1試薬収容容器に加わる衝撃を第1試薬収容容器と箱体の側面との間に配置された容器支持部によって緩和することができる。これにより、衝撃に起因して第1試薬収容容器が破損するのを抑制することができる。
【0014】
上記容器支持部が第1試薬収容容器と箱体の側面との間に配置されている試薬容器において、好ましくは、廃液容器は、柔軟性を有するとともに、吐出口を密封するための蓋をさらに含み、廃液容器は、使用前の状態において、内部に気体が封入された状態で、蓋により吐出口が密封されており、第1試薬収容容器は、容器支持部と廃液容器とに挟まれて配置されている。このように構成すれば、輸送などの際に第1試薬収容容器に加わる衝撃を容器支持部と廃液容器のクッション作用とによって緩和することができる。これにより、衝撃に起因して第1試薬収容容器が破損するのをより抑制することができる。
【0015】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、検体分析装置において用いられる第2試薬を収容する第2試薬収容容器と、記検体分析装置において用いられる第3試薬を収容する第3試薬収容容器とをさらに備え、記第2試薬収容容器には、第2試薬収容容器であることを認識させるための第1識別標識が設けられており、記第3試薬収容容器には、第3試薬収容容器であることを認識させるための第2識別標識が設けられており、容器保持部材および箱体の少なくとも一方の第2試薬収容容器が配置される位置に対応する箇所には、第1識別標識に対応する第3識別標識が設けられており、容器保持部材および箱体の少なくとも一方の第3試薬収容容器が配置される位置に対応する箇所には、第2識別標識に対応する第4識別標識が設けられている。このように構成すれば、第3識別標識が設けられている箇所に、第3識別標識と対応する第1識別標識が設けられた第2試薬収容容器を配置するとともに、第4識別標識が設けられている箇所に、第4識別標識と対応する第2識別標識が設けられた第3試薬収容容器を配置すればよいので、第2試薬収容容器と第3試薬収容容器とを誤った位置に配置するのを抑制することができる。
【0016】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、箱体は、上部に開口を有する箱本体と、箱本体に連なり、箱本体の開口を塞ぐための蓋部と、箱本体の開口を開放した状態を維持するための開放状態維持部とを含む。このように構成すれば、試薬容器の使用中などに、開放状態維持部によって、蓋部が箱本体の開口を塞ぐのを抑制することができるので、蓋が箱本体の開口を塞ぐことにより作業の妨げになるのを抑制することができる。
【0017】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、箱体の側面の上部には、廃液容器から吐出される廃液を通過させるための切り欠きを形成するための切り欠き形成部が設けられている。このように構成すれば、切り欠き形成部から切り欠きを形成することによって、ユーザが廃液を吐出する際に、廃液容器から吐出される廃液が切り欠きの部分を通過するように吐出することができる。これにより、吐出される廃液が箱体の側面に付着することを抑制することができる。また、切り欠きを形成する前は切り欠きが設けられていないので、切り欠きを介して試薬容器の試薬および廃液がユーザに付着するのを抑制することができる。
【0018】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、第1吸引口は、第1試薬収容容器の上部から突出する第1突出部に設けられており、容器保持部材は、第1突出部を保持することにより第1吸引口を所定位置に保持するための第1保持孔を含む。このように構成すれば、第1保持孔により第1突出部を保持させるだけで、容易に、第1試薬収容容器の第1吸引口を所定位置に保持させることができる。
【0019】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、吐出口は、廃液容器の上部から突出する第2突出部に設けられており、容器保持部材は、第2突出部を保持することにより吐出口を所定位置に保持するための第2保持孔を含む。このように構成すれば、第2保持孔により第2突出部を保持させるだけで、容易に、廃液容器の吐出口を所定位置に保持させることができる。
【0020】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、箱体および容器保持部材は、段ボールによって形成されている。このように構成すれば、箱体および容器保持部材を、容易に再利用することができるので、プラスチック容器などを用いる場合と比べて、環境に対する負荷(悪影響)を小さくすることができる。
【0021】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、第1試薬収容容器と廃液容器とは、略同一の容量を有するように構成されている。このように構成すれば、試薬容器を過剰に大きくすることなく、第1試薬収容容器から検体分析装置に供給されて使用された第1試薬を廃液として廃液容器に回収することができる。
【0022】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、検体分析装置は、血球計数装置であり、第1試薬収容容器は、第1試薬として希釈液を収容する。血球計数装置は、多量の希釈液を使用するため、第1試薬収容容器は、比較的大容量に構成する必要がある。そうすると、第1試薬収容容器の重量が大きくなり、輸送などの際に試薬容器が傾いた際に、第1試薬収容容器が所定位置からずれ易くなるが、本発明の構成によれば、このような位置ずれを抑制することができる。
【0023】
上記第1の局面による試薬容器において、好ましくは、第1試薬吸引管および廃液吐出管は、共通の管固定部材に保持されている。このように構成すれば、第1試薬収容容器の第1吸引口および廃液容器の吐出口が所定の位置からずれるのが抑制されている本発明において、第1試薬吸引管および廃液吐出管をそれぞれ第1吸引口および吐出口の所定の位置に対応するように固定することができる。これにより、より容易に、第1試薬吸引管および廃液吐出管をそれぞれ第1吸引口および吐出口に挿入することができる。
【0024】
この発明の第2の局面による試薬セットは、上記した構成を有する試薬容器と、検体分析装置において用いられる試薬とを備える。このように構成すれば、容器保持部材により第1試薬吸引管および廃液吐出管をそれぞれ第1吸引口および吐出口に挿入しにくくなるのを抑制することが可能な試薬容器を備える試薬セットを得ることができる。
【0025】
この発明の第3の局面による試薬容器は、検体分析装置において用いられる第1試薬を収容するとともに、第1試薬を吸引するための第1試薬吸引管が挿入される第1吸引口を上部に有する第1試薬収容容器と、検体分析装置において用いられる第2試薬を収容するとともに、第2試薬を吸引するための第2試薬吸引管が挿入される第2吸引口を上部に有し、第1試薬収容容器よりも高さが低い第2試薬収容容器と、検体分析装置において用いられた第1試薬および第2試薬を廃液として回収するとともに、廃液を吐出するための廃液吐出管が挿入される吐出口を上部に含む廃液容器と、第2試薬収容容器の底部が第1試薬収容容器の底部よりも高い位置になるように第2試薬収容容器の底部を支持する容器支持部と、第1試薬収容容器、第2試薬収容容器、廃液容器および容器支持部を収容する箱体とを備える。
【0026】
この発明の第3の局面による試薬容器では、上記のように、第2試薬収容容器の底部が第1試薬収容容器の底部よりも高い位置になるように第2試薬収容容器の底部を支持する容器支持部を設けることによって、第1試薬収容容器の第1吸引口の高さ位置と第2試薬収容容器の第2吸引口の高さ位置とを近づけることができる。これにより、互いの高さ位置の差が大きく異なる場合と比べて、第1試薬吸引管および第2試薬吸引管をそれぞれ第1吸引口および第2吸引口に挿入しにくくなるのを抑制することができる。
【0027】
上記第3の局面による試薬容器において、好ましくは、第1試薬収容容器と廃液容器とは、略同一の高さを有する。このように構成すれば、廃液容器の吐出口の高さ位置を、第1試薬収容容器の第1吸引口の高さ位置および第2試薬収容容器の第2吸引口の高さ位置に近づけることができる。これにより、高さ位置の差が大きく異なる場合と比べて、第1試薬吸引管、第2試薬吸引管および廃液吐出管をそれぞれ第1吸引口、第2吸引口および吐出口に挿入しにくくなるのを抑制することができる。
【0028】
上記第3の局面による試薬容器において、好ましくは、検体分析装置において用いられる第3試薬を収容するとともに、第3試薬を吸引するための第3試薬吸引管が挿入される第3吸引口を上部に有し、第2試薬収容容器と略同じ高さを有する第3試薬収容容器をさらに備え、第3試薬収容容器は、容器支持部によって支持されている。このように構成すれば、第3試薬収容容器の第3吸引口の高さ位置を、第1試薬収容容器の第1吸引口の高さ位置および第2試薬収容容器の第2吸引口の高さ位置に近づけることができる。これにより、高さ位置の差が大きく異なる場合と比べて、第1試薬吸引管、第2試薬吸引管および第3試薬吸引管をそれぞれ第1吸引口、第2吸引口および第3吸引口に挿入しにくくなるのを抑制することができる。
【0029】
上記第3の局面による試薬容器において、好ましくは、第1試薬収容容器、第2試薬収容容器および廃液容器は、第1吸引口、第2吸引口および吐出口が略同一の高さ位置に配置されるように箱体に収容されている。このように構成すれば、より容易に、第1試薬吸引管、第2試薬吸引管および廃液吐出管をそれぞれ第1吸引口、第2吸引口および吐出口に挿入することができる。
【0030】
上記第3の局面による試薬容器において、好ましくは、廃液容器は、柔軟性を有するとともに、吐出口を密封するための蓋をさらに含み、廃液容器は、使用前の状態において、内部に気体が封入された状態で、蓋により吐出口が密封されており、第1試薬収容容器は、容器支持部と廃液容器とに挟まれて配置されている。このように構成すれば、輸送などの際に第1試薬収容容器に加わる衝撃を容器支持部と廃液容器のクッション作用とによって緩和することができる。これにより、衝撃に起因して第1試薬収容容器が破損するのをより抑制することができる。
【0031】
この発明の第4の局面による試薬容器は、検体分析装置において用いられる試薬を収容する試薬収容容器と、検体分析装置において用いられた試薬を廃液として回収する廃液容器と、複数の外側面を有し、試薬収容容器と廃液容器とを収容する容器収容部とを備え、廃液容器は、回収された廃液を吐出するために用いられる吐出口を上部に有し、吐出口が容器収容部の外側面近傍に配置されるように、廃液容器が容器収容部に収容され、容器収容部の複数の外側面のうち、吐出口に最も近い外側面の吐出口に対向する上端部分には、切り欠きが設けられている。
【0032】
この発明の第4の局面による試薬容器では、上記のように、容器収容部の複数の外側面のうち、吐出口に最も近い外側面の吐出口に対向する上端部分に切り欠きを設けることによって、ユーザが容器収容部を切り欠き側に傾けて廃液を排出する際に、廃液容器の吐出口から吐出される廃液が切り欠きの部分を通過するので、吐出される廃液が容器収容部の外側面に付着することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態による試薬セット、検体分析装置および試薬取出部材の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による試薬セットの蓋部が閉じた状態の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による試薬セットの蓋部が開いた状態の外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による試薬セットの蓋部が開いた状態を示す上面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による試薬セットの全体構成を示す分解斜視図である。
【図6】図2の1000−1000線に沿った試薬セットの状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による試薬セットの試薬取出部材の構成を示す斜視図である。
【図8】図1の1000−1000線に沿った試薬セットおよび試薬取出部材の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態による試薬セットの箱体を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態による箱体の蓋側の側面を示す側面図である。
【図11】本発明の第1実施形態による蓋部が箱体に係止されている状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態による箱体の切り欠き形成後の切り欠き側の側面を示す側面図である。
【図13】本発明の第1実施形態による試薬セットの溶血剤収容容器および染色剤収容容器を示す斜視図である。
【図14】本発明の第1実施形態による試薬セットの希釈液容器および廃液容器を示す斜視図である。
【図15】本発明の第1実施形態による試薬セットの容器保持部材を示す斜視図である。
【図16】本発明の第1実施形態による試薬セットの容器保持部材を示す展開図である。
【図17】本発明の第1実施形態による容器保持部材の保持孔を示す拡大平面図である。
【図18】本発明の第1実施形態による試薬セットの容器支持部材を示す斜視図である。
【図19】本発明の第1実施形態による試薬セットの組み立て時における希釈液容器および廃液容器を配置した際の斜視図である。
【図20】本発明の第1実施形態による試薬セットの組み立て時における容器保持部材を挿入する際の斜視図である。
【図21】本発明の第1実施形態による試薬セットの組み立て時における希釈液容器の突出部および廃液容器の突出部を引き出す際の斜視図である。
【図22】本発明の第1実施形態による試薬セットの組み立て時における容器支持部材を挿入する際の斜視図である。
【図23】本発明の第1実施形態による試薬セットの使用時における試薬取出部材を配置する際の斜視図である。
【図24】本発明の第1実施形態による試薬セットの使用時における廃液容器から廃液を外部に排出する際の斜視図である。
【図25】本発明の第2実施形態による試薬セット、検体分析装置および試薬取出部材の構成を示す斜視図である。
【図26】本発明の第2実施形態による試薬セットの外観を示す斜視図である。
【図27】本発明の第2実施形態による試薬セットの構成を示す斜視図である。
【図28】本発明の第2実施形態による試薬セットの全体構成を示す分解斜視図である。
【図29】本発明の第2実施形態による試薬セットの図26の2000−2000線に沿った断面図である。
【図30】本発明の第2実施形態による試薬セットの箱本体部を示す斜視図である。
【図31】本発明の第2実施形態による試薬セットの箱本体部の切り欠き側を示す側面図である。
【図32】本発明の第2実施形態による試薬セットの箱本体部の切り欠きと廃液容器の排出口との位置関係を示す側面図である。
【図33】本発明の第2実施形態による試薬セットの溶血剤収容容器および染色剤収容容器を示す斜視図である。
【図34】本発明の第2実施形態による試薬セットの希釈液容器および廃液容器を示す斜視図である。
【図35】本発明の第2実施形態による試薬セットの使用前における図25の2000−2000線に沿った断面図である。
【図36】本発明の第2実施形態による試薬セットの使用後における図25の2000−2000線に沿った断面図である。
【図37】本発明の第2実施形態による試薬セットの内装部材を示す上面図である。
【図38】本発明の第2実施形態による試薬セットの内装部材の第2支持面の支持部周辺を示す拡大上面図である。
【図39】本発明の第2実施形態による試薬セットの使用時における図25の2000−2000線に沿った断面図である。
【図40】本発明の第2実施形態による試薬セットの廃液容器から廃液を外部に排出する際の斜視図である。
【図41】本発明の第2実施形態による試薬セットの廃液容器から廃液を外部に排出する際における図40の2000−2000線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
(第1実施形態)
まず、図1〜図18を参照して、本発明の第1実施形態による試薬セット100の構成について説明する。
【0036】
図1に示すように、第1実施形態による試薬セット100は、後述する蓋部112を開放した状態で、血液を分析する検体分析装置2(本実施形態では、血液中の血球を計数する血球計数装置)に試薬取出部材103を介して接続される。また、試薬セット100は、試薬容器1001と、試薬容器1001の各試薬収容容器に収容された試薬とを含む。試薬容器1001は、図5に示すように、ヘモグロビン測定用の溶血剤収容容器120と、白血球分類測定用の溶血剤収容容器121と、網状赤血球測定用の染色剤収容容器122と、希釈液容器130と、廃液容器131と、これらの容器を収容する箱体110と、箱体110の内部において矢印X2方向側に配置された容器保持部材113と、箱体110の内部において矢印X1方向側に配置された容器支持部材114とを含む。
【0037】
箱体110は、図2に示すように、X方向に約390mm、Y方向に約205mmおよびZ方向に約230mmの大きさ(外寸)を有する。この箱体110は、箱本体111と、箱本体111と一体的に形成された蓋部112とを含む。
【0038】
試薬セット100の使用時には、ヘモグロビン測定用の溶血剤収容容器120と、白血球分類測定用の溶血剤収容容器121と、染色剤収容容器122と、希釈液容器130と、廃液容器131とは、箱体110から取り出されることなく使用される。
【0039】
また、箱本体111の内部の矢印X1方向側の容器支持部材114の後述する支持部114a(図4〜図6参照)上には、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122が配置されている。また、箱本体111の内部のX方向の略中央部には、希釈液容器130が配置されているとともに、箱本体111の内部の矢印X2方向側には、廃液容器131が配置されている。これにより、希釈液容器130は、矢印X1方向側に配置された容器支持部材114と矢印X2方向側に配置された廃液容器131とにより、X方向に挟まれるように配置されている。
【0040】
また、図1に示すように、試薬セット100の使用時において、箱本体111の開口部111aを上方(矢印Z2方向側)から覆うように試薬取出部材103が配置されている。この試薬取出部材103には、図7に示すように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121、染色剤収容容器122および希釈液容器130(図5参照)にそれぞれ対応するように、試薬取出部103a、103b、103cおよび103dが形成されている。また、廃液容器131(図5参照)に対応するように廃液吐出部103eが形成されている。
【0041】
また、試薬取出部103a、103b、103cおよび103dは、それぞれ、試薬を吸引するための試薬吸引管103f、103g、103hおよび103iを含むとともに、廃液吐出部103eは、廃液を吐出するための廃液吐出管103jを含む。また、図7および図8に示すように、試薬取出部103a、103b、103c、103dおよび廃液吐出部103eは、金属製のプレート103kに固定されている。これにより、試薬吸引管103f、103g、103h、103iおよび廃液吐出管103jは、互いに位置が変化しないように固定および保持されている。
【0042】
また、図1に示すように、試薬取出部103a、103b、103c、103dおよび廃液吐出部103eは、それぞれ、チューブ4a、4b、4c、4dおよび4eを介して、検体分析装置2の吸込口2a、2b、2c、2dおよび吐出口2eに接続されており、接続状態を保ったまま、箱本体111に配置されることが可能なように構成されている。
【0043】
箱本体111は、図9に示すように、約5mmの厚みを有する段ボールからなるとともに、略直方体形状を有する。また、箱本体111は、矢印Z2方向側に形成された開口部111aと、矢印Y2方向側に形成された側面111bと、矢印Y1方向側に形成された側面111cと、矢印X2方向側に形成された側面111dと、矢印X1方向側に形成された側面111eと、矢印Z1方向側に形成された底面111f(図6参照)とを含む。
【0044】
また、側面111bの上端(矢印Z2方向側)には、箱本体111と一体的に形成された蓋部112と側面111bとが接続される接続部111gが設けられている。この接続部111gの内側(図11に示す開口部111a側)および外側(図2に示す外部側)には、対応するように切り込み111hが形成されている。これにより、図2に示す開口部111aを塞ぐように蓋部112を配置している状態から、図3に示す開口部111aを開放するように蓋部112を開いた際に、切り込み111hによってある程度蓋部112が開放された状態が保たれるように構成されている。これにより、意図せずに蓋部112が再度開口部111aを塞ぐように配置されるのを抑制することが可能である。
【0045】
また、側面111bには、図10に示すように、係止部形成部111iが形成されている。この係止部形成部111iは、下端(矢印Z1方向側)を支点として、上端(矢印Z2方向側)が側面111bから矢印Y2方向側(図11参照)に切り離されることが可能なように構成されている。また、係止部形成部111iは、下端から上端に向かってX方向の長さが大きくなるような略台形状の形状を有する。また、係止部形成部111iの上端のX方向の略中央には、上端を側面111bから切り離す際にユーザの指が挿入される穴部111jが形成されている。これにより、係止部形成部111iを切り離して係止部111k(図11参照)を形成することが可能である。
【0046】
また、図9に示すように、蓋部112には、接続部111gとは反対側の側面に被係止部112aと、被係止部112aのX方向の両側に形成された一対の差込部112bとが形成されている。また、被係止部112aのX方向の長さL1は、係止部形成部111i(係止部111k)の下端のX方向の長さL2よりも大きい一方、係止部形成部111i(係止部111k)の上端のX方向の長さL3よりも小さくように構成されている。これにより、図11に示すように、蓋部112の一対の差込部112bを除く略全面が側面111bに接触した状態で、係止部111kにより被係止部112a(図9参照)が係止されるように構成されている。これにより、箱本体111の開口部111aを開放した状態を維持することが可能である。
【0047】
なお、係止部111kにより被係止部112aが係止される状態において、一対の差込部112bの被係止部112a側の側面と、係止部111kのX方向の両側の側面とが当接することによって、より確実に、係止部111kにより被係止部112aが係止されるように構成されている。
【0048】
また、図9に示すように、矢印Y1方向側の側面111cの上端(矢印Z2方向側)には、折り返されることによって折り返し部111lが形成されている。この折り返し部111lによって、側面111cの上端に側面111cの厚み(約5mm)よりも大きい幅の平坦面部が形成されるので、ユーザが側面111cの上端において指を切るのを抑制することが可能である。また、折り返し部111lには、蓋部112が閉じられる際に、蓋部112の一対の差込部112bがそれぞれ差し込まれる一対の差込孔111mが形成されている。
【0049】
また、図9に示すように、矢印X2方向側の側面111dの上端部近傍(矢印Z2方向側)で、かつ、Y方向の略中央部には、切り欠き形成部111nが形成されている。この切り欠き形成部111nは、側面111dを貫通するように切り込みが入れられることによって形成されており、この切り込みに沿って切り欠き形成部111nを切り離すことが可能なように構成されている。この際、切り欠き形成部111nが切り離されることによって、図12に示すように、略半楕円形状の切り欠き111oが形成されるように構成されている。
【0050】
また、切り欠き111oの円弧状の下端部は、箱本体111の矢印X2方向側に配置された、廃液容器131の後述する開口部131eの上端部よりも低い位置(矢印Z1方向側の位置)に位置するように構成されている。これにより、切り欠き111oを介して、廃液容器131の廃液を外部に排出することが可能である。
【0051】
また、図9に示すように、側面111dおよび側面111eの略中央部には、取手形成部111pが形成されている。また、図11に示すように、取手形成部111pの下端に形成された穴部111qを介して、ユーザが取手形成部111p(図9参照)を切り離して取手部111rを形成することが可能なように構成されている。
【0052】
溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122は、図13に示すように、同一の形状を有するとともに、硬質のプラスチックからなる。また、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122は、約250mLの液体を収容可能なように構成されている。
【0053】
また、図5に示すように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122は、矢印Y1方向側から矢印Y2方向側に向かって順次配置されている。また、溶血剤収容容器120の側面には、青色の識別標識120aが設けられている。また、溶血剤収容容器121の側面には、緑色の識別標識121aが設けられているとともに、染色剤収容容器122の側面には、赤色の識別標識122aが設けられている。
【0054】
また、図13に示すように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122の上部には、それぞれ、内部の試薬が取り出される開口部120b、121bおよび122bが設けられている。この開口部120b、121bおよび122bには、それぞれ、図7に示す試薬取出部材103の試薬吸引管103f、103gおよび103hが挿入されるように構成されている。これにより、図1に示すように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122の試薬は、それぞれ、試薬取出部材103の試薬取出部103a、103bおよび103cと、チューブ4a、4bおよび4cとを介して、検体分析装置2によって取り出されることが可能なように構成されている。また、試薬セット100の使用前および使用後においては、図13に示すように、開口部120b、121bおよび122bに、それぞれ、キャップ120c、121cおよび122cが螺合されることによって密封されている。
【0055】
また、試薬セット100の使用前の状態において、溶血剤収容容器120には、ヘモグロビン測定用の試薬(溶血剤)が収容されており、溶血剤収容容器121には、白血球分類測定用の試薬(溶血剤)が収容されているとともに、染色剤収容容器122には、網状赤血球測定用の試薬(染色剤)が収容されている。
【0056】
希釈液容器130および廃液容器131は、図14に示すように、略同一の容器からなり、略立方体形状を有する。また、希釈液容器130は、希釈液が収容された本体部130aと、本体部130aの上面(矢印Z2方向側の面)に形成された突出部130bとを有する。また、廃液容器131は、廃液が回収される本体部131aと、本体部131aの上面に形成された突出部131bとを有する。また、希釈液容器130の本体部130aおよび廃液容器131の本体部131aは、約5Lの液体を収容可能であり、形状を多少変化させることが可能な程度の柔軟性を有する。また、図6に示すように、本体部130aおよび131aの底部(矢印Z1方向側)は、箱本体111の底面111fで支持されている。すなわち、希釈液容器130および廃液容器131は、略同じ高さで箱本体111内に配置されている。
【0057】
また、図14に示すように、希釈液容器130の突出部130bは、本体部130aの上面との境界に位置する境界部分130cと、境界部分130cの上部に形成された係止部130dと、係止部130dの上方に形成された開口部130eとを有する。同様に、廃液容器131の突出部131bは、本体部131aの上面との境界に位置する境界部分131cと、境界部分131cの上部に形成された係止部131dと、係止部131dの上方に形成された開口部131eとを有する。
【0058】
境界部分130cおよび131cは、撓んだ状態で形成されており、ユーザにより上方(矢印Z2方向側)に伸ばされることによって、上方に突出可能なように構成されている。また、係止部130dおよび131dは、それぞれ、後述する保持孔113eおよび113fの周辺の上面部113a(図15参照)に係止するように構成されている。なお、係止部130dおよび131dは、直径が約58mmの略円状に形成されている。
【0059】
また、開口部130eおよび131eは、突出部130bおよび131bの略中心に形成されている。また、試薬セット100の使用前および使用後においては、開口部130eおよび131eは、それぞれ、キャップ130fおよび131fが螺合されることによって密封されている。また、試薬セット100の使用前の状態において、希釈液容器130には希釈液が収容されている。
【0060】
ここで、第1実施形態では、図6に示すように、試薬セット100の使用前の状態において、廃液容器131の本体部131aには気体(斜線部)が封入された状態で開口部131eが密封されている。この封入された気体によって、廃液容器131が略立方体形状を保持可能なように構成されている。なお、廃液容器131の本体部131aの破裂防止のため、廃液容器131の本体部131aを完全に膨張させる程度にまでは気体は封入されていない。なお、第1実施形態において、封入される気体は空気であるが、窒素ガス等の気体を封入してもよい。
【0061】
また、図8に示すように、開口部130eおよび131eには、それぞれ、試薬取出部材103の試薬吸引管103iおよび廃液吐出管103jが挿入されるように構成されている。また、希釈液容器130の開口部130eは、本体部130aに収容された希釈液が、試薬取出部103dおよびチューブ4d(図1参照)を介して、検体分析装置2(図1参照)によって取り出されることが可能なように構成されている。また、廃液容器131の開口部131eは、検体分析装置2から廃液吐出部103eおよびチューブ4e(図1参照)を介して廃液が流れ込まれることが可能なように構成されているとともに、本体部131aに廃液が収容された際に、廃液を外部に排出するための排出口としても用いられることが可能なように構成されている。
【0062】
また、図3に示すように、廃液容器131の開口部131eは、箱本体111の矢印X2方向側の側面111dの近傍に配置されているとともに、切り欠き形成部111nとX方向において対向する位置に配置されている。
【0063】
また、第1実施形態では、容器保持部材113は、図15に示すように、約3mmの厚みを有する段ボールからなるとともに、X方向に約338mm、Y方向に約190mmおよびZ方向に約190mmの大きさ(外寸)を有する。ここで、上記したように、箱本体111(図9参照)は、約5mmの厚みを有する段ボールからなるとともに、Y方向に約205mmの大きさ(外寸)を有する。これにより、容器保持部材113と箱本体111とのY方向の隙間は、箱本体111のY方向の外寸(約205mm)から箱本体111の矢印Y1方向側および矢印Y1方向側の厚み(2×約5mm)と容器保持部材113のY方向の外寸(約190mm)とを減算することによって約5mmと求められる。これにより、箱本体111と容器保持部材113とのY方向の隙間は十分小さいので、Y方向において、箱本体111の内部の所定位置に容器保持部材113を保持および固定することが可能である。
【0064】
また、容器保持部材113は、上面部113aと、上面部113aのX方向の両縁部から下方(矢印Z1方向側)に延びる一対の側面113bと、上面部113aの矢印Y1方向側の縁部から下方に延びる側面113cと、上面部113aの矢印Y2方向側の縁部から下方に延びる側面113dとを含む。
【0065】
また、図15および図16に示すように、上面部113aの矢印X1方向の縁部近傍には、希釈液容器130の突出部130b(図14参照)を保持するための保持孔113eが形成されているとともに、上面部113aの矢印X2方向の縁部近傍には、廃液容器131の突出部131b(図14参照)を保持するための保持孔113fが形成されている。この保持孔113eおよび113fは、図17に示すように、略楕円状からなる中心孔113gと、中心孔113gのY方向の両端部に形成された一対の半円状の指挿入孔113hと、中心孔113gのX方向の両端部に形成された一対の切り込み113iとから構成されている。
【0066】
また、第1実施形態では、中心孔113gの中心を通りX方向に延びる短辺の長さは、約50mmである。これにより、略円形状の係止部130dおよび131dの直径(約58mm)よりも中心孔113gの短辺の長さが小さいため、係止部130dおよび131dは、保持孔113eおよび113fの周辺の上面部113aに係止するように構成されている。これにより、容器保持部材113は、開口部130eおよび131eが所定位置に配置されるように希釈液容器130と廃液容器131とを保持するように構成されている。
【0067】
また、一対の指挿入孔113hは、下方(矢印Z1方向側)から突出部130bおよび131bを引き出す際に、ユーザが指を保持孔113eおよび113fに挿入しやすくするために形成されている。また、切り込み113iがZ方向にずれることによって、ユーザが突出部130bおよび131bを引き出しやすくなるように構成されている。
【0068】
また、図15に示すように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122(図5参照)が配置される位置に対応する上面部113aの矢印X1方向側の縁部には、青色の識別標識113j、緑色の識別標識113kおよび赤色の識別標識113lが形成されている。図5に示すように、矢印Y1方向側の青色の識別標識113jは、矢印Y1方向側に配置される溶血剤収容容器120の側面の青色の識別標識120aと対応しており、上面部113aの矢印Y1方向側に形成されている。また、Y方向の略中央の緑色の識別標識113kは、Y方向の略中央に配置される溶血剤収容容器121の側面の緑色の識別標識121aと対応しており、上面部113aのY方向の略中央に形成されている。また、矢印Y2方向側の赤色の識別標識113jは、矢印Y2方向側に配置される染色剤収容容器122の側面の赤色の識別標識122aと対応しており、上面部113aの矢印Y2方向側に形成されている。すなわち、青色の識別標識113jおよび120aは、使用者に、容器が溶血剤収容容器120であることを認識させる標識であり、緑色の識別標識113kおよび121aは、使用者に、容器が溶血剤収容容器121であることを認識させる標識であり、赤色の識別標識113lおよび122aは、使用者に、容器が染色剤収容容器122であることを認識させる標識である。
【0069】
また、第1実施形態では、図15に示すように、一対の側面113bの下方(矢印Z1方向側)で、かつ、矢印Y1方向側の角部は、面取りされることによって曲線状に形成されている。この曲線は、一対の側面113bの矢印Z2方向側で、かつ、矢印Y2方向側の角部を中心とする円の円弧部分として形成されている。また、図5に示すように、矢印X2方向側の側面113bは、箱本体111に挿入された際に、箱本体111の側面111dの取手形成部111pが切り離されることによって形成される取手部111r(図11参照)および穴部111qを箱本体111の内部から覆うように配置されている。これにより、輸送業者等が、取手部111rおよび穴部111qを介して、内部の容器に接触することを防止できる。
【0070】
また、矢印Y1方向側の側面113cでは、下方(矢印Z1方向側)で、かつ、X方向の両角部が面取りされることによって、側面113cは、下方に頂点が位置し、上方に底辺が位置する略直角二等辺三角形形状(図16参照)に形成されている。また、側面113dは、略長方形形状を有し、図5に示すように、箱本体111に挿入された際に、箱本体111の側面111bの係止部形成部111iが切り離されることによって形成される係止部111k(図11参照)および穴部111jを箱本体111の内部から覆うように配置されている。これにより、係止部111kおよび穴部111jを介して、試薬セット100の試薬および廃液がユーザに付着するのを抑制することが可能である。
【0071】
また、図6に示すように、廃液容器131は、容器保持部材113の矢印X1方向側の側面113b、容器保持部材113の矢印Y1方向側の側面113c(図15参照)、容器保持部材113の矢印Y2方向側の側面113d(図15参照)、箱本体111の底面111fおよび希釈液容器130と当接するように構成されている。
【0072】
容器支持部材114は、図18に示すように、約3mmの厚みを有する段ボールからなるとともに、X方向に約62mm、Y方向に約190mmおよびZ方向に約210mmの大きさ(外寸)を有する。すなわち、容器支持部材114は、容器保持部材113と同様にY方向に約190mmの大きさを有するので、Y方向において、箱本体111の内部に容器支持部材114を保持および固定することが可能である。
【0073】
また、容器支持部材114は、溶血剤収容容器120の底部120d、溶血剤収容容器121の底部121dおよび染色剤収容容器122の底部122d(図5参照)を下方(矢印Z2方向側)から支持する支持部114aと、支持部114aの矢印X2方向側から下方に延びる脚部114bと、支持部114aの矢印X1方向側から上方(矢印Z1方向側)に延びる側面部114cとから構成されている。
【0074】
また、支持部114aに溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122が配置された際に、開口部120b、121bおよび122b(図13参照)の高さ位置と、容器保持部材113に保持されている希釈液容器130の開口部130eおよび廃液容器131の開口部131e(図14参照)の高さ位置とが略同一の高さ位置になるように、脚部114bのZ方向の高さが設定されている。これにより、溶血剤収容容器120の底部120d、溶血剤収容容器121の底部121dおよび染色剤収容容器122の底部122dは、本体部130aおよび131aの底部(矢印Z1方向側)よりも高い位置に配置されている。具体的には、脚部114bのZ方向の高さは、約70mmである。
【0075】
また、側面部114cは、図5に示すように、箱本体111に挿入された際に、箱本体111の側面111eの取手形成部111pが切り離されることによって形成される取手部111r(図11参照)および穴部111qを箱本体111の内部から覆うように配置されている。これにより、取手部111rおよび穴部111qを介して、試薬セット100の試薬および廃液がユーザに付着するのを抑制することが可能である。
【0076】
次に、図2、図3、図9、図14および図19〜図22を参照して、本発明の第1実施形態による試薬セット100の組み立て手順について説明する。
【0077】
まず、図9に示す箱体110を準備する。そして、図19に示すように、希釈液が収容されている希釈液容器130を箱本体111の内部のX方向の略中央に配置するとともに、気体が封入された廃液容器131を箱本体111の内部の矢印X2方向側に配置する。なお、希釈液容器130の開口部130eおよび廃液容器131の開口部131e(図14参照)には、それぞれ、キャップ130fおよび131fが螺合されている。
【0078】
ここで、第1実施形態では、図20に示すように、箱本体111の上方(矢印Z2方向側)から希釈液容器130および廃液容器131を覆うように、容器保持部材113を箱本体111の内部に保持および固定されるように挿入する。具体的には、まず、容器保持部材113の矢印Y2方向側の側面113dを、箱本体111の矢印Y2方向側の側面111bと接した状態で挿入する。そして、容器保持部材113の矢印X1方向側の側面113bを、希釈液容器130の矢印X1方向側の側面と接するように挿入するとともに、容器保持部材113の矢印X2方向側の側面113bを、廃液容器131の矢印X2方向側の側面と箱本体111の矢印X2方向側の側面111dとの間に挿入する。また、容器保持部材113の矢印Y1方向側の側面113cを、希釈液容器130および廃液容器131と箱本体111の矢印Y2方向側の側面111bとの間に挿入する。
【0079】
この際、一対の側面113bの下方(矢印Z1方向側)で、かつ、矢印Y1方向側の角部は、曲線状に面取りされているので、箱本体111の矢印Y1方向側の側面111cに引っ掛かるのが抑制される。また、矢印Y1方向側の側面113cの下方(矢印Z1方向側)のX方向の両角部が面取りされているので、箱本体111、希釈液容器130および廃液容器131に引っ掛かるのを抑制される。
【0080】
その後、図21に示すように、容器保持部材113の上面部113aの下方(矢印Z1方向側)に位置する希釈液容器130の突出部130bを引き出すとともに、廃液容器131の突出部131bを引き出す。具体的には、ユーザは、保持孔113eおよび113fの一対の指挿入孔113hに指を挿入することにより、突出部130bおよび131bを掴み、引き出す。この際、保持孔113eおよび113fの切り込み113iをZ方向にずらした状態で、突出部130bおよび131bを引き出す。そして、図22に示すように、希釈液容器130の係止部130dおよび廃液容器131の係止部131dを、保持孔113eおよび113fの周辺の上面部113aに係止する。その後、容器支持部材114の側面部114cが箱本体111の矢印X1方向側の側面111eと接した状態で、容器支持部材114を箱本体111の内部の矢印X1方向側に挿入する。
【0081】
そして、図3に示すように、箱本体111の内部の矢印X1方向側に、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122を配置する。この際、容器保持部材113の上面部113aの矢印Y1方向側に形成されている識別標識113jに対応する溶血剤収容容器120を、矢印Y1方向側に配置する。また、上面部113aのY方向の略中央に形成されている識別標識113kに対応する溶血剤収容容器121を、Y方向の略中央に配置する。また、上面部113aの矢印Y2方向側に形成されている識別標識113lに対応する染色剤収容容器122を、矢印Y2方向側に配置する。なお、溶血剤収容容器120の開口部120b、溶血剤収容容器121の開口部121bおよび染色剤収容容器122の開口部122b(図13参照)には、それぞれ、キャップ120c、121cおよび122cが螺合されている。
【0082】
最後に、蓋部112の一対の差込部112bを一対の差込孔111mに差し込むことによって、図2に示すように、蓋部112によって箱本体111の開口部111a(図3参照)を塞ぐ。これにより、試薬セット100の組み立てが終了する。
【0083】
次に、図1〜図4、図8、図23および図24を参照して、本発明の第1実施形態による試薬セット100の使用手順について説明する。
【0084】
試薬セット100を持ち運ぶ際においては、図23に示すように、ユーザは、箱本体111の側面111dおよび側面111eに設けられた取手形成部111p(図3参照)を切り離して取手部111rを形成する。そして、ユーザは、試薬セット100(箱本体111)をX方向の両側から支持した状態で持ち運ぶ。
【0085】
また、試薬セット100の使用する際においては、図2に示す状態から、図3に示すように、ユーザは、箱本体111に取り付けられている蓋部112を開放する。この際、ユーザは、係止部形成部111iを切り離して係止部111k(図23参照)を形成する。そして、図23に示すように、係止部111kに蓋部112の被係止部112a(図3参照)を係止する。
【0086】
そして、開口部120b、121b、122b、130eおよび131eにそれぞれ螺合されているキャップ120c、121c、122c、130fおよび131f(図3参照)を取り外す。その後、ユーザは、試薬取出部材103を箱本体111の上方(矢印Z2方向側)から開口部111aを覆うように配置する。この際、試薬吸引管103f、103g、103hおよび103iを、それぞれ、開口部120b、121b、122bおよび130eに挿入するとともに、廃液吐出部103eの廃液吐出管103jを開口部131eに挿入する。
【0087】
そして、ユーザが検体分析装置2を作動させることにより、図1に示すように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122に収容されている試薬と、希釈液容器130に収容されている希釈液とが、それぞれ、試薬取出部103a、103b、103cおよび103dとチューブ4a、4b、4cおよび4dとを介して、検体分析装置2に送られる。そして、検体分析装置2において、検体(図示せず)の分析に用いられた後、チューブ4eおよび廃液吐出部103eを介して、廃液容器131に廃液として回収される。
【0088】
そして、検体分析装置2において所定の回数検体の分析が行われることにより、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122に収容されている試薬または希釈液容器130に収容されている希釈液が略全て検体分析装置2において用いられると、検体分析装置2に試薬セット100の交換を指示する旨のメッセージ(図示せず)が表示されて、試薬セット100の使用は終了される。この際、廃液容器131の本体部131aには、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122に収容されていた試薬と希釈液容器130に収容されていた希釈液とからなる廃液が回収される。
【0089】
その後、ユーザは、試薬セット100から試薬取出部材103を取り外した後、新たな試薬セット100を準備して、新たな試薬セット100に試薬取出部材103を図1のように取り付けることが可能である。そして、図4に示すように、ユーザは、キャップ120c、121c、122c、130fおよび131fを、それぞれ、開口部120b、121b、122b、130eおよび131e(図23参照)に螺合することによって栓をする。
【0090】
その後、図2に示すように、ユーザは、蓋部112によって箱本体111の開口部111aを塞ぐ。そして、使用済みとなった試薬セット100は所定の場所で保管され、試薬セット100全体が共に廃棄されるか、または、廃液容器131に回収された廃液のみが別途廃棄される。
【0091】
なお、廃液容器131に回収された廃液を別途廃棄する場合は、図3に示すように、ユーザは、まず、箱本体111に取り付けられている蓋部112を開放する。そして、図24に示すように、箱本体111の側面111dに設けられた切り欠き形成部111n(図23参照)を切り離して切り欠き111oを形成するとともに、廃液容器131の開口部131eに螺合されているキャップ131f(図3参照)を取り外す。その後、ユーザは、箱本体111の矢印X2方向側に形成された側面111dが矢印X1方向側に形成された側面111eよりも下になるように、試薬容器1000を傾ける。これにより、廃液容器131の廃液は、箱本体111の側面111dの略中央の方向に向かって外部に排出される。この際、廃液容器131の廃液は、切り欠き111oを介して、廃液容器131の開口部131eから排出される。
【0092】
第1実施形態では、上記のように、開口部130eおよび131eが所定位置に配置されるように希釈液容器130と廃液容器131とを保持する容器保持部材113を設けることによって、輸送などの際に試薬セット100が傾いた場合であっても、容器保持部材113により希釈液容器130の開口部130eおよび廃液容器131の開口部131eが所定の位置からずれるのを抑制することができる。これにより、試薬吸引管103iおよび廃液吐出管103jをそれぞれ開口部130eおよび131eに挿入しにくくなるのを抑制することができ、従来よりも取り扱いが容易になる。また、多量の希釈液を使用する場合、希釈液容器130は、比較的大容量に構成する必要がある。そうすると、希釈液容器130の重量が大きくなり、輸送などの際に試薬セット100が傾いた際に、希釈液容器130が所定位置からずれ易くなるが、本発明の構成によれば、このような位置ずれを抑制することができる。
【0093】
また、第1実施形態では、上記のように、容器保持部材113の一対の側面113bの下方で、かつ、矢印Y1方向側の角部を面取りすることにより曲線状に形成することによって、箱本体111の内部に固定および保持されるように容器保持部材113を挿入する際に、箱本体111の矢印Y1方向側の側面111cに側面113bの下方の角部が引っ掛かるのを抑制することができる。これにより、容易に、容器保持部材113を箱本体111に挿入することができる。また、直線状に面取りされる場合と比べて、より容易に、容器保持部材113を箱体に挿入することができる。
【0094】
また、第1実施形態では、上記のように、容器保持部材113の側面113cを、下方に頂点が位置し、上方に底辺が位置する略直角二等辺三角形形状に形成することによって、箱本体111の内部に固定および保持されるように容器保持部材113を挿入する際に、箱本体111、希釈液容器130および廃液容器131に側面113cの下方の角部が引っ掛かるのを抑制することができる。これにより、容易に、容器保持部材113を箱本体111に挿入することができる。
【0095】
また、第1実施形態では、上記のように、試薬セット100の使用前では、廃液容器131に気体(斜線部)を封入するとともに、キャップ131fにより開口部131eを密閉することによって、輸送などの際に希釈液容器130に加わる衝撃を廃液容器131のクッション作用によって緩和することができる。これにより、衝撃に起因して希釈液容器130が破損するのを抑制することができる。
【0096】
また、第1実施形態では、上記のように、容器支持部材114の支持部114aに溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122が配置された際に、開口部120b、121bおよび122bの高さ位置と、容器保持部材113に保持されている希釈液容器130の開口部130eおよび廃液容器131の開口部131eの高さ位置とが略同一の高さ位置になるように脚部114bを設けることによって、開口部120b、121b、122b、130eおよび131eの高さ位置の差が大きく異なる場合と比べて、試薬吸引管103f、103g、103h、103iおよび廃液吐出管103jをそれぞれ開口部120b、121b、122b、130eおよび131eに挿入しにくくなるのを抑制することができる。
【0097】
また、第1実施形態では、上記のように、希釈液容器130を、矢印X1方向側に配置された容器支持部材114と矢印X2方向側に配置された廃液容器131とにより、X方向に挟まれるように配置することによって、輸送などの際に希釈液容器130に加わる衝撃を容器支持部材114と廃液容器131とによって緩和することができる。これにより、衝撃に起因して希釈液容器130が破損するのをより抑制することができる。
【0098】
また、第1実施形態では、上記のように、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122が配置される位置に対応する上面部113aの矢印X1方向側の縁部に、青色の識別標識113j、緑色の識別標識113kおよび赤色の識別標識113lを形成することによって、識別標識113j、113kおよび113lが設けられている箇所に、それぞれ、識別標識113jと対応する識別標識120aが設けられた溶血剤収容容器120を配置し、識別標識113kと対応する識別標識121aが設けられた溶血剤収容容器121を配置するとともに、識別標識113lと対応する識別標識122aが設けられた染色剤収容容器122を配置すればよい。これにより、溶血剤収容容器120、溶血剤収容容器121および染色剤収容容器122を誤った位置に配置するのを抑制することができる。
【0099】
また、第1実施形態では、上記のように、箱本体111の係止部111kに蓋部112の被係止部112aを係止することにより箱本体111の開口部111aを開放した状態を維持するように構成することによって、試薬セット100の使用中などに、係止部111kと被係止部112aとによって、蓋部112が開口部111aを塞ぐのを抑制することができるので、蓋部112が開口部111aを塞ぐことにより作業の妨げになるのを抑制することができる。
【0100】
また、第1実施形態では、上記のように、箱本体111の側面111dの上端部近傍で、かつ、Y方向の略中央部に切り欠き形成部111nを形成することによって、切り欠き形成部111nから切り欠き111oを形成することにより、ユーザが廃液を吐出する際に、廃液容器131から吐出される廃液が切り欠き111oの部分を通過するように吐出することができる。これにより、吐出される廃液が箱本体111の側面111dに付着することを抑制することができる。また、切り欠き111oを形成する前は切り欠き111oが設けられていないので、切り欠き111oを介して試薬セット100の試薬および廃液がユーザに付着するのを抑制することができる。
【0101】
また、第1実施形態では、上記のように、容器保持部材113の上面部113aの矢印X1方向の縁部近傍に、希釈液容器130の突出部130bを保持するための保持孔113eを形成するとともに、上面部113aの矢印X2方向の縁部近傍に、廃液容器131の突出部131bを保持するための保持孔113fを形成することによって、保持孔113eおよび113fにより突出部130bおよび131bを保持させるだけで、容易に、開口部130eおよび131eを所定位置に保持させることができる。
【0102】
また、第1実施形態では、上記のように、箱本体111、容器保持部材113および容器支持部材114を段ボールにより形成することによって、容易に再利用することができるので、プラスチック容器などを用いる場合と比べて、環境に対する負荷(悪影響)を小さくすることができる。
【0103】
また、第1実施形態では、上記のように、希釈液容器130および廃液容器131を、略同一の容器からなるように構成することによって、試薬セット100を過剰に大きくすることなく、希釈液容器130から検体分析装置2に供給されて使用された試薬および希釈液を廃液として廃液容器131に回収することができる。
【0104】
また、第1実施形態では、上記のように、試薬吸引管103iおよび廃液吐出管103jを、金属製のプレート103kにより互いに位置が変化しないように固定および保持することによって、希釈液容器130の開口部130eおよび廃液容器131の開口部131eが所定の位置からずれるのが抑制されている本発明において、試薬吸引管103iおよび廃液吐出管103jをそれぞれ開口部130eおよび131eの所定の位置に対応するように固定することができる。これにより、より容易に、試薬吸引管103iおよび廃液吐出管103jをそれぞれ開口部130eおよび131eに挿入することができる。
【0105】
(第2実施形態)
次に、図25〜図41を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、切り欠きを予め形成した例について説明する。
【0106】
まず、図25〜図38を参照して、本発明の第2実施形態による試薬セット200の全体構成について説明する。
【0107】
図25に示すように、第2実施形態による試薬セット200は、後述する容器収容部210の蓋部212を取り外した状態で、血液を分析する検体分析装置2に試薬取出部材203を介して接続されている。また、試薬セット200は、試薬容器2001と、試薬容器2001の各試薬収容容器に収容された試薬とを含む。試薬容器2001は、図28に示すように、箱体200と、箱体200の内部に配置された内装部材(容器保持部材)213と、内装部材213と箱体200の内底面との間に配置される下敷き214と、溶血剤収容容器220および221と、染色剤収容容器222と、希釈液容器230と、廃液容器231とを含む。箱体200は、下部(矢印Z1方向側)に位置し、上端側(矢印Z2方向側)が開放されている箱本体211と、箱本体211を上方(矢印Z2方向側)から覆うことによって、箱本体211の上端を閉鎖するように箱本体211に取り付けられることが可能な蓋部212とを含む。箱本体211は、図26に示すように、X方向に約360mm、Y方向に約200mmおよびZ方向に約200mmの大きさを有する。
【0108】
また、箱本体211の内部には、箱本体211の矢印X1方向側に配置された溶血剤収容容器220および221と、箱本体211の矢印X1方向側に配置された染色剤収容容器222と、箱本体211のX方向の略中央部に配置された希釈液容器230(図28参照)と、箱本体211の矢印X2方向側に配置された廃液容器231(図28参照)とが配置されている。
【0109】
また、図25に示すように、試薬セット200の使用時においては、蓋部212は箱本体211から取り外されているとともに、箱本体211を上方(矢印Z2方向側)から覆うように試薬取出部材203が配置されている。この試薬取出部材203には、溶血剤収容容器220、221、染色剤収容容器222、希釈液容器230および廃液容器231にそれぞれ対応するように、試薬取出部203a、203b、203c、203dおよび廃液吐出部203eが形成されている。また、試薬取出部203a、203bおよび203cは、それぞれ、試薬を吸引するための試薬吸引管203gを含むとともに、試薬取出部203dは、希釈液を吸引するための試薬吸引管203iを含む。また、廃液吐出部203eは、廃液を吐出するための廃液吐出管203jを含む。また、試薬取出部203a、203b、203c、203dおよび廃液吐出部203eは、金属製のプレート203kに固定されている。
【0110】
ここで、第2実施形態では、図27および図28に示すように、箱本体211の側面211aは、矢印X1方向側と、矢印X2方向側と、矢印Y1方向側と、矢印Y2方向側とにそれぞれ設けられている。また、箱本体211の側面211aのうち、廃液容器231の後述する開口部231bに最も近い矢印X2方向側の側面211aの上端には、切り欠き211bが設けられている。この切り欠き211bは、図31に示すように、側面211aの上端のY方向における中央部に形成されているとともに、側面211aの上端の約半分を占めるように幅W1で形成されている。この切り欠き211bの幅W1は、図32に示すように、廃液容器231の開口部231bの幅W2よりも大きいとともに、切り欠き211bは、廃液容器231の開口部231bの幅W2の全域とオーバーラップするように設けられている。また、切り欠き211bは、Z方向の辺よりもY方向の辺の長さが大きい略長方形形状を有する。また、切り欠き211bの底部211cは、Z方向に高さH1を有する。
【0111】
また、図28〜図30に示すように、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aおよび矢印X1方向側の側面211dには、それぞれ、取手部211eおよび211fが設けられている。この取手部211eは、図31に示すように、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aの切り欠き211bの下方(矢印Z1方向側)において、Y方向に延びる長穴形状に切り抜かれることによって形成されている。また、取手部211fは、図30に示すように、取手部211eの形成位置と略同一の高さ位置において、Y方向に延びる長穴形状に切り欠かれることによって形成されている。
【0112】
また、図28および図29に示すように、蓋部212は、箱本体211を上方(矢印Z2方向側)から覆うように箱本体211に取り付けられることによって、切り欠き211bが設けられた箱本体211の矢印X2方向側の側面211aと、箱本体211の矢印X1方向側の側面211dとを覆うように取り付けられるように構成されている。また、蓋部212の矢印X2方向側の側面212aの中央下端および矢印X1方向側の側面212bの中央下端には、それぞれ、係止部212cおよび212dが設けられている。この係止部212cおよび212dは、蓋部212が箱本体211の上面を覆うように箱本体211に取り付けられた状態で、それぞれ、取手部211eおよび211fに係合可能なように構成されている。また、係止部212cおよび212dは、それぞれ、取手部211eおよび211fの上部に当接する当接部212eおよび212fを有する。
【0113】
また、図29に示すように、蓋部212が箱本体211の上面を覆うように箱本体211に取り付けられる際、係止部212cおよび212dがそれぞれ折り曲げられるように構成されている。これにより、当接部212eおよび212fが、取手部211eおよび211fの上部に当接するとともに、係止部212cの先端部212gおよび係止部212dの先端部212hは、それぞれ、箱本体211の内側で、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aおよび箱本体211の矢印X1方向側の側面211dに係止するように構成されている。この結果、係止部212cは、取手部211eと箱本体211の矢印X2方向側の側面211aとにおいて係止されるとともに、係止部212dは、取手部211fと箱本体211の矢印X1方向側の側面211dとにおいて係止されるように構成されている。
【0114】
また、蓋部212の矢印X2方向側の側面212aの下端部および蓋部212の矢印X1方向側の側面212bの下端部は、それぞれ、取手部211eおよび211fの上部と略同一の高さに位置するように構成されている。これにより、ユーザの手(図示せず)が取手部211eおよび211fにより懸かりやすくなるので、後述する側面部213gおよび213hにより箱本体211の内部から取手部211eおよび211fの長穴が塞がれることに起因して、ユーザ(図示せず)が試薬セット200(図26および図28参照)を持ち運びにくくなるのを抑制することが可能である。
【0115】
また、図33に示すように、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222は、それぞれ、内部の試薬が取り出される開口部220a、221aおよび222aと、開口部220a、221aおよび222aにそれぞれ螺合されるキャップ220b、221bおよび222bとを含む。
【0116】
また、第2実施形態では、図34に示すように、希釈液容器230は、希釈液が収容された本体部230aと開口部230bとを有する。また、廃液容器231は、希釈液容器230と同一の容器からなり、廃液が回収される本体部231aと開口部231bとを有する。
【0117】
また、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aは、それぞれ、柔軟性を有するプラスチックからなる。これにより、希釈液容器230の本体部230aは、収容された希釈液の容量に応じて変形可能なように構成されているとともに、廃液容器231の本体部231aは、回収された廃液の容量に応じて変形可能なように構成されている。また、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aは、それぞれ、マチ230d(231d)を有する、いわゆるガゼット袋からなる。これにより、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aは、それぞれ、ある程度自立可能なように構成されている。この際、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aは、それぞれ、高さH2を有する。
【0118】
また、図27および図35に示すように、希釈液容器230の開口部230bおよび廃液容器231の開口部231bは、それぞれ、箱本体211の上部に位置するように構成されているとともに、箱本体211のY方向の中心に位置するように構成されている。また、図35に示すように、開口部230bおよび231bには、それぞれ、試薬取出部材203の試薬取出部203d(試薬吸引管203i)および廃液吐出部203e(廃液吐出管203j)が挿入されるように構成されている。また、図32に示すように、廃液容器231の開口部231bは、Y方向に幅W2を有する。
【0119】
ここで、第2実施形態では、図27および図35に示すように、廃液容器231の開口部231bは、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aの近傍に配置されているとともに、切り欠き211bとX方向において対向する位置に配置されている。
【0120】
また、試薬セット200の使用前においては、図35に示すように、希釈液容器230には、約4Lの希釈液が試薬として収容されている一方、廃液容器231には、何も収容されていない。一方、図36に示すように、試薬セット200の使用後においては、希釈液容器230には、希釈液はほとんど収容されていない一方、廃液容器231には、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222の試薬と希釈液容器230の希釈液とを含む5L未満の廃液が収容されるように構成されている。この際、約5Lの液体を収容可能な希釈液容器230に約4Lの希釈液を収容することによって、廃液容器231に5L以上の廃液が回収されることに起因して、廃液が廃液容器231からあふれ出ることを抑制することが可能である。
【0121】
また、試薬セット200の使用前および使用後においては、図28および図34に示すように、開口部230bおよび231bに、それぞれ、キャップ230cおよび231cが螺合されるように構成されている。
【0122】
また、図28および図29に示すように、容器収容部210の内装部材213は、箱本体211の内部に固定および保持されている。また、内装部材213は、の上部(矢印Z2方向側)には、矢印X1方向側に設けられた第1支持面213aと、第1支持面213aよりも上方(矢印Z2方向側)で、かつ、矢印X2方向側に設けられた第2支持面213bとが形成されている。また、図28に示すように、第1支持面213aには、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222が矢印Y1方向側から順に並べられて配置されている。これにより、図29に示すように、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222の底面(矢印Z1方向側の面)は、それぞれ、希釈液容器230および廃液容器231の底面よりも上方(矢印Z2方向)側に位置するように構成されている。また、図27に示すように、第1支持面213a(図35参照)の上面に溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222が配置されている状態で、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222の開口部220a、221aおよび222aは、それぞれ、箱本体211の上端部よりも下方に位置するように構成されている。
【0123】
また、第2実施形態では、図28および図35に示すように、第2支持面213bは、Z方向と垂直な平面からなり、Z方向に高さH3(図35参照)を有する。また、第2支持面213bの高さH3は、切り欠き211bの底部211cの高さH1と同一になるように構成されている。つまり、内装部材213の第2支持面213bと切り欠き211bの底部211cとは、面一になるように構成されている。
【0124】
また、図37に示すように、第2支持面213bには、矢印X1方向側に形成された支持部213cと矢印X2方向側に形成された支持部213dとが設けられている。また、図35に示すように、支持部213cに希釈液容器230の開口部230bの下端部(本体部230aの上端部)が挿入された状態で、支持部213cに希釈液容器230の開口部230bが係止するように構成されている。また、支持部213dに廃液容器231の開口部231bの下端部(本体部231aの上端部)が挿入された状態で、支持部213dに廃液容器231の開口部231bが係止するように構成されている。これによって、希釈液容器230および廃液容器231は、それぞれ、開口部230bおよび231bが第2支持面213bの上方に露出した状態で、第2支持面213bに支持されるように構成されている。
【0125】
また、図35に示すように、希釈液容器230の開口部230bが本体部230aの中央部よりも矢印X1方向側に位置する状態で、希釈液容器230は、箱本体211において第2支持面213bの支持部213cより支持されるように構成されている。また、図36に示すように、廃液容器231の開口部231bが本体部231aの中央部よりも矢印X2方向側に位置する状態で、廃液容器231は、箱本体211において第2支持面213bの支持部213dより支持されるように構成されている。
【0126】
また、図35および図36に示すように、第2支持面213bの高さH3は、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aの高さH2(図34参照)よりも若干大きくなるように構成されている。これにより、希釈液容器230および廃液容器231は、それぞれ、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aが変形した状態で、支持部213cおよび213dによって吊り上げられた状態で支持されるように構成されている。また、図28に示すように、希釈液容器230の本体部230aの底面の一部および廃液容器231の本体部231aの底面の一部は、それぞれ、図示しない粘着テープによって、箱本体211の内部において矢印Z1方向側に配置された下敷き214に固定されている。これにより、希釈液容器230および廃液容器231は、それぞれ、箱本体211の内部で保持されることが可能である。
【0127】
また、図37および図38に示すように、支持部213cの矢印X1方向側の内周面および支持部213dの矢印X2方向側の内周面は、それぞれ、複数の凹凸部分を有するように形成されている。また、図38に示すように、希釈液容器230の開口部230bの外周面および廃液容器231の開口部231bの外周面には、それぞれ、突起部が形成されている。これにより、支持部213cおよび213dの凹凸部分と、開口部230bおよび231bの外周面の突起部とをそれぞれ係止させることが可能である。この結果、ユーザ(図示せず)が開口部230bおよび231bにそれぞれ取り付けられたキャップ230cおよび231c(図34参照)を取り外す際に、キャップ230cおよび231cを回転させる力により希釈液容器230および廃液容器231が動くことに起因して、キャップ230cおよび231cが取り外しにくくなるのを抑制することが可能である。
【0128】
また、図37に示すように、支持部213cの矢印X2方向側および支持部213dの矢印X1方向側には、それぞれ、切り込み213eおよび213fが設けられている。この切り込み213eによって、第2支持面213bの支持部213cの矢印X2方向側が上方(図28の矢印Z2方向側)に変形可能なように構成されているとともに、切り込み13fによって、第2支持面213bの支持部213dの矢印X1方向側が上方に変形可能なように構成されている。これにより、図28に示すように、ユーザが希釈液容器230を第2支持面213bの支持部213cに下方(矢印Z1方向側)から取り付ける際に、支持部213cの矢印X2方向側を上方に変形させることによって、容易に希釈液容器230の開口部230bを支持部213cに挿入することが可能である。また、ユーザが廃液容器231を第2支持面213bの支持部213dに下方から取り付ける際に、支持部213dの矢印X1方向側を上方に変形させることによって、容易に廃液容器231の開口部231bを支持部213dに挿入することが可能である。
【0129】
また、図37に示すように、内装部材213の矢印X2方向側および矢印X1方向側には、それぞれ、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aおよび矢印X1方向側の側面211dに沿うように、側面部213gおよび213hが設けられている。この側面部213gおよび213hは、図35に示すように、それぞれ、箱本体211の内部から取手部211eおよび211fの長穴形状に切り抜かれた部分を塞ぐように配置されている。これにより、ユーザ(図示せず)が、取手部211eおよび211fを介して、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222の試薬、希釈液容器230の希釈液または廃液容器231の廃液に接触するのを抑制することが可能である。また、側面部213gは、第2支持面213bの矢印X1方向側と一体的に形成されていることにより、側面部213gの上端部の高さH3は、第2支持面213bの高さH3と同一になるように構成されている。
【0130】
また、図28に示すように、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aは、内装部材213と下敷き214とから形成される内部領域A(図29参照)の内部に、互いに隣接した状態で配置されている。この内部領域Aは、具体的には、内装部材213の矢印Y1方向側の側面部213iと、内装部材213の矢印Y2方向側の側面部213jと、内装部材213の矢印X1方向側に位置し第1支持面213aと第2支持面213bとの間に位置する側面部213kと、内装部材213の矢印X2方向側の側面部213gと、下敷き214とから囲まれる領域からなる。また、希釈液容器230および廃液容器231は、それぞれ、内部領域Aの内部で、側面部213iおよび213jと接するように配置されている。
【0131】
また、第2実施形態では、箱本体211の内部領域Aは、希釈液が略満たされている状態の希釈液容器230の本体部230aの容量と、廃液が略満たされている状態の廃液容器231の本体部231aの容量とを足し合わせた合計容量の約4分の3の容量を有するように構成されている。また、図35に示すように、試薬セット200の使用前(初期状態)において、箱本体211の内部領域Aにおける廃液容器231の占める容量は、希釈液容器230の占める容量よりも小さくなるように構成されているとともに、図36に示すように、試薬セット200の使用後においては、箱本体211の内部領域Aにおける希釈液容器230の占める容量は、廃液容器231の占める容量よりも小さくなるように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0132】
次に、図25〜図29、図35、図36および図39〜図41を参照して、本発明の第2実施形態による試薬セット200の使用手順について説明する。
【0133】
まず、図26に示すように、試薬セット200の使用前においては、蓋部212が箱本体211の上面を覆うように箱本体211に取り付けられている。また、図28に示すように、廃液容器231には、廃液は収容されていない。
【0134】
次に、試薬セット200の使用する際においては、ユーザ(図示せず)は、箱本体211に取り付けられている蓋部212を取り外すとともに、開口部220a、221a、222a、230bおよび231bにそれぞれ螺合されているキャップ220b、221b、222b、230cおよび231cを取り外す。そして、図25および図35に示すように、ユーザは、試薬取出部材203を箱本体211を上方(矢印Z2方向側)から覆うように配置する。そして、試薬取出部材203の試薬吸引管203gを、それぞれ、開口部220a、221aおよび222aに挿入するとともに、試薬吸引管203iを開口部230bに挿入する。また、廃液吐出管203jを開口部231bに挿入する。
【0135】
そして、ユーザが検体分析装置2を作動させる際、図39に示すように、検体分析装置2(図25参照)において検体(図示せず)の分析が行われて、希釈液容器230の本体部230aに収容されている希釈液が減少することによって、内部領域Aにおける希釈液容器230の本体部230aが占める容量の割合が小さくなる。一方、廃液容器231の本体部231aに回収される廃液が増加することによって、内部領域Aにおける廃液容器231の本体部231aの占める容量の割合が大きくなる。これらによって、希釈液容器230の本体部230aに占められていた容量の減少分が、希釈液容器230の本体部230aと隣接した状態で配置されている廃液容器231の本体部231aによって占められる。
【0136】
そして、試薬セット200の使用は終了される際、図36に示すように、廃液容器231の本体部231aには、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222にそれぞれ収容されていた試薬と希釈液容器230に収容されていた希釈液とを足し合わせた量と略同量の廃液が回収される。
【0137】
その後、ユーザは、キャップ220b、221b、222b、230cおよび231cを、それぞれ、溶血剤収容容器220の開口部220a、溶血剤収容容器221の開口部221a、染色剤収容容器222の開口部222a、希釈液容器230の開口部230bおよび廃液容器231の開口部231bに螺合することによって栓をする。
【0138】
そして、図26に示すように、ユーザは、箱本体211を上方から覆うように蓋部212を箱本体211に取り付ける。この際、蓋部212は、蓋部212の矢印X2方向側の側面212aの下端部および蓋部212の矢印X1方向側の側面212bの下端部が、それぞれ、取手部211eおよび211fの上部と略同一の高さに位置するように箱本体211に取り付けられる。最後に、ユーザは、蓋部212の係止部212cおよび212dの先端部を取手部211eおよび211f(図28参照)を介して箱本体211の内部に挿入した状態で、係止部212cおよび212dを折り曲げる。これにより、図29に示すように、係止部212cは、取手部211eと箱本体211の矢印X2方向側の側面211aとにおいて係止されるとともに、係止部212dは、取手部211fと箱本体211の矢印X1方向側の側面211dとにおいて係止される。そして、使用済みとなった試薬セット200は所定の場所で保管される。
【0139】
また、第2実施形態では、使用済みとなった試薬セット200の廃液容器231に回収された廃液を試薬セット200と別途廃棄する場合には、ユーザは、箱本体211に取り付けられている蓋部212を取り外すとともに、開口部231bに螺合されているキャップ231cを取り外す。そして、図40および図41に示すように、ユーザは、箱本体211の矢印X2方向側の側面212aが矢印X1方向側の側面212bよりも下になるように、試薬セット200(容器収容部210)をX方向に傾ける。これにより、廃液容器231の廃液は、箱本体211の矢印X2方向側の側面212aの略中央の方向に向かって外部に排出される。この際、廃液容器231の廃液は、箱本体211の矢印X2方向側の側面212aにおいて廃液容器231の開口部231bの全域とオーバーラップするように設けられた切り欠き211bの上方と切り欠き211bの切り欠かれた部分とからなる廃液の排出経路を通って、廃液容器231の開口部231bから排出される。なお、第2実施形態のその他の使用手順は、上記第1実施形態と同様である。
【0140】
第2実施形態では、上記のように、廃液容器231の開口部231bを、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aの近傍で、かつ、切り欠き211bとX方向において対向する位置に配置することによって、ユーザが試薬セット200(容器収容部210)をX方向に傾けて廃液容器231の開口部231bから排出する際に、廃液容器231の開口部231bから排出される廃液が切り欠き211bの切り欠かれた部分を通過するので、排出される廃液が箱本体211の矢印X2方向側の側面211aに付着することを抑制することができる。これにより、ユーザに廃液が付着することを抑制することができる。
【0141】
また、第2実施形態では、上記のように、切り欠き211bを側面211aの上端のY方向における中央部に形成することによって、箱本体211の上部および箱本体211のY方向の中心に位置するように構成されている廃液容器231の開口部231bから、ユーザは容易に箱本体211の矢印X2方向側の側面211aに廃液を付着させることなく廃液を排出することができる。
【0142】
また、第2実施形態では、上記のように、内装部材213の第2支持面213bと切り欠き211bの底部211cとを面一になるように構成することによって、切り欠き211bの上方と切り欠き211bの切り欠かれた部分とからなる廃液の排出経路上に内装部材213の第2支持面213bが配置されないので、廃液が廃液容器231から排出される際に、廃液が第2支持面213bに付着することを抑制することができる。
【0143】
また、第2実施形態では、上記のように、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aを、それぞれ、収容される液体(希釈液および廃液)の容量に応じて変形可能な柔軟性を有するプラスチックからなるように構成するとともに、希釈液容器230および廃液容器231を、互いに隣接した状態で、内装部材213の支持部213cおよび213dによってそれぞれ支持するように構成することによって、希釈液容器230および廃液容器231が、それぞれ、支持部213cおよび213dによって支持されることによって、互いに隣接した状態を保ちながら、収容される液体の容量に応じてそれぞれが変形することができる。
【0144】
また、第2実施形態では、上記のように、箱本体211の内部領域Aを、希釈液が略満たされている状態の希釈液容器230の本体部230aの容量と、廃液が略満たされている状態の廃液容器231の本体部231aの容量とを足し合わせた合計容量の約4分の3の容量を有するように構成し、試薬セット200の使用前(初期状態)において、箱本体211の内部領域Aにおける廃液容器231の占める容量を、希釈液容器230の占める容量よりも小さくなるように構成するとともに、検体分析装置2において検体の分析が行われることにより、希釈液容器230の本体部230aに占められていた容量の減少分が、希釈液容器230の本体部230aと隣接した状態で配置されている廃液容器231の本体部231aによって占められるように構成することによって、希釈液容器230および廃液容器231を収容するために希釈液容器230の希釈液が略満たされている状態における容量と廃液容器231の廃液が略満たされている状態における容量とを足し合わせた合計容量を箱本体211の内部領域Aに確保する必要がない。これにより、試薬セット200が大型化するのを抑制することができる。
【0145】
また、第2実施形態では、上記のように、希釈液容器230および廃液容器231を、それぞれ、希釈液容器230の本体部230aおよび廃液容器231の本体部231aが変形した状態で、支持部213cおよび213dによって吊り上げられた状態で支持されるように構成することによって、収容される液体(希釈液および廃液)の容量に応じて変形可能な柔軟性を有する希釈液容器230の底面および廃液容器231の底面が、それぞれの自重と収容される液体の重みとにより広がってしまうのを抑制することができる。特に、希釈液容器230の底面が広がってしまうことに起因して、希釈液容器230の希釈液を最後まで使い切ることが困難になるのを抑制することができる。
【0146】
また、第2実施形態では、上記のように、蓋部212の矢印X2方向側の側面212aの中央下端および矢印X1方向側の側面212bの中央下端に、それぞれ、蓋部212が箱本体211の上面を覆うように箱本体211に取り付けられた状態で、取手部211eおよび211fに係合可能な係止部212cおよび212dを設けることによって、蓋部212を箱本体211の側面211aおよび211dに係止させることができるので、蓋部212が箱本体211の切り欠き211bを覆った状態で試薬セット200を持ち運ぶ際に、誤って試薬セット200を落とした場合においても、蓋部212が箱本体211から外れることを抑制することができる。これにより、蓋部212が箱本体211から外れることに起因して、試薬、希釈液および廃液がユーザに付着することをより抑制することができる。
【0147】
また、第2実施形態では、上記のように、廃液容器231が希釈液容器230と同一の容器からなることによって、希釈液容器230と廃液容器231とを別途設計する必要がない。
【0148】
また、第2実施形態では、上記のように、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222の底面が、それぞれ、希釈液容器230および廃液容器231の底面よりも上方側に位置するように構成することによって、検体分析装置2において用いられる希釈液の使用量と溶血剤および染色剤の使用量とが異なることにより、希釈液容器230と溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222との容量が異なる場合であっても、希釈液容器230と溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222との上端の高さが略同一となるように希釈液容器230と溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222とを配置することができる。
【0149】
また、第2実施形態では、上記のように、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222が同一の形状を有し、約250mLの液体を収容可能なように構成することによって、溶血剤収容容器220、221および染色剤収容容器222を別途設計する必要がない。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0150】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0151】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、試薬セット100(200)では、4種類の試薬(ヘモグロビン測定用の試薬、白血球分類測定用の試薬、網状赤血球測定用の試薬および希釈液)が溶血剤収容容器120(220)、溶血剤収容容器121(221)、染色剤収容容器122(222)および希釈液容器130(230)に収容されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、試薬セットにおいて試薬収容容器に収容される試薬の種類は4種類に限られない。つまり、試薬セットにおいて1種類の試薬のみを試薬収容容器に収容するように構成してもよいし、4種類以外の複数の試薬を複数の試薬収容容器に収容するように構成してもよい。また、試薬セットにおいて複数の試薬を1つの試薬収容容器に混合して収容するように構成してもよい。
【0152】
また、上記第1および第2実施形態では、廃液容器131(231)に開口部131e(231b)を一箇所だけ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、廃液容器に回収用の開口部と排出口とを別途設けるように構成してもよい。
【0153】
また、上記第1実施形態では、箱本体111と容器保持部材113とのY方向の隙間を十分小さくすることによって、Y方向において、箱本体111の内部に容器保持部材113を保持および固定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、容器保持部材が箱体の内部に固定および保持される構成であれば、その他の構成でもよい。たとえば、容器保持部材を箱体の内部に接着により固定および保持するように構成してもよい。
【0154】
また、上記第1および第2実施形態では、保持孔113e(支持部213c)および保持孔113f(支持部213d)によって、希釈液容器130(230)の開口部130e(230b)および廃液容器131(231)の開口部131e(231b)を所定の位置に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、開口部が所定の位置に配置される構成であれば、その他の構成でもよい。たとえば、希釈液容器および廃液容器を容器保持部材に接着により固定することによって、開口部を所定の位置に配置するように構成してもよい。
【0155】
また、上記第1実施形態では、一対の側面113bの下方(矢印Z1方向側)で、かつ、矢印Y1方向側の角部を、面取りして曲線状に形成するとともに、矢印Y1方向側の側面113cの下方(矢印Z1方向側)のX方向の両角部を面取りすることによって、側面113cを下方に頂点が位置し、上方に底辺が位置する略直角二等辺三角形形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、側面の下方の少なくとも1つの角部が面取りされていれば、曲線状や略直角二等辺三角形形状に限られない。
【0156】
また、上記第1実施形態では、上面部113aの矢印X1方向側の縁部に、青色の識別標識113j、緑色の識別標識113kおよび赤色の識別標識113l(第2識別標識)を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、溶血剤収容容器および染色剤収容容器が配置される位置に対応する位置であれば、上面部の矢印X1方向側の縁部以外の容器保持部材の部分に第2識別標識を形成してもよい。また、容器保持部材ではなく溶血剤収容容器および染色剤収容容器が配置される位置に対応する箱体の矢印X1方向側の側面の位置に、第2識別標識を形成してもよい。
【0157】
また、上記第2実施形態では、箱本体211の切り欠き211bを、箱本体211の矢印X2方向側の側面211aの上端の約半分を占めるように側面211aの中央上端に設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、切り欠きが箱本体部の側面の上端の全体を占めるように形成してもよい。また、切り欠きは、廃液容器の開口部の近傍で、かつ、開口部と対向する部分に設けられていれば、箱本体部の側面の中央に設けられていなくてもよい。
【0158】
また、上記第2実施形態では、内装部材213の第2支持面213bと切り欠き211bの底部211cとが面一になるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、内装部材の第2支持面の高さH3が、切り欠きの底部の高さH1以下であればよい。また、廃液容器の開口部と切り欠きとの間に位置する内装部材の第2支持面の部分が切り欠きの底部の高さH1以下であれば本発明の効果を得ることが可能であるので、内装部材の第2支持面における廃液容器の開口部と切り欠きとの間に位置しない部分を、切り欠きの底部の高さH1よりも大きい高さを有するように構成してもよい。
【0159】
また、上記第2実施形態では、廃液容器231の本体部231aに、溶血剤収容容器220、溶血剤収容容器221および染色剤収容容器222に収容されていた試薬と希釈液容器230に収容されていた希釈液とを足し合わせた量と略同量の廃液が回収される例を示したが、本発明はこれに限らず、廃液容器に回収される廃液は、試薬セットに含まれない容器から送られて検体分析装置で用いられる試薬を含むように構成してもよい。この際、廃液容器に回収される廃液の量が廃液容器の容量(約5L)を超過しないようにする必要がある。
【0160】
また、上記第1および第2実施形態では、廃液容器131(231)が希釈液容器130(230)と同一の容器からなる例を示したが、本発明はこれに限らず、廃液容器は希釈液容器と同一の容器でなくてもよい。
【0161】
また、上記第1および第2実施形態では、溶血剤収容容器120(220)、溶血剤収容容器121(221)および染色剤収容容器122(222)は、同一の形状を有し、約250mLの液体を収容可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、溶血剤収容容器と染色剤収容容器とは、同一の容量および形状を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0162】
2 検体分析装置
100、200 試薬セット
103、203 試薬取出部材(管固定部材)
103f、103g、103h、203g 試薬吸引管(第2試薬吸引管、第3試薬吸引管)
103i、203i 試薬吸引管(第1試薬吸引管)
103j、203j 廃液吐出管
110、210 箱体
111、211 箱本体
111a 開口部(開口)
111k 係止部(開放状態維持部)
111n 切り欠き形成部
111o、211b 切り欠き
112 蓋部
112a 被係止部(開放状態維持部)
113 容器保持部材
113a 上面部
113b、113c 側面(側面部)
113e 保持孔(第1保持孔)
113f 保持孔(第2保持孔)
113j、113k、113l 識別標識(第3識別標識、第4識別標識)
120、121、220、221 溶血剤収容容器(第2試薬収容容器、第3試薬収容容器)
120a、121a、122a 識別標識(第1識別標識、第2識別標識)
120b、121b、122b、220a、221a、222a 開口部(第2吸引口、第3吸引口)
120d、121d、122d 底部
122、222 染色剤収容容器(第2試薬収容容器、第3試薬収容容器)
130、230 希釈液容器(試薬収容容器、第1試薬収容容器)
130b 突出部(第1突出部)
130e、230b 開口部(第1吸引口)
131、231 廃液容器
131e、231b 開口部(吐出口)
131b 突出部(第2突出部)
131f キャップ(蓋)
211a 側面(外側面)
213 内装部材(容器保持部材)
213b 第2支持面(上面部)
213c 支持部(第1保持孔)
213d 支持部(第2保持孔)
1001、2001 試薬容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体分析装置において用いられる第1試薬を収容するとともに、前記第1試薬を吸引するための第1試薬吸引管が挿入される第1吸引口を上部に有する第1試薬収容容器と、
前記検体分析装置において用いられ前記第1試薬を廃液として回収するとともに、前記廃液を吐出するための廃液吐出管が挿入される吐出口を上部に有する廃液容器と、
前記第1試薬収容容器および前記廃液容器を収容する箱体と、
前記第1吸引口および前記吐出口が所定位置に配置されるように前記第1試薬収容容器と前記廃液容器とを保持するとともに、前記箱体の内部の所定位置に保持される容器保持部材とを備える、試薬容器。
【請求項2】
前記容器保持部材は、前記第1試薬収容容器と前記廃液容器とを保持する上面部と、前記上面部の縁部から下方に延びる側面部とを含み、
前記側面部の少なくとも1つの下方の角部は、面取りされている、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項3】
前記側面部の少なくとも1つの下方の角部は、曲線状に形成されている、請求項2に記載の試薬容器。
【請求項4】
前記廃液容器は、柔軟性を有するとともに、前記吐出口を密封するための蓋をさらに含み、
前記廃液容器は、使用前の状態において、内部に気体が封入された状態で、前記蓋により前記吐出口が密封されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項5】
前記検体分析装置において用いられる第2試薬を収容するとともに、前記第2試薬を吸引するための第2試薬吸引管が挿入される第2吸引口を上部に有し、前記第1試薬収容容器よりも高さが低い第2試薬収容容器と、
前記第2試薬収容容器の底部が前記第1試薬収容容器の底部よりも高い位置で前記箱体に収容されるように、前記第2試薬収容容器の底部を支持する容器支持部とをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項6】
前記容器支持部は、前記第1試薬収容容器と前記箱体の側面との間に配置されている、請求項5に記載の試薬容器。
【請求項7】
前記廃液容器は、柔軟性を有するとともに、前記吐出口を密封するための蓋をさらに含み、
前記廃液容器は、使用前の状態において、内部に気体が封入された状態で、前記蓋により前記吐出口が密封されており、
前記第1試薬収容容器は、前記容器支持部と前記廃液容器とに挟まれて配置されている、請求項6に記載の試薬容器。
【請求項8】
前記検体分析装置において用いられる第2試薬を収容する第2試薬収容容器と、
前記検体分析装置において用いられる第3試薬を収容する第3試薬収容容器とをさらに備え、
前記第2試薬収容容器には、前記第2試薬収容容器であることを認識させるための第1識別標識が設けられており、
前記第3試薬収容容器には、前記第3試薬収容容器であることを認識させるための第2識別標識が設けられており、
前記容器保持部材および前記箱体の少なくとも一方の前記第2試薬収容容器が配置される位置に対応する箇所には、前記第1識別標識に対応する第3識別標識が設けられており、
前記容器保持部材および前記箱体の少なくとも一方の前記第3試薬収容容器が配置される位置に対応する箇所には、前記第2識別標識に対応する第4識別標識が設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項9】
前記箱体は、上部に開口を有する箱本体と、前記箱本体に連なり、前記箱本体の開口を塞ぐための蓋部と、前記箱本体の開口を開放した状態を維持するための開放状態維持部とを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項10】
前記箱体の側面の上部には、前記廃液容器から吐出される前記廃液を通過させるための切り欠きを形成するための切り欠き形成部が設けられている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項11】
前記第1吸引口は、前記第1試薬収容容器の上部から突出する第1突出部に設けられており、
前記容器保持部材は、前記第1突出部を保持することにより前記第1吸引口を所定位置に保持するための第1保持孔を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項12】
前記吐出口は、前記廃液容器の上部から突出する第2突出部に設けられており、
前記容器保持部材は、前記第2突出部を保持することにより前記吐出口を所定位置に保持するための第2保持孔を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項13】
前記箱体および前記容器保持部材は、段ボールによって形成されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項14】
前記第1試薬収容容器と前記廃液容器とは、略同一の容量を有するように構成されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項15】
前記検体分析装置は、血球計数装置であり、
前記第1試薬収容容器は、前記第1試薬として希釈液を収容する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項16】
前記第1試薬吸引管および前記廃液吐出管は、共通の管固定部材に保持されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の試薬容器と、
前記検体分析装置において用いられる試薬とを備える試薬セット。
【請求項18】
検体分析装置において用いられる第1試薬を収容するとともに、前記第1試薬を吸引するための第1試薬吸引管が挿入される第1吸引口を上部に有する第1試薬収容容器と、
前記検体分析装置において用いられる第2試薬を収容するとともに、前記第2試薬を吸引するための第2試薬吸引管が挿入される第2吸引口を上部に有し、前記第1試薬収容容器よりも高さが低い第2試薬収容容器と、
前記検体分析装置において用いられた前記第1試薬および前記第2試薬を廃液として回収するとともに、前記廃液を吐出するための廃液吐出管が挿入される吐出口を上部に含む廃液容器と、
前記第2試薬収容容器の底部が前記第1試薬収容容器の底部よりも高い位置になるように前記第2試薬収容容器の底部を支持する容器支持部と、
前記第1試薬収容容器、前記第2試薬収容容器、前記廃液容器および前記容器支持部を収容する箱体とを備える、試薬容器。
【請求項19】
前記第1試薬収容容器と前記廃液容器とは、略同一の高さを有する、請求項18に記載の試薬容器。
【請求項20】
前記検体分析装置において用いられる第3試薬を収容するとともに、前記第3試薬を吸引するための第3試薬吸引管が挿入される第3吸引口を上部に有し、前記第2試薬収容容器と略同じ高さを有する第3試薬収容容器をさらに備え、
前記第3試薬収容容器は、前記容器支持部によって支持されている、請求項18または19に記載の試薬容器。
【請求項21】
前記第1試薬収容容器、前記第2試薬収容容器および前記廃液容器は、前記第1吸引口、前記第2吸引口および前記吐出口が略同一の高さ位置に配置されるように前記箱体に収容されている、請求項18〜20のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項22】
前記廃液容器は、柔軟性を有するとともに、前記吐出口を密封するための蓋をさらに含み、
前記廃液容器は、使用前の状態において、内部に気体が封入された状態で、前記蓋により前記吐出口が密封されており、
前記第1試薬収容容器は、前記容器支持部と前記廃液容器とに挟まれて配置されている、請求項18〜21のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項23】
検体分析装置において用いられる試薬を収容する試薬収容容器と、
前記検体分析装置において用いられた前記試薬を廃液として回収する廃液容器と、
複数の外側面を有し、前記試薬収容容器と前記廃液容器とを収容する容器収容部とを備え、
前記廃液容器は、回収された前記廃液を吐出するために用いられる吐出口を上部に有し、
前記吐出口が前記容器収容部の外側面近傍に配置されるように、前記廃液容器が前記容器収容部に収容され、
前記容器収容部の複数の外側面のうち、前記吐出口に最も近い前記外側面の前記吐出口に対向する上端部分には、切り欠きが設けられている、試薬容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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